JP3264322B2 - 摩擦攪拌接合を利用した筒の製造方法およびこれに用いる製造装置 - Google Patents

摩擦攪拌接合を利用した筒の製造方法およびこれに用いる製造装置

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JP3264322B2
JP3264322B2 JP02765298A JP2765298A JP3264322B2 JP 3264322 B2 JP3264322 B2 JP 3264322B2 JP 02765298 A JP02765298 A JP 02765298A JP 2765298 A JP2765298 A JP 2765298A JP 3264322 B2 JP3264322 B2 JP 3264322B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、摩擦攪拌接合によ
り金属、特にアルミニウム合金を素材とした管乃至筒の
接合方法およびこれに用いる装置に関する。より具体的
には管乃至筒の製造またはその接続に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、中空管や筒を製造する手段の一つ
として、押出し(extrusion )成形法があった。しか
し、この手段では、特に口径の大きな中空管を製造する
には装置が大掛かりになって高コストとなるため、経済
的に見合わないという問題があった。
【0003】また、他の中空管の製造手段として、複数
の押出し成形品を組み合わせて接合するか、板状材を曲
げて筒状体に接合し、これをMIG溶接(Metal Inert
Gas)やTIG溶接(Tungsten Inert Gas)により管の
外側から溶融溶接を行う手段があった。しかし、この手
段では、管を外側から溶接するため製品表面の仕上がり
が奇麗でなかった。さらに、MIG溶接などでは、溶接
部分にボイド(void)などが生じ易く、加えて、高価な
不活性ガスを必要とする。また、管と管を連結させるよ
うに接合する場合も上記と同様の問題が生じている。
【0004】一方、近年アーク溶接に比べて簡単に金属
材同士を接合することができる摩擦攪拌接合(Friction
Stir Welding )が注目されている(特表平9−508
073号参照)。この摩擦攪拌接合は、図11に示すよ
うに、被接合材1および1´の互いの端縁を突き合わせ
た被接合面に沿って、工具鋼からなる回転する工具21
´を押圧しつつ進入させることにより行う。該工具は、
被接合材との接触面が凹んだ形状である円柱体よりなる
表面押え部21bと、その中心から同軸に伸びる摩擦ピ
ン21aからなり、上記突き合わせ面に沿ってやや傾け
た状態で水平(図11(b)において左)方向に移動さ
れ、かつ垂直方向の押圧力が付加される。
【0005】なお、上記摩擦ピン21aの周囲には、図
示しない水平方向に沿ったネジ状の摩擦攪拌翼が形成さ
れている。この摩擦ピン21aの回転に伴って、被接合
面の摩擦ピン近傍の被接合材1および1´は、摩擦熱に
より加熱して可塑化されるとともに、被接合材間におい
て水平および垂直方向に流動化される。ここで、流動化
した被接合材は、上記表面押え部21bにより垂直方向
の流動を抑制されながら摩擦ピンにより充分に攪拌・混
合される。この結果、摩擦ピンが通過し冷却された後
は、被接合材同士が一体となり強固に接合される。な
お、摩擦攪拌接合を行った部分の表面は、表面押え部2
1bにより押さえられていることなどによるため、平坦
で一定の幅を有する接合線となる。したがって、従来の
アーク溶接などの様に盛り上がった溶接ビードがなく、
後加工が不要になったりこれを簡略化することができ
る。また、摩擦ピン21aの長さを板厚と同等ないし若
干短いものとすると、接合作業を行った反対側の面は接
合線の目立たない奇麗な仕上がりとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、押出し
成形やMIG溶接・TIG溶接などによる中空管の製造
には上記のような欠点があり、また、摩擦攪拌接合にお
いては、工具を被接合面に大きな力で押し付けるため
に装置に大きな剛性が必要となること、通常の溶融溶
接の場合と異なり、高い突き合わせ精度が要求されるた
め、被接合材が大型・長尺の場合は専用の大型の固定治
具が必要となり、設備費が高くなるばかりでなく、被接
合材を大型固定治具にセットしたり取り外したりするの
に多くの労力や時間が必要となり、作業費も増大するこ
と、などの欠点があった。
【0007】本発明は、上記中空管や筒の接合において
摩擦攪拌接合を内面から行うことを思いつき、これによ
り、かかる従来の欠点を克服し、外観が美麗で、任意の
断面形状を持った様々な口径の筒を安価に製造すること
ができる摩擦攪拌接合を利用した筒の製造方法および製
造装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するためになされたものであり、請求項1記載の摩
擦攪拌接合を利用した筒の製造方法は、所定の形状の被
接合材を所定の位置で突き合わせて筒状体に形成する工
程と、前記筒状体の突き合わせ部分である被接合面を順
次摩擦攪袢接合する工程、よりなる摩擦攪袢接合を利用
した筒の製造方法であって、(イ) 所定の回転数で回
転する摩擦ピンとその根元に表面押え部を有する摩擦攪
袢接合を行う工具を用いることと、(ロ) 前記筒状体
の内面より前記被接合面の摩擦攪袢接合を行うことと、
(ハ) 前記工具に加える押圧の反力を前記筒もしくは
筒状体の他の内面で受けることと、を特徴とする。これ
により、様々な筒を確実に製造できるとともに、工具に
加える押圧の反力を有効に処理することができる。ま
た、筒の外側面に見える接合線はアーク溶接のごときビ
ードとならず奇麗な仕上がりとなる。なお、上記被接合
材としてはアルミニウム合金が適しており(請求項
2)、これによれば、摩擦攪拌接合により様々な筒を提
供することが可能となる。
【0009】また、請求項3記載の製造方法の発明は、
請求項1または請求項2記載の摩擦攪拌接合を利用した
筒の製造方法において、(イ) 前記被接合材が目的と
する任意の断面形状の筒状体をその軸線方向に平行に2
つに分割した形状の2本の材料からなるものであって当
該材料を張り合わせることにより任意の断面形状の筒状
体を形成することができるものであることと、(ロ)
前記工具が2個であり、一方の工具に加える押圧の反力
を前記筒もしくは筒状体の反対側の内面においてもう一
方の工具で受けることと、を特徴とする。これにより、
被接合材同士を張り合わせて様々な断面形状の筒を確実
に製造することができる。
【0010】また、本発明の方法は、請求項1または請
求項2記載の摩擦攪拌接合を利用した筒の製造方法にお
いて、被接合材が帯材であって、当該帯材を順次螺旋状
に巻くことによって任意の口径のスパイラル管である筒
状体を形成することができるものであること(請求項
4)、もしくは被接合材が板材であって、当該板材を順
次捲回することによって任意の口径の縫合管である筒状
体を形成することができるものであること(請求項
5)、を特徴とする。これによれば、様々な口径や長さ
をしたスパイラル管や縫合管を確実に提供することがで
きる。
【0011】また、請求項6記載のクレーンブーム材
は、被接合材がアルミニウム合金押出し成形によりなる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項
記載の摩擦攪袢接合を利用した筒の製造方法により製造
されたものである。これにより製造されたクレーンブー
ムは、軽量かつ堅固なものである。
【0012】また、請求項7記載の製造方法の発明は、
所定の口径をした2本の円筒である被接合材の片側の端
面同士を突き合わせて長尺の筒状体に形成する工程と、
前記筒状体の突き合わせ部分である被接合面を順次摩擦
攪袢接合する工程、よりなる摩擦攪袢接合を利用した筒
の製造方法であって、(イ) 前記筒状体の内面より前
記被接合面の摩擦攪袢接合を行うことと、(ロ) 所定
の回転数で回転する摩擦ピンとその根元に表面押え部を
有する摩擦攪袢接合を行う工具を用いることと、(ハ)
前記工具に加える押圧の反力を前記筒もしくは筒状体
の他の内面で受けることと、を特徴とする。これによれ
ば、被接合材である円筒と円筒とを確実に接合すること
ができ、長尺の筒を容易に製造することが可能となる。
また、この場合、2 個の工具を用い、一方の工具に加え
る押圧の反力を筒もしくは筒状体の反対側の内面におい
てもう一方の工具で受ける構成とすれば(請求項8)、
作業速度が上昇するとともに、工具に加える押圧の反力
を無駄無く利用することができる。
【0013】また、請求項9の発明は、請求項7または
請求項8記載の摩擦攪拌接合を利用した筒の製造方法に
おいて、筒状体の円周方向に形成される前記被接合面を
順次摩擦攪袢接合するに際して、接合を行う始点と終点
とがオーバーラップする閉じた接合線を形成するととも
に、オーバーラップを形成する際、前記工具を順次引き
上げることにより、その接合線を終点に向けて順次浅く
形成すること、を特徴とする。これにより、オーバーラ
ップの部分においては、摩擦ピンによる作業領域の深さ
が徐々に浅くなって行くので、被接合材である円筒と円
筒とを確実に接合でき。しかも、摩擦ピン抜けの痕も無
く接合線が始点から終点まで平坦になるので、後加工を
行わなくとも品質のよい製品を提供することができる。
【0014】また、請求項10記載の摩擦攪拌接合を利
用した筒の製造装置は、所定の形状の被接合材を所定の
位置で突き合わせて筒状体に形成し、その突き合わせ部
分である被接合面を順次摩擦攪拌接合し筒を製造する摩
擦攪拌接合を利用した筒の製造装置であって、(イ)
前記被接合材を所定の位置で突き合わせて筒状体に形成
したものを固定するための固定脚であって、前記被接合
材との接触部分に転動手段もしくは滑動手段を持ったも
のと、前記固定脚を所定の力で前記被接合材に押し付
けるための手段と、からなる前記被接合材の外側に設置
される固定治具、(ロ)摩擦ピンとその根元に表面押
え部を有する摩擦攪袢接合を行う工具と前記工具を所定
の力で前記被接合面に押し付けるための手段を有する接
合アーム、前記摩擦ピンを所定の回転数で回転させる
ための駆動手段、前記工具に加える押圧の反力を前記
筒状体もしくは筒の他の内面で受ける反力受け部と、
前記被接合材との接触部分に転動手段もしくは滑動手段
を持ち前記工具を前記被接合面に案内するガイド脚、か
らなる前記被接合材の内側に設置される接合装置、
(ハ) 前記被接合材を前記固定治具および前記接合装
置に対して所定の速度で移動させることができる被接合
面の送り手段、からなることを特徴とする。この装置に
よれば、摩擦攪拌接合により様々な形状の表面仕上がり
が奇麗な筒を確実に提供することができるとともに、工
具に加える押圧の反力を有効に処理することができるた
め、接合装置を小型・軽量化することが可能である。
【0015】また、本発明における製造装置は、請求項
10記載の摩擦攪袢接合を利用した筒の製造装置におい
て、記被接合面の送り手段に代えて、前記接合装置およ
び前記固定治具を、前記被接合材に対して所定の速度で
移動させることができる被接合面の送り手段、を有する
ことを特徴とする(請求項11)。これによれば、作業
スペースを大幅に削減することができる。
【0016】また、請求項12記載の製造装置は、請求
項10記載の摩擦攪袢接合を利用した筒の製造装置にお
いて、(イ) 前記固定冶具に代えて、前記被接合材を
所定の位置で突き合わせて筒状体に形成したものを前記
被接合材の外側から固定する固定冶具であって、前記筒
状体の長さに応じて設けられたもの、(ロ) 前記被接
合面の送り手段に代えて、前記接合装置のみを、前記被
接合材および前記固定治具に対して所定の速度で移動さ
せることができる被接合面の送り手段、を有することを
特徴とする。これによれば、確実に摩擦攪拌接合を行う
ことができるとともに、接合装置の操作が容易となり装
置も簡単な構造となる。
【0017】また、本発明の製造装置は、請求項10乃
至請求項12のいずれか1項記載の摩擦攪拌接合を利用
した筒の製造装置において、(イ) 前記被接合材が目
的とする任意の断面形状の筒状体をその軸線方向に平行
に2つに分割した形状の2本の材料からなるものであっ
て当該材料を張り合わせることにより任意の断面形状の
筒状体を形成することができるものであること、(ロ)
前記接合装置が2本の前記工具を有し、一方の工具に
加える押圧の反力を筒もしくは筒状体の反対側の内面に
おいてもう一方の工具で受けること、を特徴とする(請
求項13)。この装置によれば、被接合材同士を張り合
わせて様々な断面形状をした筒を確実に提供することが
できる。
【0018】また、本発明の製造装置は、請求項10記
載の摩擦攪拌接合を利用した筒の製造装置であって、被
接合材が帯材であって当該帯材を順次螺旋状に巻くこと
によって任意の口径のスパイラル管である筒状体を形成
することができるものであること(請求項14)、もし
くは被接合材が板材であって当該板材を順次捲回するこ
とによって任意の口径の縫合管である筒状体を形成する
ことができるものであること(請求項15)、を特徴と
する。この装置によれば、様々な口径や長さをしたスパ
イラル管や縫合管を確実に提供することができる。
【0019】また、請求項16記載の摩擦攪拌接合を利
用した筒の製造装置は、所定の口径をした2本の中空管
である被接合材の片側の端面同士を突き合わせて長尺の
筒状体に形成し、その突き合わせ部分である被接合面を
順次摩擦攪袢接合し筒を製造する摩擦攪袢接合を利用し
た筒の製造装置であって、(イ)前記被接合材を所定
の位置で突き合わせて筒状体に形成したものを固定する
ための固定脚であって、前記被接合材との接触部分に転
動手段もしくは滑動手段を持ったものと、前記固定脚
を所定の力で前記被接合材に押し付けるための手段と、
からなる前記被接合材の外側に設置される固定治具、
(ロ)摩擦ピンとその根元に表面押え部を有する摩擦
攪袢接合を行う工具と前記工具を所定の力で前記被接合
面に押し付けるための手段を有する接合アーム、前記
摩擦ピンを所定の回転数で回転させるための駆動手段、
前記工具に加える押圧の反力を前記筒状体もしくは筒
の他の内面で受ける反力受け部と、前記被接合材との
接触部分に転動手段もしくは滑動手段を持ち前記工具を
前記被接合面に案内するガイド脚と、からなる前記被接
合材の内側に設置される接合装置、(ハ) 前記被接合
材を前記固定治具および前記接合装置に対して所定の速
度で回転させることができる被接合面の送り手段、から
なることを特徴とする。この装置によれば、被接合材で
ある円筒と円筒とを確実に接合することができ、長尺の
筒を容易に製造することが可能となる。
【0020】また、本発明の製造装置は、請求項10、
請求項11もしくは請求項13乃至請求項16のいずれ
か1項記載の摩擦攪拌接合を利用した筒の製造装置にお
いて、前記工具に対して前記被接合材を挟んで相対する
位置に設けられ、前記被接合材との接触部分に転動手段
もしくは滑動手段を持った接合部の裏当てを有すること
を特徴とする(請求項17)。これにより、被接合材の
強度が足りない場合でも確実に摩擦攪拌接合により筒を
提供することができる。
【0021】また、本発明の製造装置は、請求項11
載の摩擦攪拌接合を利用した筒の製造装置において、
記工具に対して前記被接合材を挟んで相対する位置に設
けられ、前記被接合材との接触部分に転動手段もしくは
滑動手段を持った接合部の裏当てを有し、前記裏当てが
前記工具と共に移動することを特徴とする(請求項1
8)。これにより、被接合材の強度が足りない場合であ
っても、様々な長さの筒を確実に提供することができ
る。
【0022】また、本発明の装置は、請求項10、請求
項11もしくは請求項13乃至請求項16のいずれか1
項記載の摩擦攪拌接合を利用した筒の製造装置におい
て、前記固定脚、前記接合アーム、前記ガイド脚の一部
または全部が伸縮自在な手段を有することを特徴とする
(請求項19)。さらに、本発明の装置は、請求項17
または請求項18のいずれか1項記載の摩擦攪拌接合を
利用した筒の製造装置において、前記固定脚、前記接合
アーム、前記ガイド脚および前記裏当てを支持する支持
脚の一部または全部が伸縮自在な手段を有することを特
徴とする(請求項20)。この装置によれば、様々な断
面形状や口径をした筒を確実に製造することができる。
【0023】また、請求項21記載の製造装置は、請求
項12または請求項13のいずれか1項記載の摩擦攪拌
接合を利用した筒の製造装置において、前記工具に対し
て前記被接合材を挟んで相対する位置に設置され、前記
筒状体の長さに応じて設けられた固定式の接合部の裏当
てを有することを特徴とする。この装置によれば、筒を
確実に製造することができるとともに、装置のメンテナ
ンスが容易となる。また、裏当てがあることにより肉厚
の薄い材料により筒を製造することが可能となる。
【0024】最後に、本発明の製造装置は、請求項1
2、請求項13もしくは請求項21のいずれか1項記載
の摩擦攪拌接合を利用した筒の製造装置において、前記
接合装置の前記接合アームおよび前記ガイド脚の一部ま
たは全部が伸縮自在な手段を有することを特徴とする
請求項22)。この装置によれば、様々な断面形状や
口径を持った筒を確実に製造することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】図面によって本発明の実施の形態
を説明する。
【0026】◎第1 実施形態 まず、本発明における第1実施形態について説明する。
図1は、この発明に係る第1実施形態における筒の製造
の要部を示す正面図である。図2は、第1実施形態にお
ける摩擦攪拌接合を行う接合装置を示す図である。図3
は、摩擦ピンを回転させるための動力伝達手段を示す図
である。図4は、第1実施形態における第1のバリエー
ションによる筒(張り合わせ管)の製造を示す斜視図で
ある。図5は、第1実施形態における第2のバリエーシ
ョンによる筒(スパイラル管)の製造を示す斜視図であ
る。図6は、第1実施形態における第3のバリエーショ
ンによる筒(縫合管)の製造を示す斜視図である。図7
は、第1実施形態における第4のバリエーションによる
筒の製造装置を示す図でクレーンブームの製造に本発明
を利用した例を示すものである。
【0027】本発明の第1の実施形態における製造方法
は、所定の形状の被接合材1を所定の位置で突き合わせ
て筒状体に形成する工程と、筒状体の突き合わせ部分で
ある被接合面3を順次摩擦攪拌接合する工程とからな
る。
【0028】 被接合材1を筒状体に形成する工程
は、図1 又は図4のように任意の断面形状をした複数の
材料を張り合わせて筒状体を形成する方法であっても、
図5のように帯材を螺旋状に巻いてスパイラル管を製造
する際に使用する方法であっても、また図6のように板
材を捲回して縫合管を製造する際に使用する方法であっ
ても差し支えない。また、被接合材1の特性は、上記の
ように筒状体を形成することができるものであれば、断
面が半円状、コの字状、U 字状など様々な断面形状の材
料や帯材や板材であっても差し支えない。従って、これ
らの被接合材より製造された筒の断面は、丸、楕円、四
角、六角形などの多角形や、その他様々な断面を有する
ことになる。ここで、被接合材同士を突き合わせる面は
互いに平滑である必要があり、被接合材を所定の位置で
突き合わせた場合に被接合面3に大きな隙間ができるよ
うな状態は好ましくない。また、被接合面3は少なくと
も摩擦攪拌接合を行う工具21´を押し付けることがで
きる程度の平坦さが必要であるが、多少の凹凸や曲面が
あっても差し支えない。また、被接合材1の材質は、ア
ルミニウム合金など様々なものを利用することができる
が、特に、アルミニウム合金など融点のあまり高くない
金属が接合に適している。
【0029】 次に被接合面3を摩擦攪拌接合する工
程においては、摩擦攪拌接合を行う工具21´は工具鋼
からなる摩擦ピン21aと表面押え部21bからなる。
この表面押え部21bは、被接合材1との接触面が凹ん
だ形状である円柱体よりなっている。この摩擦ピンの周
囲には図示しないが、ネジ状の小さな摩擦攪拌翼が形成
されている。摩擦ピンは500〜15000rpmの回
転速度で回転し、被接合面3に表面押え部21bが接す
るまで押し込まれるとともに、接合ライン2に沿って
0.005〜2m/分の相対速度で移動される。この工
具を押し込む力は被接合材の材質や摩擦ピンの形状など
により異なるが、おおよそ10〜2000kgf である。
この摩擦ピン21aの回転により、摩擦ピン近傍の被接
合材1は摩擦熱により加熱され可塑化し、流動化され
る。このように摩擦熱で流動化した摩擦ピン近傍の被接
合材は、工具21´の表面押え部21bにより表面方向
の流動に対し一定の制限が与えられるため、被接合部の
表面付近から外部に飛散することが阻止されるとともに
被接合材の内部では、材料同士が流動状態で充分に攪拌
・混合される。この結果、摩擦ピンが通過し冷却された
後は、被接合材同士が一体となり強固に接合される。ま
た、摩擦攪拌接合を行った部分の表面は、表面押え部に
より押さえられていることなどによるため、平坦で一定
の幅を有する接合線となる。したがって、従来のアーク
溶接などの様に盛り上がった溶接ビードがない。
【0030】ここで、摩擦攪拌接合は筒状体の内面から
行なうが、このようにすることで表面に接合線や従来の
溶接ビードなどが見えない美麗な筒を製造することがで
きる。なお、上記のとおり工具21´には摩擦ピン21
aを押し込むために大きな押圧が加えられることにな
る。従って、工具に加える押圧の反力をどのように受け
るかが問題となるが、図1、図4、図5および図6に示
すように、筒状体の反対側の面もしくは他の面で受ける
ことにより問題は解消される。
【0031】なお、接合工程においては、形成した筒状
体を固定する手段が必要であるが、特に張り合わせた被
接合材1の被接合面3が摩擦ピン21aにより開かない
ようにするため、被接合材を周囲から強く押さえつける
必要がある。
【0032】また、本発明においては、被接合面3を順
次摩擦攪拌接合して筒を製造して行くが、この順次接合
を行う方法(被接合面の送り手段)としては、工具21
´などを固定しておき、被接合材のみを接合ライン2に
沿って前後に移動させることで、様々な長さを持った筒
を製造することができる。なお、この際、請求項3に記
載したように、被接合材1を固定し工具21´などを接
合ライン2に沿って前後に移動させる構成とすれば、作
業スペースを節約することが可能となる。
【0033】次に、第1実施形態における筒の製造装置
を説明する。本発明における摩擦攪拌接合を利用した筒
の製造装置は、所定の形状の被接合材を所定の位置で突
き合わせて筒状体に形成する手段と、図4などに示すよ
うに筒状体に形成し突き合わせた被接合材1を所定の位
置で固定する手段である固定治具10と、被接合材1の
内側から摩擦攪拌接合を行う接合装置20と、必要に応
じて被接合面3の裏当て31と、被接合面3を接合装置
に対して所定の速度で移動させることができる被接合部
分の送り手段とからなる。
【0034】 被接合材1を筒状体に形成する手段
は、前記のように任意の断面形状をした複数の材料を張
り合わせて筒状体(図4)を形成する手段であっても、
帯材を螺旋状に巻いてスパイラル管(図5)を製造する
際に使用する手段であっても、また板材を捲回して縫合
管(図6)を製造する際に使用する手段であっても差し
支えない。また、被接合材1の材質や断面形状や被接合
材同士を突き合わせる面の特性などは前記のとおりであ
る。
【0035】 被接合材1外側に設置され、上記手段
で形成された筒状体を固定する固定治具10は固定脚1
1からなるが、これは形成した筒状体の形を維持し、摩
擦攪拌接合に際して被接合面3が摩擦ピン21aにより
開いてしまうのを防止する役割を果たす。この固定脚1
1は、被接合材との接触面に転動手段や滑動手段11a
を有する。この転動手段などは、車輪、キャタピラ(米
国キャタピラ社の登録商標)、ローラーなど被接合材と
の間の摩擦を低減できるものであれば特定のものに限定
されることはない。これにより様々な長さの被接合材に
対処することが可能となり、長尺の筒を製造する場合で
も固定治具10を取り付けたり取り外したりする労力が
削減できる。また、固定脚11を伸縮自在にすれば、様
々な断面形状や大きさの異なる被接合材に対処すること
ができるようになる。加えて、固定脚11が複数隣接す
る場合は、相互の間隔を調節できるようにしておくと、
さらに、様々な断面形状や口径をもった被接合材に対処
することができる。また、この脚に首を振る機構11c
を設けておけば被接合材1をより均等な力で固定させる
ことができる。この首振り機構にはラチェット機構など
首振り角度を調節できる機構を設けておくと更に均等な
力で被接合材を固定することができる。この固定脚11
は、摩擦攪拌接合を行っている箇所の外側に位置するよ
うにするのがよい。
【0036】 被接合材1の内側に設置され、筒状体
の内面より摩擦攪拌接合を行う接合装置20の主な構成
は、図2、図5、図6に示すように摩擦攪拌接合を行う
接合アーム21とこれを接合ラインに案内するガイド脚
22ないしガイド脚を兼ねる反力受け部23である。1)
接合アーム21は、表面押え部21b、摩擦ピン21a
からなる工具21´およびこれらを被接合面3に押し付
ける押圧ラム21cよりなる。摩擦ピン21aは高速で
回転し、押圧ラム21cによって表面押え部21bとと
もに被接合面3に強い押圧で押し付けられ、被接合面の
摩擦攪拌接合が行なわれる。工具21´の数は、被接合
面が1つならば1本、被接合面が2つならば2本という
ように、被接合面の数に応じて設けるのが、作業の効率
上好ましい。工具21´を2つ設けた場合は、これらは
互いに反対側の工具の反力受け部を兼ねることになる。
摩擦ピン21aは、少なくとも耐摩耗性を有することが
必要である。摩擦ピンの直径は、被接合材の肉厚や材質
などにより適宜選定する。また、摩擦ピンの長さは、回
転数や接合速度などにより異なるが、被接合材の肉厚と
同じかそれよりもわずかに短いもの(板厚の1%〜10
%程度短い)がよい。このような摩擦ピンを用いると、
製品の外面に痕の残らない平滑で美麗な仕上がりとな
る。なお、摩擦ピンを回転させるための駆動手段として
は、電動モーターが適当であるが、図3(a)はモータ
ー21eとギヤ21fを利用して動力を伝達した例であ
り、動力源が回転シャフト21dと比較的離れた位置に
ある場合に用いるのがよい。また、図3(b)はベルト
21gを利用して動力を伝達した例であり、同図(c)
は平歯車を利用して動力を伝達した例である。なお、動
力伝達手段はこれらの例に限定されるものではない。工
具21´を被接合面3に押し付ける手段としては、バネ
や周知の機械的機構や流体を用いたシリンダーなどのよ
うなものを利用することができる。2)ガイド脚22は、
被接合材の外側に設置される固定治具10とともに工具
21´が被接合面に正しく位置するのを補助する役割を
果たすが、このガイド脚は固定脚と同様に、被接合材と
の接触面に転動手段もしくは滑動手段22aを有する。
これにより被接合面3を円滑に移動させることができ
る。このガイド脚も固定脚と同様に伸縮自在にしておけ
ば様々な口径の被接合材に対処することができる。な
お、図5、6のように接合アーム21とガイド脚を兼ね
た反力受け部23を対向する位置に設置すると、工具2
1´に加わる荷重の反力をガイド脚を兼ねた反力受け部
23で受けられるので、装置の剛性を大きくする必要が
なくなり、接合装置を小型軽量化することが可能とな
る。また、ガイド脚22の数は必要に応じて相当の数を
設けることになる。また、接合アーム21およびガイド
脚22を固定脚11のように伸縮自在にすれば、様々な
断面形状や大きさの異なる被接合材1に対処することが
できるようになる。なお、図示は省略したが、ガイド脚
22を確実に案内するためには、ガイド脚の為の案内レ
ールを筒内に仮設しておく必要があるが、筒の内面形状
や、ガイド脚の転動手段ないし滑動手段の形状が確実な
案内を行える場合は不要であり、さらに、接合装置20
の動きを筒の外部より支持できる場合も不要である。
【0037】 裏当て31は、被接合材1の強度が大
きい場合は省略することもできるが、被接合材の強度が
足りない場合は必須となる。この裏当ても被接合材との
接触面にキャタピラなどの転動手段など31aを持たせ
ることにより、様々な長さの被接合材に対処することが
できる。また、固定脚11などと同様に裏当ての支持脚
31bを伸縮自在にしておけば、様々な口径の被接合材
に対処することができるようになる。
【0038】 本発明の装置は、被接合部の送り手段
を有するが、固定治具10、接合装置20および裏当て
31に対して被接合材1を接合ライン2に沿って前後に
移動させることにより、様々な長さを持った筒状体を製
造することができる。なお、送り手段は、筒状体をその
長手方向に移動させるものであれば、公知の適宜手段を
用いればよいが、前記11a、31a、22aを駆動式
転動手段またはキャタピラとすることにより送り手段を
兼用させてもよい。
【0039】 また、請求項11に記載したように、
被接合材1を固定し固定治具10、接合装置20および
裏当て31を接合ライン2に沿って前後に移動させる構
成とすれば、作業スペースを節約することが可能とな
る。なお、接合治具20を移動もしくは固定する手段2
4としては、ワイヤーやシャフトなどを使って引っ張る
方法などがある。
【0040】本実施形態においては、数種類のバリエー
ションによる筒の製造が考えられるが、以下4つのバリ
エーションおよび本実施形態において製造されたクレー
ンブーム材の発明について説明する。
【0041】○第1のバリエーション まず、第1のバリエーションを説明するが、これは、第
1 実施形態において、図4のように被接合材1が目的と
する任意の断面形状の筒状体をその軸線方向に平行に2
つに分割した形状を持ったものであり、この2本の被接
合材1同士を張り合わせて、張り合わせ部分を内側から
順次摩擦攪拌接合し、任意の断面形状を持った筒を製造
する摩擦攪拌接合を利用した筒の製造に関するものであ
る。
【0042】 被接合材1を筒状体に形成する工程
は、任意の断面形状をした2枚の材料(本実施例にあっ
てはアルミニウム合金押出形材)を張り合わせて筒状体
を形成する方法を使用することになる。被接合材1など
の特性は、第1実施形態の基本態様の場合と同じである
が、特に、図1または図4のように2本の被接合材を張
り合わせることにより任意の断面形状を有する筒状体を
形成することができるものであれば、様々な断面形状の
被接合材を用いることができる。但し、少なくとも筒状
体の中に固定治具20が収まる必要がある。
【0043】 被接合面3を摩擦攪拌接合する工程に
おいては、工具21´は2本使用されるが、その特性は
上記の場合と同様のものでよい。ここで、一方の工具2
1´に加える押圧の反力を他方の工具21´において、
筒状体の他の面で受ける構成とするのがよい。なお、2
つある被接合面3は、面同士が互いに平行であることが
必要である。例えば、形成された筒状体の内面の断面形
状が3角形である場合には、被接合面が互いに平行では
ないため、一方の工具21´にかかる押圧の反力をもう
一方の工具21´のみで受けることはできない。
【0044】なお、接合工程においては、形成した筒状
体を固定する手段が必要となるのは、上記第1実施形態
の基本態様の場合と同じである。
【0045】また、被接合面の送り手段は、上記第1実
施形態の基本態様の場合と同様に張り合わせた被接合材
1のみを移動する方法でもよいし張り合わせた被接合材
1を固定しておき接合装置などを移動させる方法でもよ
い。
【0046】次に、本バリエーションに用いる装置を説
明する。この装置の構成は上記第1実施形態の基本態様
の場合と同様であるが、以下その要点を記述する。
【0047】 筒状体に形成する手段は、図4のよう
に被接合材1が目的とする任意の断面形状の筒状体をそ
の軸線方向に平行に2つに分割した形状を持ったもので
あり、この2本の被接合材1同士を張り合わせる手段と
なる。 固定治具10は、筒状体に形成した被接合材1の外
面の周囲から張り合わせた被接合材1を押さえつけ、摩
擦ピン21aにより被接合面3が開くのを防止する役割
を果たす。 接合装置20は、工具21´を2本有する点が特徴
となる。2つの工具21´を図2のように、あい対向す
る位置に設置すれば、一方の工具21´に加わる荷重
(押圧)の反力をもう一方の工具21´で受けることが
でき、接合装置20の剛性を大きくする必要がなくな
り、装置を小型化することが可能となる。 被接合面3の裏当て31は、必要に応じて一対の工
具21´の被接合材1を挟んだ裏側(筒状体の外面)に
設けられる。この裏当ては固定脚11などとともに被接
合材1を固定する役割も果たす。 被接合面3の送り手段は、張り合わせた被接合材1
のみを移動するものでもよいし、張り合わせた被接合材
1を固定し接合装置20などを移動させるものでもよ
い。
【0048】○第2のバリエーション 次に、第2のバリエーションを説明するが、これは、第
1実施形態において、図5のように被接合材1である帯
材を順次螺旋状に巻き、その突き合わせ部分である被接
合面3を順次摩擦攪拌接合し、任意の口径のスパイラル
管を製造する摩擦攪拌接合を利用した筒の製造に関する
ものである。
【0049】 被接合材1を筒状体に形成する工程
は、通常のスパイラル管を製造する際に使用する手段で
よい。被接合材1である帯材は、スパイラル管を製造す
ることができるものであれば、その長さ、幅、肉厚など
は問わない。その他、被接合材1などの特性は第1実施
形態の基本態様と同様である。
【0050】 被接合面3を摩擦攪拌接合する工程に
おいては、被接合面3が1つであるから使用される工具
21´は1本である。これに加える押圧の反力は、接合
アーム21の反対側に位置するガイド脚を兼ねる反力受
け部23で受けるのがよい。なお、図5においては、ガ
イド脚は一本であるが、これを複数本とすれば押圧の反
力を分散して受けることができ、筒状体の形状保持がさ
らに容易となる。
【0051】なお、接合工程においては、形成した筒状
体を固定する手段は、第1のバリエーションとほぼ同じ
であるが、本バリエーションにおいては、筒状体の長さ
方向にも被接合面3が開こうとするので、単純に被接合
材1を押さえつけるのでは不十分である。
【0052】被接合面3の送り手段は、第1のバリエー
ションと異なり被接合材1が螺旋状に捲かれながら進行
して行くため、被接合材1のみが移動する手段を採用す
るのがよい。本例にあっては、ガイド脚兼反力受け部2
3のみでは、接合装置20を接合線に沿って正確に案内
することは困難なため、保持手段24により筒状体の外
部より接合装置20を確実に支持している。
【0053】次に、本バリエーションに用いる装置を説
明する。この装置の構成は上記第1実施形態の基本態様
の場合と同じであるが、以下その要点を記述する。 筒状体に形成する手段は、図5のように被接合材1
である帯材を順次螺旋状に捲きスパイラル管を製造する
際に使用する方法となる。 固定治具10および接合装置20は、本バリエーシ
ョンにおける製造方法のところで記載した仕様のものと
なる。 裏当て31は、第1のバリエーションと同様に、強
度の弱い被接合材1を接合する場合に必要となり、工具
21´の被接合材1を挟んだ裏側に設けられる。この裏
当て31は、被接合面3が開くのを防止する作用が前記
第1のバリエーションよりも大きい。 被接合部の送り手段は、本バリエーションにおける
製造方法のところで記載したように、スパイラル状に捲
くことにより被接合材1のみが移動するものとなる。 なお、本バリエーションにおいては、固定脚11、
ガイド脚22および裏当て31の支持脚のそれぞれの先
端に位置する車輪などは、筒状体が回転しながら進んで
行くため、斜め方向、即ち、車輪などを接合ライン2に
平行に向けるのがよい。
【0054】○第3のバリエーション 第3のバリエーションを説明するが、これは、第1の実
施形態において、図6のように被接合材1である板材を
順次捲回し、その突き合わせ部分である被接合面3を順
次摩擦攪拌接合し、任意の口径の縫合管を製造する摩擦
攪拌接合を利用した筒の製造に関するものである。
【0055】 被接合材1を筒状体に形成する工程
は、通常の縫合管を製造する際に使用する手段でよい。
被接合材1である板材は、縫合管を製造することができ
るものであれば、その長さ、幅、肉厚などは問わない。
その他、被接合材1などの特性は第1実施形態の基本態
様と同様である。
【0056】 被接合面3を摩擦攪拌接合する工程に
おいては、被接合面3が1つであるから使用される工具
21´が1本であるなど、スパイラル管を製造する第2
のバリエーションの工程と同様である。
【0057】なお、接合工程においては、形成した筒状
体を固定する手段は、第1のバリエーションと同様のも
のでよい。また、被接合面3の送り手段は、第2のバリ
エーションと同様に、被接合材1が巻回されながら進行
して行くため、被接合材1のみが移動する手段を採用す
るのがよい。本例にあっても、ガイド脚兼反力受け部2
3のみでは、接合装置20を接合線に沿って正確に案内
することは困難なため、保持手段24により筒状体の外
部より接合装置20を確実に支持している。
【0058】次に、本バリエーションに用いる装置を説
明する。この装置の構成は上記第1実施形態の基本態様
の場合と同様であるが、以下その要点を記述する。 筒状体に形成する手段は、図6のように被接合材1
である板材を順次捲回し縫合管を製造する際に使用する
方法となる。 固定治具10および接合装置20の特性は、本バリ
エーションにおける製造方法のところで記載した仕様の
ものとなる。 裏当て31は、強度の弱い縫合管を製造する場合に
必要となるが、被接合面3が開くのを防止する作用も持
つので、裏当てを設ける必要性は第1の実施形態の場合
よりも大きい。 被接合部の送り手段は、本バリエーションにおける
製造方法のところで記載したように、被接合材1を捲回
することにより被接合材のみが移動するものとなる。
【0059】○第4のバリエーション 第4のバリエーションを図7により説明するが、本バリ
エーションは、第1の実施形態の製造装置において、固
定治具および必要に応じて裏当てを被接合材1に固定
し、接合装置20のみを移動させる製造装置に関するも
のである。従って、被接合材の特性などは他のバリエー
ションのものと同様である。
【0060】 筒状体に形成する手段は、特に限定さ
れることはないが、第1のバリエーション(張り合わせ
管)に用いるものが適している。 固定治具12は他のバリエーションのものと同じ役
割を果たすが、大きく異なるのは、被接合材1との接触
部分に転動手段などを持たないことで、筒状体の長さに
応じて設けられる固定式のものである。 接合装置20は、他のバリエーションと同様のもの
である。 裏当て32は、被接合材1の強度により必要に応じ
て設けられ、他のバリエーションのものと同じ役割を果
たすが、大きく異なるのは、本バリエーションの固定治
具12と同様に筒状体の長さに応じて設けられる固定式
のものであることである。 被接合面3の送り手段は、接合装置20のみを移動
させるのが適している。接合装置20は、これをワイヤ
ーで引っ張ったり、シャフトを接合装置20に接続し押
したり引いたりすることで動かすのがよい。動かす速度
は前記のとおり0.005〜2m/分である。
【0061】〇クレーンブーム材 本クレーンブーム材は、特に請求項1乃至請求項3のい
ずれか1項記載の方法により製造されたものであり、特
に、被接合材1は押出しにより成形されたアルミニウム
合金であり、この被接合材1を張り合わせて、張り合わ
せ部分である被接合面3を順次摩擦攪拌接合することに
より提供される。なお、被接合材1をアルミ合金にする
ことで製品を軽量化することが可能であり、スチール製
などのクレーンブーム材に比べ、クレーンの自重を大幅
に低減することができる。また、製品であるクレーンブ
ーム材の断面形状も六角形の他機能上有効な形状を選定
できるのでクレーンブームのアルミ化が可能となる。
【0062】◎第2実施形態 次に、本発明における第2実施形態について説明する。
図8は、この発明に係る第2実施形態における筒の製造
(筒と筒の接合)を示す斜視図である。図9は、第2実
施形態におけるオーバーラップ作成の概念図である。図
10は、第2実施形態に使用される工具を示す図であ
る。
【0063】この実施の形態は、図8(a)のように被
接合材1である円筒と円筒の片側の端面同士を突き合わ
せて長尺の筒状体に形成する工程と、前記筒状体の突き
合わせ部分である被接合面3を順次摩擦攪拌接合した筒
の製造に関するものである。
【0064】 被接合材1を筒状体に形成する工程
は、単純に円筒(中空管)と円筒(中空管)とを突き当
てて保持するだけでよく、特定のものに限定されること
はない。ただし、2つの筒状体を突き当てる前に、接合
装置20と保持装置41が一体となった装置40(詳細
後述)を予め片側の筒状体にセットしておく必要があ
る。被接合材1である円筒は、その片側の端面同士を突
き合わせて長尺の筒状体に形成することができるもので
あれば、その長さ、口径、肉厚などは問わない。但し、
両円筒の接合を行う端面同士の形状、特に突き合わせ部
の形状同士が合同であることが望ましい。その他、被接
合材1および被接合面3の特性などは第1実施形態の場
合と同様である。
【0065】 被接合面3を摩擦攪拌接合する工程に
おいては、被接合面3(接合ライン2)は1つではある
が、工具21´(接合アーム21)を複数設けてもよ
い。なお、筒と筒とを接合する場合に、接合を行う始点
W1と終点W2とがオーバーラップする閉じた接合線W
を形成することになるが(図9 (a))、接合の終点で
摩擦ピン21aを被接合材1からそのまま引き抜いた場
合、図11(c)に示すように摩擦ピンを引きぬいた後
には逆ハット型をした痕が生じる。したがって、この場
合、製品の筒には痕が残るため、気密面などで好ましく
ない。しかし、この不利益は、オーバーラップOLを形
成する際に摩擦ピン21aを徐々に引き抜き、接合深さ
が順次浅くなるようにすることで対処できる。この引き
抜くタイミングはオーバーラップOLを形成する直前も
しくは形成し始めた直後から開始するのがよい(図9
(c))。なお、第1実施形態でも同様に筒には摩擦ピ
ンを引き抜いた逆ハット型の摩擦ピンの抜け痕5が残る
ことになるが、接合終了後にこの部分を切断すれば製品
の品質に問題が生じることはない。また、これに用いる
工具21´は図10に示すものが適している(詳細後
述)。
【0066】ここで、工具21´に加える押圧の反力
は、第1実施形態と同様に、工具21´が1個の場合に
は接合アーム21の反対方向に位置する一もしくは二以
上のガイド脚で受け、工具21´が2つの場合には一方
の工具21´にかかる押圧を他方の工具21´で受ける
のがよい。工具21´が3以上の場合には工具21´を
いわゆるスター型に配置することでそれぞれにかかる押
圧を分散して受けることができ、強度のそれほどない筒
を製造するのに適している。
【0067】なお、接合する筒状体を固定する手段は、
第1実施形態と異なり筒状体の両端を押さえるものでよ
い。また、被接合面の送り手段は、接合装置20を回転
させるものが適している。
【0068】次に、第2実施形態における筒の製造装置
を説明する。この装置の構成は、上記第1実施形態と同
様であるが、以下その要点を記述する。 筒状体に形成する手段は、図8のように本実施形態
における製造方法のところで記載したように円筒と円筒
とを接合する手段となる。 固定治具10は、本実施形態における製造方法のと
ころで記載したように、筒状体の両端面から押し付ける
ことになる。 装置40は、保持装置41と接合装置20よりな
る。保持装置41は、外周に3個以上の空気圧などによ
り伸縮自在の保持脚41aと軸42と接合完了後保持脚
41aを空気圧を抜くことにより保持脚を縮めた後、装
置40を取り出すためのロッド43とより構成されてい
る。接合装置20は自力で軸42を中心に回転するよう
に軸42に取り付けられている。接合装置20には、工
具21´が他の例と同様伸縮自在に固定されている。 なお、摩擦ピン抜けの痕5を目立たなくするために
は、上記オーバーラップOLを形成する際に、接合深さ
が順次浅くなるように摩擦ピン21aを徐々に引き抜く
ことになるが、これは接合アーム21をオーバーラップ
OL形成時に徐々に縮めることでも実現できるが、さら
に良好なオーバーラップOLを形成するには、表面押え
部21bを被接合面3に接触させたままで摩擦ピン21
aのみを抜き出す手段を工具21´に設けるとよい。な
お、これに用いる工具21´は図10に示すものが適し
ている(詳細後述)。 裏当て31は、第1実施態様と同じく被接合材1の
強度が弱い場合に必要とするが、裏当てを設ける場合
は、第1実施態様と異なり筒状体の円周方向に接合装置
20(即ち工具21´)が回転するため、裏当て31も
これに追随した動きをとることになる。
【0069】ここで、接合深さが順次浅くなるオーバー
ラップOL形成に適した工具21´の説明を行う。この
工具21´は、図10(a)に示すように、回転シャフ
ト21dと、これと同軸に直結された摩擦ピン21a
と、この摩擦ピンに嵌合され底面に緩く湾曲して凹む円
筒体である可動式の表面押え部21b´からなる。な
お、上記摩擦ピン21aの周面には、ネジ状の小さな摩
擦攪拌翼21wが複数形成されている。これらの特性
は、以下に述べるように表面押え部が可動式である点を
除き、第1の実施形態で使用する工具21´の特性と同
様である。この工具21´には、摩擦ピン21aの周面
に、その長手方向に沿って一対の凹型の細溝21mが形
成されている。一方、可動式の表面押え部21b´には
細溝21mに対応する位置に一対の凸条21nが突設さ
れている。このため、可動式の表面押え部21b´は摩
擦ピン21aに対して上下方向(回転軸に沿った方向)
にスライド自在の可動式となっている。なお、この可動
式の表面押え部21b´は、回転シャフト21dの細軸
部21d´に巻装されたコイル状のバネ21sにより摩
擦ピン21aの先端方向に向って常に押されることにな
る(図10(a))。
【0070】次に、図9により、この工具21´を用い
た接合深さが順次浅くなるオーバーラップOLの形成を
説明する。まず、工具21´により始点W1から被接合
面3の接合を通常どおり行う。次に、工具21´が接合
線Wの始点W1に到達する直前の位置に来た際に、工具
21´が取り付けてある接合アーム21を徐々に縮めな
がら接合を続ける。やがて摩擦ピン21aは、始点W1
を通過して所要長さLを経た時点で被接合面3から離脱
する。その位置が終点W2となり、かつ始点W1と終点
W2の間に工具21´が2度通過した長さL分のオーバ
ーラップOLが形成される。このオーバーラップOL部
分以外の部分では攪拌部は全体に一定の深さであるのに
対し、オーバーラップOL部分では始点W1から終点W
2に向けて攪拌部が摩擦ピン21aの引き抜き速度に呼
応して、緩くカーブして攪拌部が徐々に浅くなる(図9
(c))。なお、引き上げの開始位置は、始点W1を通
過した後でもよく、この場合でも前記と同様のオーバー
ラップOLを形成することができる。この引き上げの際
に、工具21´の可動式の表面押え部21b´は前記バ
ネ21sの押圧が加わっているため被接合面3上に留ま
っている。この場合、接合アーム21の上昇によりバネ
21sによる押圧力は順次低下することになるが、適切
な特性のバネを用いれば表面押えの押圧を充分維持する
ことができる。これにより、図9(c)のPで示すよう
に摩擦ピン抜けの痕5が目立たないオーバーラップOL
が形成されるとともに、オーバーラップ形成時には流動
化した被接合材1が飛び散ったり、空気の巻き込みがな
く空孔のない良好な接合組織(攪拌部4)となる。
【0071】
【発明の効果】押出しと異なり、様々な断面形状を持っ
た筒状体を安価に製造することができる。また、MIG
溶接などの溶融溶接による接合に比べて仕上がりが奇麗
であり、接合箇所の後処理が不要となったりこれを大幅
に簡略化することができる。
【0072】摩擦攪拌接合によるため製品の接合箇所が
奇麗である。特に摩擦ピン21aの寸法を被接合材の肉
厚よりも若干短めにすることにより外面には痕の残らな
い平滑な仕上がりを行うことができる。また、摩擦攪拌
接合はMIG溶接などに比べて処理温度が低く、接合部
の欠陥が少ない。
【0073】内面より施工するため、工具に加える押圧
(荷重)の反力は筒の反対側の面で受けることができ、
これにより押圧の反力を有効に生かすことができ接合装
置20を小型軽量化することがで可能となる。これによ
り、複雑な形の筒や口径の小さな筒を製造することが可
能となる。
【0074】本発明の装置による摩擦攪拌接合は、管の
内側から固定治具に被接合材を押し当てるため、固定治
具の寸法調整によって、寸法精度のよい製品を製造する
ことができる。また、被接合材として圧延板を用いれ
ば、押し出しに比べて板厚変動が少ないので寸法精度の
よい製品を容易に製造することができる。
【0075】また、円筒と円筒とを接合する場合には、
接合の始点と終点とがオーバーラップする閉じた接合線
を形成することになるが、このオーバーラップOL形成
時に可動式の表面押え部21b´を被接合面に押さえつ
けたままで摩擦ピン21aのみを徐々に引き抜くことに
より、摩擦ピン抜けの痕の目立たない接合を行うことが
でき、これにより強度面や気密面で優れた製品を提供す
ることができる。
【0076】また、本発明により提供されるクレーンブ
ーム材は堅固であり、スチール製のクレーンブーム材に
比べ軽量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る第1実施形態における筒の製
造の要部を示す正面図である。
【図2】 第1実施形態における摩擦攪拌接合を行う接
合装置を示す図である。(a) は側面、(b) は底面を示
す。
【図3】 摩擦ピンを回転させるための動力伝達手段を
示す図である。(a) は長尺のドライブシャフトによる動
力伝達を、(b) はベルトにによる動力伝達を、(c) はギ
ヤによる直接直接駆動式を、それぞれ示す。
【図4】 第1実施形態における第1のバリエーション
による筒(張り合わせ管)の製造を示す斜視図である。
【図5】 第1実施形態における第2のバリエーション
による筒(スパイラル管)の製造を示す斜視図である。
【図6】 第1実施形態における第3のバリエーション
による筒(縫合管)の製造を示す斜視図である。
【図7】 第1実施形態における第4のバリエーション
による筒の製造装置を示す図でクレーンブームの製造に
本発明を利用した例を示すものである。(a)は筒状体
の内部に接合装置が収まった図、(b)は被接合材を筒
状体に形成し固定治具および裏当てを所定の位置に配置
した図である。
【図8】 この発明に係る第2実施形態における筒(筒
と筒の接合)の製造を示す斜視図である。
【図9】 第2実施形態におけるオーバーラップ作成の
概念図である。(a)は筒の円周方向に形成される接合
線WとオーバーラップOL部分を示し、(b)はオーバ
ーラップOL部分の接合部を上から見た図であり、
(c)はオーバーラップOL部分のC−C面における断
面図である。
【図10】 第2実施形態に使用される工具を示す図で
ある。(a)は正面における断面図であり、(b)はB
−B面における断面図である。
【図11】 一般的な摩擦攪拌接合を示す図である。
(a)は摩擦ピンの進行方向に対する断面図であり、
(b)は摩擦ピンによる接合の側断面図であり、(c)
は摩擦ピンの抜け痕を示す断面図である。
【符号の説明】
1、1´;被接合材 2;接合ライン 3;被接合面 4;攪拌部 5;摩擦ピンの抜け痕 10 ;固定治具 11 ;固定脚(伸縮式) 11a;車輪 11a';キャタピラー 11b;押圧ラム 11c;首振り機構 12 ;固定治具(固定式) 20 ;接合装置 21 ;接合アーム 21´;工具 21a;摩擦ピン 21b;表面押え部 21b´;可動式の表面押え部 21c;押圧ラム 21d;回転シャフト 21d´;細軸部 21e;モーター 21f;ギア 21g;ベルト 21m;細溝 21n;凸条 21s;バネ 21w;摩擦攪拌翼 22 ;ガイド脚 22a;車輪 22a';キャタピラー 22b;押圧ラム 23 ;応力受け部 24 ;保持手段(シャフト) 31 ;裏当て(伸縮式) 31a;キャタピラー 31b;裏当ての支持脚 32 ;裏当て(固定式) 40 ;装置 41 ;保持装置 41a;保持脚 42 ;軸 43 ;ロッド W ;接合線 W1 ;始点 W2 ;終点 L ;オーバーラップ部分の長さ OL ;オーバーラップ P ;W2における摩擦ピンの抜け痕
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−90656(JP,A) 特開 平11−170070(JP,A) 特開 平10−305373(JP,A) 特開 平10−230375(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 20/12 JICSTファイル(JOIS)

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の形状の被接合材を所定の位置で突
    き合わせて筒状体に形成する工程と、前記筒状体の突き
    合わせ部分である被接合面を順次摩擦攪袢接合する工
    程、よりなる摩擦攪袢接合を利用した筒の製造方法であ
    って、 (イ) 所定の回転数で回転する摩擦ピンとその根元に
    表面押え部を有する摩擦攪袢接合を行う工具を用いるこ
    とと、 (ロ) 前記筒状体の内面より前記被接合面の摩擦攪袢
    接合を行うことと、 (ハ) 前記工具に加える押圧の反力を前記筒もしくは
    筒状体の他の内面で受けることと、 を特徴とする摩擦攪袢接合を利用した筒の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記被接合材が、アルミニウム合金であ
    ることを特徴とする請求項1記載の摩擦攪拌接合を利用
    した筒の製造方法。
  3. 【請求項3】 (イ) 前記被接合材が、目的とする任
    意の断面形状の筒状体をその軸線方向に平行に2つに分
    割した形状の2本の材料からなるものであって当該材料
    を張り合わせることにより任意の断面形状の筒状体を形
    成することができるものであることと、 (ロ) 前記工具が2個であり、一方の工具に加える押
    圧の反力を前記筒もしくは筒状体の反対側の内面におい
    てもう一方の工具で受けることと、 を特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項記
    載の摩擦攪拌接合を利用した筒の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記被接合材が帯材であって、当該帯材
    を順次螺旋状に巻くことによって任意の口径のスパイラ
    ル管である筒状体を形成することができるものであるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項
    記載の摩擦攪拌接合を利用した筒の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記被接合材が板材であって、当該板材
    を順次捲回することによって任意の口径の縫合管である
    筒状体を形成することができるものであることを特徴と
    する請求項1または請求項2のいずれか1項記載の摩擦
    攪拌接合を利用した筒の製造方法。
  6. 【請求項6】 被接合材がアルミニウム合金押出し成形
    によりなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のい
    ずれか1項記載の摩擦攪袢接合を利用した筒の製造方法
    により製造されたクレーンブーム材。
  7. 【請求項7】 所定の口径をした2本の円筒である被接
    合材の片側の端面同士を突き合わせて長尺の筒状体に形
    成する工程と、前記筒状体の突き合わせ部分である被接
    合面を順次摩擦攪袢接合する工程、よりなる摩擦攪袢接
    合を利用した筒の製造方法であって、 (イ) 前記筒状体の内面より前記被接合面の摩擦攪袢
    接合を行うことと、 (ロ) 所定の回転数で回転する摩擦ピンとその根元に
    表面押え部を有する摩擦攪袢接合を行う工具を用いるこ
    とと、 (ハ) 前記工具に加える押圧の反力を前記筒もしくは
    筒状体の他の内面で受けることと、 を特徴とする摩擦攪袢接合を利用した筒の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記工具が2個であり、一方の工具に加
    える押圧の反力を前記筒もしくは筒状体の反対側の内面
    においてもう一方の工具で受けることを特徴とする請求
    項7記載の摩擦攪拌接合を利用した筒の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記筒状体の円周方向に形成される前記
    被接合面を順次摩擦攪袢接合するに際して、 接合を行う始点と終点とがオーバーラップする閉じた接
    合線を形成するとともに、前記オーバーラップを形成す
    る際、前記工具を順次引き上げることにより、その接合
    線を終点に向けて順次浅く形成すること、 を特徴とする請求項7または請求項8のいずれか1項記
    載の摩擦攪袢接合を利用した筒の製造方法。
  10. 【請求項10】 所定の形状の被接合材を所定の位置で
    突き合わせて筒状体に形成し、その突き合わせ部分であ
    る被接合面を順次摩擦攪拌接合し筒を製造する摩擦攪拌
    接合を利用した筒の製造装置であって、 (イ)前記被接合材を所定の位置で突き合わせて筒状
    体に形成したものを固定するための固定脚であって、前
    記被接合材との接触部分に転動手段もしくは滑動手段を
    持ったものと、前記固定脚を所定の力で前記被接合材
    に押し付けるための手段と、からなる前記被接合材の外
    側に設置される固定治具、 (ロ)摩擦ピンとその根元に表面押え部を有する摩擦
    攪袢接合を行う工具と前記工具を所定の力で前記被接合
    面に押し付けるための手段を有する接合アーム、 前記摩擦ピンを所定の回転数で回転させるための駆動
    手段、前記工具に加える押圧の反力を前記筒状体もし
    くは筒の他の内面で受ける反力受け部と、前記被接合
    材との接触部分に転動手段もしくは滑動手段を持ち前記
    工具を前記被接合面に案内するガイド脚、からなる前記
    被接合材の内側に設置される接合装置、 (ハ) 前記被接合材を前記固定治具および前記接合装
    置に対して所定の速度で移動させることができる被接合
    面の送り手段、 からなることを特徴とする摩擦攪拌接合を利用した筒の
    製造装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の摩擦攪袢接合を利用
    した筒の製造装置において、 前記被接合面の送り手段に代えて、前記接合装置および
    前記固定治具を、前記被接合材に対して所定の速度で移
    動させることができる被接合面の送り手段、を有するこ
    とを特徴とする摩擦攪拌接合を利用した筒の製造装置。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の摩擦攪袢接合を利用
    した筒の製造装置において、 所定の形状の被接合材を所定の位置で突き合わせて筒状
    体に形成し、その突き合わせ部分である被接合面を順次
    摩擦攪拌接合し筒を製造する摩擦攪拌接合を利用した筒
    の製造装置であって、 (イ) 前記固定冶具に代えて、前記被接合材を所定の
    位置で突き合わせて筒状体に形成したものを前記被接合
    材の外側から固定する固定冶具であって、前記筒状体の
    長さに応じて設けられたもの、 (ロ) 前記被接合面の送り手段に代えて、前記接合装
    置のみを、前記被接合材および前記固定治具に対して所
    定の速度で移動させることができる被接合面の送り手
    段、 を有することを特徴とする摩擦攪拌接合を利用した筒の
    製造装置。
  13. 【請求項13】 (イ) 前記被接合材が、目的とする
    任意の断面形状の筒状体をその軸線方向に平行に2つに
    分割した形状の2本の材料からなるものであって当該材
    料を張り合わせることにより任意の断面形状の筒状体を
    形成することができるものであること、 (ロ) 前記接合装置が2本の前記工具を有し、一方の
    工具に加える押圧の反力を筒もしくは筒状体の反対側の
    内面においてもう一方の工具で受けること、 を特徴とする請求項10乃至請求項12のいずれか1項
    記載の摩擦攪拌接合を利用した筒の製造装置。
  14. 【請求項14】 前記被接合材が帯材であって当該帯材
    を順次螺旋状に巻くことによって任意の口径のスパイラ
    ル管である筒状体を形成することができるものであるこ
    とを特徴とする請求項10記載の摩擦攪拌接合を利用し
    た筒の製造装置。
  15. 【請求項15】 前記被接合材が板材であって当該板材
    を順次捲回することによって任意の口径の縫合管である
    筒状体を形成することができるものであることを特徴と
    する請求項10記載の摩擦攪拌接合を利用した筒の製造
    装置。
  16. 【請求項16】 所定の口径をした2本の中空管である
    被接合材の片側の端面同士を突き合わせて長尺の筒状体
    に形成し、その突き合わせ部分である被接合面を順次摩
    擦攪袢接合し筒を製造する摩擦攪袢接合を利用した筒の
    製造装置であって、 (イ)前記被接合材を所定の位置で突き合わせて筒状
    体に形成したものを固定するための固定脚であって、前
    記被接合材との接触部分に転動手段もしくは滑動手段を
    持ったものと、前記固定脚を所定の力で前記被接合材
    に押し付けるための手段と、からなる前記被接合材の外
    側に設置される固定治具、 (ロ)摩擦ピンとその根元に表面押え部を有する摩擦
    攪袢接合を行う工具と前記工具を所定の力で前記被接合
    面に押し付けるための手段を有する接合アーム、 前記摩擦ピンを所定の回転数で回転させるための駆動
    手段、前記工具に加える押圧の反力を前記筒状体もし
    くは筒の他の内面で受ける反力受け部と、前記被接合
    材との接触部分に転動手段もしくは滑動手段を持ち前記
    工具を前記被接合面に案内するガイド脚と、からなる前
    記被接合材の内側に設置される接合装置、 (ハ) 前記被接合材を前記固定治具および前記接合装
    置に対して所定の速度で回転させることができる被接合
    面の送り手段、 からなることを特徴とする摩擦攪拌接合を利用した筒の
    製造装置。
  17. 【請求項17】 前記工具に対して前記被接合材を挟ん
    で相対する位置に設けられ、前記被接合材との接触部分
    に転動手段もしくは滑動手段を持った接合部の裏当てを
    有することを特徴とする請求項10、請求項11または
    請求項13乃至請求項16のいずれか1項記載の摩擦攪
    拌接合を利用した筒の製造装置。
  18. 【請求項18】 前記工具に対して前記被接合材を挟ん
    で相対する位置に設けられ、前記被接合材との接触部分
    に転動手段もしくは滑動手段を持った接合部の裏当てを
    有し、前記裏当てが前記工具と共に移動することを特徴
    とする請求項11記載の摩擦攪拌接合を利用した筒の製
    造装置。
  19. 【請求項19】 前記固定脚、前記接合アーム、前記ガ
    イド脚の一部または全部が伸縮自在な手段を有すること
    を特徴とする請求項10、請求項11または請求項13
    乃至請求項16のいずれか1項記載の摩擦攪拌接合を利
    用した筒の製造装置。
  20. 【請求項20】 前記固定脚、前記接合アーム、前記ガ
    イド脚および前記裏当てを支持する支持脚の一部または
    全部が伸縮自在な手段を有することを特徴とする請求項
    17または請求項18のいずれか1項記載の摩擦攪拌接
    合を利用した筒の製造装置。
  21. 【請求項21】 前記工具に対して前記被接合材を挟ん
    で相対する位置に設置され、前記筒状体の長さに応じて
    設けられた固定式の接合部の裏当てを有することを特徴
    とする請求項12または請求項13のいずれか1項記載
    の摩擦攪袢接合を利用した筒の製造装置。
  22. 【請求項22】 前記接合装置の前記接合アームおよび
    前記ガイド脚の一部または全部が伸縮自在な手段を有す
    ることを特徴とする請求項12、請求項13または請求
    項21のいずれか1項記載の摩擦攪袢接合を利用した筒
    の製造装置。
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