JP3334945B2 - 含フッ素ビニルエーテル共重合体 - Google Patents

含フッ素ビニルエーテル共重合体

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JP3334945B2 JP12706193A JP12706193A JP3334945B2 JP 3334945 B2 JP3334945 B2 JP 3334945B2 JP 12706193 A JP12706193 A JP 12706193A JP 12706193 A JP12706193 A JP 12706193A JP 3334945 B2 JP3334945 B2 JP 3334945B2
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F216/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an alcohol, ether, aldehydo, ketonic, acetal or ketal radical
    • C08F216/12Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an alcohol, ether, aldehydo, ketonic, acetal or ketal radical by an ether radical
    • C08F216/14Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐水性、撥水性の優れ
た共重合体に関する。さらに、詳しくはビニルエステ
ル、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル等
のエステル結合含有単量体と特定量の含フッ素ビニルエ
ーテルとの共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】ビニルエステル、アクリル酸エステルま
たはメタクリル酸エステル等のエステル結合含有単量体
の単独重合体および共重合体は、それぞれ有用な樹脂と
して広く使用されている。しかし、これらエステル結合
含有単量体からなる樹脂は撥水性が低くまた吸水性が大
きく、湿った空気中あるいは水中では寸法安定性やその
他の諸物性が悪くなり、用途によっては大きな問題とな
っていた。
【0003】そこで、これらの樹脂に耐水性を付与する
方法が過去さまざま検討されてきた。まず、これらのエ
ステル結合含有単量体にテトラフルオロエチレン、ヘキ
サフルオロプロピレンのようなパーフルオロ単量体を共
重合させ耐水性を付与させる方法がある。しかし、これ
らのパーフルオロ単量体はエステル結合含有単量体と共
重合しにくい。このため含フッ素単量体としてパーフル
オロアルキル基を有するアクリル酸エステル類との共重
合が提案されている(特開昭49−6075号公報)。
この共重合体の場合、耐水性を十分付与するためには相
当量の含有単量体が必要であり、得られる共重合体が高
価格になることや、エステル結合を介してパーフルオロ
アルキル基を結合しているため、加水分解によりパーフ
ルオロアルキル基が共重合体より離脱し、耐水性が低下
し易いという欠点がある。
【0004】また、含フッ基重合体を混合して耐水性樹
脂組成物にする方法も提案されている。例えば、特開昭
60−40161号公報、特開昭59−189108号
公報、特開昭61−148256号公報には含フッ素重
合体を耐水性改良剤として使用することが記載されてい
る。しかし、これらのようなポリマーブレンドは混合状
態によって耐水性の効果が異なるため、加工上の配慮が
必要となる。とくに高耐水性を樹脂に付与したい場合に
は、改質剤中のフッ素含量が多く必要なためその混合が
非常に困難になる欠点を有する。
【0005】したがって、これらエステル結合含有単量
体から得られる樹脂本来の特性を損なわなずに、良好な
耐水性を有する樹脂が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況から本発明
は、エステル結合含有単量体と共重合性良く重合するフ
ッ素系単量体を用いることによって、良好な撥水性及び
高耐水性を有する樹脂を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究を行った結果、特定構造の
含フッ素アルキルビニルエーテルがエステル結合含有単
量体と共重合しやすいこと、および、この含フッ素アル
キルビニルエーテルを1〜70モル%の範囲でエステル
結合含有単量体と共重合させた共重合体が、優れた耐水
性および撥水性を有することを見いだし、本発明を完成
させるに至った。
【0008】即ち、本発明は、下記式(1)
【0009】
【化8】
【0010】〔但し、R1は、水素原子またはメチル基
であり、Aは、−COOR2または−OCOR3(但し、
2およびR3は、アルキル基である)である〕で示され
るエステル結合含有単量体単位30〜99モル%と、下
記式(2)
【0011】
【化9】
【0012】〔但し、Rfは、パーフルオロアルキル
基、または
【0013】
【化10】
【0014】(但し、pは0以上の整数である)であ
る〕で示される含フッ素ビニルエーテル単量体単位70
〜1モル%とが、ランダムに配列した、数平均分子量が
1万〜100万である含フッ素ビニルエーテル共重合体
である。
【0015】本発明の含フッ素ビニルエーテル共重合体
を構成する単量体単位のうち、エステル結合含有単量体
単位は下記式(1)で示される化合物である。
【0016】
【化11】
【0017】かかる上記式(1)中、R1は、水素原子
またはメチル基である。また、Aは、−COOR2また
は−OCOR3で示される基である。さらに、R2および
3は、アルキル基である。R2およびR3で示されるア
ルキル基は、特に制限されるものではないが、重合性と
実用性を勘案すると、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基等の直鎖、または分岐鎖状の炭素数
1〜10の範囲のものであるのが好ましい。本発明の含
フッ素ビニルエーテル共重合体において、上記式(1)
で示されるエステル結合含有単量体単位は、同種のもの
だけでなく二種以上が併用して共重合されていても良
い。
【0018】次に、本発明の含フッ素ビニルエーテル共
重合体を構成する単量体単位のうち、含フッ素ビニルエ
ーテル単量体単位は下記式(2)で示される。
【0019】
【化12】
【0020】かかる上記式(2)中、Rfは、パーフル
オロアルキル基、または
【0021】
【化13】
【0022】(但し、pは0以上の整数である)であ
る。上記Rfのパーフルオロアルキル基の炭素数は特に
制限されないが、撥水性の効果とコスト或いは原料の入
手の容易さを勘案すると1〜12の範囲であることが好
ましい。具体的には、−CF3,−CF2CF3,−CF2
CF2CF3,−CF2(CF2CF2pCF3(p=1〜
4)等をあげることができる。また、上記
【0023】
【化14】
【0024】で示される基のうち、pは、0以上の整数
であるが、好適には0〜3であるのが好ましい。
【0025】本発明の含フッ素ビニルエーテル共重合体
中に含まれる前記式(1)で示されるエステル結合含有
単量体単位、および式(2)で示される含フッ素ビニル
エーテル単量体単位の含量は、前記式(1)で示される
エステル結合含有単量体単位が30〜99モル%、好ま
しくは60〜98.5モル%の範囲であり、式(2)で
示される含フッ素ビニルエーテル単量体単位が70〜1
モル%、好ましくは40〜1.5モル%の範囲である。
含フッ素ビニルエーテル単量体単位の含有量が1モル%
未満のときは、本発明の含フッ素ビニルエーテル共重合
体の耐水性および撥水性が不十分となり好ましくない。
また、含フッ素ビニルエーテル単量体単位の含量が70
モル%を越えてた場合、耐水性および撥水性の効果が頭
打ちとなる他、共重合体を製造する際の収率が低下す
る。なお、本発明の含フッ素ビニルエーテル共重合体
は、前記した各単量体単位がランダムに配列している。
【0026】本発明の含フッ素ビニルエーテル共重合体
は、プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)を
測定することにより、化合物を容易に同定することがで
きる。 即ち、本発明の含フッ素ビニルエーテル共重合
体は、まず、δ4.2ppm付近に前記式(2)
【0027】
【化15】
【0028】で示される含フッ素ビニルエーテル単量体
単位のエーテル基に隣接するメチレン基のプロトンに基
づくピークが観察される。
【0029】また、本発明の含フッ素ビニルエーテル共
重合体において、エステル結合含有単量体単位に対する
含フッ素ビニルエーテル単量体単位の配列形態は、以下
の4通りが考えられる。
【0030】 1) A−A−A 2) B−A−A A:エステル結合含有単量体 3) A−A−B B:含フッ素ビニルエーテル単量体単位 4) B−A−B しかして、本発明の含フッ素ビニルエーテル共重合体
は、前記式(1)
【0031】
【化16】
【0032】で示されるエステル結合含有単量体におい
て、R1が水素である場合の該R1のプロトンまたはこの
1が結合する炭素に隣接するメチレン基のプロトンの
ピークが、上記4種類の並びのそれぞれに対応して観察
される。(ここで、Bの含フッ素ビニルエーテル単量体
単位の結合形態は、
【0033】
【化17】
【0034】の2つの向きがあるが、1H−NMRのピ
ークは、この結合の向きの違いには、ほとんど影響を受
けない。)例えば、共重合体を構成する上記エステル結
合含有単量体において、R1が水素でありAが−OCO
3である場合、該共重合体は、δ4.9ppm付近に
前記エステル結合含有単量体単位と含フッ素ビニルエー
テル単量体単位の配列のうち、1)の並びにあるものの
1のプロトンのピークが、δ5.2ppm付近に上記
配列のうち、2)の並びにあるもののR1のプロトンの
ピークが、δ5.4ppm付近に上記配列のうち、3)
の並びにあるもののR1のプロトンのピークが、δ5.
8ppm付近に上記配列のうち、4)の並びにあるもの
のR1のプロトンのピークがそれぞれ認められる。ま
た、共重合体を構成する上記エステル結合含有単量体に
おいて、R1が水素でありAが−COOR2基である場
合、該共重合体は、δ2.4ppm付近に上記配列のう
ち、1)の並びにあるもののR1のプロトンのピーク
が、δ2.8ppm付近に上記配列のうち、2)の並び
にあるもののR1のプロトンのピークが、δ3.1pp
m付近に上記配列のうち、3)の並びにあるもののR1
のプロトンのピークが、δ3.4ppm付近に上記配列
のうち、4)の並びにあるもののR1のプロトンのピー
クがそれぞれ認められる。さらに、共重合体を構成する
上記エステル結合含有単量体において、R1がメチル基
でありAが−COOR2である場合、該共重合体は、δ
1.8ppm付近に上記配列のうち、1)の並びにある
ものの前記メチレン基のプロトンのピークが、δ2.4
ppm付近に上記配列のうち、2)の並びにあるものの
メチレン基のプロトンのピークが、δ2.2ppm付近
に上記配列のうち、3)の並びにあるもののメチレン基
のプロトンのピークが、δ2.8ppm付近に上記配列
のうち、4)の並びにあるもののメチレン基のプロトン
のピークがそれぞれ認められる。本発明では、こうした
単量体単位の並びの違いにより生じる、エステル結合含
有単量体のR1のプロトンまたはメチレン基のプロトン
に基づく4種類のピークを観察することにより、エステ
ル結合含有単量体単位と含フッ素ビニルエーテル単量体
単位とがランダムに配列していることを確認することが
できる。なお、こうしたエステル結合含有単量体のR1
のプロトンまたはメチレン基のプロトン由来のピークの
総積分値と前記含フッ素ビニルエーテル単量体単位のメ
チレン基のプロトン由来のピークの総積分値を相対的に
比較することにより、それぞれの単量体単位の含有量を
知ることができる。
【0035】本発明の含フッ素ビニルエーテル共重合体
は、数平均分子量が1万〜100万の範囲でなければな
らず、10万〜100万の範囲であることが実用性の点
で好ましい。数平均分子量が1万未満の共重合体は、末
端基が相対的に増えるため撥水性等の効果が低下する
他、機械強度も不十分である。また、数平均分子量が1
00万を越える共重合体は、製造が困難な他、有機溶媒
への溶解性等も悪くなる。
【0036】本発明の含フッ素ビニルエーテル共重合体
は、上記した単量体単位の他に、下記式(3)で示され
るエチレン系単量体単位を含有させることは、共重合体
の有機溶媒への溶解性等が向上する点で好ましい。
【0037】
【化18】
【0038】(但し、Xは、水素原子、ハロゲン原子、
シアノ基、アルキル基、またはアリール基である。)上
記式(3)中、Xで示されるハロゲン原子は、フッ素、
塩素、臭素を挙げることができ、アルキル基は、その炭
素原子数に特に制限されないが、共重合体連鎖に沿う二
つの主要単量体単位の分布に有害に影響しないためには
1〜10の範囲であることが好ましく、また、アリール
基は、その炭素数に特に制限されないが、同じ理由でフ
ェニル基等の6〜12の範囲であることが好ましい。
【0039】本発明の含フッ素ビニルエーテル共重合体
中に含まれる上記式(3)で示されるエチレン系単量体
単位の含有量は、1〜10モル%の範囲であり、1〜7
モル%の範囲であることが、共重合体連鎖に沿う二つの
主要単量体の分布に有害に影響せず、重合体の耐水性等
を維持するという点で好ましい。
【0040】本発明の含フッ素ビニルエーテル共重合体
は、上記式(3)で示されるエチレン系単量体単位が含
まれている場合も、各単量体単位の配列はランダムであ
り、その構造は1H−NMRを測定することにより、容
易に同定することができる。また、数平均分子量も上記
と同様の1万〜100万の範囲である。
【0041】本発明の含フッ素ビニルエーテル共重合体
は、下記の方法により製造することができる。
【0042】下記式(4)
【0043】
【化19】
【0044】〔但し、R1及びAは、前記と同じであ
る〕で示されるエステル結合含有単量体30〜99モル
%と、下記式(5)
【0045】
【化20】
【0046】〔但し、Rfは、パーフルオロアルキル
基、または
【0047】
【化21】
【0048】(但し、pは0以上の整数である)であ
る〕で示される含フッ素ビニルエーテル単量体70〜1
モル%、さらに、必要により下記式(6)
【0049】
【化22】
【0050】(但し、Xは、水素原子、ハロゲン原子、
シアノ基、アルキル基、またはアリール基である)で示
されるエチレン系単量体を1〜10モル%となるように
共重合する方法である。
【0051】本発明で使用されるエステル結合含有単量
体としては、分子中に重合性基とエステル結合とを有
し、一般式(4)を満足するものであれば公知の化合物
を何ら制限なく使用することができる。とくに本発明に
おいては、ビニルエステル、アクリル酸エステル、メタ
クリル酸エステル等のエステル結合含有単量体を好適に
使用することができる。具体的に例示すれば、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、ノナン酸ビニル等のビニルエ
ステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸ブチル、アクリル酸オクチル等のアクリル酸エス
テル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸オクチル等のメタクリル酸エステル類であ
る。これらエステル結合含有単量体は、一種あるいは二
種以上の混合物として使用しても本発明の効果は達成さ
れる。
【0052】次に、本発明で使用される含フッ素ビニル
エーテルは、上記一般式(5)で示される化合物であ
る。
【0053】上記の含フッ素ビニルエーテルは、前記の
エステル結合含有単量体との共重合性が良好である。こ
れは、該含フッ素ビニルエーテルが、パーフルオロアル
キル基または
【0054】
【化23】
【0055】で示される基とエーテル結合を形成する酸
素原子との間にメチレン基を有しており、その結果、こ
の化合物のビニル基の電子密度が高くなっているためと
解釈される。
【0056】なお、これらの含フッ素ビニルエーテル
は、対応する含フッ素アルコールのアルカリ金属塩とテ
トラフルオロエチレンを反応することにより容易に得る
ことができる。以下に、本発明で好適に使用される含フ
ッ素ビニルエーテルを例示する。
【0057】
【化24】
【0058】本発明においては、エステル結合含有単量
体99〜30モル%に対して、一種以上の含フッ素ビニ
ルエーテル1〜70モル%のランダム共重合、叉は必要
によりエチレン系単量体を1〜10モル%になるように
加えた共重合が行なわれる。例えば、こうした共重合
は、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等いずれ
の方法で行なっても良い。重合に使用する重合開始剤も
公知の化合物を用いることができる。例えば、オクタノ
イルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどの
ジアシルパーオキサイド類;ジイソプロピルパーオキシ
ジカーボネート、ジプロピルパーオキシジカーボネート
などのパーオキシジカーボネート類;ブチルパーオキシ
アセテート、ブチルパーオキシピバレートなどのパーオ
キシエステル類、アゾビスブチロニトリルなどのアゾ系
の過酸化物またフッ素系の過酸化物としてパーフルオロ
ブチルパーオキサイド、また乳化重合では過硫酸カリウ
ムなどである。これらの重合開始剤の一種以上を併用し
ても良い。
【0059】溶液重合を行なう場合には、使用する溶媒
は重合を阻害せず、また用いる単量体を溶解できるもの
であれば良い。例えば、メチルアルコール、エチルアル
コールなどのアルコール類;ヘキサン、ヘプタンなどの
脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭
化水素類;塩化メチレン、四塩化炭素、フロン−113
などのハロゲン系溶媒などを用いることができる。
【0060】また、重合温度は重合開始剤の分解温度に
依存するが、通常10〜100℃であれば重合を進行さ
せることができる。
【0061】さらに、分子量を調節するためにメルカプ
タンなどの連鎖移動剤も必要により用いることができ
る。
【0062】
【発明の効果】本発明で得られる共重合体は特定の含フ
ッ素ビニルエ−テル単量体単位を有するため、通常のエ
ステル結合含有単量体から得られる樹脂に較べ、耐水
性、はっ水性に優れている。このため、本発明により得
られる共重合体は、塗料、表面コーティング剤または各
種成形品として、とくに耐水性が問題となる分野で使用
することができる。
【0063】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、これによって本発明が限定されるものではな
い。なお、本発明で得た共重合体の解析及び物性を以下
の方法により測定した。
【0064】(1)分子量の測定 得られた共重合体0.01gをテトラヒドロフラン10
mlに溶解し、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法
(GPC)により標準ポリスチレンを基準にして分子量
を測定した。
【0065】(2)接触角の測定 接触角測定機により水を使用して接触角を測定した。
【0066】実施例1 内容積100ccのフラスコ中に含フッ素ビニルエーテ
ル(Rf=C25;以下FVEという)21.0g,酢
酸ビニル(以下VAcという)31.5g,tert−
ブチルパーオキシネオデカネート16.5mgを仕込
み、液体酸素による固化、脱気を繰り返し、系内の酸素
を除去した。次に、これを密封し、50℃で8時間重合
した。次に、この内容物をテトラヒロフランに溶解し、
大量のn-ヘキサン中に沈澱させ、乾燥を行なった。ポ
リマー収量は45.2gで重合率86%であった。
【0067】精製したポリマーを重水素化クロロホルム
溶媒中で1H−NMR(図1参照)を測定したところ、
OCH2CF2CF3のCH2(4.2ppm)に由来する
プロトンのピークが観察された。また、VAcに基づく
単量体単位のメチン基に由来するプロトンのピークが
4.9,5.2,5.4および5.8ppmに観察され
た。該メチン基に由来するプロトンの4種類のピークか
ら、各単量体がランダムに配列していることがわかっ
た。また、上記1H−NMRの測定結果より算出した含
フッ素アルキルビニルエーテルの含量は、17.5モル
%であった。さらに、この重合物の数平均分子量Mnは
235,000であり、重量平均分子量Mwは554,
000であった。次に、重合で得られたポリマーは15
0℃で熱成形し、フィルムを作り、接触角を測定したと
ころ、87.3度であった。
【0068】実施例2 内容積300ccの4つ口フラスコ中に、1,1,2-トリク
ロロトリフルオロエタン52.1g 含フッ素アルキル
ビニルエーテル(Rf=C25)58.5g、プロピオ
ン酸ビニル38.0g、アゾビスイソブチロニトリル
0.02gを仕込み、窒素でバブリングし系内の酸素を
窒素で置換した。その後、60℃で8時間重合した。次
に反応器を冷却し、反応を停止させ、未反応モノマー及
び溶媒を減圧下で除去した。次に内容物をテトラヒドロ
フランに溶解し、大量のn-ヘキサン中に沈澱させ、乾
燥を行なった。ポリマー収量は68.9gで重合率71
%であった。
【0069】精製したポリマーを重水素化クロロホルム
溶媒中で1H−NMRを測定したところ、OCH2CF2
CF3のCH2(4.2ppm)に由来するプロトンのピ
ークが観察された。また、VAcに基づく単量体単位の
メチン基に由来するプロトンのピークが4.9,5.
2,5.4および5.8ppmに観察された。該メチン
基に由来するプロトンの4種類のピークから、各単量体
がランダムに配列していることがわかる。また、上記1
H−NMRの測定結果より算出した含フッ素アルキルビ
ニルエーテルの含量は、33.2モル%であった。この
重合物の数平均分子量Mnは112,000であり、重
量平均分子量Mwは264,000であった。次に、重
合で得られたポリマーは150℃で熱成形し、フィルム
を作り、接触角を測定したところ、93.2度であっ
た。
【0070】実施例3 実施例2と同様の方法で表1に示す組成で各単量体を仕
込み1,1,2-トリクロロトリフルオロエタンの代わりに水
53.0gを使用して、また分散剤として部分鹸化ポリ
酢酸ビニル2mgを用いて懸濁重合を行なったところ、
ポリマー75.8gを得た。1H−NMRの測定結果は
実施例2と同様であった。得られたポリマーを実施例2
と同様にして接触角を測定し、その結果を表1に示し
た。
【0071】実施例4 実施例3と同様の方法で表1に示す組成で各単量体を仕
込み、分散剤の代わりに界面活性剤としてドデシルスル
ホン酸ナトリウム2mgを用い、また重合開始剤として
過硫酸カリウム0.02gを用いて乳化重合を行ったと
ころ、ポリマー77.3gを得た。1H−NMRの測定
結果は実施例2と同様であった。得られたポリマーを実
施例2と同様にして接触角を測定し、その結果を表1に
示した。
【0072】実施例5〜6 実施例1において、酢酸ビニルに代えてアクリル酸メチ
ルまたはメタクリル酸メチルを用い、実施例1と同様の
共重合を行なった。仕込み組成及び重合率、1H−NM
Rデータ、接触角の測定結果を表1に示した。
【0073】
【表1】
【0074】比較例1 内容積100ccのフラスコ中に酢酸ビニル(VAc)
50.3g,tert−ブチルパーオキシネオデカネー
ト28.6mgを仕込み、液体酸素による固化、脱気を
繰り返し、系内の酸素を除去した。次に、これを密封
し、50℃で8時間重合した。次に、この内容物をテト
ラヒドロフランに溶解し、大量の石油エーテル中に沈澱
させ、乾燥を行なった。ポリマー収量は48.8gで重
合率97%であった。
【0075】この重合物の数平均分子量Mnは570,
000であり、重量平均分子量Mwは776,000で
あった。次に、重合で得られたポリマーは150℃で熱
成形し、フィルムを作り、接触角を測定した。その結果
を表1に示した。
【0076】実施例7〜11 表2に示した各種含フッ素ビニルエーテル、エステル結
合含有単量体を用い表2に示す組成で実施例1と同様の
共重合を行なった。仕込み組成及び重合率、1H−NM
Rデータ、接触角の測定結果を表2に示した。
【0077】
【表2】
【0078】実施例12〜15 表3に示した各種含フッ素ビニルエーテル、エステル結
合含有単量体、エチレン系単量体を用い表3に示す組成
で実施例1と同様の共重合を行なった。重合率、1H−
NMRデータ、分析結果、測定結果を表3に示した。
【0079】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1で得られた本発明の含フッ素
ビニルエーテル共重合体のプロトン核磁気共鳴スペクト
ルのチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−276808(JP,A) 特開 平2−28206(JP,A) 特開 平5−287027(JP,A) 米国特許3159609(US,A) 英国特許出願公開1292643(GB,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 216/14 - 216/20 C08F 220/10 - 220/18 C08F 218/02 - 218/12 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1) 【化1】 〔但し、R1は、水素原子またはメチル基であり、A
    は、−COOR2または−OCOR3(但し、R2および
    3は、アルキル基である)である〕で示されるエステ
    ル結合含有単量体単位30〜99モル%と、下記式
    (2) 【化2】 〔但し、Rfは、パーフルオロアルキル基、または 【化3】 (但し、pは0以上の整数である)である〕で示される
    含フッ素ビニルエーテル単量体単位70〜1モル%と
    が、ランダムに配列した、数平均分子量が1万〜100
    万である含フッ素ビニルエーテル共重合体。
  2. 【請求項2】下記式(1) 【化4】 〔但し、R1は、水素原子またはメチル基であり、A
    は、−COOR2または−OCOR3(但し、R2および
    3は、アルキル基である)である〕で示されるエステ
    ル結合含有単量体単位30〜98モル%、下記式(2) 【化5】 〔但し、Rfは、パーフルオロアルキル基、または 【化6】 (但し、pは0以上の整数である)である〕で示される
    含フッ素ビニルエーテル単量体単位69〜1モル%、お
    よび下記式(3) 【化7】 (但し、Xは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ア
    ルキル基、またはアリール基である)で示されるエチレ
    ン系単量体単位1〜10モル%とがランダムに配列し
    た、数平均分子量が1万〜100万である含フッ素ビニ
    ルエーテル共重合体。
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