JP2003160579A - 有機過酸化物、その誘導体、ラジカル重合開始剤およびそれらの製造方法 - Google Patents
有機過酸化物、その誘導体、ラジカル重合開始剤およびそれらの製造方法Info
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Abstract
剤およびそれらの製造方法の提供。 【解決手段】特定のペルフルオロジオキソラン骨格含有
有機過酸化物、該有機過酸化物を用いて合成した、末端
にペルフルオロジオキソラン骨格を含有する誘導体、ま
たは、該有機過酸化物と芳香族化合物とを反応させて芳
香族環にペルフルオロジオキソラン骨格を導入した誘導
体。該有機過酸化物を必須成分とするラジカル重合開始
剤。
Description
物、その誘導体、ラジカル重合開始剤およびそれらの製
造方法に関する。
過酸化物は、特開平11−49749号公報に記載があ
るが、ペルフルオロジオキソラン骨格を有する含フッ素
有機過酸化物は文献未載であり、該含フッ素有機過酸化
物は、酸素親和性に優れ、分離膜用途などへの応用が期
待される。
は、新規な有機過酸化物を提供することにある。本発明
の第2の目的は、ペルフルオロジオキソラン骨格を有す
る酸ハライドと過酸化水素とを反応させる、前記有機過
酸化物の製造方法を提供することにある。
の誘導体である、ペルフルオロジオキソラン骨格が末端
に導入された新規含フッ素有機化合物を提供することに
ある。
有効成分とするエチレン性重合基のラジカル重合開始剤
を提供することにある。
よび特殊な装置を用いず、高収率かつ容易に、ペルフル
オロジオキソラン骨格が末端に導入された前記有機過酸
化物の誘導体を製造できる製造方法を提供することにあ
る。
題に鑑み鋭意検討した結果、新規な有機過酸化物を合成
し、該有機過酸化物が重合開始剤として有用であるこ
と、また有機過酸化物を用いて各種誘導体(ペルフルオ
ロジオキソラン骨格を含有する化合物など)が合成でき
ること、さらに該有機過酸化物と芳香族化合物との反応
により芳香族環にペルフルオロジオキソラン骨格を導入
できることを見出し、本発明を完成した。
提供する。ただし、式[I]〜式[VIII]における
記号は、以下の意味を示す。 R1、R8:それぞれ独立に水素原子またはメチル基。 R2、R3:それぞれ独立にハロゲン原子、シアノ基、
−Si(R4)3、− CO2R5または−CONR6R7。ただし、R4は炭
素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキ
シ基であり、R5、R6、R7はそれぞれ独立に水素原
子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜6のヒド
ロキシアルキル基または−CH2CH2CH2Si(R
4)3である。 Ar:ベンゼン、チオフェン、フラン、トルエン、キシ
レンまたはナフタレンの残基。 Ph:フェニレン基。 m1:1〜5000の整数。 m2:0〜5000の整数。
物。
化酸化水素とを、塩基の存在下で反応させることを特徴
とする、前記有機過酸化物[I]の製造方法。
均分子量が500〜1,000,0である前記有機過酸
化物[I]の誘導体。
過酸化物[I]の誘導体。
くとも1個含有する前記有機過酸化物の誘導体。
とするエチレン性重合基のラジカル重合開始剤。
[V]で表される化合物とを、必要により下式[VI]
で表される化合物の添加のもとに、反応させることを特
徴とする前記誘導体[II]の製造方法。 CH2=CR1R2・・・[V]、 CH2=CR8R3・・・[VI]。
II]で表される芳香族化合物とを反応させることを特
徴とする誘導体[III]の製造方法。 Ar−H・・・[VII]。
III]で表される単位を含有する芳香族化合物とを反
応させることを特徴とする、前記式[IV]で表される
単位を少なくとも1個含有する誘導体の製造方法。 −[CH2CH(Ph−H)]−・・・[VIII]。
ジオキソラン骨格とは、基本的に炭素原子と酸素原子と
フッ素原子からなるものをいう。
酸ハライドを塩基(アルカリ性)の存在下、過酸化水素
と反応させることにより合成できる。該酸ハライドとし
ては、たとえば、4,5,5−トリフルオロ−2,2−
ビス(トリフルオロメチル)−1,3−ジオキソラン−
4−カルボニルフロリド(以下、TGと記す。)が挙げ
られる。
第1方法または第2方法がある。第1方法は、TGを、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリ
ウムからなる群より選択される1種以上の化合物(以
下、A成分と記す。)の存在下、過酸化水素と反応させ
る方法。第2方法は、TGを、過酸化ナトリウム、過酸
化カリウムおよび過酸化バリウムからなる群より選択さ
れる1種以上の化合物(以下、B成分と記す。)と反応
させる方法。
成分の仕込モル比は、1/0.3〜20/0.3〜10
であるのが好ましく、特に1/0.5〜10/0.5〜
7であるのが好ましい。また、第2方法において、TG
/B成分の仕込モル比は、1:0.3〜20であるのが
好ましく、特に1/0.5〜15であるのが好ましい。
込モル比が20以下である場合、または同じくA成分の
仕込モル比が10以下である場合は、生成物である有機
過酸化物の収率が向上するので好ましい。また、前記仕
込モル比の過酸化水素が0.3以上の場合は、反応時間
が短くなり、反応物の収率も向上するので好ましい。
込モル比が20以下の場合には、生成物である有機過酸
化物の収率が向上するので好ましい。また、前記仕込モ
ル比のB成分が0.3以上の場合は、反応時間が短くな
り、生成物の収率も向上するので好ましい。
して用いるのが好ましい。水溶液中のA成分またはB成
分の濃度は1〜60質量%が好ましく、特に5〜30質
量%が好ましい。濃度が前記範囲にある場合は、生成物
の収率が向上し、反応効率がよく工業的に採用できるた
め好ましい。
応温度は−30℃〜+50℃が好ましく、反応時間は
0.5〜10時間であるのが好ましい。得られた反応の
粗生成物は水等を用いた洗浄等の方法により精製しても
よい。
溶媒は、前記TGが可溶な溶剤であれば特に限定されな
い。たとえば、ハロゲン化脂肪族溶媒、ハロゲン化芳香
族溶媒などの溶媒を用いるのが好ましい。
しく挙げられる。塩化メチレン、クロロホルム、2−ク
ロロ−1,2−ジブロモ−1,1,2−トリフルオロエ
タン、1,2−ジブロモヘキサフルオロプロパン、1,
2−ジブロモテトラフルオロエタン、1,1−ジフルオ
ロテトラクロロエタン、1,2−ジフルオロテトラクロ
ロエタン、フルオロトリクロロメタン、ヘプタフルオロ
−2,3,3−トリクロロブタン、1,1,1,3−テ
トラクロロテトラフルオロプロパン、1,1,1−トリ
クロロペンタフルオロプロパン、1,1,2−トリクロ
ロトリフルオロエタン、1,1,1,2,2−ペンタフ
ルオロ−3、3−ジクロロプロパン、1,1,2,2,
3−ペンタフルオロ−1,3−ジクロロプロパン、トリ
デカフルオロヘキサン、1,1,1,2,2,3,4,
5,5,5−デカフルオロペンタン、ノナフルオロブチ
ルメチルエーテル、ノナフルオロブチルエチルエーテ
ル、ヘプタフルオロシクロペンタン、ベンゾトリフルオ
リド、ヘキサフルオロキシレン、ペンタフルオロベンゼ
ン等。
ンタフルオロ−3、3−ジクロロプロパン、1,1,
2,2,3−ペンタフルオロ−1,3−ジクロロプロパ
ン、トリデカフルオロヘキサン、1,1,1,2,2,
3,4,5,5,5−デカフルオロペンタン、ノナフル
オロブチルメチルエーテル、ノナフルオロブチルエチル
エーテル、ヘプタフルオロシクロペンタン、ベンゾトリ
フルオリド等の溶媒、またはこれら溶媒が任意の割合で
混合された混合溶媒が好ましく用いられる。
ルフルオロシクロオキサアルキル基を有するために、1
0時間選定半減期温度が、通常の含フッ素有機過酸化物
に比べて高く、通常の直鎖状ペルフルオロアルキル基ま
たは直鎖状ペルフルオロオキサアルキル基を有する有機
過酸化物と同等であり、一般のエチレン性重合基のラジ
カル重合開始剤として有用である。エチレン性重合基を
有するモノマとしては特に限定されないが、後に例示さ
れるモノマが好ましく挙げられる。
つは誘導体[II]であり、誘導体[II]は、有機過
酸化物[I]をラジカル重合開始剤として、エチレン性
重合基を有するモノマを重合して得られる。エチレン性
重合基を有するモノマとしては、前記化合物[V]、前
記化合物[VI]が好ましく挙げられる。
の両末端にペルフルオロジオキソラン骨格があるものを
示したが、本発明において、有機過酸化物[I]の誘導
体としては、ラジカル反応で生じる重合体の片末端のみ
にペルフルオロジオキソラン骨格が導入された誘導体を
任意の割合で含んでいてもよい。また、ラジカルの連鎖
移動による溶媒などに由来する基、またはラジカル停止
反応による不均化反応に由来する基が片末端に導入され
た誘導体も任意に含んでいてもよい。
は、以下の化合物が好ましく挙げられる。塩化ビニル、
塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、ア
クリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪
酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アク
リル酸プロピル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)
アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エ
チルヘキシル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート,2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラ
ン、ジアセチルオキシメチルビニルシラン、ジエトキシ
メチルビニルシラン、トリアセチルオキシビニルシラ
ン、トリイソプロポキシビニルシラン、トリメチルビニ
ルシラン、トリ−t−ブトキシビニルシラン、エトキシ
ジエチルビニルシラン、ジエチルメチルビニルシラン、
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−
メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタ
クリロキシプロピルジアセチルオキシメチルシラン、3
−メタクリロキシプロピルジエトキシメチルシラン、3
−メタクリロキシプロピルトリアセチルオキシシラン、
3−メタクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラ
ン、3−メタクリロキシプロピルトリメチルシラン、3
−メタクリロキシプロピルトリ−t−ブトキシシラン、
3−メタクリロキシプロピルエトキシジエチルシラン、
3−メタクリロキシプロピルジエチルメチルシラン、3
−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アク
リロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキ
シプロピルジアセチルオキシメチルシラン、3−アクリ
ロキシプロピルジエトキシメチルシラン、3−アクリロ
キシプロピルトリアセチルオキシシラン、3−アクリロ
キシプロピルトリイソプロポキシシラン、3−アクリロ
キシプロピルトリメチルシラン、3−アクリロキシプロ
ピルトリ−t−ブトキシシラン、3−アクリロキシプロ
ピルエトキシジエチルシラン、3−アクリロキシプロピ
ルジエチルメチルシラン、アクリロイルモルホリン、N
−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアク
リルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸、N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチ
ル)アクリルアミド等。
1,000,000であり、フッ素原子の特性をより顕
著に発現させるためには、700〜50,000が好ま
しい。数平均分子量が前記範囲であると製造がしやすい
ため好ましい。
物[I]と特定の原料モノマとを反応させる方法が好ま
しい。有機過酸化物[I]と、原料モノマ(化合物
[V]、化合物[VI])との反応における、化合物
[V]と化合物[VI]との混合モル比は任意の割合で
よいが、化合物[V]/化合物[VI]の割合は1/
0.01〜100が好ましい。有機過酸化物[I]/化
合物[V]と化合物化合物[VI]との合量の仕込モル
比は、1/0.1〜5000が好ましく、特に1/0.
5〜1000が好ましい。
と、有機過酸化物[I]の自己分解に起因する生成物が
生成せず、目的とする誘導体[II]の収率が向上する
ため好ましい。また有機過酸化物[I]の仕込モル比を
調節することにより、得られる誘導体の分子量を調節で
きる。すなわち、有機過酸化物[I]の仕込モル比を原
料モノマに対して多くすれば、分子量の低い誘導体が得
られ、少なくすれば分子量の高い誘導体が得られる。
は−20℃〜150℃が好ましく、特に0〜100℃が
好ましい。反応温度が前記範囲であると、反応時間が長
くならず、反応時の圧力が高くならず、反応操作が容易
であるので好ましい。反応時間は30分間〜20時間の
範囲が好ましく、実用的には1〜10時間になるように
条件を設定することが好ましい。
[I]と原料モノマとを種々の反応条件において反応さ
せることにより、誘導体[II]を直接1段階反応によ
り得ることができるが、反応をより円滑に行うためには
溶媒を用いることが好ましい。
ハロゲン化芳香族溶媒が好ましい。具体的には、塩化メ
チレン、クロロホルム、2−クロロ−1,2−ジブロモ
−1,1,2−トリフルオロエタン、1,2−ジブロモ
ヘキサフルオロプロパン、1,2−ジブロモテトラフル
オロエタン、1,1−ジフルオロテトラクロロエタン、
1,2−ジフルオロテトラクロロエタン、フルオロトリ
クロロメタン、ヘプタフルオロ−2,3,3−トリクロ
ロブタン、1,1,1,3−テトラクロロテトラフルオ
ロプロパン、1,1,1−トリクロロペンタフルオロプ
ロパン、1,1,2−トリクロロトリフルオロエタン、
1,1,1,2,2−ペンタフルオロ−3,3−ジクロ
ロプロパン、1,1,2,2,3−ペンタフルオロ−
1,3−ジクロロプロパン、トリデカフルオロヘキサ
ン、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフ
ルオロペンタン、ノナフルオロブチルメチルエーテル、
ノナフルオロブチルエチルエーテル、ヘプタフルオロシ
クロペンタン、ベンゾトリフルオリド、ヘキサフルオロ
キシレン、ペンタフルオロベンゼン等を用いることがで
きる。
ンタフルオロ−3、3−ジクロロプロパン、1,1,
2,2,3−ペンタフルオロ−1,3−ジクロロプロパ
ン、トリデカフルオロヘキサン、1,1,1,2,2,
3,4,5,5,5−デカフルオロペンタン、ノナフル
オロブチルメチルエーテル、ノナフルオロブチルエチル
エーテル、ヘプタフルオロシクロペンタン、ベンゾトリ
フルオリド等の溶媒、またはこれらの溶媒が任意の割合
で混合された混合溶媒を好ましく挙げることができる。
物[I]の濃度は0.1〜30質量%が好ましい。本発
明の製造方法を用いて得られる誘導体[II]は、再沈
澱法、カラムクロマトグラフィー、透析等の公知の方法
で精製できる。
[III]である。また、3つめは前記重合単位[I
V]を含有する誘導体である。重合単位[IV]を含有
する誘導体において、ポリスチレンの単位は分子量20
0〜2000000であるのが好ましい。
を含有する誘導体の製造方法は、有機過酸化物[I]と
特定の芳香族化合物とを反応させる方法がある。
合物[VII]または重合単位[VIII]を含有する
芳香族化合物、の仕込モル比は任意の割合でよく、1/
0.01〜100が好ましく、特に1/0.5〜50が
好ましい。なお、重合単位[VIII]の場合は重合単
位に対するモル比を示す。原料の芳香族化合物の仕込モ
ル比が前記範囲にあると、有機過酸化物[I]の自己分
解に起因する生成物が生成せず、未反応物が残存しない
ため好ましい。
て、重合単位[IV]は1〜10000個含まれるのが
好ましく、重合単位[VIII]は10000個以下含
まれるのが好ましい。
は−50℃〜120℃が好ましく、特に−20℃〜80
℃が好ましい。反応温度が前記範囲であると、反応時間
が長くならず、反応時の圧力が高くならず、反応操作が
容易であるので好ましい。反応時間は30分間〜20時
間の範囲で行うのが好ましく、実用的には1〜10時間
になるように条件を設定することが好ましい。
物[I]と特定の芳香族化合物とを種々の反応条件で反
応させることにより、目的の誘導体を直接1段階反応に
より得ることができるが、反応をより円滑に行うために
は溶媒を用いることが好ましい。該溶媒としては、前記
のハロゲン化脂肪族溶媒、ハロゲン化芳香族溶媒が特に
好ましく挙げられる。
化物[I]の濃度が0.1〜30質量%であることが好
ましい。本発明の製造方法により得られる誘導体[II
I]または重合単位[IV]を有する誘導体は、蒸留、
再結晶、カラムクロマトグラフィー、再沈殿法、透析等
の公知の方法で精製できる。
る。 [例1]前記TGの28mmolを含むAK−225溶
液の387gを、水酸化ナトリウムの62mmolおよ
び30%過酸化水素水の62mmolを含む水溶液68
gに−5℃にて加え、撹拌しながら30分間反応させ
た。反応後、粗生成物を分液ロートにより分離し、有機
層を水にて2回洗浄して生成物を得た。
たところ、前記有機過酸化物[I]が248.1g(収
率12%)得られたことがわかった。また、得られた生
成物のAK−225中における熱分解速度をヨードメト
リー法により測定(以下、同様とする。)したところ、
以下の表1に示す結果が得られた。表1より、10時間
選定半減期温度が13.7℃であることがわかった。
mmolを含むAK−225溶液の244g中に、アク
リル酸の1.28g(18mmol)を加え、窒素気流
下、45℃にて5時間反応させた。反応後、粗生成物を
ヘキサンにて充分に洗浄して精製し、以下の生成物を
1.26g得た。得られた生成物は、水または汎用の極
性有機溶媒に可溶であった。 IR(ν/cm−1):3445(OH),1720
(C=O),1315(CF3),1246(C
F2).
有機過酸化物である。該有機過酸化物は、種々のエチレ
ン性重合基を有するモノマの重合開始剤として、特には
フッ素系モノマの重合開始剤として有用である。
化合物である。該誘導体は、ペルフルオロジオキソラン
骨格がエステル結合ではなく、直接炭素−炭素結合によ
り結合されているため、フッ素原子に起因した性質を長
期間維持でき、耐候性に優れる化合物である。
剤として有用であり、また低表面張力、低屈折性、耐熱
性、耐寒性、耐油性、電気絶縁性、防曇性、防汚性、耐
薬品性等に優れた化合物として有用である。さらに、表
面処理剤、塗料、光学レンズ、プラスッチクファイバ
ー、眼鏡用レンズ、ガラス器具等の表面に前記の優れた
性能を付与できる材料として有用であり、化粧品等の原
料としても利用できる。また、酸素親和性も良好なこと
から、分離膜等の用途にも応用できる。
過酸化物またはその誘導体を、短時間で収率よくかつ容
易に、しかも反応触媒、特殊な装置を使用せずに、1段
階反応により製造できる。
Claims (9)
- 【請求項1】下式[I]で表される有機過酸化物。 【化1】
- 【請求項2】下式[I−2]で表される化合物と過酸化
水素とを、塩基の存在下で反応させることを特徴とす
る、前記式[I]で表される有機過酸化物の製造方法。 【化2】 ただし、式[I−2]において、Xはハロゲン原子であ
る。 - 【請求項3】下式[II]で表され、かつ、数平均分子
量が500〜1,000,000である前記有機過酸化
物の誘導体。 【化3】 ただし、式[II]において、R1、R8はそれぞれ独
立に水素原子またはメチル基であり、R2、R3はそれ
ぞれ独立にハロゲン原子、シアノ基、−Si
(R4)3、−CO2R5または−CONR6R7(R
4は炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のア
ルコキシ基であり、R5、R6、R7はそれぞれ独立に
水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜6
のヒドロキシアルキル基または−CH2CH2CH2S
i(R4)3である。)であり、m1は1〜5000の
整数であり、m2は0〜5000の整数である。 - 【請求項4】下式[III]で表される前記有機過酸化
物の誘導体。 【化4】 ただし、式[III]において、Arはベンゼン、チオ
フェン、フラン、トルエン、キシレンまたはナフタレン
の残基である。 - 【請求項5】下式[IV]で表される単位を少なくとも
1個含有する前記有機過酸化物の誘導体。 【化5】 - 【請求項6】前記式[I]で表される有機過酸化物を必
須成分とするエチレン性重合基のラジカル重合開始剤。 - 【請求項7】前記式[I]で表される有機過酸化物と下
式[V]で表される化合物とを、必要により下式[V
I]で表される化合物の添加のもとに、反応させること
を特徴とする、前記式[II]で表される誘導体の製造
方法。 CH2=CR1R2・・・[V] CH2=CR8R3・・・[VI] ただし、式[V]、式[VI]において、R1、R8は
それぞれ独立に水素原子またはメチル基であり、R2、
R3はそれぞれ独立にハロゲン原子、シアノ基、−Si
(R4)3、−CO2R5または−CONR6R7(R
4は炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のア
ルコキシ基であり、R5、R6、R7はそれぞれ独立に
水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜6
のヒドロキシアルキル基または−CH2CH2CH2S
i(R4)3である。)である。 - 【請求項8】前記式[I]で表される有機過酸化物と下
式[VII]で表される芳香族化合物とを反応させるこ
とを特徴とする、前記式[III]で表される誘導体の
製造方法。 Ar−H・・・[VII] ただし、式[VII]において、Arはベンゼン、チオ
フェン、フラン、トルエン、キシレンまたはナフタレン
の残基である。 - 【請求項9】前記式[I]で表される有機過酸化物と下
式[VIII]で表される単位を含有する芳香族化合物
とを反応させることを特徴とする、前記式[IV]で表
される単位を少なくとも1個含有する誘導体の製造方
法。 −[CH2CH(Ph−H)]−・・・[VIII] ただし、式[VIII]において、Phはフェニレン基
である。
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JP2001364194A JP2003160579A (ja) | 2001-11-29 | 2001-11-29 | 有機過酸化物、その誘導体、ラジカル重合開始剤およびそれらの製造方法 |
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- 2001-11-29 JP JP2001364194A patent/JP2003160579A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015520283A (ja) * | 2012-06-20 | 2015-07-16 | ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ イタリー エス.ピー.エー. | テトラフルオロエチレンコポリマー |
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