JPH11502522A - ジメチルエーテルの生成及びメタノールからの回収 - Google Patents

ジメチルエーテルの生成及びメタノールからの回収

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JPH11502522A
JPH11502522A JP8527745A JP52774596A JPH11502522A JP H11502522 A JPH11502522 A JP H11502522A JP 8527745 A JP8527745 A JP 8527745A JP 52774596 A JP52774596 A JP 52774596A JP H11502522 A JPH11502522 A JP H11502522A
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Abstract

(57)【要約】 メタノールの脱水によるジメチルエーテルの生成及び回収のためのプロセスであって、このプロセスは、メタノールのジメチルエーテルへの高い変換率を維持しながら、新鮮な供給メタノールストックの調製及び/又はジメチルエーテル生成プロセスへの再循環供給物ストックとして用いられる変換されていないメタノールの回収に関連する蒸留作業を著しく軽減するものである。

Description

【発明の詳細な説明】 ジメチルエーテルの生成及びメタノールからの回収発明の分野 本発明は、メタノールの脱水によりジメチルエーテルを生成し、供給メタノー ル中に変換されずに残っている部分から、生成されたジメチルエーテルを分離・ 回収し、メタノールの変換されていない部分を再循環して、更にジメチルエーテ ルに変換するプロセスに関するものである。発明の背景 ジメチルエーテルは、2モル量のメタノールを酸触媒に接触させて、1モル量 のジメチルエーテル(DME)及び1モル量の水の副産物へ変換することにより 生成される。メタノールの脱水によりDMEへの変換は完全ではなく、供給メタ ノールの一部分は、触媒に接触した後でも変換されないまま、生成ガスの構成物 に送り込まれる(carry into)。これまでは、メタノールのジメチルエーテルへ の変換が不完全であっても、問題はなかった。何故なら、結果的に生じるメタノ ール−ジメチルエーテル混合物は、単に中間メトキシ基構成物(intermediatemet hoxy composition)として生成され、処理されて、他の最終生成物になったから である。 ジメチルエーテルが、この脱水反応の目的最終生成物として回収される場合で は、大規模生産のため、変換されていないメタノールを、ジメチルエーテル生成 物から分離・回収し、DME変換反応器へ再循環して、ジメチルエーテルへの変 換を完了しなければならない。変換されていないメタノール及び水から隔離した 生成物としてDMEを分離することは、メタノールの沸点が64.9℃(148 .8°F)、水の沸点が100℃(212°F)であるのに対して、DMEの沸 点が−23℃(−9.4°F)であるため、比較的容易である。しかし、変換さ れていないメタノールを更にDMEに変換できる状態にするために、DME反応 の副産物の水からメタノールを分離することには、複雑な点がある。DMEへの 変換に関しては、メタノールは、それが新鮮供給物のストックであっても、再循 環のものであっても、水分をなるべく含んでいないのが望ましい。何故なら、供 給メタノールに水が存在すると、メタノールのDME生成物への変換度が減少す るからである。無水メタノールを用いても、DMEへのワンパス変換(single p ass conversion)は、反応が平衡して変換されるメタノールの約80.8%に限 定される。供給メタノールに水が存在すると、供給メタノール中の水の量が増加 するに従って、DMEへのメタノール変換度が減少する。 供給無水メタノールをDMEへ変換して生じる生成ガ スには、初めの供給メタノール19.16モル%が変換されないメタノールとし て含まれ、生成ガスの変換されないメタノール及び水分量は、水0.6784及 びメタノール0.3216のモル合計の比較モル分率で存在している。当然なが ら、供給メタノールに含まれる水により水分量が更に増加すると、変換されない 供給メタノールのモル%が増加し、生成ガス中の変換されないメタノールに対し て、水のモル分率は増加する。従って、DMEが変換プロセスの目的最終生成物 である場合、メタノールのDMEへの変換を最大にするためには、メタノールの 回収及び再循環作業は、プロセスのDME回収工程で共に回収される副産物の水 から、変換されないメタノールをほぼ完全に分離する蒸留プロセスを必要とする 。 新鮮な供給メタノールを通じて生成ガスに持ち込まれた水は、供給メタノール と繋がっている再循環の中からメタノール部分を得るのに必要な蒸留条件を加重 するだけである。これまでは、DMEへの再循環プロセスのために、変換されて いないメタノールをDMEから分離する必要の工程は、メタノールからDMEへ の大規模な変換においては着手されなかった。従来技術のプロセスでは、部分的 にメタノールをDMEへ変換することを大規模に行っているが、この部分的変換 の実行によって、メトキシ基化合物(ここでは、水を蒸気として含むメタノール とDMEの両方のガス混合物)を更に処理し、ガソ リン級の炭化水素など、他の最終生成物にする過程での熱交換効率を低下させた 。これらのプロセスでは、生成ガス中のDME及びメタノールの含有量は、他の 生成物への変換に用いられる中間構成物に過ぎず、DME−メタノール生成ガス は、その含まれる水と共に、困難なく、その成分が分離処理される。 本願と同じ発明者の所有に係る係属中の米国特許出願第08/336430号 には、メタノール及び/又はDMEなどのメトキシ基化合物からガソリン級の炭 化水素を生成する方法における重要な進歩が記載されている。改良された方法の 1つの実施例では、メタノール及び/又は水を実質的に含まないDMEが用いら れている。この出願に記載されているDMEの改良を最適に利用する観点からは 、生成のためのプロセスを開発し、変換されていないメタノール及びDMEの生 成に付随する副産物の水から、DMEの回収物を分離して隔離することが望まし い。このことは、プロセスの資本及び作業コストの見地から実用的である。この 目的のために、そのようなプロセスを開発することができれば、それはまた、D MEを実用的な化学商品として大規模に生産することを可能にし、DMEを燃料 ストックのための酸化処理された添加物や、同種の燃料などの他の様々な用途の ために用いることが経済的に実用可能になる。 Haldor Topsoe A/S によるAnnual Congress of the S ociety of Automotive Engineers(1995)での最近の発表では、ジメチルエーテル を大規模に製造するための方法が提案された。その方法は、特別な触媒構成物を 用いて、DMEを合成ガスから直接に生成することにより、メタノールからDM Eを大規模に生成するときに見られるような困難を避けることができるものであ ると言われている。この提案は、メタノールの脱水により生成されるDMEは、 メタノールよりも本質的に高価であると述べており、メタノール脱水プロセスを 、DMEの直接製造に関するHaldor Topsoeの提案が利用されるまでの、DME の小規模製造のための間に合わせの手段と見ているだけである。メタノールのD MEへの変換に関する記載には、メタノールの再循環物が、蒸留タワーからの一 番の生成物として示されている。メタノール変換率は約80%とされており、そ れは、実質的に水を含まないメタノールをDME反応器に供給したものに対応す る。このように、比較的水を含まないメタノールを、新鮮な供給ストック及び再 循環メタノール両方として得るためには、メタノールの高価な蒸留が必要となり 、これは、DME製品のコストを著しく増加させる。 従って、コスト及び作業規模の点から観て、実施することが実用的なメタノー ルの脱水によるDME生成のプロセスについて、従来技術では要望は解決されな いままである。 本発明のプロセスは、新鮮な供給物ストック及び/又は再循環メタノール流れ の両方として、かなりの水を含むメタノールを用いて、かなりの量のメタノール 又は水を実質的に含まずに回収されるジメチルエーテル(DME)を製造するも のである。その方法は更に、DMEから分離された変換されていないメタノール 中に回収された量の水を分離することからなり、その量は、DMEプロセスにお いて、メタノール再循環作業による水の蓄積を妨げるのに十分な量である。この プロセスは、メタノールをDMEへ変換するための最適量に関する設備費用及び 環流再循環(reflux recycle)の点で蒸留作業を最小限にし、商品としてのDM Eを生成する実用的なプロセスを提供する。 図1は、酸触媒に接触したメタノール(MeOH)の脱水によりDMEを生成 ・回収するプロセスであって、ストリッパを用いて、変換されていないMeOH を回収・再循環し、これを供給物としてDME反応器へ送り、新鮮な供給MeO Hからの生成ガスに含まれ、DME反応の副生成物であるDME工程からのその 水の分離と廃棄する工程を示している。 本発明のプロセスは、反応ガスを含むジメチルエーテル(DME)の生成のた めにメタノールを利用しており、ジメチルエーテルは、メタノールの変換されな いでいる部分及び反応の副産物として生成される水とは分離して 反応ガスから回収されるか、新鮮な供給メタノールからの反応生成ガス中に入れ られるか又は再循環されたメタノールに含まれる。DME反応器へ送られる供給 メタノールは、新鮮な供給メタノール部分及び生成ガスから回収され、DME反 応器へ再循環して戻されたメタノール部分からなる。 メタノールのうち新鮮な供給メタノールである部分は、任意の源から確保する ことができる。新鮮な供給メタノールの水分量は、望ましくは18重量%より少 なく、より望ましくは10重量%より少ない。水分量が約5重量%以下のメタノ ール流は、米国特許第5177114号及び第5245110号に記載のプロセ スにより、蒸留を必要とせずに、天然ガスから直接に生成できる。その記載は引 用によりここに加入される。更に、同じ発明者の所有に係る係属中の米国特許出 願第08/336298号は、メタノール生成のための改良されたプロセスを記 載しており、これにより、蒸留を必要とせずに、水分量が約10重量%以下のメ タノールを生成することができる。その出願の記載は、引用によりここに加入さ れる。 供給メタノールのうち再循環されたメタノールである部分は、まずDMEプロ セス反応ガスに蒸留処理を施すことにより回収される。蒸留処理では、生成ガス のDME成分はオーバヘッド流として分離され、生成ガスの変換されていないメ タノール及び水分は、底流として回収 される。底流は、54重量%以上の水を含むメタノールからなる。このメタノー ル−水の底流は、次にもう1つの蒸留ステップを受け、オーバヘッド流として、 水に対し相対的にメタノールの濃度が一層濃いものを生成し、底流として、0. 5重量%以下、より望ましくは0.05重量%以下のメタノールを含む水を生成 する。この第2の蒸留ステップのオーバヘッド流は、99%以上の変換されてい ないメタノールを含み、更なる蒸留プロセスを行うことなく、メタノール再循環 流として用いることができる。本発明のプロセスを最も利益を生む様に利用する ために焦点となるのは、第2の蒸留ステップの作業にあり、そこでは、DME蒸 留ステップから回収されたメタノール−水の底流は処理されて、メタノール再循 環流及びDMEプロセスから排出された底水流を生成する。このステップによる メタノール再循環流も多量の水を含むので、これは、DME反応器へ送られる供 給メタノールに水を導入することになる。DME生成プロセスで水の蓄積が起こ るのを防ぐには、このステップにより底流として排出された水の量が、新鮮な供 給メタノールからの水及びメタノールのDMEへの変換による水の副産物として 生成ガスに与えられる水の量に匹敵しなければならない。 本発明によれば、必要量の水が、単にストリッパなどの蒸留機器により容易に 排出され、排出された水の中で のメタノールの重大な損失はない。DME変換のためのプロセス条件を適宜選択 し、ストリッパ容器を用いると、メタノール含有量が約0.05重量%を越えな い必要量の排出水(rejection water)を得ることができる。ストリッパは、非 常に簡易な蒸留容器であり、そのオーバヘッド蒸留液のいかなる部分も環流する 必要なく作動される。専用のストリッパは、外部の環流能力を持たない蒸留容器 である。専用ストリッパを作動できる能率は、本質的には、そのプレート等価( plate equivalency)及びその再煮沸効率の関数である。更に所望であれば、環 流蒸留容器を少数の理論的プレートと共に低い環流率で用いて、約0.05重量 %を越えないメタノール含有量を持つ必要量の排出水を得ることができる。単純 なオーバヘッドコンデンサを用いることにより、供給物がコラムの最上部へ戻る のに必要な量の液状環流を提供することができる。ゼロ環流率で作動する環流蒸 留コラムとは、実際はストリッパである。従って、そのような単純な環流蒸留コ ラムを用いることで、水分量が広範囲に亘る新鮮な供給メタノールを扱うための 柔軟性の高いDME生成プロセスが提供される。 排出水の量の確保がストリップ容器の作動によるものであっても、低環流率の 環流蒸留容器及び理論的プレート数の作動によるものであっても、本発明の概念 の下では、そのようなプロセスのオーバヘッド流は、かなりの 量の水を含むメタノールからなる。このオーバヘッド流は、新鮮な供給メタノー ルに追加されるメタノール再循環流として、更なる蒸留プロセスを必要とせず用 いられ、DME反応器へ送られる結合された供給メタノールを形成することがで きる。このオーバヘッドメタノール−水流を再循環物として用いて供給メタノー ルを形成すると、供給メタノールに水が与えられるが、このメタノール再循環物 の水の含有量は、メタノールのDMEへの変換度を減少させるだけであり、この ことは、その回収に伴う簡素化された蒸留効率により実現される利点に比べると 重要ではない。 約3〜18重量%の水(H2O)を含むメタノール(MeOH)の新鮮な供給 物を用いて、単純なストリッパを使用することにより、MeOHのDMEへのワ ンパスの変換率を、約74乃至約79%メタノール変換に維持しながら(理論的 に可能な変換は91.5乃至97.7%)、DME回収ステップにより、底流と して回収されたMeOH−水を、排出水流及びMeOH−水再循環流に分離させ ることができる。例えば、約7重量%以上のH2Oを含んでいる新鮮なMeOH の供給物を用いると、単純なストリッパを使用したDMEプロセスにおいて、M eOHが排出水にとって望ましくないレベルで損失することなく、少なくとも7 6%、つまり、平衡限界(equilibrium limitation)に基づく理論的に可能な割 合の約9 4%のMeOH変換率を維持しながら、水分バランスの維持を達成することが比 較的容易となる。新鮮な供給MeOH中には、約10重量%より大きなレベルの 水分量を受け入れることができ、それは、MeOHのDMEへの変換度に比較的 小さな影響で、新鮮な供給MeOHストックの費用を軽減する。従って、約10 乃至約15重量%のH2Oを含むMeOHを用いて、単純なストリッパを使用す ると、MeOHのDMEへの変換レベルを約75%以上(理論上の92.8%) に維持しながら、排出水及びMeOH−水再循環流を提供することができる。 水分量が3乃至10重量%の範囲の原料メタノールは、同じ発明者が所有して いる米国特許第517714号及び第5245119号並びに係属中の米国特許 出願第08/336298号に記載されるプロセスによって、蒸留処理なしに直 接に生成できる。これらのプロセスによって生成される原料MeOHを新鮮な供 給MeOHとして用いることが望ましい。何故なら、これにより、単純なストリ ッパを用いて、DME生成プロセスを実行するのに必要な排出H2O及びMeO H−H2O再循環流を得ることができるからである。 従来のメタノール生成プロセスにより生成され、約15乃至約18重量%の水 を含む原料MeOHもまた、新鮮な供給MeOHと単純なストリッパにより確保 される必要な排出水及びMeOH−水再循環流として用いるこ とができる。但し、MeOHのDMEへの変換は、70乃至75%の範囲(理論 上の86.6乃至92.8%)に減少される。 湿った新鮮な供給メタノールを用いて、約77%以上(即ち、理論上の95. 25%以上)のMeOH変換率でDMEプロセスの作用を維持するためには、単 純なストリッパよりも環流蒸留容器を用いることが必要である。必要な環流率及 び理論的プレート数は、わずかなものである。従って、1つの理論的プレートの コラムであって、プレートに液体乾留供給物を与えるための上部コラムコンデン サを持つものは、必要量の排出水及びMeOH−水再循環物を提供し、5重量% 以上のH2O含む新鮮な供給MeOHストックを用いた作動を可能にする。単純 なストリッパよりも能率のよい環流コラム(約0.5/1の環流率)を用いると 、15重量%までの水を含む新鮮なMeO供給物を76%以上の変換率で作動す ることが可能にする。 図1を参照すると、本発明のプロセスの実施例が例示されている。新鮮な供給 MeOH(2)及び再循環MeOH−水(3)の源は結合され、コンプレッサ(4)に より約10乃至約12絶対圧(ata)まで加圧され、ライン(6)により間接熱 交換機(8)まで送られ、そこで、結合された供給MeOHは、ライン(14)により 熱交換機(8)に送られる反応生成ガスを用いた間接的熱交換により、 約550乃至約650°Fの温度まで加熱される。結合された供給MeOHは、 次にライン(10)によって、反応器(12)へ進み、酸性アルミナなどの酸触媒に接触 し、そこで、結合供給物のMeOH成分の一部分は、DME及び副産物の水に転 換される。DME、変換されていないMeOH及び水からなる反応生成ガスは、 ライン(14)により熱交換機(8)を通り、そこからライン(16)により冷水熱交換機 (18)に進み、そこで、生成ガスは、約150乃至約200°Fにまで冷却され、 その後、ライン(20)によりDME蒸留コラム(22)に進み、生成ガス中の変換され ていないMeOH及び水分から、DME及びメチルエチルエーテルの如き他の少 量のエーテルを分離する。 DME蒸留コラムは、約9.5乃至約11.5ataの圧力で作動される。D MEはオーバヘッド流(23)として回収され、冷水熱交換機(24)を通過し、そこか らライン(26)を通ってDMEコンデンサ(28)に進む。コンデンサ(28)からの液体 濃縮物(30)は、DME及び他の高沸点エーテル(higher boiling ethers)からな る。このDME濃縮物は、コンデンサを通過して、2つの流れに分割される。流 れの一部分は、ライン(32)により、環流としてDME蒸留コラム(22)に戻され、 第2の部分はDME生成物として回収され、ライン(34)を通って貯蔵されるか若 しくは次の処理を施される。所望により、このDMEを更に蒸留して、メチルエ チルエーテルなどの少量の高 沸点エーテルを分離してもよい。従って、本発明のプロセスを用いれば、メチル エチルエーテルを生成する少量のエタノールをメタノールから除去するための高 価なメタノールの蒸留処理を必要とせずに、純度の高いDME生成物を生成する ことができる。DMEコラム(22)からの底流(36)は、MeOHとH2Oとからな る。この底流は分割され、その一部分は、ライン(38)によって再煮沸器(reboile r)(40)を通過し、そこで約320乃至480°Fまで加熱され、次に、ライン(4 2)によりDMEコラム(22)の底部に戻る。底流の第2の部分は、ライン(44)によ りバルブ(46)を通過し、次にライン(48)により、約1ataで作動されるストリ ッパコラム(50)の最上部に、供給物として送られる。ストリッパ(50)からの底流 (52)は、0.05重量%以下のMeOHを含むH2Oからなる。この底流は分割 され、このH2O流の一部分は、ライン(54)によりプロセスから排除される。こ のH2O流の第2の部分は、ライン(56)により再煮沸器(58)まで進み、そこで2 15乃至230°Fまで加熱され、次にライン(60)により、ストリッパ(50)の底 部へ戻される。オーバヘッド流(62)は、MeOHとH2Oとからなる。このオー バヘッド流は、冷水熱交換機(64)まで進み、そこからMeOHコンデンサ(66)ま で進む。液体MeOH濃縮物(68)は、このコンデンサ(66)からライン(3)により 進み、ライン(2)により供給される供給MeOHストックの新鮮な部 分と結合する。 所望により、DMEコンデンサ(28)からのオーバヘッドガス(29)を、新鮮な供 給MeOHストックの部分で洗浄し、このオーバヘッドガスから残留DME蒸気 を回収してもよい。この場合、オーバヘッドガス(29)はスクラバー(70)内へ進み 、ライン(72)により供給される新鮮な供給MeOHストックの一部分はスクラバ ー(70)まで進み、ガスと向流接触(countercurrent contact)した後、ガスはライ ン(74)により出され(vented)、供給MeOHのこの部分はライン(76)により回収 され、図に示す如く、ライン(3)の再循環MeOH−水流と結合される(または 、図示していないが、ライン(2)の新鮮な供給MeOHに追加される。) 例 DME回収ステップからのMeOH−水の流れを単純なストリッパを用いて処 理して、排出水及びMeOH−水の再循環水を形成するプロセスが実行可能とな るポイントを説明するため、多数の事例が検討された。その事例中では、新鮮な 供給メタノールの水分量は、約1乃至約18重量%の間で変化し、ストリッパの 諸条件は、DME反応器に供給される供給MeOH総量の一部として、再循環用 のストリッパオーバヘッド流として得られるであろうH2O:MeOHの最低モ ル比について測定された。 反応生成ガスのMeOH及びH2O成分がDMEから分 離されると、ストリッパへのMeOH−H2O供給物となると仮定し、この供給 物の構成物が、ストリッパにより、無数のまたは換言すれば、理論的強化要因(t heoretical enrichment factor)と表現される無限の高さの理論的プレートを用 いて処理されると、理論的に可能なオーバヘッド構成物となることができると仮 定して、理論的強化要因の約96%以上のオーバヘッドガスについて、実際のオ ーバヘッド強化要因を用いて、ストリッパからのオーバヘッドガス構成物が測定 された。強化要因とは、ストリッパからの蒸留物中のH2O:MeOHのモル比 により分割されるストリッパへの供給物中のH2O:MeOHのモル比の値であ る。その結果は、表IA及びIBに例1〜11として報告されている。 報告された値は全て、MeOHのDMEとH2Oに対する反応の平衡値である 4.45に基づいている。MeOH、H2O及びDMEの化学式量は、それぞれ 、32、18及び46と計算された。Perry's Chemical Engineer's Handbook, Sixth Edition,(1984),p.13-13で報告されているメタノール−水の2成分系に ついての液体−蒸気平衡定圧データ(The Constant-Pressure Liquid-Vapor Equi librium Data)が用いられた。MeOH、H2O及びDMEの値は、1bモル/時 間で表されている。 例12−15 5.32重量%のH2Oを含む、又はMeOH:H2Oのモル比が10:1であ る新鮮な供給MeOHの状態を、ストリッパからのオーバヘッド中のH2O:M eOHのモル比の増加について調べられた。その範囲は、これらの作動の結果生 じるMeOH−水供給物に作動するように設計されたストリッパの理論的最大能 力の約96%で作動させた例7の値0.56から、ストリッパの理論的最大能力 のそれぞれ57.4%及び33.1%以下の範囲で作動させる値1.0及び2.0ま でである。更に、7重量%の水を含む新鮮な供給メタノールとH2O:MeOH のモル比が0.8の再循環供給MeOH、及び15.66重量%の水を含む新鮮 な供給MeOHとH2O:MeOHのモル比が1.0の再循環供給MeOHが調べ られた。結果は表IIに報告されている。 例7と例12−13との比較から分かるように、再循環用に回収されたMeO Hの量に比例して、より多量の水がストリッパオーバヘッドに受け入れられる。 ストリッパの理論的プレート等価に関する条件は減少する。このことは、ストリ ッパのコストが低下することを意味する。但し、ストリッパの最上部の生成物に おける水の量の増加により、ストリッパの再煮沸効率は増加する。ストリッパの コストで相殺されているMeOH変換率に関して、ストリッパのオーバヘッドに おけるH2O:MeOHのモル比が約0.6乃至約2.0以内、望ましくは約0. 7乃至約1.2以内、より望ましくは約0.8乃至約1.0以内の時、ストリッ パを用いた作動は最適となる。 更に、約76%以上のMeOH変換率を維持しながら、約10乃至約15重量 %のH2Oを含む新鮮な供給メタノールを用いて作動することを選択する例が示 すように、単純な専用ストリッパは実用的に用いることができなかったが、比較 的単純な環流蒸留容器は用いることができた。この場合、オーバヘッドコンデン サを用いて作動され、環流の蒸留に対する比が0.5:1と小さい液体環流を最 上部の理論的プレートへ提供する単純な蒸留コラムは、H2O:MeOHのモル 比が0.25のオーバヘッド構成物を容易に提供することができた。 以上、本発明の望ましい実施例を記載してきたが、当該技術の専門家は、この 記載から、ここ又は以下の請求 の範囲に記載の本発明の範囲と精神から逸脱しないような変更及び修正を行うこ とが可能であることが分かるであろう。
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(1)新鮮な部分のMeOH並びにMeOH及び水(H2O)により構成され る再循環流とからなるメタノール(MeOH)の供給物を脱水触媒に接触させて DME、MeOH及びH2Oにより構成される生成ガス構成物を形成するステッ プ、 (2)生成ガス構成物を蒸留して、そのDME成分をMeOH成分及びH2O 成分から分離・回収するステップ、 (3)生成ガス構成物を蒸留して得られたMeOH成分及びH2O成分を蒸留 容器に送り、 (a)MeOHの新鮮部分の水分と、生成ガスのDME成分を形成するこ とにより生成される水分との合計に等しいH2Oからなる底流であって、該底流 のMeOH成分は、0.5重量%より少ない底流及び (b)蒸留容器への供給物のMeOH成分の99重量%以上により構成さ れ、H2O:MeOHのモル比は0.25以上であるオーバヘッド流 を生成し、 (4)蒸留容器からのオーバヘッド流を再循環して、MeOHの新鮮な部分と 結合させて供給メタノールを 形成し、脱水触媒と接触させるステップ により構成されるジメチルエーテル(DME)を生成するプロセス。 2.MeOHの新鮮供給物部分は、約3乃至約18重量%の水を含む請求項1の プロセス。 3.供給メタノールのメタノール含有量の74%以上がDMEに変換される請求 項2のプロセス。 4.供給メタノールのメタノール含有量の76%以上がDMEに変換される請求 項3のプロセス。 5.蒸留容器からのオーバヘッド流のH2O:MeOHのモル比は2.0以下で ある請求項2のプロセス。 6.蒸留容器はストリッパとして作動され、ストリッパからのオーバヘッド流の H2O:MeOHのモル比は0.6以上である請求項5のプロセス。 7.ストリッパからのオーバヘッド流のH2O:MeOHのモル比は1.0以下 である請求項6のプロセス。 8.供給メタノールのメタノール含有量の少なくとも71.5%がDMEに変換 される請求項5のプロセス。 9.供給メタノールのメタノール含有量の少なくとも75%がDMEに変換され る請求項7のプロセス。 10.MeOHの新鮮供給物部分は、約7%以上の水を含む請求項4のプロセス。 11.MeOHの新鮮供給物部分は、約3乃至約10重量%の水を含む請求項7の プロセス。 12.更に、生成ガス構成物から回収されるDMEを蒸留し、DMEから高沸点エ ーテルを分離・回収するステップからなる請求項1のプロセス。 13.ストリッパからの底流のメタノールの含有量は、該底流の0.05重量%よ り少ない請求項6のプロセス。 14.ストリッパのオーバヘッド流は、ストリッパへの供給物のMeOH含有量の 99.5重量%以上により構成される請求項6のプロセス。 15.(1)新鮮な部分のMeOH並びに、MeOH及び水(H2O)により構成さ れる再循環流とからなるメタノール(MeOH)の供給物を脱水触媒に接触させ てDME、MeOH及びH2Oにより構成される生成ガス構成物を形成するステ ップ、 (2)生成ガス構成物を蒸留して、そのDME成分をMeOH成分及びH2O 成分から分離・回収するステップ、 (3)生成ガス構成物を蒸留して得られたMeOH成分及びH2O成分を蒸留 容器に送り、 (a)MeOHの新鮮部分の水分と生成ガスのDME成分を形成すること により生成される水分との合計に等しいH2Oからなる底流であって、該底流の MeOH成分は、0.5重量%より少ない底流及び (b)ストリッパへの供給物のMeOH成分の9 9重量%以上により構成され、H2O:MeOHのモル比は0.6以上であるオ ーバヘッド流 を生成し、 (4)ストリッパからのオーバヘッド流を再循環して、MeOHの新鮮な部分 と結合させて供給メタノールを形成し、脱水触媒と接触させるステップ により構成されるジメチルエーテル(DME)を生成するプロセス。 16.(1)約15乃至約18重量%の水分を含む新鮮な部分のMeOH並びにMe OH及び水(H2O)により構成される再循環流とからなるメタノール(MeO H)の供給物を脱水触媒に接触させてDME、MeOH及びH2Oにより構成さ れる生成ガス構成物を形成するステップ、 (2)生成ガス構成物を蒸留して、そのDME成分をMeOH成分及びH2O 成分から分離・回収するステップ、 (3)生成ガス構成物を蒸留して得られたMeOH成分及びH2O成分を、環 流対蒸留の比(R/D)が0.5以下で作動する蒸留コラムに送り、 (a)MeOHの新鮮部分の水分と生成ガスのDME成分を形成すること により生成される水分との合計に等しいH2Oからなる底流で あって、該底流のMeOH成分は、0.05重量%より少ない底流及び (b)蒸留コラムへの供給物のMeOH成分の99重量%以上により構成 され、H2O:MeOHのモル比は0.25以上であるオーバヘッド流 を生成し、 (4)蒸留コラムからのオーバヘッド流を再循環して、MeOHの新鮮な部分 と結合させて供給メタノールを形成し、脱水触媒と接触させるステップ により構成されるジメチルエーテル(DME)を生成するプロセス。 17.供給メタノールのメタノール含有量の76%以上がDMEに変換されるクレ ーム16のプロセス。
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