【発明の詳細な説明】
粉体塗料用レベリング剤
本発明はレベリング剤の使用により改善された表面特性を有する粉体塗料に関
する。
数10年前から、いわゆる粉体塗料が常に大きい使用分野を有してる。粉体塗
料は、一般に静電塗装を用いて被覆すべき対象物の表面上に良好に分配され、引
き続き乾燥され、即ち焼き付けられる乾燥粉末の形で存在する。通常130〜2
20℃の温度で行われる焼き付けの際に、架橋反応及び膜形成により、加工材料
の上に固いラッカー塗膜を形成する。このような粉体塗料は、一連の利点を有す
る。例えばこのラッカーの粉末状の粘稠性に基づき、溶剤を用いて作業する必要
がない。相応して、粉体塗料では通常溶剤の蒸発に伴って起こる全ての環境問題
がない。更に、溶剤の蒸発のために必要である加熱エネルギーも節約される。粉
体塗料のもう一つの利点は、加工材料に付着しないで残った物質が粉末ボックス
の底部に集められて、問題なく新たに使用できることである。こうして98%ま
での粉末利用度を達成することができる。経費的利点と共に、この高い利用度は
、通常の塗料と比べて充分に低い環境負担をももたらす。
粉体塗料は、バインダー、硬化剤、充填剤、顔料及
び添加剤から製造される。使用バインダー及び硬化剤に関して、今日の粉体塗料
は、一般に次のポリマー群の一つを主剤としている:エポキシド、エポキシド−
ポリエステル−混合物;ポリエステル;ポリエステル/イソシアネート(ポリウ
レタン);アクリレート。
しかしながら、粉体塗料の使用の際の問題は、充分に良好な特性を有する表面
を得ることである。一般に、焼き付けられた粉体塗料膜では、表面平滑性を低め
る著しい障害がある。この表面障害は、特に不規則に固有の構造で施されたこの
ラッカーの粉末が、焼き付けの際に、その液相(粘度の最小値を有する)の間に
流動化して、この際に加工材料の表面を一様に被覆するための充分な時間を有し
ない事実から生じる。それというのも、融解及び粘度最低の達成と同時に、バイ
ンダーの架橋及びそれに伴うこのラッカーの重合が開始するからである。不均一
な塗装表面のもう一つの重要な原因は、粉体塗料の不純化である。
粉体塗料からの被覆の表面平滑性の改善のために、既に従来から添加剤が使用
されている。この目的のために、特にMw=5000〜200000の分子量範
囲のアクリレートヘテロ−及びホモポリマーが使用されている。このための典型
的な例は、アクロナール4
品名である)。
エステルである。詳細によれば、この添加剤は溶剤不含であり、30〜140℃
で1.5%より少ない不揮発性分を有する。これは、優れた耐光性及び耐老化性
を有し、鹸化困難で、粘付着性の軟樹脂である。アクロ
生じる。
アクリレートポリマーである。この作用物質は、60%で白色の流動可能な粉末
に混入されている。このレベリング添加剤は、同様に、エポキシ、アクリレート
、ポリエステル及びポリウレタンを主剤とする粉体塗料中でも有効である。これ
は、樹脂、硬化剤及び顔料と混合され、次いで全ての成分と一緒に押し出される
。
一時的に、低分子量のポリエステルも使用される。しかしながら、これによっ
て得られる結果は、表面に課された要件をなお満足していない。更に、このよう
な表面は、未研磨の状態で屡々不満足な上塗り可能性を有する。
鋼又はアルミニウムから成る自動車の被覆は、多層構造を有する。この際、粉
体塗料は、1成分であり、その構成中で下塗り粉体塗料、メタリック粉体塗料又
は透明粉体塗料として使用できる。この場合に、詳細又はデザインに応じて、液
体塗料及び粉体塗料が構成
的に組み合わされる。これらの各々の場合に、個々のラッカー層の間で、粉体塗
料層そのものの間でも又は粉体塗料と液体塗料との間でも極めて良好な結合が要
求される。この層構造下塗り粉末+ベース−及びクリア−コートは、特に効を奏
する。
少なくとも同じ高い要求が、自動車車体の被覆に課される。ここでは、同様に
粉体塗料は、下塗り又は上塗りラッカーとして使用される。特に自動車ボンネッ
トの分野では、石が当たる危険のある範囲では、同時に極めて良好な中間付着を
有する特に良好な平滑な流展性が問題になる。
本発明は、従来の技術水準に比べて結合特性及び流展性の前記の要求に関して
改善されていて、それを用いて、殊に上塗りの際に湿潤−及び付着障害をもはや
生じない粉体塗料又は粉体塗料用のレベリング剤を提供することを課題としてい
る。
この課題は、本発明により、脂肪族ポリビニルエーテル0.05〜5重量%、
有利に0.5〜1.5重量%を含有することを特徴とする粉体塗料により解決され
る。このポリビニルエーテルの添加は、既にこの粉体塗料の製造の間に行うこと
ができる。同様に後の時点での添加も可能である。
ポリビニルエーテルの使用により、意外にも、粉体塗料の表面特性の著しい改
善を得ることができた。このように改善された表面特性を有する粉体塗料は、同
時に液体系で良好に上塗り可能であることは、特に意想外かつ有利である。この
ような上塗りの際に、もはや湿潤−及び付着障害を示さない。
使用可能な脂肪族ポリビニルエーテルは、基本構造:
[式中、Rは脂肪族化合物、例えばその炭素原子が直鎖又は分枝鎖での配列して
いる有機化合物を表す]を有するポリマーである。殊に、Rはアルキル基、即ち
、式CnH2n+2の飽和の、分枝又は非分枝の炭化水素化合物であってよい。有利
なポリビニルエチルエーテルの場合に、Rはエチル、即ち化合物C2H5である。
殊に、ポリビニルエチルエーテルは、Mn=800〜10000、有利に100
0〜5000、特に有利に1000〜3000の分子量分布を有するホモポリマ
ーとして存在すべきである。
粉体塗料には、ポリビニルエーテルの本発明による添加剤と並んで、その他の
全ての慣用のタイプの、殊にエポキシド樹脂、エポキシド−ポリエステル−混合
物、ポリエステル、ポリウレタン及び/又はアクリレート樹脂を主剤とする粉体
塗料が包含されうる。
公知の塗料組成物は、例えばEP−509392、EP−509393、EP
−322827、EP−517536、US−5055524及びUS−484
9283に記載されている。殊に、これらの粉体塗料は、エポキシド樹脂、エポ
キシ化されたノボラック、架橋剤、有利にはフェノール系又はアミン系の硬化剤
又は二環式グアニジン、触媒、充填剤及び場合によっては助剤及び添加剤から成
っていてよい。
本発明により使用される粉体塗料は、例えばエポキシド樹脂、フェノール系架
橋剤、触媒、補助物質及び場合によっては助剤及び粉末タイプの添加剤、流動化
助剤を含有していてよい。
好適なエポキシド樹脂は、400〜3000、有利に600〜2000のエポ
キシド当量を有する全ての固体エポキシド樹脂である。これは、主としてビスフ
ェノールA及びビスフェノールF又はエポキシ化されたノボラック樹脂を主剤と
するエポキシド樹脂である。これらは、有利に500〜1000のエポキシド当
量を有する。
ビスフェノールA及びビスフェノールFを主剤とするエポキシド樹脂は、一般
に2より小さい官能性を有し、エポキシ化されたノボラック樹脂は、2より大き
い官能性を有する。本発明による粉体塗料中では、2.4〜2.8の範囲の平均官
能性及び600〜850の範囲のエポキシド当量を有するエポキシ化されたノボ
ラック樹脂が特に有利である。エポキシ化されたノボラック樹脂では、フェノー
ル系ヒドロキシル基がアルキル−、アクリル−又は類似の基でエーテル化されて
いる。フェノール系ヒドロキシル基とエピクロルヒドリンとの反応により、エポ
キシド基が分子内に導入される。この際に、ノボラックから出発して、いわゆる
エポキシドノボラックが生じる。このエポキシ化されたノボラックはビスフェノ
ールA−樹脂で構造変性されている。エポキシ化されたノボラック樹脂は、例え
ば、メチレン橋を介して相互に結合している3〜4個のフェノール核から成って
いるノボラックのエポキシ化により製造することができる。ノボラック樹脂とし
ては、ホルムアルデヒドと反応されるアルキル置換フェノールも使用できる。
好適なエポキシド樹脂は、例えば、下記の名称で市場で入手される製品である
:
Firma Shell-Chemieのエピコート(Epikote)1004、1055、3003、
3004、2017、Firma DowのDEH640、671、662、663U、
664、667及びFirma Ciba Geigyのアラルダイト(Araldit)GT606
3、6064、6084、6097、7004、7220、7225。
エポキシド樹脂の硬化のために、本発明による粉体塗料は、フェノール系又は
アミン系の硬化剤を含有する。二環式グアニジンも使用できる。
この場合に、例えば、反応性に必要なメチロール−官能性を有する限り、任意
のフェノール樹脂を使用することができる。有利なフェノール樹脂は、アルカリ
性条件下に製造されたフェノール、置換フェノール及びビスフェノールAとホル
ムアルデヒドとの反応生成物である。このような条件下で、メチロール基はオル
ト−又はパラ−位で芳香性環と結合される。本発明によれば、フェノール系架橋
剤として、180〜600の範囲の、特に有利に180〜300の範囲のヒドロ
キシ当量を有するヒドロキシル基含有ビスフェノールA−又はビスフェノール−
F−樹脂を使用するのが特に有利である。このようなフェノール系架橋剤は、ビ
スフェノール−A又はビスフェノール−Fとグリシジル基含有成分、例えばビス
フェノールAのジグリシジルエーテルとの反応により製造される。このようなフ
ェノール系架橋剤は、例えばFirma DowのDEH81、DEH82及びDEH8
7、Firma Shell-ChemieのDX171及びFirma Ciba GeigyのXB3082
なる商品名で入手されている。
この場合に、エポキシド樹脂及びフェノール系架橋剤は、エポキシド基の数と
フェノール系OH−基の数が約1:1である様な割合で使用される。
本発明よる粉体塗料は、エポキシド樹脂−硬化のために好適である1種以上の
触媒を含有する。好適な触媒は、有機又は無機酸のホスホニウム塩、イミダゾー
ル及びイミダゾール誘導体、4級アンモニウム化合物並びにアミンである。これ
ら触媒は、一般にエポキシド樹脂及びフェノール系架橋剤の全重量に対して0.
001重量%〜約10重量%の割合で使用される。
好適なホスホニウム塩−触媒の例は、エチルトリフェニルホスホニウムヨージ
ド、エチルトリフェニルホスホニウムクロリド、エチルトリフェニルホスホニウ
ムチオシアネート、エチルトリフェニルホスホニウム−アセテート−酢酸錯体、
テトラブチルホスホニウムヨージド、テトラブチルホスホニウムブロミド及びテ
トラブチルホスホニウム−アセテート−酢酸錯体である。これらの及び他の好適
なホスホニウム触媒は、例えばUS−PS3477990及びUS−PS334
1580に記載されている。
好適なイミダゾール−触媒は、例えば2−スチリルイミダゾール、1−ベンジ
ル−2−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール及び2−ブチルイミダゾ
ールである。これら及び他のイミダゾール触媒は、例えばベルギー特許第756
693号明細書に記載されている。
部分的に、市販のフェノール系架橋剤は、既にエポキシド樹脂−架橋用の触媒
を含有している。
粉末透明塗料には、エポキシ官能性バインダーとして、例えば分子内に少なく
とも1個のエポキシド基を有する少なくとも1種のエチレン系不飽和モノマーと
分子内にエポキシド基を有しない少なくとももう1種のエチレン系不飽和モノマ
ーとの共重合により製造可能であるエポキシド基含有ポリアクリレート樹脂が好
適であり、この際、モノマーの少なくとも1種は、アクリル酸又はメタクリル酸
のエステルである。
エポキシド基含有ポリアクリレート樹脂は公知である(例えばEP−A−29
9420、DE−B−2214650、DE−B−2749576、US−A−
4091048及びUS−A−3781379参照)。
分子内に少なくとも1個のエポキシド基を有するエチレン系不飽和モノマーの
例としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート及びアリルグ
リシジルエーテルが挙げられる。
分子内にエポキシド基を有しないエチレン系不飽和モノマーの例としては、ア
ルキル基中に1〜20個の炭素原子を有するアクリル−及びメタクリル酸のアル
キルエステル、殊にメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリ
レート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、
2−エチルヘキシルアクリレート及び2−エチルヘキシルメタクリレートが挙げ
られる。分子内にエポキシド基を有しないエチレン系不飽和モノマーの更なる例
は、酸、例えばアクリル酸及びメタクリル酸、酸アミド、例えばアクリル酸−及
びメタクリル酸アミド、ビニル芳香族化合物、例えばスチレン、メチルスチレン
及びビニルトルエン、ニトリル、例えばアクリロニトリル及びメタクリロニトリ
ル、ビニル−及びビニリデ
ンハロゲニド、例えば塩化ビニル及びフッ化ビニリデン、ビニルエステル、例え
ば酢酸ビニル及びヒドロキシル基含有モノマー、例えばヒドロキシエチルアクリ
レート及びヒドロキシエチルメタクリレートである。
エポキシド基含有ポリアクリレート樹脂は、通常、400〜2500、有利に
500〜1500、特に有利に600〜1200のエポキシド当量、1000〜
15000、有利に1200〜7000、特に有利に1500〜5000の数平
均分子量(ポリスチレン標準の使用下でのゲルパーミエーシヨンクロマトグラフ
ィ測定)及び30〜80、有利に40〜70、特に有利に50〜70℃のガラス
転移温度(示差走査熱量測定:DSCにより測定)を有する。
このエポキシド基含有ポリアクリレート樹脂は、一般に周知の方法で、ラジカ
ル重合により製造できる。
エポキシド基含有ポリアクリレート樹脂用の硬化剤としては、例えばポリカル
ボン酸又はポリカルボン酸の混合物のポリ無水物、殊にジカルボン酸又はジカル
ボン酸の混合物のポリ無水物が挙げられる。
このようなポリ無水物は、ポリカルボン酸又はポリカルボン酸の混合物から水
を除く方法で製造可能であり、この際、それぞれ2個のカルボキシル基が反応し
て無水物基になる。このような製造法は、周知であるので詳述する必要がない。
本発明により使用される粉体塗料は、例えばバイン
ダーとしてエポキシド/ポリエステル−混合物を含有していてもよい。このよう
な粉体塗料は、例えば
A)KOH25〜120mg/gの酸価を有するポリエステル少なくとも1種及
び
B)400〜3000のエポキシド当量を有するエポキシド樹脂少なくとも1種
を含有していてよい。
A)のタイプの好適なポリエステルは、市場で入手される。その例は、次のも
のである:Firma UCBのクリルコート(Crylcoat)314、316、340、3
60、Firma DCMのウララック(Uralac)P2450、P2980、P3560
。
好適なエポキシド樹脂は、例えば次の名称で市場で入手される製品である:Fir
ma Shell-Chemieのエピコート1055、1004、1007、3003、30
03−FCA−10、Firma Dow-ChemieのDER662UE、664、642
、672又はFirma Ciba GeigyのアラルダイトGT6061、GT6064、
GT7072、GT7004。
本発明による使用される粉体塗料は、COOH−官能化されたポリエステル及
び適当な架橋剤からの混合物を含有していてもよい。適当な架橋剤の例は、市場
で入手される次の製品である:Firma Ciba GeigyのアラルダイトPT810、
PT910及びFirma Ems-Chemieのプリミド(Primid)XL552。
前記架橋剤に好適であるCOOH−官能化されたポリエステルは、例えば市場
で次の名称で入手される:Firma DSMのウララックP2200、P3485、P
3400、P5000、P6000、P6600、又はFirma UCBのクリルコー
ト800、802、803、810、491、430、440、490、620
。
本発明により使用される粉体塗料は、OH−官能化されたポリエステル又はポ
リアクリレートバインダ−及びポリイソシアネートベースの適当な硬化剤の混合
物を含有していてもよい。
好適なポリイソシアネート硬化剤の例は、市場で入手可能な次の製品である:
Firma Huelsのベスタゴン(Vestagon)BF1300、BF1540、B106
5。好適なOH−官能化されたポリエステルの例は、市場で入手可能な次の製品
である:Firma DSMのウララックP1480、P2115、P2504、P55
04、P1550、Firma UCBのクリルコート240、290、291、238
3、690。
市場で入手可能なOH−官能化されたポリアクリレートバインダーの例は、Fi
rma SC Johnsonのジョンクリル(Johncryl)587である。
この粉体塗料は、バインダー50〜90%、有利に60〜80重量%及び充填
剤10〜50重量%、有利に20〜40重量%を含有する。
充填剤としては、例えばグリシジル基官能化された
結晶珪酸変性体がこれに該当する。通常、これは粉体塗料の全重量に対して10
〜50重量%の記載範囲内で使用される。しかしながら、いくつかの場合には、
50重量%より多い充填剤分も可能である。
結晶珪酸−変性体には、石英、クリストバル石、リンケイ石、ケータイト(Ke
atit)、メラノフロギット(Melanophlogit)、コーサイト及び繊維状珪酸が挙
げられる。結晶珪酸−変性体は、グリシジル基官能化されており、この際、グリ
シジル基官能化は表面処理により得られる。この際、これは、例えば、結晶珪酸
−変性体をエポキシシランで処理することにより製造される、石英、クリストバ
ル石及び石英製品をベースとする珪酸−変性体である。このグリシジル基官能化
珪
造者:Quarzwerke GmbH)なる名称で入手され、結晶珪酸−変性体とエポキシシ
ランとの反応により製造される。
この粉体塗料は、更なる無機充填剤、例えば二酸化チタン、硫酸バリウム及び
珪酸塩をベースとする充填剤、例えばタルク、カオリン、珪酸マグネシウム、珪
酸アルミニウム、雲母及び類似物を含有していてよい。更に、この粉体塗料は、
場合によっては、なお助剤及び添加剤を含有していてよい。その例は、レベリン
グ剤、流動化助剤及び消泡剤、例えばベンゾインであ
る。
粉体塗料の製造は公知方法(例えばFirma BASF Lack+Farben AGの製品−情報
”Pulverlacke”1990参照)により、例えばエクストルーダ、スクリュウニ
ーダー等を用いる均質化及び分散により行う。粉体塗料の製造の後に、これを粉
砕及び場合によっては篩い分けにより所望の粒度分布に調節する。
本発明は、粉体塗料に脂肪族ポリビニルエーテル0.05〜5重量%、有利に
0.5〜1.5重量%を添加することを特徴とする粉体塗料の製法にも関する。
本発明によれば、任意の時点で粉体塗料にポリビニルエーテルを添加すること
ができ、即ち、ポリビニルエーテルは粉体塗料の製造時にもその使用の直前に初
めて添加することもできる。本発明の方法により製造された粉体塗料被覆は、表
面良好性又は表面平滑性に関して、かつ後の被覆塗装のための付着特性に関して
意想外な改良を示す。
本発明の方法では、ポリビニルエーテルとして、ポリビニルエチルエーテルを
、特に分子量Mn=800〜10000、有利に1000〜5000、特に有利
に1000〜3000のホモポリマーとして使用するのが有利である。
本発明の方法は、慣用タイプの全ての粉体塗料を得るために、例えばエポキシ
ド樹脂、エポキシド−ポリエステル−混合物、ポリエステル、ポリウレタン及び
/又はアクリレート樹脂を主剤とするものを得るために使用可能である。
更に本発明は、脂肪族ポリビニルエーテル、特にポリビニルエチルエーテルを
含有することを特徴とする粉体塗料の表面特性の改善用の添加剤にも関する。
最後に、本発明は、この添加剤を粉体塗料の表面特性の改善のために使用する
ことに関する。
この添加剤は、粉末塗装の種々な時点で粉体塗料に加えることができる。この
ことは、粉体塗料の製造時にも、塗装の施与の直前に初めて行うこともできる。
こうして、添加剤の適当な配量によりその粉体塗料のレベリング特性を制御する
ことが使用者に任される。
本発明による添加剤はポリビニルエーテルと並んで慣用の消泡剤、艶消し添加
剤、表面硬度に影響するためのワックス、構造−及びテクスチアー添加剤並び触
媒及び流動化助剤を含有していてよい。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
// C09D 163/00 C09D 163/00
175/04 175/04
(72)発明者 ロルフ ボイゼン
ドイツ連邦共和国 ミュンスター アルニ
カヴェーク 61
(72)発明者 ヨーゼフ ラーデマッハー
アメリカ合衆国 ミシガン ビヴァリーヒ
ルズ エンバシー 30838