JPH1149749A - ペルフルオロシクロヘキシル基含有有機過酸化物、該誘導体、用途及び製造方法 - Google Patents

ペルフルオロシクロヘキシル基含有有機過酸化物、該誘導体、用途及び製造方法

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JPH1149749A
JPH1149749A JP20933297A JP20933297A JPH1149749A JP H1149749 A JPH1149749 A JP H1149749A JP 20933297 A JP20933297 A JP 20933297A JP 20933297 A JP20933297 A JP 20933297A JP H1149749 A JPH1149749 A JP H1149749A
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perfluorocyclohexyl
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Hideo Sawada
英夫 沢田
Shinji Komatsu
慎司 小松
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ペルフルオロシクロヘキシル基含有有機過酸化
物、該誘導体、用途及び製造方法の提供。 【解決手段】特定のペルフルオロシクロヘキシル基含有
有機過酸化物、該有機化酸化物をラジカル重合開始剤と
して用いて、末端にペルフルオロシクロヘキシル基を含
有する重合体、或いは、芳香族化合物と前記の有機過酸
化物を反応させ、芳香族環にペルフルオロシクロヘキシ
ル基を導入した化合物、該有機過酸化物のラジカル重合
開始剤としての用途、前記の有機過酸化物の製造方法、
及び前記の有機過酸化物から誘導される化合物の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なペルフルオ
ロシクロヘキシル基含有有機過酸化物、該有機過酸化物
を用いたペルフルオロシクロヘキシル基含有化合物、用
途及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ペルフルオロアルキル基を有する
含フッ素有機過酸化物(=ペルフルオロアルカノイルペ
ルオキシドとも記す。)は、フッ素系モノマーの重合触
媒として多用されている。例えば、特開昭49−102
90号公報には、テトラフルオロエチレンとヘキサフル
オロプロペンの共重合触媒としてペルフルオロアルカノ
イルペルオキシドが有用であることが報告されている。
しかしながら、ペルフルオロシクロヘキシル基を有する
ペルフルオロシクロヘキサンカルボニルペルオキシドに
関してはその報告がなされていない。さらに、有機化合
物中にフルオロアルキル基を含有する化合物は、耐光
性、撥水性、撥油性、更には生理活性等の有用な性質を
示すものとして近年注目を集めている。特に、有機化合
物中にフルオロアルキル基が導入されたフルオロアルキ
ル基含有重合体は、低表面張力、低屈折性、耐熱性、耐
寒性、耐油性、電気絶縁性、撥水性、撥油性、離型性、
耐薬品性等の優れた特性を有しているため種々の分野に
おいて、例えば、光学レンズ、眼鏡用レンズ、ガラス器
具、塗料等の表面における撥水撥油性及び防汚染性等の
付与のための表面処理剤、化粧品、生体材料、医薬・農
薬の原料、更には離型性を付与する材料等の分野におい
て有用であると考えられている。しかしながら、これら
フルオロアルキル基含有化合物において、ペルフルオロ
シクロヘキシル基が直接炭素−炭素結合で導入された含
フッ素有機化合物の合成に関してはその報告がなされて
いない。従って、ペルフルオロシクロヘキシル基を有す
るペルフルオロシクロヘキサンカルボニルペルオキシド
の開発、さらにはペルフルオロシクロヘキシル基が直接
炭素−炭素結合で導入された化合物の開発が望まれてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、新規なペルフルオロシクロヘキシル基含有有機過酸
化物を提供することにある。本発明の第2の目的は、ペ
ルフルオロシクロヘキシル基が直接炭素−炭素結合で導
入された含フッ素有機化合物を提供することにある。更
に詳しくは、低表面張力、低屈折性、耐熱性、耐寒性、
耐油性、電気絶縁性、防曇性、防汚性、離型性、光学レ
ンズ、眼鏡用レンズ、ガラス器具、塗料等の表面におけ
る撥水撥油性及び防汚染性及び耐薬品性等の優れた特性
を有し、化粧品さらにはカチオン系界面活性剤として有
用な含フッ素有機化合物を提供することにある。本発明
の第3の目的は、該ペルフルオロシクロヘキシル基含有
有機過酸化物を有効成分とするエチレン性重合基のラジ
カル重合開始剤としての用途を提供することにある。さ
らに本発明の第4の目的は、反応触媒及び特殊な装置を
用いず、高収率かつ容易にペルフルオロシクロヘキシル
基が炭素−炭素結合で導入された化合物を製造する方法
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題点に鑑み鋭意検討した結果、新規なペルフルオロシク
ロヘキサンカルボニルペルオキシドを合成し、該有機過
酸化物を重合開始剤として重合する新規なペルフルオロ
シクロヘキシル基を含有する重合体が得られることを見
出し、さらに芳香族化合物と前記の有機過酸化物との反
応により芳香族環にペルフルオロシクロヘキシル基が反
応して導入できることを見出し、本発明を完成した。す
なわち、本発明は次の(1)〜(8)である。 (1)下記式[I]
【化11】 で示されるペルフルオロシクロヘキシル基含有有機過酸
化物。 (2)下記一般式[II]
【0005】
【化12】 [式中、Rfはペルフルオロシクロヘキシル基、R1
水素原子又はメチル基、R2、R3は、ハロゲン原子、シ
アノ基、−Si(R43、−CO25、−CONR67
を示し、m1は1〜5000及びm2は0〜5000の整数
を示す。{但し、R4は炭素数1〜4のアルキル基又は
アルコキシ基、R5、R6、R7は水素原子又は炭素数1
〜18のアルキル基、又は炭素数2〜6のヒドロキシア
ルキル基、CH2CH2CH2Si(R43を示す。}]
で表わされる数平均分子量500〜1000000のペ
ルフルオロシクロヘキシル基含有化合物。 (3)下記一般式[III]
【化13】 (式中、Ar−基は、ベンゼン、チオフェン、フラン、
トルエン、キシレンおよびナフタレンの残基のいずれか
示す。)で表されるペルフルオロシクロヘキシル基含有
化合物。
【0006】(4)下記一般式[IV]
【化14】 (式中、xは0〜10000の整数を示し、yは1〜1
0000の整数を示す。)で表されるペルフルオロシク
ロヘキシル基含有化合物。
【0007】(5)前記の式[I]の有機過酸化物を有
効成分とするエチレン性重合基のラジカル重合開始剤。 (6)前記(2)のペルフルオロシクロヘキシル基含有
有機過酸化物の製造方法であって、下記式[I]
【化15】 で示されるペルフルオロシクロヘキシル基含有有機過酸
化物および下記一般式[V]
【化16】 [式中、R1は水素原子又はメチル基、R2はハロゲン原
子、シアノ基、−Si(R43、−CO25、−CON
67を示す。{但し、R4は炭素数1〜4のアルキル
基又はアルコキシ基、R5、R6、R7は水素原子、炭素
数1〜18のアルキル基、炭素数2〜6のヒドロキシア
ルキル基、又は−CH2CH2CH2Si(R43を示
す。}]で表わされるモノマーと下記一般式[VI]
【化17】 [式中、R1は水素原子又はメチル基、R3はハロゲン原
子、シアノ基、−Si(R43、−CO25、−CON
67を示す。{但し、R4は炭素数1〜4のアルキル
基又はアルコキシ基、R5、R6、R7は水素原子、炭素
数1〜18のアルキル基、炭素数2〜6のヒドロキシア
ルキル基、又は−CH2CH2CH2Si(R43を示
す。}]で表わされるモノマーとの混合物を反応させる
ことを特徴とするペルフルオロシクロヘキシル基含有化
合物の製造方法。
【0008】(7)前記(3)のペルフルオロシクロヘ
キシル基含有有機過酸化物の製造方法であって、下記式
[I]
【化18】 で示されるペルフルオロシクロヘキシル基含有有機過酸
化物と下記一般式[VII] Ar−H ・・・[VII] (式中、Ar−基は、ベンゼン、チオフェン、フラン、
トルエン、キシレンおよびナフタレンの残基のいずれか
を示す。)で表される芳香族化合物とを反応させること
を特徴とするペルフルオロシクロヘキシル基含有化合物
の製造方法。
【0009】(8)前記(4)のペルフルオロシクロヘ
キシル基含有有機過酸化物の製造方法であって、下記式
[I]
【化19】 で示されるペルフルオロシクロヘキシル基含有有機過酸
化物と下記一般式[VIII]
【化20】 で表される芳香族化合物とを反応させることを特徴とす
るペルフルオロシクロヘキシル基含有化合物の製造方
法。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の前記の[1]式に示され
るペルフルオロシクロヘキシル基含有有機過酸化物(ペ
ルフルオロシクロヘキサンカルボニルペルオキシドとも
記す。又はPFCH−POと略記する。)は、対応する
ペルフルオロシクロヘキサンカルボニルハライドをアル
カリ性条件下、過酸化水素と反応させることにより合成
することができる。前記の対応するペルフルオロシクロ
ヘキサンカルボニルハライドとしては、例えば、ペルフ
ルオロシクロヘキサンカルボニルフルオリド、ペルフル
オロシクロヘキサンカルボニルクロリド、ペルフルオロ
シクロヘキサンカルボニルブロミドが挙げられる。具体
的な合成方法としては、次の第1方法および第2方法が
ある。第1方法は、ペルフルオロシクロヘキサンカルボ
ニルハライドとして、ペルフルオロシクロヘキサンカル
ボニルフルオリドを用い、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム及びこれらの混合物等からな
る群より選択される化合物または混合物(以下、A成分
と称す。)の存在下、過酸化水素と反応させる。第2方
法は、前記ペルフルオロシクロヘキサンハライドを過酸
化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化バリウム及びこ
れらの混合物等から成る群より選択される化合物または
混合物(以下B成分と称す。)と反応させる。前記第1
方法において、ペルフルオロシクロヘキサンハライドと
過酸化水素と、A成分との仕込モル比は、1:0.3〜
20:0.3〜10であることが好ましく、特に、1:
0.5〜10:0.5〜7の範囲であるのが望ましい。
また、第2方法では、ペルフルオロシクロヘキサンハラ
イドとB成分の仕込モル比は、1:0.3〜20である
のが好ましく、特に、1:0.5〜15の範囲であるこ
とが望ましい。前記第1方法で、前記ペルフルオロシク
ロヘキサンカルボニルハライドに対する過酸化水素とA
成分との仕込モル比が20および10を越える場合、生
成物である有機過酸化物の収率が低下するので好ましく
ない。又第2方法で、前記ペルフルオロシクロヘキサン
カルボニルハライドに対するB成分の仕込モル比が20
を越える場合には、生成物である有機過酸化物の収率が
低下するので好ましくない。また、第1方法で前記仕込
モル比の過酸化水素が0.3未満では、反応時間が長く
なり、しかも生成物の収率も低下するので好ましくな
い。第2方法で前記仕込みモル比のB成分が0.3未満
では、反応時間が長くなり、しかも生成物の収率も低下
するので好ましくない。さらに、前記A成分及びB成分
は、水に溶解して用いるのが好ましく、水溶液中のA成
分及びB成分の濃度は1〜60重量%、特に5〜30重
量%の範囲であることが望ましい。この際、前記濃度が
60重量%を越える場合は、生成物の収率が低下するの
で好ましくなく、1重量%未満では反応効率が著しく低
下し、工業的に不向きとなるため好ましくない。また、
前記の第1方法及び第2方法における反応温度は、−3
0〜+50℃が好ましく、反応時間は、0.5〜10時
間であるのが好ましい。
【0011】さらに、前記反応は、ペルフルオロヘキサ
ンカルボニルハライドが可溶な溶剤であれば特に限定さ
れない。例えば、ハロゲン化脂肪族溶媒、ハロゲン化芳
香族溶媒などの溶媒を用いて行うのが特に好ましい。具
体的には例えば、塩化メチレン、クロロホルム、2−ク
ロロ−1,2−ジブロモ−1,1,2−トリフルオロエ
タン、1,2−ジブロモヘキサフルオロプロパン、1,
2−ジブロモテトラフルオロエタン、1,1−ジフルオ
ロテトラクロロエタン、1,2−ジフルオロテトラクロ
ロエタン、フルオロトリクロロメタン、ヘプタフルオロ
−2,3,3−トリクロロブタン、1,1,1,3−テ
トラクロロテトラフルオロプロパン、1,1,1−トリ
クロロペンタフルオロプロパン、1,1,2−トリクロ
ロトリフルオロエタン、1,1,1,2,2−ペンタフ
ルオロ−3、3−ジクロロプロパン、1,1,2,2,
3−ペンタフルオロ−1,3−ジクロロプロパン、ベン
ゾトリフルオリド、ヘキサフルオロキシレン、ペンタフ
ルオロベンゼン等の溶媒を用いることができる。特に工
業的には、1,1,1,2,2−ペンタフルオロ−3、
3−ジクロロプロパン、1,1,2,2,3−ペンタフ
ルオロ−1,3−ジクロロプロパン、ベンゾトリフルオ
リド等の溶媒若しくはこれら溶媒が任意の割合で混合さ
れた混合溶媒を好ましく挙げることができる。さらに、
これらの溶媒を使用して反応する際の反応温度は−30
〜+50℃の範囲であるのが望ましい。得られた反応の
粗生成物は水等を用いて洗浄したりして精製することが
できる。
【0012】本発明のPFCH−POは、ペルフルオロ
ヘキシル基を有するために10時間選定半減期温度が、
通常のフッ素系の有機過酸化物に比べて高く一般のエチ
レン性重合基のラジカル重合開始剤として有用である。
エチレン性重合基を有するモノマーとしては特に限定さ
れないが、後述の例示のモノマーが挙げられる。
【0013】本発明のペルフルオロシクロヘキシル基含
有化合物の一つは、一般式[II]で示されるものであ
り、ペルフルオロシクロヘキシル基含有有機過酸化物を
ラジカル重合開始剤としてエチレン性重合基を有するモ
ノマーを重合して得られる。ここで、Rf基は、ペルフ
ルオロシクロヘキシル基であり、R1は水素原子又はメ
チル基、R2はハロゲン原子、シアノ基、−Si(R4
3、−CO25、−CONR67を示す。{但し、R4
炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基、R5
6、R7は水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭
素数2〜6のヒドロキシアルキル基、又は−CH2CH2
CH2Si(R43を示す。
【0014】本発明の前記一般式[II]で示されるペル
フルオロシクロヘキシル基含有化合物は、重合体の両末
端にペルフルオロシクロヘキシル基があるものを示した
が、ラジカル反応で生じる重合体の片末端のみにペルフ
ルオロシクロヘキシル基が導入された化合物を任意の割
合で含んだものを示すこともできる。また、その際、ラ
ジカルの連鎖移動により溶媒などに由来する基やラジカ
ル停止反応による不均化反応に由来する基を片末端に導
入されたものも任意に含んでよい。 一般式[II]
【化21】 [ここで、Rf基は、ペルフルオロシクロヘキシル基で
あり、R1は水素原子又はメチル基、R2はハロゲン原
子、シアノ基、−Si(R43、−CO25、−CON
67を示す。{但し、R4は炭素数1〜4のアルキル
基又はアルコキシ基、R5、R6、R7は水素原子、炭素
数1〜18のアルキル基、炭素数2〜6のヒドロキシア
ルキル基、又は−CH2CH2CH2Si(R43を示
す。]で表わされるペルフルオロシクロヘキシル基含有
化合物を構成する一般式[V]
【化22】 [ここで、R1は水素原子又はメチル基、R2はハロゲン
原子、シアノ基、−Si(R43、−CO25、−CO
NR67を示す。{但し、R4は炭素数1〜4のアルキ
ル基又はアルコキシ基、R5、R6、R7は水素原子、炭
素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜6のヒドロキシ
アルキル基、又は−CH2CH2CH2Si(R43を示
す。]および、一般式[VI]
【化23】 [ここで、R1は水素原子又はメチル基、R3はハロゲン
原子、シアノ基、−Si(R43、−CO25、−CO
NR67を示す。{但し、R4は炭素数1〜4のアルキ
ル基又はアルコキシ基、R5、R6、R7は水素原子、炭
素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜6のヒドロキシ
アルキル基、又は−CH2CH2CH2Si(R43を示
す。}]で表わされるモノマーの具体例としては、次の
ものが挙げられる。
【0015】例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フ
ッ化ビニル、フッ化ビニリデン、アクリロニトリル、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、(メタ)
アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリ
ル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート,2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシビニルシ
ラン、トリエトキシビニルシラン、ジアセチルオキシメ
チルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、ト
リアセチルオキシビニルシラン、トリイソプロポキシビ
ニルシラン、トリメチルビニルシラン、トリ−t−ブト
キシビニルシラン、エトキシジエチルビニルシラン、ジ
エチルメチルビニルシラン、3−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルト
リエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジアセ
チルオキシメチルシラン、3−メタクリロキシプロピル
ジエトキシメチルシラン、3−メタクリロキシプロピル
トリアセチルオキシシラン、3−メタクリロキシプロピ
ルトリイソプロポキシシラン、3−メタクリロキシプロ
ピルトリメチルシラン、3−メタクリロキシプロピルト
リ−t−ブトキシシラン、3−メタクリロキシプロピル
エトキシジエチルシラン、3−メタクリロキシプロピル
ジエチルメチルシラン、3−アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキ
シシラン、3−アクリロキシプロピルジアセチルオキシ
メチルシラン、3−アクリロキシプロピルジエトキシメ
チルシラン、3−アクリロキシプロピルトリアセチルオ
キシシラン、3−アクリロキシプロピルトリイソプロポ
キシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメチルシラ
ン、3−アクリロキシプロピルトリ−t−ブトキシシラ
ン、3−アクリロキシプロピルエトキシジエチルシラ
ン、3−アクリロキシプロピルジエチルメチルシラン、
アクリロイルモルホリン、N−イソプロピルアクリルア
ミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等を好ましく挙
げることができる。
【0016】前記一般式[II]で表わされるペルフルオ
ロシクロヘキシル基含有化合物において、m1は1〜50
00及びm2は0〜5000の整数を示す。前記m1又はm2
が5000を超える場合には、製造が困難である。更に
前記一般式[II]で示されるペルフルオロシクロヘキシ
ル基含有化合物の数平均分子量は、500〜10000
00であり、フッ素の特性をより顕著に発現させるため
には、700〜50000とするのが好ましい。前記の
数平均分子量が、500未満の場合には製造が困難であ
り、1000000を超えると製造が困難である。本発
明のペルフルオロシクロヘキシル基含有化合物の製造方
法は、ペルフルオロシクロヘキサンカルボニルペルオキ
シドと特定の原料モノマーとを反応させることによって
行われる。本発明において、前記ペルフルオロシクロヘ
キサンカルボニルペルオキシドと前記一般式[V]又は
前記一般式[VI]で示されるモノマーとを反応させる際
における、一般式[V]で示されるモノマーと一般式
[VI]で示されるモノマーとの混合モル比は任意の割合
が可能であるが、好ましくは1:0.01〜100の範
囲であり、前記ペルフルオロシクロヘキサンカルボニル
ペルオキシドと一般式(V)又は一般式(VI)で示さ
れるモノマーとを反応させる際における仕込みモル比
は、1:0.1〜5000の範囲であるのが好ましく、
特に、1:0.5〜1000の範囲とするのが好まし
い。前記原料モノマーの仕込みモル比が0.1未満の場
合には、過酸化物の自己分解に起因する生成物が多量に
生成し、また5000を超える場合には、目的とするペ
ルフルオロシクロヘキシル基含有化合物の収率が低下す
るので好ましくない。また前記ペルフルオロシクロヘキ
サンカルボニルペルオキシドの仕込みモル比を調節する
ことにより、得られる生成物の分子量を調節することが
できる。即ち、前記ペルフルオロシクロヘキサンカルボ
ニルペルオキシドの仕込みモル比をモノマーに対して高
くすれば、分子量の低い生成物が得られ、仕込みモル比
を低くすれば、分子量の高い生成物を得ることができ
る。更に前記反応は常圧で行なうことが可能であり、且
つ反応温度は通常−20〜150℃、好ましくは0〜1
00℃の範囲であることが望ましい。反応温度が−20
℃未満では反応時間が長くなる傾向にあり、逆に150
℃を超えると反応時の圧力が高くなり、反応操作が困難
であるので好ましくない。更に反応時間は通常30分〜
20時間の範囲で行なうことができるが、実用的には1
〜10時間になるように条件を設定することが望まし
い。
【0017】本発明の製造法では前記種々の反応条件下
において、前記ペルフルオロシクロヘキサンカルボニル
ペルオキシドと前記モノマーとを反応させることによ
り、目的のペルフルオロシクロヘキシル基含有化合物を
直接1段階反応により得ることができるが、反応をより
円滑に行なうために有機溶媒を用いることが好ましい。
前記有機溶媒としては、ハロゲン化脂肪族溶媒、ハロゲ
ン化芳香族溶媒が特に好ましく、具体的には例えば、塩
化メチレン、クロロホルム、2−クロロ−1,2−ジブ
ロモ−1,1,2−トリフルオロエタン、1,2−ジブ
ロモヘキサフルオロプロパン、1,2−ジブロモテトラ
フルオロエタン、1,1−ジフルオロテトラクロロエタ
ン、1,2−ジフルオロテトラクロロエタン、フルオロ
トリクロロメタン、ヘプタフルオロ−2,3,3−トリ
クロロブタン、1,1,1,3−テトラクロロテトラフ
ルオロプロパン、1,1,1−トリクロロペンタフルオ
ロプロパン、1,1,2−トリクロロトリフルオロエタ
ン、1,1,1,2,2−ペンタフルオロ−3,3−ジ
クロロプロパン、1,1,2,2,3−ペンタフルオロ
−1,3−ジクロロプロパン、ベンゾトリフルオリド、
ヘキサフルオロキシレン、ペンタフルオロベンゼン等を
用いることができ、特に工業的には、1,1,1,2,
2−ペンタフルオロ−3、3−ジクロロプロパン、1,
1,2,2,3−ペンタフルオロ−1,3−ジクロロプ
ロパン、ベンゾトリフルオリド等の溶媒若しくはこれら
溶媒が任意の割合で混合された混合溶媒を好ましく挙げ
ることができる。
【0018】前記溶媒を使用する場合、通常溶媒中の前
記ペルフルオロシクロヘキサンカルボニルペルオキシド
の濃度が0.1〜30重量%程度であることが望まし
い。本発明の製造法により得られる前記一般式[II]で
示される化合物は、再沈澱法、カラムクロマトグラフィ
ー、透析等の公知の方法で精製することが可能である。
【0019】本発明のペルフルオロシクロヘキシル基含
有化合物の第二のものは、前記の一般式[III]で表わ
されるペルフルオロシクロヘキシル基含有化合物であ
り、そのAr−基としては、具体的には例えば、ベンゼ
ン、チオフェン、フラン、トルエン、キシレンおよびナ
フタレン由来の残基が挙げられる。また、本発明のペル
フルオロシクロヘキシル基含有化合物の第三のものは、
前記一般式[IV]で表わされるペルフルオロシクロヘキ
シル基含有化合物において示される芳香族基の具体例と
して、分子量200〜2000000のポリスチレン等
を好ましく挙げることができる。本発明のペルフルオロ
シクロヘキシル基含有化合物の製造方法は、ペルフルオ
ロシクロヘキサンカルボニルペルオキシドと特定の芳香
族化合物とを反応させることによって行われる。
【0020】本発明における前記一般式[III]もしく
は一般式[IV]で示されるペルフルオロシクロヘキシル
基含有化合物を製造する際に、前記ペルフルオロシクロ
ヘキサンカルボニルペルオキシドと前記一般式[VII]
又は前記一般式[VIII]で示される芳香族化合物との反
応における仕込モル比は任意の割合が可能であるが、好
ましくは1:0.01〜100の範囲であり、特に、
1:0.5〜50の範囲とするのが好ましい。なお、ポ
リスチレンにおいてはモノマーユニットに対するモル比
を示すものとする。前記原料の芳香族化合物の仕込みモ
ル比が0.01未満の場合には、過酸化物の自己分解に
起因する生成物が多量に生成し、また100を超える場
合には、未反応物が多量に残存するので好ましくない。
更に前記反応は常圧で行なうことが可能であり、且つ反
応温度は通常−20〜150℃、好ましくは0〜100
℃の範囲であることが望ましい。前記反応温度が−20
℃未満では反応時間が長くなる傾向にあり、逆に150
℃を超えると反応時の圧力が高くなり、反応操作が困難
であるので好ましくない。更に反応時間は通常30分〜
20時間の範囲で行なうことができるが、実用的には1
〜10時間になるように条件を設定することが望まし
い。本発明の製造法では、前記種々の反応条件下におい
て、前記ペルフルオロシクロヘキサンカルボニルペルオ
キシドと前記芳香族化合物とを反応させることにより、
目的のペルフルオロシクロヘキシル基含有化合物を直接
1段階反応により得ることができるが、反応をより円滑
に行なうために有機溶媒を用いることが好ましい。前記
有機溶媒としては、前記の第1方法及び第2方法の項で
記載した反応に用いるハロゲン化脂肪族溶媒、ハロゲン
化芳香族溶媒が特に好ましく挙げられる。
【0021】前記溶媒を使用する場合、通常溶媒中の前
記ペルフルオロシクロヘキサンカルボニルペルオキシド
の濃度が0.1〜30重量%程度であることが望まし
い。本発明の製造法により得られる前記一般式[III]
もしくは[IV]で示される化合物は、蒸留、再結晶、カ
ラムクロマトグラフィー、再沈殿法、透析等の公知の方
法で精製することが可能である。
【0022】
【発明の効果】本発明のペルフルオロシクロヘキシル基
含有有機過酸化物は、新規な有機過酸化物であり、種々
のエチレン性重合基を有するモノマー類の重合開始剤と
して、特にはフッ素系モノマー類の重合開始剤としても
有用である。本発明におけるペルフルオロシクロヘキシ
ル基含有化合物は、新規な化合物であり、ペルフルオロ
シクロヘキシル基がエステル結合でなく直接炭素−炭素
結合により結合されているため、フッ素に起因した性質
を長期にわたり維持することが可能であり、耐候性の高
い化合物である。従って、新規なフッ素系界面活性剤と
して、また低表面張力性、低屈折性、耐熱性、耐寒性、
耐油性、電気絶縁性、防曇性、防汚性、耐薬品性等の特
性を有する化合物として、さらには表面処理剤、塗料、
光学レンズ、プラスッチクファイバー、眼鏡用レンズ、
ガラス器具等の表面における材料及び化粧品等の原料等
に利用することができる。また本発明の製造方法により
ペルフルオロシクロヘキシル基含有化合物を、短時間で
収率良くかつ容易に、しかも反応触媒及び特殊な装置を
使用せずに1段階反応により製造することができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。 実施例1 ペルフルオロシクロヘキサンカルボニルフルオリド(4
3mmol)を含んだ1,1,1,2,2−ペンタフル
オロ−3,3−ジクロロプロパン及び1,1,2,2,
3−ペンタフルオロ−1,3−ジクロロプロパンの1:
1混合溶媒(AK−225)、540gを、水酸化ナト
リウム(96mmol)及び30%過酸化水素水(96
mmol)を含んだ水溶液100gに−5℃にて加え、
かき混ぜながら30分間反応させた。反応後、粗生成物
を分液ロートにより分離させ、さらに有機層を水にて2
回洗浄を行った。ついで得られた生成物をヨウ素滴定に
より分析を行ったところ、目的とするペルフルオロシク
ロヘキサンカルボニルペルオキシドを含む混合溶媒溶液
として、収量556g、収率85%で得た。なお、得ら
れた生成物の赤外吸収スペクトルの測定を行ったとこ
ろ、過酸化物中のカルボニル基に起因する吸収が186
5および1830cm-1にそれぞれ観測された。以上の
結果、原料、反応条件から生成物が式[I]の化合物で
あることを確認した。さらに、得られた化合物の熱分解
速度の測定を行ったところ、以下の表1に示す結果が得
られた。表1の結果から、10時間選定半減期温度は4
1℃であることがわかった。
【0024】
【表1】
【0025】実施例2 ペルフルオロシクロヘキサンカルボニルペルオキシド
(8mmol)を含んだAK−225溶液100gをベ
ンゼン(40mmol)に加え、窒素気流下、45℃、
10時間反応させた。反応後、得られた粗生成物を水、
5%炭酸水素ナトリウム水溶液、水でそれぞれ洗浄を行
った。次いで、硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧蒸留
により目的とするペルフルオロシクロヘキシルベンゼン
が以下に示される収率で得られた。 収量:1.58g 収率:56% 沸点:41〜43℃/3mmHg IR分析の結果を次に示した。 IR(n/cm-1) axial;Ph−C6F11:3078,1342,
1288.1257,1226,1200,1165,
1153,1119,1072,1041,984,
922, 837; equatorial;Ph−C611:3078,1
504,1454,1319,1257,1207,1
145,1038,1018,972,926,85
2,744 質量分析の結果を次に示した。 MS(m/z) axial;Ph−C611:358(M+),339,
208,189,158,127(base),69; equatorial;Ph−C611:358
(M+),339,250,189,158,127
(base),691 H−NMRの結果を次に示した。1 H−NMR(δ(ppm)、CDCl3) 7.51(2H,t,J=8Hz),7.57(1H,
tt,J=8Hz,2Hz),7.65(2H,m);19 F−NMRの結果を示した。19 F−NMR(δ(ppm)CDCl3,ext.CF3
CO2H) 2.70(1F,1a),−5.24(1F,1e),
−42.60,−43.20(2F,2,6a),−4
6.06,−46.60(2F,3,5a),−47.
10,−47.35(1F,4a),−57.01,−
57.64(2F,2,6e),−67.72,−6
3.32(2F,3,5e),−65.84,−66.
44(1F,4e)、 以上の結果から、生成物が次式のペルフルオロシクロヘ
キシルベンゼンであることを確認した。
【化24】
【0026】実施例3 ベンゼンをチオフェンに代えた以外は、実施例2と同様
の反応を行ったところ、2−ペルフルオロシクロヘキシ
ルチオフェンが得られた。 収量:1.57g 収率:54% 沸点:37〜38℃/3mmHg IR分析の結果を示した。 IR(n/cm-1) axial;Th−C611:1431,1319,1
254,1203,1137,1057,1007,9
68,864,825,790; equatorial;Th−C611:2970,1
269,1092,910,818; 質量分析の結果を示した。 MS(m/z) axial;Th−C611:364(M+),345,
281,214,195,164(base),13
1,69; equatorial;Th−C611;364
(M+),345,264,195,164(bas
e),133,114,69;1 H−NMRおよび19F−NMRの結果を示した。1 H−NMR(δ(ppm)、CDCl3) 7.17(1H,m),7.49(1H, m),7.
59(1H,m);19 F−NMR(δ(ppm)、CDCl3,ext.C
3CO2H)2.75(1F,1a),−5.28(1
F,1e),−42.66,−43.27(2F,2,
6a),−46.00,−46.56(2F,3,5
a),−47.07,−47.31(1F,4a),−
57.05,−57.61(2F,2,6e),−6
7.70,−63.36(2F,3,5e),−65.
81,−66.40(1F,4e). 以上の結果から生成物が次式の2−ペルフルオロシクロ
ヘキシルチオフェンであることを確認した。
【化25】
【0027】実施例4 ペルフルオロシクロヘキサンカルボニルペルオキシド
(0.8mmol)を含んだAK−225溶液10g及
び塩化メチレン10gに、ポリスチレン(8mmol、
スチレンモノマーユニット換算として)を加え、窒素気
流下でかき混ぜながら、45℃、10時間反応させた。
反応後、得られた粗生成物を水、5%炭酸水素ナトリウ
ム水溶液、水でそれぞれ洗浄を行った。次いで、硫酸マ
グネシウムで乾燥後、クロロホルムーメタノール系にて
再沈殿したところ、以下の構造で示されるペルフルオロ
シクロヘキシル基含有ポリスチレンが0.95gの収量
で得られた。 ペルフルオロシクロヘキシル基導入化率:8%[{y/
(x+y)}×100]Mn=102000(Mw/M
n=2.09) IR分析の結果を示した。 IR(n/cm-1) 1278(CF)19 F−NMR分析の結果を示した。19 F−NMR(δ(ppm)、CDCl3,ext.C
3CO2H) 2.49(1F,1a),−5.12(1F,1e),
−42.66,−43.28(2F,2,6a),−4
6.12,−46.68(2F,3,5a),−47.
04,−47.39(1F,4a),−57.09,−
57.58(2F,2,6e),−67.79,−6
3.27(2F,3,5e),−65.89,−66.
39(1F,4e). 以上の結果から生成物が次式のペルフルオロシクロヘキ
シル基含有ポリスチレンであることを確認した。
【化26】 {(y/x+y)}×100=8
【0028】実施例5 ペルフルオロシクロヘキサンカルボニルペルオキシド
(3mmol)を含んだAK−225溶液30gに、ト
リメトキシビニルシラン(8mmol)を加え、窒素気
流下でかき混ぜながら、45℃、10時間反応させた。
反応後、溶媒を除去し、次いで真空下にて恒量になるま
で乾燥させたところ、以下の構造で示されるペルフルオ
ロシクロヘキシル基含有トリメトキシビニルシランオリ
ゴマーが2.48gで得られた。 Mn=840(Mw/Mn=1.35) IR(n/cm-1) 1228(CF)19 F−NMRの結果を示した。19 F−NMR(δ(ppm)、CDCl3,ext.C
3CO2H) 2.67(1F,1a),−5.32(1F,1e),
−42.60,−43.35(2F,2,6a),−4
6.19,−46.56(2F,3,5a),−47.
12,−47.45(1F,4a),−57.12,−
57.63(2F,2,6e),−67.66,−6
3.33(2F,3,5e),−65.81,−66.
45(1F,4e). 以上の結果から、生成物が次式のペルフルオロシクロヘ
キシル基含有トリメトキシビニルシランオリゴマーであ
ることを確認した。
【化27】
【0029】実施例6 ペルフルオロシクロヘキサンカルボニルペルオキシド
(2mmol)を含んだAK−225溶液30gに、ア
クリル酸(4mmol)を加え、窒素気流下でかき混ぜ
ながら、45℃、10時間反応させた。反応後、溶媒を
除去し、メタノールー酢酸エチル系にて再沈殿を行い、
次いで真空下にて恒量になるまで乾燥させたところ、以
下の構造で示されるペルフルオロシクロヘキシル基含有
アクリル酸オリゴマーが0.9gで得られた。 Mn=1440(Mw/Mn=1.35) IR分析の結果を示した。 IR(n/cm-1) 1722(C=O),1238(CF)19 F−NMRの結果を示した。19 F−NMR(δ(ppm)、CDCl3,ext.C
3CO2H) 2.77(1F,1a),−5.27(1F,1e),
−42.59,−43.35(2F,2,6a),−4
6.34,−46.76(2F,3,5a),−47.
33,−47.66(1F,4a),−57.09,−
57.69(2F,2,6e),−67.55,−6
3.44(2F,3,5e),−65.77,−66.
32(1F,4e). 以上の結果から、生成物が次式のペルフルオロシクロヘ
キシル基含有アクリル酸オリゴマーであることを確認し
た。
【化28】
【0030】実施例7 ペルフルオロシクロヘキサンカルボニルペルオキシド
(5mmol)を含んだAK−225溶液40gに、メ
タクリル酸メチル(151mmol)を加え、窒素気流
下でかき混ぜながら、45℃、10時間反応させた。反
応後、溶媒を除去し、メタノールーヘキサン系にて再沈
殿を行い、次いで真空下にて恒量になるまで乾燥させた
ところ、以下の構造で示されるペルフルオロシクロヘキ
シル基含有メタクリル酸メチルオリゴマーが14.17
gで得られた。 Mn=17600(Mw/Mn=1.88) IR分析の結果を示した。 IR(n/cm-1) 1722(C=O),1238(CF)19 F−NMRの結果を示した。19 F−NMR(δ(ppm)、CDCl3,ext.C
3CO2H) 2.33(1F,1a),−5.34(1F, 1
e),−42.77,−43.43(2F,2,6
a),−46.66,−46.83(2F,3,5
a),−47.56,−47.73(1F,4a),−
57.32,−57.87(2F,2,6e),−6
7.21,−63.67(2F,3,5e),−65.
99,−66.23(1F,4e). 以上の結果から、生成物が次式のペルフルオロシクロヘ
キシル基含有メタクリル酸メチルオリゴマーであること
を確認した。
【化29】
【0031】以上の結果より、本発明のペルフルオロシ
クロヘキシル有機過酸化物がエチレン性の重合基を有す
る化合物のラジカル重合開始剤として有用であることが
わかる。さらに、該過酸化物を用いた反応で、ペルフル
オロシクロヘキシル基を含有する化合物が反応生成物と
して得られることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07F 7/18 C07F 7/18 E C08F 4/34 C08F 4/34 12/20 12/20 C11D 1/38 C11D 1/38

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式[I] 【化1】 で示されるペルフルオロシクロヘキシル基含有有機過酸
    化物。
  2. 【請求項2】下記一般式[II] 【化2】 [式中、Rfはペルフルオロシクロヘキシル基、R1
    水素原子又はメチル基、R2、R3は、ハロゲン原子、シ
    アノ基、−Si(R43、−CO25、−CONR
    67、m1は1〜5000、m2は0〜5000の整数を示
    す。{但し、R4は炭素数1〜4のアルキル基又はアル
    コキシ基、R5、R6、R7は、水素原子又は炭素数1〜
    18のアルキル基、又は炭素数2〜6のヒドロキシアル
    キル基、CH2CH2CH2Si(R43を示す。}]で
    表わされる数平均分子量500〜1000000のペル
    フルオロシクロヘキシル基含有化合物。
  3. 【請求項3】下記一般式[III] 【化3】 (式中、Ar−基は、ベンゼン、チオフェン、フラン、
    トルエン、キシレンおよびナフタレンの残基のいずれか
    を示す。)で表されるペルフルオロシクロヘキシル基含
    有化合物。
  4. 【請求項4】下記一般式[IV] 【化4】 (式中、xは0〜10000の整数を示し、yは1〜1
    0000の整数を示す)で表されるペルフルオロシクロ
    ヘキシル基含有化合物。
  5. 【請求項5】請求項1記載の式[I]で示される有機過
    酸化物を有効成分とするエチレン性重合基のラジカル重
    合開始剤。
  6. 【請求項6】請求項2記載のペルフルオロシクロヘキシ
    ル基含有化合物の製造方法であって、下記式[I] 【化5】 で示されるペルフルオロシクロヘキシル基含有有機過酸
    化物および下記一般式[V] 【化6】 [式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2はハロ
    ゲン原子、シアノ基、−Si(R43、−CO25、−
    CONR67を示し、R5、R6、R7は水素原子又は炭
    素数1〜18のアルキル基、又は炭素数2〜6のヒドロ
    キシアルキル基、−CH2CH2CH2Si(R43を示
    し、R4は炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基
    を示す。]で表わされるモノマーと下記一般式[VI] 【化7】 [式中、R1は水素原子又はメチル基、R3はハロゲン原
    子、シアノ基、−Si(R43、−CO25、−CON
    67、{但し、R4は炭素数1〜4のアルキル基又は
    アルコキシ基、R5、R6、R7は水素原子又は炭素数1
    〜18のアルキル基又は炭素数2〜6のヒドロキシアル
    キル基、−CH2CH2CH2Si(R43を示す。}]
    で表わされるモノマーとの混合物を反応させることを特
    徴とするペルフルオロシクロヘキシル基含有化合物の製
    造方法。
  7. 【請求項7】請求項3記載のペルフルオロシクロヘキシ
    ル基含有化合物の製造方法であって、下記式[I] 【化8】 で示されるペルフルオロシクロヘキシル基含有有機過酸
    化物と下記一般式[VII] Ar−H ・・・[VII] (式中、Ar−基は、ベンゼン、チオフェン、フラン、
    トルエン、キシレンおよびナフタレンの残基のいずれか
    を示す。)で表される芳香族化合物とを反応させること
    を特徴とするペルフルオロシクロヘキシル基含有化合物
    の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項4記載のペルフルオロシクロヘキシ
    ル基含有化合物の製造方法であって、下記式[I] 【化9】 で示されるペルフルオロシクロヘキシル基含有有機過酸
    化物と下記一般式[VIII] 【化10】 (式中、xは0〜10000の整数、yは1〜1000
    0の整数を示す)で表される芳香族化合物とを反応させ
    ることを特徴とするペルフルオロシクロヘキシル基含有
    化合物の製造方法。
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