JP6573278B2 - 含フッ素セルロースエーテルコンポジット - Google Patents

含フッ素セルロースエーテルコンポジット Download PDF

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Description

本発明は、含フッ素セルロースエーテルコンポジットに関する。さらに詳しくは、表面処理特性を改善せしめた含フッ素セルロースエーテルコンポジットに関する。
無機材料表面を各種の化合物やポリマーでコーティングすることにより、様々な表面特性を発現させることが知られている。中でも、フッ素系化合物を表面処理剤として使用した場合には、フッ素原子の有する特性から、撥水性だけではなく撥油性の点でも表面改質できるので、様々な基材へのコーティングに利用されている。
特に、C8のパーフルオロアルキル基を有する表面処理剤を基質に塗布するとことで、高い撥水撥油性を示すコーティングが可能であるが、近年C7以上のパーフルオロアルキル基を有する化合物が、細胞株を用いた試験管内試験において、発がん因子と考えられている細胞間コミュニケーション阻害をひき起すこと、かつこの阻害は官能基ではなく、フッ素化された炭素鎖長に依存し、炭素鎖が長いもの程阻害力が高いことが報告されており、フッ素化された炭素数の長い化合物を使用したモノマーの製造が制限されるようになってきている。
一方、炭素数が6以下のパーフルオロアルキル基を有する含フッ素アルコールにあっては、ガラス、金属、石材等の無機質基材への密着性に欠けるという問題もみられる。
特許第4674604号公報 WO 2007/080949 A1 特開2008−38015号公報 米国特許第3,574,770号公報
本発明の目的は、環境中に放出されてもパーフルオロオクタン酸等を生成させず、しかも短鎖の化合物に分解され易いユニットを有する含フッ素アルコールを用い、様々な基材に対する撥油性および親水性を有する含フッ素セルロースエーテルコンポジットを提供することにある。
本発明によって、一般式
R F -A-OH 〔I〕
(ここで、R F は炭素数6以下のパーフルオロアルキル基であり、または炭素数6以下のパーフルオロアルキル基のフッ素原子の一部が水素原子で置換されたポリフルオロアルキル基であり、Aは炭素数1〜6のアルキレン基である)、
一般式
R F ′-A-OH 〔Ia〕
(ここで、R F ′は炭素数6以下の末端パーフルオロアルキル基および炭素数6以下のパーフルオロアルキレン基を有し、O原子を含有する直鎖状または分岐状パーフルオロアルキル基であり、Aは炭素数1〜6のアルキレン基である)
または一般式
HO-A-R F ′′-A-OH 〔Ib〕
(ここで、R F ′′は炭素数6以下のパーフルオロアルキレン基を有し、O原子を含有する直鎖状または分岐状のパーフルオロアルキレン基であり、Aは炭素数1〜6のアルキレン基である)
で表される含フッ素アルコールおよびセルロースエーテルの縮合体からなる含フッ素セルロースエーテルコンポジットが提供される。
本発明で用いられる含フッ素アルコールは、末端パーフルオロアルキル基やポリフルオロアルキル基中のパーフルオロアルキレン鎖の炭素数が6以下のものであり、短鎖の含フッ素化合物に分解され易いユニットを有しているため、環境汚染につながらない。
含フッ素アルコールは撥水撥油性を有し、またセルロースエーテルは親水性を有しているので、得られた含フッ素セルロースエーテルコンポジットは、撥油性および親水性を発現しつつ、ガラス、金属、石材等の無機質基材、各種プラスチック等に対する密着性にすぐれている。さらに、用いられる含フッ素アルコールとセルロースエーテルの種類および相対的な使用割合を様々に変化させることにより、異なる表面特性を有する薄膜の形成を可能とする。
含フッ素アルコールとしては、一般式〔I〕、〔Ia〕または〔Ib〕によって示される含フッ素アルコールが用いられる。
一般式〔I〕によって示される含フッ素アルコール:
RF-A-OH 〔I〕
RF:炭素数6以下のパーフルオロアルキル基
炭素数6以下のパーフルオロアルキル基のフッ素原子の一部が水素原
子で置換されたポリフルオロアルキル基
一般式〔Ia〕によって示される含フッ素アルコール:
RF′-A-OH 〔Ia〕
RF′:炭素数6以下の末端パーフルオロアルキル基および炭素数6以下の
パーフルオロアルキレン基を有し、O原子を含有する直鎖状または
分岐状パーフルオロアルキル基
一般式〔Ib〕によって示される含フッ素アルコール:
HO-A-RF′′-A-OH 〔Ib〕
RF′′:炭素数6以下のパーフルオロアルキレン基を有し、O原子を含有す
る直鎖状または分岐状パーフルオロアルキレン基
含フッ素アルコール〔I〕としては、例えば一般式
CnF2n+1(CH2)jOH 〔II〕
n:1〜6、好ましくは4〜6
j:1〜6、好ましくは1〜3、特に好ましくは2
で表されるポリフルオロアルキルアルコール等が用いられる。
アルキレン基Aとしては、CH2基、CH2CH2基等が挙げられ、かかるアルキレン基を有するパーフルオロアルキルアルキルアルコールとしては、2,2,2-トリフルオロエタノール(CF3CH20H)、3,3,3-トリフルオロプロパノール(CF3CH2CH2OH)、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロパノール(CF3CF2CH20H)、3,3,4,4,4-ペンタフルオロブタノール(CF3CF2CH2CH2OH)、2,2,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロペンタノール(CF3CF2CF2CF2CH20H)、3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロヘキサノール(CF3CF2CF2CF2CH2CH2OH)、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデカフルオロオクタノール(CF3CF2CF2CF2CF2CF2CH2CH2OH)等が例示される。
また、ポリフルオロアルキル基は、例えばパーフルオロアルキル基の末端CF3基がHCF2基などに置き換った基あるいは中間CF2基がCHF基またはCH2基に置き換った基を指しており、かかる置換基を有する含フッ素アルコール〔I〕としては、例えば2,2,3,3-テトラフルオロプロパノール(HCF2CF2CH2OH)、2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロブタノール(CF3CHFCF2CH2OH)、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンタノール(HCF2CF2CF2CF2CH2OH)等が挙げられる。
一般式〔II〕で表されるポリフルオロアルキルアルコールは、例えば特許文献1に記載されており、次のような一連の工程を経て合成される。
まず、一般式
CnF2n+1(CF2CF2)b(CH2CH2)cI
で表されるポリフルオロアルキルアイオダイド、例えば
CF3(CH2CH2)I
CF3(CH2CH2)2I
C2F5(CH2CH2)I
C2F5(CH2CH2)2I
C3F7(CH2CH2)I
C3F7(CH2CH2)2I
C4F9(CH2CH2)I
C4F9(CH2CH2)2I
C2F5(CF2CF2)(CH2CH2)I
C2F5(CF2CF2)(CH2CH2)2I
C2F5(CF2CF2)2(CH2CH2)I
C2F5(CF2CF2)2(CH2CH2)2I
C4F9(CF2CF2)(CH2CH2)I
C4F9(CF2CF2)(CH2CH2)2I
をN-メチルホルムアミド HCONH(CH3)と反応させ、ポリフルオロアルキルアルコールとそのギ酸エステルとの混合物とした後、酸触媒の存在下でそれに加水分解反応させ、ポリフルオロアルキルアルコール
CnF2n+1(CF2CF2)b(CH2CH2)cOH
を形成させる。ただし、n+2bの値は6以下である。
含フッ素アルコール〔I〕としてはまた、RF基がパーフルオロアルキル基のフッ素原子の一部が水素原子で置換され、炭素数6以下の末端パーフルオロアルキル基および炭素数6以下のパーフルオロアルキレン基を含んで構成されるポリフルオロアルキル基であり、具体的には炭素数3〜20、好ましくは6〜10のポリフルオロアルキル基であり、Aが炭素数2〜6、好ましくは2のアルキレン基である含フッ素アルコール、例えば一般式
CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)b(CH2CH2)cOH 〔III〕
n:1〜6、好ましくは2〜4
a:1〜4、好ましくは1
b:0〜2、好ましくは1〜2
c:1〜3、好ましくは1
で表されるポリフルオロアルキルアルコール等も用いられる。
一般式〔III〕で表されるポリフルオロアルキルアルコールは、特許文献1に記載されており、次のような一連の工程を経て合成される。
まず、一般式
CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)b(CH2CH2)cI
で表されるポリフルオロアルキルアイオダイド、例えば
CF3(CH2CF2)(CH2CH2)I
C2F5(CH2CF2)(CH2CH2)I
C2F5(CH2CF2)(CH2CH2)2I
C3F7(CH2CF2)(CH2CH2)I
C3F7(CH2CF2)(CH2CH2)2I
C4F9(CH2CF2)(CH2CH2)I
C4F9(CH2CF2)(CH2CH2)2I
C2F5(CH2CF2)(CF2CF2)(CH2CH2)I
C2F5(CH2CF2)(CF2CF2)(CH2CH2)2I
C2F5(CH2CF2)2(CF2CF2)(CH2CH2)I
C2F5(CH2CF2)2(CF2CF2)(CH2CH2)2I
C4F9(CH2CF2)(CF2CF2)(CH2CH2)I
C4F9(CH2CF2)2(CF2CF2)(CH2CH2)I
C4F9(CH2CF2)(CF2CF2)(CH2CH2)2I
C4F9(CH2CF2)2(CF2CF2)(CH2CH2)2I
をN-メチルホルムアミド HCONH(CH3)と反応させ、ポリフルオロアルキルアルコールとそのギ酸エステルとの混合物とした後、酸触媒の存在下でそれを加水分解反応させ、ポリフルオロアルキルアルコール
CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)b(CH2CH2)cOH
を形成させる。
含フッ素アルコール〔Ia〕としては、RF′基が炭素数6以下の末端パーフルオロアルキル基および炭素数6以下のパーフルオロアルキレン基を有し、O原子を含有する直鎖状または分岐状パーフルオロアルキル基であり、具体的には炭素数3〜305、好ましくは8〜35のO含有パーフルオロアルキル基であり、Aが炭素数1〜3、好ましくは1のアルキレン基である含フッ素アルコール、例えば一般式
CmF2m+1O〔CF(CF3)CF2O〕dCF(CF3)(CH2)eOH 〔IIa〕
m:1〜3、好ましくは3
d:0〜100、好ましくは1〜10
e:1〜3、好ましくは1
で表されるヘキサフルオロプロペンオキシドオリゴマーアルコール等が用いられる。
また、含フッ素アルコール〔Ib〕としては、RF′′基が炭素数6以下のパーフルオロアルキレン基を有し、具体的には炭素数5〜160のO含有パーフルオロアルキレン基であり、Aが炭素数1〜3、好ましくは1のアルキレン基である含フッ素アルコール、例えば一般式
HO(CH2)fCF(CF3)〔OCF2CF(CF3)〕gO(CF2)hO〔CF(CF3)CF2O〕iCF(CF3)(CH2)fOH 〔IIb〕
f:1〜3、好ましくは1
g+i:0〜50、好ましくは2〜50
h:1〜6、好ましくは2
または一般式
HO(CH2CH2O)pCH2CF2(OCF2CF2)q(OCF2)rOCF2CH2(OCH2CH2)pOH 〔IIb´〕
p:0〜6、好ましくは1〜4
q+r:0〜50、好ましくは10〜40
で表されるパーフルオロアルキレンエーテルジオール等が用いられる。
一般式〔IIa〕で表されるヘキサフルオロプロペンオキシドオリゴマーアルコールにおいて、m=1、e=1の化合物は特許文献2に記載されており、次のような工程を経て合成される。
一般式 CF3O〔CF(CF3)CF2O〕nCF(CF3)COOR (R:アルキル基、n:0〜12の整数)で表される含フッ素エーテルカルボン酸アルキルエステルを、水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤を用いて還元反応させる。
さらに、一般式〔IIb〕で表されるパーフルオロアルキレンエーテルジオールにおいて、f=1の化合物は特許文献3〜4に記載されており、次のような一連の工程を経て合成される。
FOCRfCOF → H3COOCRfCOOCH3 → HOCH2RfCH2OH
Rf:-CF(CF3)〔OCF2C(CF3)〕aO(CF2)cO〔CF(CF3)CF2O〕bCF(CF3)-
一般式〔IIb´〕で表されるポリフルオロアルキレンエーテルジオールとしては、市販品、例えばSolvay Solexis社製品Fomblin Z DOL TX等を用いることができる。
セルロースエーテルは、セルロースの水酸基の水素原子の一部または全部をメチル基 CH3、ヒドロキシエチル基 CH2CH2OH、ヒドロキシプロピル基 CH2CHOHCH3等で置換することにより得られ、一般式〔IV〕で示される。
Figure 0006573278
R:CH3、CH2CH2OH、CH2CHOHCH3
これらの置換基は、1種または2種以上が用いられ、セルロースエーテルとしては、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ベンジルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が用いられる。実際には、市販品、例えば信越化学工業製品メトローズ(登録商標)SM、SE、SHシリーズのものが用いられる。これらのセルロースエーテルは、単独でまたは2種類以上混合して用いられる。
メトローズの置換基と置換度・置換モル数:
Figure 0006573278
注)メトキシル基OCH3については、セルロースのグルコース環単位当りOCH3で置換さ
れた水酸基の平均個数を置換度として示している
ヒドロキシエトキシル基OCH2CH2OH、ヒドロキシプロポキシル基OCH2CHOHCH3につ
いては、セルロースのグルコース環単位当りに付加したOCH2CH2OHまたは、
OCH2CHOHCH3基の平均モル数を置換モル数として示している
これらの各成分は、含フッ素アルコール100重量部に対し、セルロースエーテルが約5〜600重量部、好ましくは約100〜200重量部の割合で用いられる。セルロースエーテルの使用割合がこれよりも多い割合で使用されると撥油性が低くなる。
含フッ素アルコールとセルロースエーテルとの縮合反応は、テトラヒドロフラン、メタノール、アセトン、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の有機溶媒を用い、約10〜120℃、一般には室温条件で、約12〜48時間程度反応させることにより行われる。反応は、溶媒およびセルロースエーテルに対して500倍量程度の水の存在下で行われ、水の存在はセルロースエーテルを溶解する作用を行う。
溶液として得られた含フッ素セルロースエーテルコンポジット中の含フッ素アルコール量は、約25〜98重量%、好ましくは約40〜70重量%であり、残余はセルロースエーテルである。
得られたコンポジットは、セルロースエーテルの水酸基に含フッ素アルコールが結合しているものと考えられ、フッ素のすぐれた撥油性と防汚性、セルロースエーテルの親水性が有効に発揮されており、実際に例えばガラス表面を含フッ素セルロースエーテルコンポジットで処理したものは、良好な撥油性および親水性を示している。
なお、含フッ素セルロースエーテルコンポジットは、含フッ素アルコールおよびセルロースエーテルの縮合反応生成物として形成されるが、この発明の目的を阻害しない限り他の成分の混在も許容される。かかる他の成分としては、有機モノ-またはポリ-カルボン酸エステルである有機エステル可塑剤、有機リン酸エステル可塑剤、有機亜リン酸エステル可塑剤等の可塑剤、好ましくは液状可塑剤を挙げることができる。
次に、実施例について本発明を説明する。
実施例1
容量10mlの反応容器に、CF3(CF2)5(CH2)2OH〔FA-6〕5mg、ヒドロキシエチルメチルセルロース(メトローズSEB-04T;20℃における2%水溶液粘度値4,000 mPa・秒)5mg、テトラヒドロフラン2.5mlおよび水2.5mlを仕込み、室温条件下で24時間攪拌し、目的とする含フッ素セルロースエーテルコンポジット溶液が得られた。
得られたコンポジット溶液について、液滴の接触角の測定を行った。
液滴の接触角(単位:°):
コンポジット溶液(コンポジット濃度5g/L)を、ガラスプレパラート(MATSUNAMI社製マイクロカバーグラス)にディッピングし、室温条件下で乾燥させ、得られた薄膜表面にn-ドデカンまたは水の液滴4μlを静かに接触させ、付着した液滴の接触角を、θ/2法により接触角計(協和界面化学製Drop Master 300)で測定した。なお、水については経時的な測定が行われた。
実施例2〜25、参考例1〜5
実施例1において、含フッ素アルコールおよびセルロースエーテルの種類が種々変更されて用いられた。なお、セルロースエーテルとして用いられたメトローズの名称の後半(-以下)は、20℃における2%水溶液の粘度値(単位:mPa・秒)を示しており、04Tは4,000、60Tは30,000〜100,000の間の数値を示している。
比較例1
含フッ素アルコールFA-6 5mgについて、実施例1と同様に接触角の測定を行った。
比較例2
セルロースエーテル90SH-100 5mgについて、実施例1と同様に接触角の測定を行った。
比較例3
ガラスについて、実施例1と同様に接触角の測定を行った。
以上の実施例、参考例および比較例で得られた結果は、次の表に示される。

接触角(°)
含フッ素 セルロース 水 (経過時間:分)
アルコール エーテル ドデカン 10 15 20 25 30
実施例1 FA-6 SEB-04T 35 42 28 26 25 24 22 21
〃 2 FA-6 SNB-60T 27 54 20 17 15 14 13 13
〃 3 FA-6 90SH-100 53 51 28 20 12 6 0 0
〃 4 FA-6 90SH-4000 36 52 32 27 24 22 20 19
〃 5 FA-6 SM-1500 40 51 30 29 24 25 25 24
〃 6 P03-OH SEB-04T 41 60 35 30 29 27 24 22
〃 7 P03-OH SNB-60T 37 78 57 54 51 48 46 43
〃 8 P03-OH 90SH-100 41 48 27 25 23 22 19 16
〃 9 P03-OH 90SH-4000 38 64 29 28 26 23 19 17
〃 10 P03-OH SM-1500 36 68 27 25 23 23 21 18
〃 11 P06-OH SEB-04T 37 67 25 24 22 20 16 15
〃 12 P06-OH SNB-60T 36 52 40 37 34 33 31 28
〃 13 P06-OH 90SH-100 37 55 19 15 14 12 11 9
〃 14 P06-OH 90SH-4000 36 79 27 23 21 19 17 15
〃 15 P06-OH SM-1500 36 65 22 19 16 15 13 11
〃 16 OXF8PO-OH SEB-04T 55 69 30 21 19 15 10 9
〃 17 OXF8PO-OH SNB-60T 56 106 39 33 27 22 16 13
〃 18 OXF8PO-OH 90SH-100 57 101 27 17 14 9 8 4
〃 19 OXF8PO-OH 90SH-4000 54 58 44 37 31 25 19 10
〃 20 OXF8PO-OH SM-1500 54 66 33 28 25 17 13 7
〃 21 OXF14PO-OH SEB-04T 56 106 24 21 19 17 15 13
〃 22 OXF14PO-OH SNB-60T 58 54 40 34 31 29 26 23
〃 23 OXF14PO-OH 90SH-100 54 75 18 16 13 12 11 9
〃 24 OXF14PO-OH 90SH-4000 60 70 54 50 46 43 39 36
〃 25 OXF14PO-OH SM-1500 60 76 29 23 20 19 18 17
参考例1 FA-8 SEB-04T 36 54 45 40 33 28 22 17
〃 2 FA-8 SNB-60T 39 66 58 51 44 36 29 20
〃 3 FA-8 90SH-100 37 62 54 47 40 33 28 28
〃 4 FA-8 90SH-4000 40 63 55 47 40 31 27 26
〃 5 FA-8 SM-1500 36 68 48 43 37 31 23 20
比較例1 FA-6 − 37 47 46 44 41 40 36 35
〃 2 − 90SH-100 42 45 17 10 4 0 0 0
〃 3 − − 0 50 41 36 34 31 26 29
注)P03-OH:C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2OH
P06-OH:C3F7O〔CF(CF3)CF2O〕4CF(CF3)CH2OH
OXF8PO-OH(m+n=6)、OXF14PO-OH(m+n=12):
HOCH2CF(CF3)〔OCF2CF(CF3)〕nOCF2CF2O〔CF(CF3)CF2O〕mCF(CF3)CH2OH
FA-8:CF3(CF2)7(CH2)2OH

Claims (11)

  1. 一般式
    R F -A-OH 〔I〕
    (ここで、R F は炭素数6以下のパーフルオロアルキル基であり、または炭素数6以下のパーフルオロアルキル基のフッ素原子の一部が水素原子で置換されたポリフルオロアルキル基であり、Aは炭素数1〜6のアルキレン基である)で表される含フッ素アルコールおよびセルロースエーテルの縮合体からなる含フッ素セルロースエーテルコンポジット。
  2. 一般式〔I〕で表される含フッ素アルコールとして、一般式
    CnF2n+1(CH2)jOH 〔II〕
    (ここで、nは1〜6、jは1〜6の整数である)で表されるポリフルオロアルキルアルコールが用いられた請求項記載の含フッ素セルロースエーテルコンポジット。
  3. 一般式〔I〕で表される含フッ素アルコールとして、一般式
    CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)b(CH2CH2)cOH 〔III〕
    (ここで、nは1〜6、aは1〜4、bは0〜2、cは1〜3の整数である)で表されるポリフルオロアルキルアルコールが用いられた請求項記載の含フッ素セルロースエーテルコンポジット。
  4. 含フッ素アルコール100重量部に対しセルロースエーテルが5〜600重量部の割合で用いられた請求項記載の含フッ素セルロースエーテルコンポジット。
  5. 一般式
    RF′-A-OH 〔Ia〕
    または一般式
    HO-A-RF′′-A-OH 〔Ib〕
    (ここで、RF′は炭素数6以下の末端パーフルオロアルキル基および炭素数6以下のパーフルオロアルキレン基を有し、O原子を含有する直鎖状または分岐状パーフルオロアルキル基であり、RF′′は炭素数6以下のパーフルオロアルキレン基を有し、O原子を含有する直鎖状または分岐状のパーフルオロアルキレン基であり、Aは炭素数1〜6のアルキレン基である)で表される含フッ素アルコールおよびセルロースエーテルの縮合体からなる含フッ素セルロースエーテルコンポジット。
  6. 一般式〔Ia〕で表される含フッ素アルコールとして、一般式
    CmF2m+1O〔CF(CF3)CF2O〕dCF(CF3)(CH2)eOH 〔IIa〕
    (ここで、mは1〜3、dは0〜100、eは1〜3の整数である)で表されるヘキサフルオロプロペンオキシドオリゴマーアルコールが用いられた請求項記載の含フッ素セルロースエーテルコンポジット。
  7. 一般式〔Ib〕で表される含フッ素アルコールとして、一般式
    HO(CH2)fCF(CF3)〔OCF2CF(CF3)〕gO(CF2)hO〔CF(CF3)CF2O〕iCF(CF3)(CH2)fOH
    〔IIb〕
    (ここで、fは1〜3、g+iは0〜50、hは1〜6の整数である)で表されるパーフルオロアルキレンエーテルジオールが用いられた請求項記載の含フッ素セルロースエーテルコンポジット。
  8. 一般式〔Ib〕で表される含フッ素アルコールとして、一般式
    HO(CH2CH2O)pCH2CF2(OCF2CF2)q(OCF2)rOCF2CH2(OCH2CH2)pOH
    〔IIb´〕
    (ここで、pは0〜6、q+rは0〜50の整数である)で表されるポリフルオロアルキレンエーテルジオールが用いられた請求項記載の含フッ素セルロースエーテルコンポジット。
  9. 含フッ素アルコール100重量部に対しセルロースエーテルが5〜600重量部の割合で用いられた請求項記載の含フッ素セルロースエーテルコンポジット。
  10. 請求項記載の含フッ素アルコール〔I〕、または請求項記載の含フッ素アルコール〔Ia〕または〔Ib〕およびセルロースエーテルを水の存在下で縮合反応させることを特徴とする含フッ素セルロースエーテルコンポジットの製造法。
  11. 請求項1または5記載の含フッ素セルロースエーテルコンポジットを有効成分とする表面処理剤。
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