JPH06172446A - フルオロアルキル基含有重合体の製造方法 - Google Patents

フルオロアルキル基含有重合体の製造方法

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JPH06172446A
JPH06172446A JP4352086A JP35208692A JPH06172446A JP H06172446 A JPH06172446 A JP H06172446A JP 4352086 A JP4352086 A JP 4352086A JP 35208692 A JP35208692 A JP 35208692A JP H06172446 A JPH06172446 A JP H06172446A
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hydrogen atom
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JP4352086A
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English (en)
Inventor
Hideo Sawada
英夫 沢田
Masahiro Sano
正宏 佐野
Keiji Kawamoto
惠司 河本
Masahiro Ishidoya
昌洋 石戸谷
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NOF Corp
Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】(A)一般式 【化1】 (Rfは明細書に記載のとおりである)で表される過酸
化フルオロアルカノイルと、(B)(イ)一般式 CH2=C(R1)(R2) (R1及びR2は明細書に記載のとおりである)で表され
る単量体、及び/又は(ロ)一般式 CH2=C(Z1)[CO2(CH2)3]n−Si(Z2)2(Z3) (Z1、Z2、Z3、nは明細書に記載のとおりである)
で表される単量体とを反応させるに当たり、反応溶媒と
して、一般式 【化2】 (pは0〜9、qは0又は1である)で表される含フッ
素芳香族系溶剤を用いてフルオロアルキル基含有重合体
を製造する方法である。 【効果】反応溶媒として、特定の含フッ素芳香族系溶剤
を用いるため、オゾン層を破壊するなど環境汚染をもた
らすことなく、フルオロアルキル基含有重合体を高収率
で製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフルオロアルキル基含有
重合体の製造方法の改良に関するものである。さらに詳
しくいえば、本発明は、フルオロアルキル基含有重合体
をオゾン層を破壊する可能性のない含フッ素芳香族系溶
剤を用いて効率よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、フルオロアルキル基を含有する化
合物は、耐光性、撥水撥油性、さらには生理活性などの
有用な性質を示すことから注目されている。特にフルオ
ロアルキル基含有重合体は、低表面張力、低屈折性、耐
熱性、耐寒性、耐油性、電気絶縁性、撥水性、離型性、
耐薬品性などの優れた特性を有しているため、種々の分
野において各種用途に幅広く用いられている。このフル
オロアルキル基含有重合体の製造方法としては、一般に
過酸化フルオロアルカノイルと不飽和単量体とを、該過
酸化フルオロアルカノイルに対して安定性の高い溶媒中
において反応させる方法が用いられている。従来、過酸
化フルオロアルカノイルの製造用や反応用溶媒として、
過酸化フルオロアルカノイルに対して安定性の高い溶剤
である1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロ
エタン(フロン113)を用いる方法が多用されてき
た。例えば、過酸化トリフルオロアセチルの製造方法あ
るいは過酸化フルオロアルカノイルによるベンゼン類へ
のフルオロアルキル化反応において、反応溶媒としてフ
ロン113を用いた例が開示されている(特開平1−2
49752号公報、特公平3−35296号公報)。し
かしながら、該フロン113はオゾン層を破壊する可能
性の高い物質として、現在環境上の問題から全廃する必
要があると指摘されているものである。したがって、過
酸化フルオロアルカノイルを用いたフルオロアルキル基
含有重合体の製造方法においてもフロン113に代替さ
れる安定性の高い溶剤を用いた製造方法の開発が強く望
まれているのが実状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、オゾン層を破壊する可能性のないフッ素
系溶剤を反応溶媒として用いたフルオロアルキル基含有
重合体の製造方法を提供することを目的としてなされた
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、従来ヘキサン
やヘプタンのような水素原子を有する溶剤に対して不安
定であることが報告されている過酸化フルオロアルカノ
イル[「有機合成化学協会誌」第44巻、第600ペー
ジ(1986年)]が、特定の構造を有する含フッ素芳
香族系溶剤に対して安定であり、かつ目的とするフルオ
ロアルキル基含有重合体の製造において反応溶媒として
有用であることを見い出し、この知見に基づいて本発明
を完成するに至った。すなわち、本発明は、(A)一般
【0005】
【化5】
【0006】(式中のRfは−(CF2)aX又は
【0007】
【化6】
【0008】で示される基、Xはフッ素原子、塩素原子
又は水素原子、aは1〜10の整数、bは0又は1〜8
の整数である)で表される過酸化フルオロアルカノイル
と、(B)(イ)一般式 CH2=C(R1)(R2) …[2] 〔式中のR1は水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜
5のアルキル基、R2は水素原子、ハロゲン原子、シア
ノ基、炭素数1〜4のアルキルスルホン酸基、アミドア
ルキルスルホン酸基、
【0009】
【化7】
【0010】[R3は水素原子、炭素数1〜18のアル
キル基又は炭素数3〜6のヒドロキシアルキル基、R4
及びR5は水素原子、炭素数1〜18のアルキル基又は
炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、R6、R7及びR
8は同一若しくは異なる基であって、水素原子又はメチ
ル基、R9は炭素数1〜10のアルキレン基又は(CH2
CH2O)mCH2、R10及びR11は同一若しくは異なる基
であって、水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基、
12は炭素数1〜18のアルキル基、R13、R14、R15
及びR16は同一若しくは異なる基であって、水素原子又
はメチル基、cは1〜20の整数、d及びfは0又は1
〜20の整数、eは1又は2、gは0又は1〜5の整
数、hは0、1又は2、i及びjは0又は1〜3の整
数、kは1〜5の整数、mは1〜10の整数]で示され
る基である〕で表される不飽和単量体、及び/又は
(ロ)一般式 CH2=C(Z1)[CO2(CH2)3]n−Si(Z2)2(Z3) …[3] (式中のZ1は水素原子又はメチル基、Z2及びZ3 は同
一若しくは異なる基であって、炭素数1〜10のアルキ
ル基、アルコキシ基又はアルキルカルボニルオキシ基、
nは0又は1であり、nが0の場合、Z1は水素原子で
ある)で表される不飽和単量体とを反応させ、フルオロ
アルキル基含有重合体を製造するに当たり、反応溶媒と
して、一般式
【0011】
【化8】
【0012】(式中のpは0又は1〜9の整数、qは0
又は1である)で表される含フッ素芳香族系溶剤を用い
ることを特徴とするフルオロアルキル基含有重合体の製
造方法を提供するものである。以下、本発明を詳細に説
明する。本発明の過酸化フルオロアルカノイルを用いた
フルオロアルキル基含有重合体の製造方法においては、
反応溶媒として、一般式
【0013】
【化9】
【0014】(式中のpは0又は1〜9の整数、qは0
又は1である)で表される含フッ素芳香族系溶剤が用い
られる。前記一般式[4]で表される含フッ素芳香族系
溶剤としては、例えばベンゾトリフルオリド、o−ヘキ
サフルオロキシレン、m−ヘキサフルオロキシレン、p
−ヘキサフルオロキシレン、ペルフルオロプロピルベン
ゼン、ペルフルオロヘキシルベンゼン、ペルフルオロオ
クチルベンゼンなどを挙げることができる。使用に際し
ては、これらの含フッ素芳香族系溶剤は単独で用いても
よいし、2種以上を任意の割合で混合して用いてもよ
い。これらの含フッ素芳香族系溶剤は、従来オゾン層を
破壊する可能性の高い物質として知られているフロン1
13と比較して、溶剤分子中にそれぞれ水素原子を有し
ており、オゾン層の破壊につながらず、代替フロン溶剤
となりうるものである。本発明においては、前記の含フ
ッ素芳香族系溶剤を反応溶媒として用い、該(A)原料
成分の過酸化フルオロアルカノイルと(B)原料成分の
不飽和単量体とを反応させることにより、フルオロアル
キル基含有重合体が得られる。該(A)原料成分として
用いられる過酸化フルオロアルカノイルは、一般式
【0015】
【化10】
【0016】で表されるものである。一般式[1]にお
けるRfは−(CF2)aX又は
【0017】
【化11】
【0018】で示される基であって、aは1〜10の整
数、bは0又は1〜8の整数である。aが11以上又は
bが9以上である場合、その過酸化フルオロアルカノイ
ルは前記反応溶媒に対する溶解性が不足するので好まし
くない。該一般式[1]で表される過酸化フルオロアル
カノイルにおいて、適用可能なRfとしては、例えばC
3、F(CF2)2、F(CF2)3、F(CF2)4、F(CF2)
5、F(CF2)6、F(CF2)7、F(CF2)8、F(C
2)9、F(CF2)10、HCF2、H(CF2)2、H(CF2)
3、H(CF2)4、H(CF2)5、H(CF2)6、H(C
2)7、H(CF2)8、H(CF2)9、H(CF2)10、ClC
2、Cl(CF2)2、Cl(CF2)3、Cl(CF2)4、C
l(CF2)5、Cl(CF2)6、Cl(CF2)7、Cl(C
2)8、Cl(CF2)9、Cl(CF2)10
【0019】
【化12】
【0020】で表される基などを挙げることができる。
また、(B)原料成分の不飽和単量体としては、(イ)
一般式 CH2=C(R1)(R2) …[2] (式中のR1及びR2は前記と同じ意味をもつ)で表され
る不飽和単量体、及び/又は(ロ)一般式 CH2=C(Z1)[CO2(CH2)3]n−Si(Z2)2(Z3) …[3] (式中のZ1、Z2、Z3及びnは前記と同じ意味をも
つ)で表される不飽和単量体が用いられる。前記一般式
[1]、[2]で表される不飽和単量体の具体例として
は、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ
化ビニリデン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル、酪酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリ
ル酸−2−エチルヘキシル、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、
【0021】
【化13】
【0022】
【化14】
【0023】
【化15】
【0024】
【化16】
【0025】3−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラ
ン、3−メタクリロキシプロピルジアセチルオキシメチ
ルシラン、3−メタクリロキシプロピルジエトキシメチ
ルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリアセチルオ
キシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリイソプロ
ポキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメチル
シラン、3−メタクリロキシプロピルトリ−t−ブトキ
シシラン、3−メタクリロキシプロピルエトキシジエチ
ルシラン、3−メタクリロキシプロピルジエチルメチル
シラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニ
ルシラン、ジアセチルオキシメチルビニルシラン、ジエ
トキシメチルビニルシラン、トリアセチルオキシビニル
シラン、トリイソプロポキシビニルシラン、トリメチル
ビニルシラン、トリ−t−ブトキシビニルシラン、エト
キシジエチルビニルシラン、ジエチルビニルシランなど
を好ましく挙げることができる。なお前記式中、rは1
〜20の整数、s及びtは0又は1〜20の整数を示
し、使用に際しては、単独若しくはr、s、tがそれぞ
れ異なった整数である混合物であってもよい。本発明に
おいては、前記一般式[1]で表される過酸化フルオロ
アルカノイルと前記一般式[2]及び/又は一般式
[3]で表される不飽和単量体とを反応させる際におけ
る、該一般式[2]で表される単量体と一般式[3]で
表される単量体との混合割合については特に制限はな
く、任意の割合が可能であるが、好ましくはモル比1:
0.01ないし1:100の範囲で選ばれる。また、該
過酸化フルオロアルカノイルと該不飽和単量体との仕込
みモル比は、通常1:0.1ないし1:5000、好ま
しくは1:0.5ないし1:1000の範囲で選ばれ
る。過酸化フルオロアルカノイルに対する不飽和単量体
の仕込みモル比が0.1未満では過酸化物の自己分解に
起因する生成物が多量に生成するし、5000を超える
と目的とするフルオロアルキル基含有重合体の収率が低
下するので好ましくない。また、該過酸化フルオロアル
カノイルの仕込みモル比を調節することにより、得られ
る重合体の分子量を調節することができる。すなわち、
過酸化フルオロアルカノイルの仕込みモル比を高くすれ
ば分子量の低い重合体が得られ、逆に低くすれば分子量
の高い重合体を得ることができる。さらに、この反応は
常圧で行うことが可能であり、反応温度は、通常−20
〜150℃、好ましくは0〜100℃の範囲で選ばれ
る。該反応温度が−20℃未満では反応時間がかかりす
ぎ実用的でないし、150℃を超えると反応時の圧力が
高くなり、反応操作が困難となって好ましくない。ま
た、反応時間は、通常30分ないし20時間程度である
が、実用的には1〜10時間程度になるように条件を設
定するのが望ましい。本発明においては、前記種々の反
応条件下において、該過酸化フルオロアルカノイルと該
不飽和単量体とを反応させるに際し、反応溶媒として、
前記一般式[4]で表される含フッ素芳香族系溶剤を単
独で使用するか、あるいは2種以上を任意の割合で混合
して使用することにより、目的のフルオロアルキル基含
有重合体を直接一段階反応により製造することができ
る。この場合、反応溶媒中の該過酸化フルオロアルカノ
イルの濃度は0.5〜30重量%の範囲にあるのが望ま
しい。本発明方法により得られるフルオロアルキル基含
有重合体は、一般式
【0026】
【化17】
【0027】(式中のu及びvは0又は1〜3000の
整数を示すが、その中のいずれか1つは0ではなく、R
f、R1、R2、Z1、Z2、Z3及びnは前記と同じ意味
をもつ)で表すことができる。前記一般式[5]におい
て、uあるいはvが3000を超える重合体は製造が困
難である。また、このフルオロアルキル基含有重合体の
平均分子量は、通常500〜1000000の範囲にあ
るが、フルオロアルキル基の特性をより顕著に発現させ
るためには、500〜10000の範囲にあるのが望ま
しい。該平均分子量が500未満や1000000を超
えるものは製造が困難である。前記一般式[5]で表さ
れるフルオロアルキル基含有重合体の具体例としては例
えば、一般式
【0028】
【化18】
【0029】
【化19】
【0030】
【化20】
【0031】
【化21】
【0032】
【化22】
【0033】
【化23】
【0034】
【化24】
【0035】
【化25】
【0036】(式中のu、v及びwは0又は1〜300
0の整数であるが、分子中のいずれか1つは0ではな
く、xは3〜20の整数である)で表される重合体等を
挙げることができる。本発明方法により得られたフルオ
ロアルキル基含有重合体は公知の方法により精製するこ
とができる。
【0037】
【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明をさら
に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなん
ら限定されるものではない。 実施例1 3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2.5
g(10ミリモル)中に、過酸化ペルフルオロ−2−メ
チル−3−オキサヘキサノイル6.7ミリモルを含むm
−ヘキサフルオロキシレン溶液50gを加え、窒素雰囲
気下で5時間、30℃にて反応させた。反応終了後、反
応溶媒を除去させ、蒸留(220℃/25mmHg)により
精製を行うことにより、次の構造式
【0038】
【化26】
【0039】で示される生成物3.1gが得られた。こ
のものの数平均分子量(Mn)は990で、重量平均分
子量/数平均分子量(Mw/Mn)は1.02であっ
た。 比較例1 実施例1において、反応溶媒としてm−ヘキサフルオロ
キシレンの代わりに1,1,2−トリクロロ−1,1,2−
トリフルオロエタン(フロン113)を用いた以外は、
実施例1に準じて反応を行ったところ、実施例1に示さ
れる化合物と同一のものが収量3.0gで得られた。 実施例2 実施例1において、過酸化ペルフルオロ−2−メチル−
3−オキサヘキサノイルの代わりに過酸化ペルフルオロ
−2,5−ジメチル−3,6−ジオキサノナノイルを用い
た以外は、実施例1に従って反応を行ったところ、次の
構造式
【0040】
【化27】
【0041】で示される生成物が収量3.9で得られ
た。このもののMnは1460、Mw/Mnは1.02
であった。 比較例2 実施例2において、反応溶媒としてm−ヘキサフルオロ
キシレンの代わりに1,1,2−トリクロロ−1,2,2−
トリフルオロエタン(フロン113)を用いた以外は、
実施例2に準じて反応を行ったところ、実施例2に示さ
れる化合物と同一のものが、収量3.8gで得られた。 実施例3 実施例1において、過酸化ペルフルオロ−2−メチル−
3−オキサヘキサノイルの代わりに過酸化ペルフルオロ
ブチリルを用いた以外は、実施例1に従って反応を行っ
たところ、次の構造式
【0042】
【化28】
【0043】で示される生成物が収量3.2gで得られ
た。このもののMnは796、Mw/Mnは1.02で
あった。 比較例3 実施例3において、反応溶媒としてm−ヘキサフルオロ
キシレンの代わりに1,1,2−トリクロロ−1,2,2−
トリフルオロエタン(フロン113)を用いた以外は、
実施例3に準じて反応を行ったところ、実施例3に示さ
れる化合物と同一のものが、収量2.8gで得られた。 実施例4 実施例1において、過酸化ペルフルオロ−2−メチル−
3−オキサヘキサノイルの代わりに過酸化ペルフルオロ
ヘプタノイルを用いた以外は、実施例1に従って反応を
行ったところ、次の構造式
【0044】
【化29】
【0045】で示される生成物が収量4.1gで得られ
た。このもののMnは995、Mw/Mnは1.03で
あった。 比較例4 実施例4において、反応溶媒としてm−ヘキサフルオロ
キシレンの代わりに1,1,2−トリクロロ−1,2,2−
トリフルオロエタン(フロン113)を用いた以外は実
施例4に準じて反応を行ったところ、実施例4に示され
る化合物と同一のものが、収量4.0gで得られた。 実施例5 実施例1において、3−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシランの代わりにトリメトキシビニルシラン1.
5g(10ミリモル)を用いた以外は、実施例1に準じ
て反応を行ったところ、次の構造式
【0046】
【化30】
【0047】で示される生成物が収量6.1gで得られ
た。このもののMnは850、Mw/Mnは1.01で
あった。 比較例5 実施例5において、反応溶媒としてm−ヘキサフルオロ
キシレンの代わりに1,1,2−トリクロロ−1,2,2−
トリフルオロエタン(フロン113)を用いた以外は、
実施例5に準じて反応を行ったところ、実施例5に示さ
れる化合物と同一のものが、収量5.9gで得られた。 実施例6 実施例1において、反応溶媒としてm−ヘキサフルオロ
キシレンの代わりにp−ヘキサフルオロキシレンを用い
た以外は、実施例1に準じて反応を行ったところ、実施
例1に示される化合物と同一のものが収量3.0gで得
られた。 実施例7 実施例1において、反応溶媒としてm−ヘキサフルオロ
キシレンの代わりにベンゾトリフルオリドを用いた以外
は、実施例1に準じて反応を行ったところ、実施例1で
示される化合物と同一のもが収量3.1gで得られた。 実施例8 メチルメタクリレート30.0g(300ミリモル)中
に過酸化ペルフルオロ−2.5−ジメチル−3.6−ジオ
キサノナノイル9.9g(10ミリモル)を含むm−ヘ
キサフルオロキシレン溶液150gを加え、窒素雰囲気
下で5時間、30℃にて反応させた。反応終了後、反応
溶媒を除去させ、クロロホルム、メタノールによる再沈
殿法により精製を行い、真空下で乾燥を行うことによ
り、次の構造式
【0048】
【化31】
【0049】で示されるフルオロアルキル基含有重合体
が収量36.3gで得られた。このもののMnは130
00、Mw/Mnは1.30であった。また、IR吸収
スペクトルを測定した結果、1740cm-1(C=0)、
1335cm-1(CF3)、1230cm-1(CF2)に吸収が認
められた。 比較例6 実施例8において、反応溶媒としてm−ヘキサフルオロ
キシレンの代わりに1,1,2−トリクロロ−1,2,2−
トリフルオロエタン(フロン113)を用いた以外は、
実施例8に準じて反応を行ったところ、実施例8に示さ
れる化合物と同一のものが、収量36.1gで得られ
た。 実施例9 実施例8において、反応溶媒としてm−ヘキサフルオロ
キシレンの代わりにベンゾトリフルオリドを用いた以外
は、実施例8に準じて反応を行ったところ、実施例8に
示される化合物と同一のものが、収量35.7gで得ら
れた。 実施例10 実施例8において、メチルメタクリレートの代わりにア
クリル酸8.7g(120ミリモル)を用い、かつ過酸
化ペルフルオロ−2,5−ジメチル−3,6−ジオキサノ
ナノイルの仕込量を49.5g(50ミリモル)に変え
た以外は、実施例8に従って反応を行ったところ、次の
構造式
【0050】
【化32】
【0051】で示される高重合度重合体である白色粉末
18.4g及び低重合度重合体である無色の液状物質2
9.7gが得られた。高重合度重合物のMnは1120
0で、Mw/Mnが1.54であり、低重合度重合物の
Mnは980でMw/Mnが1.01であった。また、
これらのIRスペクトルの測定を行ったところ、320
0cm-1(OH)、1720cm-1(C=O)、1335cm
-1(CF3)、1235cm-1(CF2)に吸収が認められた。 比較例7 実施例10において、反応溶媒としてm−ヘキサフルオ
ロキシレンの代わりに1,1,2−トリクロロ−1,2,2
−トリフルオロエタン(フロン113)を用いた以外
は、実施例10に準じて反応を行ったところ、実施例1
0に示される化合物と同一の高重合度重合体である白色
粉末18.2g及び低重合度重合体である無色の液状物
質30.0gを得た。 実施例11 グリシジルメタクリレート1.42g(10ミリモ
ル)、ビニルトリメトキシシラン2.96g(20ミリ
モル)に、過酸化ペルフルオロ−2−メチル−3−オキ
サヘキサノイル6.6g(10ミリモル)を含むm−ヘ
キサフルオロキシレン溶液66gを加え、窒素雰囲気下
で5時間、40℃にて反応させた。反応終了後、減圧下
にて溶媒を除去し、真空下にて乾燥を行うことにより、
次の構造式
【0052】
【化33】
【0053】で示される無色透明な液状のフルオロアル
キル基含有重合体7.5gが得られた。このもののMn
は790、Mw/Mnは1.08であった。また、IR
スペクトルの測定結果、1740cm-1(C=0)、133
0cm-1(CF3)、1245cm-1(CF2)、912cm-1(エ
ポキシ基)に吸収が認められた。さらに、共重合比v:
u=41:59であった。 比較例8 実施例11において、反応溶媒としてm−ヘキサフルオ
ロキシレンの代わりに1,1,2−トリクロロ−1,2,2
−トリフルオロエタン(フロン113)を用いた以外
は、実施例11に準じて反応を行ったところ、実施例1
1に示される化合物と同一の無色透明な液状のフルオロ
アルキル基含有重合体が収量7.8gで得られた。以上
示すように、本発明の製造方法においては、特定の含フ
ッ素芳香族系溶媒を用いるために、従来多用されてきた
フロン113溶剤とほぼ同等若しくはそれ以上の収率
で、目的とするフルオロアルキル基含有重合体を製造し
うることが分かる。
【0054】
【発明の効果】本発明によると、特定の含フッ素芳香族
系溶剤を反応溶媒として用いることにより、オゾン層を
破壊するような環境汚染をもたらすことがなく、高収率
でフルオロアルキル基含有重合体を製造することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 28/02 MNR 7242−4J 30/08 MNU 7242−4J 299/02 MRR 7442−4J

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一般式 【化1】 (式中のRfは−(CF2)aX又は 【化2】 で示される基、Xはフッ素原子、塩素原子又は水素原
    子、aは1〜10の整数、bは0又は1〜8の整数であ
    る)で表される過酸化フルオロアルカノイルと、(B)
    (イ)一般式 CH2=C(R1)(R2) 〔式中のR1は水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜
    5のアルキル基、R2は水素原子、ハロゲン原子、シア
    ノ基、炭素数1〜4のアルキルスルホン酸基、アミドア
    ルキルスルホン酸基、 【化3】 [R3は水素原子、炭素数1〜18のアルキル基又は炭
    素数3〜6のヒドロキシアルキル基、R4及びR5は水素
    原子、炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数1〜6の
    ヒドロキシアルキル基、R6、R7及びR8は同一若しく
    は異なる基であって、水素原子又はメチル基、R9は炭
    素数1〜10のアルキレン基又は(CH2CH2O)m
    2、R10及びR11は同一若しくは異なる基であって、
    水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基、R12は炭素
    数1〜18のアルキル基、R13、R14、R15及びR16
    同一若しくは異なる基であって、水素原子又はメチル
    基、cは1〜20の整数、d及びfは0又は1〜20の
    整数、eは1又は2、gは0又は1〜5の整数、hは
    0、1又は2、i及びjは0又は1〜3の整数、kは1
    〜5の整数、mは1〜10の整数]で示される基であ
    る〕で表される不飽和単量体、及び/又は(ロ)一般式 CH2=C(Z1)[CO2(CH2)3]n−Si(Z2)2(Z3) (式中のZ1は水素原子又はメチル基、Z2及びZ3 は同
    一若しくは異なる基であって、炭素数1〜10のアルキ
    ル基、アルコキシ基又はアルキルカルボニルオキシ基、
    nは0又は1であり、nが0の場合、Z1は水素原子で
    ある)で表される不飽和単量体とを反応させ、フルオロ
    アルキル基含有重合体を製造するに当たり、反応溶媒と
    して、一般式 【化4】 (式中のpは0又は1〜9の整数、qは0又は1であ
    る)で表される含フッ素芳香族系溶剤を用いることを特
    徴とするフルオロアルキル基含有重合体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001253916A (ja) * 2000-03-10 2001-09-18 Nippon Chem Ind Co Ltd フルオロアルキル基含有ホスホン酸オリゴマー類およびその製造方法、並びにその用途
JP2012184364A (ja) * 2011-03-07 2012-09-27 Seiko Instruments Inc アクリル樹脂およびその製造方法

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