JP4583340B2 - パイプ保持器 - Google Patents
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尚、水平型溶接装置のマンドレル20に複数個のワークPをセットし、この状態で各ワークPの円周方向の両端を順次突合せ溶接すれば、パイプの生産性の向上を図ることができるが、この場合にも、マンドレル20上に複数個のワークPの溶接位置を正確に揃えて並べるのに可なりの時間が掛かり、作業性に劣ると云う問題があった。
又、本発明の請求項1のパイプ保持器は、複数個のワークを直列状に連ねた状態でマンドレルに装着し、各ワークの円周方向の両端を突合せた状態でクランプ機構によりマンドレルに設けたバックバー上へ押圧固定できるため、短いワークからパイプを作製する場合であってもクランプ機構のクランプ板の局部的な変形が少なくなると共に、ワークの均一なクランプを行える。
更に、本発明の請求項1のパイプ保持器は、パイプ保持器の少なくとも内面にガラス繊維テープを貼着しているため、ワークを保持固定したときにワークの外周面に傷が付くのを防止することができる。
又、本発明の請求項2のパイプ保持器は、パイプ保持器の保持部に貫通穴をパイプ保持器の長手方向に沿って一定間隔毎に形成しているため、パイプ保持器自体を軽量化することができる。
図1及び図2は本発明の実施の形態に係るパイプ保持器1の一例を示し、当該パイプ保持器1は、円筒状に曲げ加工した金属板製の二個のワークPを各ワークPのスリット部Paが夫々揃う状態で直列状に連ね、この状態で各ワークPの円周方向の両端を突合せてその突合せ部を溶接装置8により順次突合せ溶接する際に用いるものであり、前記二個のワークPを各ワークPのスリット部Paが夫々揃うように直列状に連ねた状態で保持固定するものである。
又、左右の挾持部1″の上端部は、保持部1′に保持されたワークPが保持部1′から上方へ抜け出さないように内側へ少しだけ折り曲げられている。
更に、左右の挾持部1″の上端は、パイプ保持器1内にワークPを挿入し易いように外側へ折り曲げられている。
尚、5種類の大きさのパイプ保持器1の各寸法D,W,H,Lは、下記の表1に示すような値に設定されている。
又、保持部1′の左右の傾斜板1bには、パイプ保持器1自体を軽量化するための貫通穴1cがパイプ保持器1の長手方向に沿って一定間隔毎に形成されている。この貫通穴1cは、主に大きい直径のワークPを保持固定するパイプ保持器1に形成されている。
又、左右の挾持部1″は、両挾持部1″にパイプ保持器1の長手方向に一定間隔毎に形成した縦長のスリット1dにより長手方向に複数に分割された状態になっており、分割した各挾持部1″により保持部1′に保持された複数個のワークPを夫々挾持するようになっている。
更に、左右の挾持部1″の上端部は、保持部1′に保持されたワークPが保持部1′から上方へ抜け出さないように内側へ少しだけ折り曲げられ、又、左右の挾持部1″の上端は、パイプ保持器1内にワークPを挿入し易いように外側へ折り曲げられている。
尚、5種類の大きさのパイプ保持器1の各寸法D,W,H,L,d,L1 ,L2 ,Tは、下記の表2に示すような値に設定されている。
又、ガイド板2は、ボルトによりマンドレル4の両側面に着脱自在に取り付けられており、ガイド板2の一辺側に開口するように形成したボルトが挿通されるガイド溝2aによって、ワークPの直径に応じてマンドレル4への取り付け位置(取り付け高さ)を調整できるようになっている。
この水平型溶接装置は、従来公知のものと同様構造に構成されているため、ここではその詳細な説明を省略する。
尚、円筒状に曲げ加工したワークPは、円周方向の両端間に比較的大きなスリット部Paが形成された状態になっているが、パイプ保持器1に挿入したときにはパイプ保持器1の挾持部1″により挾持されて縮径し、そのスリット部Paも比較的小さなものとなる。
このとき、直列状に連ねたワークPをクランプ機構7のクランプ板7aによりバックバー5上へ押圧固定しているため、短いワークPであってもクランプ機構7のクランプ板7aの局部的な変形が少なくなると共に、ワークPの均一なクランプを行える。
このときにも、直列状に連ねたワークPをクランプ機構7のクランプ板7aによりバックバー5上へ押圧固定しているため、短いワークPであってもクランプ機構7のクランプ板7aの局部的な変形が少なくなると共に、ワークPの均一なクランプを行える。
即ち、TIG溶接装置8の溶接用トーチ8aが下降して一方のタブ材14(仮溶接開始側のタブ材14)から他方のタブ材14(仮溶接終了側のタブ材14)へ移動し、その間に一方のタブ材14とこのタブ材14に隣接するワークPの突合せ部の外側端と、各ワークPの突合せ部の隣接する部分同士と、他方のタブ材14とこのタブ材14に隣接するワークPの突合せ部の外側端とを夫々仮溶接する(図12(A)及び(B)参照)。
尚、仮溶接の溶接条件は、電流44A、周波数30Hz、溶接速度400mm/minに設定されており、これらの各値は後述する本溶接の溶接条件の約半分程度である。
即ち、溶接用トーチ8aを他方のタブ材14(仮溶接終了側のタブ材14)に臨ませ、この状態で他方のタブ材14と溶接用トーチ8aに保持されたタングステン電極棒の先端との間にアークを発生させ、このアークが安定した状態になってから溶接用トーチ8aを一方のタブ材14(仮溶接開始側のタブ材14)へ向かって移動させて両ワークPの突合せ部を順次突合せ溶接した後、溶接用トーチ8aが一方のタブ材14の上へ来た時点で通電を停止してアークをストップする(図13(A)及び(B)参照)。このように、他方のタブ材14を本溶接W2の開始点、一方のタブ材14を本溶接W2の終了点とすれば、ワークPの突合せ部を安定したアーク状態で突合せ溶接することができるうえ、ワークPの溶接開始部及び溶接終了部に溶け落ち等の溶接欠陥の無い突合せ溶接を行えることになる。
尚、本溶接の溶接条件は、電流60A、周波数60Hz、溶接速度600mm/minに設定されている。
尚、切り離したタブ材14は、リング状に形成されているため、マンドレル4に装着したときに回転させ、先の溶接個所をバックバー5に対してずらすことによって、何回も使用することができ、至極便利である。
又、このパイプの溶接に於いては、両ワークPの突合せ部を仮溶接した後、本溶接するようにしているため、両ワークPの両端部の外径寸法に違いが生じることがなく、寸法精度の高いパイプを作製することができる。然も、両ワークPの外側位置にタブ材14を配設しているため、ワークPの突合せ部の両端に溶け落ち等の溶接欠陥を生じることがない。その結果、パイプの品質が大幅に向上することになる。
即ち、図3及び図4に示すパイプ保持器1内に円筒状に曲げ加工した三個以上のワークPを夫々挿入し、パイプ保持器1内で各ワークPを直列状に連ねると共に、各ワークPのスリット部Paが夫々真上を向くように揃える(図16(A)及び(B)参照)。これによって、三個以上のワークPは、パイプ保持器1に保持固定されて一体化された格好になる。
このとき、パイプ保持器1は、その挾持部1″がパイプ保持器1の長手方向に複数に分割され、分割した各挾持部1″により保持部1′に保持された複数個のワークPを夫々挾持できるようになっているため、ワークPを一つ宛順番に位置決めして保持固定することができ、至極便利である。然も、一つのパイプ保持器1で三個以上のワークPを良好且つ確実に保持固定することができ、複数のパイプ保持器1を必要とすることも無い。
そして、長めのパイプ保持器1で三個以上のワークPを保持固定したら、この状態で二つのリング状のタブ材14と一緒にマンドレル4に装着し、上述した操作と同様の操作により各ワークPの突合せ部を突合せ溶接する。
Claims (2)
- 円筒状に曲げ加工した金属板製の複数個のワーク(P)を各ワーク(P)のスリット部(Pa)が夫々揃う状態で直列状に連ね、この状態で各ワーク(P)の円周方向の両端を突合せてその突合せ部を溶接装置(8)により順次突合せ溶接する際に用いるものであり、前記各ワーク(P)を各ワーク(P)のスリット部(Pa)が夫々揃うように直列状に連ねた状態で保持固定するパイプ保持器(1)であって、前記パイプ保持器(1)は、弾性を有する金属板を略U字状に折り曲げることにより形成されており、直列状に連ねた少なくとも二個の水平姿勢のワーク(P)の下半分を保持する略U字状の保持部(1′)と、保持部(1′)の両側上端に上方へ突出する姿勢で夫々連設され、水平姿勢のワーク(P)の両側面に弾性的に当接して各ワーク(P)の上半分を両側から挾持する対向する板状の挾持部(1″)とを備えており、前記左右の挾持部(1″)の上端はパイプ保持器(1)内にワーク(P)を挿入し易いように外側へ折り曲げられ、又、パイプ保持器(1)の少なくとも内面にガラス繊維テープを貼着したことを特徴とするパイプ保持器。
- パイプ保持器(1)の長さを直列状に連ねた三個以上のワーク(P)を保持固定できる長さに形成すると共に、パイプ保持器(1)の対向する挾持部(1″)にパイプ保持器(1)の長手方向に一定間隔毎に縦長のスリット(1d)を形成して対向する挾持部(1″)を長手方向に複数に分割し、分割した各挾持部(1″)により保持部(1′)に保持された複数個のワーク(P)を夫々挾持するようにし、更に保持部(1′)にパイプ保持器(1)自体を軽量化するための貫通穴(1c)をパイプ保持器(1)の長手方向に沿って一定間隔毎に形成したことを特徴とする請求項1に記載のパイプ保持器。
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