JP2528861B2 - 含フツ素アジド化合物 - Google Patents

含フツ素アジド化合物

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JP2528861B2 JP62056525A JP5652587A JP2528861B2 JP 2528861 B2 JP2528861 B2 JP 2528861B2 JP 62056525 A JP62056525 A JP 62056525A JP 5652587 A JP5652587 A JP 5652587A JP 2528861 B2 JP2528861 B2 JP 2528861B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規な含フッ素アジド化合物に関する。本
発明の化合物により、例えばポリマー等により形成され
た固体表面を低エネルギ表面に改質が可能であり、撥水
撥油処理剤,防汚剤等として使用できる。
〔従来の技術〕
本発明による化合物は、フルオロアルキル鎖あるいは
フルオロポリエーテル鎖を基体骨格とする含フッ素アジ
ド類であり、次の刊行物は、従来技術の代表例である。
特開昭60−34924,米国特許3250808,米国特許3810874
等は、ペルフルオロポリエーテル類について開示してい
る。
しかし、上記いずれの刊行物においても、分子構造中
にアジド基を有する化合物の記載はない。
また、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイエティー
・C(1970年)第1017頁(J.C.S(C),1017(1970)
は、CHFX CF2N3(但しXは−F,−Cl,−Iまたは−CF3
である化合物が記載されている。
米国特許4474700、ジャーナル・オブ・オルガニック
・ケミストリ,51,(1986年)第332頁〔JOC.,51,332(19
86)〕はフルオロアルキルアジドについて開示している
が、いずれも末端が−CFY CF2N3〔Yは−Cl,−F,−Br,
−ORf(Rfは炭素数1から10までのペルフルオロアルキ
ル基等)〕である構造の化合物に限定されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
フッ素化されたアルキル鎖、あるいはポリエーテル鎖
を基本骨格とするアジドは、上記従来技術で代表される
少数の例を除き殆んど知られていない。
本発明の目的は、新規な含フッ素アジド類を提供する
ことにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的は、部分的もしくは全体がフッ素化されたア
ルキル鎖、あるいはポリエーテル鎖を基本骨格とし、非
フッ素系官能を介してアジド基が存在する構造をとるこ
とを特徴とする含フッ素アジド化合物により達成され
る。したがって明らかに前述の従来の化合物とも構造の
異なる新規な化合物である。
本発明による含フッ素アジド類は、式(1)〜(4)
で示される化合物が挙げられる。
式(1):(CnF2n+1(A(CmH2m(BjN3 式(2):N3(CmH2m(A(CnF2n(A(CmH2m(BjN3 式(4):N3(CmH2m(A〔CF2O(CtF2tO)(CF2OqCF2(A
(CmH2m(BjN3 (ただし、Aは 又は−CO2−で表わされる官能基、Bは−CONHL−で表わ
される官能基(Lは芳香族基を示す)、nは3から20ま
での整数、mは0から30までの整数、i,jはそれぞれ0
又は1で1i+j2の範囲であり、rは1から100
までの整数、tは2又は3であり分子中にtが2と3の
ものが同時に含まれていてもよく、p,qはそれぞれ1か
ら100までの整数である。) p,qの値としては、p/qが0.2/1〜5/1の範囲にあること
が好ましい。
上記式(1),(2)における(CnF2n+1とCnF2n
で示されるフルオロカーボンセグメント及び式(1)
〜(4)におけるCmH2mで示されるハイドロカーボ
ンセグメントには、直鎖状ものばかりでなく、分岐した
構造のものも含まれる。上記式(3)におけるペルフル
オロポリエーテル類には、−CF2O−セグメントを含むも
のであってもよい。
上記式(4)におけるペルフルオロポリエーテル鎖に
は、−C3F6O−セグメントと−C2F4O−セグメントを含む
ものであってもよい。
上記式において、Lの芳香族基としては、フエニレン
基,ハロゲンフェニレン基、トルイレン基,キシリレン
基,ナフチレン基,アントラセニレン基などを例示する
ことができる。
前記式(1)〜(4)の化合物が、本発明の目的物質
であるが、例えば、群(I)〜(III)に示した化合物
を原料物質として合成可能である。
群(I) 群(II) ECmH2mD (ii) 群(III) G−N3 (iii) 〔ただし、m,n,r,t,p,qは、前記と同じ意味を表わし、
D,Eは互に反応して前述の部分構造Aを生成しうる官能
基、またD,Gは互に反応して前述の部分構造Bを生成し
うる官能基である。〕 上記式において、官能基D,E,Gとしては、それぞれ次
のものを例示することができる。
Dとして、X(Xはハロゲン原子でCl,Br,Iであ
る)、−COX,−CO2R Eとしては、−CH=CH2,−OH Gとしては、−LNH2 (Lは前記と同じ意味を表わし、Rは水素原子又はア
ルキル基である)等である。
D,E,Gは反応によって直接A,Bの構造を生成する場合の
ほか、互に反応し、さらに第二,第三の反応によってA,
Bの構造を形成してもよい。これについては後述する。
式(1)〜(4)の化合物は、上記群(I)〜(II
I)より選ばれる化合物(i),(ii)より部分構造A
を形成する工程、化合物(ii),(iii)より部分構造
Bを形成する工程、化合物(i),(iii)より部分構
造Bを形成する工程のうちいずれか1つ以上を選択する
ことにより、合成が可能である。
より具体的には、次のプロセス(a)〜(c)を例示
することができる。
プロセス(a) 化合物(i)+化合物(ii) ↓(部分構造Aを形成し接合) ↓+化合物(iii) ↓(部分構造Bを形成し接合) 生成物 プロセス(b) 化合物(i)+化合物(iii) ↓(部分構造Bを形成し接合) 生成物 プロセス(c) 化合物(i)+化合物(ii) ↓(部分構造Aを形成し接合) ↓(アジド化) 生成物 化合物(i)と(ii)との反応のみによるときは、さ
らにアジド化してアジド基を導入することが必要であ
る。
上記プロセスにおける化合物(i)〜(iii)の反応
に関与する官能基(D,E,G)、と生成する部分構造(A,
B)を表1に例示した。
各反応における反応溶媒として、フッ素系溶媒,炭化
水素系溶媒あるいは両者の混合溶媒を使用してもよい。
フッ素系溶媒としては、フルオロカーボン類、フルオ
ロクロロカーボン類等が挙げられ、具体的には、トリク
ロロトリフルオロエタン,ペルフルオロ−2−ブチルテ
トラヒドロフラン,ペルフルオロヘプタン等を例示する
ことができる。
炭化水素溶媒としては、エーテル,ケトン,炭化水
素,アルコール等が挙げられ、具体的にはジエチルエー
テル,アセトン,ベンゼン,ヘキサン,メタノール等を
例示することができる。
反応に際しては、上記溶媒を単独あるいは混合溶媒と
して使用する他に、反応物をそれぞれフッ素系,炭化水
素系溶媒に別々に溶解し、溶液のかたちで反応させる方
法等もある。
化合物(i)〜(iii)は、反応系の乾燥状態,撹拌
状態等により多生の変動があるが、ほぼ化学量論的に反
応する。
したがって、各化合物の仕込み比は、当量比で0.5〜
2倍の範囲にあるのが、未反応物の除去の点から考えて
好適である。
反応生成物の精製法としては、抽出,蒸留,液体クロ
マトグラフィ等の周知の方法を適用できる。
なお、本発明の化合物としては、表5,表7,表9〜11に
示した実施例に記載の含フッ素アジド等を例示できる。
また、ここにはすべての構造について明記していない
が、分子量の異なる化合物,分枝した基本骨格の化合
物、任意の位置にエーテル結合を含むペルフルオロアル
キル鎖を有する化合物についても、前述と同様に合成で
きることは、言うまでもない。
本発明による化合物は、例えば分子構造中に導入した
アジド基(−N3)を熱あるいは光分解等によりナイトレ
ン(窒素のビラジカル;−・)に変えることができる
のでポリマをはじめとする多くの有機化合物等と化学結
合をすることができる。
上記アジド基の反応性とフッ素を含む基本骨格の分子
機能により、さまざまな用途に本発明の化合物を応用す
ることができる。
例えば、ポリマ等の固体表面を低エネルギー表面に改
質が可能であり、撥水撥油処理剤,防汚剤,潤滑剤等と
して利用できる。
〔実施例〕
本発明の実施例において、原料物質として使用するヨ
ウ化物,酸塩化物,カルボン酸エステルは、次に概略的
に示す工程により合成した。
(ただしRfはペルフルオロアルキル鎖、または、ペルフ
ルオロポリエーテル鎖、Rは、アルキル基である。) 同様の方法でジカルボン酸より、ジヨウ化物,ジ酸塩
化物,ジカルボン酸エステルを合成した。
次に代表的な合成例を示す。
合成例1−1(ポリヘキサフルオロプロピレンオキシド
−ω−酸塩化物の合成) ポリヘキサフルオロプロピレンオキシド酸(デュポン
社商品名 Krytox157FS/L;平均分子量2500)30gを1,1,2
−トリクロロトリフルオロエタン(デュポン社商品名フ
レオンTF、以下フレオンと略称)100mlに溶解した。上
記溶液を硫酸マグネシウムで乾燥後、塩化チオニル10g
を加え、2時間還流した。
反応終了後、溶媒および未反応の塩化チオニルを留去
し、(1)の酸塩化物を得た。
この物質の赤外スペクトルでは、1790cm-1にカルボニ
ル基の吸収が観測された。
合成例1−2(ペルフルオロポリエーテル−α,ω−ジ
酸塩化物の合成) 合成例1−1におけるポリヘキサフルオロプロピレン
オキシド酸のかわりにペルフルオロポリエーテル−α,
ω−ジ酸(モンテフロース社商品名Fomblin Z−DIAC;平
均分子量2000)20gを用い、 HO2C(CF2O)(CF2CF2O)qCF2CO2H 同様の手順に従い、(2)のα,ω−ジ酸塩化物を得
た。
ClOC(CF2O)(CF2CF2O)qCOCl (2) 赤外スペクトルでは、1790cm-1にカルボニル基の吸収
が観測された。
合成例2−1(ポリヘキサフルオロプロピレンオキシド
−ω−酸メチルの合成) 乾燥フレオン50mlに、酸塩化物(1)10gを溶解し、
撹拌しながらメタノール50mlを徐々に加えた。反応終了
後、溶媒を留去し、メチルエステル(7)を得た。
赤外スペクトルでは、1780cm-1にカルボキシル基に起
因する吸収が、′H−NMRスペクトルではδ=3.7ppmに
−CH3プロトンによる吸収が観測された。
合成例3(ポリヘキサフルオロプロピレンオキシド−ω
−ヨウ化物の合成) ポリヘキサフルオロプロピレンオキシド酸(平均分子
量2500)125gをフレオン200mlに溶解し、酸化銀(I)1
2.5gを加え、約24時間撹拌した。次いで未反応の酸化銀
をろ別し、ろ液より溶媒を留去し、銀塩を得た。
上記銀塩52gおよびヨウ素6gを混合後、乾燥窒素ガス
導入口,塩化カルシウム管,冷却管を取りつけたフラス
コに入れ、140〜150℃で約7時間還流した。
上記生成物を常温まで冷却後、フレオン溶液とし、ヨ
ウ化銀を3別後、溶媒を留去し、ヨウ化物(13)を得
た。
赤外スペクトルでは、カルボニル基の吸収が消失し
た。19F−NMRでは、78.9ppm(C6F6を基準)に>CFI構造
に起因する吸収が観測された。
上記合成例1〜3に記載した方法に従い、ペルフルオ
ロポリエーテル酸、およびペルフルオロカルボン酸より
合成した酸塩化物,カルボン酸エステル,ヨウ化物を原
料物質とした。
次に実施例および応用例を示し、本発明を具体的に説
明する。
RfCONHLN3(Rf,Lは前記と同じ)なる型の含フッ素ア
ジド類は、次に概略的に示す工程により合成した。
ジカルボン酸エステル,ジ酸塩化物についても同様に
上記工程を適用した。上記工程による好実施例を以下に
示す。
実施例1. 前述の合成例1の酸塩化物(1)25gをフレオン−ジ
エチルエーテル混合溶媒(体積比1:1)200mlに溶解し、
p−アジドアニリン1.6gを加えた。常温で30分間撹拌
後、溶媒を留去し次の含フッ素アジド(14)を得た。
収量は17g(収率68%)であった。赤外スペクトルで
は、3300−2400cm-1にNH,CHによる吸収、2110cm-1に−N
3による吸収、1660cm-1に>C=0による吸収、1400−1
000cm-1にCFによる吸収が観測された。紫外スペクトル
では、λmax,メタノール中=259nmであった。
実施例2. 合成例1に従って合成したポリヘキサフルオロプロピ
レンオキシド−ω−酸エチル(8)25g をペルフルオロ−2−ブチルテトラヒドロフラン100ml
に溶解し、これにp−アジドアニリン2gを含むアセトン
溶液50mlを徐々に加えた。
上記混合物を約40℃で1時間還流した後、溶媒を留去
してアジド(14)を得た。収量は21g(収率84g)であ
り、赤外スペクトル,紫外スペクトルを測定したとこ
ろ、実施例1と同様の結果が得られた。
実施例3〜10. 実施例1,2と同様の手順に準じ、酸塩化物,カルボン
酸エステル、および芳香族アジドの種類を変更して合成
を行った。反応物および生成物の構造を表2〜5に示
す。また生成物の赤外およびNMR分析結果を表6に示
す。
これらの分析結果は、上記構造を支持するものであ
る。
RfCH2CH2(CmH2m)CONHLN3(Rf,m,Lは前記と同じ)な
る型の含フッ素アジド化合物は、次に概略的に示す工程
により合成した。
次いで、 または、 ジヨウ化物についても同様に上記工程を適用した。
上記工程による好実施例を以下に示す。
実施例11. ペルフルオロ−n−ヘプチルヨウ化物50g,10−ウンデ
シレニル酸18g、およびアゾイソブチロニトリル(AIB
N)1.6gを窒素中70〜80℃において約5時間還流し、次
の化合物を得た。
上記化合物68g,水酸化カリウム112gをエタノール1000
mlに溶解し、約24時間撹拌した。上記溶液を濃縮し、5
%塩酸に投入した。析出した油状物質を乾燥し、次の化
合物を得た。
F(CF27CH=CH(CH28CO2H 上記生成物28gをエタノール300mlに溶解し、5%パラ
ジウムカーボン6gを用い、常温常圧による水素添加を行
ない、次の化合物を得た。
F(CF2(CH210CO2H 上記化合物27gのフレオン溶液200mlに塩化チオニル12
gを加え約30分間還流の後未反応の塩化チオニルとフレ
オンを留去し、次の化合物を得た。
F(CF2(CH210COCl (22) 上記化合物20gをフレオン100mlに溶解し、メタノール
100mlを加えた後、溶媒を留去して次の化合物を得た。
F(CF2(CH210CO2CH3 上記化合物15gをフレオン100mlに溶解し、p−アジド
アニリン3.5gを含むジエチルエーテル溶液100mlを加え
た。常温で1時間撹拌の後、溶媒を留去し次のアジドを
得た。
収量は、16g(収率92%;F(CF2(CH210CO2CH3
基準)であった。
上記アジド(23)の赤外スペクトルでは、3300−2400
cm-1にNH,CHによる吸収、2110cm-1にN3による吸収、166
0cm-1に>C=0による吸収、1400−1000cm-1にCF,CHに
よる吸収が観測された。NMRスペクトルでは、6.4〜7.0p
pmにフェニレン骨格 によるプロトンが観測された。また、元素分析結果を以
下に示す。
以上の分析結果は、上記構造を支持するものである。
実施例12. 実施例11に記載の酸塩化物(22)22gとp−アジドア
ニリン4.5gをフレオン−ジエチルエーテル混合溶媒(体
積化1:1)に溶解した。常温で30分間撹拌の後、溶媒を
留去して、実施例記載のアジド(23)を得た。
赤外スペクトルおよびNMRスペクトルは、前述実施例
の(23)と同一の結果を得た。
元素分析値は、C:43.10%,H;3.75%,F:42.51%であっ
た。
上記分析結果より、生成物の構造を確認した。
実施例13〜16. 実施例11に記載の方法に従い、ヨウ化物よりRfCH2CH2
(CmH2m)COCl型およびClOC(CmH2m)CH2CH2RfCH2CH
2(CmH2m)COCl型の酸塩化物,RfCH2CH2(CmH2m)CO2R型
および、RO2C(CmH2m)CH2CH2RfCH2CH2(CmH2m)CO2R型
のエステルを合成した。
エステル,酸塩化物、および芳香族アジドより実施例
11,12の方法に準じて合成した含フッ素アジドの構造を
表7に示す。
また、上記含フッ素アジド赤外およびNMR分析結果を
表8に示す。
これらの分析結果は、上記構造を支持するものであ
る。
RfCO2(CmH2m)N3型の含フッ素アジド類は、次の反応
により合成した。
ジ酸塩化物についても同様に上記反応を適用した。
上記反応による好実施例を以下に示す。
実施例17. ポリヘキサフルオロプロピレンオキシド−ω−酸塩化
物(1)25gのフレオン溶液100mlにアジドエタノール1.
7gを加え、常温で約30分間撹拌した。反応終了後、未反
応のアジドエタノールおよび溶媒を留去して、次のアジ
ドを得た。
収量は、24g(収率96%)であった。赤外スペクトル
では、2800−3000cm-1にCHによる吸収、2112cm-1にN3
よる吸収が観測された。
NMRスペクトルでは、δ=2.8〜3.0ppmにCH2N3プロト
ン,δ=4.1〜4.6ppmに−CO2CH2−プロトンが観測され
た。
以上の分析結果は、上記構造を支持するものである。
実施例18〜22. 表2の酸塩化物およびアジドアルコールを用い、実施
例17と同様の方法で合成した含フッ素アジドを表9に示
した。
これらのアジドの赤外スペクトルでは、いずれも2800
−3000cm-1にCHによる吸収、2112cm-1にN3による吸収が
観測された。
NMRスペクトルでは、いずれもδ=2.8〜3.0ppmにCHN3
プロトン,δ=4.1〜4.6ppmにCO2CH2プロトンが観測さ
れた。
以上の分析結果は、上記構造を支持するものである。
(Rf,mは前記と同じ)型の含フッ素アジドは、次に概略
的に示す工程により合成した。
ジヨウ化物についても同様に上記工程を適用した。
上記工程による好実施例を以下に示す。
実施例23. ペルフルオロ−n−オクチルヨウ化物55g,5−ヘキセ
ン−1−オール10g、およびアゾビスイソブチロニトリ
ル(AIBN)1.6gを窒素中70〜80℃において、約5時間還
流し、次の化合物を得た。
上記化合物32gに5%水酸化ナトリウム水溶液200mlを
加え、約24時間還流した。
反応終了後、上記混合物とジエチルエーテルと振とう
し、エーテル層を水洗,乾燥後、溶媒を留去して、次の
化合物を得た。
上記化合物を実施例23に記載の方法に従い、塩化メタ
ンスルホニル,ヨウ化カリウム,アジ化ナトリウムで順
次処理し、次の含フッ素アジドを得た。
収率は 基準)であった。
赤外スペクトルでは、2800−3000cm-1にCHによる吸
収、2112cm-1にN3による吸収が観測された。NMRスペク
トルでは、δ=1.1ppmに−CH2−プロトン、2.8〜3.0ppm
に−CH2N3プロトン3.8〜4.0ppmにCF2CH2−プロトンが観
測された。
以上の分析結果は、上記構造を支持するものである。
実施例24〜27. 実施例23の方法に準じ、ヨウ化物より合成し 型のアルコールをアジド化し、合成した含フッ素アジド
を表11に示した。
これらのアジドの赤外スペクトルでは、いずれも2800
−3000cm-1にCHによる吸収、2112cm-1にN3による吸収が
観測された。
NMRスペクトルでは、δ=1.1ppmに−CH2−プロトン、
2.8〜3.0ppmに−CH2N3プロトン、3.8〜4.0ppmにCF2CH2
−プロトンが観測された。
以上の分析結果は、上記構造を支持するものである。
次に本発明による化合物の代表的な応用例を示す。
応用例1. ポリマの防汚処理 フェノール樹脂,エポキシ樹脂,ポリビニルブチラー
ル樹脂からなる塗料をガラス板に塗布し、200℃で2時
間加熱硬化し、ポリマ塗膜を形成した。
上記ポリマ塗膜に実施例で合成した含フッ素アジドの
フレオン溶液を塗布し、窒素雰囲気中、600W、低圧水銀
ランプで1時間露光後、フレオン中で5分間超音波洗浄
を行ない防汚処理をした。
比較のため、含フッ素アジドを塗布せずに、ポリマ塗
膜を同様に露光,洗浄を行った。
上記ポリマ塗膜を自動車のマフラよりススで汚し、布
で拭きとったところ、含フッ素アジドを使用しないもの
は、黒く汚れたものに対し、含フッ素アジドを使用した
ものは、汚れも少なく、布で拭きとることによりきれい
になった。
また、上記防汚処理において、露光するかわりに、窒
素雰囲気中130℃で30分間加熱したものについても同様
の効果が認められた。
応用例2. ポリマの表面安定化 応用例1と同様の方法で形成したポリマ塗膜と含フッ
素アジドで防汚処理したポリマ塗膜について接触角を測
定した。含フッ素アジドを使用しないポリマ塗膜の接触
角(n−ヘキサデカンによる)は、7度前後であるのに
対し、含フッ素アジドで防汚処理を行ったものは、70〜
80度であり、低エネルギー表面に改質されていることが
わかった。
以上の応用例からわかるように本発明の化合物は、防
汚剤,表面安定化剤として有用である。
なお、応用例では示さなかったが、本発明の化合物
は、撥水撥油処理剤,潤滑剤,離型剤,合成中間体とし
ても有用であることも我々は確認している。
また実施例以外の分子量の化合物,分枝した基本骨格
の化合物,任意の位置にエーテル結合を含むペルフルオ
ロアルキル鎖を有する化合物、についても、前述と同様
に合成できることも我々は確認している。
〔発明の効果〕
以上の例で示したように、本発明の化合物は、固体表
面の表面安定化作用があり、防汚剤,撥水撥油処理剤,
潤滑剤,離型剤等の用途のほか、合成中間体としても有
用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 3/00 112 C09K 3/00 112E 3/18 103 3/18 103

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】部分的もしくは全体がフッ素化されたアル
    キル鎖、あるいはポリエーテル鎖を基本骨格とし、非フ
    ッ素系官能基を介してアジド基が存在する構造をもつ含
    フッ素アジド化合物において、 上記含フッ素アジド化合物が一般式 (CnF2n+1(A(CmH2m(BjN3、 N3(CmH2m(A(CnF2n(CmH2m(BjN3又は、 N3(CmH2m(A〔CF2O(CtF2tO)(CF2OqCF2(A(CmH
    2m(BjN3 (ただし、Aは 又は−CO2) で表わされる官能基、Bは−CONHL−で表わされる官能
    基(Lは芳香族基を示す)、nは3から20までの整数、
    mは0から30までの整数、i、jはそれぞれ0又は1で
    1≦i+j≦2の範囲であり、rは1から100までの整
    数、tは2又は3であり分子中にtが2と3のものが同
    時に含まれていてもよく、p,qはそれぞれ1から100まで
    の整数である。)で表わされることを特徴とする含フッ
    素アジド化合物。
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