JPH0748304A - メチル−tert−ブチルエーテルからジメチルエーテルを除去する方法 - Google Patents

メチル−tert−ブチルエーテルからジメチルエーテルを除去する方法

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JPH0748304A
JPH0748304A JP6120169A JP12016994A JPH0748304A JP H0748304 A JPH0748304 A JP H0748304A JP 6120169 A JP6120169 A JP 6120169A JP 12016994 A JP12016994 A JP 12016994A JP H0748304 A JPH0748304 A JP H0748304A
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tert
isobutylene
methanol
methyl
butyl ether
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JP6120169A
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Rei-Yu Judy Hwan
レイ−ユ・ジュディ・ホワン
Charles Joseph Kruse
チャールズ・ジョセフ・クルーズ
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Texaco Chemical Co
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 イソブチレンをメタノールでメチル−tert−
ブチルエーテル(MTBE)に転換し、副生ジメチルエ
ーテルを含む生成物から水でメタノールを抽出し、ラフ
ィネートを蒸留してMTBEを重質留分として分離し、
抽出物を蒸留して水とメタノールを重質留分として分離
し、その塔頂留分を部分的に凝縮させて、ジメチルエー
テルの存在しない留分を得て、メタノール抽出帯域に再
循環させる。 【効果】 MTBEからジメチルエーテルを除去して、
精製MTBEを製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メチル−tert−ブチル
エーテルの製造および精製に関する。より詳しくは、本
発明は、メチル−tert−ブチルエーテルを、メチル-ter
t-ブチルアルコール、イソブチレンおよびメタノールか
ら製造するための方法、ならびに反応によって形成され
るメチル−tert−ブチルエーテルを精製するための方法
に関する。さらに詳しくは、本発明は、メチル−tert−
ブチルエーテルをtert−ブチルアルコール、イソブチレ
ンおよびメタノールから製造するための方法、ならびに
反応中に形成されるジメチルエーテルを除去して、反応
によって形成されるメチル−tert−ブチルエーテルを精
製する方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】メチルアルコールおよびtert−ブチルア
ルコールからメチル−tert−ブチルエーテルを合成する
ことについては、S. V. Rozhkov らがPrevrashch Uglev
odorodov, Kislotno-Osnovn. Geterogennykh Katal. Te
zisy Dokl., Vses. Konf., 1977, 150 (C. A. 92:58165
y)において論じている。ここで、tert−ブチルアルコー
ルおよびメタノールは、強度に酸性のスルホポリスチレ
ン陽イオン交換樹脂KU−2上で、穏和な条件下でエー
テル化反応を行う。この文献は、この種の過程の基本的
なパラメータのデータを含んでいる。
【0003】Rao らの米国特許第4,144,138 号明細書(1
979)には、エーテル化反応の流出物から、共沸蒸留によ
って、メタノール−エーテル共沸塔頂留分を回収し、そ
れを水洗して純エーテルラフィネートを与える、メチル
−tert−ブチルエーテルを回収する方法が開示されてい
る。この純エーテルラフィネートは、水洗によって再循
環されるエーテル−メタノール塔頂留出物を得るよう
に、共沸蒸留される。
【0004】同時係属ヨーロッパ特許出願第93309126.6
号は、メチル−tert−ブチルエーテルを製造するための
方法を開示している。ここでは、メチル−tert−ブチル
エーテルおよび副生成物のイソブチレンを含む反応生成
物を与えるように、tert−ブチルアルコールをメタノー
ルと反応させる。またここで、付加的なメチル−tert−
ブチルエーテルを与えるように、副生成物のイソブチレ
ンをメタノールと反応させる。そして、メチル−tert−
ブチルエーテルの精製法もまた開示されている。
【0005】米国特許第4,814,517 号明細書は、メチル
−tert−ブチルエーテルの精製の間に得られる蒸留塔頂
流を、液相において、メタノールを除去するためにシリ
カゲル床に、また、ジメチルエーテルを除去するために
ゼオライト分子ふるい床に、逐次通過させる、メタノー
ルとイソブチレンから製造されるメチル−tert−ブチル
エーテルを精製するための、改良された方法を開示して
いる。
【0006】メチル−tert−ブチルエーテルは、鉛やマ
ンガンをベースとする現在のガソリン添加剤が衰退する
につれて、高オクタン価ガソリンの混合物としての使用
が増加することが見出されている。メチル−tert−ブチ
ルエーテルを生産する商業的な方法が開発されてきてい
るが、これらは、イソブチレンとメタノールを、陽イオ
ン交換樹脂を触媒として、液相下で反応させることに基
づいている。
【0007】歓迎されるガソリン添加剤として、メチル
−tert−ブチルエーテルの使用が拡大するにつれて、大
きくなる問題は原料の入手可能性である。歴史的には、
限定的な原料はイソブチレンである(Oil and Gas J.,
6月8日号、1987年 p.55)。それゆえに、イ
ソブチレンを原料として必要としないメチル−tert−ブ
チルエーテルの製造法を得ることは、有益であろう。メ
タノールとtert−ブチルアルコールとを反応させて、メ
チル−tert−ブチルエーテルを製造する効率のよい方法
を得ることは有益であろう。tert−ブチルアルコール
は、イソブタンの酸化によって、容易に商業的に入手可
能だからである。
【0008】メチル−tert−ブチルエーテルを生産する
のに、メタノールとtert−ブチルアルコールとを、触媒
の存在下で反応させることは知られている。この目的の
ために、幅広い各種の触媒が提案されている。
【0009】メタノールとtert−ブチルアルコールの反
応の間に生成される主要な副生成物のうちのふたつは、
水とイソブチレンである。メタノールとメチル−tert−
ブチルエーテルとは、共沸蒸留体を形成し、これは容易
には壊れず、したがって、精製したメチル−tert−ブチ
ルエーテルを回収する間に、メタノールをメチル−tert
−ブチルエーテルから分離することは、深刻な問題を提
出する。
【0010】米国特許第4,820,877 号明細書では、メタ
ノールをメチル−tert−ブチルエーテルから分離するの
に、蒸留塔の塔頂流の中に、メタノールの分離を高める
ために精油所燃料ガスを用いて行う。
【0011】米国特許第4,814,517 号明細書では、メタ
ノールのメチル−tert−ブチルエーテルからの分離をな
し遂げるのに、メチル−tert−ブチルエーテル流からメ
タノールを選択的に吸収させるよう、シリカゲルを用い
て、そしてシリカゲルを定期的に再生する。
【0012】米国特許第4,798,674 号明細書では、メタ
ノールのメチル−tert−ブチルエーテルからの分離をな
し遂げるのに、架橋したポリビニルアルコールまたは第
四級アンモニウムイオン樹脂の膜を用いる。メタノール
は優先的に膜を通って浸透し、供給液のメチル−tert−
ブチルエーテル濃度を増加させる。
【0013】米国特許第4,759,850 号明細書では、メタ
ノールをメチル−tert−ブチルエーテルから分離するの
に、逆浸透法によって行う。
【0014】米国特許第4,440,963 号明細書では、メタ
ノールをメチル−tert−ブチルエーテルから分離するの
に、メタノールと共沸物を形成するよう、2−メチルペ
ンタンとかフロン113のような作用物質を加えて行
う。この共沸物は、メタノールの存在しないメチル−te
rt−ブチルエーテルを底部生成物として与えて、塔頂で
回収される。
【0015】米国特許第4,144,138 号明細書で、Rao ら
が認識しているように、イソブチレンはメタノールがte
rt−ブチルアルコールと反応するときに、副生成物とし
て形成される。Rao の方法によれば、イソブチレンは、
最初の共沸蒸留段階における反応生成物から、非凝縮性
ガスとして分離される。Rao は、イソブチレンの一部
は、純度によるが、再循環の目的で反応生成物からフラ
ッシュできることを教示している。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、tert
−ブチルアルコールとメタノールとの反応により、ま
た、該反応で副生するイソブチレンとメタノールとの反
応によって得られるメチル−tert−ブチルエーテルか
ら、反応中に形成されるジメチルエーテルを効果的に除
去する、メチル−tert−ブチルエーテルの連続的合成お
よび精製方法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、メタノ
ールが、tert−ブチルアルコールと反応するときに形成
される副生成物であるイソブチレンは、さらに、tert−
ブチルアルコールのエーテル化反応帯域の下流のイソブ
チレン転換帯域でメタノールと反応して、メチル−tert
−ブチルエーテルとジメチルエーテルを含む反応生成物
を生じ、反応によって生ずるメチル−tert−ブチルエー
テルを、ジメチルエーテルを包含する不純物の除去によ
って、精製する方法が提供される。
【0018】したがって、本発明は、次に示す段階を含
む、メチル−tert−ブチルエーテルの製造および精製方
法を指向する。
【0019】a.エーテル化触媒床を含有するtert−ブ
チルアルコールのエーテル化反応帯域において、メタノ
ールを、tert−ブチルアルコールと連続的に反応させ
て、メタノール、未反応のtert−ブチルアルコール、
水、イソブチレンおよびメチル−tert−ブチルエーテル
を含むtert−ブチルアルコール反応生成物を形成する、
段階;
【0020】b.tert−ブチルアルコール反応生成物を
第一のメチル−tert−ブチルエーテル回収帯域に連続的
に送り、そこでtert−ブチルアルコール反応生成物を、
メタノールとイソブチレンを含有するメチル−tert−ブ
チルエーテル軽質留分(メチル−tert−ブチルエーテ
ル、イソブチレンおよびメタノールを含む)と、メタノ
ール、tert−ブチルアルコールおよび水を含む、第二の
重質留分とに分離する段階;
【0021】c.メタノールとイソブチレンを含有する
メチル−tert−ブチルエーテル留分を、イソブチレン転
換反応帯域に連続的に送り、そこで、該留分を固体樹脂
エーテル化触媒に接触させて、イソブチレンとメタノー
ルをメチル−tert−ブチルエーテルに転換し、汚染量の
ジメチルエーテル、メタノールおよびイソブチレンを含
有するメチル−tert−ブチルエーテル流を形成させる段
階;
【0022】d.メチル−tert−ブチルエーテル生成物
流を、メタノール溶媒抽出帯域に連続的に送り、そこ
で、メチル−tert−ブチルエーテル流を水と向流的に接
触させて、イソブチレンおよびメチル−tert−ブチルエ
ーテルを含むラフィネートと、残留メチル−tert−ブチ
ルエーテル、メタノール、ジメチルエーテルおよび水を
含む底部抽出物とを得る段階;
【0023】e.ラフィネートを第二のメチル−tert−
ブチルエーテル精製蒸留帯域に連続的に供給して、そこ
で該ラフィネートを、イソブチレンおよび水を含む第三
の軽質留分と、実質的にメチル−tert−ブチルエーテル
からなる第四の重質留分とに分離する段階;
【0024】f.水抽出物を第三のメチル−tert−ブチ
ルエーテル蒸留帯域に送り、そこで水抽出物を、メチル
−tert−ブチルエーテル、メタノール、イソブチレン、
ジメチルエーテルおよび水を含む第五の軽質留分と、メ
タノールおよび水を含む第六の重質留分とに分離する段
階;
【0025】g.第六の重質留分を第四のメタノール回
収蒸留帯域に送り、第六の重質留分を、そこでメタノー
ルを含む第七の軽質留分と、水を含む第八の重質留分と
に分離する段階;
【0026】h.第五の軽質留分を、液体と蒸気の混合
状態で、アキュムレーター、すなわちドラムに送り、ジ
メチルエーテルおよびイソブチレンを含む蒸気副生成物
を、ドラムから排出する段階;および
【0027】i.第五の軽質留分の液体部分を、前記の
メタノール溶媒抽出帯域に再循環する段階。
【0028】tert−ブチルアルコール供給原料 tert−ブチルアルコールは、tert−ブチルヒドロペルオ
キシドの熱分解または接触分解で生産できる。このよう
にして形成されたtert−ブチルアルコールは、通常、te
rt−ブチルヒドロペルオキシド、ジ−tert−ブチルヒド
ロペルオキシド、アリル−tert−ブチルペルオキシドの
ような、少量のペルオキシド汚染物質を含有している。
tert−ブチルアルコール中のペルオキシド汚染物質は、
通常、エーテル化反応帯域の反応生成物中に、汚染物質
として残留する。
【0029】本発明によれば、ペルオキシド類で汚染さ
れたtert−ブチルアルコールは、ペルオキシド分解反応
帯域に送られ、そこでペルオキシド汚染物質は、熱分解
または接触分解されて、本質的にペルオキシド汚染物質
を含まないtert−ブチルアルコール供給原料を生ずる。
通常、アセトンやギ酸メチルのような汚染量の分解生成
物が存在する。
【0030】ペルオキシド類を熱分解するには、ペルオ
キシド類で汚染されたtert−ブチルアルコール供給原料
を、100〜200℃の温度、0.55〜3.45MPa
(80〜500psia)の圧力、反応器体積当たり毎時
0.5〜20供給原料体積の流速で、ペルオキシド分解
反応器を連続的に通し、それによって、本質的にペルオ
キシド類を含まないtert−ブチルアルコール反応生成物
を得る。これに代わって、ペルオキシドである汚染物を
接触分解してもよい。
【0031】米国特許第4,547,598 号明細書に開示され
たようなホウ酸コバルト、Sanderson らの米国特許第4,
704,482 号明細書に開示されたようなニッケル、銅、ク
ロミア触媒、Sanderson らの米国特許第4,705,903 号明
細書に開示されたような鉄、銅、クロミア、コバルト触
媒、Sanderson らの米国特許第4,742,179 号明細書に開
示されたような周期律表VIB族またはVIIIB族からの塩
基処理された水素添加触媒、Sanderson らの米国特許第
4,873,380 号明細書に開示されたようなニッケル、銅、
クロム、バリウム触媒、Sanderson らの米国特許第4,91
0,349 号明細書に開示されたような金属フタロシアニン
触媒、Sanderson らの米国特許第4,912,266 号明細書に
開示されたようなイミダゾールを助触媒とするメチル金
属フタロシアニン触媒、Sanderson らの米国特許第4,91
2,267 号明細書に開示されたような塩基を助触媒とする
金属フタロシアニン触媒、Sanderson らの米国特許第4,
922,033 号明細書に開示されたような固体ルテニウム触
媒、Sanderson らの米国特許第4,922,034 号明細書に開
示されたような助触媒で促進された金属ポルフィン触媒
などのように、幅広い各種の触媒が、この目的のために
使用できる。
【0032】ペルオキシド接触分解帯域において使用さ
れる転換条件は、たとえば100〜200℃の温度、
0.55〜3.45MPa (80〜500psia)の圧力、
触媒体積当たり毎時0.5〜20体積の供給原料の空間
速度を含んでよい。
【0033】tert−ブチルアルコールエーテル化反応触
媒 本発明の、メチル−tert−ブチルエーテルの製造および
精製法によれば、エーテル化触媒床を含有するtert−ブ
チルアルコールエーテル化反応帯域が用いられる。Frol
ich の米国特許第2,282,469 号明細書に開示されたよう
なリン酸を含浸したけいそう土、日本国特許0007432 号
公報に開示されたようなゼオライト、Chang らの米国特
許第4,058,576 号明細書に開示されたようなアルミノシ
リケートゼオライト、Knifton の米国特許第4,822,921
号明細書に開示されたような、含浸されたリン酸をその
上に有するチタニア、ならびにチタニアのうえに担持さ
れた12- タングストリン酸や12- モリブドリン酸の
ようなヘテロポリ酸などの幅広い各種のエーテル化触媒
が、この目的のために使用できる。
【0034】好ましい触媒は、ジビニルベンゼンで架橋
されたスルホン化ポリスチレン樹脂のようなスルホン酸
樹脂エーテル化触媒である。たとえば、該触媒は、約
0.5〜約20%の共重合ジビニルベンゼンを含むジビ
ニルベンゼン架橋ポリスチレンマトリックスのような、
実質的にスルホン化ポリスチレンからなる強酸性のイオ
ン交換樹脂を含んでよい。この性質の樹脂は、「Dowex
50」「Nalcite HCR」「Amberlyst 15」などの各
種商品名で商業的に製造・販売されている。この種の触
媒の使用法は、たとえばRao らの米国特許第4,144,138
号明細書に開示されている。
【0035】先行技術に開示さている型のエーテル化触
媒の存在下で、メタノールとtert−ブチルアルコールと
を反応させるときに用いられる反応条件は、90〜14
0℃の温度、0.2〜3.45MPa (30〜500psi
a)の圧力、およびエーテル化触媒体積当たり毎時0.
5〜20体積の供給原料の空間速度を含むものである。
【0036】固体樹脂エーテル化触媒 本発明によれば、メタノールとイソブチレンを含有する
メチル−tert−ブチルエーテル留分として先に定義され
た、イソブチレン、メタノールおよびメチル−tert−ブ
チルエーテルを含む、回収過程において得られる留分
を、イソブチレンとメタノールのかなりの部分をメチル
−tert−ブチルエーテルに転換するために、固体樹脂イ
ソブチレンエーテル化触媒と接触させる。
【0037】約0.5〜約20%の共重合ジビニルベン
ゼンを含むジビニルベンゼン架橋ポリスチレンマトリッ
クスのような、実質的にスルホン化ポリスチレンからな
る強酸性のイオン交換樹脂などの、好適な固体樹脂エー
テル化触媒が、この目的のために使用できる。この性質
の樹脂は、「Dowex 50」「Nalcite HCR」「Amberl
yst 15」などの各種商品名で商業的に製造・販売され
ている。この種の触媒の使用法は、たとえばRao らの米
国特許第4,144,138 号明細書に開示されている。
【0038】メタノールとイソブチレンを含有するメチ
ル−tert−ブチルエーテル留分は、通常、5〜10重量
%のイソブチレン、70〜80重量%のメチル−tert−
ブチルエーテルおよび10〜20重量%のメタノールを
含有する。イソブチレン転換反応帯域に用いられる供給
原料は、メタノールとイソブチレンを含有するメチル−
tert−ブチルエーテル留分であり、これは単独に用いて
もよいし、また、他の供給源(たとえば、第三の軽質留
分から回収したイソブチレン)から加えられる追加のイ
ソブチレンと混合して用いてもよい。
【0039】メタノールとイソブチレンを含有するメチ
ル−tert−ブチルエーテル留分、すなわちイソブチレン
供給原料は、イソブチレン転換反応帯域で、たとえば、
35〜130℃の温度、0.2〜3.45MPa (30〜
500psia)の圧力、またエーテル化触媒の体積当たり
毎時0.5〜20体積の供給原料の空間速度という条件
を包含する転換条件下で、固体樹脂イソブチレンエーテ
ル化触媒と接触させられる。この結果、通常は0〜10
重量%のイソブチレン、75〜85重量%のメチル−te
rt−ブチルエーテル、および10〜15重量%のメタノ
ールを含有するイソブチレン転換生成物を生ずる。該イ
ソブチレン転換生成物は、ジメチルエーテルの汚染量を
も含んでいる(たとえば、0.5〜5.0重量%のジメ
チルエーテル)。
【0040】本発明を、添付する図面を参照して、より
具体的に説明する。図面は通常用いられる部分を省略
し、メチル−tert−ブチルエーテルの製造および精製に
関する本発明の、総括的な反応と回収の順序を示す図式
的流れ図である。
【0041】本発明の好ましい実施態様によれば、ペル
オキシド類で汚染されたtert−ブチルアルコール、すな
わち「粗」tert−ブチルアルコール供給物は、ライン1
0を経て、ペルオキシド分解反応帯域20に送られる。
ペルオキシド分解反応帯域では、100〜200℃の温
度、0.55〜3.45MPa (80〜500psia)の圧
力、および反応器体積当たり毎時0.5〜20体積の供
給原料の流速という条件を包含するペルオキシド熱分解
条件を設定する。そのことによって、実質的にペルオキ
シドを含まないtert−ブチルアルコール反応生成物が得
られる。この生成物は、ペルオキシド分解反応帯域20
から、排出ライン30によって排出される。
【0042】ペルオキシド分解反応帯域から排出ライン
30によって排出される、ペルオキシドを含まない分解
反応生成物は、典型的には表1の組成を有する。
【0043】
【表1】
【0044】本発明によれば、固体エーテル化触媒床を
含有するエーテル化反応帯域40が備えられている。好
ましい触媒は、ジビニルベンゼンで架橋されたスルホン
化ポリスチレンのようなスルホン酸樹脂エーテル化触媒
(たとえば、「Dowex 50」、「Nalcite HCR」また
は「Amberlyst 15」の商品名で商業的に製造・販売さ
れている、強酸性のイオン交換樹脂のような、0.5〜
20%の共重合ジビニルベンゼンを含むジビニルベンゼ
ン架橋スルホン化ポリスチレンマトリックスのような、
実質的にスルホン化ポリスチレンからなる強酸性のイオ
ン交換樹脂)である。
【0045】その代わりに、当業者に知られている他の
触媒、たとえばKnifton らの米国特許第4,822,921 号明
細書に述べられているような、50m2/gの表面積を有す
るチタニアの押出し品をフルオロリン酸のアセトン溶液
で処理して、表面に析出した3.0重量%のリンと0.
6重量%のフッ素とを有するチタニアを、か焼処理によ
って結合した触媒として得られる、チタニア上のフルオ
ロリン酸触媒などを用いることができる。
【0046】tert−ブチルアルコール供給混合物は、エ
ーテル化反応帯域40に、ライン36で送られる。供給
混合物36は、ライン30によって送られる、本質的に
ペルオキシドを含まないtert−ブチルアルコール、ライ
ン32によって供給される新鮮なメタノール、および循
環ライン34によって送られる再循環メタノールを含
む。メタノールはメタノール供給ライン32および34
を経由して、メタノールとtert−ブチルアルコールとの
モル比が1.1〜4:1の範囲内、好ましくは1.5〜
2.5:1、さらに好ましくはtert−ブチルアルコール
1モルに対しメタノール2モルの比で供給ライン36に
送られる。tert−ブチルヒドロペロキシドの熱分解また
は接触分解によって合成されたtert−ブチルアルコール
は、たとえば、供給ライン36によって反応帯域40に
送られる供給原料が表2の成分を含有するように、少量
の不純物を含有するであろうことは、理解されよう。
【0047】
【表2】
【0048】tert−ブチルヒドロペルオキシド、アリル
−tert−ブチルペルオキシドのような、他のペルオキシ
ドの痕跡量が同様に存在することは、理解されよう。
【0049】エーテル化反応帯域40で、tert−ブチル
アルコール供給混合物は、30〜200℃、より好まし
くは80〜140℃、さらに好ましくは90〜130℃
の温度、0.2〜3.45MPa (30〜500psia)、
より好ましくは1.4〜2.1MPa (200〜300ps
ia)の圧力を包含する反応条件下で、エーテル化触媒床
と接触させられる。エーテル化反応帯域内の空間速度
は、エーテル化触媒の体積当たり毎時0.5〜20体積
のような供給混合物をエーテル化反応帯域40へ供給す
るのが好適であり、さらに好ましくは、エーテル化触媒
の体積当たり毎時1〜4体積の供給混合物である。
【0050】エーテル化反応帯域40で、メタノール
は、tert−ブチルアルコールと発熱反応して、メチル−
tert−ブチルエーテルを形成する。メチル−tert−ブチ
ルエーテルは、第一のメチル−tert−ブチルエーテル蒸
留帯域60へ導くライン50を経てエーテル化反応帯域
40から排出される、tert−ブチルアルコール反応生成
物の中に含まれる。
【0051】具体例として、固体エーテル化触媒が、Am
berlyst 15のようなスルホン酸樹脂であり、ライン3
6によってエーテル化反応帯域40に送られる供給原料
中のメタノールとtert−ブチルアルコールとのモル比
が、tert−ブチルアルコール1モル当たりメタノールが
2モルであり、100℃の温度で、触媒体積当たり毎時
2体積の供給混合物の供給速度で反応を行った場合に
は、エーテル化反応生成物は、表3に示す組成を有す
る。
【0052】
【表3】
【0053】送入ライン50を経て第一の蒸留帯域60
に送られるtert−ブチルアルコールエーテル化反応生成
物は、30〜100℃、より好ましくは40〜80℃の
液体還流温度、80〜115℃、より好ましくは約95
〜約105℃のリボイラー温度、0. 1〜0.4MPa
(15〜60psia)の圧力を包含する蒸留条件下で、第
一の蒸留帯域で分留される。蒸留条件は、エーテル化反
応生成物50内にある実質的にすべてのメチル−tert−
ブチルエーテルが、第一の蒸留帯域60の塔頂から、ラ
イン70によって取り出されるように選定される。その
結果、蒸留帯域60の塔頂から取り出される第一の留分
は、実質的にすべてのイソブチレン、実質的にすべての
メチル−tert−ブチルエーテル、および第一の蒸留帯域
60に送られたメタノールのいくらかを含む。第一のメ
チル−tert−ブチルエーテル蒸留帯域60から排出され
る第二の重質留分90は、メタノール、tert−ブチルア
ルコールおよび水を含む。
【0054】本発明によれば、メタノールとイソブチレ
ンを含有するメチル−tert−ブチルエーテル留分70
は、Amberlyst 15スルホン化ポリスチレン−ジビニル
ベンゼン共重合酸性イオン交換樹脂床のような、固体樹
脂エーテル化触媒床を含有するイソブチレン転換帯域8
0に送られる。もし必要ならば、適当な供給源(図には
示さない)から追加のイソブチレン、たとえば留分14
0から回収したものを送ってもよい。該追加のイソブチ
レンは、第一の留分70の2〜15重量%を含む。
【0055】イソブチレン転換帯域80で設定されるエ
ーテル化反応条件は、たとえば35〜130℃、より好
ましくは、40〜70℃の温度、0.35〜3.45MP
a (50〜500psia)、より好ましくは1.0〜1.
7MPa (150〜250psia)の圧力、および固体樹脂
触媒体積当たり毎時0.5〜4体積のイソブチレン供給
混合物の空間速度を包含する。その結果として、第一の
留分32に含有されるメタノールとイソブチレンの一部
は、メチル−tert−ブチルエーテルに転換される。典型
的には、転換率はイソブチレンを基準にして30〜40
重量%となる。副生成物のジメチルエーテルもまた形成
される。
【0056】イソブチレン転換生成物は、イソブチレン
転換帯域80から、ライン82によって排出され、メタ
ノール溶媒抽出帯域100に導かれる。典型的なイソブ
チレン転換生成物の組成は、表4のとおりである:
【0057】
【表4】
【0058】本発明によれば、イソブチレン転換生成物
82は、後述の方法で得られるメチル−tert−ブチルエ
ーテルの再循環流210と一緒に、メタノール溶媒抽出
帯域100に送られる。メタノール溶媒抽出帯域で、イ
ソブチレン転換生成物は、投入ライン102によって、
溶媒抽出帯域100に導入される水と、向流的に接触さ
せられる。
【0059】メタノール溶媒抽出帯域100で、溶媒抽
出条件が、水とイソブチレン転換生成物の割合で、イソ
ブチレン転換生成物1に対して毎時水0.1〜0.3の
範囲、より好ましくは、イソブチレン転換生成物1に対
して毎時水0.1〜0.2の範囲を包含するように設定
される。抽出条件は、20〜60℃、より好ましくは3
0〜40℃の温度、0.35〜3.45MPa (50〜5
00psia)、より好ましくは0.35〜1.0MPa (5
0〜150psia)の圧力を包含するのが好適である。
【0060】その結果として、上澄みのラフィネート1
10が形成されるであろう。このラフィネートは、メタ
ノール溶媒抽出帯域100から、ライン110で引き出
され、第二のメチル−tert−ブチルエーテル精製蒸留帯
域120に導かれる。水溶性抽出物は、溶媒抽出帯域1
00から、底部放出ライン150によって排出され、第
三のメチル−tert−ブチルエーテル蒸留帯域160に導
かれる。
【0061】第二のメチル−tert−ブチルエーテル精製
蒸留帯域120内において、蒸留条件が30〜60℃、
より好ましくは40〜55℃の液体還流温度、100〜
140℃、より好ましくは125〜135℃のリボイラ
ー温度、0.5〜0.8MPa(70〜120psia)、よ
り好ましくは0.6〜0.75MPa (90〜110psi
a)の圧力を包含するように設定し、それによって、第
二の蒸留帯域120からライン140によって放出され
る、イソブチレンと水とを含む軽質留分140と、実質
的に製品すなわちメチル−tert−ブチルエーテルからな
る、第四の重質留分130を生成する。
【0062】第三の留分140は、イソブチレンと水の
混合物を含み、適当な方法で処理してよい。たとえば、
上澄みのイソブチレン相と水の相とができるように静置
するデカンテーション帯域(図示しない)に送ってもよ
い。もし必要ならば、上澄みのイソブチレンは、その全
部または一部を、イソブチレン転換帯域に再循環しても
よい。
【0063】第三の蒸留帯域160に送られた抽出物1
50は、メチル−tert−ブチルエーテル、メタノール、
イソブチレン、ジメチルエーテルおよび水を含むであろ
う。抽出物150の組成は、たとえば表5のとおりであ
る:
【0064】
【表5】
【0065】ジメチルエーテルは、比重が僅か0.66
1、沸点が−24.5℃、引火点が−42℃であるが、
表5に示すように、重質抽出流150中に濃縮され、溶
解したまま残留している。第三の蒸留塔160で、メチ
ル−tert−ブチルエーテルを含む気化した第五の軽質留
分170と、水とメタノールを含む第六の重質留分22
0を生成するために、約40〜約70℃、より好ましく
は55〜65℃の還流温度、80〜125℃、より好ま
しくは105〜125℃のリボイラー温度、0. 25〜
0.3MPa (40〜45psia)の圧力のような蒸留条件
が設定される。塔頂流170と塔底220の組成は、た
とえば表6のとおりである。
【0066】
【表6】
【0067】本発明によれば、気化した塔頂留分170
は、40〜70℃の液化温度まで冷却される熱交換機1
72のような適当な冷却手段を通り、その後、ライン1
74によって、アキュムレーター、すなわちドラム18
0に送られる。ドラムは40〜80℃(たとえば50
℃)の温度、0. 25〜0.3MPa (35〜45psia)
(たとえば0.26MPa )の圧力に保たれる。ドラム1
80は、スロットル制御弁190と、プロピレンなどの
冷媒によって約−2℃の温度に好適に維持される熱交換
帯域202をもつ精留塔200を備えている。操作中
に、精留塔200上のスロットル制御弁190は、ジメ
チルエーテルの全部が精留塔中に流入できるのに十分な
ように、気化留分174の一部の制御された排出ができ
るように作動させられる。蒸気は、弁190を通過後、
約−5〜約0℃に、熱交換帯域202で冷却されて、大
部分の蒸気が液化し、ドラムの中に戻る。しかしなが
ら、ジメチルエーテルの全部とイソブチレンの極く少量
が、排出ライン204を経て、精留塔200から排出さ
れる。
【0068】一例として、毎時1000部の、表5に示
す組成を有する抽出物が、蒸留塔160で精留され、表
6に示す組成の気化した塔頂留分170が毎時322
部、表6に示す組成の塔底留出物220が毎時850部
生成する。気化した塔頂留分170は、熱交換器172
で部分的に液化された後に、ライン174によって、ド
ラム180に送られる。
【0069】毎時175部の部分的に液化した留分17
0が、還流液として蒸留塔160に戻され、部分的に液
化した留分170が毎時125部、ライン210によっ
て、メタノール抽出帯域100に戻される。
【0070】排出ライン204を経て、毎時22部の蒸
気が、精留塔200から排出される。この蒸気は約84
重量%のジメチルエーテル、約11重量%のイソブチレ
ン、および約5重量%のその他の成分を含むであろう。
【0071】第六の重質留分220は、第四のメタノー
ル蒸留帯域230に送られ、そこで30〜80℃、より
好ましくは60〜75℃の液体還流温度、100〜14
0℃、より好ましくは110〜120℃のリボイラー温
度、0.1〜0.4MPa (15〜60psia)、より好ま
しくは0.15〜0.2MPa (20〜30psia)の圧力
範囲を好適に包含する蒸留条件の下で、軽質メタノール
留分34に分留され、tert−チルアルコールエーテル化
帯域40に至るライン36に好適に供給される。実質的
に水からなる重質留分240は、ライン240を経て、
第四のメタノール蒸留帯域230から排出される。それ
はシステムから排出してもよい。
【0072】
【発明の効果】本発明によって、メチル−tert−ブチル
エーテルから、合成の際に副生したジメチルエーテルを
効果的に除去して、精製メチル−tert−ブチルエーテル
を連続的に製造することができる。
【0073】
【実施例】図示される以下の特定の例によって、本発明
をさらに説明する。これは、本発明の範囲を限定するも
のではない。ここで部は重量部をいう。
【0074】本発明の好ましい実施態様によれば、tert
−ブチルアルコール供給原料を、ライン10によって、
ペルオキシド分解帯域20に連続的に送った。ペルオキ
シド分解帯域20では、100〜200℃の温度、0.
55〜3.45MPa (80〜500psia)の圧力、反応
器体積当たり毎時0.5〜4体積の供給原料の空間速度
を包含するペルオキシド分解条件下で熱処理して、本質
的にペルオキシドを含まないtert−ブチルアルコールを
得た。
【0075】ペルオキシドで汚染された供給原料、およ
びペルオキシド分解帯域20から排出される本質的にペ
ルオキシドを含まない反応生成物は、典型的には、表7
の組成を有していた。
【0076】
【表7】
【0077】本質的にペルオキシドを含まないtert−ブ
チルアルコール反応生成物30を、ライン32とライン
34からのメタノールとともに、tert−ブチルアルコー
ル1モルあたりメタノール2モルの量になるように、te
rt−ブチルアルコールエーテル化帯域40に送った。
【0078】tert−ブチルアルコールエーテル化帯域4
0で、供給された混合物を、上述の反応条件下で、Ambe
rlyst 15のような好適なエーテル化触媒床を通し、た
とえば、表8の組成を有する反応生成物を得た。
【0079】
【表8】
【0080】エーテル化帯域の反応生成物50を、エー
テル化反応帯域40から、ライン50によって排出し、
第一のメチル−tert−ブチルエーテル蒸留帯域60に導
入した。そこで生成物50を、イソブチレン6.5重量
%、メタノール16.5重量%およびメチル−tert−ブ
チルエーテル75重量%を含む第一の軽質留分70と、
メタノール37重量%、tert−ブチルアルコール26.
0重量%、水26重量%、イソプロパノール11重量
%、および他の汚染物質0. 5重量%を含む第二の重質
留分90に分離した。
【0081】第一の軽質留分70を、ライン70を経
て、イソブチレン転換帯域80に連続的に送り、そこで
上述の条件下で、Amberlyst 15のような固体樹脂エー
テル化触媒と接触させて、イソブチレン転換生成物を形
成させた。これをイソブチレン転換帯域80から、ライ
ン82によって排出した。それは表9の組成を有してい
た。
【0082】
【表9】
【0083】イソブチレン転換生成物82およびリサイ
クル分留物210を、水と供給原料の割合が、供給混合
物83が1に対して水が0.1〜0.3の比の量になる
ように、送入ライン83を経て、メタノール抽出帯域1
00に連続的に送った。メタノール抽出帯域100で、
上述の抽出条件の下でメタノールをイソブチレン転換生
成物から抽出し、それによって、イソブチレンとメチル
−tert−ブチルエーテルを含む塔頂ラフィネート留出物
110と、表5に示す組成を有するような抽出物150
を得た。
【0084】ラフィネートを、ライン110によって第
二のメチル−tert−ブチルエーテル精製蒸留帯域120
に供給し、そこでラフィネートを、蒸留によって、イソ
ブチレンと水を含む第三の軽質留分140と、実質的に
メチル−tert−ブチルエーテルからなる第四の重質留分
とに分離した。メチル−tert−ブチルエーテルを製品と
して取り出した。
【0085】第三の蒸留塔160で、抽出物を、上述の
蒸留条件で、メチル−tert−ブチルエーテルを含む気化
した第五の軽質塔頂留分170と、水およびメタノール
を含む第六の重質留分とに分離した。
【0086】気化した塔頂留分170を、熱交換器17
2のような適当な冷却手段を通過させて、そこで一部を
液化させ、ついでドラム180に送った。ドラム180
は、スロットル制御弁190と熱交換帯域202とを有
する精留塔200を備えている。蒸気留分174の一部
の排出を制御して、実質的に全部のジメチルエーテル
が、精留塔を通過できるように設定した。
【図面の簡単な説明】
【図1】メチル−tert−ブチルエーテルの製造および精
製に関する流れ図である。
【符号の説明】
20 ペルオキシド分解帯域 40 エーテル化反応帯域 60 第一のメチル−tert−ブチルエーテル蒸留帯域 80 イソブチレン転換帯域 100 メタノール抽出帯域 120 第二のメチル−tert−ブチルエーテル蒸留帯域 160 第三のメチル−tert−ブチルエーテル蒸留帯域 180 ドラム 190 スロットル制御弁 200 精留塔 202 熱交換帯域 230 第四のメチル−tert−ブチルエーテル蒸留帯域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 41/44

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メチル−tert−ブチルエーテルの連続的合
    成および精製法であって、つぎの段階を含む方法。 (a) メチル−tert−ブチルエーテル、イソブチレン
    およびメタノールを含むイソブチレン供給混合物を、未
    反応のメタノール、未反応のイソブチレン、ジメチルエ
    ーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、一酸化炭素お
    よび水を含むイソブチレン転換反応生成物を形成するエ
    ーテル化反応条件下において、エーテル化触媒床を含有
    するイソブチレン転換帯域を連続的に通過させる段階; (b) 前記のイソブチレン転換生成物をメタノール抽
    出帯域に連続的に送り、その帯域内で、イソブチレン転
    換生成物を水と向流的に接触させて、イソブチレン、メ
    チル−tert−ブチルエーテルおよび水を含む塔頂流出物
    であるラフィネートと、メタノール、水、メチル−tert
    −ブチルエーテル、イソブチレンおよびジメチルエーテ
    ルを含む抽出物とを得る段階; (c) 前記のラフィネートをラフィネート蒸留塔に連
    続的に送り、そこでラフィネートを、イソブチレンおよ
    び水を含む軽質留分と、実質的にメチル−tert−ブチル
    エーテルからなる重質留分とに分離する段階; (d) 前記の抽出物を、抽出物蒸留塔に連続的に送
    り、そこで抽出物を、メチル−tert−ブチルエーテル、
    イソブチレン、メタノールおよびジメチルエーテルを含
    む気化した塔頂留分と、水およびメタノールを含む重質
    留分とを分離する段階; (e) 前記の気化した塔頂留分を連続的に、部分的に
    凝縮させたのち、結果として生ずる凝縮物の5〜10重
    量%からなる凝縮しない蒸気を排出し、このようにし
    て、溶解したジメチルエーテルと一酸化炭素が実質的に
    存在しない、メチル−tert−ブチルエーテル、メタノー
    ルおよびイソブチレンを含む液体塔頂留分を得る段階;
    および (f) 前記の液体塔頂留分を、前記のメタノール抽出
    帯域に再循環させる段階。
  2. 【請求項2】メチル−tert−ブチルエーテルの連続的合
    成および精製法であって、つぎの段階を含む方法。 (a) tert−ブチルアルコールおよびメタノールを含
    むtert−ブチルアルコール供給混合物を、未反応のメタ
    ノール、未反応のtert−ブチルアルコール、イソブチレ
    ン、メチル−tert−ブチルエーテルおよび水を含む第一
    のtert−ブチルアルコールエーテル化反応生成物を形成
    するエーテル化反応条件下において、エーテル化触媒床
    を含有するtert−ブチルアルコールエーテル化反応帯域
    に連続的に通過させる段階; (b) 前記の第一のtert−ブチルアルコールエーテル
    化反応生成物を第一の蒸留塔に連続的に送り、そこで第
    一のtert−ブチルアルコールエーテル化反応生成物を、
    イソブチレンおよびメタノールを含有するメチル−tert
    −ブチルエーテル軽質留分と、tert−ブチルアルコー
    ル、メタノールおよび水を含む重質留分とに分離する段
    階; (c) 前記のイソブチレンおよびメタノールを含有す
    るメチル−tert−ブチルエーテルの留分を、イソブチレ
    ン転換反応条件下において、エーテル化触媒床を含有す
    るイソブチレン転換帯域に連続的に通し、未反応のメタ
    ノール、tert−ブチルアルコール、未反応のイソブチレ
    ン、ジメチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル
    および水を含むイソブチレン転換反応生成物を形成する
    段階; (d) 前記のイソブチレン転換生成物をメタノール抽
    出帯域に連続的に送り、そこでイソブチレン転換生成物
    を水と向流的に接触させて、イソブチレン、メチル−te
    rt−ブチルエーテルおよび水を含む塔頂流出物であるラ
    フィネートと、メタノール、水、メチル−tert−ブチル
    エーテル、イソブチレンおよびジメチルエーテルを含む
    抽出物とを得る段階; (e) 前記のラフィネートをラフィネート蒸留塔に連
    続的に送り、そこでラフィネートを、イソブチレンおよ
    び水を含む軽質留分と、実質的にメチル−tert−ブチル
    エーテルからなる重質留分とに分離する段階; (f) 前記の抽出物を、抽出物蒸留塔に連続的に送
    り、そこで抽出物を、メチル−tert−ブチルエーテル、
    イソブチレン、メタノール、ジメチルエーテルおよび一
    酸化炭素を含む、気化した塔頂留分と、水およびメタノ
    ールを含む重質留分とに分離する段階; (g) 前記の気化した塔頂留分を、混合相凝縮物を形
    成するように40〜80℃の温度に連続的に冷却し、前
    記の凝縮物を、排出ラインを備えたドラムに集める段
    階; (h) 前記の凝縮物を前記のドラム中で、40〜80
    ℃の温度に保持する段階; (i) 凝縮物の5〜10重量%を前記のドラムに排出
    し、前記の蒸気を前記の排出ラインを通して通過させる
    段階; (j) 前記の排出ライン中で、前記の気化した凝縮物
    を−5〜0℃の温度で、その中に含まれるイソブチレ
    ン、メタノールおよびメチル−tert−ブチルエーテルを
    少なくとも部分的に液化するように冷却する段階; (k) 前記の液化蒸気を前記のドラムに戻す段階; (l) 実質的にジメチルエーテル、一酸化炭素および
    イソブチレンからなる残留蒸気を排出し、それによっ
    て、本質的に溶解したジメチルエーテルおよび一酸化炭
    素の全く存在しないメチル−tert−ブチルエーテル、メ
    タノールおよびイソブチレンを含む液体塔頂留分を得る
    段階;および (m) 前記の液体塔頂留分を前記のメタノール抽出帯
    域に再循環させる段階。
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