JPH11507702A - 平行イオン光学素子および高電流低エネルギイオンビーム装置 - Google Patents

平行イオン光学素子および高電流低エネルギイオンビーム装置

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Abstract

(57)【要約】 イオンの平行処理装置(1700)を提供する。本発明の装置は薄膜蒸着またはイオン注入に使用でき、イオン源(1702)と、イオンの捕捉(1704)および貯蔵を行なうイオン光学素子(1708)と、質量選択イオン光学素子(1706)と、中性種捕捉要素と、抽出イオン光学素子と、ビーム中性化機構と、蒸着および薄膜成長が行なわれる基板とを有している。イオンは、平行なイオン伝導チャンネルの密に詰込まれた配列内に捕捉されかつ貯蔵される。イオン伝導チャンネルは、イオン源から高電流低エネルギイオンを転送して、基板ターゲットを照射させる。転送中、イオン種は、質量選択され、多数のイオン源からのイオンと併合され、かつガス相電荷交換イオン分子反応を受ける。また、イオン源からの中性種、イオン−分子反応試薬ガス、残留背景ガス、またはイオンの中性化は、ターボポンピング、クライオポンピングおよび或るイオン光学素子上でのクライオコンデンセーションにより、処理流から除去される。イオン経路に対して平行または垂直な要素を含む種々のイオン光学素子および中性種捕捉要素は、種々の態様で組み合わされて、大きな均一基板表面上に薄膜イオン蒸着を達成する。

Description

【発明の詳細な説明】 平行イオン光学素子および高電流低エネルギイオンビーム装置 発明の背景 本発明は平行イオン光学素子に関し、より詳しくは、非常に大きな面積の表面 上にイオンビーム蒸着および注入を行なう平行イオン処理システムに関する。 電子材料のイオンアシスト形表面処理は、現代の半導体製造設備に大きな役割 を果たしている。イオンは、大面積の表面を選択的にエッチングおよび洗浄し、 導電性を変化させ、かつエネルギキャリヤとして、表面と吸着中性種(adsorped neutrals)との間の反応を開始させるのに使用されている。また、イオン自体は 、単独でまたは他の中性蒸着種と共に、反応種となり得る。 一般に、イオンビーム蒸着は、イオンが基板上に適正エネルギを堆積(deposit )するようにイオン源を操作する工程を有する。イオンビーム蒸着の技術的に優 れている点は、熱照射または光子照射等の他の方法よりも一層制御可能な態様で エネルギを表面に伝達できることにある。イオンの伝達エネルギ(運動エネルギ とも呼ばれる)を制御することにより、基板の表面に生じる多くの重要なプロセ スに利用できるエネルギ量についての非常に微細な制御が行なえる。最終的に、 このエネルギは、下層材料の既存の化学的構造を必ずしも破壊することなく、表 面の化学結合を作る(または破壊する)のに使用される。 低エネルギイオンビームは、驚異的かつ革新的な特性をもつユニークで新規な 薄膜材料を製造するのに20年以上に亘って使用されてきた(例えば、「材料科 学フォーラム(Materials Science Forum)」(S.Aisenberg等、第1巻、第52 〜53頁、1989年)参照)。イオンビーム蒸着に関する極く最近の研究によ れば、ダイヤモンド膜、窒素の準安定化合物(炭素およびホウ素の窒化物)およ び極薄アルミニウム/シリコン(Al/Si)多層体等の材料(これらは幾つかを列挙 したに過ぎない)が製造されている。これらの膜およびこれらと同様な薄膜の用 途は非常に広く、ダイヤモンドをベースにした半導体電子部品、硬質光学コーテ ィング、絶縁体、導体、研摩材および潤滑材等がある。実際に、薄膜はこれら自 体が1つの産業を形成している。 薄膜を製造する多くの技術が知られている。これらの技術として、比較的ポピ ュラーで未完成のプラズマ技術(例えば、CVD、PVDおよびレーザアブレー ション)から、イオンアシスト/濾過イオンビーム法、更には正確な質量選択形 イオンビーム法までの広範囲の技術がある。列挙したこれらの方法は、制御の度 合いが劣から良へと連続移行する一方、大量生産への現在の適用可能性は良から 劣へと移行している。 プラズマ技術では、低エネルギイオンが表面に連続的に衝撃を与える。プラズ マは、電界により駆動されかつ電界と接触する表面により閉じ込められる。イオ ン種、イオンフラックスおよびイオンエネルギのパラメータの制御は劣悪である が、多くの場合、プラズマ加工は、大面積基板の大量生産に適用できる現在唯一 の方法である。 一般に、イオンアシスト法では、特定イオン源からの非質量選択ビーム(non- mass selected beam)が表面に指向されるか、エッチング、洗浄、スパッタリン グまたは蒸着により表面を加工するガスに溶け込む。イオン濾過ビーム法では、 特別に荷電された種が、一般にイオン源から出る中性粒子から分離される。例え ば、炭素イオンは、炭素アーク源またはレーザアブレーション源から磁気的に分 散される。 質量選択イオンビーム法は高度の洗練を要する代表的なものであり、特に、エ ネルギ、原子種および相対比の点で、成長基板について高度の制御を行なわなく てはならない。イオンビームは、荷電されているか中性であるかにかかわらず、 異質の汚染種が存在しない場合には狭いエネルギ分散および質量特異性で、およ び変化する度合いの内部エネルギで創成できる。強度、イオン質量、イオン運動 エネルギ、イオン内部エネルギ、および表面への到達速度および到達角度は、広 い条件範囲に亘って独立的に制御される。これとは正反対に、プラズマ技術の衝 撃条件はよく定められておらず、制御は、プラズマ出力、ガス圧力、ガス組成、 流量およびシステムの幾何学的形状を介して間接的に行なわれるに過ぎない。ま た、プラズマ技術の高い圧力(>1トル)により、膜の品質は汚染種と成長種と の動的競合により制御される。 質量選択イオンビーム蒸着が他の薄膜蒸着法よりも優れた長所を発揮する重要 な機構は、イオンビームが、化学反応、拡散、原子表面移動(atomic surface mo bility)および/または結晶化を生じさせる表面に高エネルギイオンを供給でき るものである。例えば、C+ 蒸着によるダイヤモンド状炭素膜の合成では、膜に ポンピングされる有効出力密度はほぼ1×106W/cm3 ある(S.Aisenberg等の 前掲著書参照)。 所与の任意の時点で、衝撃イオンにより堆積されるエネルギは、表面で高度に 集中され、該エネルギを化学結合の破壊または形成に利用できるようにする。化 学結合の破壊/形成作用は迅速であり、エネルギを長時間に亘って集中させる必 要はない。都合のよいことに、過剰エネルギは、下にある格子の励起により局部 から迅速に消失される。この迅速なエネルギ消失により、下にある表面構造の破 壊が防止される。かくして、衝突イオンビームのエネルギにより、過度の温度を 必要とすることなく、膜蒸着に有効な反応を生じさせることができる。イオンエ ネルギを制御することにより、膜成長に利用できるエネルギの直接制御が達成さ れる。 これに対し、熱励起は、界面化学のドライビングを容易に可能にする温度まで 本体を加熱することを必要とする。しかしながら、これらの温度では、通常、好 ましい化学反応および好ましくない化学反応の両者が熱力学的平衡状態にある。 所望の反応が、欠陥の形成を低下させる好ましい条件を支配することができるよ うに、特別な条件を見出さなくてはならない。熱励起の多くの商業的用途では、 好ましい反応と好ましくない反応との間の競合が妥協をもたらす。可能性のある 他の多くの用途に対しては、膜の商業的製造が妨げられる。なぜならば、熱力学 的平衡により許容される欠陥の程度が非常に大きいからである。 それにも係わらず、CVD、PVDおよびレーザアブレーション法は、工業的 合成に広い用途を見出しており、かつ薄膜の製造速度を増大させてきた。商業的 に製造される多くの薄膜は、高圧蒸着法に存在する汚染程度および汚染種類に対 しては敏感でない。しかしながら、イオンビーム法により製造される多くの薄膜 だけは、現在でも商業化されていない。これらの薄膜を迅速かつ経済的に製造で きる信頼性のある製造方法が存在しないからである。 従って、下記の点が満足される質量選択イオンビーム薄膜蒸着およびイオン注 入システムおよび方法が要望されている。 1)高電流ビームを、ビーム分散を生じることなく、イオン源からターゲット に伝達できること 2)好ましくない中性粒子が蒸着領域に接触することを防止できること 3)質量選択によるイオンビーム質量成分の(連続または非連続)制御ができ ること 4)質量選択イオンの相対比を制御できること 5)これらのイオンのイオンエネルギ(運動エネルギおよび内部エネルギの両 方)を制御できること 6)質量選択イオンビーム技術により現在達成できるよりも大きな表面領域に 亘る質量選択イオンの均一分散を創出できること 7)商業的に重要な表面領域(例えば、12インチ以上の半導体ウェーハ)に 質量選択イオンの均一分散を創成できること 8)高性能材料の実用的合成のためのフレキシビリティに富んだ方法であるこ と 発明の要約 本発明は、薄膜蒸着およびイオン注入に使用される質量選択イオンビームの平 行処理システムおよび方法を提供する。本発明は、多数の平行イオン伝導チャン ネル(すなわちイオンチャンネル)を形成するイオン処理ユニットを使用する。 イオン処理ユニットは、イオン伝導チャンネルを形成する貫通孔を備えた平電極 シートを有している。電極シートは、隣接する電極シートどうしを絶縁する絶縁 スペーサを介して重ねられるか並べて配置される。電極シートには変化するRf 電圧を印加して、イオン伝導チャンネル内のイオンを操作するための不均一なR f電界を生成する。 一実施例では、基板表面にイオンを照射する方法(例えば、薄膜を形成しまた はイオン注入する方法)は、ガス試料をイオン源中に導入し、ガスをイオン化し てイオンを作り、イオンを、イオン処理ユニットのイオン伝導チャンネル内に導 入し、イオン伝導チャンネル内のイオンから好ましくないイオン種を除去し、イ オン伝導チャンネル内のイオンを、充分なエネルギで基板表面に指向させ、イオ ンを基板上に蒸着させる工程からなる。種々のイオン種の混合物または1つの化 学元素の同位体は、所望の元素を含有する物質の混合物をイオン源に導入するこ とにより容易に蒸着される。この技術は、他の固体成長法(例えば、n形ダイヤ モンド)に利用できない用量でドーピングおよび蒸着するのに有効である。 コーティングを形成するには、基板の表面近くのイオンビームのエネルギを充 分に大きくしなければならないが、蒸着された薄膜または基板表面に損傷を与え ない程度に小さくすべきである。しかしながら、充分に高いエネルギをもつイオ ンビームは、基板表面のエッチング、層表面の円滑化または成長、およびターゲ ット、基板または成長薄膜のイオン注入に使用できる。また、本発明は、薄膜を 層毎に成長させて、異なる物理的特性(例えば、異なる種類の導電性)および厚 さをもつ薄膜からなる多層構造を作ることができる。 本発明の一態様は、イオン処理ユニットの互いに隣接する電極シート間に優れ た絶縁スペーサを設けることにある。一実施例では、絶縁スペーサは、イオン処 理ユニットのイオン伝導チャンネルに一致する開口を備えた個々の孔穿きシート である。他の実施例では、絶縁スペーサは、イオン処理ユニットのイオン伝導チ ャンネル間の電極シートに被覆される個々のスペーサ要素すなわちタブである。 本発明の他の態様は、見通し線中性種(line of sight neutrals)、散乱イオ ン、光子および電子に対して鈍感なイオン処理ユニットを作ることである。イオ ン処理ユニットのイオン伝導チャンネルは湾曲しており、これにより、中性種お よび他の好ましくない粒子をイオンチャンネルから除去できる。一般に、多くの 好ましくない粒子はポンピング機構により除去される。 本発明の他の態様は、2つの異なる詰込みパターン(packing patterns)間の アダプタとして機能するイオン処理ユニットを提供する。これを達成するため、 イオン処理ユニットの各端部での電極シートの詰込みパターンは異なっており、 内部電極シートは2つの詰込みパターン間に滑らかな移行部を形成している。例 えば、イオン伝導ユニットは、六角形の詰込みパターンから矩形の詰込みパター ンへの移行部を形成する。また、イオン処理ユニットは、密に詰込まれたイオン 伝導チャンネルから、粗に詰込まれたイオン伝導チャンネルへの移行部を形成す る。 本発明の他の態様は、イオン処理ユニットのN倍(N fold)イオン伝導チャン ネルの個々の(および群の)ゲーティング(gating)およびレンジング(lensing )を提供する。ゲーティングおよびレンジングは、イオン伝導チャンネルに一致 する、板で形成された貫通孔(plated through holes)を備えた電極シートによ り形成される。板で形成された貫通孔には異なる電圧が印加され、板で形成され た貫通孔は、イオンを通過させ(または阻止する)ゲートとして機能する。或い は、板で形成された貫通孔は、イオンビームを合焦させるレンズとして機能する 。一実施例では、電極シートは多層印刷回路基板からなり、該基板の多層は、基 板の板で形成された貫通孔への電気接続部を形成する。 本発明の他の態様は、イオン処理ユニットのイオン伝導チャンネルの併合(mer ging)および分割を行なうことである。1つの電極シートの多数の孔は、隣接す る電極シートのより大きい1つの孔に開口する。この構成に従ってイオンがイオ ン処理ユニットを移動するとき、互いに隣接する2つの電極シート間の結合部は 、イオン伝導チャンネルないのイオンビームを併合または分割する。 本発明の他の態様は、イオン処理ユニット用のガスマニホルドおよび光子光学 マニホルドを提供する。ガスマニホルドは、ガスを一定圧力でイオン処理ユニッ トのイオン伝導チャンネル内に導入できる。光子光学マニホルドは、イオン伝導 チャンネル内のイオン種により放射された光子が、イオン処理ユニットを出て、 収集または測定されることを可能にする。 本発明の一態様は、角運動量を用いて中性種を減損(depletion)させることで ある。イオン処理ユニットは、イオン伝導チャンネルに対して平行な軸線の回り で比較的高速で回転される。一般に、イオン処理ユニットを形成する平電極シー トは、回転軸に取り付けられる。衝突中、イオン処理ユニットの角運動量は、中 性種の接線方向速度に変換され、イオン処理ユニットから中性ガスを有効に除去 できる。 本発明の他の態様は、クライオコンデンセーションを使用して、好ましくない 粒子を除去することである。イオン処理ユニットの少なくとも一部は、クライオ ヘッドによりクライオ温度(例えば、20K)まで低下される。好ましくない粒 子がイオン処理ユニット(例えば、イオン伝導チャンネルの壁)に衝突すると、 粒子はイオン処理ユニット上に凝縮する。イオン処理ユニットは、形成された凝 縮粒子を除去する熱サイクルで周期的に作動することができる。 本発明の他の特徴および長所は、以下の説明および図面から容易に明らかにな るであろう。 図面の簡単な説明 第1図は、従来技術によるイオン処理ユニットを示す分解図である。 第2図は、薄膜イオン蒸着装置の主要構成要素を示す図面である。 第3A図は電極シートを示す図面、第3B図は絶縁スペーサを示す図面、第3 C図は電極シート上に重ねられた絶縁スペーサを示す図面である。 第4図は、平電極シート上に配置された絶縁スペーサの他の実施例を示す図面 である。 第5図は、重ねられた平電極シートおよび絶縁スペーサを備えたイオン処理ユ ニットを示す図面である。 第6図は、湾曲したイオン伝導チャンネルを備えたイオン処理ユニットを示す 図面である。 第7A図は段階詰込みパターンを備えたイオン処理ユニットを示す図面、第7 B図は第7A図のイオン処理ユニットの断面図である。 第8図は個々にアクセス可能なイオン伝導チャンネルを備えた電極シートを示 す図面である。 第9図は、2つのイオン伝導チャンネルを併合するイオン処理ユニットを示す 。 第10A図はイオン伝導チャンネル内にガスを射出するためのガスマニホルド を示す図面、第10B図はイオン伝導チャンネル内にガスを射出するための別の ガスマニホルドを示す図面である。 第11図は、イオン伝導チャンネル内に2種類のガスを射出するためのガスマ ニホルドを示す図面である。 第12図は、ガスマニホルドの平面図および断面図である。 第13A図はイオンの単一ビームを並進させる四極子を示す図面、第13B図 はイオンの多ビームを並進させる四極子配列を示す図面、第13C図はイオンの 多ビームを並進させる四極子配列ユニットを示す図面である。 第14A図および第14B図はイオンの貯蔵容器として構成されたイオン処理 ユニットを示す図面、第14C図は外部イオン源を備えた薄膜蒸着装置を示す図 面、第14D図は外部イオン源を備えたイオン注入装置を示す図面である。 第15A図〜第15D図は、電子衝撃、レーザイオン化、DC放電およびRf 放電をそれぞれ使用する一体イオン源用のガスプルームのイオン化を示す図面で ある。 第16図は、連続電荷転送反応を示す図面である。 第17図は、イオン処理ユニットおよび四極子配列ユニットを備えた薄膜蒸着 装置を示す図面である。 第18図は、時間領域での励起波形を示す図面である。 第19図は、周波数領域での励起波形を示す図面である。 第20図は、励起波形の適用後の質量の相対分布を示す質量スペクトルシーケ ンスである。 第21A図は角運動量アシスト拡散によるイオン処理ユニットの側面図、第2 1B図は第21A図のイオン処理ユニットの平面図である。 第22図は、電極シートを支持しかつ第21A図および第21B図のイオン処 理ユニットに電圧を印加できる中心軸を示す図面である。 第23図は、6°の角度に配置された半径方向スペーサによる角運動量アシス ト拡散の時間と減損との関係を示すグラフである。 第24図は、60°の角度に配置された半径方向スペーサによる角運動量アシ スト拡散の時間と減損との関係を示すグラフである。 第25A図は粒子の逃散を助ける構造の電極シートを示す図面、第25B図は 粒子がイオン処理ユニットを出るときの粒子の軌道を示す図面である。 第26図は、イオン処理ユニットに使用されるクライオコンデンセーション装 置を示す図面である。 第27図は、イオン処理ユニットを出るイオンの蒸着工程を示す図面である。 第28図は、基板ホルダを示す図面である。 第29図は、多イオンビーム蒸着の長所を示す図面である。 好ましい実施例の説明 目次 I. 序論 II. イオン処理ユニット構成要素 A.電極シートおよびスペーサ B.湾曲チャンネル C.詰込みパターン D.イオン伝導チャンネルのゲーティングおよびレンジング E.チャンネルの併合および分割 F.ガスマニホルドおよび光子光学マニホルド G.四極子配列 H.Rf電子駆動装置のコンポーネンツ III. イオン源 A.外部イオン源 B.内部イオン源 IV. イオン処理 V. 中性ガスのポンピングおよび捕捉 A.角運動量アシスト拡散 B.クライオコンデンセーション VI. 薄膜イオン蒸着およびイオン注入 I.序論 第1図は、従来技術によるイオン処理ユニットを示す分解図である。イオン処 理ユニット10は、X軸線方向に沿って長手方向に配置されかつスペーサ24に より分離された一連の電極シート12a〜12gを右する。各電極シートは高電 圧増幅器14a、14b・・・(これらは、独立的に作動する増幅器の配列14 を形成する)に接続されている。プログラム可能なデジタル・アナログ変換器( DAC)16は、増幅器14の作動を制御しかつ中央処理装置(CPU)18か らデータバス20に沿ってプログラム信号を受ける。従って、中央処理装置18 は、各電極平面での印加電圧、およびイオン処理ユニットを通って移動する荷電 粒子により与えられる有効電界の正確な変化について完全に制御する。 各平電極シートは、六角形の孔22の配列に配置された薄い金属のメッシュを 有する。六角形は、最大の面積/周長比をもつ自己詰込み(self-packing)多角 形である。電極シートは支持フレーム23内で緊張した状態に固定され、同時に 各電極シートは、小さなセラミックスペーサ24により分離されて次のシート上 に重ねられる。平電極シートは、各シートの連続孔が互いに整合して六角形の処 理チャンネル26を形成するように重ねられる。このような1つのチャンネル2 6が、特別に示すそれぞれの六角形孔26a・・・により示されている。真空包 囲体が配列14を包囲しており、真空ハウジング17のベースは配列14のヒー トシンクとして機能する。増幅器の制御信号は、DAC配列16により駆動され るシールド形バス28を介して伝達され、DAC配列16は、中央処理装置18 により発生されかつ専用バス20により運ばれる信号により駆動される。 第1図に示すイオン処理ユニットは、Nicholas J.Kirchnerの1993年4月 27日付米国特許第5,206,506号(この米国特許は、全ての目的で本願に援用す る)においてより詳細に説明されている。このイオン処理ユニットはイオン捕捉 およびイオン転送を含む特性を有するけれども、本発明は、イオン処理ユニット を用いて比較的大きな面積に薄膜蒸着およびイオン注入を行なうシステムおよび 方法を提供する。また本発明は、見通し線粒子の除去、詰込みパターンの変化、 イオン伝導チャンネルのゲートおよびレンズ、チャンネル併合および分割、ガス および光子の光学マニホルド、および多極配列を含む優れたイオン光学素子を提 供する。 以下の説明において、薄膜蒸着に関連して本発明の多くの特徴を説明する。薄 膜蒸着は、本発明の技術の重要な実用的用途である。しかしながら、薄膜蒸着に ついての言及は単なる例示であり、これに限定されるものではない。当業者なら ば、本発明が、質量分光測定、イオン注入およびイオン衝撃によるウェーハ洗浄 を含む種々の用途に適用できることを理解されよう。 本発明は、先ず個々の構成要素を説明し、次にこれらの構成要素を大きな単元 内に示すという組立て原理を用いて説明する。これは、本発明を説明する論理的 方法であることに加え、種々の複合機能を遂行するように個々の構成要素を種々 の態様に組み立てることをも示すものである。従って、個々の構成要素は単独で 使用することもできるし、或いは用途に応じて他の構成要素と組み合わせて使用 することもできる。 II.イオン処理ユニット構成要素 第2図には、本発明による薄膜イオン蒸着装置の主要構成要素が示されている 。 薄膜蒸着装置100は、イオン源102と、イオンビーム処理ユニット104と 、イオン蒸着ユニット106とを有する。イオンビーム蒸着ユニット104は、 イオンバッファ108と、イオン質量選択ユニット110と、イオンバッファ中 性捕捉ユニット112とからなる。一般に、薄膜蒸着装置は真空チャンバ内に収 容され、該真空チャンバは、その構成に従って、イオンビーム処理ユニットのイ オン光学素子のポンピング特性および捕捉特性により補助され、差動的にポンピ ングされる。 イオン源102は、多くの異なる構成にすることができる。1つの構成では、 慣用的なワイドビームイオン源を使用して、該イオン源からのプラズマまたはイ オンをイオンバッファ108で捕捉することができる。ワイドビームイオン源の 例が、「イオン源に関する第5回国際会議の会報(Proceedings of the 5th Int ernational Conference on Ion Source)」(Rev.Scl.Instrum.,65、第1,039 〜1482頁、1994年)に記載されており、該会報は全ての目的で本願に援用する。 他の構成では、個々のイオン源が、イオン処理ユニットの各イオン伝導チャンネ ルと整合している。 イオン処理ユニットの個々のイオン伝導チャンネル内に捕捉(または形成)さ れたイオンすなわち荷電粒子は、ターゲット上に薄膜として抽出および蒸着され る前に、転送されかつ同時に処理される。例えば、イオンビームの質量組成(ma ss composition)は、多くのイオンのビームからのC+ およびP+ の同時質量選 択におけるように荷電される。 イオン処理ユニットの電極は個々のイオン伝導チャンネルを形成しかつチャン ネル軸線に対して垂直な平電極シートおよび/またはチャンネルの軸線に対して 平行な電極による多極配列からなる。電極は、大面積上への薄膜蒸着の達成に必 要な他の機能特性に影響を与えるイオン光学素子の一部である。例えば、中性原 子および分子は、比較的短距離でイオンビームから有効に除去される。これを達 成するには、イオン光学素子は、これらの種のポンピングおよび捕捉を直接的お よび間接的に補助しなければならない。 或る状況では、イオン光学素子はガス用分散マニホルドとして機能する。また 、イオン光学素子には、1つのイオンチャンネルが多チャンネルに分割され、多 イオンチャンネルが併合され、或いは1つのイオンチャンネルが全寸法を変える ことを可能にするイオンゲートまたはイオンスイッチを設けることができる。従 って、イオン光学素子は、イオン伝導チャンネル(該チャンネル内でイオンが操 作されかつ処理される)を形成する電極を有するだけでなく、イオンチャンネル がイオン源から蒸着ユニットに進行するときにイオンチャンネルの相対空間位置 を変えることができる。 薄膜蒸着を行なうには、イオン処理ユニットから出るイオンを加速または減速 させて、所望の運動エネルギ、調節角度にし、できるならば中性にする。好まし くは、イオン処理ユニットを出るイオンビームは、できる限り背景粒子を含まな いものとする。イオンビームは、イオン−イオン反発力によってビームが過度に 拡散される前で、かつ幾分の拡散によりビーム混合が生じること許容されて別々 のチャンネルから不均一に生じるイオンを除去した後に、基板に対して制御され た角度でエネルギを堆積させる。また、イオンは、イオン注入のために、イオン 処理ユニット内でKeV レンジまで加速することもできる。 A.電極シートおよびスペーサ 第3A図〜第3C図は、本発明の一実施例に使用される平電極シートおよび関 連絶縁スペーサを示す。第3A図は電極シート300を示し、該電極シートは、 化学機械加工により形成された0.003 インチの厚さのステンレス鋼で作ることが できる。電極シートは、多数の円形開口302を有する。電極シートが互いに隣 接して配置されると、円形開口が整合してイオン伝導チャンネルの壁を形成する 。 電極シート300には、延長部304を介して電圧が印加される。電極シート間 の変化するRf電圧は、不均一Rf電界を創出して、イオン伝導チャンネル内の イオンを操作(例えば、転送または質量選択)するのに使用できる。円形開口は 六角形の詰込みパターンで示されている。 第3B図は、電極シート同士を分離する絶縁スペーサ320を示す。絶縁スペ ーサはKaptonで作り、化学機械加工により形成することができる。絶縁スペーサ は、多数の六角形開口322を有している。 第3C図は、平電極シート上に重ねられた絶縁スペーサを示す。絶縁スペーサ 320は電極シート300上に重ねられている。電極シートおよび絶縁シートの 開口は整合されて、開口342を形成している。平電極シートの各円形開口は、 6つの接触点344で絶縁スペーサと接触している。絶縁スペーサは、該絶縁ス ペーサの荷電を防止するため、単一体のアスペクト比(最長寸法/最短寸法比) で、イオン伝導チャンネルから引っ込められている。絶縁スペーサが荷電すると 、イオンフラックスを乱し、かつ1つのチャンネル内のイオン流を互いに不均一 にすることがある。 イオン伝導チャンネルは、電極シートと絶縁スペーサとを交互に重ねることに より形成される。電極シートの円形開口は6つの点のみで絶縁スペーサと接触す るので、イオンチャンネルの壁は実質的に開放している。絶縁スペーサの半径方 向外方の境界部は切り欠かれているか、格子状に形成され、これにより実質的に 開放した半径方向境界部が形成されている。イオンチャンネルが実質的に開放し ているので、中性粒子または他の好ましくない粒子が、イオンチャンネルから半 径方向に放散される。或いは、外部反応ガスをイオン処理ユニット内に導入して 、イオン分子を、イオン伝導チャンネル内のイオンと反応させることができ る。矢印346は、中性粒子の半径方向拡散の一例を示すものである。 第4図は、平電極シート上に置かれた絶縁スペーサの他の実施例を示す。絶縁 は、個々の絶縁タブすなわちスペーサ要素402により行なわれる。絶縁タブは Kaptonで作り、適当な位置で平電極シートに取り付けることができる。或いは、 Kaptonクラッドステンレス鋼からなるシートを選択的にエッチングして一体化す ることができる。電極シート300は、付加円形部片が絶縁タブを支持している 点を除き、第3A図に示す電極シートと同じである。図示のように、絶縁タブは 、中性粒子または他の好ましくない粒子が、イオンチャンネルから実質的に開放 拡散することを可能にする。電荷転送イオン化(charge transfer ionization) の場合には、実質的な開放構造は、イオン処理ユニットの外部の反応ガスが、N 倍チャンネルの各々が互いに機械的に隔絶されている場合よりも効率的に装置を 通って拡散することを可能にする。 導電性電極シートおよび絶縁スペーサの材料は、ステンレス鋼およびKaptonに 限定されるものではない。例えば、導電性電極シートは、チタンのような他の金 属、金属化すなわち導電性をもたせたプラスチックまたは炭素化合物で作ること もできる。また、絶縁スペーサは、ポリカーボネート、Teflon、セラミックおよ びRfレンジに吸収されずかつ所望の真空と相容性のある他の材料で作ることが できる。 第5図は、互いに重ねられた電極シートおよび絶縁スペーサを備えたイオン処 理ユニットを示す。1,000 枚以上の電極シートからなるイオン処理ユニット500 が示されている。電圧は各電極シートに個々に印加できるけれども、或る用途で は、任意のi枚目の電極シート毎に同じ電圧を印加しても満足できる結果が得ら れる。第5図では、30枚目(すなわち、i=30)毎の電極シートに同じ電圧 が印加される。電極シートに電圧を印加するのに導電性ロッド502が使用され 、 該ロッドの各々に電極シートが電気的に接続されている。イオン処理ユニットの 各端部には、基礎板504が設けられている。 イオン処理ユニットは、両端板504間に延びる3本のボルト506により保 持される。セラミックスペーサ508は導電性ロッドを絶縁している。また、セ ラミックスペーサ510は、30枚目毎の電極シートの延長部304間に配置さ れる。 A−A断面に示すように、イオン伝導チャンネルは六角形パターンに詰込まれ る。六角形の各辺に5つずつ、全部で30個の導電性ロッドが導電性チャンネル の周囲に配置される。六角形の1辺には5つの導電性チャンネルがあるが、電極 シートが対称形を有するため、3種類のみの電極シートを製造すればよい。例え ば、第3A図に示す電極シートは、延長部304を有する。イオン処理ユニット の製造中に、電極シートをひっくり返して、六角形の辺の2つの異なる位置にこ の同じ電極シートを配置する。従って、30個の導電性ロッドに接続するのに、 3種類のユニークな電極シートを製造すればよい。30個の導電性ロッドが示さ れているけれども、他の数の導電性ロッドについても同じ技術を用いて、ユニー クな電極シートの数を減少させることができる。 B.湾曲チャンネル イオン処理ユニットを使用して基板上に薄膜を蒸着させるとき、多くの汚染源 が存在する可能性がある。イオン源からの見通し線中性種が基板上に堆積するこ とがある。見通し線とは、2点間の空間を通る直線を意味する。これらの中性種 は、接地電子状態または電子的に励起された状態にある。他の汚染形態は、高エ ネルギ散乱イオン(該イオンは、質量選択中に不安定化されるイオン種である場 合もある)であり、該イオンがイオン伝導チャンネルを構成する電界内に入るこ とは好ましくない。散乱イオンのエネルギが充分に大きい場合には、導電面との 衝突時に中性化が生じることはなく、イオンは、中性種が大きな運動エネルギを 保持する場合に中性化される。他の汚染源として、(見通し線中性種とは異なり )、蒸着領域における光子、電子および背景ガスがある。 見通し線中性種は、湾曲したイオン伝導チャンネルを用いることによりイオン 処理ユニットから除去される。第6図は、湾曲イオン伝導チャンネルを備えたイ オン処理ユニットを示す。イオン処理ユニット600はイオン伝導チャンネル6 02を有する。電極シートと絶縁スペーサとをオフセット態様で重ねることによ り、湾曲イオン伝導チャンネルが形成される。イオン処理ユニットの作動中、 電極シートにより創成される電界が、イオン雲を、湾曲チャンネルを通して移動 させる。見通し線中性種は直線経路に従って移動しかつイオン伝導チャンネルの 側面に接触する。イオン処理ユニットから拡散される中性種は、一般に、ポンピ ングシステム(クライオポンプ、ターボポンプ、拡散ポンプ)により真空システ ムから除去される。表面の温度が充分に低いと、中性種はイオン処理ユニットの 表面上にクライオ凝縮されることもある。 湾曲チャンネル構造により充分な回数の衝突後、光子および電子の両者は除去 される。電極に衝突するイオンは最終的に中性化される。高い並進エネルギをも つ中性種が最終的に、熱運動速度に減衰される。中性種が充分な揮発性を有する 場合には、中性種は、イオン処理ユニットから拡散されるか、凝縮されてイオン 処理ユニット構造上に固体を形成する。 C.詰込みパターン 用途に従って、イオン処理ユニットは、非類似の詰込みパターンの2つの規則 性の間のアダプタとして機能する。例えば、イオン処理ユニットは、高濃度イオ ン源と質量選択の四極子配列との間のインターフェースを与える。この移行を達 成するため、イオン伝導チャンネルは、六角形の詰込みパターンから矩形詰込み パターンへの移行を行なう必要がある。 第7A図は、段階詰込みパターンをもつイオン処理ユニットを示す。イオン処 理ユニット700はイオン伝導チャンネル702を有する。このイオン伝導チャ ンネルは、一端に六角形の詰込みパターンを有し、かつ四極子配列710の近く の他端に矩形の詰込みパターンを有している。四極子配列は平行電極712を有 する。六角形の詰込みパターンは、イオン源または蒸着すべき基板の近くに配置 できる。図示のように、イオン伝導チャンネルの詰込みパターンの効率が低下す ると、グリッド電極の全外径が増大する。導電性電極シート同士の間に充分小さ な変化を与えることにより、理想的なイオンチャンネル電界に対する電子摂動( electronic perturbation)を最小にすることができる。 第7B図は、第7A図のイオン処理ユニットの断面図である。電極シートは、 イオン処理ユニット700に沿う種々の増分位置のものが示されている。最初の グリッドは六角形の詰込みパターンをなしている。次の電極シートは徐々に拡大 して、最終の電極シートに示す矩形詰込みパターンになる。最終の電極シートの 導電性イオンチャンネルは、四極子配列の平行電極712間を進行する。かくし て、導電性電極シート種々の形状にして、詰込みパターンを変化させまたは単位 面積当たりのイオン伝導チャンネルの密度を変化させることまたは図示のように これらの両方を行なうことができる。 連続電極シート間の電気キャパシタンスは、重要な粒子工学上の考察である。 キャパシタンスは、電極シートをできる限り大きく開かせれば最小になる。最初 の電極シートから最終電極シートに至るまで、6点懸架が維持される。 D.イオン伝導チャンネルのゲーティングおよびレンジング 或る場合には、特定のイオン伝導チャンネルについて明示制御を行なうことが 望ましい。上記電極シートでは、イオン伝導チャンネルに個々にアクセスするこ とはできない。本発明は、個々のイオン伝導チャンネルおよび/またはN倍チャ ンネルのサブグループについての選択的制御を可能にする。 第8図は、個々にアクセスできるイオン伝導チャンネルを備えた平電極シート を示す。電極シート800は、多数の円形開口802を有している。円形開口は イオン伝導チャンネルと一致している。電極シートは、多くの電気パッド804 を可能にする多層印刷回路基板で構成できる。好ましい実施例では、電極シート は、その複雑さに従って、片面または両面単一層回路基板または多層回路基板を 用いて製造される。電気パッドは円形開口に電圧を印加し、各電気接点を任意数 の円形開口に接続できる。 チャンネルの多数のサブセットは、パッド804で形成された電気接続を介し て駆動される。円形開口は板で形成された貫通孔であり、1つ以上の電気パッド 804から電圧を受ける。A−A断面は、電極シート800がいかにしてゲーテ ィング機能を発揮するかを示すものである。円形開口806、808、810が 示されており、円形開口806、810に発生された電界は、これらのそれぞれ のイオン伝導チャンネル内のイオンが進行できるようにする。しかしながら、円 形開口808に発生された電界は、イオンがゲートを横切って転送できるように はしない。かくして、選択されたイオン(またはイオン伝導チャンネル)のみが 進行を許容され、別のイオン伝導チャンネルが一緒にゲーティングされることは ない。 電極シート800はレンジング機能をも有している。上記ゲーティングは1つ の電圧による2進ゲートとして機能して、イオンの通過を許容し、他の電圧はイ オンを阻止する。しかしながら、これらの両極端部間の電圧は、イオンを合焦さ せる(または焦点を外す)レンズとして機能する。かくして、電極シート800 の 円形開口は、印加電圧に従って、イオンレンズとしても機能する。 円形開口に印加される電圧は、DC電圧またはRf電圧、或いはこれらの両者 を選択できる。DC電圧の印加を「エレクトロスタティック」と呼び、Rf電圧 の印加を「エレクトロダイナミック」と呼ぶことにする。 エレクトロスタティックゲート、エレクトロダイナミックゲート、またはエレ クトロスタティックとエレクトロダイナミックとの混合ゲーティングを使用でき る。エレクトロスタティックとエレクトロダイナミックとの「混合」は幾つかの ことを意味する。例えば、エレクトロスタティックゲートはN/iチャンネルの 1つのサブセットに使用でき、一方、エレクトロダイナミックはは他のサブセッ トに使用できる。また、単一ゲートは、エレクトロスタティックおよびエレクト ロダイナミックの両コンポーネンツを有し、これらのコンポーネンツは、エレク トロスタティックのみ、エレクトロダイナミックのみ、またはエレクトロスタテ ィックおよびエレクトロダイナミックの両方、またはエレクトロスタティックで もエレクトロダイナミックでもない隣接ゲートとは独立したものである。 E.チャンネルの併合および分割 本発明は、多数のイオン伝導チャンネルを併合すること、または1つのイオン 伝導チャンネルを多数のチャンネルに分割することができる。第9図は、2つの イオン伝導チャンネルを併合したイオン処理ユニットを示す。絶縁シート902 は、イオン伝導チャンネルと一致する円形開口904を有している。絶縁シート 902同士の間に電極シート906が配置される。電極シートは、イオン伝導チ ャンネルを形成する円形開口908を有している。絶縁シート910は、2つの イオン伝導チャンネルと一致する楕円形開口912を有している。電極シート9 14は、絶縁シート910同士の間に配置される。電極シートは、イオン導電性 チャンネルを形成する楕円形開口を有している。絶縁シートの開口の直径は、電 極シートの隣接開口の開口の直径より大きいことが好ましい。これにより、イオ ンが絶縁シートと接触して絶縁シートの荷電を生じさせる傾向が低減される。 図示のように、2つのイオン導電性チャンネルのイオンは、単一のイオン伝導 チャンネルに併合される。同じ電極シートを使用して、楕円形開口916が形成 されたイオン伝導チャンネルを、2つのイオン伝導チャンネルに分割することが できる。2:1の併合および分割が示されているが、他の倍数を作ることができ る。 イオン伝導チャンネルの併合および分割はいかなるゲーティングも行なわずし 出できる。電極シート920は、無イオン、種のイオン、または両種のイオンの 種々の組合せを選択できる。 F.ガスマニホルドおよび光子光学マニホルド 上記断面図には、隣接する平電極シートの空間方向が変化されていること(す なわち、湾曲イオンチャンネル)、隣接するイオン伝導チャンネルの空間方向が 変化されていること(すなわち、詰込みパターン)、隣接するイオン伝導チャン ネルに付与される電界が変化されること(すなわち、ゲーティング)、およびイ オン伝導チャンネルが併合および分割されることが示されている。これらにより 、イオン光学素子に大きな改良が加えられる。しかしながら、イオンの処理とし ては更に、ガス相粒子とのイオンの化学反応、光子との相互作用、および固体面 との相互作用がある。 イオンの発生または特定中性種とのイオンの衝突等の場合には、特定ガス流を 各イオン伝導チャンネル内に導入するのが有効である。第10A図は、イオン伝 導チャンネル内にガスを射出するためのガスマニホルドを示す。 端板1002および1004はガスマニホルドの外壁並びにイオン伝導チャン ネルの入口および出口を形成する。端板には、それぞれ、円形開口1006、1 008が形成されている。端板に隣接してガス伝導板1010、1012が配 置されている。ガス伝導板は、それぞれ、円形開口1014、1016を有して いる。 イオン伝導チャンネルは円形開口により形成される。また、ガス伝導板は、ガ スチャンネル1018、1020を有している。ガスチャンネルは、円形開口の 列間のガス伝導板の開口である。ガス伝導板は、その構造は同じであるが、ガス マニホルドの製造中に、ガスチャンネルが60°の角度をなすようにガス伝導板 を配置することができる。 ガス伝導板どうしの間には、ガス射出板1030が配置される。ガス伝導板と 同様に、ガス射出板は、円形開口の列間にガスチャンネル1032を有している 。また、ガス伝導板と同様に、他のガスチャンネルに対して60°の角度をなし てガスチャンネルが配置される。しかしながら、ガス射出板では、円形開口1034 にノッチが形成されており、該ノッチは、隣接ガス伝導板のガスチャンネルから のガスが定量されてイオン伝導チャンネル内に流入できるようにする。ガスチャ ンネルは、連続するガス定量オリフィス間のマニホルド圧力に大きな圧力降下を もたらす有害作用なくして個々のガス定量オリフィスに供給するガスマニホルド を形成している。 第10B図は、イオン伝導チャンネル内にガスを射出するための別のガスマニ ホルドを示す。このガスマニホルドは、ガス伝導板が2つではなく、1つのみ設 けられている点を除き、第10A図に示すものと同じである。 端板1052、1054は、ガスマニホルドの外壁並びにイオン伝導チャンネ ルの入口および出口を形成している。端板には、イオン伝導チャンネルに一致す る円形開口を有している。端板に隣接してガス伝導板1056およびガス射出板 1058が配置されている。ガス伝導板およびガス射出板もイオン伝導チャンネ ルに一致する開口を有する。しかしながら、ガス伝導板は円形開口を有し、ガス 射出板は、図示のようなノッチを備えた円形開口を有している。 また、ガス伝導板およびガス射出板は、開口の列間に延びるチャンネルを有し ている。これらのチャンネルは、ガスがマニホルドを横切って拡散できるように 板のマニホルドが構成される場合には、非平行(例えば60°)に配置される。 ガス射出板の円形開口のノッチは、イオン伝導チャンネル内に流入するガスを定 量できる。 板は化学的にエッチングするか、導電性、絶縁性またはこれらの混合性質をも たせることができる。マニホルドガスを密封するため、マニホルド板の内面は、 互いに直接、または接着剤を用いて一体的に被覆することができる。別の構成と して、板の全面に亘って充分な機械的圧力を加え、ガスマニホルドからの板間ガ ス漏洩を防止することができる。一実施例では、ガス射出板は、多孔質(焼結) 材料で作られる。かくして、個々のイオン伝導チャンネル内へのガス定量は、正 確さを要する孔(例えば、円形開口1034のノッチ)を介してではなく、焼結 媒体を介しての拡散により達成される。 一実施例では、イオン処理ユニットはガスマニホルドである。かくして、ガス マニホルドは、導電性電極シートと絶縁シートとの交互配置からなる。第10A 図に示すように、端板1002、1004は金属電極シートで構成できる。ガス 伝導板1010、1012は絶縁シート(例えば、Kapton)で構成できる。端板 1002、1004およびガス射出板1030には、延長部304として第3A 図に示すような電気接続延長部を設けることができる。 第11図は、2種類のガスをイオン伝導チャンネル内に射出するためのガスマ ニホルドを示す。このガスマニホルドは、第10A図の端板と同じ端板1102 、1104、1106を有する。端板1104は、2つのガスマニホルドを分離 する。同様に、ガスマニホルドはガス伝導板1120、1122、1124、11 26を有する。対をなすガス伝導板の間には、ガス射出板1130、1132が配 置される。ガス射出板は円形開口を有し、円形開口のうちの半数には、ガスをイ オン伝導チャンネル内に射出するためのノッチ1140が設けられている。円形 開口とノッチとを交互に配置することにより、一方のガスが半数のイオン伝導チ ャンネル内に射出され、他方のガスが残りの半数のイオン伝導チャンネル内に射 出される。ノッチ付き円形開口は半数のイオン伝導チャンネルに設けられている ものが示されているが、任意数の円形開口にノッチを設けることができること、 および同じイオン伝導チャンネル内に射出するための異なるガスマニホルドを構 成できることは容易に考え得るであろう。 ガスマニホルドは、イオン伝導チャンネル内にガスを射出すると同時に、各イ オン伝導チャンネルに一定のガス圧力を維持するための1つの方法を提供する。 また、ガスマニホルドは、同時にかつ低い死空間でガスをイオン伝導チャンネル に供給する。 第12図は、ガスマニホルドの平面図および断面図である。ガスマニホルド1 200はガス射出ポート1202を有し、ガスは、ガス射出ポートを介してガス マニホルド内に射出される。多数のガス射出ポートを使用して、多種類のガスを ガスマニホルド内に射出することができる。ガスがひとたびイオン伝導チャンネ ル内に射出されたならば、電子を導入してガスに衝突させ、イオンを発生させる ことができる。 上記ガスマニホルドは、光子光学マニホルドを構成するように改変できる。光 子光学マニホルドを作るには、ガス伝導板およびガス射出板は、光学的に透明な 材料で作られる。第10B図において、イオン伝導板1056およびイオン射出 板1058は、ガラスまたは他の任意の光導性材料で作ることができる。この場 合には、例えばレーザ誘発光、蛍光または燐光の結果として生じるイオン種によ り放射される光子が、光学マニホルドを出て、光ファイバケーブルに収集される 。 これにより、光学マニホルド板の平面に光学的に隣接するイオンからの光子は、 全てのイオン伝導チャンネルに収集される。非常に多数のイオンから光学光子( optical photon)を収集できるようにするため、イオン処理ユニットの全長に亘 って1つ以上の光学マニホルドを設けることができる。 G.四極子配列 第13A図は、単一ビームのイオンを並進させる四極子を示す。四極子の電極 1302は、イオンチャンネルに対してほぼ垂直な電極を備えたイオン処理ユニ ットとは異なり、イオンチャンネルに対して平行である。質量選択は、四極子配 列を用いて達成される。例えば、四極子を用いる質量選択は、Paul等の1970年6 月7日付米国特許第2,939,952 号(この米国特許は、全ての目的で本願に援用す る)に開示されている。本発明では、任意波形発電機(Arbitrary Wave Form Ge ner-ator、AWFG)1304が、印加されたRf電圧のトップの励起波形に 重畳される。重畳励起波形を用いる質量選択については、第18図、第19図お よび第20図を参照して更に説明する。 第13B図は、多ビームのイオンを並進させる四極子配列を示す。四極子配列 は多数の電極1310からなる。配列による多極捕捉電位(multi-pole trappi- ng potential)は、イオン貯蔵、イオン転送および質量選択として機能する。本 発明では、四極子配列はイオン処理ユニットに関連して使用され、1つ以上の同 時的イオン質量種(simultaneous ion mass species)の質量選択についての高イ オン流スループットを達成し、および/または質量カットオフを達成し、再び高 イオン流を達成する。一般に、高イオン流は、基板上への薄膜の高蒸着速度を達 成する必要がある。質量選択は四極子配列により遂行されるけれども、質量選択 は、同様な方法でイオン処理ユニットによっても遂行できる。 第13C図は、多ビームのイオンを並進させる四極子配列ユニットを示す。四 極子配列ユニット1330は多数の電極1332を有している。4つの電極から なる群が、イオン伝導チャンネル1334を形成する。四極子配列ユニットは端 板1336を有している。端板は電極を所定位置に保持し、かつ、端板を介して 電極に電圧を印加できるようにする導電性材料で作ることができる。一実施例で は、端板は、第8図に示したものと同様な態様で、電気パッド1338を介して 或る電極群に電圧を印加できるようにする印刷回路基板である。また、電圧は、 板で形成された貫通孔として形成されたイオン伝導チャンネルの入口レンズおよ び出口レンズと同様な態様で印加される。 四極子配列ユニットは、イオン処理ユニットに加え、転送および処理を行なう 。 しかしながら、四極子配列ユニットは、六角形の詰込みパターンをもつイオン処 理ユニットよりも本質的に低い効率の詰込みパターン(矩形の詰込みパターン) を有する。従って、イオン処理ユニットを、第7A図および第7B図に示すよう に2つの詰込みパターン間のインターフェースとして使用することができる。 H.Rf電子駆動装置のコンポーネンツ 好ましい実施例では、コンピュータシステムは、イオン処理ユニットまたは四 極子配列において電極に印加される電圧を発生させるのに使用される(例えぱ、 第1図参照)。しかしながら、或る実施例では非常に簡単化した装置を使用でき る。例えば、ダイナミックイオン捕捉および転送の機構により全イオンスループ ットを最大にしなければならない場合には、簡単な駆動回路で充分である。 第14A図は、イオンの空間充填貯蔵容器として機能するイオン処理ユニット を示す。オッシレータ1360が、電極シート1362に交流電圧を印加する。 交流電圧は、イオン処理ユニットのイオン伝導チャンネル内にイオンを貯蔵する 。 第14B図は、イオンの空間充填貯蔵容器の別の実施例を示す。オッシレータ 1380が、電極シート1382に印加される交流電圧を発生する。電極シート 1382同士の間には、電極に種々の電圧を供給するための電圧降下抵抗器1384 が設けられている。交流電圧は、イオン処理ユニットのイオン伝導チャンネル内 にイオンを貯蔵する。かくして、電極シートに印加される電圧を発生させるのに 、オッシレータおよび他の電子装置を使用できる。 III.イオン源 イオン源として、広範囲の技術を使用できる。一般に、イオン源は、イオン伝 導チャンネルの外部に設けるものと、イオン伝導チャンネルと一体化するものと に分類される。外部イオン源は、イオン伝導チャンネルの大きな集合に共通して いる。これに対し、個々の一体イオン源は、イオン処理ユニットのイオン伝導チ ャンネルに特定される。 A.外部イオン源 第14C図は、外部イオン源を備えた薄膜蒸着装置を示す。薄膜蒸着装置1400 は、イオン源1402と、イオン処理ユニット1404、1406、1408と 、 蒸着ユニット1410とを有する。好ましい実施例では、イオン源は、幅広ビー ム電子サイクロトロン共鳴(Electron Cyclotron Resonance、ECR)イオン源 である。このようなイオン源は、J.Asmussen 著「J.Vac.Sci.」(Technol. A7、第883頁、1989年)およびO.A.Popov 等著「J.Vac.Sci.」(T- echnol.A10、第3,055 頁、1989年)に記載されており、これらの著書は 本願に援用する。プラズマからなる荷電種は、或る特徴イオン速度Vi(該速度 は、プラズマ閉じ込め領域からなる磁石の相対位置により駆動される)でイオン 源を出る。プラズマは、イオン源を出て、イオン処理ユニットの前部に衝突する 。 個々のイオン伝導チャンネル内へのプラズマの進入は、プラズマ出口速度Vi お よび/またはイオン源とイオン処理ユニットとの間の相対電位により制御される 。従来の一般的なシステムでは、プラズマからイオンを抽出するのに大きなDC 電位を必要とする。しかしながら、この結果得られるイオンビームは、低エネル ギ制御には全く不適な高エネルギを有する。本発明では、イオン処理ユニットの 前部を高電圧に保つ必要はなく、原子イオンおよび/または分子イオンの捕捉お よび転送に適した条件下で作動する内部電界により接地電位に保つこともできる 。引き続き第14C図を参照すると、イオン源およびイオン処理ユニットの拡大 平面図は、正および負に荷電したコンポーネンツからなり、Rf電気駆動装置が オフの状態でイオン伝導チャンネル内に流入するプラズマを示す。電子は、多く のプラズマの負に荷電した1次コンポーネントからなる。Rf電気駆動装置がオ ンにされると、電子は、エレクトロダイナミック電界中では不安定であるため、 プラズマから選択的に加速される。このプロセスが、イオン源とイオン処理ユニ ットとの連結部を示す底部分解図に示されている。 残留イオン種(正および負の両方)は安定であり、イオン処理ユニットの電界 内に捕捉されかつイオン処理ユニットの内部に転送される。本発明は、プラズマ からイオンを分離させるための高いDC抽出電圧が不要である。 イオン処理ユニット1404は、イオンを収集するイオンバッファとして機能 しかつイオンバッファから出るイオンの流れを調整する。イオン処理ユニット1 406は、イオン伝導チャンネル内の質量選択イオンを処理する。イオン処理ユ ニットは、基板上に蒸着するためのイオンバッファとして機能する。一般に、イ オンバッファは、装置のイオンスループットに適合するよりも多量のイオンをプ ラズマから得ることができる。これにより、イオンバッファは、均一濃度を有 するイオン流が形成される。従って、入力でのプラズマ濃度が均一でなくても、 イオンバッファの流量制限スループットは、均一な出力を発生する。 プラズマイオン抽出は、薄膜蒸着装置に使用するものを示したが、プラズマイ オン抽出は他の装置にも使用でき、或いは独立形装置にも使用できる。例えば、 第14D図は、外部イオン源を含むイオン注入装置を示す。イオン注入装置1450 は、イオン源1452と、イオン処理ユニット1454と、注入ユニット1456と を有する。 イオン注入装置1450は、単一のイオン処理ユニット上にあることを除き、 第14C図の装置と同様である。第14C図の3つのイオン処理ユニット1404、 1406、1408は、薄膜蒸着に使用されて、蒸着ユニット1410に高真空 (すなわち、イオン流から除去された中性種)を創出する。イオン注入の場合に は、イオン注入装置が単一のイオン処理ユニット(例えば、イオン処理ユニット 1454)で構成されているため、高真空は不要である。 B.一体イオン源 個々の一体イオン源は、イオンがイオン伝導チャンネルにより首尾よく捕捉す なわち帯同される空間領域の近くのガス濃度のみを与える。一体イオン源は、第 10A図および第10B図に示すガスマニホルドによりイオン伝導チャンネル内 に導入されるガスプルームをイオン化することから構成できる。ガスプルーム( ガスプルームは、ガスマニホルド圧力から真空まで大きく拡大していない)内で のイオン化を達成することにより、大きな体積内での同じ流量により維持された ガス中でのイオン化に関して、イオン/中性種の比が大きく増大される。 プルーム内のガスの直接イオン化は、第15A図〜第15D図に示す多くの技 術を用いて達成される。第15A図は、電子衝撃を利用したガスプルームのイオ ン化を示す。イオン伝導チャンネルを通る電子移動およびガスプルーム内の粒子 に与える衝撃により、正に荷電されたイオン種が、例えばフィラメントに整合し て創成される。 第15B図は、レーザイオン化を用いたガスプルームのイオン化を示す。単一 光子および多光子を含むレーザ光およびREMPI(Resonance Enhanced Multi -photon Ionization、共鳴増強形多光子イオン化)がガスプルームに指向され、 イオン伝導チャンネル内の中性種をイオン化する。 第15C図は、DC放電を用いたガスプルームのイオン化を示す。DC放電( グロー放電)は、ガスマニホルドの端板間にDC電圧を印加することにより発生 される。 第15D図は、Rf放電を用いたガスプルームのイオン化を示す。Rf電界( 例えばマイクロ波)は、ガスマニホルドの端板を横切って形成され、ガスプルー ムをイオン化する。 イオン伝導チャンネル内のガスプルームをイオン化する上記技術は、各チャン ネルに適用される。或る条件下では、2種類以上のガス種が化学反応するガス混 合物中でのイオン化は好ましくない場合または安全でない場合がある。第11図 に示すような多マニホルドを用いることにより、イオン伝導チャンネルのサブセ ットに固有の種々のイオン化種が得られる。他の形態では、第9図に示すチャン ネル併合技術を用いて、独立イオン固体群を結合させることができる。かくしで 、一体イオン源は、イオン処理ユニットのイオン伝導チャンネル内に種々のイオ ン種を発生させる。 質量選択の必要性は、イオンビームフラックスからの好ましくない元素イオン 種(element unwanted ion species)に対する必要性から生じる。しかしながら 、 或る場合には、特別な化学反応(より詳しくは、次のような電荷転送イオン分子 反応)を用いて、充分なイオンビーム純度が得られる。 また、電荷転送反応は、イオン生成の内部エネルギの制御も行なう。内部エネ ルギ制御は、薄膜ダイヤモンド蒸着のような薄膜蒸着での重要なパラメータであ る。また、電荷転送反応は、質量選択を行なう必要性を低減するか、無くすこと ができる。 電荷転送反応に使用される反応ガスは、生成イオンの内部エネルギを決定でき る。このプロセスは、次の半径方向に見ることができる。 He++O2−−→ O+4O)+O Ne++O2−−→ O+2O)+O Ar++O2−一→ O+2O)+O 図示のように、反応体ガスは、発生する酸素イオンの軌道を決定する。これらの 反応は、X.Li 等著「He+(Ne+,Ar+)+O2の共鳴解離電荷転送および無線周波 数多極イオンガイド技術を用いたO+4SO2DO2PO)の状態選択(Stateselect ion of O+4SO2DO2PO)using resonance dis-sociative chargetransfer o f He+(Ne+,Ar+)+O2 and radio frequency multipole ion guidetechniques )」(Rev.Sci.Instrum.第66頁、4、1995年)において論じられてい る。 第16図は、連続電荷転送反応を示す。第1段階で、ヘリウムガスは、Rf放 電によりイオン化される。正に荷電されたヘリウム種は、第2段階で、一酸化炭 素ガスのプルーム内に射出される。ヘリウム種は一酸化炭素と、次のように反応 する。 He++CO−−→ C+2U)+O(4S)+He 正に荷電した炭素種は、本質的に、抽出されかつ整合したイオン伝導チャンネル 内に射出される生成物のみである。上記のようにO+ が存在する場合には、イオ ン種の内部エネルギの正確な制御も行なわれるので、この反応は重要である。こ の反応は、M.Rincon 等著「Int.J.Mass.Spec.Ion.Process」(第86頁、 369、1988年)において更に説明されている。 第16図の反応は、主イオンビームA+がイオン処理ユニットを通って流れる ことを含むものとして一般化される。中性種Bはローカルガスマニホルドにより 少なくとも1つのイオン伝導チャンネル内に射出され、これにより、中性ガスプ ルームを通るイオンA+が電荷交換される。 上記手順には幾つかの変更が可能である。他のプロセスとして、下記のものが ある。 1.イオン処理ユニットには、主イオン種(例えば、He+)が充填される。 2.パルス駆動される弁は、中性反応体(例えば、CO)を、イオン処理ユニ ットの内部領域内に射出する。 3.イオン処理ユニットの捕捉電位内で反応A++B−−→A+B+が生じ、元 のイオンAを新しいイオンBに変換する。中性化されたA種および過剰のBは、 システムからポンプ圧送される。 4.イオンB+は、イオン処理ユニットから射出される。 IV.イオン処理 上記セクションは、イオン処理ユニットおよび四極子配列ユニットの両者を説 明したものである。これらのユニットは、非常に高レベルの機能性を発揮すべく 結合される。より詳しくは、イオンの捕捉およびバッファリング、質量選択、イ オン転送、質量選択された種の蒸着またはイオン注入が達成される。 第17図は、イオン処理ユニットおよび四極子配列ユニットを備えた薄膜蒸着 装置を示す。薄膜蒸着装置1700は、イオン源1702と、イオン処理ユニッ ト1704と、四極子配列1706と、イオン処理ユニット1708と、蒸着ユ ニット1710とを有する。好ましい実施例では、イオン源は、幅広ビーム電子 サイクロトロン共鳴(ECR)イオン源である。イオン処理ユニット1704は 、イオン源と四極子配列との間のインターフェースとして作用し、かつ全てのチ ャンネルを通る均一イオンフラックスを発生する。このインターフェースは、第 7A図および第7B図に関連してより詳細に説明されている。 イオン処理ユニット1704および1708はイオンバッファとして作用し、 四極子配列1706はイオン種の質量選択および転送を遂行する。イオン処理ユ ニット1708は、四極子配列からのイオンビームを受け、かつ薄膜蒸着を行な うための濃密詰込みパターンでイオンビームを発生する。 この操作で生じる重要なプロセスは、イオン濃度の均一化である。最も幅広の イオン源は、所望のビーム径を横切る均一分布(イオンまたはプラズマ)を形成 しない。バッファ入口で達成可能なイオンフラックスが出口のイオンフラックス より大きい場合には、各バッファチャンネルが同様なイオン濃度分布で充填され るであろう。この結果、バッファイオン処理ユニットの出口面を横切るイオンの 均等化が達成される。 質量選択の一形態は、四極子配列に関連して既に論じられた。本発明では、Rf 電界のイオン永年周波数(ion secular frequency)に等しい周波数を付与するこ とにより好ましくない質量のイオンを選択的に放射するための1つの質量選択モ ードを開示する。この技術は、四極子配列およびイオン処理ユニットの両者にお けるリニア捕捉電界に適用できる。簡単化のため、以下、これらの装置を質量選 択ユニットと呼ぶことにする。 本発明では、質量選択ユニットはRfのみのモードで作動される。好ましくな いイオンを放射させるため、Rfに励起周波数が付与される(第13A図参照) 。第18図、第19図および第20図は、四極子配列から任意イオン質量の選択 放射を証明する理論的計算を示す。第18図は、時間領域での励起波形を示す。 Rfおよび重畳励起波形が四極子配列に付与され、質量選択を遂行する。第19図 は周波数領域での励起波形を示す。図示のように、周波数にはP+ノッチおよび C+ノッチがある。励起波形が四極子配列の電極に付与されたときに安定してい るイオンが選択される。図示のように、波形には2つのノッチがある。これらの 不在周波数は、C+イオンおよびP+ イオンの永年周波数に一致する。周波数の 不在は、C+およびP+が励起されずかつ放射されない。 第20図は、第18図および第19図の励起波形をもつ時間における質量の相 対分布を示す質量スペクトルシーケンスを示す。周波数におけるノッチの相対幅 は、特定比のイオンが質量選択されるようにする。この例では、ノッチの幅が狭 いため、P+イオンの全部ではないが幾分かが放射される。C+ノッチは幅広であ り、全てのC+イオンは励起されずに通過する。時間(=0)では、表示され たイオン質量の粒子は、イオン処理ユニットから四極子配列に射出される(第1 7図のそれぞれ1704、1706)。励起波形が付与された後、非選択イオン の不在が急速に減少する。時間(=2.5 ミリ秒)では、全ての炭素イオンおよび 幾分かの燐イオンが残留する。かくして、周波数ノッチの幅は、特定比のイオン が質量選択されるようにする。この技術は二次元四極子電界(2D quadrupole fie ld)の数値シミュレーションに関連して論じたが、イオン処理ユニットの三次元 電界にも同様に適用して、質量選択を遂行できる。 質量選択イオンのイオン加速は、最終イオンバッファの出口での静電加速によ り達成される。また、イオンは、イオン処理ユニット内で横方向バリヤを移動さ せることによっても加速される。かくして、一定速度または一定エネルギのイオ ンが得られる。イオン処理ユニットによるイオン加速の優れた長所は、慣用的な 方法で一般的な高DC電圧加速要素が不要なことである。 V.中性ガスのポンピングおよび捕捉 薄膜蒸着において、蒸着領域に背景ガスが存在することは好ましくない。第1 4図および第17図に示すように、拡散ポンプ、ターボポンプおよびイオン光軸 に対して垂直なクライオポンプを含む真空ポンプを使用して好ましくない粒子を 除去できる。しかしながら、イオン源と基板との間の低いアスペクト比のため、 真空ポンプは、圧力を充分に低下させない(一般に、10-8トル以下の圧力が必 要である)。従って、イオン処理ユニット自体が付加機能を与えて好ましくない 粒子を除去する。 A.角運動量アシスト拡散 第21A図は、角運動量アシスト拡散によるイオン処理ユニットを示す側面図 である。イオン処理ユニット2100は、平電極シート2102を有している。 電極シートは中央軸2104上に重ねられかつ前述のようにイオン伝導チャンネ ル2106を形成している。イオンは、イオン源の外部または内部からイオン処 理ユニット内に導入される。 第21B図は、第21A図のイオン処理ユニットの平面図である。電極シート は中心軸の回りで回転され、これにより、好ましくない粒子が、連続接線方向加 速によりイオン伝導チャンネルから出て、回転するイオン処理ユニットの部材と 衝突する。図示のように、好ましくない粒子はターボポンプにより抽出される。 イオン種は、電極シートに印加される電圧により発生される電界によりイオン伝 導チャンネル内に保持される。 角運動量アシスト拡散によれば、基板の中性ガス汚染の有害効果をもたらすこ となく、より高いイオン源圧力、従ってより強いイオンビームが得られる。また 、 連続電荷転送反応により形成される、より強いビームを発生できる。 好ましい実施例では、電極シートは、回転強度に優れたチタンから作られる。 駆動電圧をイオン処理ユニットに供給するのに、特殊な軸設計を使用できる。第 22図は、電極シートを支持しかつ電圧の印加を印加できる中心軸を示す。金属 コア軸2202は、絶縁層2204で被覆されている。金属ストリップ2206 が絶縁層上で軸に沿って配置されておりかつ絶縁上層で覆われている。絶縁上層 上には、平金属リング2208が配置されている。各金属リングは、絶縁層の孔 を通って、対応するストリップ2206の一端に接続されている。各ストリップ の他端は、絶縁層の孔を通って少なくとも1つの電極シート2102に接続され ている。 金属リングには、ボールベアリング2210が電気的に接続されている。Rf 増幅器または他の電子装置からの電圧が、ボールベアリング、金属リングおよび ストリップを介して電極シートに印加される。 100,000 RPM の回転速度および15cmの半径についての幾つかの数値パラメー タが、下記表において、質量28に与えられる。 上記表は、半径の関数としての回転パラメータを示す。例えば、熱運動速度(300 K)での28AMU(原子量単位)の中性分子に比べ、半径5cmの接線方向速度は 、最も蓋然性の高い熱運動速度(523m/秒、これは361Kに相当する)より 僅かに大きい。15cmの半径方向外縁部では接線方向速度は1,570 m/秒であり、 これは、熱運動速度より大きい大きさのオーダである。回転面に衝突する中性種 は、表面の熱温度に相当するランダムな速度成分および接線方向成分V=ω・r (ここで、ωは角速度(ラジアン/秒)、rは当該点の半径である)で、表面を 離れる。 回転するイオン処理ユニットの外部にある中性種は、回転システムに対する大 きな接線方向速度を得なくては再度入ることはできない。かくして、ひとたび中 性種が構造体を離れると、中性種は再び入ることはない。構造体内の中性種は、 利用可能な表面領域に亘って連続的に静的に再区分される。この領域は、より大 きな角速度の方向に傾斜している。分子量および回転速度により定められる境界 を超えて、接線方向速度は熱運動速度より大きくなるであろう。かくして、中性 種は、回転システムに対する接線方向のリニア運動量への角運動量により能動的 に減損される。 境界内で、中性種は熱拡散により空にされる。例えば、拡散制御領域は、656 cm2 の角運動量減損領域(angular momentum depleted region)に匹敵する50 cm2 である。第23図は、時間と減損との関係を示すグラフである。このグラフ は、角運動量アシスト拡散を、0rpm での同様な曲線と対比するものである。グ ラフは、100,000rpmの回転速度が、高割合の中性種をイオン処理ユニットから除 去できる速度を大きく増大させることを示している。 第23図のグラフは、回転面との衝突を考慮に入れて分子ダイナミックスシミ ュレーションにより得たものである。回転面は、Z回転軸に対して平行な平面で あるとした。衝突後、粒子は、表面から向いておりかつ回転フレームの固定絶対 値をもつランダム熱速度ベクトルを得る。Vのランダム成分の大きさは、条件0. 5 mv2 =2/3Eから定められる。ここで、mは粒子の質量、Eは熱エネルギ (すなわち、回転イオン処理ユニットの表面温度)である。シミュレーションで は、mは28amu に等しく、Eはニアサーマル(near thermal、0.03 ev)であり 、x−y平面内の二次元画像を分析した。後者は、上記平面内の係数2/3を説 明する。 最初に、1,000 個の粒子が、最大半径r=150mmをもつ領域内に、均一の速 度密度でランダムに分布される。粒子は、その半径が、進化(evolution)の結果 としてrより大きくなると、逃散すると考えられる。シミュレーションでは、領 域に、60°の角度で回転軸線を通るバリヤラインを設けた。第23図は、計算 の結果として、休止平面を実線で示し、100,000 rpm の角周波数を破線で示して いる。図示のように、回転により、逃散速度が大きく増大される。 第24図は、時間と、角運動量アシスト拡散によるイオン処理ユニットからの 中性種の減損との関係を示すグラフである。このシミュレーションでは、領域に 、6°の角度で回転軸線を通るバリヤラインを設けた。6°の場合には、60° の場合に比べ、より多くの表面領域を利用できる。第24図は、中性種が、大き な表面領域上に静電的に区分されており、従って、イオン処理ユニット内により 長い時間留まることを示している。 第25A図は、回転中に粒子の逃散を助ける他の構成の電極シートを示す。電 極シート2502は、中性粒子をイオン処理ユニットから偏向させる絶縁スペー サ2504を有している。装置の底部の中心軸線の近くに位置するガスは、中性 粒子の接線方向除去を実質的に助ける絶縁スペーサとの連続衝突により段階的に 加速される。 第25B図は、粒子がイオン処理ユニットを出るときの粒子の軌道を示す。簡 単化のため、1つの絶縁スペーサ2510のみが示されている。中性粒子の軌道 は、粒子がイオン処理ユニットの周囲に近づくと粒子除去が増大することを示し ている。 B.クライオコンデンセーション 最終イオン処理ユニット内の圧力が充分に低い薄膜蒸着装置の場合には、最終 イオン処理ユニットは充分に低い温度で作動され、これにより、適当な中性種は 、イオン蒸着領域の前に大きな圧力降下をもたらす電極要素上に直接クライオ凝 縮される。第17図は、クライオコンデンセーション装置に関連する最終イオン 処理ユニット1708を示す。 第26図は、イオン処理ユニットに使用されるクライオコンデンセーション装 置を示す。熱を除去するのに、2段クライオポンプが使用される。第1段は、イ オン処理ユニットの外部の領域2602を、ほぼ液体窒素温度まで低下させる。 第2段は、イオン処理ユニットの温度を更に低下させる。好ましい実施例では、 20Kより低い温度で、金めっき銅レンズ素子が第2段に接合される。グリッド 用スペーサは、効率の良い伝熱特性をもつ NT Kapton(デュポン社)で形成する のが好ましい。 VI.薄膜イオン蒸着 本発明は、慣用システムでは製造できない薄膜蒸着を行なうためのイオン流を 作るのに使用される。第27図は、イオン処理ユニットを出るイオンの蒸着工程 を示す。イオン処理ユニットを出るイオンは、任意的に、図示のように合焦され および/または加速される。また、電子ビームは、イオンが基板上に薄膜として 蒸着される前に、イオンを中性化するのにも使用される。第28図は、基板2804 を保持する基板ホルダ2802を示す。加速/減速グリッド2806は、イオン がイオン処理ユニットを出た後にイオンの速度を制御するのに使用される。フィ ラメント2808は、イオンが基板上に蒸着(または基板中に注入)される前に イオンを中性化するための電子を発生する。フィラメントは、別のチャンバ内に 配置され、汚染を低減させる。 第29図は、多イオンビーム蒸着の長所を示す。図示のように、単一イオンビ ームでは、本発明の多イオンビームにより得られるコンフォーマルコーティング は得られない。 本願に引用された論文および特許を含むあらゆる刊行文献は、全ての目的で本 願に援用する。 上記種々の実施例は、種々の態様で組み合わせて任意数の特定用途システムを 構成することができる。用途には、薄膜蒸着およびイオン注入並びに質量分光器 およびその他の分析装置が含まれる。以上、本発明の好ましい実施例について完 全に説明したが、種々の変更および均等物を使用できる。本発明は、上記実施例 に適当な変更を行なうことにより等しく適用できることは明白である。従って、 上記説明は、請求の範囲の記載により定められる本発明の範囲を制限するものと 解してはならない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK, MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR ,TT,UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 ガットマン フェリックス ジー アメリカ合衆国 カリフォルニア 95117 サンノゼ ガーボ ウェイ ナンバー 110 1250 (72)発明者 アレキサンドロフ オレッグ ヴィ アメリカ合衆国 カリフォルニア 94596 ウォルナッツクリーク シャリーン レ ーン ナンバー39 114 (72)発明者 ダイニン エフィム エー アメリカ合衆国 カリフォルニア 94539 フレモント スター ストリート ナン バー1 4322 【要約の続き】 組み合わされて、大きな均一基板表面上に薄膜イオン蒸 着を達成する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.基板にイオンを照射する装置において、 イオン源と、 開口を備えた複数の第1電極シートとを有し、該電極シートは、電極シート の前記開口が複数のイオンチャンネルを形成するように、実質的に平行に整合し ており、各イオンチャンネルは前記複数の各電極シートの開口により形成され、 互いに隣接する電極シート間に連結される複数のスペーサと、 前記基板を支持する基板支持体と、 前記イオン源、電極シート、スペーサおよび基板支持体を包囲する真空包囲 体と、 前記電極シートに接続される電子装置とを更に有し、該電子装置は、電極シ ートに選択的に電圧を印加してイオンチャンネル内にイオンを転送し、 前記イオン源からのイオンが、基板を照射すべく前記イオンチャンネルを通 って転送されることを特徴とする装置。 2.前記イオンが、薄膜として前記基板上に蒸着される、請求の範囲第1項に記 載の装置。 3.前記イオンが前記基板中に注入される、請求の範囲第1項に記載の装置。 4.前記スペーサは開口を備えた絶縁シートでありかつ互いに隣接するイオンチ ャンネル間に配置される、請求の範囲第1項に記載の装置。 5.前記スペーサは、互いに隣接する電極シート間の個々のスペーサ要素を有し かつ互いに隣接するイオンチャンネル間に配置される、請求の範囲第1項に記載 の装置。 6.前記イオンチャンネルは湾曲している、請求の範囲第1項に記載の装置。 7.前記イオンチャンネルは、その一端の第1詰込みパターンと、他端の第2詰 込みパターンとを有する、請求の範囲第1項に記載の装置。 8.複数の電気接続部を備えた少なくとも1つの電極シートを更に有し、各電気 接続部が、前記開口のサブセットの境界を定める少なくとも1つの電極シート の導電性材料に電気的に接続される、請求の範囲第1項に記載の装置。 9.前記少なくとも1つの電極シートは、前記開口の境界を形成する、板で形成 された貫通孔を備えた多層ボードである、請求の範囲第8項に記載の装置。 10.前記電極シートの複数の開口が、隣接する電極シートの開口と一致し、これ により、複数のイオンチャンネルが単一のイオンチャンネルになる、請求の範囲 第1項に記載の装置。 11.選択されたイオンチャンネル内への開口を備えたガスマニホルドを更に有し 、これにより、前記開口を通して前記選択されたイオンチャンネル内にガスが射 出される、請求の範囲第1項に記載の装置。 12.前記ガスマニホルドが、 第1層を有し、該第1層が、前記イオンチャンネルに一致する開口と、前記 第1層の前記開口の列間のガスチャンネルの列とを備え、 第2層を有し、該第2層が、前記イオンチャンネルに一致する開口と、前記 第1層の前記開口の列間のガスチャンネルの列とを備え、該第2層の列が第1層 の列に対して平行ではなく、前記第2層の少なくとも1つの前記開口が前記第1 層の列まで延びている、請求の範囲第11項に記載の装置。 13.電極の配列を更に有し、該配列の電極は前記イオンチャンネルに対して実質 的に平行であり、前記イオンチャンネルは前記配列の電極間に延びている、請求 の範囲第1項に記載の装置。 14.開口を備えた複数の第2電極シートを更に有し、該第2電極シートは、電極 の前記配列からの前記イオンチャンネルが前記第2電極シートの前記開口内に延 びるように、実質的に平行に整合している、請求の範囲第13項に記載の装置。 15.前記第2電極シートにより形成される前記イオンチャンネルが、その一端の 第1詰込みパターンと、前記電極の配列近くの他端の第2詰込みパターンとを有 する、請求の範囲第1項に記載の装置。 16.前記イオンチャンネルは、その一端が他端よりも密に詰込まれている、請求 の範囲第1項に記載の装置。 17.複数のイオン源を更に有する、請求の範囲第1項に記載の装置。 18.前記イオンチャンネルに対する前記イオン源の対応比は1:1であり、各イ オン源はそれぞれのイオンチャンネルにイオンを供給する、請求の範囲第17項 に記載の装置。 19.前記複数の第1電極シートが連結される軸と、 該軸を回転させるモータとを更に有する、請求の範囲第1項に記載の装置。 20.前記複数の第1電極シートの温度を低下させるクライオコンデンセーション 装置を更に有する、請求の範囲第1項に記載の装置。 21.イオンを操作する装置において、 開口を備えた複数の電極シートを有し、該電極シートは、電極シートの前記 開口が複数のイオンチャンネルを形成するように、実質的に平行に整合しており 、各イオンチャンネルは前記複数の各電極シートの開口により形成され、 互いに隣接する電極シート間に連結される複数のスペーサを有し、該スペー サは互いに隣接するイオンチャンネル間に配置され、 前記電極シートに接続される電子装置を更に有し、該電子装置は、電極シー トに選択的に電圧を印加してイオンチャンネル内のイオンを操作することを特徴 とする装置。 22.前記スペーサは開口を備えた絶縁シートである、請求の範囲第21項に記載 の装置。 23.前記スペーサは、互いに隣接する電極シート間の個々のスペーサ要素を有す る、請求の範囲第21項に記載の装置。 24.前記スペーサがKaptonからなる、請求の範囲第21項に記載の装置。 25.イオンを操作する装置において、 開口を備えた複数の電極シートを有し、該電極シートは、電極シートの前記 開口が複数の湾曲イオンチャンネルを形成するように、実質的に平行に整合して おり、各湾曲イオンチャンネルは前記複数の各電極シートの開口により形成され 、 前記電極シートに接続される電子装置を更に有し、該電子装置は、電極シー トに選択的に電圧を印加して湾曲イオンチャンネル内のイオンを操作することを 特徴とする装置。 26.開口を備えかつ互いに隣接する湾曲イオンチャンネル間に配置される複数の 絶縁シートを更に有する、請求の範囲第25項に記載の装置。 27.互いに隣接する電極シート間の個々のスペーサ要素であって、互いに隣接す るイオンチャンネル間に配置されるスペーサ要素を更に有する、請求の範囲第2 5項に記載の装置。 28.イオンを操作する装置において、 開口を備えた複数の電極シートを有し、該電極シートは、電極シートの前記 開口が複数のイオンチャンネルを形成するように、実質的に平行に整合しており 、各イオンチャンネルは前記複数の各電極シートの開口により形成され、 前記イオンチャンネルは、その一端の第1詰込みパターンと、他端の第2詰 込みパターンとを備え、 前記電極シートに接続される電子装置を更に有し、該電子装置は、電極シー トに選択的に電圧を印加してイオンチャンネル内のイオンを操作することを特徴 とする装置。 29.前記イオンチャンネルは、その一端が他端よりも密に詰込まれている、請求 の範囲第28項に記載の装置。 30.前記第2詰込みパターンは前記イオンチャンネルが電極の配列内に延びるこ とを可能にし、前記配列の電極は前記イオンチャンネルに対して実質的に平行で ある、請求の範囲第28項に記載の装置。 31.イオンを操作する装置において、 開口を備えた複数の電極シートを有し、該電極シートは、電極シートの前記 開口が複数のイオンチャンネルを形成するように、実質的に平行に整合しており 、各イオンチャンネルは前記複数の各電極シートの開口により形成され、 前記イオンチャンネルは、その一端が他端よりも密に詰込まれており、 前記電極シートに接続される電子装置を更に有し、該電子装置は、電極シー トに選択的に電圧を印加してイオンチャンネル内のイオンを操作することを特徴 とする装置。 32.前記イオンチャンネルは、その一端の第1詰込みパターンと、他端の第2詰 込みパターンとを有する、請求の範囲第31項に記載の装置。 33.前記第2詰込みパターンは前記イオンチャンネルが電極の配列内に延びるこ とを可能にし、前記配列の電極は前記イオンチャンネルに対して実質的に平行で ある、請求の範囲第31項に記載の装置。 34.イオンを操作する装置において、 開口を備えた複数の電極シートを有し、該電極シートは、電極シートの前記 開口が複数のイオンチャンネルを形成するように、実質的に平行に整合しており 、各イオンチャンネルは前記複数の各電極シートの開口により形成され、 複数の電気接続部を備えた少なくとも1つの電極シートを有し、各電気接続 部が、前記開口のサブセットの境界を定める少なくとも1つの電極シートの導電 性材料に電気的に接続され、 前記電極シートに接続される電子装置を更に有し、該電子装置は、電極シー トに選択的に電圧を印加してイオンチャンネル内のイオンを操作することを特徴 とする装置。 35.前記少なくとも1つの電極シートは、前記開口を形成する、板で形成された 貫通孔を備えた多層ボードである、請求の範囲第34項に記載の装置。 36.イオンを操作する装置において、 開口を備えた複数の電極シートを有し、該電極シートは、電極シートの前記 開口が複数のイオンチャンネルを形成するように、実質的に平行に整合しており 、各イオンチャンネルは前記複数の各電極シートの開口により形成され、 電極シートの複数の開口が、隣接する電極シートの開口と一致し、これによ り、複数のイオンチャンネルが単一のイオンチャンネルになり、 前記電極シートに接続される電子装置を更に有し、該電子装置は、電極シー トに選択的に電圧を印加してイオンチャンネル内のイオンを操作することを特徴 とする装置。 37.複数の電気接続部を備えた少なくとも1つの電極シートを更に有し、各電気 接続部が、前記開口のサブセットの境界を定める少なくとも1つの電極シートの 導電性材料に電気的に接続される、請求の範囲第36項に記載の装置。 38.前記少なくとも1つの電極シートは、前記開口を形成する、板で形成された 貫通孔を備えた多層ボードである、請求の範囲第37項に記載の装置。 39.イオンを操作する装置において、 開口を備えた複数の電極シートを有し、該電極シートは、電極シートの前記 開口が複数のイオンチャンネルを形成するように、実質的に平行に整合しており 、各イオンチャンネルは前記複数の各電極シートの開口により形成され、 選択されたイオンチャンネル内への開口を備えたガスマニホルドを有し、こ れにより、前記開口を通して前記選択されたイオンチャンネル内にガスが射出さ れ、 前記電極シートに接続される電子装置を更に有し、該電子装置は、電極シー トに選択的に電圧を印加してイオンチャンネル内のイオンを操作することを特徴 とする装置。 40.前記ガスマニホルドが、 第1層を有し、該第1層が、前記イオンチャンネルに一致する開口と、前記 第1層の前記開口の列間のガスチャンネルの列とを備え、 第2層を有し、該第2層が、前記イオンチャンネルに一致する開口と、前記 第1層の前記開口の列間のガスチャンネルの列とを備え、該第2層の列が第1層 の列に対して平行ではなく、前記第2層の少なくとも1つの前記開口が前記第1 層の列まで延びている、請求の範囲第39項に記載の装置。 41.イオンを操作する装置において、 開口を備えた複数の第1電極シートを有し、該第1電極シートは、電極シー トの前記開口が複数のイオンチャンネルを形成するように、実質的に平行に整合 しており、各イオンチャンネルは前記複数の各電極シートの開口により形成され 、 電極の配列を有し、該配列の電極は前記イオンチャンネルに対して実質的に 平行であり、前記イオンチャンネルは前記配列の電極間に延びており、 前記電極シートおよび前記配列の電極に接続される電子装置を更に有し、該 電子装置は、電極シートおよび電極に選択的に電圧を印加してイオンチャンネル 内のイオンを操作することを特徴とする装置。 42.前記電極シートにより形成される前記イオンチャンネルが、その一端の第1 詰込みパターンと、前記電極の配列近くの他端の第2詰込みパターンとを有す る、請求の範囲第41項に記載の装置。 43.前記イオンチャンネルは、その一端が他端よりも密に詰込まれている、請求 の範囲第41項に記載の装置。 44.開口を備えた複数の第2電極シートを更に有し、該第2電極シートは、電極 の前記配列からの前記イオンチャンネルが前記第2電極シートの前記開口内に延 びるように、実質的に平行に整合している、請求の範囲第41項に記載の装置。 45.前記第2電極シートにより形成される前記イオンチャンネルが、その一端の 第1詰込みパターンと、前記電極の配列近くの他端の第2詰込みパターンとを有 する、請求の範囲第44項に記載の装置。 46.前記イオンチャンネルは、前記第2電極シートの一端が、第2電極シートの 他端よりも密に詰込まれている、請求の範囲第44項に記載の装置。 47.イオンを操作する装置において、 開口を備えた複数の電極シートを有し、該電極シートは、電極シートの前記 開口が複数のイオンチャンネルを形成するように、実質的に平行に整合しており 、各イオンチャンネルは前記複数の各電極シートの開口により形成され、 回転可能な軸を有し、前記電極シートは、前記イオンチャンネルが前記軸に 対して実質的に平行になるように前記軸に連結され、 前記軸を回転させるべく前記軸に連結されたモータと、 前記電極シートに接続される電子装置とを更に有し、該電子装置は、電極シ ートに電圧を印加して、前記イオンチャンネルが前記モータにより回転されると 、選択されたイオンを前記イオンチャンネル内に保持することを特徴とする装置 。 48.互いに隣接する電極シート間に接続された複数のスペーサを更に有し、該ス ペーサは、前記選択されたイオン以外の粒子を、前記イオンチャンネルから容易 に除去できるパターンで配置されている、請求の範囲第47項に記載の装置。 49.イオンを操作する装置において、 開口を備えた複数の電極シートを有し、該電極シートは、電極シートの前記 開口が複数のイオンチャンネルを形成するように、実質的に平行に整合しており 、各イオンチャンネルは前記複数の各電極シートの開口により形成され、 前記電極シートを包囲する真空包囲体と、 前記複数の電極シートの温度を低下させるクライオコンデンセーション装置 と、 前記電極シートに接続される電子装置とを更に有し、該電子装置は、電極シ ートに電圧を選択的に印加して、前記イオンチャンネル内のイオンを操作するこ とを特徴とする装置。 50.基板にイオンを照射する方法において、 複数のイオンチャンネルを設ける工程と、 前記イオンチャンネルに沿ってRf電圧を選択的に印加し、不均一なRf電 界を発生させる工程とを有し、 前記Rf電界は、イオンを、イオン源からイオンチャンネルを通して前記基 板に並進させ、該基板にイオンを照射することを特徴とする方法。 51.前記イオンチャンネルは、該イオンチャンネルに対して垂直な複数の電極シ ートにより形成される、請求の範囲第50項に記載の方法。 52.前記イオンチャンネルは、前記電極シートの開口により形成される、請求の 範囲第51項に記載の方法。 53.前記並進工程が、イオンを湾曲経路に沿って並進させる工程からなる、請求 の範囲第50項に記載の方法。 54.前記イオンチャンネルの周囲に電界を選択的に発生させる工程を更に有する 、請求の範囲第50項に記載の方法。 55.複数のイオンチャンネルを単一のイオンチャンネルに併合させる工程を更に 有する、請求の範囲第50項に記載の方法。 56.単一のイオンチャンネルを複数のイオンチャンネルに分割する工程を更に有 する、請求の範囲第50項に記載の方法。 57.ガスを前記イオンチャンネル内に射出する工程を更に有する、請求の範囲第 50項に記載の方法。 58.前記イオンチャンネルに対して実質的に平行な軸線の回りで前記イオンチャ ンネルを回転させる工程を更に有する、請求の範囲第50項に記載の方法。 59.前記衝撃工程は、前記イオン源からのイオンを、前記基板の比較的大きな領 域上に衝突させることからなる、請求の範囲第50項に記載の方法。 60.イオン源からのイオンを、基板上にプラズマイオン抽出する方法において、 プラズマを複数のイオンチャンネル内に導入する工程と、 前記イオンチャンネルに沿ってRf電圧を選択的に印加し、不均一なRf電 界を発生させる工程とを有し、 前記Rf電界が、イオンを、前記プラズマから抽出することを特徴とする方 法。 61.前記イオンチャンネルは、該イオンチャンネルに対して垂直な複数の電極シ ートにより形成される、請求の範囲第60項に記載の方法。 62.前記イオンチャンネルは、前記電極シートの開口により形成される、請求の 範囲第61項に記載の方法。 63.前記Rf電界により、電子が前記プラズマから励起される、請求の範囲第6 0項に記載の方法。 64.真空を使用して、前記イオンチャンネルの前記プラズマから中性種を除去す る工程を更に有する、請求の範囲第60項に記載の方法。
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