JPH11504966A - 架橋カチオン性ポリマーの製造方法 - Google Patents

架橋カチオン性ポリマーの製造方法

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JPH11504966A JP8533717A JP53371796A JPH11504966A JP H11504966 A JPH11504966 A JP H11504966A JP 8533717 A JP8533717 A JP 8533717A JP 53371796 A JP53371796 A JP 53371796A JP H11504966 A JPH11504966 A JP H11504966A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、架橋カチオン性ポリマーの製造方法に提供し、該方法では、(a)ポリアミノアミドを、4級化に利用できる窒素に基づいて5〜30モル%の量の4級化剤と反応し、(b)次いで、得られた4級化ポリアミノアミドを、4級化していない窒素の含量に対応するモル数のエピクロロヒドリンで架橋する。架橋カチオン性ポリマーは、湿潤紙力増強用樹脂として紙を処理するのに適している。

Description

【発明の詳細な説明】 架橋カチオン性ポリマーの製造方法 発明の分野 本発明は、紙を処理するための架橋カチオン性ポリマーの新しい製造方法およ び湿潤紙力増強用樹脂としての架橋カチオン性ポリマーの使用に関する。 従来技術 一般用語「紙」は、約3000の異なる種類および物品であり、用途および性 質の分野においてかなりの場合において異なることが可能である。製造するため に、セルロース繊維の1〜5重量%の水性懸濁液をスクリーンに薄い層で適用し 、スクリーン上で、熱および機械的な圧力の適用によって、高速で脱水し、約4 0重量%の固体含量にする。まだ水含有の粗紙を、別の工程で乾燥し、絞り出し た水を回路に戻す。 現在の製紙工場において、経済的および生態的な理由から水回路を実質的に閉 鎖させることが重要とされている。この目的のために、処理水は勿論廃棄物がな いか、または再利用しやすい廃棄物を含むべきである。処理水のいわゆるAOX 含量、即ち望ましくないハロゲン化合物の含量に寄与することが特に重要である 。 残念ながら、製紙工程は、用途の分野に依存して、さまざまな添加剤、例えば 、充填剤、脱泡剤、染料、歩留まり剤、および紙の機械的強度を改良し、乾燥ま たは湿潤紙力増強用樹脂として知られる助剤を必ず含む。添加剤は、長期間にわ たって、セルロース繊維と共に処理水に蓄積されるために、生態学的に安全な製 品が要求される。 この点においてきわどいものとされる添加剤、特に湿潤紙力増強用樹脂は架橋 ポリアミノアミドである。これらの物質は、Fibrabones(登録商標)としても商業 的に知られていて、エピクロロヒドリンを使用して鎖が窒素原子によって架橋さ れるポリアミノアミドから製造される。US5,116,887、US5,12 0,773、US5,239,047、US5,350,796(Henkel Corp )および欧州特許出願EP−A1 0 553 575(Hercules)は、この主題 において利用できる広い従来技術の代表例として引用する。 湿潤紙力増強用樹脂の架橋の程度と、それによって処理された紙の強度におけ る改良との間に直接的なつながりがあることを見いだした。この観点から、エピ クロロヒドリン単位によって架橋に利用できるポリアミノアミドのすべての窒素 基を架橋することが望ましい。一方で、それぞれの窒素基とエピクロロヒドリン との反応は、塩化水素の脱離を導き出し(付加物として結合したままである。) 、それ故に生成物中に、上記の記載の理由から極度に望ましくないAOXが存在 する。したがって、2つの相反するパラメータ(架橋の程度およびAOX含量) のバランスを維持させることが試みられている。しかしながら、実際に、多くの 場合において、性能特性が完全には許容できないので、結果は満足されず、生成 物の生態学的な適合性は、決して十分ではない。 したがって、本発明が解決しようとする課題は、上記の欠点がない湿潤紙力増 強用樹脂の製造方法を提供することである。 発明の説明 本発明は、架橋カチオン性ポリマーの製造方法に関し、該方法において、ポリ アミノアミドを、 (a)最初に、4級化に利用できる窒素に基づいて5〜30モル%の量の4級化 剤と反応し、 (b)次いで、得られた4級化ポリアミノアミドを、4級化していない窒素の含 量に対応するモル量のエピクロロヒドリンで架橋する。 驚くべきことに、廃水がAOXでさらに汚染されることなしで、架橋ポリアミ ドの性能特性が、架橋前にポリマー中の特定量の窒素基を4級化することによっ て顕著に改良されることを見いだした。ジカルボン酸 本発明のために出発材料として適しているポリアミノアミドは、式(I): HOOC−[A]−COOH (I) [式中、Aは、1〜52個の炭素原子、好ましくは1〜10個の炭素原子を有す る直鎖または分枝状、脂肪族、環状脂肪族および/または芳香族、要すればヒド ロキシ置換のアルキレン基である。] で示されるジカルボン酸から誘導される市販の重縮合生成物である。 ポリアミノアミドを誘導しうるジカルボン酸の一般的な例としては、コハク酸 、アゼライン酸、ドデカン二酸、フタル酸および工業用二量体または三量体脂肪 酸が挙げられる。ポリアミノアミドは、アジピン酸からなることが好ましい。ポリアミン 本発明のために出発材料として適しているポリアミノアミドは、式(II): H2N-(B)-NH-[(C)NH]zH (II) [式中、BおよびCは、それぞれ独立して、1〜4個の炭素原子を有する直鎖ま たは分枝状、要すればヒドロキシ置換のアルキレン基であり、zは0または1〜 10の数である。] で示されるポリアミンからさらに誘導される市販の重縮合生成物である。 一般的な例としては、式II(式中、BおよびCがエチレン基であり、z=2ま たは3である。)で示されるポリアミンである。したがって、好ましいポリアミ ンは、ジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラアミンである。まとめて 言えば、アジピン酸およびジエチレントリアミンからのポリアミノアミドが好ま しい。4級化 4級化は、従来のカチオン性界面活性剤の製造から既知の方法で行ってよい。 適した4級化剤は、例えば、式(III): R1−Hal [式中、R1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、Halは塩素ま たは臭素である。] で示されるアルキルハライドである。一般的な例としては、メチルブロマイド、 ブチルクロライド、特にメチルクロライドである。 他の特に好ましい4級化剤は、式(IV): R2O−XO2−OR2 (IV) [式中、R2は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、Xは硫黄または リンである。] で示されるジアルキル化合物である。一般的な例としては、ジエチルスルフェー ト、ジブチルスルフェート、ジメチルホスフェート、ジエチルホスフェート、ジ ブチルホスフェート、特にジメチルスルフェートがある。 最後に、2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、3− クロロまたは3−ブロモ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロ ライド(QUAB(登録商標)の名称でドイツ、Hanau在のDegussa AGによって 販売されている)を、4級化剤として使用してもよい。 4級化反応を行うために、ポリアミドアミンを水またはアルコール中に溶解し 、得られた溶液に40〜70℃の温度で、4級化剤を分けて添加する。反応時間 は通常0.5〜3時間である。使用する4級化剤の量(4級化に利用できる窒素 に基づいて5〜30モル%、好ましくは15〜25モル%)をアミン価に基づか せることが有用であることが見いだされている。4級化は、ジメチルスルフェー トまたはQUAB試薬で行うことが好ましい。さらに、4級化反応後、水性アル カリ塩基を添加することによって、中間生成物のpH値を9〜11に調整するこ とが有用であることがわかる。架橋 4級化ポリアミノアミドの架橋は、水溶液またはアルカリ溶液中で行ってよい 。エピクロロヒドリンを分けて添加し、かなりの熱効果のために10〜40℃の 低い温度で反応を行うことが望ましい。使用されるエピクロロヒドリンの量は、 架橋に利用される窒素基のモル量に対応する。したがって、架橋反応の前に4級 化生成物のアミン価をもう一度測定することが実用的な理由から望ましい。エピ クロロヒドリンを添加した後、生成物を12〜48時間、好ましくは24〜36 時間撹拌する。反応の終わりに向かって約40℃に温度を上昇させ、粘度が約5 00mPa・sの臨界値に達したとき(Brookfield法によって、40℃でスピンドル 1で測定)鉱酸を添加して2〜4のpHに調整することによって架橋を終止させ ることが望ましい。反応式 行われる化学反応を、以下の式によって説明するが、例としてジメチルスルフ ェ ート(DMS)およびエピクロロヒドリン(EPI)による4級化/架橋を挙げ る。 4級化は、アルキルハライド、2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニ ウムクロライド、3−クロロまたは3−ブロモ−2−ヒドロキシプロピルトリメ チルアンモニウムクロライドを使用して同様に行ってよい。 産業上の利用性 本発明の方法によって得られる架橋カチオン性ポリマーは低いAOXレベルで 改良された強度を有する紙を提供する。対照的に、既知の生成物は、より高いA OXレベルでかなりの改良を示すか、逆にかなり低いAOXではより乏しい強度 を示す。 したがって、本発明は、湿潤紙力増強用樹脂にしての本発明の方法によって得 られる架橋カチオン性ポリマーの使用にも関する。 次の実施例は、本発明を例示するものであって、いかなる制限もしない。 実施例 1.製造実施例 実施例H1: 4級化 1L撹拌器付き反応器で、アジピン酸およびジエチレンアミンからのポリアミ ノアミド(窒素0.81当量に相当するアミン価101mg KOH/g、Henkel Corp.、Gulf Mills/USAの製品)450gを水100mLに懸濁し、得られた懸 濁液に、2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド(水中7 0重量%、QUAB(登録商標)151、Degussa AG、Hanau、FRG)を分けて添 加した。添加後、反応物を60℃で2時間加熱した。混合物を次いで17℃に冷 却し、50重量%水酸化ナトリウム溶液を添加してpH値を9.5〜10に調整 した。得られた中間体は81mg KOH/gのアミン価を有した。 架橋 さらに水115mLを添加した後、温度が20℃を越えないように、エピクロ ロヒドリン80g(0.96モル)を分けて反応混合物に添加した。反応混合物 を次いで30℃で36時間撹拌した。40℃に加熱後、約500mPa・sの十分な 粘度に達するまで混合物を撹拌した。次いで反応は、塩酸水溶液を添加し、pH 2〜3に調整することによって停止した。得られた架橋カチオン性ポリマーは1 3重量%の乾燥残渣を有した。 実施例H2: 4級化 実施例1のように、実施例1のポリマー450gを水150mLに40℃で懸 濁した。しかしながら、QUABのかわりに、ジメチルスルフェート25.6g (0.2モル)を4級化のために使用した。添加後、再度反応物を60℃で2時 間加熱し、17℃に冷却し、水酸化ナトリウムで約9.5のpHに調整した。ア ミン価は66.2mgKOH/gであった。 架橋 反応混合物を水42mLで希釈し、エピクロロヒドリン70.7g(0.76 モル)を20〜35℃の温度で添加した。反応時間は25時間であった。次いで 、実施例1のように反応混合物を加熱し、粘度を約500mPa・sに上昇させ、塩 酸を添加することによってpH値を約2.5に調整した。乾燥残渣は13重量% であった。 II.適用例 本発明の製造実施例H1およびH2によって得られた生成物および市販の4級 化していない工業用製品(Hercules Inc.製)を13重量%水溶液の形態で、以 下のように使用した。 性能を評価するために、6L水中の1200gセルロース繊維の水性懸濁液( 長繊維と短繊維の重量比=70:30)をまず調製した。250mLの量のこの ペーストに5〜10重量%の量(乾燥重量に基づいて)の試験溶液を添加し、次 いで2分間撹拌し、基材上に被覆した。最後に、まだ水分含有の粗紙を105℃ で30分間乾燥した。15mmの幅のストリップ紙(約2gの試料重量、約55 g/m2の紙重量)の引張強度を試験した。結果は、紙を引き裂くのに要する力 として以下の表1に示した。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a)ポリアミノアミドを、最初に、4級化に利用できる窒素に基づいて 5〜30モル%の量の4級化剤と反応し、 (b)次いで、得られた4級化ポリアミノアミドを、4級化していない窒素の含 量に対応するモル量のエピクロロヒドリンで架橋する 架橋カチオン性ポリマーの製造方法。 2.式(I): HOOC−[A]−COOH (I) [式中、Aは、1〜52個の炭素原子を有する直鎖または分枝状、脂肪族、環状 脂肪族および/または芳香族、要すればヒドロキシ置換のアルキレン基である。 ] で示されるジカルボン酸から誘導されるポリアミノアミドを使用することを特徴 とする請求項1に記載の方法。 3.式(II): H2N-(B)-NH-[(C)NH]zH (II) [式中、BおよびCは、それぞれ独立して、1〜4個の炭素原子を有する直鎖ま たは分枝状、要すればヒドロキシ置換のアルキレン基であり、zは0または1〜 10の数である。] で示されるポリアミンから誘導されるポリアミノアミドを使用することを特徴と する請求項1または2に記載の方法。 4.式(III): R1−Hal [式中、R1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、Halは塩素ま たは臭素である。] で示されるアルキルハライドを4級化剤として使用することを特徴とする請求項 1〜3のいずれかに記載の方法。 5.式(IV): R2O−XO2−OR2 (IV) [式中、R2は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、Xは硫黄または リンである。] で示されるジアルキル化合物を4級化剤として使用することを特徴とする請求項 1〜3のいずれかに記載の方法。 6.2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、3−クロ ロまたは3−ブロモ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライ ドを4級化剤として使用することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の 方法。 7.4級化を40〜70℃の温度で行うことを特徴とする請求項1〜6のいず れかに記載の方法。 8.架橋工程を10〜40℃の温度で行うことを特徴とする請求項1〜7のい ずれかに記載の方法。 9.紙を処理するための湿潤紙力増強用樹脂としての、請求項1〜8のいずれ かに記載の方法によって製造された架橋カチオン性ポリマーの使用。
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