JPH10251349A - フルオロアルキル基含有重合体、その製造方法および金属イオン捕捉剤 - Google Patents

フルオロアルキル基含有重合体、その製造方法および金属イオン捕捉剤

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JPH10251349A
JPH10251349A JP5810697A JP5810697A JPH10251349A JP H10251349 A JPH10251349 A JP H10251349A JP 5810697 A JP5810697 A JP 5810697A JP 5810697 A JP5810697 A JP 5810697A JP H10251349 A JPH10251349 A JP H10251349A
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JP
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peroxide
fluoroalkyl group
mmol
group
reaction
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Application number
JP5810697A
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English (en)
Inventor
Hideo Sawada
英夫 沢田
Nobuo Uotani
信夫 魚谷
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低表面張力、低屈折性、耐熱性、耐寒性、耐
油性、電気絶縁性、防曇性、防汚性、離型性、撥水撥油
性及び防汚染性及び耐薬品性等の優れた特性を有するフ
ルオロアルキル基が直接炭素−炭素結合で導入されたフ
ルオロアルキル基含有重合体を提供することにある。 【解決手段】 RF-(CH2CR1L)m1-(CH2CR1R4)m2-RF
(I) (式中、R1はH又はCH3 、 LはC(=O)NHC(CH2OH)3、C(=
O)NH-CH(OH)CO2Hなど、R4はハロゲン原子、シアノ基、S
i(R5)3 、-CO2R6など、RFは-(CF2)n1X 、-CF(CF3)[OCF2
CF(CF3)]n2-OC3F7 、m1は1〜5000、m2は0〜50
00の整数、R6はH、炭素数1〜18のアルキル基な
ど、R5は炭素数1〜4のアルキル基など、n1は1〜1
0、n2は0〜8の整数、Xはフッ素、塩素、Hを示す)
で表わされる分子量300〜100万の化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なフルオロア
ルキル基含有重合体、その製造方法および金属イオン捕
捉剤に関する。
【0002】
【従来の技術】有機化合物中にフルオロアルキル基を含
有する化合物は、耐光性、撥水撥油性更には生理活性等
の有用な性質を示すものとして近年注目を集めている。
特に、有機化合物中にフルオロアルキル基が導入された
フルオロアルキル基含有重合体は、低表面張力、低屈折
性、耐熱性、耐寒性、耐油性、電気絶縁性、撥水性、離
型性、耐薬品性等の優れた特性を有しているため種々の
分野において、例えば、光学レンズ、眼鏡用レンズ、ガ
ラス器具、塗料等の表面における撥水撥油性及び防汚染
性等の付与のための表面処理剤、化粧品、生体材料、医
薬・農薬の原料、更には離型性を付与する材料等の分野
において有用であると考えられている。特に、ヒドロキ
シル基もしくはカルボキシル基を有し、さらに、フルオ
ロアルキル基が重合末端に導入された化合物は、フッ素
に起因した優れた凝集機能が発現された材料として、種
々の材料分野への展開が大いに期待される有用な化合物
である。しかしながら、これら化合物の合成に関しては
その報告がなされていないのが実状である。さらに、従
来のフルオロアルキル基含有化合物は、その導入が容易
なエステル結合、若しくはアミノ結合を介して行われて
いるため[例えばフルオロアルキル基がアミノ結合を介
して導入された含フッ素エポキシ化合物; J. Fluorine
Chem.、55、 1 (1991)] 、一般に耐候性が低い等の欠点を
有する問題点があった。従って、フルオロアルキル基が
直接炭素- 炭素結合にて導入され、さらにフルオロアル
キル基の凝集作用が活かされたフルオロアルキル基含有
重合体の開発は、重要な検討項目である。
【0003】またイオンを選択的に取り込む化合物とし
ては、一般にキレート剤が知られているが、これらの化
合物はその取り込み能が低く、イオン1個当たりを取り
込むのに当量以上の官能基が必要とされる欠点を有して
いた。たとえば、カルシウムイオンを取り込む有機物質
としてラウロイル基のような長鎖アルキル基で変性した
エチレンジアミンの誘導体が知られているが(J. J.
Cudden andB. A. Parker,Info
rm. ,6,1132(1995))、カルシウムイオ
ンの取り込み能は高くはない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低表
面張力、低屈折性、耐熱性、耐寒性、耐油性、電気絶縁
性、防曇性、防汚性、離型性、光学レンズ、眼鏡用レン
ズ、ガラス器具、塗料等の表面における撥水撥油性及び
防汚染性及び耐薬品性等の優れた特性を有し、化粧品さ
らには表面活性剤として有用なフルオロアルキル基が直
接炭素−炭素結合で導入されたフルオロアルキル基含有
重合体を提供することにある。さらに本発明の目的は、
反応触媒及び特殊な装置を用いず、高収率かつ容易にフ
ルオロアルキル基が炭素−炭素結合で導入されたフルオ
ロアルキル基含有重合体を製造する方法を提供すること
にある。またさらに本発明の目的は、特異的なフルオロ
アルキル基含有重合体の構造を利用した金属イオン捕捉
剤および放出剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記一
般式(I) RF-(CH2CR1L)m1-(CH2CR1R4)m2-RF (I) [式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、L はC(=O)N
HC(CH2OH)3、C(=O)NH-CH(OH)CO2H、C(=O)OCH2CH(OH)CH2
N+Me3 Cl- を示し、R4はハロゲン原子、シアノ基、Si(R
5)3 、-CO2R6又は Si(CH3)2(OCH2CH2)mOR2を示し、RF
-(CF2)n1X 、-CF(CF3)[OCF2CF(CF3)]n2-OC3F7 を示し、
mは1〜20の整数を示し、m1は1〜5000の整数を
示し、m2は0〜5000の整数を示し、R2は炭素数1〜
4のアルキル基を示し、R6は水素原子、炭素数1〜18
のアルキル基、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基又
はCH2CH2CH2Si(R5)3を示し、R5は炭素数1〜4のアルキ
ル基又はアルコキシ基を示し、n1は1〜10の整数を、
Xはフッ素原子、塩素原子、水素原子を示し、n2は0〜
8の整数を示す]で表わされる分子量300〜1000
000のフルオロアルキル基含有重合体が提供される。
さらに本発明によれば、前記のフルオロアルキル基含有
重合体を含むゲルが提供される。さらに本発明によれ
ば、下記一般式(II) RFC(=O)OO(O=)CRF (II) ( 式中、RFは前記のとおり。)で表わされる過酸化フル
オロアルカノイルと、下記一般式(III) CH2=CR1L (III) 及び下記一般式(IV) CH2=CR1R4 (IV) (式中、R1、 L、R4は前記のとおり。)で表わされるモ
ノマー類の混合物、又は一般式 (III)で示されるモノマ
ーを反応させることを特徴とする前記のフルオロアルキ
ル基含有重合体の製造方法が提供される。
【0006】またさらに本発明によれば、下記一般式
(I)で表わされるフルオロアルキル基含有重合体を含
む金属イオン捕捉剤および放出剤が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。本発明のフルオロアルキル基含有重合体は、下記一
般式(I) RF-(CH2CR1L)m1-(CH2CR1R4)m2-RF (I) [式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、L はC(=O)N
HC(CH2OH)3、C(=O)NH-CH(OH)CO2H、C(=O)OCH2CH(OH)CH2
N+Me3 Cl- を示し、R4はハロゲン原子、シアノ基、Si(R
5)3 、-CO2R6又は Si(CH3)2(OCH2CH2)mOR2を示し、RF
-(CF2)n1X 、-CF(CF3)[OCF2CF(CF3)]n2-OC3F7 を示し、
mは1〜20の整数を示し、好ましくは1〜15、特に
好ましくは1〜10であり、m1は1〜5000の整数を
示し、好ましくは1〜1000、特に好ましくは1〜5
00であり、m2は0〜5000の整数を示し、好ましく
は1〜1000、特に好ましくは1〜500であり、R2
は炭素数1〜4のアルキル基を示し、特にメチル基、エ
チル基が好ましい。R6は水素原子、炭素数1〜18のア
ルキル基、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基又はCH
2CH2CH2Si(R5)3を示し、R5は炭素数1〜4のアルキル基
又はアルコキシ基を示し、n1は1〜10の整数を示し、
好ましくは1〜8であり、Xはフッ素原子、塩素原子、
水素原子を示し、n2は0〜8の整数を示し、好ましくは
0〜3である。]で表わされる分子量300〜100
万、好ましくは500〜20000、特に好ましくは5
00〜10000である。
【0008】前記一般式(I)で示されるフルオロアル
キル基含有重合体において、適用可能なフルオロアルキ
ル基(RF)、すなわち、-(CF2)n1X、 -CF(CF3)-(OCF2CF
(CF3))n2-OC3F7 は、具体的には、CF3 、F(CF2)2 、F(C
F2)3 、F(CF2)4 、F(CF2)5 、F(CF2)6 、F(CF2)7 、F(C
F2)8 、F(CF2)9 、F(CF2)10、HCF2、H(CF2)2 、H(CF2)3
、H(CF2)4 、H(CF2)5 、H(CF2)6 、H(CF2)7 、H(CF2)8
、H(CF2)9 、H(CF2)10、ClCF2 、Cl(CF2)2、Cl(C
F2)3、Cl(CF2)4、Cl(CF2)5、Cl(CF2)6、Cl(CF2)7、Cl(C
F2)8、Cl(CF2)9、 Cl(CF2)10、CF(CF3)OC3F7、CF(CF3)
(OCF2CF(CF3))1-OC3F7 、CF(CF3)(OCF2CF(CF3))2-OC3F7
、CF(CF3)(OCF2CF(CF3))3-OC3F7 、CF(CF3)(OCF2CF(CF
3))4-OC3F7 、CF(CF3)(OCF(CF3)2CF)5-OC3F7 、CF(CF3)
(OCF2CF(CF3))6-OC3F7 、CF(CF3)(OCF2CF(CF3))7-OC3F7
、CF(CF3)(OCF2CF(CF3))8-OC3F7 、である。この際、R
Fの炭素数すなわちn1およびn2が10および8を超える
場合には、溶媒に対する溶解性が低下するので好ましく
ない。
【0009】なお、本発明における前記一般式(I)で
示されるフルオロアルキル基含有重合体は、フルオロア
ルキル基(RF)が重合体の片末端のみに導入された化合
物を任意の割合で含んだものを示すこともできる。
【0010】前記一般式(I)で表わされるフルオロア
ルキル基含有重合体 RF-(CH2CR1L)m1-(CH2CR1R4)m2-RF (I) を構成する前記一般式 (III) CH2=CR1L (III) 及び下記一般式(IV) CH2=CR1R4 (IV) で表わされるモノマー類の具体例として、例えば、CH2=
CHC(=O)NHC(CH2OH)3、CH2=CHC(=O)NH-CH(OH)CO2H、CH2=
CHC(=O)OCH2CH(OH)CH2N+Me3 Cl- 、CH2=CMeC(=O)NHC(CH
2OH)2 、CH2=CMeC(=O)NH-CH(OH)CO2H 、CH2=CMeC(=O)OC
H2CH(OH)CH2N+Me3Cl-、塩化ビニル、塩化ビニリデン、
フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、アクリロニトリル、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸-t- ブチル、(メタ)アクリル酸プロピル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸-n- ブ
チル、(メタ)アクリル酸- 2- エチルヘキシル、2-
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2- ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシビニル
シラン、トリエトキシビニルシラン、ジアセチルオキシ
メチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、
トリアセチルオキシビニルシラン、トリイソプロポキシ
ビニルシラン、トリメチルビニルシラン、トリ- t-ブト
キシビニルシラン、エトキシジエチルビニルシラン、ジ
エチルメチルビニルシラン、3- メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、3- メタクリロキシプロピルト
リエトキシシラン、3- メタクリロキシプロピルジアセ
チルオキシメチルシラン、3- メタクリロキシプロピル
ジエトキシメチルシラン、3- メタクリロキシプロピル
トリアセチルオキシシラン、3- メタクリロキシプロピ
ルトリイソプロポキシシラン、3- メタクリロキシプロ
ピルトリメチルシラン、3- メタクリロキシプロピルト
リ- t-ブトキシシラン、3- メタクリロキシプロピルエ
トキシジエチルシラン、3- メタクリロキシプロピルジ
エチルメチルシラン、3- アクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、3- アクリロキシプロピルトリエトキシ
シラン、3- アクリロキシプロピルジアセチルオキシメ
チルシラン、3- アクリロキシプロピルジエトキシメチ
ルシラン、3- アクリロキシプロピルトリアセチルオキ
シシラン、3- アクリロキシプロピルトリイソプロポキ
シシラン、3- アクリロキシプロピルトリメチルシラ
ン、3- アクリロキシプロピルトリ -t-ブトキシシラ
ン、3- アクリロキシプロピルエトキシジエチルシラ
ン、3- アクリロキシプロピルジエチルメチルシラン等
を好ましく挙げることができる。
【0011】前記一般式(I)で表わされるフルオロア
ルキル基含有重合体において、m1及びm2は0〜5000
の整数を示す。但し、m1は1以上の整数を示す。前記m1
又はm2が5000を超える場合には、製造が困難であ
る。更に前記一般式(I)で示されるフルオロアルキル
基含有重合体の平均分子量は、300〜1000000
であり、フルオロアルキル基の特性をより顕著に発現さ
せるためには、500〜20000とするのが好まし
く、500〜10000が特に好ましい。前記平均分子
量が、300未満の場合には製造が困難であり、100
0000を超えると製造が困難である。
【0012】本発明のフルオロアルキル基含有重合体の
製造方法は、特定の過酸化フルオロアルカノイルと特定
の原料モノマーとを反応させることを特徴とし、さらに
反応を円滑に進行させるため、反応系に水を添加させる
こともできる。
【0013】本発明に用いる過酸化フルオロアルカノイ
ルは、前記一般式(II)で表わされる。前記一般式(I
I)で表わされる過酸化フルオロアルカノイルにおい
て、n1が11以上の場合又はn2が9以上の場合には、溶
媒の存在下において反応させる際に前記過酸化フルオロ
アルカノイルの溶解性が低下するので使用できない。ま
た前記一般式(II)で示される過酸化フルオロアルカノ
イル中のRFは、前記一般式(I)で示される重合体にお
いて列記したRFと同様であり、前記過酸化フルオロアル
カノイルとしては、具体的には例えば、過酸化ジペルフ
ルオロ- 2- メチル- 3- ヘキサノイル、過酸化ペルフ
ルオロ- 2,5- ジメチル- 3,6- ジオキサノナノイ
ル、過酸化ジペルフルオロ- 2,5,8- トリメチル-
3,6,9-トリオキサドデカノイル、過酸化ジペルフ
ルオロブチリル、過酸化ジペルフルオロヘプタノイル等
を好ましく挙げることができる。
【0014】本発明において前記過酸化フルオロアルカ
ノイルと前記一般式(II)又は前記一般式(II)及び前
記一般式(III) で示されるモノマー類とを反応させる際
における、前記一般式(II)で示されるモノマーと前記
一般式(III) で示されるモノマーとの混合モル比は任意
の割合が可能であるが、好ましくは1:0. 01〜10
0の範囲であり、前記過酸化フルオロアルカノイルと前
記一般式(II)又は前記一般式(II)及び前記一般式(I
II) で示されるモノマーとを反応させる際における仕込
みモル比は、1:0. 1〜5000の範囲であるのが好
ましく、特に、1:0. 5〜1000の範囲とするのが
好ましい。前記原料モノマーの仕込みモル比が0. 1未
満の場合には、過酸化物の自己分解に起因する生成物が
多量に生成し、また5000を超える場合には、目的と
するフルオロアルキル基含有重合体の収率が低下するの
で好ましくない。また前記過酸化フルオロアルカノイル
の仕込みモル比を調節することにより、得られる重合体
の分子量を調節することができる。即ち、前記過酸化フ
ルオロアルカノイルの仕込みモル比をモノマー類に対し
て高くすれば、分子量の低い重合体が得られ、低くすれ
ば、分子量の高い重合体を得ることができる。更に前記
反応は常圧で行なうことが可能であり、且つ反応温度は
通常−20〜150℃、好ましくは0〜100℃の範囲
であることが望ましい。前記反応温度が−20℃未満で
は反応時間が長くなる傾向にあり、逆に150℃を超え
ると反応時の圧力が高くなり、反応操作が困難であるの
で好ましくない。更に反応時間は通常30分〜20時間
の範囲で行なうことができるが、実用的には1〜10時
間になるように条件を設定することが望ましい。
【0015】本発明の製造法では前記種々の反応条件下
において、前記過酸化フルオロアルカノイルと前記モノ
マー類とを反応させることにより、目的のフルオロアル
キル基含有重合体を直接1段階反応により得ることがで
きるが、前記過酸化フルオロアルカノイルの反応に際し
ては、前記一般式(II)で示されるモノマー類に対し
て、水を1〜90重量パーセント添加させ、モノマー類
を溶解させ反応に用いることが好ましい。なお、反応に
際しては公知の分散剤等の添加剤を適宜の割合に用い反
応させることも可能である。なお、本反応において水を
用いない場合は、目的とする重合物を収率よく得ること
が一般に困難となる傾向にある。さらに反応をより円滑
に行なうために有機溶媒を用いることが好ましい。前記
有機溶媒としてはハロゲン化脂肪族溶媒、ハロゲン化芳
香族溶媒が特に好ましく、具体的には例えば塩化メチレ
ン、クロロホルム、2−クロロ−1,2−ジブロモ−
1,1,2−トリフルオロエタン、1,2−ジブロモヘ
キサフルオロプロパン、1,2−ジブロモテトラフルオ
ロエタン、1,1−ジフルオロテトラクロロエタン、
1,2−ジフルオロテトラクロロエタン、フルオロトリ
クロロメタン、ヘプタフルオロ−2,3,3−トリクロ
ロブタン、1,1,1,3−テトラクロロテトラフルオ
ロプロパン、1,1,1−トリクロロペンタフルオロプ
ロパン、1 ,1 ,2−トリクロロトリフルオロエタン、
1,1,1,2,2−ペンタフルオロ−3,3−ジクロ
ロプロパン、1,1,2,2,3−ペンタフルオロ−
1,3−ジクロロプロパン、ベンゾトリフルオリド、ヘ
キサフルオロキシレン、ペンタフルオロベンゼン等を用
いることができ、特に工業的には、1,1,1,2,2
−ペンタフルオロ−3,3−ジクロロプロパン、1,
1,2,2,3−ペンタフルオロ−1,3−ジクロロプ
ロパン、ベンゾトリフルオリド等の溶媒若しくはこれら
溶媒が任意の割合で混合された混合溶媒を好ましく挙げ
ることができる。前記溶媒を使用する場合、通常溶媒中
の前記過酸化フルオロアルカノイルの濃度が0. 1〜3
0重量%程度であることが望ましい。
【0016】本発明の前記一般式(I)で示されるフル
オロアルキル基含有重合体は、一般に水に対し低濃度下
で溶解性を示し、さらにはメタノール、エタノール、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の有機溶
剤に対しても低濃度下で溶解性を示す傾向にある。従っ
て、新規なフッ素系界面活性剤としても有用である。
【0017】本発明の前記一般式(I)で示されるフル
オロアルキル基含有重合体は、興味深いことに、濃度を
高めることにより水溶液さらには有機溶媒系において、
フルオロアルキル基による凝集作用、さらにはヒドロキ
シル基もしくはカルボキシル基同士の分子間水素結合に
より容易にゲルを生成することができる。これに対し、
対応するフルオロアルキル基を有しない重合体において
はゲルを生成しないことが確認された。
【0018】本発明の前記一般式(I)で示されるフル
オロアルキル基含有重合体は、水溶液あるいは有機溶媒
中においてゲルを形成し、ゲル内部に溶存する金属イオ
ンを捕捉剤することができる。フルオロアルキル基を含
有することによる溶存状態での特殊な分子集合体の形成
に基くものと考えられる。また金属イオンを捕捉したフ
ルオロアルキル基含有重合体ゲルは、再び金属イオンを
含まない水溶液あるいは有機溶媒に添加すると、取り込
んだ金属イオンを放出することができる。捕捉あるいは
放出することができる金属イオンとしては、あらゆる金
属元素のイオンを挙げることができる。また金属イオン
の形態としても錯体を形成していても、電荷がカチオニ
ックであってもアニオニックであってもよく、たとえ
ば、I族(アルカリ金属および銅族)、II族(アルカリ
土類金属および亜鉛族)、ホウ素を除く III族、炭素と
ケイ素を除くIV族、 VIII 族(鉄族および白金族)、
V、VI、VII 族の各a亜族に属する元素から構成される
イオンが挙げられる。
【0019】本発明の製造法により得られる前記一般式
(I)で示される重合体は、再沈澱法、カラムクロマト
グラフィー、透析等の公知の方法で精製することが可能
である。
【0020】
【実施例】以下本発明を実施例、比較例により更に詳細
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0021】実施例1 過酸化ぺルフルオロブチリル(5mmol) と水に溶かしたN-
アクリロイルトリス(ヒドロキシメチル) アミノメタン
( 以下、NAT と略す;21mmol、但し、水溶液の濃度は5
0%) にAK-225(CF3CF2CHCl2:CClF2CF2CF2CHClF=50:50
の混合溶液)を50g 加え窒素気流下45℃、5hr 反応させ
た。反応後、得られた生成物を濾過し、次いでメタノー
ルで十分に洗浄し残存モノマーを除去させ、さらにオリ
ゴマー類を濾過し恒温下で真空乾燥させたところ、以下
に示されるフルオロアルキル基含有トリオールホモオリ
ゴマーが収率55%で得られた。 RF-[CH2CHC(=O)NHC(CH2OH)3]n-RF; RF = C3F7 なお、得られたオリゴマーのスペクトルデータを表1に
それぞれ示した。
【0022】実施例2 過酸化ぺルフルオロブチリルの仕込モル比を4mmol に代
え、NAT の仕込量を9mmolに代えた以外は実施例1に従
って反応を行ったところ、以下に示されるフルオロアル
キル基含有トリオールホモオリゴマーが収率45%で得
られた。 RF-[CH2CHC(=O)NHC(CH2OH)3]n-RF; RF = C3F7 なお、得られたオリゴマーのスペクトルデータを表1に
それぞれ示した
【0023】実施例3 過酸化ぺルフルオロブチリルの代りに過酸化ぺルフルオ
ロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイル(4mmol)を用
い、NAT の仕込量を20mmolに代えた以外は実施例1に
従って反応を行ったところ、以下に示されるフルオロア
ルキル基含有トリオールホモオリゴマーが収率43%で
得られた。 RF-[CH2CHC(=O)NHC(CH2OH)3]n-RF; RF = CF(CF3)OC3F7 なお、得られたオリゴマーのスペクトルデータを表1に
それぞれ示した。
【0024】実施例4 過酸化ぺルフルオロブチリルの代りに過酸化ぺルフルオ
ロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイル(5mmol)を
用い、NAT の仕込量を5mmolに代えた以外は実施例1に
従って反応を行ったところ、以下に示されるフルオロア
ルキル基含有トリオールホモオリゴマーが収率29%で
得られた。 RF-[CH2CHC(=O)NHC(CH2OH)3]n-RF; RF = CF(CF3)OC3F7 なお、得られたオリゴマーのスペクトルデータを表1に
それぞれ示した。
【0025】実施例5 過酸化ぺルフルオロブチリルの代りに過酸化ぺルフルオ
ロ−2,5−ジメチル−3,6−ジオキサノナノイル
(3mmol)を用い、NAT の仕込量を13mmolに代えた以
外は実施例1に従って反応を行ったところ、以下に示さ
れるフルオロアルキル基含有トリオールホモオリゴマー
が収率42%で得られた。 RF-[CH2CHC(=O)NHC(CH2OH)3]n-RF; RF = CF(CF3)OCF2CF
(CF3)OC3F7 なお、得られたオリゴマーのスペクトルデータを表1に
それぞれ示した。
【0026】実施例6 過酸化ぺルフルオロブチリルの代りに過酸化ぺルフルオ
ロ−2,5−ジメチル−3,6−ジオキサノナノイル
(3mmol)を用い、NAT の仕込量を5mmol に代えた以外は
実施例1に従って反応を行ったところ、以下に示される
フルオロアルキル基含有トリオールホモオリゴマーが収
率48%で得られた。 RF-[CH2CHC(=O)NHC(CH2OH)3]n-RF; RF = CF(CF3)OCF2CF
(CF3)OC3F7 なお、得られたオリゴマーのスペクトルデータを表1に
それぞれ示した。
【0027】比較例1 過酸化ペルフルオロブチリルの代りにV-50(和光純薬工
業製)を用いた以外は実施例1に従って反応を行ったと
ころ、以下に示されるトリオールホモオリゴマーが収率
87%で得られた。 −[CHCHC(=O)NHC(CHOH)
【0028】実施例7 過酸化フルオロブチリル(4mmol) と水に溶かしたアク
リロイルヒドロキシメチルアミン(21mmol ;50%水溶
液) およびトリメチルビニルシラン(21mmol)にAK-225を
50g 加え窒素気流下45℃、5hr 反応させた。反応後、得
られた生成物をメタノールで十分に洗浄し残存コモノマ
ーを除去させ、さらにコオリゴマー類を濾過し恒温下で
真空乾燥させたところ、以下に示されるフルオロアルキ
ル基含有トリオールコオリゴマーが収率50%で得られ
た。 RF-[CH2CHC(=O)NHC(CH2OH)3]x-(CH2CHSiMe3)y-RF; RF =
C3F7 x : y = 83 : 17(共重合比は1H NMRにより算出) なお、得られたコオリゴマーのスペクトルデータを表2
に示した。
【0029】実施例8 過酸化ぺルフルオロブチリルの代りに過酸化ぺルフルオ
ロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイル(5mmol)に
代えた以外は実施例7に従って反応を行ったところ、以
下に示されるフルオロアルキル基含有トリオールコオリ
ゴマーが収率53%で得られた。 RF-[CH2CHC(=O)NHC(CH2OH)3]x-(CH2CHSiMe3)y-RF; RF = CF(CF3)OC3F7 x : y = 67 : 33(共重合比は1H NMRにより算出) なお、得られたコオリゴマーのスペクトルデータを表2
に示した。
【0030】実施例9 過酸化ぺルフルオロブチリルの代りに過酸化ぺルフルオ
ロ−2,5−ジメチル−3,6−ジオキサノナノイル
(3mmol)を用い、NAT の仕込量を13mmolに代え、トリメ
チルビニルシランの仕込量を15mmolに代えた以外は実施
例7に従って反応を行ったところ、以下に示されるフル
オロアルキル基含有トリオールコオリゴマーが収率50
%で得られた。 RF-[CH2CHC(=O)NHC(CH2OH)3]x-(CH2CHSiMe3)y-RF; RF = CF(CF3)OCF2CF(CF3)OC3F7 x : y = 96 : 4( 共重合比は1H NMRにより算出) なお、得られたコオリゴマーのスペクトルデータを表2
に示した。
【0031】実施例10 過酸化ぺルフルオロブチリルの代りに過酸化ぺルフルオ
ロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイル(4mmol)を
用い、NAT の仕込量を21mmolに代え、トリメチルビニ
ルシランの代りにメチルメタクリレート22mmolを用い
た以外は実施例7に従って反応を行ったところ、以下に
示されるフルオロアルキル基含有トリオールコオリゴマ
ーが収率52%で得られた。 RF-[CH2CHC(=O)NHC(CH2OH)3]x-(CH2CMeCO2Me)y-RF; RF = CF(CF3)OC3F7 x : y = 88:12(共重合比は1H NMRにより算出) なお、得られたコオリゴマーのスペクトルデータを表2
に示した。
【0032】実施例10’ 過酸化ぺルフルオロブチリルの代りに過酸化ぺルフルオ
ロ−2,5−ジメチル−3,6−ジオキサノナノイル
(3mmol)を用い、NAT の仕込量を13mmolに代え、トリメ
チルビニルシランの代りにメチルメタクリレート13mmol
を用いた以外は実施例7に従って反応を行ったところ、
以下に示されるフルオロアルキル基含有トリオールコオ
リゴマーが収率54%で得られた。 RF-[CH2CHC(=O)NHC(CH2OH)3]x-(CH2CMeCO2Me)y-RF; RF = CF(CF3)OCF2CF(CF3)OC3F7 x : y = 90:10(共重合比は1H NMRにより算出) なお、得られたコオリゴマーのスペクトルデータを表2
に示した。
【0033】実施例11 実施例1〜10’および比較例1で合成されたそれぞれ
の重合体の溶解性を以下の表3に示した。表3に示すよ
うに、フルオロアルキル基が導入されたオリゴマーは、
それぞれゲルを形成することが明らかであり、一方、フ
ッ素を含まないオリゴマーは溶解するのみであった。
【0034】実施例12 フルオロアルキル基含有トリオールオリゴマー類のC.G.
C.( 臨界ゲル化濃度)測定を25℃の恒温糟を用いて試
験管に一定量のオリゴマーを添加し、そこに溶媒を加え
ゲル化させるための必要最小量をC.G.C.として求めた。
系全体がゲル状になり試験管を傾けたとき溶剤がしみ出
ず、流動しない状態をゲル化とした。その結果を以下の
表4に示した。
【0035】実施例13 フルオロアルキル基含有トリオールオリゴマーのクロム
イオン捕集 実施例7で合成されたオリゴマー(0.05g) を水3.33ml中
で平衡膨潤させたのち、硝酸クロム水溶液5ml 加え、一
昼夜静置し金属イオン捕捉させた。捕捉量は上澄液の可
視吸収スペクル(Cr3+の場合 580nm)の測定から求め
た。また、金属イオン捕捉後、吸引濾過よりゲル部を分
離し、水を加え、その上澄液の可視吸収スペクトルから
クロムイオンの放出量を求めた。それぞれの結果を以下
の図1に示した。図1に示すように、本オリゴマーは5
0%の量の金属イオンを捕捉し、更に一端、捕捉された
金属イオンは、捕捉された金属イオンに対し20%放出
することがわかった。
【0036】実施例14 硝酸クロムの代わりに塩化コバルトを用いた以外は実施
例13に従って測定を行った。その結果、コバルトイオ
ンを59%捕捉し、さらに捕捉されたコバルトイオンの
25%を放出することがわかった。
【0037】実施例15 3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルトリメチ
ルアンモニウムクロリド(21mol)に35.80gの水を加え溶
解し、AK-225を100gを加えた混合液に過酸化ペルフルオ
ロブチリル[(C3F7CO2)2](4mmol)を含む溶液15g を加
え、窒素気流下45℃、5h反応させた。反応終了後、生成
物をメタノール100ml を加えて洗浄し、残存モノマーを
除去し、吸引濾過を行い、真空下にて乾燥を行ったとこ
ろ、以下の構造で示される目的物が21%の収率で得ら
れた。 RF-[CH2CMeCO2CH2CH(OH)CH2NMe3 + Cl- ]x-RF; RF = C3F
7 得られた生成物をGPC により数平均分子量を求めたとこ
ろ、2630であった。得られた生成物のスペクトルデ
ータを以下の表5に示した。
【0038】実施例16 3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルトリメチ
ルアンモニウムクロリドの仕込みモル量を42mmolに代え
た以外は実施例15に従って反応を行ったところ、以下
に構造で示される目的物が30%の収率で得られた。数
平均分子量をGPC により求めたところ2060であっ
た。 RF-[CH2CMeC(=O)OCH2CH(OH)CH2NMe3 + Cl-]n-RF: RF = C
3F7 生成物のスペクトルデータは以下の表5に示した。
【0039】実施例17 3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルトリメチ
ルアンモニウムクロリドの仕込みモル量を11mmolに代
え、過酸化ペルフルオロブチリルを過酸化ペルフルオロ
−2−メチル−3−オキサヘキサノイル4mmolに代えた
以外は実施例15に従って反応を行ったところ、以下に
構造で示される目的物が17%の収率で得られた。数平
均分子量をGPC により求めたところ6760であった。 RF-[CH2CMeC(=O)OCH2CH(OH)CH2NMe3 + Cl-]n-RF: RF = C
F(CF3)OC3F7 なお、生成物のスペクトルデータは以下の表5に示し
た。
【0040】実施例18 3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルトリメチ
ルアンモニウムクロリドの仕込みモル量を25mmolに代
え、過酸化ペルフルオロブチリルを過酸化ペルフルオロ
−2−メチル−3−オキサヘキサノイル5mmolに代えた
以外は実施例15に従って反応を行ったところ、以下に
構造で示される目的物が36%の収率で得られた。 RF-[CH2CMeC(=O)OCH2CH(OH)CH2NMe3 + Cl-]n-RF: RF = C
F(CF3)OC3F7 なお、生成物のスペクトルデータは以下の表5に示し
た。
【0041】実施例19 3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルトリメチ
ルアンモニウムクロリドの仕込みモル量を42mmolに代
え、過酸化ペルフルオロブチリルを過酸化ペルフルオロ
−2−メチル−3−オキサヘキサノイル4mmolに代えた
以外は実施例15に従って反応を行ったところ、以下に
構造で示される目的物が12%の収率で得られた。 RF-[CH2CMeC(=O)OCH2CH(OH)CH2NMe3 + Cl-]n-RF: RF = C
F(CF3)OC3F7 なお、生成物のスペクトルデータは以下の表5に示し
た。
【0042】実施例20 3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルトリメチ
ルアンモニウムクロリドの仕込みモル量を65mmolに代
え、過酸化ペルフルオロブチリルを過酸化ペルフルオロ
−2−メチル−3−オキサヘキサノイル4mmolに代えた
以外は実施例15に従って反応を行ったところ、以下に
構造で示される目的物が39%の収率で得られた。 RF-[CH2CMeC(=O)OCH2CH(OH)CH2NMe3 + Cl-]n-RF: RF = C
F(CF3)OC3F7 なお、生成物のスペクトルデータは以下の表5に示し
た。
【0043】実施例21 3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルトリメチ
ルアンモニウムクロリドの仕込みモル量を85mmolに代
え、過酸化ペルフルオロブチリルを過酸化ペルフルオロ
−2−メチル−3−オキサヘキサノイル4mmolに代えた
以外は実施例15に従って反応を行ったところ、以下に
構造で示される目的物が25%の収率で得られた。 RF-[CH2CMeC(=O)OCH2CH(OH)CH2NMe3 + Cl-]n-RF: RF = C
F(CF3)OC3F7 なお、生成物のスペクトルデータは以下の表5に示し
た。
【0044】実施例22 3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルトリメチ
ルアンモニウムクロリドの仕込みモル量を22mmolに代
え、過酸化ペルフルオロブチリルを過酸化ペルフルオロ
−2,5−ジメチル−3,6−ジオキサノナノイル4mm
olに代えた以外は実施例15に従って反応を行ったとこ
ろ、以下に構造で示される目的物が32%の収率で得ら
れた。 RF-[CH2CMeC(=O)OCH2CH(OH)CH2NMe3 + Cl-]n-RF: RF = CF(CF3)OCF2CF(CF3)OC3F7 なお、生成物のスペクトルデータは以下の表5に示し
た。
【0045】実施例23 3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルトリメチ
ルアンモニウムクロリドの仕込みモル量を43mmolに代
え、過酸化ペルフルオロブチリルを過酸化ペルフルオロ
−2,5−ジメチル−3,6−ジオキサノナノイル4mm
olに代えた以外は実施例15に従って反応を行ったとこ
ろ、以下に構造で示される目的物が88%の収率で得ら
れた。 RF-[CH2CMeC(=O)OCH2CH(OH)CH2NMe3 + Cl-]n-RF: RF = CF(CF3)OCF2CF(CF3)OC3F7 生成物のスペクトルデータは以下の表5に示した。
【0046】比較例2 過酸化ペルフルオロブチリルの代わりにV50(和光純
薬工業(株))を用いた以外は実施例15に従って反応
を行ったところ、以下の重合体が収率54%で得られ
た。 -[CH2CMeC(=O)OCH2CH(OH)CH2NMe3 + Cl-]n- なお、生成物のスペクトルデータは以下の表5に示し
た。
【0047】実施例24 3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルトリメチ
ルアンモニウムクロリドの仕込みモル量を16mmolに代
え、過酸化ペルフルオロブチリルを過酸化ペルフルオロ
−2,5−ジメチル−3,6−ジオキサノナノイル4mm
olに代え、トリメチルビニルシラン8mmol を用いた以外
は実施例15に従って反応を行ったところ、以下に構造
で示される目的物が27%の収率で得られた。 RF-[CH2CMeC(=O)OCH2CH(OH)CH2NMe3 + Cl-]x-(CH2CHSiMe
3)y-RF: RF = CF(CF3)OCF2CF(CF3)OC3F7 生成物のスペクトルデータは以下の表5に示した。
【0048】実施例25 3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルトリメチ
ルアンモニウムクロリドの仕込みモル量を17mmolに代
え、過酸化ペルフルオロブチリルを過酸化ペルフルオロ
−2−メチル−3−オキサヘキサノイル4mmolに代え、
トリメチルビニルシラン8mmol を用いた以外は実施例1
5に従って反応を行ったところ、以下に構造で示される
目的物が31%の収率で得られた。GPC による数平均分
子量を求めたところ38500であった。 RF-[CH2CMeC(=O)OCH2CH(OH)CH2NMe3 + Cl-]x-(CH2CHSiMe
3)y-RF: x : y = 96 : 4 RF = CF(CF3)OCF2CF(CF3)OC3F7 生成物のスペクトルデータは以下の表5に示した。
【0049】実施例26 3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルトリメチ
ルアンモニウムクロリドの代わりに2−ヒドロキシ−2
−[(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ] 酢酸41mm
olに代え、過酸化ペルフルオロブチリルを4mmol用いた
以外は実施例15に従って反応を行ったところ、以下に
構造で示される目的物が83%の収率で得られた。 RF-[CH2-CHC(=O)NHCH(OH)CO2H]n-RF: RF = C3F7 生成物のスペクトルデータは以下の表6に示した。
【0050】実施例27 3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルトリメチ
ルアンモニウムクロリドの代わりに2−ヒドロキシ−2
−[(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ] 酢酸8mmol
に代え、過酸化ペルフルオロブチリルの代わりに過酸化
ペルフルオロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイル4
mmolを用いた以外は実施例15に従って反応を行ったと
ころ、以下に構造で示される目的物が8%の収率で得ら
れた。 RF-[CH2-CHC(=O)NHCH(OH)CO2H]n-RF: RF = CF(CF3)OC3F
7 生成物のスペクトルデータは以下の表6に示した。
【0051】実施例28 3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルトリメチ
ルアンモニウムクロリドの代わりに2−ヒドロキシ−2
−[(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ] 酢酸20mm
olに代え、過酸化ペルフルオロブチリルの代わりに過酸
化ペルフルオロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイル
4mmolを用いた以外は実施例15に従って反応を行った
ところ、以下に構造で示される目的物が20%の収率で
得られた。 RF-[CH2-CHC(=O)NHCH(OH)CO2H]n-RF: RF = CF(CF3)OC3F
7 生成物のスペクトルデータは以下の表6に示した。
【0052】実施例29 3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルトリメチ
ルアンモニウムクロリドの代わりに2−ヒドロキシ−2
−[(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ] 酢酸50mmol
に代え、過酸化ペルフルオロブチリルの代わりに過酸化
ペルフルオロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイル5m
mol を用いた以外は実施例15に従って反応を行ったと
ころ、以下に構造で示される目的物が71%の収率で得
られた。 RF-[CH2-CHC(=O)NHCH(OH)CO2H]n-RF: RF = CF(CF3)OC3F
7 生成物のスペクトルデータは以下の表6に示した。
【0053】実施例30 3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルトリメチ
ルアンモニウムクロリドの代わりに2−ヒドロキシ−2
−[(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ] 酢酸5mmol
に代え、過酸化ペルフルオロブチリルの代わりに過酸化
ペルフルオロ−2,5−ジメチル−3,6−ジオキサノ
ナノイル3mmolを用いた以外は実施例15に従って反応
を行ったところ、以下に構造で示される目的物が15%
の収率で得られた。 RF-[CH2-CHC(=O)NHCH(OH)CO2H]n-RF: RF = CF(CF3)OCF2CF(CF3)OC3F7 生成物のスペクトルデータは以下の表6に示した。
【0054】実施例31 3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルトリメチ
ルアンモニウムクロリドの代わりに2−ヒドロキシ−2
−[(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ] 酢酸13mmol
に代え、過酸化ペルフルオロブチリルの代わりに過酸化
ペルフルオロ−2,5−ジメチル−3,6−ジオキサノ
ナノイル3mmolを用いた以外は実施例15に従って反応
を行ったところ、以下に構造で示される目的物が50%
の収率で得られた。 RF-[CH2-CHC(=O)NHCH(OH)CO2H]n-RF: RF = CF(CF3)OCF2CF(CF3)OC3F7 生成物のスペクトルデータは以下の表6に示した。
【0055】実施例32 3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルトリメチ
ルアンモニウムクロリドの代わりに2−ヒドロキシ−2
−[(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ] 酢酸26mmol
に代え、過酸化ペルフルオロブチリルの代わりに過酸化
ペルフルオロ−2,5−ジメチル−3,6−ジオキサノ
ナノイル3mmolを用いた以外は実施例15に従って反応
を行ったところ、以下に構造で示される目的物が85%
の収率で得られた。 RF-[CH2-CHC(=O)NHCH(OH)CO2H]n-RF: RF = CF(CF3)OCF2CF(CF3)OC3F7 生成物のスペクトルデータは以下の表6に示した。
【0056】比較例3 過酸化ペルフルオロブチリルの代わりに V50(和光純薬
工業(株))を用いた以外は実施例15に従って反応を
行ったところ、以下の目的物が収率40%で得られた。 -[CH2-CHC(=O)NHCH(OH)CO2H]n-
【0057】実施例33 3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルトリメチ
ルアンモニウムクロリドの代わりに2−ヒドロキシ−2
−[(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ] 酢酸8mmol
に代え、過酸化ペルフルオロブチリルの代わりに過酸化
ペルフルオロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイル4
mmolを用い、メチルメタクリレート8mmol を用いた以外
は実施例15に従って反応を行ったところ、以下に構造
で示される目的物が45%の収率で得られた。 RF-[CH2-CHC(=O)NHCH(OH)CO2H]x-(CH2CMeCO2Me)y-RF: x : y = 70 : 30 RF = CF(CF3)OC3F7 生成物のスペクトルデータは以下の表6に示した。
【0058】実施例34 3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルトリメチ
ルアンモニウムクロリドの代わりに2−ヒドロキシ−2
−[(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ] 酢酸13mmol
に代え、過酸化ペルフルオロブチリルの代わりに過酸化
ペルフルオロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイル4
mmolを用い、メチルメタクリレート84mmolを用いた以外
は実施例15に従って反応を行ったところ、以下に構造
で示される目的物が9%の収率で得られた。 RF-[CH2-CHC(=O)NHCH(OH)CO2H]x-(CH2CMeCO2Me)y-RF: x : y = 30 : 70 RF = CF(CF3)OC3F7 生成物のスペクトルデータは以下の表6に示した。
【0059】実施例35 実施例15〜34に示された化合物の溶解性を以下の表
7、8に示した。表7、8に示したように、本発明によ
り合成されたフルオロアルキル基含有重合体はフッ素の
凝集作用が効率よく発現され、水以外にも、メタノー
ル、エタノール、DMF さらにはDMSO中においてゲルを形
成することがわかった。これに対し、比較例2、3に示
される対応するフッ素を含まない重合体はゲルを形成せ
ず、これら溶媒中において溶解するのみであった。
【0060】実施例36 実施例21で合成された重合体のクロムイオン捕捉につ
いて、実施例13に示された方法と同様に行った。その
結果、62%のクロムイオンを捕捉することがわかっ
た。さらに捕捉されたクロムイオンの46%を放出する
ことがわかった。
【0061】実施例37 実施例32で合成された重合体のクロムイオン捕捉につ
いて、実施例13に示された方法と同様に行った。その
結果、39%のクロムイオンを捕捉することがわかっ
た。しかしながら、捕捉されたクロムイオンは水系に全
く放出されないことがわかった。このように、実施例2
6〜34で示される水酸基およびカルボキシル基を同一
モノマー中に有する重合体は、一旦捕捉した金属イオン
は水系に再度放出しないことが明確となった。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】
【表5】
【0067】
【表5】
【0068】
【表6】
【0069】
【表6】
【0070】
【表7】
【0071】
【表8】
【0072】
【発明の効果】本発明のフルオロアルキル基含有重合体
は,新規な化合物であり、フルオロアルキル基がエステ
ル結合でなく直接炭素−炭素結合により結合されている
ため、フルオロアルキル基に起因した性質を長期にわた
り維持することが可能であり、耐候性の高い化合物であ
る。従って、新規なフッ素系高分子界面活性剤として、
低表面張力性、低屈折性、耐熱性、耐寒性、耐油性、電
気絶縁性、防曇性、防汚性、耐薬品性等の特性を有する
化合物として、特にflip-flop (フリップーフロップ)
タイプの親水性を有しかつ撥油性及び防汚染性等の性質
が付与された表面処理剤、更には塗料、光学レンズ、眼
鏡用レンズ、ガラス器具等の表面における材料及び化粧
品等の原料等に利用することができる。さらに、本発明
のフルオロアルキル基含有重合体は,水溶液さらには有
機溶媒中において容易にゲルを生成する。従って、フッ
素の優れた機能が発現された新規な吸水性樹脂としてさ
らにはオイルゲル化剤としても幅広く展開させることが
でき、種々の金属イオン捕捉剤および放出剤としても利
用できる。
【0073】また本発明の製造方法によりフルオロアル
キル基含有重合体を、短時間で収率良くかつ容易に、し
かも反応触媒及び特殊な装置を使用せずに1段階反応に
より製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Cr(NO3)3水溶液の可視スペクトルを示す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) RF-(CH2CR1L)m1-(CH2CR1R4)m2-RF (I) [式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、L はC(=O)N
    HC(CH2OH)3、C(=O)NH-CH(OH)CO2H、C(=O)OCH2CH(OH)CH2
    N+Me3 Cl- を示し、R4はハロゲン原子、シアノ基、Si(R
    5)3 、-CO2R6又は Si(CH3)2(OCH2CH2)mOR2を示し、RF
    -(CF2)n1X 、-CF(CF3)[OCF2CF(CF3)]n2-OC3F7 を示し、
    mは1〜20の整数を示し、m1は1〜5000の整数を
    示し、m2は0〜5000の整数を示し、R2は炭素数1〜
    4のアルキル基を示し、R6は水素原子、炭素数1〜18
    のアルキル基、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基又
    はCH2CH2CH2Si(R5)3を示し、R5は炭素数1〜4のアルキ
    ル基又はアルコキシ基を示し、n1は1〜10の整数を、
    Xはフッ素原子、塩素原子、水素原子を示し、n2は0〜
    8の整数を示す]で表わされる分子量300〜1000
    000のフルオロアルキル基含有重合体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のフルオロアルキル基含有
    重合体を含むゲル。
  3. 【請求項3】 下記一般式(II) RFC(=O)OO(O=)CRF (II) ( 式中、RFは前記のとおり。)で表わされる過酸化フル
    オロアルカノイルと、下記一般式(III) CH2=CR1L (III) 及び下記一般式(IV) CH2=CR1R4 (IV) (式中、R1、 L、R4は前記のとおり。)で表わされるモ
    ノマー類の混合物、又は一般式 (III)で示されるモノマ
    ーを反応させることを特徴とする請求項1記載のフルオ
    ロアルキル基含有重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のフルオロアルキル基含有
    重合体を含むことを特徴とする金属イオン捕捉剤および
    放出剤。
  5. 【請求項5】 ゲル状である請求項4記載の金属イオン
    捕捉剤および放出剤。
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