JPH0892320A - フルオロアルキル基含有アリルアミン系重合体及びその製造方法 - Google Patents

フルオロアルキル基含有アリルアミン系重合体及びその製造方法

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JPH0892320A
JPH0892320A JP22965394A JP22965394A JPH0892320A JP H0892320 A JPH0892320 A JP H0892320A JP 22965394 A JP22965394 A JP 22965394A JP 22965394 A JP22965394 A JP 22965394A JP H0892320 A JPH0892320 A JP H0892320A
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JP
Japan
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allylamine
fluoroalkyl group
polymer
represented
chemical
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Application number
JP22965394A
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English (en)
Inventor
Hideo Sawada
英夫 沢田
Hitoshi Kobashi
仁 小橋
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NOF Corp
Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】下記式化1(R1,R2,R3=H,C1〜5の
アルキル基、Q=ハロゲン原子)で表わされる数平均分
子量500〜1000000のフルオロアルキル基含有
アリルアミン系重合体及びその製造方法。 【化1】 【効果】本発明は、フルオロアルキル基に起因した性質
を長期にわたり維持でき、耐候性等の高い化合物であ
り、フッ素系カチオン界面活性剤として利用できる他、
低表面張力性、低屈折性、耐熱性、耐寒性、耐油性、電
気絶縁性、撥水性、耐薬品性等の特性を有する化合物と
して、特に撥水撥油性及び防汚染性等を付与する表面処
理剤、更には塗料、光学レンズ、眼鏡用レンズ、ガラス
器具、生体材料等の表面における材料及び化粧品、医
薬、農薬等の原料、抗菌剤等に利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なフルオロアルキ
ル基含有アリルアミン系重合体及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】有機化合物中にフルオロアルキル基を含
有する化合物は、耐光性、撥水撥油性、更には生理活性
等の有用な性質を示すものとして知られている。特に有
機化合物中にフルオロアルキル基を有するフルオロアル
キル基含有重合体は、低表面張力、低屈折性、耐熱性、
耐寒性、耐油性、電気絶縁性、撥水性、離型性、耐薬品
性等の優れた特性を有するため、例えば、光学レンズ、
眼鏡用レンズ、ガラス器具、塗料等の表面に撥水撥油性
及び防汚染性等を付与する表面処理剤、化粧品、生体材
料、医薬・農薬の原料、離型性を付与する材料等の種々
の分野に有用である。しかしながら、従来のフルオロア
ルキル基含有重合体は、フルオロアルキル基が(メタ)
アクリル酸にエステル結合若しくはアミノ結合を介して
導入されたもの(フルオロアルキル基がアミノ結合を介
して導入された含フッ素エポキシ化合物;J. Fluorine
Chem., 55,1(1991))であり、一般に耐候性
が低い等の問題点がある。
【0003】一方、従来のアリル系モノマーは、一般に
ラジカル重合性が乏しく、破壊的連鎖移動反応により、
高数平均分子量の重合物が得られ難いので、フルオロア
ルキル基が直接炭素−炭素結合で結合された耐候性が高
く、さらには撥水撥油性の高いフルオロアルキル基含有
アリルアミン系重合物の開発が望まれている。特にフル
オロアルキル基含有アリルアミン系重合体は、フッ素系
カチオン界面活性剤、抗菌剤等への利用が期待できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低表
面張力、低屈折性、耐熱性、耐寒性、耐油性、電気絶縁
性、撥水性、離型性等を有し、光学レンズ、眼鏡用レン
ズ、ガラス器具、塗料等の表面における撥水撥油性、防
汚染性、耐薬品性等に優れ、化粧品、生体材料、医薬・
農薬の原料、抗菌剤、カチオン系界面活性剤等として有
用なフルオロアルキル基が直接炭素−炭素結合で導入さ
れたフルオロアルキル基含有アリルアミン系重合体を提
供することにある。
【0005】本発明の別の目的は、反応触媒及び特殊な
装置を用いず、高収率かつ容易にフルオロアルキル基が
炭素−炭素結合で導入されたフルオロアルキル基含有ア
リルアミン系重合体を製造する方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記一
般式化8で表わされる数平均分子量500〜10000
00のフルオロアルキル基含有アリルアミン系重合体
(以下アリルアミン系重合体Aと称す)が提供される。
【0007】
【化8】
【0008】また本発明によれば、下記一般式化9で表
わされる数平均分子量500〜1000000のフルオ
ロアルキル基含有アリルアミン系重合体(以下アリルア
ミン系重合体Bと称す)が提供される。
【0009】
【化9】
【0010】更に本発明によれば、下記一般式化10で
表わされる過酸化フルオロアルカノイル(以下過酸化フ
ルオロアルカノイルCと称す)と、
【0011】
【化10】
【0012】下記一般式化11で表わされるアリルアミ
ン系モノマー類(以下アリルアミン系モノマー類Dと称
す)及び/又は下記一般式化12で表わされるアリルア
ミン系モノマー類(以下アリルアミン系モノマー類Eと
称す)と
【0013】
【化11】
【0014】
【化12】
【0015】を必須成分として含み、必要により下記一
般式化13で表わされるビニルモノマー類(以下ビニル
モノマー類Fと称す)及び/又は下記一般式化14で表
わされるシリコン系モノマー類(以下シリコン系モノマ
ー類Gと称す)を含む重合性成分を、水を含む反応溶媒
の存在下に反応させることを特徴とする前記アリルアミ
ン系重合体Aの製造方法が提供される。
【0016】
【化13】
【0017】
【化14】
【0018】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明のフルオロアルキル基含有アリルアミン系重合体は、
前記一般式化8で表わされるアリルアミン系重合体A及
び前記一般式化9で表わされる数平均分子量500〜1
000000のアリルアミン系重合体Bである。前記ア
リルアミン系重合体A及びBの平均数平均分子量は50
0〜1000000であり、特にフルオロアルキル基の
特性をより顕著に発現させるために500〜20000
であるのが好ましい。また平均数平均分子量が前述の範
囲外の場合には製造が困難である。前記アリルアミン系
重合体A及びBにおいて、m1、m2、m3又はm4が50
01以上、m5が2以上の場合には製造が困難であり、
1が11以上、n2が9以上の場合には溶媒に対する溶
解性が低下するので使用できない。
【0019】前記アリルアミン系重合体AにおいてRF
は、下記一般式化15で表わされるフルオロオルキル基
であって、
【0020】
【化15】
【0021】具体的には、-CF3、-F(CF2)2、-F(CF2)3
-F(CF2)4、-F(CF2)5、-F(CF2)6、-F(CF2)7、-F(CF2)8
-F(CF2)9、-F(CF2)10、-HCF2、-H(CF2)2、-H(CF2)3、-H
(CF2)4、-H(CF2)5、-H(CF2)6、-H(CF2)7、-H(CF2)8、-H
(CF2)9、-H(CF2)10、-ClCF2、-Cl(CF2)2、-Cl(CF2)3、-
Cl(CF2)4、-Cl(CF2)5、-Cl(CF2)6、-Cl(CF2)7、-Cl(C
F2)8、-Cl(CF2)9、-Cl(CF2)10 の他、下記式化16で表
わされる構造である。
【0022】
【化16】
【0023】前記アリルアミン系重合体Aとしては、例
えば下記式化17で表わされる化合物等を挙げることが
できる。
【0024】
【化17】
【0025】前記アリルアミン系重合体Aを製造するに
は、前記一般式化10で表わされる過酸化フルオロアル
カノイルCと、前記一般式化11で表わされるアリルア
ミン系モノマー類D及び/又は前記一般式化12で表わ
されるアリルアミン系モノマー類Eとを必須成分として
含む重合性成分を水を含む反応溶媒の存在下に反応させ
る方法により得ることができる。
【0026】前記過酸化フルオロアルカノイルCにおい
て、n1が11以上又はn2が9以上の場合には、溶媒の
存在下にて反応させる際に溶解性が低下するので使用で
きない。またRFは、前記式化8のRFと同様であり、前
記過酸化フルオロアルカノイルCとしては、具体的に
は、例えば過酸化ジペルフルオロ−2−メチル−3−ヘ
キサノイル、過酸化ペルフルオロ−2,5−ジメチル−
3,6−ジオキサノナノイル、過酸化ジペルフルオロ−
2,5,8−トリメチル−3,6,9−トリオキサドデ
カノイル、過酸化ジペルフルオロブチリル、過酸化ジペ
ルフルオロヘプタノイル等を好ましく挙げることができ
る。
【0027】前記アリルアミン系モノマー類D又はEと
しては、具体的には、例えば下記式化18で表わされる
化合物等を好ましく挙げることができる。
【0028】
【化18】
【0029】前記重合性成分は、必須成分である前記過
酸化フルオロアルカノイルCと前記アリルアミン系モノ
マー類D及び/又はEとの他に、前記一般式化13で表
わされるビニルモノマー類F及び/又は前記一般式化1
4で表わされるシリコン系モノマー類G等を更に用いる
こともできる。
【0030】前記ビニルモノマー類Fとしては、具体的
には、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニ
ル、フッ化ビニリデン、アクリロニトリル、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、(メタ)アクリ
ル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
−t−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メ
タ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレートの他、下記式化19(式中q1
1〜10の整数、q2は1〜20の整数、q3は0〜20
の整数を示す。)で表わされる化合物等を好ましく挙げ
ることができ、使用に際しては単独若しくは混合物とし
て用いることができる。
【0031】
【化19】
【0032】また前記シリコン系モノマー類Gとして
は、具体的には、例えばトリメトキシビニルシラン、ト
リエトキシビニルシラン、ジアセチルオキシメチルビニ
ルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、トリアセチ
ルオキシビニルシラン、トリイソプロポキシビニルシラ
ン、トリメチルビニルシラン、トリ−t−ブトキシビニ
ルシラン、エトキシジエチルビニルシラン、ジエチルメ
チルビニルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキ
シシラン、3−メタクリロキシプロピルジアセチルオキ
シメチルシラン、3−メタクリロキシプロピルジエトキ
シメチルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリアセ
チルオキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリイ
ソプロポキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリ
メチルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリ−t−
ブトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルエトキシ
ジエチルシラン、3−メタクリロキシプロピルジエチル
メチルシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラ
ン、3−アクリロキシプロピルジアセチルオキシメチル
シラン、3−アクリロキシプロピルジエトキシメチルシ
ラン、3−アクリロキシプロピルトリアセチルオキシシ
ラン、3−アクリロキシプロピルトリイソプロポキシシ
ラン、3−アクリロキシプロピルトリメチルシラン、3
−アクリロキシプロピルトリ−t−ブトキシシラン、3
−アクリロキシプロピルエトキシジエチルシラン、3−
アクリロキシプロピルジエチルメチルシラン等を好まし
く挙げることができる。
【0033】前記反応を行うには、水を含む反応溶媒の
存在下に、例えば常圧下において、各重合性成分を直接
1段階反応により反応させれば良い。具体的には、例え
ば前記アリルアミン系モノマー類D及び/又はEと、必
要により前記ビニルモノマー類F及び/又は前記シリコ
ン系モノマー類Gとを、予め水を含む反応溶媒に溶解さ
せた後、前記過酸化ジフルオロアルカノイルCと反応さ
せる方法等を挙げることができる。
【0034】前記水を含む反応溶媒において、必須成分
である水は、前記アリルアミン系モノマー類D及び/又
はEの溶媒として作用するものであり、該水を含む反応
溶媒の使用量は、前記アリルアミン系モノマー類D及び
/又はE100重量部に対して、水換算量で好ましくは
1〜90重量部、特に好ましくは1〜75重量部である
のが好ましい。反応溶媒として水を含有しないと、目的
とするアリルアミン系重合体Aの収率が悪くなる。
【0035】更に水以外の溶媒としては、前記過酸化フ
ルオロアルカノイルは溶解し、反応をより円滑に行うた
めに、ハロゲン化脂肪族溶媒、ハロゲン化芳香族溶媒等
を特に好ましく用いることができ、具体的には例えば、
塩化メチレン、クロロホルム、2−クロロ−1,2−ジ
ブロモ−1,1,2−トリフルオロエタン、1,2−ジ
ブロモヘキサフルオロプロパン、1,2−ジブロモテト
ラフルオロエタン、1,1−ジフルオロテトラクロロエ
タン、1,2−ジフルオロテトラクロロエタン、フルオ
ロトリクロロメタン、ヘプタフルオロ−2,3,3−ト
リクロロブタン、1,1,1,3−テトラクロロテトラ
フルオロプロパン、1,1,1−トリクロロペンタフル
オロプロパン、1,1,2−トリクロロトリフルオロエ
タン、1,1,1,2,2−ペンタフルオロ−3,3−
ジクロロプロパン、1,1,2,2,3−ペンタフルオ
ロ−1,3−ジクロロプロパン、ベンゾトリフルオリ
ド、ヘキサフルオロキシレン、ペンタフルオロベンゼン
等を用いることができ、特に工業的には、1,1,2−
トリクロロトリフルオロエタン、1,1,1,2,2−
ペンタフルオロ−3,3−ジクロロプロパン、1,1,
2,2,3−ペンタフルオロ−1,3−ジクロロプロパ
ン、ベンゾトリフルオリド等を好ましく挙げることがで
きる。前記水以外の溶媒の使用量は、該水以外の溶媒と
前記過酸化フルオロアルカノイルCとの合計量に対し
て、前記過酸化フルオロアルカノイルCの量が1〜30
重量%となるように調整するのが好ましい。
【0036】前記アリルアミン系モノマー類D及び/又
はEと、前記ビニルモノマー類Fと、前記シリコン系モ
ノマー類Gとの混合物の仕込みモル比は、1:0.01
〜100:0.01〜100が好ましく、特に1:0.
1〜50:0.1〜50が望ましい。また前記アリルア
ミン系モノマー類D及びEの両方を用いる場合の覚醒文
の混合モル比は、D:Eが1:0.01〜100、特に
1:0.1〜10が望ましい。更に前記過酸化ジフルオ
ロアルカノイルCと前記混合物との仕込みモル比は1:
0.1〜5000が好ましく、特に1:0.5〜100
0が望ましい。前記混合物の仕込みモル比が0.1未満
の場合には、過酸化ジフルオロアルカノイルCの自己分
解に起因する生成物が多量に生成し、また5000を超
える場合には、目的とするアリルアミン系重合体Aの収
率が低下するので好ましくない。この際前記過酸化ジフ
ルオロアルカノイルCの仕込みモル比を調節することに
より、得られるアリルアミン系重合体Aの数平均分子量
を調節することができる。即ち、前記過酸化ジフルオロ
アルカノイルCの仕込みモル比を混合物に対して高くす
れば、数平均分子量の低いアリルアミン系重合体Aを得
ることができ、低くすれば、数平均分子量の高いアリル
アミン系重合体Aを得ることができる。
【0037】前記反応を行う場合の反応温度は−20〜
150℃が好ましく、特に0〜100℃が望ましい。前
記反応温度が−20℃未満では反応時間が長くなる傾向
があり、150℃を超えると反応時の圧力が高くなり、
反応操作が困難であるので好ましくない。また反応時間
は30分〜20時間が好ましく、特に1〜10時間が望
ましい。
【0038】本発明の製造方法において、反応に際して
公知の分散剤等の添加剤を適宜添加することもできる。
【0039】また本発明の製造方法では、前記アリルア
ミン系重合体Aの他に、前記具体的に列挙したRFを片
末端のみ有する化合物も得られる。
【0040】前記アリルアミン系重合体Aは、水に対し
て高い溶解性を示し、さらにはメタノール、エタノー
ル、ジメチルスルホキシド等の有機溶剤に対しても溶解
性を示す傾向にある。従って、新規なフッ素系のカチオ
ン界面活性剤等として有用である。
【0041】一方前記アリルアミン系重合体Bとして
は、例えば下記式化20で表わされる化合物等を挙げる
ことができる。
【0042】
【化20】
【0043】前記アリルアミン系重合体Bを調製するに
は、例えば前記アリルアミン系重合体Aを、アルカリ化
合物あるいは塩基性化合物にて通常公知の方法で中和処
理させる方法、あるいは商品名「ダイヤイオンSA10
A」(三菱化成工業(株)製)等の強塩基性陰イオン交
換樹脂で処理させる方法等により中性の前記アリルアミ
ン系重合体Bを容易に得ることができる。この際使用す
るアルカリ化合物及び塩基性化合物の具体例としては、
例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナ
トリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム等の通常公知の無機アルカリ化合物、あるいはピ
リジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリブ
チルアミン、ルチジン等の公知の有機塩基を挙げること
ができる。
【0044】また得られたアリルアミン系重合体A及び
Bは、再沈澱法、カラムクロマトグラフィー等の公知の
方法により容易に精製することができる。
【0045】
【発明の効果】本発明のフルオロアルキル基含有アリル
アミン系重合体は、新規な化合物であり、フルオロアル
キル基がエステル結合でなく直接炭素−炭素結合により
結合されているため、フルオロアルキル基に起因した性
質を長期にわたり維持することができ、耐候性等の高い
化合物である。従って、フッ素系カチオン界面活性剤と
して利用できる他、低表面張力性、低屈折性、耐熱性、
耐寒性、耐油性、電気絶縁性、撥水性、耐薬品性等の特
性を有する化合物として、特に撥水撥油性及び防汚染性
等を付与する表面処理剤、更には塗料、光学レンズ、眼
鏡用レンズ、ガラス器具、生体材料等の表面における材
料及び化粧品、医薬、農薬等の原料、抗菌剤等に利用で
きる。
【0046】また本発明の製造方法により、フルオロア
ルキル基含有アリルアミン系重合体を、短時間で収率良
くかつ容易に、しかも反応触媒及び特殊な装置を使用せ
ずに1段階反応により製造できる。
【0047】
【実施例】以下本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0048】
【実施例1】アリルアミン塩酸塩5.71g(61mm
ol)と水5.71gとを、過酸化ペルフルオロ−2,
5−ジメチル−3,6−ジオキサノナノイル4.04g
(4.01mmol)を含む1,1,2−トリクロロト
リフルオロエタン溶液50gに添加し、窒素雰囲気下、
撹拌しながら40℃、5時間反応させた。反応終了後、
反応液を過剰のメタノール500ml中に添加し、再沈
澱法により精製を行ったところ、白色の粉末を得た。次
いで真空下にて乾燥させることにより、下記式化21で
表わされるフルオロアルキル基含有アリルアミン系重合
体を得た。収量は4.67gであった。また分子量をG
PC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)(カ
ラム;展開溶媒;酢酸−酢酸ナトリウム−アセトニトリ
ル緩衝溶液、標準サンプル;ポリアリルアミン)により
測定した。分子量、IR、19F−NMR、1H−NMR
の測定結果を以下に示す。
【0049】
【化21】
【0050】
【実施例2】実施例1で得られた重合体1.0gを水1
0gに溶解させ、強塩基性陰イオン交換樹脂である商品
名「ダイヤイオンSA10A」(三菱化成工業(株)
製)にて処理した後、凍結乾燥させることにより、下記
式化22で表わされるフルオロアルキル基含有アリルア
ミン系重合体を得た。収量は0.6gであった。各測定
結果を以下に示す。
【0051】
【化22】
【0052】
【実施例3】過酸化ペルフルオロ−2,5−ジメチル−
3,6−ジオキサノナノイルの代わりに、過酸化ペルフ
ルオロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイル2.84
g(4.31mmol)を用いた以外は、実施例1に従
って反応を行ったところ、下記式化23で表わされるフ
ルオロアルキル基含有アリルアミン系重合体を得た。収
量は3.11gであった。各測定結果を以下に示す。
【0053】
【化23】
【0054】
【実施例4】過酸化ペルフルオロ−2,5−ジメチル−
3,6−ジオキサノナノイルの代わりに、過酸化ペルフ
ルオロ−2,5,8−トリメチル−3,6,9−トリオ
キサドデカノイル6.61g(5mmol)を用いた以
外は、実施例1に従って反応を行ったところ、下記式化
24で表わされるフルオロアルキル基含有アリルアミン
系重合体を得た。収量は7.49gであった。各測定結
果を以下に示す。
【0055】
【化24】
【0056】
【実施例5】過酸化ペルフルオロ−2,5−ジメチル−
3,6−ジオキサノナノイルの代わりに、過酸化ペルフ
ルオロヘプタノイル3.65g(5mmol)用いた以
外は、実施例1に従って反応を行ったところ、下記式化
25で表わされるフルオロアルキル基含有アリルアミン
系重合体を得た。収量は4.11gであった。各測定結
果を以下に示す。
【0057】
【化25】
【0058】
【実施例6】過酸化ペルフルオロ−2,5−ジメチル−
3,6−ジオキサノナノイルの代わりに、過酸化ペルフ
ルオロブチリル2.15g(5mmol)を用いた以外
は、実施例1に従って反応を行ったところ、下記式化2
6で表わされるフルオロアルキル基含有アリルアミン系
重合体を得た。収量は1.98gであった。各測定結果
を以下に示す。
【0059】
【化26】
【0060】
【実施例7】アリルアミン塩酸塩の代わりに、ジアリル
アミン塩酸塩5.72g(42.8mmol)を用い、
過酸化ペルフルオロ−2,5−ジメチル−3,6−ジオ
キサノナノイルの仕込み量を5.66g(8.6mmo
l)とした以外は、実施例1に従って反応を行った。そ
の結果下記式化27で表わされるフルオロアルキル基含
有アリルアミン系重合体が得られた。収量は3.14g
であった。各測定結果を以下に示す。
【0061】
【化27】
【0062】
【実施例8】アリルアミン塩酸塩の代わりに、ジアリル
アミン塩酸塩5.72g(42.8mmol)を、過酸
化ペルフルオロ−2,5−ジメチル−3,6−ジオキサ
ノナノイルの代わりに、過酸化ペルフルオロ−2−メチ
ル−3−オキサヘキサノイル2.84g(4.31mm
ol)を用いた以外は、実施例1に従って反応を行なっ
たところ、下記式化28で表わされるフルオロアルキル
基含有アリルアミン系重合体を得た。収量は3.98g
であった。各測定結果を以下に示す。
【0063】
【化28】
【0064】
【実施例9】アリルアミン塩酸塩の代わりに、アリルア
ミン塩酸塩2.00g(21.4mmol)及びジアリ
ルアミン塩酸塩2.86g(21.4mmol)の混合
物を、過酸化ペルフルオロ−2,5−ジメチル−3,6
−ジオキサノナノイルの代わりに、過酸化ペルフルオロ
−2−メチル−3−オキサヘキサノイル5.66g
(8.6mmol)を用いた以外は、実施例1に従って
反応を行なったところ、下記式化29で表わされるフル
オロアルキル基含有アリルアミン系重合体を得た。収量
は2.43gであった。各測定結果を以下に示す。
【0065】
【化29】
【0066】
【実施例10】アリルアミン塩酸塩の代わりに、アリル
アミン塩酸塩1.89g(20.2mmol)及びトリ
メチルビニルシラン0.81g(8.08mmol)の
混合物を用いた以外は、実施例1に従って反応を行なっ
たところ、下記式化30で表わされるフルオロアルキル
基含有アリルアミン系重合体を得た。収量は1.40g
であった。各測定結果を以下に示す。
【0067】
【化30】
【0068】
【実施例11】アリルアミン塩酸塩の代わりに、アリル
アミン塩酸塩3.78g(40.4mmol)及びトリ
メチルビニルシラン0.81g(8.08mmol)の
混合物を用いた以外は、実施例1に従って反応を行なっ
たところ、下記式化31で表わされるフルオロアルキル
基含有アリルアミン系重合体を得た。収量は4.87g
であった。各測定結果を以下に示す。
【0069】
【化31】
【0070】
【実施例12】アリルアミン塩酸塩の代わりに、アリル
アミン塩酸塩3.78g(40.4mmol)及びアク
リル酸0.72g(10mmol)の混合物を用いた以
外は、実施例1に従って反応を行なったところ、下記式
化32で表わされるフルオロアルキル基含有アリルアミ
ン系重合体を得た。収量は4.03gであった。各測定
結果を以下に示す。
【0071】
【化32】
【0072】
【実施例13】実施例1及び実施例3〜12において合
成した各フルオロアルキル基含有アリルアミン系重合体
について、表1に示す各種溶剤に対する溶解性の検討を
行なった。結果を表1に示す。
【0073】
【表1】
【0074】
【実施例14】実施例1及び実施例3〜11において合
成した各フルオロアルキル基含有アリルアミン系重合体
を、濃度が1g/リットルとなるように水に溶解し、表
面張力をドゥヌーイ法により25℃にて測定した。結果
を表2示す。
【0075】
【表2】
【0076】表2に示すように、本発明におけるフルオ
ロアルキル基含有アリルアミン系重合体は、水の表面張
力を著しく低下させることが明らかであり、新規なフッ
素系カチオン界面活性剤として有用であることが判る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式化1で表わされる数平均分子
    量500〜1000000のフルオロアルキル基含有ア
    リルアミン系重合体。 【化1】
  2. 【請求項2】 下記一般式化2で表わされる数平均分子
    量500〜1000000のフルオロアルキル基含有ア
    リルアミン系重合体。 【化2】
  3. 【請求項3】 下記一般式化3で表わされる過酸化フル
    オロアルカノイルと、 【化3】 下記一般式化4で表わされるアリルアミン系モノマー類
    及び/又は下記一般式化5で表わされるアリルアミン系
    モノマー類と 【化4】 【化5】 を必須成分として含む重合性成分を、水を含む反応溶媒
    の存在下に反応させることを特徴とする請求項1記載の
    フルオロアルキル基含有アリルアミン系重合体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記重合性成分が、更に下記一般式化6
    で表わされるビニルモノマー類及び/又は下記一般式化
    7で表わされるシリコン系モノマー類を含むことを特徴
    とする請求項3記載の製造方法。 【化6】 【化7】
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