JPH11506140A - 水性接着剤調合物用コーティング添加剤 - Google Patents

水性接着剤調合物用コーティング添加剤

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JPH11506140A JP8536458A JP53645896A JPH11506140A JP H11506140 A JPH11506140 A JP H11506140A JP 8536458 A JP8536458 A JP 8536458A JP 53645896 A JP53645896 A JP 53645896A JP H11506140 A JPH11506140 A JP H11506140A
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Abstract

(57)【要約】 水性感圧接着剤調合物と1種以上の高分子量鎖状脂肪族ポリマーとを提供する。結果として得られる組成物を使用して安定なフィラメントを形成することも可能であるし、または安定なシート状で、且つポリマーを添加しない該調合物を使用して達成され得る最小送り出し流動速度より実質的に遅い流動速度で、前計量型コーティング機のコーティングダイから送り出すことも可能である。ポリマーが低濃度であることによって、該接着剤および該組成物の他の所望の品質に対して悪影響を及ぼずことなく、このような組成物の粘性が劇的に改善され得る。

Description

【発明の詳細な説明】 水性接着剤調合物用コーティング添加剤技術分野 本発明は、水性調合物の粘性を調整するためのレオロジー(流動力)改良剤の 使用方法に関する。別の態様において、本発明は、水性系の粘性を調整するため の、ポリ(エチレンオキサイド)樹脂などの改良剤に関する。 別の態様において、本発明は、ラテックス接着剤などの組成物からなる薄いフ ィルムで基材をコーティングするための前計量型コーティング方法に関する。背景技術 レオロジー改良剤 レオロジー改良剤は、せん断速度の関数として液状せん断粘性を調整するため に有用である。例えば、ラテックスペイントは、コーティング範囲およびはけぬ り抵抗を適正にするための高せん断速度において好適な粘性を有しなければなら ないが、しかしながら、コーティングの欠陥の地ならし(レベリング)を可能に する一方、垂直面で流れないような低せん断速度においても好適な粘性を有しな ければならない。 水性ラテックスペイントの粘性の調整は、アルカリ膨潤性増粘剤、低分子量会 合的増粘剤、水溶性ポリマーなどの材料を添加することによって、達成されるこ とが多い。 水性ラテックスペイントコーティングの種々のレオロジー特性に影響する添加 剤の使用方法が記載されている、アメリカンケミカル ササイエティシンポジウムシリーズ(American Chemical So ciety Symposium Series)#462(1991)のD.N .シャルツ(Schulz)およびJ.E.グラス(Glass)編集レオロジー 改良剤としてのポリマー(Polymers as Rheology Modi fiers)、322乃至332ページ、第20章、ソウルズ(Soules) ら著“動的一軸伸び粘性(Dynamic Uniaxial Extensio nal Viscosity)”およびスプレー用途用の調合物の伸び粘性に影 響するポリ(オキシエチレン)を含むフィラーの使用方法が記載されているソウ ルズ(Soulesら)著ジャーナルオブレオロジー(J.Rheology) 32巻2号181乃至198ページ(1988年)も参照にすること。 2種類の水性レオロジー改良剤が普通に使用され、せん断粘性を増加させてお り、“増粘剤”と呼ばれることが多い。第1の種類には、アクリル酸またはメタ クリル酸モノマーおよびアルキル(メタ)アクリレートまたはブチルアクリレート モノマーのアルカリ活性化コポリマーが含まれる。最初に酸性溶液をpH6.5 を超える値にまで中和して酸性基を可溶化し、ポリマー鎖を膨潤させて相互作用 させると、増粘作用は達成される。 第2の種類の増粘剤は、会合的増粘剤と呼ばれるが、所望の“はけぬり抵抗” および地ならし特性を提供するために、ペイント業界においてますます一般的に なってきている。これらの増粘剤はアルカリ活性化コポリマーと同様であるが、 物理的分子間架橋を提供するためのグラフト非イオン界面活性剤を含む。 市販のHMW PEO樹脂は、清水および塩水のどちらにおいても極めて有効 な増粘剤であるとされる。水溶液は擬塑性(すなわち、“ずり減粘”として記載 される(例えば、1991年および199 2年のユニオンカーバイドプロダクト(Union Carbide Produ ct)の文献の12ページ“POLYOX水溶性樹脂(Water Solub le Resins)”を参照のこと)。 ジャーナルオブコーティングズテクノロジー(J.Coatings Tec h. )のグラス(Glass)著“ロールスパッターおよびトラッキングの動力 学的検討(Dynamics of Roll Spatter and Trac king)”は、スパッターおよびトラッキングパターンなどの特性に対する水 溶性ポリマーの影響を検討するために、ラテックスペイントに高分子量ポリ(エ チレンオキサイド)ポリマーを含む水溶性ポリマーを添加することについて記載 している。 他は、水性システムに対する高分子量または低分子量エポキサイドポリマーの 使用について記載している。例えば、ガラス容器用の“格納容器”コーティング 組成物“、ずり増粘のために添加され得る、100乃至800ppmのPEOの 任意の使用を含む組成物について記載している米国特許代3,944,100号 明細書(ブロックウェイ(Brockway)ら)を参照すること。 米国特許第4,507,413号明細書(トーマ(Thoma)ら)は、繊維 シート製品等をコーティングするための展延性ポリウレタン反応性コーティング 組成物について記載している。この特許は、ブロック化したイソシアネートプレ ポリマーの水性分散相の展延コーティング粘性を増粘するための物質の任意の使 用方法について記載している。増粘物質の群に、長鎖ポリエチレンオキサイドを 含む水溶性ポリマーを含ませる。 シュピザー(Schuppiser)らは、米国特許第4,542,182号 明細書において、ビニルアセテートオレフィンコポリマー粒子からなる格子を製 造するための、低分子量(MWは1,0 00乃至50,000の範囲)のエチレングリコールポリマーの使用方法につい て記載している。ペイントおよび他の材料の製造に際しては、結合剤としてこの 格子を塗布する。 リード(Reed)に付与された米国特許第5,108,782号明細書は、 高分子量PEOなどの水溶性または水分散性ポリマー増粘剤の使用を含むシリコ ン剥離コーティング乳濁液について記載している。シリコン乳濁液は、シリコン の基材からの剥離を改良すると言われる。 米国特許第5,342,883号明細書(ジェンキンズ(Jenkins)ら )は、α,β−モノエチレン系不飽和モノマーから製造される水溶性ポリマーの 使用方法について記載している。ポリマーはアルカリ媒体水溶液に可溶性である か、またはアルカリ媒体水溶液によって膨潤される。ラテックスペイントに添加 して、中和したとき、ペイントの粘性とはけぬり抵抗は共に増加されると記載さ れる。 ポリ(エチレンオキサイド)などの高分子量ポリマーは、以前には、水性感圧 接着剤などの材料のレオロジー特性を改良するために使用されていなかったし、 有用であるとは記載されていない。接着剤コーティング法 前計量型液状コーティング機には、コーティング材料を基材に塗布する前にコ ーティング材料の流動速度を制御するコーティング機が挙げられる。このような コーティング機には、スロットコーティング機、スライドコーティング機および カーテンコーティング機が挙げられ、このようなコーティング機を使用して、基 材に接着剤などの材料の薄いシートを送り出すことができる。それぞれの場合に おいて、流体をコーティングダイに供給し、次に安定なシート状(ス ロットコーティングの場合には“ビード(bead)”としても周知である)で 基材に塗布する。 浸漬コーティング機およびロールコーティング機などの他の(例えば、後計量 型)コーティング法の場合には、基材に塗布される流体の量は、流体の粘性およ び表面張力などの流体の特性自身、並びに基材速度およびコーティングギャップ などの動作条件に依存する。 典型的には、前計量型コーティング機は、材料の送り出しのためのコーティン グダイを備え、ダイと基材との間に物理的な空隙(gap)を備える。 単位幅あたりの流動速度と基材速度とを共に組み合わせることによって、送り 出されるシートの厚さ、ひいてはコーティング自身の厚さが決定される。より薄 いコーティングを得るためには、基材速度は一般に流動の安定性および乾燥限界 に伴う問題が生じ易いので、基材速度を増加するのではなく、流動速度を低下す ることが所望されることが多い。しかしながら、流動速度を低下する能力は、コ ーティング組成物自身のレオロジー特性によって一般に制限される。流動速度を 低下しすぎると、均質でないシートや安定でないシートが塗布されてしまう。 コーティング厚さは、ダイと基材との間のコーティングギャップの大きさと関 連があることも周知であるので、押出コーティング業界では、非常に狭いギャッ プを使用して、非常に薄いコーティングを製造する傾向が強い。しかしながら、 ギャップを約100ミクロンより狭くすると、コーティングギャップに蓄積する 微粒子物質が条痕を生じることがあるので、動作が困難になることが多い。また 、狭いギャップによって、基材の大きい粒子またはひも状片が基材を引き裂きや すくなる(例えば、糸引き)。結果として、従来最も使用されるスロットコーテ ィング方法が約50ミクロンより大きいギ ャップに対して使用され続けている。 感圧接着剤ラテックスは、典型的には、コーティング装置での取り扱いを最適 にするために、厚くされる。典型的に使用されるずり増粘剤には、セルロース増 粘剤、ポリ(ビニルアルコール)およびアルカリ可溶性アクリル乳濁液の水溶液 が挙げられる。(例えば、ファンノストランドレインホールド(VanNost rand Reinhold)(1982)、第13章、D.サタス(Sata s)著、感圧接着剤技術ハンドブック(Handbook ofPressur e−Sensitive Adhesive Technology) を参照のこ と)。 業界が感圧接着剤のコーティング性を改良するための方法、特に前計量型コー ティング機の動作進行中に流動速度を低下するための方法、またはコーティング ギャップを増加する方法を必要としていることはあきらかである。発明の開示 本発明は、水性感圧接着剤調合物と、1種以上の高分子量ポリマーとを含むコ ーティング組成物を提供する。ポリマーは、安定なシート状で、且つポリマーを 加えることなしに調合物を使用して達成され得る最小送り出し流動速度より実質 的に遅い流動速度で組成物を前計量型コーティング機から送り出すことが可能と なる好適な総濃度で含有される。 驚くべきほど低濃度のポリマーによって、接着剤および組成物の他の所望の品 質に悪影響を与えることなく、このような組成物の粘性が劇的に改良され得るこ とを、申請者は見出した。 一実施態様において、本発明の組成物によって、相当する動作条件下にて、ポ リマーを添加することなしに調合物の安定なシートを 維持するのに必要な最小流動速度の約70%、さらに好ましくは約50%より遅 い最小流動速度を使用することができる。 本発明によって、流動速度が影響されるのに加えて、典型的に使用されるコー ティングギャップ距離を2倍以上増加することができる。従来よりかなり広いギ ャップを使用して、同等の薄さのコーティングを提供する能力は、このような材 料の処理に対してかなりの利点をもたらす。 一実施態様において、コーティング材料は、ラテックス、アクリレートをベー スとしたPSAなどの感圧接着剤(“PSA”)調合物である。また、高分子量 ポリマーは、高分子量(“HMW”)ポリ(エチレンオキサイド)(“PEO” )ポリマーなどの鎖状脂肪族ポリマーであってもよい。別の実施態様において、 組成物は、水性ラテックス感圧接着剤と約1ppm乃至約50ppmの間の高分 子量PEOとを含む。 別の態様において、本発明は、コーティング組成物を調製する方法を提供する 。方法は、水性感圧接着剤調合物を形成するステップと、調合物の形成中または 形成後に、高分子量ポリマーを添加するステップとを含む。ポリマーは、前計量 型コーティング機のコーティングダイから、安定なシート状で、調合物自身を使 用して達成され得る最小送り出し流動速度より実質的に遅い流動速度で、組成物 を送り出すことが可能になる好適な最終濃度にまで添加される。一実施態様にお いて、ポリマーを添加して、組成物の重量に対して、約1ppm乃至約50pp mの間の最終濃度を達成する。 さらに別の態様において、本発明は、本発明の方法によって調製されるコーテ ィング組成物、並びに本発明の方法によって調製可能なコーティング組成物を提 供する。さらに別の態様において、本発明は本発明の組成物を使用して送り出さ れるコーティングと、この ようなコーティングを含むコーティング製品とを提供する。詳細な説明 特に明記しない限り、以下の用語および語句は以下の意味を有する。 “調合物”は、水性材料、例えば、従来の液状コーティング法によるように、 所望の基材上にコーティング形状で提供されることが可能な感圧接着剤をいう。 “組成物”は、本発明の開示によって、1種以上の高分子量ポリマーと組み合 わせた調合物をいう。 “水性”は、水溶液形状で調製され、感圧接着剤の懸濁液を含む調合物をいう 。接着剤懸濁液は、コロイド乳濁液(すなわち、“ラテックス”)または接着剤 微小球の懸濁液を含むいかなる好適な形状であってもよい。 “感圧接着剤”は、無溶媒形状でも永久的に粘着性を維持する粘弾性材料をい う。一般に、このような材料は、わずかな圧力を加えただけで、ほとんどの固体 表面に即座に粘着する。 “コーティング”は、“コーティング可能な”および薄いフィルム状で基材に 送り出される組成物の能力をいう用語の他の語尾変化と互換的に使用される(例 えば、糸ひき)。 “粘性”は、伸び(延びとしても周知である)粘性とせん断粘性とをいう。せ ん断粘性は、速度成分が方向と垂直な平面においてだけ変化する流体の流動値に 関係する。伸び粘性は、速度成分が同等の方向においてだけ変化する流体の流動 値に関係する。 “曳糸性”は、液状調合物または組成物を安定なフィラメント状に引き伸ばす 能力をいう。 “安定なシート”は、コーティングダイから連続した形状で形成 され、基材に送り出されることが可能な平坦な液状フィルムをいう。 “流動速度”は、単位時間および単位幅あたりの、cc/cm−secで表さ れる液状物の流量をいう。 本発明は、高分子量ポリマーを添加して、コーティング塗布物中の液状シート またはフィルムを安定させることを含む、水性コーティング組成物を提供する。 このようなポリマーを使用することによって、基材速度、コーティングギャップ および液状物の流動速度などの安定な動作パラメータの有用範囲がかなり広がる 。 申請者は、カーテンコーティング塗布物およびスロットコーティング塗布物中 のHMWポリマー添加剤のこのような利点および他の利点を発見している。コー ティング厚さTと、基材速度Sと、単位幅あたりの流動速度Qとの関係は以下の 式で与えられる: Q=T×S カーテンコーティングにおいて典型的に使用される液状物に関しては、安定な カーテンを維持するための最小流動速度は一般に約0.5cc/cm−sec台 である。(例えば、E.D.コーヘン(Cohen)およびE.B.グトフ(G utoff)編集現代のコーティングおよび乾燥技術(Modern Coati ng and Drying Technology) (1992)、117乃至1 67ページ、第4章、E.B.グトフ(Gutoff)著、“前計量型コーティ ング(Premetered Coating)”を参照のこと)。この速度を 上回ると、下降する液状物の速度より遅い速度で上方に向うカーテンの伝播中に 形成される可能性のあるボイド(気泡)および欠陥が払われる。25mmのコー ティング厚さを得るためには、カーテンコーティングに普通に使用される液状物 はS=200cm/sec(120m/min)であるが、乾燥限界を考えると 速すぎる場合もある。HMWポリマーを添加する場合 に最小流動速度を低下すると、コーティング速度を遅くし、乾燥許容時間を長く することができる。 申請者は、PEOは、特にpH約7以下の調合物とともに使用するとき、カー テンおよびスロットコーティングラテックス接着剤のための効果的な添加剤であ ることを見出した。例えば、MW8,000,000のPEOを使用すると、2 乃至20百万分率の濃度で、コーティング性の改良が観察された。この影響は数 日後には消失するのが観察されたが、さらにPEOを添加することによって再度 確立させることが可能であった。PEOで増粘したラテックスを用い、増粘して いないPSA調合物に対するよりも約10倍遅い流動速度においてオフライン安 定なシートを得ることができる。 このような大きな影響によって、カーテンコーティングのための水性調合物を 10乃至300m/minの速度で、10ミクロン程度の厚さで形成することが 可能となる。同様に、水性液状物のスロットコーティングが、以前には達成でき なかった処理条件で可能となる。コーティング調合物 本発明の用途に好適なアクリル接着剤の説明および例は、ファンノストランド レインホールドカンパニー(Van Nostrand Reinhold Co mpany)の感圧接着剤技術ハンドブック(Handbook of Pres sure−Sensitive Adhesive Technology)、第 13章、ドナルドサタス(Donald Satas)著、“アクリル接着剤( Acrylic Ahdesives)”に示されており、その内容は本願明細 書中に参考文献として記載されている。このような接着剤は、アクリレート、ジ アクリレート、トリアクリレート、メタア クリレート、ジメタアクリレート、トリメタクリレート、テトラメタクリレート 、アクリルアミド等を含むモノマーから製造され得る。 −実施例において、本発明の組成物は、感圧接着剤、特に米国再発行特許第2 4,966号明細書に記載されている種類のポリビニルPSAを含む。このよう なPSAには、アクリル酸とn−ブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノ ール、2−メチルブタノール、1−メチルブタノール、2−メチルペンタノール 、3−メチルペンタノール、2−エチルブタノール、ペンタノール−3,3,5 ,5−トリメチルヘキサノール、ヘプタノール−3、イソオクタノール、n−デ カノール、ドデカノール等などの非第三アルキルアルコールとのアクリレートエ ステルのポリマー、並びに種々のコポリマーが含まれる。 −実施例において、好ましいPSA調合物は、一般に、固有粘性が約0.2d l/gより大きいアクリレート(またはメタクリレート)コポリマーを含む材料 のブレンドを含む。コポリマーは、重合される主モノマーと、必要に応じて極性 コモノマーとを含む。主モノマー成分は、炭素数1乃至18、平均炭素数約4乃 至12の非第三アルコールのアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エスエルで ある、少なくとも1種のフリーラジカル重合性ビニルモノマーを含む。極性モノ マー成分は、主モノマーと重合可能で、極性モノマーの量(重量)は、コポリマ ー中の全モノマーの総重量の約30%までである。この種の好適な調合物は、例 えば、米国特許第4,747,577号明細書(ブラウン(Brown))に記 載されており、その開示は本願明細書中に参考文献として記載されている。 調合物には、例えば、コポリマー100重量部あたり約150重量部までの適 合する粘着付与樹脂とコポリマー100重量部あたり約50重量部までの適合す る可塑剤とを含む他のモノマーも含まれ てもよい。 本発明の用途のための好適なラテックスPSA調合物は、典型的には、調合物 の重量に対して、約30重量%乃至約60重量%の固形物、好ましくは約40重 量%乃至約55重量%の固形物を含む。 コーティング調合物は、接着剤微小球状を含む他の形状で提供されてもよい。 好適な微小球には、PCT同時係属出願WO94/13751(1993年12 月9日出願、国際出願番号第PCT/US93/11967号“垂下がった親水 性ポリマーまたはオリゴマー部分を有する粘着微小球(Tacky Micro spheres Having Pendant Hydrophilic Pol ymeric or Oligomeric Moieties”)に記載されて いる微小球が挙げられ、その開示は本願明細書中に参考文献として記載されてい る。 高分子量ポリマー 本発明の組成物を形成する際の用途のための好適な高分子量ポリマーには、例 えば、1990年、J.ウィレイ&サンズ(Wiley&Sons)編集、コン サイス エンサイクロペディア オブ ポリマー サイエンス アンド エンジニアリ ング(Concise Encyclopedia of Polymer Sci ence and Engineering) の337乃至342ページ、J.ク ロシュビッツ(Kroschwitz)著、“1,2エポキサイドポリマー”に 記載されている、エチレンオキサイドポリマーおよびコポリマーが挙げられる。 好ましいHMWポリマーによって、可撓性、低ガラス転移温度(“Tg”)、水 溶性などの特性を最適な状態に組み合わせられる。好ましいHMWポリマーはま た、分子量が少なくとも約100,000g/mole、好ましくは少なくと も1,000,000g/mole、極めて好ましくは少なくとも約5,000 ,000g/moleである。 好ましいHMWポリマーの例には、繰り返し単位−(CH2−CH2−O)n− を有し、商品名POLYOXで購入可能なポリ(エチレンオキサイド)ポリマー として周知なポリマーが挙げられる。市販品は、自由流動性の白色粉末で、分子 量の大きさは1×10(5)乃至5×10(6)の範囲である。このようなポリ マーは、非イオン性で、高分子量(100,000乃至約8,000,000) 水溶性ポリ(エチレンオキサイド)ポリマーである。 HMW PEOは、カーテンコーティングおよび押出コーティング用ラテック ス接着剤のレオロジーを改良するための高価でない添加剤となるので、HMW PEOが好ましい。HMW PEOは極めて低濃度で有効であること、ラテック スの曳糸性を改良すること(“従来より凝集強度が強い”)、比較的低いガラス 転移温度(Tg)を有すること、および妥当な接着特性を提供することを、申請 者は見出している。コーティング組成物の調製 本発明の調合物は、従来のミキシング法を使用して製造され得る。PEOポリ マーは一般に粉状で提供されるので、種々の製造業者は、最初に粉末を調製して 濃縮貯蔵液状にすることを示唆している。本発明の組成物を速やかに、再現性良 く、効果的に形成するために、好適な分量を貯蔵液から取り、PSA調合物に添 加する。貯蔵液は、最終組成物より長期安定性が大きい。 本願の開示を考慮して、当業者は、種々のパラメータが本発明の範囲内で改良 され得る方法を評価する。このようなパラメータには、相対的および最終的ラテ ックスおよびポリマー濃度、ポリマー分子 量、調合物pHおよび保存安定性が挙げられる。 上記のように、PSA濃度は、典型的には、調合物の約30重量%乃至約60 重量%の固形物濃度で使用される。このような好ましいPSA濃度において、高 分子量ポリマーは、例えば、PSA調合物の調製中または調製後に、いかなる好 適な方法によっても調合物に添加し得る。スロットコーティング塗布物に対する 用途のために、1種以上の高分子量ポリマーは、最終組成物の重量に対して、約 1ppm乃至約50ppm、好ましくは約2ppm乃至約20ppmの範囲の総 濃度で含有される。スロットコーティング微小球PSA組成物のためには、高分 子量ポリマーは、約10ppm乃至約1000ppm、好ましくは約100pp m乃至約500ppmの範囲の総濃度で含有される。 カーテンコーティング塗布物に対する用途のためには、高分子量ポリマーは、 好ましくは約10ppm乃至約100ppm、さらに好ましくは約20ppm乃 至約70ppm、極めて好ましくは約30ppm乃至約60ppmの範囲の濃度 で含有される。一般に、PSA固形物の濃度が低いと、HMWポリマー濃度が高 い。 PSA調合物のpHは、ポリマーの有効性を保証する際に重要な要因になると 思われる。一般に、pHは中性からわずかに酸性であるべきである。約pH2乃 至約pH7のpH値が好適であり、約pH4乃至pH6の範囲のpH値が好まし い。 PSA調合物に及ぼすポリマーの所望の影響は自然には一過的で、一般に1週 間にわたる保存経過中に減少する。実施例において記載するように、最初に確立 されるのと同じ方法、すなわち、本願明細書中に記載する方法でポリマーを添加 することによって、この影響は再確立され得る。コーティング組成物の使用 本発明は、高分子量ポリマーを使用して、コーティング塗布物中の液状シート またはフィラメントを安定化することを含む水性コーティング組成物を提供する 。本発明の組成物は、ラテックスおよび微小球PSA材料の、カーテンコーティ ングおよびスロット(すなわち、押出)コーティングを含む種々のコーティング 法に使用され得る。E.コーエン(Cohen)およびE.グトフ(Gutof f)編集、現在のコーティングおよび乾燥法(Modern Coating a nd Drying Technology)の第4章、117乃至167ページ 、“前計量型コーティング(Premetered Coating)”を参照 のこと。 本発明の組成物は、前計量型コーティング機のコーティングダイから、安定な シート状またはフィラメント状で、調合物自身を使用して達成され得る最小送り 出し流動速度より実質的に遅い流動速度で、送り出され得る。 PSA調合物の流動速度は、相当するPSA/モノマー組成物と同じコーティ ング機および方法を使用して測定され得る。このような条件下で、PSAが安定 なシート状またはフィラメント状で送り出され得る最小流動速度と、安定なシー トまたはフィラメントを再現性よく生じることが可能となる組成物の最小流動速 度とを比較する。カーテンコーティングおよびスロットコーティング 本発明の組成物を使用することによって、基材速度、コーティングギャップお よび液状物の流動速度などの前計量型コーティング機のコーティングパラメータ の有用な範囲がかなり増加される。 カーテンコーティングは、スライスの通過し易さ、ダイと基材と の間の不均質なギャップを使用する能力および清浄し易さのための露出したスロ ットを含む、他のダイコーティング方法を上回るいくつかの利点を提供する。し かしながら、1つの大きな欠点は、多くのコーティング液状物を使用して安定な カーテンを維持するのに必要な比較的大きい流動速度であった。 カーテンコーティング方法において使用されるとき、例えば、本発明の組成物 は、“曳糸性”をかなり改良する。一般に、AIChEジャーナル(Journ al)、22巻(2号):209乃至235ページ(1976年)のC.ペトリ エ(Petrie)およびM.デン(Denn)箸、“ポリマー処理における不 安定性(Instabilities in Polymer Processi ng)”を参照のこと。この内容は本願明細書注に参考文献として記載されてい る。カーテンコーティング組成物の曳糸性が改良されることによって、処理パラ メータに対して所望の変化を加えることができる。このような変化には、例えば 、所定の基材速度に対して従来より遅い流動速度および従来より少ない最終コー ティング重量と、所定の最終コーティング重量に対して従来より遅い基材速度を 使用する能力が挙げられる。 このように液状物が曳糸性であることによって、またPEOを添加しないPS A調合物の流動速度が約0.5乃至1cc/sec−cmであるのと比較して、 約0.05cc/sec−カーテン幅のcm程の流動速度で安定なカーテンが維 持され得る。5百万分率程度によってもかなりの影響が達成され得る場合もある 。このような低濃度は、最終乾燥フィルムの接着特性にわずかな影響しか生じず 、液状物のずり速度(すなわち、地ならし)特性にわずかな影響しか生じない。 従来のスロットコーティング方法においてコーティングするとき、 従来のラテックス接着剤調合物は、典型的には、約75ミクロン乃至100ミク ロンのコーティングギャップが必要であり、50ミクロンのコーティング厚さを 達成する。比較により、本発明の組成物は、約250ミクロン乃至500ミクロ ン以上のコーティングギャップを使用して、同様のコーティング厚さを達成する ことが可能である。 本発明の方法および組成物を使用して、接着剤微小球を含有する組成物のコー ティング性を改良することも可能である。このような微小球は、典型的には、感 圧接着剤としての使用を目的とした材料から形成され、同時係属出願WO94/ 13751に記載される材料を含む(“懸垂的な親水性ポリマーまたはオリゴマ ー部分を有する粘着微小球(Tacky Microsheres Having Pendant Hydrophilic Polymeric or Olig omeric Moieties)”1993年12月9日出願、国際出願番号 第PCT/US93/11967号)。この開示は本願明細書中において参考文 献として記載されている。フィラメント形成 このような組成物を使用して、PSAフィラメントを形成し、糸引きを形成お よびコーティングすることも可能である。例えば、1990年発行、J.ウィレ イ(Wiley)&サンズ(Sons)編集、J.クロシュビッツ(Krosc hwitz)著、コンサイス エンサイクロペディア オブ ポリマー サイエンス アンド エンジニアリング(Concise Encyclopedia of P olymer Science and Engineering)の389乃至3 92ページ、“繊維、製造(Fibers,Manufacture)”を参照 のこと。この内容は本願明細書中に参 考文献として記載されている。 一般に、溶剤が速やかに蒸発されて、フィラメントが残り、約1000m/m inまでの速度で巻き取られる区域を介して紡績器からポリマー溶液が押出され る乾燥紡績法などの紡績方法を使用してフィラメントを製造することができる。 ポリマー溶液を紡績器から押出して非溶剤にし、ポリマーを凝結(すなわち、沈 殿)させてフィラメントを形成する湿式紡績法も有用である。 本発明のこのような例および他の例を以下の実施例によって示すが、これらは 発明の範囲を制限するものではない。実施例 試験方法 剥離接着試験 試験基材としてガラスを使用し、試験および材料試験方法に関する全米協会( American Society for Testing and Mater ials Test Method)ASTM D3330−90に従って、コー ティングされた材料の剥離接着特性を測定した。ジアセトンアルコールと2−プ ロパノールを使用してガラス平板を清浄した。小試験片(1/2インチ×6乃至 8インチ)を調製し、塗布した。次いで、コーティングを4.5ポンドのローラ ーで圧着し、31cm/minuteまたは230cm/minuteのどちら かで速やかに評価した。せん断試験 せん断は、接着剤片(約1.3cm×1.3cm)を使用して、1000グラ ムの負荷をステンレス鋼平板から吊り下げて測定した。試験片を清浄したステン レス鋼平板に適用し、4.5ポンドのロー ラーで圧着し(6回通過)、従来のせん断装置で評価した。せん断試験は一般に 室温と70度Cとにおいて実施される。結果は分で報告され、接着剤が平板から 完全に分離した時点で測定される。プローブ粘着 本願明細書中で記載される組成物または調合物でコーティングしたシートの粘 着性を、試験および材料試験方法にかんする全米協会(American So ciety for Testing and Materials Test Me thod)ASTM D3330−90に従って、ポリケンプローブ粘着試験機 (Polyken Probe Tack tester)(ケンダール社(Ke ndall Company)より購入)を用いて測定した。組成物を10mi l紙にコーティングし、実施例に記載する乾燥コーティング厚さを得た。プロー ブを長繊維を含まない布を使用してエチルアセテートで清浄後、コーティングし たシートの2cm×2cm試料を装置の円形環状重りの上に配置した。ラテック ス調合物/組成物については、次いで速度1cm/sec、ドゥエル時1秒の1 平方センチメーターの面積を有する10mmステンレス鋼プローブを使用して粘 着性を測定し、記録した。実施例1 ラテックス“A”−PEO(25ppm、52ppm)の影響 ラテックスAは、ポリアクリルラテックスPSAの形状で入手した。アルドリ ッチケミカル社(Aldrich Chemical Co.)より入手した分子量 8,000,000のポリ(エチレンオキサイド)を使用して、(溶液の重量に 対して)4000百万分率(“ppm”)のPEOを調製した。磁石製攪拌棒で 攪拌しながら、 PEO粉末を水にゆっくり添加することによって、貯蔵液を調製した。PEOの 添加終了後、PEOが完全に溶解するまで、一般に1乃至4時間以内は、組成物 を絶え間なく攪拌した。次いで、絶え間なく攪拌しながら、総組成物重量に対し てそれぞれ25ppmおよび52ppmのPEOが得られるのに十分な量のPE O貯蔵液をラテックス調合物に添加した。PEOを最後に添加してから10分系 かするまでは、混合を継続した。 試料のせん断粘性を測定するために、12ミリリッターの試料を回転式レオメ ーター(ボーリン(Bohlin)VOR)のカップに入れ、PEOを添加した ラテックスとPEOを添加しないラテックスとについて、25度Cで、せん断速 度を増加させながらせん断粘性のデータを採取した。結果を表1に示す。52p pmPEOを添加したラテックスと添加しないラテックスとについて、200ミ リリッターの試料を対向ノズル装置(レオメチックス(Rheometics) RFX社)のブレーカーに入れ、20乃至24度Cで、伸び速度を増加させなが ら、みかけの伸び粘性データを採取した。 組成物のせん断粘性および伸び粘性は共に46秒−1のせん断速度を加えた後 に、突然で、かなりの増加を示す。一方、PEOを添加しないラテックス調合物 は、せん断速度を増加させたとき、粘性が低下するだけである。粘性が増加し、 観察された曳糸性の程度、すなわち組成物の曳糸性の増加に増加の程度が直接関 連したせん断速度によって、従来より遅いせん断速度で粘性の増加が大きくなる 。 表2は、25ppmPEOを添加したラテックスPSAおよび添加しないラテ ックスPSAの接着データを示す。組成物を調製してから0日および2日経過し てから、50ミクロンのギャップを有する固定した剛性ナイフの下を、約2cm /secおよび10cm/secの遅い速度および中程度の速度でポリエステル 基材を引っ張ることによって手作業でコーティングを塗布した。ラテックスPS A/PEO組成物から、2cm/secで形成されたコーティングは、10cm /secで形成されたものより厚さがより均質であった。 各々の場合において、PEOを添加した組成物と最初のラテックス調合物との 間の全体的な性能には、ほとんどまたは全く差がなかったことがわかる。言い換 えると、コーティング動作条件に関しての本発明の利点は、最終コーティング組 成物の性能に悪影響を及ぼすことなく、達成され得る。実施例2 ラテックス“B”−PEO(20ppm)の影響 本願明細書において“ラテックスB”として識別するPSAポリマーは、本願 明細書中に参考文献として開示を記載している、米国特許第4,737,577 号明細書の実施例41の対照コポリマー の調製に関して記載されている一般的な方法を使用して調製された。特に、主コ ポリマーは、水性(乳濁液)系において重合されたイソオクチルアクリレート( IOA)/アクリル酸(AA)であった。 実施例1に記載した方法で、5000ppmPEO貯蔵液を調製し、水で50 0ppmPEOに希釈した。次いで、実施例1に記載した方法を使用して、最終 濃度が20ppmPEOとなるように、500ppm溶液の一部をラテックス調 合物に添加した。 PEOを添加したラテックスと添加しないラテックスについて、せん断速度に 対するせん断粘性および伸び粘性を測定した。組成物については、29sec− 1のせん断速度で粘性の増加が観察されたが、PSA調合物は、せん断速度を増 加させたとき、粘性が低下しただけであった。実施例3 PSA微小球−PEOの影響 開示が本願明細書中に参考文献として記載されている同時係属出願WO94/ 13751(1993年12月9日に国際出願番号第PCT/US93/119 67号で出願された、“懸垂型親水性ポリマーまたはオリゴマー部分を有する粘 着微小球(Tacky Microsheres Having Pendant Hydrophilic Polymeric or Oligomeric Mo ieties)”に記載の方法によって、ラテックス微小球を調製した。 実施例1に記載したように、4000ppmPEO貯蔵液を調製し、650p pmPEOとなるように、実施例1に記載の方法を使用して微小球PSA懸濁液 に添加した。微小球組成物および調合物のせん断粘性データは、全てのせん断速 度において、PEOを添加 した組成物のせん断粘性は、PEOを添加しない調合物より大きいことを示した 。組成物については、せん断速度が2sec−1を超えると粘性が増加した。 表3は、300ppmおよび500ppmのPEOをスロットコーティングし、 40ミクロンの乾燥コーティングとした微小球懸濁液の接着性データを示す。 他のラテックス系と同様に、表3のデータは、ほとんどまたは全く悪影響がな いこと、同時に、本発明の組成物によって、コーティングの全体的な機能特性の みかけの改良がいくつか見られることを示す。実施例4 PEO濃度の影響 PEOの重量濃度がO、5、12、25および52ppmとなるように、ラテ ックスAと8,000,000MWのPEOとからなる組成物を、実施例1に記 載されるように調製した。表4は各組成物のせん断粘性を示す。PEOの濃度が 増加すると、驚くことに粘 性がかなり増加し、濃度の増加に伴って、より遅いせん断速度でもこのかなりの 増加が生ずることがわかる。 実施例5 PEO分子量の影響 8,000,000MWおよび1,000,000MWのPEO を使用して、ラテックスAと52ppmPEOとからなる組成物を、実施例1に 記載されるように調製した。表5は、各組成物およびPEOを添加ていないラテ ックスのせん断粘性を示し、8,000,000MWのPEO組成物は46se c−1で粘性の大きな増加を示し、1,000,000MWのPEO組成物は4 60sec−1で粘性のわずかな増加を示す。曳糸性も、PEO分子量の増加に 伴って増加することが観察された。 実施例6 PSA粒子重量の影響 8,000,000MWのPEO25ppmと、粒子重量分画が50パーセン ト乃至55パーセントのラテックスAとからなる組成物を、実施例1に記載した ように調製した。表6は、これらの組成物およびPEOを添加していない対応す るラテックスのせん断粘性を示し、55パーセント固形物ラテックスでは190 sec−1で、また50パーセント固形物ラテックスでは290sec−1でせ ん断粘性の突然の増加が観察された。 曳糸性も、ラテックスの粒子重量分画の増加に伴って増加することが観察された 。 実施例7 pHの影響 10パーセントNH4OH液を徐々に添加することによって、実施例1に記載 したラテックスAをpH8.5にした。実施例1に記載した方法を使用して8, 000,000MWのPEO100ppmを添加した結果、組成物は曳糸性の増 加を示さなかった。さらに、実施例1に記載したように、pH5.5で調製した 8,000,0 00MWのPEO10ppm組成物は、NH4OHを添加してpH8.5にする と、曳糸性を示さなくなったが、希釈したHClを添加してpHを7より小さく すると、曳糸性を回復した。実施例8 曳糸性に対する時間の影響 ラテックスAと8,000,000MWのPEO50ppmとからなる組成物 を、実施例1に記載したように調製し、表7に示すように、10分、5時間、2 0時間、48時間および72時間の経過時においてせん断粘性を測定した。粘性 増加の発現に対するせん断速度は、時間とともに増加することが示される。曳糸 性は5時間経過時までに低下することが観察された。 実施例9 エージングした組成物の補充 実施例8に記載したように、72時間エージングしたラテックス/PEO組成 物と、8,000,000MWのPEO4000ppmの貯蔵液とを、総PEO 濃度が80ppmになるように、実施例いに記載したように、水中で混合した。 PEOの添加終了時から10分後に粘性を測定し、最初の組成物およびエージン グした組成物の粘性と共に表8に示す。せん断粘性の増加の発現値は、エージン グ前の値に戻り、エージングした組成物にPEOを添加した結果、曳糸性はエー ジング前の大きさに戻ることが観察された。 実施例10 カーテンコーティング組成物 ラテックスPSAと、濃度が0,25および70ppmの8,000,000 MWのPEOとからなる組成物を、実施例1に記載したように調製し、カーテン コーティングダイに供給し、液状物と基材とを接触させた。各組成物について、 流動物の流動速度は、最初は、流動物の上部にあたるダイと、下部にあたる基材 と、上部では5cm、下部では3cm離れている両脇のエッジガイドとの間に連 続した液状シートが形成されるのに十分な値に設定した。次いで、シートが壊れ て、不連続な滴またはフィラメントを形成するまで、液状物の流動速度を徐々に 低下した。表9は、シートが壊れる前に、各液状物について維持が可能であった 最小流動速度を示す。ラテックスに25ppmのPEOを添加することによって 、最小流動速度 が4倍低下した;50ppmのPEOを添加することによって、最小流速は6倍 低下した;70ppmのPEOを添加することによって、最小流動速度は8倍低 下した。ラテックスとPEOとからなる組成物について、表9はまた、流動物の 最小流動速度で達成され得る最大基材速度を示し、最大基材速度は、25,50 および70ppmのPEOについて、それぞれ10メーター/分から20乃至3 0メーター/分に増加する。 実施例11 フィラメント形成−ウェブコーティング ラテックスBと8,000,000MWのPEO10ppmとからなる組成物 を、実施例2に記載したように調製し、この組成物を卓上形フィラメント形成装 置に供給し、液状物は、直径1cmの円筒多岐管から、内径0.5mmの3本の ずんどう吸い込み針に供給された。針の出口部または出口より少し先の部分にお いて、高速空気噴射を適用することによって、各針から出る液状フィラメントは 直径が減少し、フィラメントは針の出口部の25cm下で移動している基材に受 け取られ、オーブンで乾燥した。この工程は、基材と無作為な方向で接触するP SAフィラメントの、連続していないが、つながったコーティングを生じた。基 材速度を一定にして、液状物の流動速度を増加させることによって、または流動 物の流動速度を一定にして、基材の速度を低下することによって、PSAフィラ メントのマットによって被覆される表面分画は増加された。一方、離散的な滴に よるコーティングはPEOを添加していないラテックスB調合物を用いて、フィ ラメント形成装置を使用したことによって生じることが見出された。実施例12 フィラメント形成 実施例11に記載したように調製した、ラテックスBとPEOからなる組成物 を、針の出口部と移動中の基材とがごく近い位置にある場合を除いて、実施例1 1に記載した装置に供給した。各針から排出される液状フィラメントは、針の出 口部における液状物の平均速度より速い速度で基材が移動することによって、フ ィラメントに与えられる張力によって、直径が低下し、こうして、共直線性を有 する帯状の不連続PSAコーティングを生じ、次いでオーブンで乾燥した。実施例13 スロットコーティング 実施例2に記載したように調製したラテックスBと、実施例1に記載したよう に調製した5000ppm貯蔵液から希釈した、8,000,000MWのPE O200ppm貯蔵液とを、実施例1に 記載した方法を使用して混合して、組成物中のPEOを2ppmとした。この組 成物と、PEOを添加しないラテックスBとを使用して、コーティング実験を実 施し、液状物を0.21cc/cm−secで、スロットの寸法が高さ250ミ クロンで、幅13cmの標準的なスロットコーティングダイに供給した。真空箱 によってダイの上流側に適用した。また、連続コーティングが得られるまで、コ ーティングギャップを広い方から狭い方に調整した。表10は、各液状物の結果 を示し、ラテックス調合物(すなわち、PEOを添加しない)に対して、ラテッ クス/PEO組成物の連続コーティングは、従来より速いコーティング速度およ び従来より広いコーティングギャップで達成された。 実施例14 微小球の調製 微小球PSA懸濁液と8,000,000MWのPEO500p pmとからなる組成物を実施例3に記載したように調製し、スロットの寸法が高 さ250ミクロン、幅3cmのスロットコーティングに使用し、上流側には真空 を適用せず、ダイと基材との間のギャップは500ミクロンとした。液状物の流 動速度が0.11cc/cm−secで、基材速度が6乃至31m/分において 、連続コーティングが観察された。PEOが0ppmのPSA微小球懸濁液に対 しては、連続コーティングを達成するには、同じ装置とコーティングギャップを 使用して、基材速度6m/分と液状物の流動速度0.33cc/cm−secと が必要であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN, MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT ,UA,UG,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.水性感圧接着剤調合物と1種以上の高分子量ポリマーとを含むコーティン グ組成物において、該組成物を、安定なシート状で、且つ該調合物自身を使用し て達成され得る最小送り出し流動速度より実質的に遅い流動速度で、前計量型コ ーティング機のコーティングダイから送り出し得る好適な濃度でポリマーが含有 されるコーティング組成物。 2.ポリマーを添加することなしに、カーテンコーティング機において前記調 合物の安定なカーテンを維持するのに必要な最小流動速度の70%未満の最小流 動速度を使用することを可能にする請求項1記載の組成物。 3.スロットコーティング機内で対応する調合物を安定なシート状で提供する ために有用な最大ギャップ距離の約2倍のギャップ距離を可能にする請求項1記 載の組成物。 4.前記接着剤調合物が、ラテックスアクリレート系PSAを含み、前記高分 子量ポリマーが、ポリ(エチレンオキサイド)ポリマーを含む請求項1記載の組 成物。 5.前記接着剤調合物が、水性ラテックス感圧接着剤を含み、前記ポリマーが 約1ppm乃至約50ppmの間の高分子量PEOを含む請求項1記載の組成物 。 6.コーティング組成物を調製する方法であって、 (a)水性感圧接着剤調合物を形成するステップと、 (b)前記調合物の形成中または形成後に、高分子量ポリマーを添加して 、前記組成物を、安定なシート状で、且つ前記調合物自身を使用して達成され得 る最小送り出し流動速度より実質的に遅い流動速度で、前計量型コーティング機 のコーティングダイから送 り出し得る好適な最終濃度を与えるステップと を含む該方法。 7.約1ppm乃至約50ppmの間の濃度になるまで前記ポリマーが添加さ れる請求項6記載の方法。 8.請求項6記載の方法によって調製されるコーティング組成物。 9.請求項1記載の組成物を含むコーティングされた製品。 10.コーティング組成物を調製する方法であって、水性感圧接着剤調合物に 高分子量ポリマーを添加して、該組成物を、安定なシート状で、且つ該調合物自 身を使用して達成され得る最小送り出し流動速度より実質的に遅い流動速度で前 計量型コーティング機のコーティングダイから送り出し得る好適な最終濃度を与 えるステップを含む方法。
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