JP2020055783A - ペルフルオロエーテル含有化合物及びノニオン系含フッ素界面活性剤 - Google Patents
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Abstract
Description
この場合、イミノ基(−NR1−)の原料として、常温で液体のプロピルアミンを用いることができる。このため、ペルフルオロエーテル含有化合物を、加圧装置などの特殊な装置を用いなくても合成することができる。
この場合、−CH2−CH(OH)−CH2−基または−CH2−CH(CH2OH)−基の原料として、工業的に入手が容易なエピクロロヒドリンを用いることができる。このため、ペルフルオロエーテル含有化合物の材料コストを抑えることができる。
本発明の界面活性剤は、上述のペルフルオロエーテル含有化合物を含むので、優れた表面張力低下能を有する。
本発明の実施形態に係るペルフルオロエーテル含有化合物は、ペルフルオロエーテル基と、このペルフルオロエーテル基と連結基を介して結合しているポリオキシエチレン基とを含む。
前記一般式(1)及び一般式(2)におけるmが1であるペルフルオロエーテル含有化合物は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、下記の反応式(A)に示すように、ペルフルオロエーテル含有スルホンアミド化合物(Rf1−O−Rf2−SO2−NHR1)と、エピクロロヒドリンとを反応させて、ペルフルオロエーテル含有エポキシドを得る。この反応は、有機溶媒中、塩基の存在下で、ペルフルオロエーテル含有スルホンアミド化合物とエピクロロヒドリンとを混合することによって行うことができる。塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシドを用いることができる。反応溶媒としては、アルコール、ケトン、エステル、アミド、エーテル、ハロゲン化炭化水素等を用いることができる。これらの中でもアルコールが特に好ましい。 アルコールの例としては、特に限定されないが、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、1−ヘプタノール、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−ペンタノール等が挙げられる。沸点や入手しやすさの2−プロパノールが好ましい。アルコールは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組合せて使用してもよい。
本実施形態のノニオン系含フッ素界面活性剤は、上述のペルフルオロエーテル含有化合物を含む。ペルフルオロエーテル含有化合物は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組合せて使用してもよい。本実施形態の界面活性剤は、上述のペルフルオロエーテル含有化合物以外の化合物を含んでいてもよい。
(1)ペルフルオロエーテル基含有スルホンアミド化合物の合成
ジイソプロピルエーテル36.3gにn−プロピルアミン7.44gを溶解して、n−プロピルアミン溶液を調製した。得られたn−プロピルアミン溶液を撹拌しながら、その溶液にC3F7OC3F6SO2F17.5gを室温で滴下した。滴下終了後、反応液を濾過し、得られた濾液を水で2回洗浄した。次いで、有機相を濃度5質量%の硫酸水溶液で処理し、硫酸水溶液に抽出された抽出物を、エバポレータを用いて濃縮して、ペルフルオロエーテル含有スルホンアミド化合物(C3F7OC3F6SO2NHC3H7)を18.2g得た(収率:95%)。なお、C3F7OC3F6SO2Fは、特開2010−116390号公報の実施例5に記載されている方法に従って合成した。
19F−NMR(CDCl3):δ −81.2(CF3、3F)、−82.9(CF2、2F)、−84.2(CF2、2F)、−112.8(CF2、2F)、−124.1(CF2、2F)、−129.8(CF2、2F)
2−プロパノール31.4gに、上記(1)で得られたペルフルオロエーテル含有スルホンアミド化合物18.2gと水酸化カリウム2.50gを加えた。得られた混合物を撹拌しながら、その混合物にエピクロロヒドリン18.2gを室温で滴下した。滴下終了後、室温で18時間撹拌した後に反応液を濾過し、回収した濾液から2−プロパノールを留去し、粗生成物を得た。該粗生成物を、減圧蒸留してペルフルオロエーテル含有エポキシドを15.9g得た(収率:78%、沸点99−106℃/1Torr)。
19F−NMR(CDCl3):δ −81.2(CF3、3F)、−82.8(CF2、2F)、−84.2(CF2、2F)、−112.5(CF2、2F)、−124.0(CF2、2F)、−129.8(CF2、2F)
ポリエチレングリコールメチルエーテル(日本乳化剤株式会社製、メチルポリグリコール130H2、質量平均分子量:428、ポリオキシエチレン基の繰り返し単位の数:9)6.2gに、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体64.5mgを加えた。得られたポリエチレングリコールメチルエーテルと三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体とを含む混合物を撹拌しながら、その混合物に上記(2)で得られたペルフルオロエーテル含有エポキシド7.8gを室温で滴下した。滴下終了後、室温下で6時間反応を行った。反応終了後、クロロホルム150mLを加えて、水洗浄を2回実施した。水洗浄後のクロロホルム溶液を、エバポレータを用いて濃縮して、ペルフルオロエーテル含有化合物を13.1g得た(収率:99%)。得られたペルフルオロエーテル含有化合物の19F−NMRを測定した結果、ペルフルオロエーテル含有化合物は、下記の式(5)の化合物と式(6)の化合物との混合物であることが確認された。
19F−NMR(CDCl3):δ −81.7(CF3、3F)、−83.3(CF2、2F)、−84.7(CF2、2F)、−112.9(CF2、2F)、−124.5(CF2、2F)、−130.3(CF2、2F)
C3F7OC3F6SO2Fの代わりにC2F5OC3F6SO2Fを用いたこと以外は、本発明例1と同様にして、ペルフルオロエーテル含有エポキシドを製造した。なお、C2F5OC3F6SO2Fは、特開2010−116390号公報の実施例2に記載されている方法に従って合成した。
得られたペルフルオロエーテル含有化合物の19F−NMRを測定した結果、ペルフルオロエーテル含有化合物は、下記の式(7)の化合物と式(8)の化合物との混合物であることが確認された。
C3F7OC3F6SO2Fの代わりにC3F7OC4F8SO2Fを用いたこと以外は、本発明例1と同様にして、ペルフルオロエーテル含有エポキシドを製造した。なお、C3F7OC4F8SO2Fは、特開2010−116390号公報の段落0049〜0050に記載の方法を参考にして、メタノールの代わりにn−プロピルアルコールを用いて合成した。
得られたペルフルオロエーテル含有化合物の19F−NMRを測定した結果、ペルフルオロエーテル含有化合物は、下記の式(9)の化合物と式(10)の化合物との混合物であることが確認された。
C3F7OC3F6SO2Fの代わりにCF3OC4F8SO2Fを用いたこと以外は、本発明例1と同様にして、ペルフルオロエーテル含有エポキシドを合成した。CF3OC4F8SO2Fは特開2010−116390の実施例4に記載されている方法に従って合成した。
得られたペルフルオロエーテル含有化合物の19F−NMRを測定した結果、ペルフルオロエーテル含有化合物は、下記の式(11)の化合物と式(12)の化合物との混合物であることが確認された。
ポリエチレングリコールメチルエーテルの代わりに、ポリエチレングリコール(富士フイルム和光純薬株式会社製、質量平均分子量:400、ポリオキシエチレン基の繰り返し単位の数:9)を用い、このポリエチレングリコール0.4gに三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体20.1mgを加えて、得られた混合物を撹拌しながら、その混合物に、ペルフルオロエーテル含有エポキシド1.0gを滴下したこと以外は、本発明例1と同様にしてペルフルオロエーテル含有化合物を1.3g得た(収率:98%)。得られたペルフルオロエーテル含有化合物の19F−NMRを測定した結果、ペルフルオロエーテル含有化合物は、下記の式(13)〜式(15)の化合物の混合物であることが確認された。
19F−NMR(CDCl3):δ −81.2(CF3、3F)、−82.8(CF2、2F)、−84.2(CF2、2F)、−112.4(CF2、2F)、−124.0(CF2、2F)、−129.8(CF2、2F)
ポリエチレングリコールメチルエーテルの代わりに、ポリエチレングリコール(東京化成工業株式会社製、質量平均分子量:300、ポリオキシエチレン基の繰り返し単位の数:7)を用い、このポリエチレングリコール0.3gに三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体20.1mgを加えて、得られた混合物を撹拌しながら、その混合物に、ペルフルオロエーテル含有エポキシド0.9gを滴下したこと以外は、本発明例2と同様にしてペルフルオロエーテル含有化合物を1.1g得た(収率:97%)。得られたペルフルオロエーテル含有化合物の19F−NMRを測定した結果、ペルフルオロエーテル含有化合物は、下記の式(16)〜式(18)の化合物の混合物であることが確認された。
C3F7OC3F6SO2Fの代わりにC4F9SO2Fを用いたこと以外は、本発明例1と同様にして、ペルフルオロアルキル含有化合物を製造した。
得られたペルフルオロアルキル含有化合物の19F−NMRを測定した結果、ペルフルオロアルキル含有化合物は、下記の式(19)の化合物と式(20)の化合物との混合物であることが確認された。
19F−NMR(CDCl3):δ −80.7(CF3、3F)、−112.1(CF2、2F)、−121.3(CF2、2F)、−125.9(CF2、2F)
質量平均分子量が428のポリエチレングリコールメチルエーテルの代わりに、質量平均分子量が208のポリエチレングリコールメチルエーテル(日本乳化剤株式会社製、MPG、ポリオキシエチレン基の繰り返し単位の数:4)3.0gを用いたこと以外は本発明例1と同様に合成し、ペルフルオロエーテル含有化合物を9.9g得た(収率:99%)。
上記本発明例1〜6および比較例1〜2にて合成した化合物の界面活性能を、各化合物と水とを混合して、濃度が100質量ppmの水溶液を調製し、この調製した水溶液の表面張力を測定することによって評価した。表面張力の測定は、協和界面科学株式会社製の自動表面張力計CBVP−Z型を用い、Wilhelmy法により実施した。表面張力の測定結果を、ペルフルオロエーテル基のペルフルオロアルキル基(Rf1)及びペルフルオロアルキレン基(Rf2)の化学式と、ポリエチレングリコール(PEG)の末端官能基及び質量平均分子量とポリオキシエチレン基の繰り返し単位の数と共に、下記の表1に示す。
Claims (5)
- ペルフルオロエーテル基と、前記ペルフルオロエーテル基と連結基を介して結合しているポリオキシエチレン基と、を有し、
前記ペルフルオロエーテル基は、炭素数が1〜4の範囲内にある直鎖または分岐鎖状のペルフルオロアルキル基と、前記ペルフルオロアルキル基と酸素を介して結合している炭素数が1〜4の範囲内にある直鎖または分岐鎖状のペルフルオロアルキレン基とからなり、
前記ポリオキシエチレン基は、繰り返し単位の数が7〜22の範囲内にあることを特徴とするペルフルオロエーテル含有化合物。 - 下記の一般式(1)又は一般式(2)で表される請求項1に記載のペルフルオロエーテル含有化合物。
- 前記R1がC3H7基である請求項2に記載のペルフルオロエーテル含有化合物。
- 前記mが1である請求項2に記載のペルフルオロエーテル含有化合物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のペルフルオロエーテル含有化合物を含むノニオン系含フッ素界面活性剤。
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