JPH1150860A - エンジン補機用ハーネスの支持構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、板金製のフューエルデリバリパイ
プにハーネスブラケットを一体的に設け、製作を容易と
してコストを低廉とし得て、ハーネスブラケットの組付
作業を不要として組付性を向上し得て、しかもハーネス
クランプのハーネスブラケットへの差し込み作業を容易
とし得ることを目的としている。 【構成】 このため、吸気マニホルド近傍に板状部材に
て形成した板金製のフューエルデリバリパイプを設ける
とともに、フューエルデリバリパイプ近傍に配設される
エンジン補機用ハーネスの支持構造において、フューエ
ルデリバリパイプにハーネスブラケットを一体的に設け
る際には、ハーネスブラケットへのハーネスクランプの
クランプ差し込み方向を、フューエルデリバリパイプの
締結方向と略同一方向とし且つハーネスの荷重方向及び
吸気マニホルドの振れ方向に対して傾斜させて設けてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明はエンジン補機用ハ
ーネスの支持構造に係り、特に板金製のフューエルデリ
バリパイプにハーネスブラケットを一体的に設け、製作
を容易としてコストを低廉とし得るとともに、ハーネス
ブラケットの組付作業を不要として組付性を向上し得
て、しかもハーネスクランプのハーネスブラケットへの
差し込み作業を容易とし得るエンジン補機用ハーネスの
支持構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】エンジン補機には、例えばインジェクタ
がある。そして、エンジンに複数個のインジェクタを配
設した際に、各インジェクタにはハーネスを接続して設
けている。

【０００３】つまり、図１８及び図１９に示す如く、エ
ンジン１０２に吸気マニホルド１０６を設けるととも
に、この吸気マニホルド１０６には、シリンダヘッド１
０４の各吸気ポート側に指向する複数個のインジェクタ
１１０を配設し、これらのインジェクタ１１０に図示し
ない燃料タンクからの燃料を分配供給するアルミ製のフ
ューエルデリバリパイプ１０８を、前記吸気マニホルド
１０６上方に配設している。そして、上述した如く、各
インジェクタ１１０にはハーネス１１２が接続されてい
る。

【０００４】前記エンジン補機用ハーネスの支持構造と
しては、実開昭６３−１５８５４９号公報に開示される
ものがある。この公報に開示されるフューエルインジェ
クタの配線構造は、エンジンに取付けられたフューエル
デリバリパイプに設定された複数のインジェクタにワイ
ヤハーネスの分岐線を接続する配線構造であって、デリ
バリパイプは上部に所定径のＲ面と左右にテーパー状の
側面を有する断面略弾頭形状に形成し、一方の側面には
所定の間隔で切込み凹部を形成し、このデリバリパイプ
に被冠状に弾性係着される剛性樹脂等からなるプロテク
タは係止部とハーネス保持とを薄肉部を介して略Ｓ字形
状に接続され、係止部はデリバリパイプのＲ面に沿う略
半径形状の取付部の一方の縁部には折返し状に溝部を形
成して溝部に所定の間隔で係止孔を設け、他方の縁部に
は薄肉部に形成して取付部の両縁部にデリバリパイプに
凹設した切込み凹部および側面に当接係合する複数の係
止脚を垂設し、ハーネス保持部は断面略Ｕ字形状に形成
され、一方の縁部は薄肉部に接続され、他方の縁部には
ワイヤハーネスの分岐線の分岐口と係止孔と係合可能な
係止片とを所定の間隔で設け、ハーネス保持部を薄肉部
を介して取付部の上部に回動係止することで取付部とハ
ーネス把持部との間にワイヤハーネスの略三日月形状の
収納スペースを形成している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のエン
ジン補機用ハーネスの支持構造においては、吸気マニホ
ルド１０６をシリンダヘッド１０４に取り付ける際に使
用される取付ボルト（図示せず）によってハーネスブラ
ケット１１４を共締めし、このハーネスブラケット１１
４に、図１８、図１９に示す如く、ハーネスクランプ１
１６を介してハーネス１１２を固定させている。

【０００６】しかし、エンジン補機であるインジェクタ
のハーネスを固定する際に、別部品のハーネスブラケッ
トを２個使用していることにより、部品点数が多く、コ
ストが大となって経済的に不利であるという不都合があ
る。

【０００７】また、前記ハーネスブラケット１１４の固
定方法としては、吸気マニホルド１０６の図示しない取
付ボルトにて共締めしていることにより、組付性が悪
く、実用上不利であるという不都合がある。

【０００８】更に、図１８に示す如く、前記インジェク
タ１１０のハーネス１１２を吸気マニホルド１０６のシ
リンダヘッドへの取付フランジ１０６ａ側にて固定して
いることにより、インジェクタ１１０とメインのハーネ
ス１１２とを接続するハーネス分岐部１１２ａの長さＬ
２が大となり、コストが大となって経済的に不利である
という不都合がある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、上
述不都合を除去するために、吸気マニホルド近傍に板状
部材にて形成した板金製のフューエルデリバリパイプを
設けるとともに、このフューエルデリバリパイプ近傍に
配設されるエンジン補機用ハーネスの支持構造におい
て、前記フューエルデリバリパイプにハーネスブラケッ
トを一体的に設ける際には、このハーネスブラケットへ
のハーネスクランプのクランプ差し込み方向を、前記フ
ューエルデリバリパイプの締結方向と略同一方向とし且
つ前記ハーネスの荷重方向及び前記吸気マニホルドの振
れ方向に対して傾斜させて設けたことを特徴とする。

【００１０】

【発明の実施の形態】上述の如く発明したことにより、
板金製のフューエルデリバリパイプにハーネスブラケッ
トを一体的に設け、製作を容易としてコストを低廉とす
るとともに、ハーネスブラケットの組付作業を不要とし
て組付性を向上し、しかもハーネスクランプのハーネス
ブラケットへの差し込み作業を容易としている。

【００１１】

【実施例】以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細
に説明する。

【００１２】図１〜図１７はこの発明の実施例を示すも
のである。図１〜図４において、２はエンジン、４はシ
リンダヘッド、６は吸気マニホルド、８はフューエルデ
リバリパイプである。

【００１３】前記エンジン２のシリンダヘッド４に、吸
気マニホルド６を取付ボルト（図示せず）によって固定
している。

【００１４】そして、吸気マニホルド６に、シリンダヘ
ッド４の図示しない各吸気ポート側に指向するエンジン
補機、例えば複数個のインジェクタ１０を配設し、これ
らのインジェクタ１０に図示しない燃料タンクからの燃
料を分配供給するフューエルデリバリパイプ８を配設す
る。

【００１５】このとき、フューエルデリバリパイプ８
は、吸気マニホルド６近傍である吸気マニホルド６上方
に配設されるとともに、板状部材にて板金製に形成され
ている。

【００１６】つまり、フューエルデリバリパイプ８は、
図１及び図１６に示す如く、Ｕ字状のアッパケース８−
１と、このアッパケース８−１の開放部位を覆うＵ字状
のロアケース８−２と、ロアケース８−２に装着される
インジェクタジョイント８−３と、前記アッパケース８
−１側に設けられるマウンティングプレート８−４と、
アッパケース８−１とマウンティングプレート８−４と
を接続するジョイント８−５と、締結ブラケット８−６
とを有している。

【００１７】また、前記フューエルデリバリパイプ８近
傍にインジェクタ１０用のハーネス１２が配設されてい
る。

【００１８】このとき、前記フューエルデリバリパイプ
８にハーネスブラケット１４を一体的に設ける際に、こ
のハーネスブラケット１４へのハーネスクランプ１６の
クランプ差し込み方向を、前記フューエルデリバリパイ
プ８の締結方向と略同一方向とし且つ前記ハーネス１２
の荷重方向及び前記吸気マニホルド６の振れ方向に対し
て傾斜させて設ける構成とする。

【００１９】詳述すれば、前記フューエルデリバリパイ
プ８のアッパケース８−１に、図１に示す如く、一状の
ハーネスブラケット１４を一体的にロー付けする。

【００２０】このとき、前記フューエルデリバリパイプ
８にハーネスブラケット１４を一体的にロー付けする際
には、図１に示す如く、ハーネスブラケット１４へのハ
ーネスクランプ１６のクランプ差し込み方向、つまり図
１においてハーネスブラケット１４に対して平行な矢印
Ａ方向を、前記フューエルデリバリパイプ８の締結方
向、つまり図１においてインジェクタ１０の幅方向であ
る矢印Ｂ方向と略同一方向とし、且つ前記ハーネス１２
の荷重方向及び前記吸気マニホルド６の振れ方向たる図
１において上下方向に対して傾斜させて設けるものであ
る。

【００２１】また、矢印Ｃは、前記フューエルデリバリ
パイプ８の組み付け方向、矢印Ｄはインジェクタ１０に
接続されるカプラ１８のカプラ差し込み方向である。

【００２２】更に、前記ハーネスブラケット１４を介し
てハーネス１２をフューエルデリバリパイプ８側に固定
する際に、ハーネス１２の複数個のハーネスクランプ１
６を、図２に示す如く、ハーネス１２の一側たる吸気マ
ニホルド６のシリンダヘッド４への取付フランジ６ａ側
及び他側たる吸気マニホルド６のサージタンク６ｂ側に
位置させるべく交互に配設する。

【００２３】前記フューエルデリバリパイプ８にハーネ
スブラケット１４を介してハーネス１２を固定する際に
は、図１に示す如く、板状ハーネスブラケット１４に矢
印Ａ方向からハーネスクランプ１６を差し込み、フュー
エルデリバリパイプ８と平行なメインとなるハーネス１
２を固定しているが、このハーネス１２とインジェクタ
１０に接続されるカプラ１８とはメインとなるハーネス
１２から分岐するハーネス分岐部１２ａによって接続さ
れている。

【００２４】なお符号２０は、前記インジェクタ１０の
インジェクタストッパ、２２はマップセンサ、２４はカ
ムアングルセンサ、２６はイグニションコイルアッシ、
２８は水温センサ、３０はＯ2 センサ、３２は油圧スイ
ッチ、３４はベルトカバーである。

【００２５】そして、取付状態の参考のために、図４〜
図９において、ブラケットを使用している箇所には記号
「ＢＴ」を付して説明するとともに、クランプを使用し
ている箇所には記号「ＣＰ」を付して説明する。

【００２６】次に作用について説明する。

【００２７】前記吸気マニホルド６にインジェクタ１０
を配設した後に、インジェクタ１０に、矢印Ｃ方向から
前記フューエルデリバリパイプ８を組み付けるととも
に、矢印Ｄ方向からカプラ１８を差し込む。

【００２８】そして、前記フューエルデリバリパイプ８
に一体的にロー付けされるハーネスブラケット１４に、
矢印Ａ方向からハーネスクランプ１６を差し込み、ハー
ネス１２を固定する。

【００２９】このとき、ハーネスクランプ１６は、ハー
ネス１２の一側たる吸気マニホルド６のシリンダヘッド
４への取付フランジ６ａ側及び他側たる吸気マニホルド
６のサージタンク６ｂ側に交互に配設されており、ハー
ネスブラケット１４にハーネスクランプ１６を差し込ん
だ際に、図２に示す如く、ハーネス１２が蛇行状態に配
設される。

【００３０】これにより、板金製のフューエルデリバリ
パイプ８にハーネスブラケット１４を一体的に設けるこ
とができ、別工程が不要となって製作が容易となり、コ
ストを低廉とし得て、経済的に有利であるとともに、ハ
ーネスブラケット１４の組付作業が不要となり、組付性
を向上し得て、実用上有利である。

【００３１】また、板金製のフューエルデリバリパイプ
８にハーネスブラケット１４を一体的にロー付けする際
に、ハーネスブラケット１４へのハーネスクランプ１６
のクランプ差し込み方向を、フューエルデリバリパイプ
８の締結方向と略同一方向とし且つハーネス１２の荷重
方向及び吸気マニホルドの振れ方向に対して傾斜させる
ことにより、ハーネスクランプ１６のハーネスブラケッ
ト１４への差し込み作業を容易に行うことができるとと
もに、傾斜によって力が分散されることとなり、振れ難
い構造となって実用上有利である。

【００３２】更に、前記インジェクタ１０用のハーネス
１２を板金製のフューエルデリバリパイプ８側に固定す
ることにより、ハーネス１２とインジェクタ１０に接続
されるカプラ１８とを連絡するハーネス１２から分岐す
るハーネス分岐部１２ａの長さを、従来の長さＬ２より
も小なるＬ１とすることができ、コストの低減に寄与し
得る。

【００３３】更にまた、前記インジェクタ１０に接続さ
れるカプラ１８の差し込み側たるフューエルデリバリパ
イプ８側にハーネス１２が位置することにより、各ハー
ネスに応力が作用しないように余裕を持たせる必要がな
く、各ハーネスの長さを短縮し得て、コストの低減に寄
与し得るものである。

【００３４】また、板状のハーネスブラケット１４がフ
ューエルデリバリパイプ８に同一平面に並ぶように配置
されていても、前記インジェクタ１０用のハーネス１２
を板金製のフューエルデリバリパイプ８側に固定する際
に、ハーネスクランプ１６をハーネス１２の一側及び他
側に交互に配設したことにより、ハーネス１２から振動
等の荷重が加わった際に、ハーネスブラケット１４が捻
れる方向に力が働き、振幅を小とすることができ、振動
し難い構造とし得て、実用上有利である。

【００３５】なお、この発明は上述実施例に限定される
ものではなく、種々の応用改変が可能である。

【００３６】例えば、この発明の実施例においては、板
金製のフューエルデリバリパイプについて説明とした
が、パイプ製のフューエルデリバリパイプとすることも
可能である。

【００３７】

【発明の効果】以上詳細に説明した如くこの発明によれ
ば、吸気マニホルド近傍に板状部材にて形成した板金製
のフューエルデリバリパイプを設けるとともに、フュー
エルデリバリパイプ近傍に配設されるエンジン補機用ハ
ーネスの支持構造において、フューエルデリバリパイプ
にハーネスブラケットを一体的に設ける際に、ハーネス
ブラケットへのハーネスクランプのクランプ差し込み方
向を、フューエルデリバリパイプの締結方向と略同一方
向とし且つハーネスの荷重方向及び吸気マニホルドの振
れ方向に対して傾斜させて設けたので、板金製のフュー
エルデリバリパイプにハーネスブラケットを一体的に設
けることができ、別工程が不要となって製作が容易とな
り、コストを低廉とし得て、経済的に有利であるととも
に、ハーネスブラケットの組付作業が不要となり、組付
性を向上し得て、実用上有利である。また、板金製のフ
ューエルデリバリパイプにハーネスブラケットを一体的
に設ける際に、ハーネスブラケットへのハーネスクラン
プのクランプ差し込み方向を、フューエルデリバリパイ
プの締結方向と略同一方向とし且つハーネスの荷重方向
及び吸気マニホルドの振れ方向に対して傾斜させること
により、ハーネスクランプのハーネスブラケットへの差
し込み作業を容易に行うことができるとともに、傾斜に
よって力が分散されることとなり、振れ難い構造となっ
て実用上有利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例を示すエンジン補機用ハーネ
スの支持構造の概略拡大断面図である。

【図２】吸気マニホルドの斜視図である。

【図３】エンジンの平面図である。

【図４】エンジンの概略拡大側面図である。

【図５】図４の矢視Ｖによる概略図である。

【図６】エンジンのＯ2 センサ取付部位の概略図であ
る。

【図７】エンジンの概略斜視図である。

【図８】図７の矢視Ｖ〓〓〓による概略図である。

【図９】図７の矢視〓Ｘによるハーネスの概略図であ
る。

【図１０】フューエルデリバリパイプの平面図である。

【図１１】フューエルデリバリパイプの正面図である。

【図１２】フューエルデリバリパイプの右側面図であ
る。

【図１３】ハーネスブラケットの正面図である。

【図１４】インジェクタストッパを示し、（ａ）は正面
図、（ｂ）は右側面図である。

【図１５】締結ブラケットを示し、（ａ）は正面図、
（ｂ）は右側面図、（ｃ）は平面図である。

【図１６】フューエルデリバリパイプ部分の拡大断面図
である。

【図１７】マウンティングプレートの平面図である。

【図１８】この発明の従来の技術を示す吸気マニホルド
の斜視図である。

【図１９】エンジンの概略斜視図である。

【符号の説明】

２ エンジン ４ シリンダヘッド ６ 吸気マニホルド ６ａ 取付フランジ ６ｂ サージタンク ８ フューエルデリバリパイプ ８−１ アッパケース ８−２ ロアケース ８−３ インジェクタジョイント ８−４ マウンティングプレート ８−５ ジョイント ８−６ 締結ブラケット １０ インジェクタ １２ ハーネス １２ａ ハーネス分岐部 １４ ハーネスブラケット １６ ハーネスクランプ １８ カプラ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 吸気マニホルド近傍に板状部材にて形成
   した板金製のフューエルデリバリパイプを設けるととも
   に、このフューエルデリバリパイプ近傍に配設されるエ
   ンジン補機用ハーネスの支持構造において、前記フュー
   エルデリバリパイプにハーネスブラケットを一体的に設
   ける際には、このハーネスブラケットへのハーネスクラ
   ンプのクランプ差し込み方向を、前記フューエルデリバ
   リパイプの締結方向と略同一方向とし且つ前記ハーネス
   の荷重方向及び前記吸気マニホルドの振れ方向に対して
   傾斜させて設けたことを特徴とするエンジン補機用ハー
   ネスの支持構造。
2. 【請求項２】 前記エンジン補機用ハーネスは、インジ
   ェクタ用のハーネスであり、このハーネスの複数個のハ
   ーネスクランプをハーネスの一側及び他側に位置させる
   べく交互に配設した特許請求の範囲の請求項１に記載の
   エンジン補機用ハーネスの支持構造。