JPH07138362A - 含フッ素ポリメリックペルオキシド、その製造方法及びそれを用いたフルオロアルキル基含有重合体 - Google Patents

含フッ素ポリメリックペルオキシド、その製造方法及びそれを用いたフルオロアルキル基含有重合体

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JPH07138362A
JPH07138362A JP29102793A JP29102793A JPH07138362A JP H07138362 A JPH07138362 A JP H07138362A JP 29102793 A JP29102793 A JP 29102793A JP 29102793 A JP29102793 A JP 29102793A JP H07138362 A JPH07138362 A JP H07138362A
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peroxide
fluorine
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chemical
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Hideo Sawada
英夫 沢田
Hideyo Ishigaki
秀世 石垣
Shuji Suyama
修治 須山
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Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フルオロアルキル基が直接炭素−炭素結合で
結合された耐候性等の物性に優れた材料を得るための新
規な含フッ素ポリメリックペルオキシド及びその製造方
法を提供する。また、低表面張力、低屈折性等のフルオ
ロアルキル基の特性を発揮できるフルオロアルキル基含
有重合体を提供する。 【構成】 この発明の新規な含フッ素ポリメリックペル
オキシドは、下記一般式化1で示されるセグメントを繰
り返し単位とするものである。 【化1】 但し、RF は所定のフルオロアルキル基を示す。また、
この含フッ素ポリメリックペルオキシドは、下記一般式
化4で示される含フッ素ハロゲン化ジアシルを過酸化物
と反応させることにより得られる。 【化4】 但し、Xはハロゲン原子を示す。さらに、下記一般式化
5で示されるフルオロアルキル基含有重合体は、含フッ
素ポリメリックペルオキシドをビニル系単量体と反応さ
せることにより得られる。 【化5】−〔RF −(CH2 −CAB)x −(CH2
CDE)y 〕− 但し、A,B,C,Dは所定の官能基である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えばフッ素系重合
体を得るための重合触媒として利用される含フッ素ポリ
メリックペルオキシド、その製造方法及びそれを用いた
フルオロアルキル基含有重合体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、含フッ素過酸化ジアシル〔(RF
CO2 2 〕は、対応する炭化水素系過酸化ジアシルに
比べ低温活性な性質を示す。そのため、フッ素系モノマ
ー等の電子吸引性モノマーの重合触媒として、更には芳
香族化合物へのフルオロアルキル基導入化剤として注目
されてきた(特開平3−31253号公報、米国特許第
4631151号明細書、ヨーロッパ特許第15509
3号明細書)。
【0003】また、有機化合物中にフルオロアルキル基
を含有する化合物は、耐光性、撥水・撥油性、更には生
理活性等の有用な性質を示すものとして近年注目を集め
ている。特に、有機化合物中にフルオロアルキル基が導
入されたフルオロアルキル基含有重合体は、低表面張
力、低屈折性、耐熱性、耐寒性、耐油性、電気絶縁性、
撥水性、離型性、耐薬品性等の優れた特性を有している
ため、種々の分野に有用である。例えば、光学レンズ、
眼鏡用レンズ、ガラス器具、塗料等の表面における撥水
・撥油性及び防汚染性等の付与のための表面処理剤、更
には離型性を付与する材料等の分野において有用であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のフル
オロアルキル基含有重合体は、フルオロアルキル基がア
クリル酸あるいはメタクリル酸にエステル結合を介して
導入されたものであることから、耐候性等の特性が低い
という問題があった。従って、フルオロアルキル基が直
接炭素−炭素結合で結合された耐候性の高い材料の開発
が強く望まれている。しかし、このようなフルオロアル
キル基含有重合体を製造するためのポリメリックタイプ
の含フッ素過酸化ジアシルは知られておらず、その製造
方法に関しても知られていない。
【0005】この発明は上記のような従来技術に存在す
る問題に着目してなされたものである。その目的とする
ところは、フルオロアルキル基が直接炭素−炭素結合で
結合された耐候性等の物性に優れた材料を得るための新
規な含フッ素ポリメリックペルオキシド及びその製造方
法を提供することにある。
【0006】また、他の目的とするところは、フルオロ
アルキル基のもつ特性、すなわち低表面張力、低屈折
性、耐熱性、耐寒性、耐油性、電気絶縁性、撥水性、離
型性、さらには光学レンズ、眼鏡用レンズ、ガラス器
具、塗膜、生体材料等の表面における撥水・撥油性、防
汚染性及び耐薬品性等の特性に優れ、かつ医薬、農薬等
に有効な含フッ素ポリメリックペルオキシドを用いたフ
ルオロアルキル基含有重合体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の含フッ素ポリメリックペルオキ
シドの発明では、前記一般式化1で示される過酸化物結
合を有するセグメントを繰り返し単位とすることを特徴
とするものである。
【0008】また、請求項2に記載の含フッ素ポリメリ
ックペルオキシドの製造方法の発明では、前記一般式化
4で示される含フッ素ハロゲン化ジアシルをアルカリ性
の条件下に過酸化水素と反応させるか、又は前記含フッ
素ハロゲン化ジアシルを過酸化ナトリウム、過酸化カリ
ウム及び過酸化バリウムよりなる群から選択された少な
くとも1種の化合物と反応させることを特徴とするもの
である。
【0009】さらに、請求項3に記載のフルオロアルキ
ル基含有重合体の発明では、前記一般式化5で示される
数平均分子量が500〜1000000であることを特
徴とするものである。
【0010】次に、この発明について詳細に説明する。
この発明の新規な含フッ素ポリメリックペルオキシド
は、前述の一般式化1で示される過酸化物結合を有する
セグメントを繰り返し単位とする含フッ素ポリメリック
ペルオキシドである。この一般式化1で示される含フッ
素ポリメリックペルオキシドの繰り返しセグメントの具
体例としては、例えば以下のようなものが好適に使用さ
れる。
【0011】
【化6】
【0012】
【化7】
【0013】
【化8】
【0014】
【化9】
【0015】
【化10】
【0016】
【化11】
【0017】
【化12】
【0018】
【化13】
【0019】
【化14】
【0020】
【化15】
【0021】
【化16】
【0022】
【化17】
【0023】
【化18】
【0024】
【化19】
【0025】
【化20】
【0026】
【化21】
【0027】
【化22】
【0028】
【化23】
【0029】
【化24】
【0030】
【化25】
【0031】
【化26】
【0032】
【化27】
【0033】
【化28】
【0034】
【化29】
【0035】
【化30】
【0036】
【化31】
【0037】但し、p1,p2,q1,q2は0〜100の任意
の整数を示し、それぞれ単独の整数ではなく、それぞれ
異なった整数を含んでいてもよい。また、前記一般式化
2及び化3の化合物中、n1は1〜50の整数を示し、
m1,m2は2〜100の整数を示し、この範囲内の化合物
であれば製造が可能で、この発明において使用可能であ
る。
【0038】次に、この含フッ素ポリメリックペルオキ
シドを製造するには、次の第1の方法と第2の方法があ
る。第1の方法としては、前記一般式化4で示される含
フッ素ハロゲン化ジアシルを、通常以下のような溶媒の
存在下にてアルカリ性条件下で、過酸化水素と反応させ
る方法である。溶媒としては、CF3 CF2 CHC
2 、CClF2 CF2 CHClF、CF2 ClCFC
2 、四塩化炭素、クロロホルム、ペルフルオロシクロ
オクタン等のハロゲン化脂肪族系溶媒、又はベンゾトリ
フルオリド、ヘキサフルオロキシレン等の含フッ素芳香
族系溶媒が使用される。また、アルカリ性条件を形成す
る成分としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウ
ム及び炭酸カリウムからなる群より選択される少なくと
も1種の化合物、すなわちこれらの単独化合物又はこれ
らの化合物を2種以上組合せた混合物(以下A成分と称
する)が用いられる。
【0039】また、第2の方法は、前記一般式化4で示
される含フッ素ハロゲン化ジアシルを、通常前記第1の
方法で用いられる溶媒の存在下に過酸化物と反応させる
方法である。この場合、過酸化物としては、過酸化ナト
リウム、過酸化カリウム及び過酸化バリウムよりなる群
から選択される少なくとも1種の化合物である。すなわ
ち、過酸化物としては、過酸化ナトリウム、過酸化カリ
ウム、過酸化バリウムの各単独化合物又はこれら化合物
の2種以上を組合せた混合物(以下B成分と称する)で
ある。なお、第1又は第2の方法において、安全性が確
保されれば、溶媒の不存在下に反応を行うことも可能で
ある。
【0040】前記第1の方法において、含フッ素ハロゲ
ン化ジアシルと、過酸化水素と、A成分との仕込みモル
比は、1:0.1〜50:0.1〜100であることが
好ましく、特に1:0.3〜20:0.3〜10の範囲
であることがさらに好ましい。また、第2の方法におい
て、含フッ素ハロゲン化ジアシルと、B成分の仕込みモ
ル比は、1:0.1〜50であるのが好ましく、1:
0.3〜30の範囲であることがさらに好ましい。前記
フッ素ハロゲン化ジアシルに対する過酸化水素とA成分
との仕込みモル比が、50及び100を超える場合、又
はB成分の仕込みモル比が50を超える場合には、生成
物である含フッ素ポリメリックペルオキシドの収率が低
下するので好ましくない。一方、この仕込みモル比が
0.1未満では、反応時間が長くなり、しかも生成物の
収率も低下するので好ましくない。
【0041】さらに、前記A成分及びB成分は、水に溶
解して用いるのが好ましく、その水溶液中のA成分及び
B成分の濃度は、望ましくは0.1〜60重量%、特に
望ましくは1〜30重量%である。この濃度が60重量
%を超える場合は生成物の収率が低下するので好ましく
なく、0.1重量%未満では反応効率が著しく低下して
工業的に不向きとなるため好ましくない。
【0042】第1及び第2の反応は、前述した溶媒単独
又はそれらの溶媒を任意の割合で混合させた混合溶媒の
存在下に行われる。このとき、溶媒の使用量は、生成す
る含フッ素ポリメリックペルオキシドに対して、0.1
〜60重量%になるように調整することが好ましい。こ
の濃度が60重量%を超える場合には、生成する含フッ
素ポリメリックペルオキシドの収率及び熱安定性が低下
するので好ましくなく、0.1重量%未満の場合には、
反応釜の釜効率が悪く、工業的に有効な方法ではない。
また、第1及び第2の方法における反応温度は−30〜
+50℃が好ましく、反応時間は0.1〜10時間の範
囲であるのが好ましい。
【0043】次に、この発明におけるフルオロアルキル
基含有重合体は、前記一般式化5で表される重合体であ
る。この一般式におけるフルオロアルキル基(−R
F −)中の前記一般式化3で示される化合物の具体例と
しては、以下のものがあげられる。
【0044】−CF2 、−(CF2 2 −、−(C
2 3 −、−(CF2 4 −、−(CF2 5 、−
(CF2 6 −、−(CF2 7 −、−(CF2
8 −、−(CF2 9 −、−(CF2 10−、
【0045】
【化32】
【0046】
【化33】
【0047】
【化34】
【0048】
【化35】
【0049】
【化36】
【0050】
【化37】
【0051】
【化38】
【0052】
【化39】
【0053】
【化40】−CF2 O(CF2 CF2 O)p2(CF2)
3(OCF2 CF2)q2OCF2
【0054】
【化41】−CF2 O(CF2 CF2 O)p2(CF2)
4(OCF2 CF2)q2OCF2
【0055】
【化42】−CF2 O(CF2 CF2 O)p2(CF2)
5(OCF2 CF2)q2OCF2
【0056】
【化43】−CF2 O(CF2 CF2 O)p2(CF2)
6(OCF2 CF2)q2OCF2
【0057】
【化44】−CF2 O(CF2 CF2 O)p2(CF2)
7(OCF2 CF2)q2OCF2
【0058】
【化45】−CF2 O(CF2 CF2 O)p2(CF2)
8(OCF2 CF2)q2OCF2
【0059】
【化46】−CF2 O(CF2 CF2 O)p2(CF2)
9(OCF2 CF2)q2OCF2
【0060】
【化47】−CF2 O(CF2 CF2 O)p2(CF2)10
(OCF2 CF2)q2OCF2 − 但し、p1,p2,q1,q2は0〜100の任意の整数を示
し、それぞれ異なった任意の整数を含んでいてもよい。
この際、m1,m2,p1,p2,q1,q2が100を超える場合
には、溶媒に対する溶解性が低下するので好ましくな
い。
【0061】前記一般式化5で表されるフルオロアルキ
ル基含有重合体の数平均分子量は、500〜10000
00の範囲であり、それ以外の範囲では一般に重合体の
製造が困難となる。
【0062】この一般式化5で表されるフルオロアルキ
ル基含有重合体は、前記一般式化1で示される過酸化物
結合を有するセグメントを繰り返し単位とする含フッ素
ポリメリックペルオキシドを、次の一般式化48又は一
般式化49で示されるビニル系単量体と反応させること
により得られる。
【0063】
【化48】CH2 =CAB
【0064】
【化49】CH2 =CDE 式中、A、Eは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5
のアルキル基、B、Dは水素原子、ハロゲン原子、シア
ノ基、−CO2 1 、−OCOR2 、−OR3又は−
〔CO2 (CH2 3 〕t −Si (Z1 2 (Z2 )を
示す。但し、Z1及びZ2 は、同一もしくは異なる基で
あって、炭素数1〜10のアルキル基、−OCOR4
は−OR4 を示し、R1 ,R2 及びR3 は水素原子又は
炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシ
アルキル基を表す。また、R4 は炭素数1〜4のアルキ
ル基を示し、tは0又は1を示す。なお、tが0の場合
にはA、Eは水素原子である。
【0065】これら単量体の具体例としては、例えば塩
化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニ
リデン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、(メタ)アクリル酸、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸−t−ブチル、アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エ
チルヘキシル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニル
シラン、ジアセチルオキシメチルビニルシラン、ジエト
キシメチルビニルシラン、トリアセチルオキシメチルビ
ニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、トリアセ
チルオキシビニルシラン、トリイソプロポキシビニルシ
ラン、トリメチルビニルシラン、トリ−t−ブトキシビ
ニルシラン、エトキシジエチルビニルシラン、ジエチル
メチルビニルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエト
キシシラン、3−メタクリロキシプロピルジアセチルオ
キシメチルシラン、3−メタクリロキシプロピルジエト
キシメチルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリア
セチルオキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリ
イソプロポキシシラン、3−メタクリロキシプロピルト
リシメチルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリ−
t−ブトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルエト
キシジエチルシラン、3−メタクリロキシプロピルジエ
チルメチルシラン、3−アクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシ
ラン、3−アクリロキシプロピルジアセチルオキシメチ
ルシラン、3−アクリロキシプロピルジエトキシメチル
シラン、3−アクリロキシプロピルトリアセチルオキシ
シラン、3−アクリロキシプロピルトリイソプロポキシ
シラン、3−アクリロキシプロピルトリメチルシラン、
3−アクリロキシプロピルトリ−t−ブトキシシラン、
3−アクリロキシプロピルエトキシジエチルシラン、3
−アクリロキシプロピルジエチルメチルシラン等が好適
なものとしてあげられる。
【0066】前記反応をさらに詳しく説明すると、1つ
の方法は前記一般式化1で示される過酸化物結合を有す
るセグメントを繰り返し単位とする特定の含フッ素ポリ
メリックペルオキシドを、前記一般式化48で示される
単量体と反応させる方法である。別の方法は、一般式化
1で示される含フッ素ポリメリックペルオキシドを、一
般式化48で示される単量体と一般式化49で示される
単量体との混合物と反応させる方法である。この際、一
般式化48で示される単量体と一般式化49で示される
単量体との混合モル比は、任意の比率でよいが、好まし
くは1:0.01〜100の範囲である。
【0067】前記一般式化1で表される含フッ素ポリメ
リックペルオキシドにおいては、一般式化5中に示され
るフルオロアルキル基含有重合体中におけるフルオロア
ルキル基より適宜選択して用いられる。
【0068】この発明において、一般式化1で表される
含フッ素ポリメリックペルオキシドを一般式化48で示
される単量体と反応させるか、又は一般式化48で示さ
れる単量体と一般式化49で示される単量体との混合物
と反応させるにあたり、含フッ素ポリメリックペルオキ
シドと一般式化48で示される単量体との仕込みモル比
は、1:0.1〜5000の範囲が好ましく、特に1:
0.5〜1000の範囲であることが望ましい。このモ
ル比が、0.1未満では、過酸化物の自己分解に起因す
る生成物が多量に生成するため工業的にも有効ではな
い。一方、5000を超えると、目的とするフルオロア
ルキル基含有重合体の分子量が高くなる傾向にあり、フ
ルオロアルキル基に起因した優れた性質を付与すること
が困難となる傾向にある。
【0069】また、反応は常圧で行うことが可能であ
り、かつ反応温度は通常−20〜150℃であることが
望ましく、0〜100℃であることがさらに望ましい。
この反応温度が−20℃未満では反応時間が長くなる傾
向にあり、逆に150℃を超えると反応時の圧力が高く
なり、反応操作が困難であるので好ましくない。さら
に、反応時間は通常30分〜20時間の範囲で行うこと
ができるが、実用的には1〜10時間になるように条件
を設定することが望ましい。
【0070】上記のような反応条件下において、含フッ
素ポリメリックペルオキシドと前記単量体とを反応させ
ることにより、目的とするフルオロアルキル基含有重合
体を直接1段階反応により得ることができる。この場
合、含フッ素ポリメリックペルオキシドの取扱い及び反
応を、より円滑に行うために溶媒を用いることが好まし
い。この溶媒としては、ハロゲン化脂肪族炭化水素が特
に好ましく、具体的には例えば四塩化炭素、クロロホル
ム、ペルフルオロシクロオクタン、塩化メチレン、2−
クロロ−1,2−ジブロモ−1,1,2−トリフルオロ
エタン、1,2−ジブロモヘキサフルオロプロパン、
1,2−ジブロモテトラフルオロエタン、1,1−ジフ
ルオロテトラクロロエタン、1,2−ジフルオロテトラ
クロロエタン、フルオロトリクロロメタン、ヘプタフル
オロ−2,3,3−トリクロロブタン、1,1,1,3
−テトラクロロテトラフルオロプロパン、1,1,1−
トリクロロペンタフルオロプロパン、1,1,2−トリ
クロロトリフルオロエタン、1,1,1,2,2−ペン
タフルオロ−3,3−ジクロロプロパン、1,1,2,
2,3−ペンタフルオロ−1,3−ジクロロプロパン等
のハロゲン化脂肪族炭化水素が使用される。
【0071】これらのうち、特に工業的には、1,1,
1,2,2−ペンタフルオロ−3,3−ジクロロプロパ
ン、1,1,2,2,3−ペンタフルオロ−1,3−ジ
クロロプロパン、1,1,2−トリクロロトリフルオロ
エタン等の溶媒が好適に使用される。また、ベンゾトリ
フルオリド、ヘキサフルオロキシレン等の含フッ素芳香
族化合物系溶媒も用いられる。さらに、これら溶媒を任
意の割合で混合させた混合溶媒を用いることも可能であ
る。これらの溶媒を使用する際、通常溶媒中の含フッ素
ポリメリックペルオキシドの濃度が0.5〜30重量%
程度であることが望ましい。以上のような製造法により
得られる重合生成物は、再沈澱法等の公知の方法で精製
することが可能である。
【0072】なお、含フッ素ポリメリックペルオキシド
及びフルオロアルキル基含有重合体の同定は、ヨードメ
トリー法、赤外線吸収スペクトル法(IR法)、核磁気
共鳴スペクトル法(NMR法)などの方法により行われ
る。
【0073】以上のように、この発明の含フッ素ポリメ
リックペルオキシドを用いて重合体を製造することによ
り、重合体はフルオロアルキル基が直接炭素−炭素結合
で結合され、この重合体は耐候性などの物性に優れてい
る。さらに、このフルオロアルキル基含有重合体は、フ
ルオロアルキル基の特性、すなわち低表面張力、低屈折
性、耐熱性、耐寒性、耐油性、電気絶縁性、撥水性、離
型性、さらには光学レンズ、眼鏡用レンズ、ガラス器
具、塗膜、生体材料等の表面における撥水・撥油性、防
汚染性及び耐薬品性等の特性に優れ、かつ医薬、農薬等
に有効なものである。
【0074】
【実施例】以下に、この発明を具体化した実施例につい
て説明する。なお、この発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。 (実施例1、含フッ素ポリメリックペルオキシドの製
造)攪拌装置、温度計及び滴下ロートを備えた4つ口フ
ラスコに、水酸化カリウム2.1 g(37.2 mmol )及び水
30gを添加して溶解させた。次いで、攪拌下に、溶媒
としてCF2 ClCFCl2 200gを添加後、約−5
℃まで冷却し、30重量%の過酸化水素水4.2 g(37.2
mmol )を添加した。次に、含フッ素ハロゲン化ジアシ
ルとして、以下の一般式化50で示される化合物10g
(18.6mmol)と、溶媒としてCClF2 CFCl2 40
gとの混合溶液を−5〜5℃の範囲で20分間かけて滴
下した後、60分間熟成を行った。
【0075】
【化50】
【0076】但し、p1+q1=3である。そして、有機層
を分離後、200mlの水で2回洗浄を行った。得られた
化合物をヨードメトリー法により分析した結果、以下に
示される一般式化51の過酸化物結合を有するセグメン
トを繰り返し単位とする含フッ素ポリメリックペルオキ
シドが収量347g、収率88%で得られた。なお、収
率はヨードメトリー法により求められた含フッ素ハロゲ
ン化ジアシルに対するモル収率である。
【0077】
【化51】
【0078】但し、p1+q1=3である。得られた化合物
のIRスペクトルの測定を行ったところ、カルボニル基
の吸収が1857及び1828cm-1にそれぞれ観測され
た。また、ヨードメトリー法により熱分解速度の測定を
行い、活性化エネルギー及び10時間選定半減期温度を
求めたところ22kcal/mol 及び14.7℃であった。
【0079】このように、この実施例の一般式化51で
示される新規な含フッ素ポリメリックペルオキシドは、
一般式化50で示される含フッ素ハロゲン化ジアシルを
過酸化水素と反応させることにより収率良く、かつ容易
に得られる。 (実施例2、含フッ素ポリメリックペルオキシドの製
造)含フッ素ハロゲン化ジアシルとして、実施例1で用
いた化合物の代わりに、以下の一般式化52で示される
化合物を用いた以外は実施例1に準じて反応を行った。
【0080】
【化52】
【0081】但し、p1+q1=4である。そして、実施例
1と同様な分析の結果、以下の一般式化53で示される
過酸化物結合を有するセグメントを繰り返し単位とする
含フッ素ポリメリックペルオキシドが収量342g、収
率81%で得られた。
【0082】
【化53】
【0083】但し、p1+q1=4である。この化合物につ
いて、IRスペクトルの測定を行ったところ、カルボニ
ル基の吸収が1852及び1823cm-1にそれぞれ観測
された。また、ヨードメトリー法により熱分解速度の測
定を行い、活性化エネルギー及び10時間選定半減期温
度を求めたところ21kcal/mol 及び14.3℃であっ
た。 (実施例3、含フッ素ポリメリックペルオキシドの製
造)含フッ素ハロゲン化ジアシルとして、実施例1で用
いた化合物の代わりに、以下の一般式化54で示される
化合物を用いた以外は実施例1に準じて反応を行った。
【0084】
【化54】
【0085】そして、実施例1と同様な分析の結果、以
下の一般式化55で示される過酸化物結合を有するセグ
メントを繰り返し単位とする含フッ素ポリメリックペル
オキシドが収量339g、収率77%で得られた。
【0086】
【化55】
【0087】この化合物について、IRスペクトルの測
定を行ったところ、カルボニル基の吸収が1850及び
1825cm-1にそれぞれ観測された。また、ヨードメト
リー法により熱分解速度の測定を行い、活性化エネルギ
ー及び10時間選定半減期温度を求めたところ23kcal
/mol 及び18.3℃であった。 (実施例4、含フッ素ポリメリックペルオキシドの製
造)含フッ素ハロゲン化ジアシルとして、実施例1で用
いた化合物の代わりに、以下の一般式化56で示される
化合物を用いた以外は実施例1に準じて反応を行った。
【0088】
【化56】
【0089】そして、実施例1と同様な分析の結果、以
下の一般式化57で示される過酸化物結合を有するセグ
メントを繰り返し単位とする含フッ素ポリメリックペル
オキシドが収量340g、収率84%で得られた。
【0090】
【化57】
【0091】この化合物について、IRスペクトルの測
定を行ったところ、カルボニル基の吸収が1845及び
1821cm-1にそれぞれ観測された。また、ヨードメト
リー法により熱分解速度の測定を行い、活性化エネルギ
ー及び10時間選定半減期温度を求めたところ24kcal
/mol 及び20.0℃であった。 (実施例5、含フッ素ポリメリックペルオキシドの製
造)水酸化カリウム及び過酸化水素水の代わりに、過酸
化バリウム18.6mmol(3.1g)を用いた以外は、実施例
1に従って反応を行った。そして、実施例1と同様な分
析を行ったところ、実施例1と同一の含フッ素ポリメリ
ックペルオキシドが収率88%で得られた。 (実施例6、含フッ素ポリメリックペルオキシドの製
造)水酸化カリウム及び過酸化水素水の代わりに、過酸
化ナトリウム18.6mmol(1.45g)を用いた以外は、実施
例1に従って反応を行った。そして、実施例1と同様な
分析を行ったところ、実施例1と同一の含フッ素ポリメ
リックペルオキシドが収率81%で得られた。 (実施例7、含フッ素ポリメリックペルオキシドの製
造)実施例1において使用した溶媒であるCF2 ClC
FCl2 を用いない以外は実施例1に従って反応を行っ
た。そして、実施例1と同様な方法で分析を行ったとこ
ろ、実施例1と同一の含フッ素ポリメリックペルオキシ
ドが収率48%で得られた。この実施例によれば、実施
例1に比べて収率は低いが、溶媒の不存在下において
も、含フッ素ポリメリックペルオキシドが得られること
がわかる。 (実施例8、フルオロアルキル基含有重合体の製造)ア
クリル酸(2.0 g、28mmol)中に、以下に示される過酸
化物結合を有するセグメントを繰り返し単位とする前記
一般式化51で示される含フッ素ポリメリックペルオキ
シド〔0.54g、0.5mmol (上記過酸化物結合を有するセ
グメントに対するモル量)〕を含む1,1,2−トリク
ロロトリフルオロエタン溶液50gを加え、窒素雰囲気
中で5時間、45℃にて反応させた。反応終了後、得ら
れた白色の沈澱物を濾過及び真空下にて乾燥を行うこと
により、目的とする以下の一般式化58に示される構造
を繰り返し単位とするフルオロアルキル基が導入された
フルオロアルキル基含有重合体が収量1.44gで得られ
た。
【0092】
【化58】
【0093】但し、p1+q1=3である。得られた化合物
のスペクトルデータは以下のようである。なお、得られ
たフルオロアルキル基含有重合体は、水、エタノール、
メタノール、テトラヒドロフラン等の溶媒に可溶である
ことがわかった。また、数平均分子量(Mn)はゲルパ
ーミエーションクロマトグラフ(GPC)により求めた
結果、Mn=12000であった(数平均分子量に対す
る重量平均分子量(Mw)の比は、Mw/Mn=1.5
5であった)。
【0094】その他の物性測定データは次のとおりであ
る。 IR(cm-1):3082(OH)、1724(C=
O)、1300(CF3 )、1244(CF2 1 H-NMR(CD3OD) :δ 1.41 〜2.11(-CH2-) 、2.26〜2.62
(=CH-)13 C-NMR(CDCl3):δ 36.35(-CH2-) 、42.93(=CH-) 、17
8.51(CO=) このように、この実施例では、一般式化51で示される
含フッ素ポリメリックペルオキシドをアクリル酸と反応
させることにより、一般式化58に示されるフルオロア
ルキル基が直接炭素−炭素結合で結合されたフルオロア
ルキル基含有重合体が容易に得られる。
【0095】次に、このフルオロアルキル基含有重合体
について、ドゥヌィー法に基づいて表面張力を測定し
た。すなわち、本重合体を水に溶解させ、ドゥヌィー法
により水溶液の表面張力を測定した。その結果を表1に
示す。
【0096】
【表1】
【0097】表1に示したように、重合体を水に溶解さ
せない場合に比べ、溶解させた場合には重合体の濃度が
上昇するのに伴って、表面張力は急激に低下する。この
ように、重合体中のフルオロアルキル基の特性に基づく
低表面張力が確認された。
【0098】そして、このフルオロアルキル基含有重合
体は、フルオロアルキル基のもつその他の特性、すなわ
ち耐候性、低屈折性等、さらには光学レンズ、眼鏡用レ
ンズ等の表面における撥水・撥油性、防汚染性及び耐薬
品性等の特性に優れ、かつ医薬等に有効である。 (実施例9、フルオロアルキル基含有重合体の製造)ア
クリル酸の仕込み量を2.5 g(35mmol)に代え、含フッ
素ポリメリックペルオキシドの仕込み量を0.25g(0.23
mmol)に代えた以外は、実施例8に従って反応を行っ
た。その結果、実施例8の一般式化58に示す生成物が
収量2.09gで得られた。この化合物の数平均分子量(M
n)はGPCにより求めた結果、Mn=13100であ
った(Mw/Mn=1.51)。
【0099】その他の物性測定データは次のとおりであ
る。 IR(cm-1):3111(OH)、1701(C=
O)、1300(CF3 )、1242(CF2 1 H-NMR(CD3OD) :δ 1.36 〜2.02(-CH2-) 、2.19〜2.50
(=CH-)13 C-NMR(CDCl3):δ 36.31(-CH2-) 、42.90(=CH-) 、17
8.54(CO=) (実施例10、フルオロアルキル基含有重合体の製造)
反応溶媒として、1,1,2−トリクロロトリフルオロ
エタン(CF2 ClCFCl2 )の代わりに、CF3
2 CHCl2 及びCClF2 CF2 CHClFの1:
1(重量比)混合溶媒を用いた以外は、実施例8に従っ
て反応を行った。その結果、前記一般式化58に示す重
合体が収量1.45gで得られた。この化合物の数平均分子
量(Mn)をGPCにより求めた結果、Mn=1200
0であった(Mw/Mn=1.55)。
【0100】その他の物性測定データは次のとおりであ
る。 IR(cm-1):3082(OH)、1724(C=
O)、1300(CF3 )、1244(CF2 1 H-NMR(CD3OD) :δ 1.41 〜2.11(-CH2-) 、2.26〜2.62
(=CH-)13 C-NMR(CDCl3):δ 36.35(-CH2-) 、42.93(=CH-) 、17
8.51(CO=) (実施例11、フルオロアルキル基含有重合体の製造)
含フッ素ポリメリックペルオキシドとして、前記一般式
化52に示される過酸化物結合を有するセグメントを繰
り返し単位とする含フッ素ポリメリックペルオキシドを
用いた以外は実施例8に従って反応を行った。その結
果、前記一般式化58に示す重合体が収量1.61gで得ら
れた。この化合物の数平均分子量(Mn)をGPCによ
り求めた結果、Mn=13100であった(Mw/Mn
=1.50)。
【0101】その他の物性測定データは次のとおりであ
る。 IR(cm-1):3085(OH)、1725(C=
O)、1310(CF3 )、1245(CF2 1 H-NMR(CD3OD) :δ 1.40 〜2.22(-CH2-) 、2.25〜2.64
(=CH-)13 C-NMR(CDCl3):δ 36.30(-CH2-) 、42.99(=CH-) 、17
8.50(CO=) (実施例12、フルオロアルキル基含有重合体の製造)
含フッ素ポリメリックペルオキシドとして、前記一般式
化55に示される過酸化物結合を有するセグメントを繰
り返し単位とする含フッ素ポリメリックペルオキシドを
用いた以外は実施例8に従って反応を行った。その結
果、次の一般式化59に示す重合体が収量1.79gで得ら
れた。
【0102】
【化59】
【0103】この化合物の数平均分子量(Mn)をGP
Cにより求めた結果、Mn=6700であった(Mw/
Mn=1.15)。その他の物性測定データは次のとお
りである。
【0104】IR(cm-1):3100(OH)、172
5(C=O)、1240(CF2 1 H-NMR(CD3OD) :δ 1.40 〜2.19(-CH2-) 、2.24〜2.64
(=CH-)13 C-NMR(CDCl3):δ 36.30(-CH2-) 、42.90(=CH-) 、17
8.40(CO=) (実施例13、フルオロアルキル基含有重合体の製造)
含フッ素ポリメリックペルオキシドとして、前記一般式
化57に示される過酸化物結合を有するセグメントを繰
り返し単位とする含フッ素ポリメリックペルオキシドを
用いた以外は実施例8に従って反応を行った。その結
果、次の一般式化60に示す重合体が収量1.74gで得ら
れた。
【0105】
【化60】
【0106】この化合物の数平均分子量(Mn)をGP
Cにより求めた結果、Mn=7700であった(Mw/
Mn=1.19)。その他の物性測定データは次のとお
りである。
【0107】IR(cm-1):3100(OH)、172
0(C=O)、1240(CF2 1 H-NMR(CD3OD) :δ 1.34 〜2.11(-CH2-) 、2.29〜2.69
(=CH-)13 C-NMR(CDCl3):δ 36.11(-CH2-) 、42.12(=CH-) 、17
8.58(CO=) (実施例14、フルオロアルキル基含有重合体の製造)
アクリル酸の代わりにトリメトキシビニルシラン 1.9g
を用いた以外は、実施例8に従って反応を行った。その
結果、次の一般式化61に示す生成物が収量1.99gで得
られた。
【0108】
【化61】
【0109】但し、p1+q1=3である。この化合物の数
平均分子量(Mn)をGPCにより求めた結果、Mn=
4400であった(Mw/Mn=1.10)。
【0110】その他の物性測定データは次のとおりであ
る。 IR(cm-1):1310(CF3 )、1245(C
2 1 H-NMR(CD3OD) :δ 0.61 〜2.81(-CH2- ,=CH-) 、3.61
(OCH3) (実施例15、フルオロアルキル基含有重合体の製造)
アクリル酸の代わりにトリメチルビニルシラン 2.8g(2
8mmol)及びアクリル酸2.0 g (28mmol)を用いた以外は、
実施例8に従って反応を行った。その結果、次の一般式
化62に示す生成物が収量3.98gで得られた。
【0111】
【化62】
【0112】但し、p1+q1=3である。この化合物の数
平均分子量(Mn)をGPCにより求めた結果、Mn=
12500であった(Mw/Mn=1.48)。
【0113】その他の物性測定データは次のとおりであ
る。 IR(cm-1):3115(OH)、1712(C=
O)、1350(CF3 )、1226(CF2 )、84
0(SiCH3 1H-NMR(CD3OD) :δ -0.09〜0.13 (CH
3)、1.31〜2.01(-CH2-) 、2.18〜2.62 (=CH-) 共重合比: x:y=38:62(実施例16、フルオ
ロアルキル基含有重合体の製造)アクリル酸の代わりに
メチルメタクリレート 2.8g(28mmol)及びアクリル酸2.
0 g (28mmol)を用いた以外は、実施例8に従って反応を
行った。その結果、次の一般式化63に示す生成物が収
量4.01gで得られた。
【0114】
【化63】
【0115】但し、p1+q1=3である。この化合物の数
平均分子量(Mn)をGPCにより求めた結果、Mn=
13800であった(Mw/Mn=1.51)。
【0116】その他の物性測定データは次のとおりであ
る。 IR(cm-1):3100(OH)、1725(C=
O)、1350(CF3 )、1226(CF2 1 H-NMR(CD3OD) :δ -0.82〜1.50 (CH3)、1.31〜2.01(-
CH2-) 、2.18〜2.51 (=CH-) 、3.59 (CH3) 共重合比: x:y=44:56
【0117】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明の含フッ
素ポリメリックペルオキシド、その製造方法及びそれを
用いたフルオロアルキル基含有重合体によれば、次のよ
うな優れた効果を奏する。
【0118】すなわち、含フッ素ポリメリックペルオキ
シドは新規な過酸化物であり、含フッ素ハロゲン化ジア
シルを過酸化物と反応させることにより容易に得られ
る。また、この含フッ素ポリメリックペルオキシドと、
所定のビニル系単量体を反応させることにより、フルオ
ロアルキル基が直接炭素−炭素結合で結合された耐候性
等の特性に優れた重合体が容易に得られる。
【0119】そして、このフルオロアルキル基含有重合
体は、フルオロアルキル基のもつ特性、すなわち低表面
張力、低屈折性、耐熱性、耐寒性、耐油性、電気絶縁
性、撥水性、離型性、さらには光学レンズ、眼鏡用レン
ズ、ガラス器具、塗膜、生体材料等の表面における撥水
・撥油性、防汚染性及び耐薬品性等の特性に優れ、かつ
医薬、農薬等に有効である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式化1で示される過酸化物結合
    を有するセグメントを繰り返し単位とする含フッ素ポリ
    メリックペルオキシド。 【化1】 式中、RF は−(CF2 )n1−,下記一般式化2及び化
    3を示す。 【化2】 【化3】−CF2 O(CF2 CF2 O)p2(CF2 )m2
    (OCF2 CF2 )q2OCF2 − 但し、n1は1〜50の整数を示し、m1,m2は2〜100
    の整数を示し、p1,p2,q1,q2は0〜100の整数を示
    す。
  2. 【請求項2】 次の一般式化4で示される含フッ素ハロ
    ゲン化ジアシルをアルカリ性の条件下に過酸化水素と反
    応させるか、又は前記含フッ素ハロゲン化ジアシルを過
    酸化ナトリウム、過酸化カリウム及び過酸化バリウムよ
    りなる群から選択された少なくとも1種の化合物と反応
    させることを特徴とする請求項1の一般式化1で示され
    る過酸化物結合を有するセグメントを繰り返し単位とす
    る含フッ素ポリメリックペルオキシドの製造方法。 【化4】 式中、RF は請求項1のRF と同じである。また、Xは
    ハロゲン原子を示す。
  3. 【請求項3】下記一般式化5で示される数平均分子量が
    500〜1000000であるフルオロアルキル基含有
    重合体。 【化5】−〔RF −(CH2 −CAB)x −(CH2
    CDE)y 〕− 式中、RF は請求項1のRF を示す。A,Eは水素原
    子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、B,D
    は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、−CO21
    −OCOR2 、−OR3 又は−〔CO2 (CH2 3
    t −Si(Z1 2 (Z2 )を示す。但し、Z1 及びZ
    2 は、同一もしくは異なる基であって、炭素数1〜10
    のアルキル基、−OCOR4 又は−OR4 を示す。
    1 ,R2 及びR3 は水素原子又は炭素数1〜4のアル
    キル基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を表す。
    4 は炭素数1〜4のアルキル基を示す。xは1〜50
    00、yは0〜5000の整数を、tは0又は1の整数
    をそれぞれ示す。なお、tが0の場合には、A,Eは水
    素原子である。
JP29102793A 1993-11-19 1993-11-19 含フッ素ポリメリックペルオキシド、その製造方法及びそれを用いたフルオロアルキル基含有重合体 Pending JPH07138362A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000007779A (ja) * 1998-06-11 2000-01-11 Ausimont Spa パ―フルオロポリエ―テル・アシルパ―オキシドおよびその製法

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JP2000007779A (ja) * 1998-06-11 2000-01-11 Ausimont Spa パ―フルオロポリエ―テル・アシルパ―オキシドおよびその製法

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