JPH08291092A - イソプロピルアルコールの製造方法 - Google Patents

イソプロピルアルコールの製造方法

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JPH08291092A
JPH08291092A JP8033809A JP3380996A JPH08291092A JP H08291092 A JPH08291092 A JP H08291092A JP 8033809 A JP8033809 A JP 8033809A JP 3380996 A JP3380996 A JP 3380996A JP H08291092 A JPH08291092 A JP H08291092A
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繁 平田
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 強酸性の固体触媒の存在下に、プロピ
レンと水とを高温高圧の下で直接液相水和させてイソプ
ロピルアルコールを製造する方法において、イソプロピ
ルアルコールの液相水和反応、及び、反応混合物の液相
からの該イソプロピルアルコールの抽出を各々好適な条
件下にて連続的に行い、高いプロピレン転化率で反応を
行うとともに、適度な濃度で粗イソプロピルアルコール
水溶液を効率良く得るイソプロピルアルコールの製造方
法。 【効果】 イソプロピルアルコールを濃縮するのに要
するエネルギーを低減すると同時に、多大な製造設備を
必要としないイソプロピルアルコールの製造方法を提供
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗料溶剤や医薬、
農薬、合成原料、洗浄剤として工業的に利用されるイソ
プロピルアルコールをプロピレンの液相直接水和により
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プロピレンの液相直接水和によるイソプ
ロピルアルコールの製造は、ブテンの水和によるsec-ブ
タノールの製造とともに旧くから知られている。水和反
応に供される触媒は酸触媒であり、強酸性の陽イオン交
換樹脂とヘテロポリ酸触媒を利用した製造方法が既に工
業化されている。なかでも、強酸性の陽イオン交換樹脂
に代表される固体触媒を用いる方法では、水和反応を実
施する条件が100〜150℃の温度、60〜200気圧の圧力
と、ヘテロポリ酸触媒を用いる場合よりも低温低圧であ
り、反応器構築上優位である。 公知のごとく、固体触
媒を用いるプロピレンの液相直接水和法では、好適な反
応条件を選ぶことにより、75%以上の高い原料プロピレ
ン転化率を達成することができる(特公昭45-33165
号)。しかしながら、95〜99%の高いイソプロピルアル
コール選択率を得るには、通常、反応によるイソプロピ
ルエーテル等の副生を抑制するために、反応器の入口
に、原料プロピレンに対して10倍モル以上の多量の水を
供給しなければならず、必然的に、反応器出口の液相は
大部分が水となり、得られる粗イソプロピルアルコール
水溶液の濃度は10〜30wt%程度に留まらざるを得ないの
が実状である。
【0003】一方、工業的に利用されているイソプロピ
ルアルコールの大部分は無水であるため、液相直接水和
法では、かくのごとく低濃度で得られた粗イソプロピル
アルコール水溶液を無水にまで濃縮する必要が生じる。
イソプロピルアルコールは水と共沸混合物を形成するた
め、工業的には、蒸留法によって粗イソプロピルアルコ
ールを共沸組成濃度まで濃縮した後、ベンゼン等の適当
な共沸剤を用いた共沸蒸留法により脱水し、精留操作を
経て無水の製品として製造されるのが通例であり、かか
る濃縮に要するエネルギーは極めて多大なものとなって
いる。かくのごときアルコールの濃縮に要するエネルギ
ーの低減化をはかる方法が従来いくつか提案されてい
る。
【0004】特公平2−24257号においては、液相
ヘテロポリ酸を触媒としてn-ブテンと水からsec-ブタノ
ールを製造するに際し、n-ブテンの臨界温度及び臨界圧
力を上回る温度、圧力条件下に液相水和反応を行い、主
に未反応n-ブテンからなる反応混合物の気相を連続的に
反応器から抜き出して冷却することにより、該気相を液
化し、主に未反応n-ブテンと反応生成物であるsec-ブタ
ノールからなる軽液相と、主に水からなる重液相とに分
離させ、該軽液相を蒸留することにより、未反応n-ブテ
ンを除去してほとんど無水のsec-ブタノールを製造する
方法が記載されている。この方法は粗アルコールの脱水
工程を必要とせず、見かけ上、濃縮にかかわるエネルギ
ーを大幅に低減せしめた好適な例であるが、反応器にお
ける原料ブテンの転化率は10%程度に留まることから、
単に反応器容積が多大となるのみならず、アルコール製
造に必要な量論量の実に9倍モル以上の多量の未反応ブ
テンを反応器に再圧縮循環しなければならないという工
業上の問題点を有している。
【0005】特公昭60-24082号では、炭素原子数2〜6
の蒸気状低級オレフィンを液状水で強酸性固体物質の存
在下に高温高圧で直接接触水和し、粗アルコールを反応
混合物から分離することにより、炭素原子数2〜6の低
級アルコールを得るに当たり、(1) オレフィン含有蒸気
流を酸性触媒で満たされた反応器に底部から導入し、反
応させるべきオレフィン1モル当たり液状水少なくとも
1モルを反応器に装入し、(2) オレフィンの臨界温度及
び臨界圧力よりも高いか又は少なくとも僅かに低い温度
及び圧力条件で反応させ、(3) 反応混合物の水相を全部
反応器に留めるか又はその主要量を反応器に戻し、(4)
未反応のオレフィン及びほとんどすべての反応生成物を
含む蒸気流を反応器頂部から排出し、(5) 排出蒸気流か
ら、主として形成されたアルコールから成る粗生成物を
液状で分離する、ことを特徴とする製造方法が記載され
ている。
【0006】この方法によれば、反応におけるイソプロ
ピルアルコールの選択率が高く、液状分離されるイソプ
ロピルアルコールも高濃度で得られるとされている。ま
た、かかる選択率の高さは、反応生成物がほとんど直接
的に気相に移行して液相中のイソプロピルアルコール濃
度が極端に低く保たれることに関連するとされている。
実施例の記載に従えば、135℃、100気圧において液相水
和反応を実施した場合、イソプロピルアルコール選択率
は99%以上、液状分離物は80wt%イソプロピルアルコー
ルであり、イソプロピルアルコールが高濃度で得られて
いるが、未だにその共沸組成濃度である88wt%には到達
していない。さらに、ニューチャージのプロピレンを毎
時5.6モル供給し、イソプロピルアルコールが毎時4.2モ
ル得られていることから、総括反応転化率としては75%
を呈しているが、該公報第5頁第9欄第14〜20行に記載
されているごとく、反応器出口から抜き出した蒸気の一
部を反応器入口に循環させているため、明確な記述はな
いものの、反応器入口及び出口間での反応転化率は75%
未満であることは明白である。
【0007】本発明者らの知見によれば、該公報に記載
されている方法のごとく135℃、100気圧の条件下にて、
液相中のイソプロピルアルコールを極端に低く保って水
和反応を行うためには、反応混合物の気相を大量に反応
器へ循環しなければならず、例えば、該液相中のイソプ
ロピルアルコール濃度が10wt%以下となるように反応を
実施した場合には、反応器入口及び出口間でのプロピレ
ン転化率は僅か8%程度に留まることが判明した。従っ
て、該公報の方法では、先の特開昭60-149536号の方法
と同じく、原料オレフィンの反応転化率が低くなり、反
応器容積が多大になると同時に未反応オレフィンの循環
量が多量になることに変わりはなく、工業上の問題点の
直接的解決にはならない。
【0008】すなわち、オレフィンの液相水和反応によ
って合成されたアルコールを反応混合物の気相側から高
濃度で回収する、かくのごとき製造方法では、見かけ
上、反応器内液相中にて合成されたアルコールを、同じ
く反応器内に存在する未反応原料オレフィンで抽出して
反応器から抜き出す形式になっているため、原料オレフ
ィンの転化率が低くなるのは、本発明者らに言わしめれ
ば当然の帰結であり、反応器容積及び未反応オレフィン
循環量が多大になることは避けられないのである。
【0009】一方、オレフィンの水和反応や発酵によっ
て得られた低濃度粗アルコール水溶液をより効率良く濃
縮する方法として、CO2や炭化水素類を抽剤として用
い、該抽剤が超臨界流体、亜臨界流体又は液体のいずれ
かの状態となるような条件下にて抽出処理を行うことに
より、該液相中に含まれるアルコールを高濃度に濃縮す
る方法が提案されている。なお、ここで「亜臨界流体」
とは、ある抽剤物質が存在する場合に、該物質がその臨
界温度及び臨界圧力の近傍の温度、圧力下にあるときの
状態を意味しており、より具体的には、温度又は圧力の
いずれかが該物質の有する臨界値以上であり、もう一方
が該臨界値よりも僅かに低い条件下か、もしくは、温度
及び圧力がともに該臨界値より僅かに低いような条件下
にあるときの物質の状態を指す。
【0010】特開昭62-25982号では、発酵アルコール、
高沸点不純物からなる有機液体溶液及び水からなる混合
物に抽剤を加え、該抽剤が超臨界状態又は亜臨界状態と
なる条件下で接触させて、混合物を形成させ、該混合物
を抽出分離槽に導いて、水を主成分とし、大部分の高沸
点不純物、一部のアルコール及び溶剤を含有する抽残相
と、該溶剤を主成分とし、大部分のアルコール及び一部
の高沸点不純物を含有する抽出相に分離させ、該抽出相
を該抽出分離槽より抜き出して不純物分離槽に導き、該
不純物分離槽を減圧させることにより、実質的に高沸点
不純物を含まない、高濃度のアルコールを回収するこ
と、を特徴とするアルコール濃縮精製方法が記載されて
いる。
【0011】該公報の実施例によれば、10wt%のエタノ
−ル水溶液に対し、その6倍重量のCO2を抽剤として
混合し(S/F(抽剤量/原抽料量)比=6)、40℃、
110気圧の下で接触させ、抽出分離槽にて抽出相と抽残
相に分離し、該抽出相を抜き出して不純物分離槽に導
き、温度一定のまま、80気圧に減圧して不純物を分離し
たところ、該不純物分離槽内に残留したCO2以外の物
質及び組成は、およそエタノ−ル80wt%、水20wt%にな
るとされている。
【0012】該公報記載のアルコール濃縮方法を実用化
するには、アルコールに対して実に60倍重量も使用する
抽剤CO2を実質的に全量回収し、再循環使用すること
が必須となるが、本発明者らの知見によれば、CO2
アルコールに溶解しやすいため、公知の方法のごとく減
圧を主とした操作によって、主にCO2からなる該不純
物分離槽内残留物からCO2を含まない高濃度アルコー
ルを分離するには、該不純物分離槽内残留物をさらに大
気圧〜数気圧程度まで減圧する必要がある。該公報の方
法は、発酵アルコール、すなわちエチルアルコールの濃
縮を目的としたものであるが、該公報と同じ方法によっ
てイソプロピルアルコールの濃縮を行う場合も全く同様
の問題が生ずるのである。従って、かかる低圧下にて高
濃度アルコール水溶液を分離した後、回収された抽剤C
2を再圧縮循環するために要する動力は極めて多大と
なり、実用上大きな問題をもたらす。
【0013】多段抽出操作や多段減圧操作により、抽剤
CO2によるアルコールの抽出効率を高め、かつ、抽出
相と抽残相、あるいは該抽出相を形成している抽剤と抽
質(高濃度アルコール)をより完全に分離する方法も提
案されているが、いずれの方法によっても、分離性の問
題は未だ十分に解決されておらず、また抽剤の再圧縮循
環動力に関する問題が残されており、さらには多大な設
備を必要とするため、実用に際して解決すべき課題は多
い(特開昭62-25983号、特開昭62-25984号、特開昭62-2
9988号)。
【0014】特開昭61-100181号には、低濃度アルコー
ル水溶液と抽剤CO2を接触させて得られた抽出相を減
圧することにより、該抽出相から粗アルコールを分離
し、かくして得られた粗アルコールを、ベンゼンを共沸
剤とした共沸蒸留塔に供給し、該蒸留塔にて粗アルコー
ルの脱水を行うと同時に、塔頂に設置された分縮型コン
デンサーから粗アルコール中に溶存していたCO2を分
離回収し、抽剤として再圧縮循環させる方法が提案され
ている。該公報の方法は、粗アルコール中に溶存する抽
剤CO2を完全に分離回収するという課題に関して一応
の解決策を与えたものであるが、循環使用すべき抽剤C
2量は依然大きいため、必要となる圧縮循環動力及び
抽出設備規模に関わる本質的な問題は解決されていな
い。
【0015】特公平5-36418号には、向流抽出塔の上部
よりアルコール及び水を主成分とする原抽料を、下部よ
りプロパン、プロピレン、n-ブタン及びi-ブタンよりな
る群のうちの一つの抽剤を供給し、向流抽出塔内におい
て該抽剤が超臨界状態又は亜臨界状態となるような条件
下で両者を向流で接触させ、該抽出塔上部より濃縮アル
コールを含んだ抽出相を抜き出した後、該抽出相を冷却
液化させて2相分離させ、水分に富んだ重液相を全量該
抽出塔上部へ還流し、炭化水素に富んだ軽液を蒸留塔に
導入し、該炭化水素とアルコールを蒸留分離することに
より、該蒸留塔の塔底からほぼ無水のアルコールを得る
方法が記載されている。かかる方法によれば、該蒸留塔
の塔頂から回収される炭化水素抽剤を再圧縮する際に発
生する熱を該蒸留塔のリボイラーに有効利用できるた
め、アルコールの濃縮に要するエネルギーが既存蒸留法
の約1/3〜1/5になるとされている。
【0016】しかし、かかる方法においては、該公報の
記載内容(同公報第2頁第4欄第13行〜第3頁第6欄第
39行)及び物質収支(同公報第6頁第2図)より明かな
様に、該抽剤抽出蒸留塔の塔底から回収される無水アル
コールには、重量比で1.5倍もの抽剤炭化水素が含まれ
ており、実用に際しては無水アルコールから該炭化水素
をさらに分離(蒸留)回収し、抽剤として再圧縮循環さ
せる必要がある。また、10wt%のアルコールをほとんど
無水(約99.9wt%)にまで濃縮できる反面、S/F比は
5以上と大きいため、抽剤炭化水素の再圧縮循環動力と
抽出設備が多大となる問題点は解決されていない。
【0017】また、特公平3−29393号には、原抽
料であるアルコール水溶液を向流抽出塔の中部より供給
し、該抽出塔の下部よりプロパン(抽剤)を供給してア
ルコールの抽出を行い、原抽料供給口よりも下部におい
ては、該プロパンが超臨界状態または亜臨界状態となる
ようにし、該原抽料供給口よりも上部においては該プロ
パンが液体状態となるようにし、主に該プロパンからな
る抽出相を液体として該抽出塔上部より抜き出した後、
該抽出相を蒸留することにより、該抽出相から無水に近
い高濃度のアルコールを回収する方法が報告されてい
る。該公報の実施例によれば、適当な抽出条件を設定す
ることにより、原抽料である10wt%アルコール水溶液を
約95〜98wt%(プロパンフリー)の高濃度アルコールに
濃縮できるとされているが、S/F比は3以上と依然多
量であり、抽剤の再圧縮循環動力及び抽出設備規模に関
わる問題は未だ十分に解決されていない。抽剤にCO2
を用い、同様な原理でアルコール抽出を行う方法も提案
されているが(特公平5-36419号)、この場合に必要と
なるS/F比は10以上と大きいため、実用的にはむしろ
抽剤として炭化水素(プロパン)を用いた先の特公平3
−29393号記載の方法の方が好ましく、依然、問題
の本質的解決には至っていない。
【0018】すなわち、以上述べてきたような超臨界、
または亜臨界状態にある抽剤によるアルコール抽出法
は、該抽剤が常温常圧下において気体であるため、抽剤
の循環使用には必然的に大きな圧縮動力を要するととも
に抽出後の抽剤の分離回収が難しく、さらに、抽出塔及
びその付帯機器が全て高圧設備となり大規模な設備を要
するという点で、諸工業において広く利用されている液
液抽出法とは本質的に異なるのである。例えば、抽剤の
圧縮循環動力に関して述べれば、単位抽剤重量あたりに
要する動力は、液々抽出法とは比較にならない程大きい
ため、例えアルコールを実質的に無水にまで濃縮でき、
従来のような蒸留法による脱水を不要にできたとして
も、抽剤の圧縮循環動力があまりに多大となり、エネル
ギー的にはかえって不利となるケースも往々にして存在
するのである。従って、かくのごとき抽出法を実用化す
るにあたり、目的通り、アルコール濃縮に要するエネル
ギーを低減させるためには、アルコールを可能な限り高
濃度で抽出することよりも、むしろ、抽出操作のS/F
比、すなわち抽剤循環量を大幅に低減させることが重要
となるのである。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、プロ
ピレンの液相直接水和によりイソプロピルアルコールを
製造するに際して、イソプロピルアルコールの液相水和
反応、及び、反応混合物の液相からの該イソプロピルア
ルコールの抽出を各々好適な条件下にて連続的に行い、
高いプロピレン転化率で反応を行うとともに、適度な濃
度で粗イソプロピルアルコール水溶液を効率良く得るこ
とにより、該イソプロピルアルコールを濃縮するのに要
するエネルギーを低減すると同時に、多大な製造設備を
必要としないイソプロピルアルコールの製造方法を提供
することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、強酸性の固体
触媒の存在下に、プロピレンと水とを高温、高圧の下で
直接水和し、かくして得られた反応混合物から粗イソプ
ロピルアルコール水溶液を分離し、該水溶液を精製処理
してイソプロピルアルコールを製造する方法であり、方
法は、より具体的には、 〔1〕 強酸性の固体触媒の存在下に、プロピレンと水
とを高温、高圧の下で直接水和し、かくして得られた反
応混合物から粗イソプロピルアルコール水溶液を分離
し、該水溶液を精製処理してイソプロピルアルコールを
製造するに際し、(1) 固体触媒を充填もしくは懸濁させ
た反応器内に、プロピレンと、反応させるプロピレン1
モル当たり少なくとも1モル以上となる水とを連続的に
供給し、温度100〜250℃、圧力60〜200気圧
下で反応させ、(2) 反応混合物の気相と液相をそれぞれ
反応器から全量連続的に抜き出し、(3) 該反応混合物の
気相は、蒸留塔に供給して、塔底から主に原料プロピレ
ンに含まれていたプロパンからなる不純物を除き、塔頂
から未反応プロピレンを回収して反応器入口に循環さ
せ、(4) 該反応混合物の液相は、炭素数3もしくは4の
飽和炭化水素からなる抽剤と、該抽剤の臨界温度〜該臨
界温度+40℃の温度、及び、臨界圧力〜200気圧の
圧力、S/F比が0.3〜3の条件の下で接触させて、
反応生成物であるイソプロピルアルコールを該反応混合
物の液相から抽出し、(5) 主に水からなる抽残液の主要
量を反応器入口に循環させ、(6) 主に該飽和炭化水素か
らなる抽出相から、該イソプロピルアルコールを高濃度
の水溶液として分離し、該水溶液を精製して精イソプロ
ピルアルコールを得る、ことを特徴とするイソプロピル
アルコールの製造方法であり、または、 〔2〕 反応混合物の液相と抽剤を接触させて得られた
主に飽和炭化水素からなる抽出相から、反応生成物であ
るイソプロピルアルコールを高濃度の水溶液として分離
するに際し、該抽出相を、該飽和炭化水素の臨界圧力以
下まで減圧することによって、主に該飽和炭化水素から
なる気相と、主にイソプロピルアルコール及び水からな
る液相とに分離させる〔1〕記載の製造方法であり、ま
たは、 〔3〕 反応混合物の液相と抽剤を接触させて得られた
主に飽和炭化水素からなる抽出相から、反応生成物であ
るイソプロピルアルコールを高濃度の水溶液として分離
するに際し、該抽出相を、圧力を実質的に維持したま
ま、該飽和炭化水素の臨界温度以下まで冷却することに
よって、主に該飽和炭化水素からなる軽液相と、主にイ
ソプロピルアルコール及び水からなる重液相とに分離さ
せる〔1〕記載の製造方法であり、または、 〔4〕 反応混合物の液相と抽剤を接触させて得られた
主に飽和炭化水素からなる抽出相から、反応生成物であ
るイソプロピルアルコールを高濃度の水溶液として分離
した後に残る該飽和炭化水素の主要量を抽剤として循環
使用する〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の製造方法で
あり、または、 〔5〕 抽剤として循環使用する飽和炭化水素の一部を
抜き出し、反応混合物の気相とともに蒸留塔に供給し、
該蒸留塔の塔底から該飽和炭化水素を分離する〔4〕記
載の製造方法であり、または、 〔6〕 飽和炭化水素がプロパンである〔1〕〜〔5〕
のいずれかに記載の製造方法であり、または、 〔7〕 抽剤に用いる飽和炭化水素として、原料プロピ
レンに含まれており、未反応プロピレンの蒸留回収時に
蒸留塔の塔底から分離されるプロパンを使用する〔1〕
〜〔6〕のいずれかに記載の製造方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】まず添付図面について説明する
に、図1は本発明を実施するためのフローシートであ
る。ここで1は水供給導管、2はプロピレン供給導管、
3はリサイクルプロピレン循環管、4はリサイクル水循
環管、5は反応器、6は冷却凝縮器、7は気相排出管、
8は液相排出管、9は熱交換器、10は抽出管、11は
飽和炭化水素供給導管、12は抽出相排出管、13及び
14は圧力調整弁、15は気液分離管、16は気体飽和
炭化水素排出管、17は粗イソプロピルアルコール水溶
液排出管、18は蒸留塔、19はコンデンサー、20は
缶出物排出管である。
【0022】図2もまた本発明を実施するためのフロー
シートであり、21が熱交換器、22が液液分離管、2
3が液体飽和炭化水素排出管になっている以外は図1と
同じである。
【0023】本発明で使用する強酸性の固体触媒は特に
限定されるものではないが、強酸性の官能基を有する触
媒、とりわけ、強酸性の陽イオン交換樹脂を代表的に用
いることができる。固体触媒は、反応器内に固定層とし
て充填してもよく、懸濁状態で使用してもよい。また、
液相ヘテロポリ酸のごとき水に溶解性を有する触媒を用
いても差し支えないが、かくのごとき触媒は、その腐食
性の故に反応器ならびに付帯設備に耐酸性の高級材質、
例えばハステロイやチタン等の使用を要求されることが
多いため、製造設備上は固体触媒を使用する方が好まし
い。これらの固体触媒を反応器内に充填もしくは懸濁し
て使用する。反応器は通常管型が使用されるが、もちろ
んこれに限られるものではない。
【0024】本発明の製造方法では、反応器から、反応
混合物の気相と液相を全量各々連続的に抜き出し、該液
相から反応によって生成したイソプロピルアルコールを
抽出分離した後、精製するのであるから、反応は、反応
器入口及び出口間のプロピレン転化率が高く、かつ、イ
ソプロピルアルコールの選択率が高くなるような条件下
にて実施されることが望ましい。
【0025】前述の通り、強酸性の固体触媒の存在下に
プロピレンなどの低級オレフィンを液相直接水和する場
合、該低級オレフィンと量論量の少なくとも10倍以上の
水とを共存させ、使用する原料オレフィンの臨界温度及
び臨界圧力以上か又は少なくとも僅かに低い温度及び圧
力下にて反応を行うことにより、該原料オレフィンの転
化率が75%以上、アルコール選択率が95%〜99%程度と
いう好ましい反応成績が得られることは公知である(特
公昭45-33165号)。
【0026】本発明者らの知見によれば、固体触媒を使
用した場合、実用的な反応速度を確保するためには、反
応は少なくとも100〜250 ℃以上の温度で行うことが好
ましい。反応温度の上限は、主に触媒の耐熱温度によっ
て決まり、例えば、ゼオライトやシリカアルミナ等を基
材とした強酸性固体触媒を用いれば、250℃程度の温度
でも反応を実施できる。より耐熱温度の低い強酸性イオ
ン交換樹脂を触媒に用いる場合には150℃以下の温度で
反応させることが好ましい。一方、水和反応の反応場と
なる液相中に原料プロピレンを溶解させるためには、あ
る程度高い圧力(反応圧力)が必要となり、かくのごと
き圧力はプロピレンの溶解度に多大な影響を及ぼす液相
中のイソプロピルアルコール濃度によって異なるが、本
発明者らの知見によれば、少なくとも60気圧以上で反応
を行うのが現実的である。また、圧力の上限は特に限定
されるものではないが、200気圧以下の圧力であること
が反応器構築上好ましい。
【0027】反応器からは、反応混合物の気相と液相を
それぞれ連続的に抜き出す。気相抜き出し口には冷却凝
縮器を設置して、反応混合物の気相中に存在するイソプ
ロピルアルコールを液化回収し、合成されたイソプロピ
ルアルコールの実質的に全量を反応混合物の液相側から
抜き出すことが、本発明の製造方法のより好ましい実施
の形態を提供する。反応器から抜き出された該気相は、
蒸留塔に連続的に供給し、該蒸留塔の塔頂から未反応プ
ロピレンを回収して反応器入口に再循環させる。工業的
に使用される原料プロピレンには、通常、4〜6%のプ
ロパンが含まれているが、該プロパンは、反応混合物の
気相中に僅かに存在するイソプロピルアルコール及び水
等とともに該蒸留塔の塔底から分離される。
【0028】反応器から連続的に抜き出された反応混合
物の液相は、先に従来技術として記載したごとく、超臨
界流体、亜臨界流体、又は、液体のいずれかの状態の適
当な抽剤と接触させることにより、該液相中に含まれる
イソプロピルアルコールを選択的に抽出することができ
る。しかしながら、前述の通り、かかるアルコール抽出
法に用いられる抽剤は、通常、常温常圧下において気体
であるため、抽剤の循環使用には必然的に大きな圧縮動
力を要するとともに、抽出後の抽剤の分離回収が難し
く、さらには抽出塔及びその付帯機器が全て高圧設備と
なるため設備が多大となる。従って、かくのごとき抽出
法を実用化するにあたり、アルコールをより高濃度で抽
出することもさることながら、抽出操作のS/F比、す
なわち抽剤循環量を大幅に低減させることが必須となっ
ている。従来技術には該要求を十分に満足させ得る方法
がなかった。
【0029】本発明者らは、かかる問題点を解決すべ
く、イソプロピルアルコールの製造工程に対して総合的
なエネルギー試算を行った結果、抽出をS/F比0.3
〜3、より好ましくは0.5〜2、さらに好ましくは1
〜1.5の条件で実施することができ、かつ、得られた
抽出相から分離回収される粗イソプロピルアルコール水
溶液の濃度を共沸組成濃度(88wt%)以上にすることが
できれば、例え、該イソプロピルアルコールの脱水に、
現在工業的に行われているごとく、ベンゼン等による共
沸蒸留法を採用したとしても、既存の抽出法が有する本
質的な問題点であった抽剤圧縮循環動力及び抽出設備の
過大さが大幅に緩和され、従来法よりも所要エネルギー
の少ない製造方法を構築できることを見い出した。
【0030】抽出条件としては、前述の通り、用いる抽
剤が超臨界流体、亜臨界流体又は液体のいずれかの状態
となる条件を選択することができるが、最終的に液体状
態の抽剤相中に含まれるアルコールを分離精製する方
法、すなわち、液体として抜き出された抽出相からアル
コールを分離回収する特公平 3-29393号及び特公平5-36
419号記載の方法や、超臨界流体又は亜臨界流体として
抜き出された抽出相を冷却液化させて液液分離させ、そ
の軽液相側からアルコールを分離回収する特公平5-3641
8号記載の方法では、無水に近い高濃度の粗アルコール
が得られる反面、該液化抽剤中に溶存し得るアルコール
量が僅かであるため、必然的に抽剤循環量が大きくな
り、前述のS/F比の好適実施条件を実現し得ない。
【0031】すなわち、かくのごとく低いS/F比を実
現するには、液体よりも大量のイソプロピルアルコール
が溶存し得る、超臨界状態もしくは亜臨界状態の抽剤相
から該イソプロピルアルコールを分離回収することが必
須となるのであり、結果的に分離回収された粗イソプロ
ピルアルコールの濃度が無水にはならなくとも、それが
共沸組成濃度以上であれば、製造工程全体の所要エネル
ギーとして見ればはるかに有利となるのである。
【0032】アルコール類を濃縮するための抽剤として
は、CO2、あるいはプロピレン等の不飽和炭化水素類
の利用も提案されているが、本発明者らは、それらの抽
剤よりも、炭素数3〜4の飽和炭化水素、より具体的に
は、プロパン、i-ブタン、n-ブタンのいずれか、もしく
はそれらを混合したものを抽剤とすることにより、同じ
原抽料(低濃度イソプロピルアルコール)に対する抽出
特性を比較した場合に、抽出されるイソプロピルアルコ
ールの量がより多く(抽出相中濃度がより高く)、か
つ、水よりもイソプロピルアルコールの方がより選択的
に抽出され、さらには、主に水からなる抽残液、又は、
該抽出相から分離された抽質(高濃度イソプロピルアル
コール水溶液)への抽剤の溶解量が少ないため、より効
率的、かつ前述のごとくエネルギー的優位性を供する抽
出処理を実現し得るという当業者に到底予期せざる驚く
べき知見を得たのである。本発明はかかる知見に基づき
なされるに到ったものである。
【0033】例えば、本発明者らが今回、実験的に検討
したところ、120〜130℃、80〜100気圧下の水、イソプ
ロピルアルコール及び抽剤(プロパン、プロピレン、C
2のいずれか)の3成分系気液平衡関係で比較する
と、液相中のイソプロピルアルコール濃度が抽剤フリー
で15〜20wt%である場合、該液相と平衡状態にある気相
中のイソプロピルアルコール濃度は、該抽剤がプロパン
の場合の方が、該抽剤がプロピレンもしくはCO2の場
合に比べて、1.2〜2.5倍も高いという予想外の挙動を示
すことを見出した。また、気相側のイソプロピルアルコ
ール濃度を抽剤フリー濃度に直すと、該抽剤がプロピレ
ンもしくはCO2の場合には約75〜85wt%であったのに
対して、該抽剤がプロパンの場合には、なんと常に90wt
%を越える高い濃度であった。一方、該液相に溶解して
いる抽剤の濃度を比較した結果、該抽剤がプロパンの場
合には約0.1〜1mol%であり、該抽剤がプロピレンもし
くはCO2の場合に比べ、溶存濃度が約1/2〜1/10であっ
た。
【0034】更に、プロピレン、プロパン、イソプロピ
ルアルコール、水の4成分系高圧気液平衡を厳密に測定
した結果、主にイソプロピルアルコールと水からなる液
相へのプロピレンの溶解度は、プロパンの共存によって
極端に低くなることをも見い出した。かかる結果は、反
応器から連続的に抜き出された液相から反応生成物であ
るイソプロピルアルコールを抽出するに際し、プロパン
等の飽和炭化水素を抽剤とすることにより、従来のごと
くプロピレンを抽剤とする場合に比して該イソプロピル
アルコールをはるかに効率良く抽出できるのみならず、
該液相に溶存していた未反応プロピレンも同時に分離回
収できることを意味しており、本発明の製造方法が、プ
ロピレン原単位の改善にも効果的であることを示すもの
である。
【0035】実用に際しては、主に飽和炭化水素からな
る抽出相から粗イソプロピルアルコール水溶液を分離し
た後、回収された該飽和炭化水素の主要量を抽剤として
循環使用することが望ましいが、その一部を抜き出し
て、反応混合物の気相とともに蒸留塔に供給することに
より、抽出処理の際に反応混合物の液相から回収された
未反応プロピレンを蒸留回収できるため、本発明の製造
方法のより好ましい実施の形態を提供する。
【0036】前述のように、抽剤が超臨界流体又は亜臨
界流体となるような条件下において抽出を行うには、言
うまでもなく、抽剤として用いる炭素数3〜4の飽和炭
化水素の臨界温度以上の温度、及び、臨界圧力以上か又
は少なくとも僅かに低い圧力下にて抽出を実施すること
が必要となる。
【0037】抽出温度については、イソプロピルアルコ
ールの被抽出量(抽出相中濃度)、及び、抽出選択性
(抽出相中炭化水素フリー濃度)に多大な影響を及ぼす
ことが知られており、低温で抽出するほど、より選択的
にイソプロピルアルコールが抽出される反面、イソプロ
ピルアルコールの被抽出量、すなわち、抽出相中濃度は
より小さくなるため、それらの関係から化学工学的に好
適な抽出温度を選ぶ必要がある。本発明者らの知見によ
れば、炭素数3〜4の飽和炭化水素を抽剤として用い、
適当な抽出圧力において抽出を行う場合、前述の反応条
件にて合成された約15〜27wt%のイソプロピルアルコー
ルを、その共沸組成濃度である88wt%以上の炭化水素フ
リー濃度で抽出するには、該抽剤の臨界温度(炭素数3
及び4の飽和炭化水素を混合して抽剤とする場合には、
混合物としての臨界温度)〜該臨界温度+40℃の温度
で抽出を行うのが好ましい。かかる温度範囲よりあまり
低い温度では、抽出相が液化してしまい、反対にあまり
高い温度では、抽出相中のイソプロピルアルコールの炭
化水素フリー濃度が共沸組成濃度に到達しなくなるので
ある。
【0038】一方、抽出圧力は、イソプロピルアルコー
ルの被抽出量、抽出選択性の両方に多大な影響を及ぼす
が、これは主に、圧力が該飽和炭化水素抽剤の密度を支
配する直接的因子であることに起因する。該飽和炭化水
素が抽剤として優れた性能を供するには、高い密度の抽
剤相を形成することが必須であり、具体的には、該抽剤
相が超臨界流体又は亜臨界流体のいずれかの状態になる
必要がある。一般に、超臨界流体は高圧下ほど高密度と
なるが、混合物の場合にはその組成によって密度は大き
く異なる。本発明者らは、本発明の方法により得られる
抽出相のごとく、炭素数3〜4の飽和炭化水素、イソプ
ロピルアルコール、水からなる超臨界流体の場合、圧力
を200気圧を超えて高めても、その密度は実質的に変
化しなくなることを把握した。従って、抽出圧力は、抽
剤として用いた炭化水素の臨界圧力〜200気圧の圧力
よりも僅かに低い圧力にすることが好ましい。以下の説
明は、例えば飽和炭化水素としてプロパンである場合を
主として説明する。
【0039】また、S/F比、すなわち循環使用する抽
剤の量を効果的に低減させるには、液液抽出操作の設計
と同様に、向流多段接触型の抽出を実施するのが好まし
い。例えば、後述の実施例1に示したごとく、抽剤とし
てプロパンを用い、好適な抽出条件下にて該抽剤を反応
混合物の液相と向流接触させることにより、1近傍のS
/F比で目的とするイソプロピルアルコールの抽出成績
が得られるのである。S/F比は1未満にすることも可
能であるが、S/F比があまり小さいと抽残相に残留す
るイソプロピルアルコール濃度が高くなり、反応に好ま
しくない影響を及ぼす。従って、S/F比は少なくとも
0.3以上、好ましくは0.5以上、より好ましくは1
以上にするのが良い。また、イソプロピルアルコールの
濃縮に要するエネルギーを蒸留法よりも低く抑えるため
には、S/F比を3以下にするのが良く、さらに高圧設
備が必要となる点まで勘案すると、好ましくは2以下、
より好ましくは1.5以下にするのが良い。
【0040】反応混合物の液相からイソプロピルアルコ
ールの抽出を行った際に残る抽残相は、主成分が水であ
るため、その主要量を反応器に循環させることが望まし
いことは言うまでもないが、反応におけるイソプロピル
アルコール選択率を高めるために、ニューチャージ水と
該循環水とを合計した反応器入口への水の総供給量が、
公知の知見のごとく、反応させるプロピレンの供給量に
対して、少なくとも10倍モル以上となるように、反応
器への該抽残相の循環量を設定することが好ましい。
【0041】反応混合物の液相と該抽剤を接触させて得
られた、主に飽和炭化水素からなる超臨界状態又は亜臨
界状態の抽出相から、反応生成物であるイソプロピルア
ルコールを高濃度の水溶液として分離するには、該抽出
相を該抽剤の臨界圧力以下まで減圧することによって主
に該飽和炭化水素からなる気相と主にイソプロピルアル
コール及び水からなる液相とに分離させる方法か、又
は、該抽出相を圧力を実質的に維持したまま該抽剤の臨
界温度以下まで冷却することによって主に該飽和炭化水
素からなる軽液相と主にイソプロピルアルコール及び水
からなる重液相とに分離させる方法のいずれかを採用す
ることができる。
【0042】まず、抽出相の減圧により粗イソプロピル
アルコール水溶液を分離する方法について述べれば、一
般的には、圧力を低く減ずる程、抽出相の密度が低下
し、抽剤の抽出能力がなくなるため、抽出されていたイ
ソプロピルアルコールおよび水は凝縮して抽剤をより完
全に分離するが、それに伴い、言うまでもなく、抽剤を
再利用する際の圧縮動力は大きくなる。本発明者らの検
討によれば抽剤と粗イソプロピルアルコール水溶液の分
離性、および抽剤の再圧縮循環動力のバランスから、抽
出相を減圧する圧力は、5気圧〜抽剤の臨界圧力、より
好ましくは、10気圧〜該臨界圧力−5気圧にするのが
良い。また、かかる分離方法自体は既に公知であるが、
抽剤として炭素数3〜4の飽和炭化水素を利用すること
により、前述の通り、イソプロピルアルコール水溶液へ
の該抽剤の溶解量が極く僅かとせしめうることに起因し
て、実用上、必ずしも該抽出相より液化分離された粗イ
ソプロピルアルコール水溶液に溶存している抽剤を分離
回収する必要がなくなるのである。本発明の製造方法で
は、通常、工業的に用いられるプロピレンに含まれてい
るプロパンを、未反応プロピレンの蒸留回収時に蒸留塔
の塔底から分離しているが、該プロパンを抽剤飽和炭化
水素として活用すれば、該抽剤のニューチャージ量を低
減できるか、もしくはニューチャージの必要がなくな
り、本発明のより好ましい実施の形態を提供することが
できるのである。また、反応器から連続的に抜き出され
た反応混合物の気相には、僅かながら、蒸発したイソプ
ロピルアルコールが含まれており、該イソプロピルアル
コールは、該気相から未反応プロピレンを蒸留回収する
際に、蒸留塔の塔底からプロパンとともに分離される
が、該プロパンを抽剤として用いることにより、このイ
ソプロピルアルコールが必然的に回収され、原料原単位
の点で有利になることは言うまでもない。
【0043】次に、抽出相を冷却液化により粗イソプロ
ピルアルコール水溶液を分離する方法について述べれ
ば、抽出相の主要量を液化させるために、該抽出相を、
圧力を実質的に維持したまま、少なくとも抽剤の臨界温
度以下まで冷却する必要がある。抽出相の実質的に全量
を液化させるには該臨界温度−10℃以下、より好まし
くは該臨界温度−20℃以下とするのが良い。あまり低
温まで冷却するとエネルギーの損失を招き好ましくな
い。また、かかる方法自体もまた公知であるが、本発明
の方法は、該抽出相の液化によって分離した主にイソプ
ロピルアルコールと水からなる重液相側から該イソプロ
ピルアルコールを回収する点において、少なくとも、軽
液相側からアルコールの回収を行う先の特公平5-36418
号記載の方法とは明確に異なる。前にも述べた通り、液
化飽和炭化水素へのイソプロピルアルコール及び水の溶
解度は著しく小さいため、抽出相の冷却によって、ほと
んど該飽和炭化水素だけからなる軽液相と、主にイソプ
ロピルアルコール及び水からなる重液相とに分離するこ
とができ、該重液相として粗イソプロピルアルコールを
回収することによって、初めて、抽剤が超臨界状態又は
亜臨界状態となる条件下で抽出を実施する利点が生まれ
るのであり、目標とする0.3〜3、好ましくは0.5
〜2、より好ましくは1〜1.5のS/F比を達成でき
るのである。また、重液相側に溶解する抽剤量も僅かで
あることから、抽剤飽和炭化水素として原料プロピレン
に含まれるプロパンを利用することが本製造方法の好ま
しい実施の形態を提供することに変わりはない。
【0044】抽出相の減圧により、該抽出相からイソプ
ロピルアルコール水溶液を分離する場合には、回収され
た抽剤を循環する際に、抽出圧力まで再圧縮する必要が
生じるが、抽出相を冷却液化させて同水溶液を分離する
場間には高い圧力が維持されているため、少なくとも抽
剤の再圧縮循環動力の点では後者の方が有利と言える。
【0045】以上のごとく、本発明の製造方法によれ
ば、反応に好適な温度及び圧力下においてプロピレンの
液相直接水和反応を実施することにより、高いプロピレ
ン転化率及びイソプロピルアルコール選択率が達成さ
れ、かつ、合成されたイソプロピルアルコールの主要量
を含む反応混合物の液相に対して炭素数3〜4の飽和炭
化水素を抽剤として好適な温度及び圧力下にて抽出処理
を実施し、得られた抽出相を減圧もしくは冷却すること
によって、共沸組成以上の濃度の粗イソプロピルアルコ
ール水溶液を容易かつ効率良く分離回収できるため、従
来のイソプロピルアルコール製造においてその濃縮に要
してきた多大なエネルギーを緩和することが可能とな
る。また結果的に、反応、抽出ともに多大な規模の設備
を必要としなくなるため、実用上好ましい製造方法を供
するのである。共沸組成以上の濃度で得られた粗イソプ
ロピルアルコール水溶液の脱水濃縮は、通常、工業的に
実施されているごとく、ベンゼンやトルエン、ヘキサン
等の、水と共沸混合物を形成する溶剤を用いた共沸蒸留
による公知の脱水操作により、容易に実施することがで
きる。従って、本発明の製造方法は、イソプロピルアル
コールの新しい製造方法として、産業上の利用可能性き
わめて大なる優れたものである。
【0046】
【実施例】以下、実施例により本発明の実施の態様の一
例を説明する。 〔実施例1〕内径30mm、高さ300mmのSUS316製のジャケ
ット付き反応管に、市販のマクロポーラス型強酸性陽イ
オン交換樹脂レバチットSPC-118を100mL充填し、反応管
底部より、96%プロピレン(残り 4%はプロパン)を毎
時 230mmol、純水を毎時5.5g、抽出塔からのリサイクル
水(抽残液)を毎時67gの流量にて供給し、反応管の温
度及び圧力を各々 150℃、80気圧に保った。反応管の上
部より連続的に排出される気相は、圧力調整弁により30
気圧に減圧した後、内径20mm、段数50段、塔頂より15段
目に原料供給口を有するSUS316製蒸留塔に供給し、還流
比を13に設定して連続蒸留した。該蒸留塔の塔底からプ
ロパンを主成分とした液体を分離し、該蒸留塔の塔頂か
ら、原料とほぼ同じ純度の未反応プロピレンを抜き出
し、全量連続的に反応器に再循環させた。一方、反応管
上部から毎時約81gにて連続的に抜き出される液相は、1
30℃に冷却した後、内径50mm、高さ8mのSUS316製ジャケ
ット付き向流抽出塔の上部に供給し、該抽出塔の下部よ
り毎時94gのプロパンを抽剤として連続的に供給し、130
℃、80気圧にて抽出を実施した。該抽出塔の塔底より毎
時67gで連続的に抜き出した抽残液は全量反応器に再循
環させた。該抽出塔の塔頂より連続的に抜き出した抽出
相は、圧力調整弁により30気圧に減圧した後、気液分離
管にて80℃に調整して一部液化させ、該液化相と残留ガ
スとを該気液分離管より各々連続的に抜き出した。全体
が定常状態に到達した時点において、気液分離管から毎
時約14.3gの液化相が連続的に抜き出され、その組成を
分析したところ、イソプロピルアルコールが約89wt%、
水が約10wg%、ジイソプロピルエーテルが約1wt%であ
った。
【0047】〔実施例2〕実施例1において、抽出塔の
塔頂より毎時108gで連続的に抜き出した抽出相を圧力を
維持したまま60℃に冷却して液化させ、液液分離管に導
いて液液分離させた後、軽液相と重液相を該液液分離管
から各々連続的に抜き出した以外は、実施例1と同様の
操作を行った。全体が定常状態に到達した時点におい
て、該分離間から毎時約14.4gの重液相が連続的に抜き
出され、その組成を分析したところ、イソプロピルアル
コールが約88wt%、水が約11wt%、ジイソプロピルエー
テルが約1wt%であった。
【0048】〔比較例1〕実施例1において、抽出処理
以降を実施せず、反応管への純水供給量を毎時72.5gと
し、反応管から毎時約81gで連続的に抜き出された反応
混合物の液相の組成を分析したところ、イソプロピルア
ルコールが約18wt%、水が約82wt%であった。
【0049】〔比較例2〕実施例1において、抽出処理
の温度を150℃に設定して同様の操作を行ったところ、
粗イソプロピルアルコール分離管から毎時約16gの液化
相が連続的に抜き出され、その組成を分析したところ、
イソプロピルアルコールが約80wt%、水が約19wt%、ジ
イソプロピルエーテルが約1wt%であった。粗イソプロ
ピルアルコールが共沸組成濃度に到達しなかったのは、
温度が高いことに起因して、イソプロピルアルコールの
選択的な抽出がなされないためである。
【0050】〔比較例3〕実施例1において、抽剤とし
てプロパンの替わりにプロピレンを使用し、同様の操作
を行ったところ、粗イソプロピルアルコール分離管から
毎時約15gの液化相が連続的に抜き出され、その組成を
分析したところ、イソプロピルアルコールが約83wt%、
水が約16wt%、ジイソプロピルエーテルが約1wt%であ
った。粗イソプロピルアルコールが共沸組成濃度に到達
しなかったのは、プロピレン抽剤ではプロパン抽剤の場
合ほどイソプロピルアルコールの選択的な抽出がなされ
ないことに起因する。
【0051】
【発明の効果】本発明の製造方法は、プロピレンの液相
直接水和反応による従来のイソプロピルアルコール製造
方法の有していた、粗イソプロピルアルコール水溶液の
濃度の低さに起因する濃縮エネルギーの過大さという問
題点を大幅に緩和させることができ、かつ、多大な規模
の反応器及び抽出設備を必要としない製造方法を実現す
ることを可能ならしめるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するためのフローシート
【図2】本発明方法を実施するためのフローシート
【符号の説明】
1 水供給導管 2 プロピレン供給導管 3 リサイクルプロピレン循環管 4 リサイクル水循環管 5 反応管 6 冷却凝縮器 7 気相排出管 8 液相排出管 9 熱交換器 10 抽出管 11 飽和炭化水素供給導管 12 抽出相排出管 13 圧力調整弁 14 圧力調整弁 15 気液分離管 16 気体飽和炭化水素排出管 17 粗イソプロピルアルコール水溶液排出管 18 蒸留塔 19 コンデンサー 20 缶出物排出管 21 熱交換器 22 液液分離管 23 液体飽和炭化水素排出管
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強酸性の固体触媒の存在下に、プロピレ
    ンと水とを高温、高圧の下で直接水和し、かくして得ら
    れた反応混合物から粗イソプロピルアルコール水溶液を
    分離し、該水溶液を精製処理してイソプロピルアルコー
    ルを製造するに際し、 (1) 固体触媒を充填もしくは懸濁させた反応器内に、プ
    ロピレンと、反応させるプロピレン1モル当たり少なく
    とも1モル以上となる水とを連続的に供給し、温度10
    0〜250℃、圧力60〜200気圧で反応させ、 (2) 反応混合物の気相と液相をそれぞれ反応器から全量
    連続的に抜き出し、 (3) 該反応混合物の気相は、蒸留塔に供給して、塔底か
    ら主に原料プロピレンに含まれていたプロパンからなる
    不純物を除き、塔頂から未反応プロピレンを回収して反
    応器入口に循環させ、 (4) 該反応混合物の液相は、炭素数3もしくは4の飽和
    炭化水素からなる抽剤と、該抽剤の臨界温度〜該臨界温
    度+40℃の温度、及び、臨界圧力〜200気圧の圧
    力、抽剤量/原抽料量比が0.3〜3の条件の下で接触
    させて、 反応生成物であるイソプロピルアルコールを該反応混合
    物の液相から抽出し、 (5) 主に水からなる抽残液の主要量を反応器入口に循環
    させ、 (6) 主に該飽和炭化水素からなる抽出相から、該イソプ
    ロピルアルコールを高濃度の水溶液として分離し、該水
    溶液を精製して精イソプロピルアルコールを得る、こと
    を特徴とするイソプロピルアルコールの製造方法。
  2. 【請求項2】 反応混合物の液相と抽剤を接触させて得
    られた主に飽和炭化水素からなる抽出相から、反応生成
    物であるイソプロピルアルコールを高濃度の水溶液とし
    て分離するに際し、該抽出相を、該飽和炭化水素の臨界
    圧力以下まで減圧することによって、主に該飽和炭化水
    素からなる気相と、主にイソプロピルアルコール及び水
    からなる液相とに分離させる請求項1に記載の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 反応混合物の液相と抽剤を接触させて得
    られた主に飽和炭化水素からなる抽出相から、反応生成
    物であるイソプロピルアルコールを高濃度の水溶液とし
    て分離するに際し、該抽出相を、圧力を実質的に維持し
    たまま、該飽和炭化水素の臨界温度以下まで冷却するこ
    とによって、主に該飽和炭化水素からなる軽液相と、主
    にイソプロピルアルコール及び水からなる重液相とに分
    離させる請求項1に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 反応混合物の液相と抽剤を接触させて得
    られた主に飽和炭化水素からなる抽出相から、反応生成
    物であるイソプロピルアルコールを高濃度の水溶液とし
    て分離した後に回収される該飽和炭化水素の主要量を抽
    剤として循環使用する請求項1〜3のいずれかに記載の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 抽剤として循環使用する飽和炭化水素の
    一部を抜き出し、反応混合物の気相とともに蒸留塔に供
    給し、該蒸留塔の塔底から該飽和炭化水素を分離する請
    求項4に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 飽和炭化水素がプロパンである請求項1
    〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 抽剤に用いるプロパンの少なくとも一部
    として、原料プロピレンに含まれており、未反応プロピ
    レンの蒸留回収時に蒸留塔の塔底から分離されるプロパ
    ンを使用する請求項1〜6のいずれかに記載の製造方
    法。
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