JPH1149050A - 金属製クローラ用弾性パッド及び金属製クローラ - Google Patents

金属製クローラ用弾性パッド及び金属製クローラ

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Publication number
JPH1149050A
JPH1149050A JP21364097A JP21364097A JPH1149050A JP H1149050 A JPH1149050 A JP H1149050A JP 21364097 A JP21364097 A JP 21364097A JP 21364097 A JP21364097 A JP 21364097A JP H1149050 A JPH1149050 A JP H1149050A
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JP
Japan
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bolt
elastic pad
crawler
nut
core material
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Application number
JP21364097A
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English (en)
Inventor
Yoshiro Ueno
吉郎 上野
Satoshi Kondo
智 近藤
Tomohisa Yoshida
知久 吉田
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Ohtsu Tire and Rubber Co Ltd
Original Assignee
Ohtsu Tire and Rubber Co Ltd
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Publication date
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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属製クローラの履板外面に取り付ける弾性
パッドにおいて、履板との結合は、パッド本体を厚さ方
向に貫通させるボルトと、履板の内側へ設けるナットと
の螺合によって行っているが、そのためパッド本体の踏
面にはボルト挿通孔が形成され、この孔が小石や泥詰ま
りによる各種問題の原因となっていた。 【解決手段】 芯材6の幅方向一端部にフック部9を設
け、他端部に、履板3の外面に当接するボルト保持部8
を設ける。このボルト保持部8に、履板3に係合する抱
き込み部材18を当接させ、これらをボルト15とナッ
ト16とで螺合結合させる。ナット16は、芯材6に設
けた側壁状の当て止め片23に当接して回止めされる。
従って、パッド本体5の踏面にボルト挿通孔は形成され
ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属製クローラ用
の弾性パッドと、この弾性パッドを装着した金属製クロ
ーラとに関するものである。
【0002】
【従来の技術】農業・土木・建設等の各種作業に用いら
れる無限軌道車のうち、金属製クローラを装備するもの
にあっては、舗装路面等を走行するに際して、クローラ
を構成する全ての金属製履板にゴム製等の弾性パッドを
装着することが好適とされ、また要請されている。
【0003】従来、弾性パッドを履板へ装着するための
構造として、最もよく知られたものは、図36に示すよ
うに弾性パッド100自体を厚さ方向へ貫通させるボル
ト101と、このボルト101に対して履板102の突
き抜け側で螺合するナット103とで行うようになって
いる(実開平6−74594号公報等参照)。また、図
38に示すように弾性パッド100の芯材105にボル
ト106を突出状態に溶接しておき、このボルト106
を履板102へ貫通状に突き刺してナット103を螺合
させるもの(特開平9−30461号公報等参照)や、
図37及び図39に示すように芯材105にナット10
7,108を溶接して埋設状にしておき、このナット1
07,108へ、履板102を貫通状に突き刺したボル
ト101を螺合させるものもあった。
【0004】この他、図示は省略するが、弾性パッド1
00の幅方向一端部を履板102の一端部へフック止め
しつつ他端部寄りだけを上記のようなボルト・ナット締
めによって行うもの(特開平8−244659号公報、
特開平9−95267号公報等参照)、弾性パッド10
0の幅方向一端部を履板102の一端部へフック止めし
つつ履板102の他端部へ別体のフック金具を係止さ
せ、このフック金具を、横向きのボルトによって弾性パ
ッド100の芯材105に一体的に設けた雌ネジ部へ結
合させることによって行うもの(実開平5−80984
号公報等参照)等がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】弾性パッド100にお
いて、それ自体の厚さ方向へボルト101を貫通させる
必要のあるものでは、いずれもその踏面110にボルト
挿通用の孔(図36の符号112参照)が開口している
ことになるが、この孔112に泥や小石等が詰まって走
行性能上の様々な障害が生じたり、孔112を始端とす
る亀裂や欠けが発生したり、ボルト101が変形等して
その後の着脱が不能になったりする等、種々の問題があ
った。
【0006】また、芯材105にボルト106やナット
107,108を溶接した弾性パッド100では、溶接
されたボルト106やナット107,108のネジ山が
潰れたり、ボルト106が1本でも折れたりした場合に
は、弾性パッド100全体が使用不能になり、廃棄しな
ければならないということがあった。従って、極めて不
経済であった。
【0007】一方、一端部をフック止めとし、他端部を
横向きボルトによるフック金具の結合によって履板10
2へ取り付けるようにした弾性パッド100でも、芯材
105に雌ネジ部が一体的に設けられているため、この
雌ネジ部のネジ山が潰れた場合に、やはり弾性パッド1
00そのものを廃棄しなければならないということがあ
った。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であって、弾性パッドの踏面にボルト挿通用の孔を設け
ない新規な構造を開発することによって走行性能上の各
種問題や破損等の問題を解消すると共に、ボルトやナッ
ト又は雌ネジ部等の破損によって弾性パッドの廃棄時期
が支配されることがないようにした金属製クローラ用弾
性パッド及び金属製クローラを提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、次の技術的手段を講じた。即ち、本発
明に係る弾性パッドでは、パッド本体の裏面側に設けら
れる芯材の少なくとも幅方向一端側に対し、この幅方向
に沿って貫通するボルト挿通孔を有したボルト保持部が
設けられている。そして、履板を芯材側へ引き寄せて固
定可能にするための抱き込み部材を、このボルト保持部
へ当接させ、これらボルト保持部と抱き込み部材とを、
ボルト保持部のボルト挿通孔へ挿通するボルトとこのボ
ルトに螺合するナットとにより結合するものである。
【0010】このとき、芯材と履板との間へ挿入される
ようになるボルト又はナット、即ち、芯材の幅方向にお
いてボルト保持部よりも内側へ配される方(いま、例え
ばナットとする)は、回止め状態に保持されている。こ
のような構成であるので、ボルト保持部よりも外側(芯
材の幅方向外側)へ突出しているボルトを一方的に回転
させるだけで、ボルトとナットとの螺合結合が可能にな
る。従って、弾性パッドのボルト保持部に対する抱き込
み部材の結合、即ち、弾性パッドの履板への装着が可能
になる。
【0011】このように弾性パッドの厚さ方向へ貫通さ
せるボルトは不要であり、弾性パッドの踏面にボルト挿
通用の孔を設ける必要はない。また、芯材に対してボル
トやナットを溶接するものでもないので、ボルトやナッ
トの破損に対してはその交換だけで対処できることにな
る。なお、上記ボルトとナットとは、使用向き(配置)
を逆にしてもよい。
【0012】ボルト又はナットを回止めする構造として
は、ボルト保持部に対するボルト挿通孔の位置付けを芯
材寄り又は履板寄りにして、ボルト又はナットの外周面
を芯材又は履板へ当接させることで行うものや、芯材か
ら履板へ向けて当て止め片を突出させて、この当て止め
片をボルト又はナットの外周面に当接させることで行う
もの等が考えられる。
【0013】芯材において、回止め状態とされたボルト
又はナットをパッド本体の厚さ方向で可及的に吸収可能
にする収容部を設けておくと、弾性パッドとしての厚さ
寸法を抑えられるため、材料使用量の抑制や軽量化等が
図れる。抱き込み部材において、芯材の幅方向に沿って
当該抱き込み部材の外面へ突出するボルト又はナットに
対し、そのまわりで同方向へ突出するようにガード部を
設けておくと、走行中にボルトやナット等が側方の障害
物と直接にぶつかって破損等するといったことが、極
力、防止される。従って、弾性パッドの着脱が不能にな
るということを防止できる。
【0014】パッド本体において、抱き込み部材が結合
される側の端部にサイドカバーを当接させておけば、パ
ッド本体におけるサイドからのカットを防止できる利点
がある。このサイドカバーは、抱き込み部材又は芯材か
ら突出させてもよいし、別個独立して設けてもよい。履
板において、クローラ周方向の複数箇所で幅方向に長い
凸条が設けられたものであるときに、前記芯材に対し
て、履板の各凸条間に係止可能な位置合わせ部材を設け
ておけば、弾性パッドの装着作業が容易になるばかりで
なく、走行中における弾性パッドのガタツキ等を完全に
防止でき、好適である。この位置合わせ部材は、ボルト
保持部によって兼用させることができる。
【0015】芯材において、ボルト保持部が設けられた
側とは反対側の端部に、履板の同側の端部に係合可能な
フック部を設けておけば、このフックを予め履板の一方
側端部へ係合させてから、突出片へ抱き込み部材を取り
付けるという手順で、履板に対する弾性パッドの装着が
行えるものであり、なお一層、作業の容易化が図れる。
【0016】一方、本発明に係る金属製クローラでは、
上記構成の弾性パッドを、そのボルト保持部側が履板の
幅方向外方へ向くように装着させたものであり、ボルト
保持部に対する抱き込み部材の着脱が簡単且つ迅速に行
えるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図1乃至図4は、本発明に係る弾
性パッド1の第1実施形態を示しており、この弾性パッ
ド1は、エンドレスのクローラ2を構成する多数の金属
製履板3の各外面(図1の上側)に対して、それらの幅
方向へ沿って設けられるもので、パッド本体5と、この
パッド本体5の裏面部に設けられた芯材6とを有してい
る。
【0018】パッド本体5は、ゴムやウレタン等の弾性
材によって形成されており、芯材6は、鉄等の金属材
(引抜、鋳造、鍛造等された一体品又は複数部材の溶接
組立品)によって形成されている。そして、これら両者
は焼き付け、インサート、接着等により互いに一体化さ
れている。この弾性パッド1において、芯材6の幅方向
一端側には、履板3側へ向けて突出するボルト保持部8
が設けられ、他端側には、履板3の同側の端部と係合可
能なフック部9が設けられている。
【0019】図示した履板3は、その外面においてクロ
ーラ周方向の前後3か所で幅方向に長い凸条10〜12
が設けられているものを示してあるが、上記ボルト保持
部8は、各凸条10〜12の相互間にできる溝に丁度、
嵌まり込むように、芯材6の幅方向一端部を折曲するか
又は別部材を溶接等して設けられたものである。ボルト
保持部8には、芯材6の幅方向に沿って貫通するボルト
挿通孔14が設けられており、このボルト挿通孔14へ
挿通するボルト15と、このボルト15に螺合するナッ
ト16とによって、ボルト保持部8に対して抱き込み部
材18を結合可能になっている。
【0020】抱き込み部材18は、金属製板材をL字状
に折曲したり、L字状断面を有する引抜条材を所定寸法
に切り出したりする等して形成したもので、履板3の幅
方向一端部と係合してこれを芯材6側へ引き寄せて固定
可能になっている。すなわち、この抱き込み部材18を
ボルト保持部8へ結合することで、履板3に対する弾性
パッド1の取り付けが可能になっており、弾性パッド1
の踏面には、ボルト挿通用の孔を設ける必要がなくな
る。
【0021】このとき、図4に示すように抱き込み部材
18を履板3へ係合させた状態で、ボルト保持部8のボ
ルト挿通孔14よりも抱き込み部材18に設けるボルト
挿通孔19が若干、履板3の内側(図面下側)へ位置ズ
レするようにし、また、履板3に対してボルト保持部8
が若干、浮き上がるようにしておくと、ボルト15とナ
ット16との螺合によって履板3に対する弾性パッド1
の取り付けを必然的に、確実且つ強固なものにできると
いう利点がある。
【0022】この抱き込み部材18は、パッド本体5の
端部に当接可能になる長さを有して形成されており、こ
の当接部分では、パッド本体5に対してサイドカット等
を防止可能なサイドカバー20を構成するものとなって
いる。一方、芯材6には、各ボルト保持部8にそれぞれ
当て止め片23が設けられている。この当て止め片23
は、芯材6と履板3との間へ挿入されることになるナッ
ト16に対して、その外周面のうち、縦方向に向けられ
る一面と面接触可能になっており、これによってナット
16の回止め作用を奏する。
【0023】各当て止め片23には、芯材6の幅方向内
方寄りに突き当て片24が一体的に設けられており、こ
れら当て止め片23と突き当て片24とで平面L字状を
呈するようになっている。これにより、当て止め片23
が補強されている。また、芯材6、ボルト保持部8、当
て止め片23及び突き当て片24で囲まれたナット挿入
空間は、弾性パッド1としての下方及びクローラ周方向
の前方又は後方へ向けて開放しており、ナット16の挿
入に関して何ら問題はないものであって、しかも、この
ナット挿入空間へ挿入されたナット16の動きがある程
度制限されて、ボルト15との螺合が容易となってい
る。
【0024】このような構成の弾性パッド1をクローラ
2の各履板3に対して取り付ける手順は、クローラ2の
幅方向外側から弾性パッド1をそのフック部9が奥方へ
向くように差し入れ、このフック部9を履板3における
奥側(幅方向内方)の端部へ引っ掛ける。そして、ボル
ト保持部8及び当て止め片23等によって囲まれるナッ
ト挿入空間へナット16を挿入した状態で、弾性パッド
1を履板3の外面へ重ね合わせる。
【0025】そして、この時点で手前側にきている弾性
パッド1のボルト保持部8に対し、その正面へ、履板3
における幅方向外側の端部へ係合させた抱き込み部材1
8を当接させ、この抱き込み部材18のボルト挿通孔1
9からボルト保持部8のボルト挿通孔14を介して、ボ
ルト15を差し込み、ナット16と螺合結合させる。こ
のときナット16は当て止め片23との面接触により回
止めされるため、作業者は、クローラ2の幅方向外側に
居てボルト15をネジ回すだけでよい。
【0026】このようにして履板3に対する弾性パッド
1の取り付けは完了する。なお、履板3に対する弾性パ
ッド1の取り付け前に、ボルト保持部8に対して抱き込
み部材18を予めボルト15とナット16とでガタガタ
の状態に保持させておくこともできる。この場合は、履
板3へ弾性パッド1を重ね合わせる時点(フック部9を
履板3における奥側の端部へ係合させる時点)で、抱き
込み部材18を可及的に弾性パッド1の幅方向外側へ引
き出しておけばよいものであり、そのためにボルト15
には可及的に長いもの(一杯に締め込んだときに当て止
め片23に突き当たらない範囲で最も長いもの)を用い
るのがよい。
【0027】ところで、ボルト保持部8は、上記したよ
うに履板3における凸条10〜12の相互間にできる溝
に丁度、嵌まり込む形状をしている。そのため、このボ
ルト保持部8は、弾性パッド1が履板3に対してクロー
ラ周方向へガタツクのを防止する位置合わせ部材の作用
を奏することになる。また、上記形状をしたボルト保持
部8は、走行中、履板3と弾性パッド1との間へ泥土等
が侵入するのを防止する堰板の作用をも奏することにな
る。ただ、履板3自体に厚さ方向を貫通する孔(図示
略)が設けられている場合に、この孔を介して侵入した
泥土等を排出できるようにするため、ボルト保持部8に
は、孔状又は切欠状の排土用通路25(図3参照)を設
けるのが好適である。
【0028】ボルト保持部8とは別に、芯材6に対して
上記形状(凸条10〜12間に嵌まる形状)をした別部
材を設けたり、又は突き当て片24をこれに代用したり
することで、これらの別部材や突き当て片24を位置合
わせ部材や堰板として作用させることもできる。図5
は、本発明に係る弾性パッド1の第2実施形態を示して
いる。この第2実施形態が上記第1実施形態と異なると
ころは、ボルト15とナット16とを逆配置にしている
点と、芯材6に設けるフック部9を、別部材27の溶接
によって形成してある点とにある。
【0029】フック部9として別部材27を用いている
ため、抱き込み部材18にパッド本体5に対するサイド
カバー20を設けるようにしたのと同様に、この別部材
27によってもサイドカバー20を設けることができる
ようになっている。この第2実施形態におけるその他の
構成や作用効果は、第1実施形態と略同じであるので、
ここでの詳説は省略する。また、以下に説明する各実施
形態についても、第1実施形態と略同じ点に関する詳説
は省略する。
【0030】図6は、本発明に係る弾性パッド1の第3
実施形態を示している。この第3実施形態は、ボルト保
持部8に対して履板3の外面に沿って折曲するようにし
た部分を設け、この部分によって当て止め片23を形成
させている。すなわち、ボルト保持部8と当て止め片2
3とを一体形成したものである。この当て止め片23
は、ナット16の外周面のうち、横方向に向けられる一
面と面接触可能になっている。
【0031】また、この第3実施形態では、芯材6にお
いてフック部9に近い部分にクランク折れ状にした折曲
部28を設けると共に、芯材6の幅方向長さを履板3よ
りも若干短くしてある。そのため、ボルト保持部8に対
し、履板3の端部へ係合させた抱き込み部材18を当接
させたときには、これらボルト保持部8と抱き込み部材
18との間に隙間Sが生じるようになる。
【0032】この隙間Sは、ボルト15とナット16と
を強く締め込むことにより、芯材6における折曲部28
の弾性変形、或いは抱き込み部材18における弾性範囲
内の撓み等を伴って消失されるようになる。このように
することで、ボルト保持部8と抱き込み部材18との結
合強度及び履板3に対するフック部9の係合強度を強く
し、またサイドカバー20とパッド本体5との接触圧を
強くすることができるようになる。
【0033】図7は、本発明に係る弾性パッド1の第4
実施形態を示している。この第4実施形態でも、ナット
16の横方向に向く外周面に面接触可能な当て止め片2
3を、ボルト保持部8と共に一体形成し、且つ、芯材6
の幅方向長さを履板3よりも若干短くしてある。これに
対し、抱き込み部材18には、芯材6が履板3より短く
された寸法と同じだけ、ボルト保持部8側へ突出する押
圧部30が、ボルト15の貫通する部分を除いて設けら
れている。従って、ボルト15とナット16とを強く締
め込むと、この抱き込み部材18には、ボルト15の貫
通する部分に微小ではあるが撓みが生じるようになる。
【0034】そのため、ボルト保持部8と抱き込み部材
18との結合強度及び履板3に対するフック部9の係合
強度が強くなる利点が得られるものである。なお、この
第4実施形態に示すパッド本体5は、幅方向の両端部分
に踏面5aよりも一段低くした凹み部32を形成してあ
り、この凹み部32は、平坦地等での走行時には非接地
面となる。そのため、パッド本体5に対する応力集中が
生じ難く、長寿命化が図れる利点がある。
【0035】図8は、本発明に係る弾性パッド1の第5
実施形態を示している。この第5実施形態では、ボルト
保持部8が履板3に対してその幅方向端部より外側へ出
た状態で係止している。また、芯材6と履板3との間へ
挿入されることになるナット16は、芯材6と履板3と
に対して外周面が挟まれて、回止めされる構造になって
いる。
【0036】このような構成にする場合、ボルト保持部
8は、履板3の外面構造(凸条10〜12の有無や形
状)に何ら影響されることなく、芯材6の横寸法(図3
の左右方向寸法)と同一寸法の板状物として形成できる
ことになる。即ち、図3に示したように横に2分割する
必要はない。従って、弾性パッド1として汎用性を高め
ることができる。
【0037】ただ、この第5実施形態でも、履板3に凸
条10〜12(図3参照)が設けられた場合に対応させ
る必要が生じ、これに対するクローラ周方向のガタツキ
防止作用や泥土侵入防止作用等を欲するのであれば、位
置合わせ部材又は堰板としての別部材33(図3で示し
たボルト保持部8と同じ形状をしたものとする)を設け
ればよい。
【0038】図9は、本発明に係る弾性パッド1の第6
実施形態を示している。この第6実施形態でも、ボルト
保持部8が履板3の幅方向端部より外側へ出た状態で係
止している。また、当たり止め片23は、第1実施形態
(図1乃至図4参照)のそれと同じようにナット16の
縦方向に向く外周面に面接触可能になっており、また突
き当て片24を具備したものであるが、更に底板34を
も有した形状となっている。従って、芯材6、ボルト保
持部8、当たり止め片23、突き当て片24、底板34
で囲まれることとなるナット挿入空間は、クローラ周方
向の前方又は後方のみに開放した箱状のものとなる。
【0039】図10及び図11は、本発明に係る弾性パ
ッド1の第7実施形態を示している。この第7実施形態
では、ボルト保持部8が芯材6の幅方向一端部から少し
内側へ入った位置付けとされている。このボルト保持部
材8は、ナット16の横方向に向く外周面に面接触可能
な当たり止め片23と、更に突き当て片24とを伴った
一体の部品として形成されたうえで、芯材6へ取り付け
られたものとしてある。
【0040】図12は、本発明に係る弾性パッド1の第
8実施形態を示している。この第8実施形態では、芯材
6と履板3との間にボルト15が挿入されるものとされ
ており、このボルト15は、芯材6と履板3とでボルト
頭部の外周面が挟まれて、回止めされる構造になってい
る。そして、芯材6において、ボルト頭部に当接する部
位は他の部位よりも幾分薄くなっており、これによって
収容部36が形成されている。従って、ボルト15のボ
ルト頭部は、パッド本体5の厚さ方向で可及的に吸収さ
れることになる。このような態様は、履板3として凸条
(図3の符号10〜12参照)の低いものに適したもの
である。
【0041】また、この第8実施形態では、芯材6の幅
方向に沿って抱き込み部材18の外方へナット16が突
出するようになるが、このナット16のまわりには、こ
れと同一方向へ突出するガード部37が設けられてい
る。従って、弾性パッド1の全体として見たとき、ナッ
ト16はもとより、ナット16を突き出たボルト15の
雄ねじ端部が側方へ露出する度合は、ガード部37の突
出量分に相当して可及的に小さくなっており、それだけ
破損の危険性が減少することになる。
【0042】図13及び図14は、本発明に係る弾性パ
ッド1の第9実施形態を示している。この第9実施形態
では、芯材6に対して設けられた収納部36が、上記第
8実施形態に比べて幅方向内方へ位置付けられており、
且つ、ボルト保持部8に対し、ボルト15におけるボル
ト頭部の横方向に向く外周面に面接触可能な当たり止め
片23が一体形成されたものとしてある。
【0043】また、抱き込み部材18に設けられたガー
ド部37が、ナット16の厚さに略等しくなるように大
きくされている。なお、ナット16まわりには、ボック
スレンチ(図示略)の挿入スペース分は確保されてい
る。図15は、本発明に係る弾性パッド1の第10実施
形態を示している。この第10実施形態では、芯材6が
ボルト保持部8の設けられる側の端部で履板3の外面に
当接すべくクランク折れ状に形成されており、この端部
に対してボルト保持部8が立ち上がり方向に設けられて
いる。
【0044】従って、芯材6において、ボルト保持部8
の根元側であってクランク折れされた部分の上面6a
が、ナット16に対する回止め部になっている。ところ
で、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではな
い。例えば、第2実施形態(図5参照)、第8実施形態
(図12参照)、第9実施形態(図13参照)のよう
に、ボルト保持部8に対する幅方向内側にボルト15を
配し、抱き込み部材18の外側へナット16を露出させ
る場合には、ボルト15の突端部を錆や破損から保護す
るために、ナット16として袋ナットを用いるのが好適
である。
【0045】履板3として凸条(図3の符号10〜12
参照)が低いものに用いる等の理由から、第8実施形態
(図12参照)や第9実施形態(図13参照)のよう
に、収納部36を設ける必要がある場合、この収納部3
6に代えて、ボルト頭部の径小なボルト15(又はナッ
ト16)を用いるようにしてもよい。ボルト15やナッ
ト16には、四角形状のものや外周の一部を面取りした
円柱状のものを用いることも可能である。また、一つの
弾性パッド1あたりのボルト15及びナット16の使用
数は、2組とすることが限定されるものではなく、1組
だけ又は3組以上とすることも可能である。
【0046】芯材6の幅方向両側にボルト保持部8を設
け、抱き込み部材18を結合可能にすることも可能であ
る。当て止め片23等において、強度を高めるために芯
材6よりも分厚く形成する等の対応をすることが可能で
ある。サイドカバー20は、芯材6に対して設けること
も可能である。また、場合によっては抱き込み部材18
や芯材6とは別個独立したものとして設けることも可能
である。この場合、サイドカバー20の材質は、パッド
本体5よりも硬質のゴムや樹脂製等とすることも可能で
ある。
【0047】
【他の開示】図36に関して既に説明したような、踏面
110に設けられるボルト挿通用の孔112を原因とし
た従来欠点や、図37乃至図39に示したようなボルト
106やナット107,108の溶接及び位置決め精度
等に拘わる面倒さ、高コスト化等の従来欠点を解消する
ための技術として、図16乃至図33に示す各弾性パッ
ド50を説明する。
【0048】図16に示す第1開示技術の弾性パッド5
0は、芯材6の幅方向一端部に履板3側へ向けて突出
し、係合可能になされたボルト受部51が設けられ、他
端側に、履板3の同側の端部と係合可能なフック部9が
設けられている。そして、芯材6のボルト受部51側の
端部には、抱き込み部材18が設けられている。ボルト
受部51には、芯材6の幅方向に沿って雌ネジ部52が
設けられており、この雌ネジ部52へ螺合するボルト1
5により、ボルト受部51に対して抱き込み部材18を
結合可能になっている。
【0049】抱き込み部材18は、金属製板材をコ字状
に折曲したり、コ字状断面を有する引抜条材を所定寸法
に切り出したりする等して形成したもので、履板3の幅
方向一端部と係合してこれを芯材6側へ引き寄せて固定
可能になっている。すなわち、この抱き込み部材18を
ボルト受部51へ結合することで、芯材6と履板3(即
ち、ボルト受部51の突出寸法に相当)が挟持され、履
板3に対する弾性パッド50の取り付けが可能になって
いる。従って、弾性パッド50の踏面にボルト挿通用の
孔を設ける必要はない。
【0050】なお、ボルト15にはさら頭を有するもの
を図示してあるが、六角頭付きボルトを用いてもよい。
図17に示す第2開示技術の弾性パッド50は、抱き込
み部材18がL字状断面を有している点を除いて、第1
開示技術と略同一のものである。図18に示す第3開示
技術の弾性パッド50は、芯材6の幅方向一端部に履板
3側へ向けて突出した嵌合片54が設けられ、他端側
に、履板3の同側の端部と係合可能なフック部9が設け
られている。そして、芯材6の嵌合片54側の端部に
は、抱き込み部材18が設けられている。
【0051】芯材6における嵌合片54及びフック部9
は、いずれも外面が滑らかなカーブ面に形成されてお
り、取り扱い時の手触り感が良好となっているばかりで
なく、走行中における他物との接触による破損等の不具
合を、幾分、和らげることができるという利点がある。
また、フック部9には、折り返し部分側において芯材6
へ向けた雌ネジ部55が設けられており、ボルト15の
螺合が可能になっている。
【0052】一方、抱き込み部材18は断面コ字状をし
ており、芯材6側へ向けられる部分56及び履板3側へ
向けられる部分57の各外隅面が滑らかなカーブ面に形
成されている。従って、取り扱い時の手触り感が良好と
なっているばかりでなく、走行中における他物との接触
による破損等の不具合を、幾分、和らげることができる
という利点がある。
【0053】この抱き込み部材18において、履板3側
へ向けられる部分57には、芯材6へ向けた雌ネジ部5
8が設けられており、ボルト15の螺合が可能になって
いる。また、芯材6側へ向けられる部分56は、上記雌
ネジ部58の形成位置と対峙可能なようにパッド本体5
側へ向く長さが長くなっており、パッド本体5には、こ
の部分56との干渉を避けるための側方切欠部60が設
けられている。
【0054】従って、この第3開示技術の弾性パッド5
0では、履板3の幅方向一端部へ芯材6のフック部9を
係合させ、同他端部で芯材6及び履板3を挟持させるよ
うに抱き込み部材18を嵌め込んだ後、芯材6の雌ネジ
部55及び抱き込み部材18の雌ネジ部58へボルト1
5をねじ込むことによって、芯材6と履板3との当接を
強めるようになっている。
【0055】このような構成では、芯材6のフック部9
や抱き込み部材18につき、履板3の厚さとの関係にお
いて高精度にしなくてもよくなり、製造の容易化及び低
コスト化等が図れる利点がある。図19に示す第4開示
技術の弾性パッド50は、抱き込み部材18において芯
材6側へ向けられる部分56に、芯材6へ向けて突出す
るストッパ61が設けられ、芯材6にこのストッパ61
の嵌まるストッパ孔62が設けられている点と、フック
部9に雌ネジ部55が設けられていない点を除いて、上
記第3開示技術と略同一のものである。
【0056】なお、この第4開示技術では、芯材6の嵌
合片54やフック部9及び抱き込み部材18の外面にカ
ーブ面を採り入れていない。抱き込み部材18にストッ
パ孔62を設け、芯材6にストッパ61を設けてもよ
い。図20に示す第5開示技術の弾性パッド50は、抱
き込み部材18において芯材6側へ向けられる部分56
を短くして、パッド本体5と干渉しないようにしている
(即ち、パッド本体5に側方切欠部60を形成させてい
ない)点を除いて、上記第3開示技術(図18参照)と
略同一のものである。
【0057】図21に示す第6開示技術の弾性パッド5
0において、芯材6には、その幅方向一端部に履板3側
へ向けて突出し、係合可能になされた嵌合片54が設け
られ、また図示は省略しているが同他端側に、履板3の
同側の端部と係合可能なフック部9が設けられている。
そして、この第6開示技術では、抱き込み部材18を具
備しておらず、その代わりに、芯材6に、履板3に対し
て当初より設けられている貫通孔65と一致可能な雌ネ
ジ部66が設けられている。
【0058】従って、この第6開示技術の弾性パッド5
0では、履板3の幅方向一端部へ芯材6のフック部9を
係合させ、同他端部で、履板3の貫通孔65側から芯材
6の雌ネジ部66へ直接にボルト15を螺合させること
で、履板3への取り付けを可能にしている。このような
構造であれば、履板3に対する芯材6の幅方向の動きが
フック部9と嵌合片54とによって規制され、ボルト1
5に対する剪断作用は殆ど生じないことになる。従っ
て、ボルト15の折損や曲がりが生じないという利点が
ある。また、弾性パッド50として、極めて簡潔構造と
なる利点もある。
【0059】図22に示す第7開示技術の弾性パッド5
0も上記第6開示技術(図21参照)と同様に、履板3
に当初から設けられている貫通孔65を利用して取り付
けを行うものであり、従って芯材6には、履板3におけ
る幅方向両側の貫通孔65に一致可能な雌ネジ部66が
設けられている。しかし、芯材6には、嵌合片54もフ
ック部9も設けられていないし、抱き込み部材18も具
備しないものとなっている。
【0060】この第7開示技術において、芯材6は鍛造
又は鋳造によって形成されており、パッド本体5へ向く
面には、各雌ネジ部66に対応して肉盛り部67が設け
られている。そして、各雌ネジ部66は、この肉盛り部
67に対して非貫通状に設けられている。このような構
造であれば、芯材6に対してパッド本体5を焼き付ける
際に、雌ネジ部66にいちいち盲蓋等を設けておく必要
がなくなり(肉盛り部67によって非貫通であるた
め)、製造が容易になる利点がある。また、弾性パッド
50として、折り曲げや溶接等が一切不要であり、上記
第6開示技術よりも更に簡潔構造になるので、製造コス
ト的に極めて低廉化が可能になるという利点もある。
【0061】なお、芯材6の肉盛り部67は、クローラ
周方向に沿って芯材6を横切る台状のものとして形成す
ることも、芯材6の幅方向に沿って一連に繋がる長台状
のものとして形成することも可能である。図23に示す
第8開示技術の弾性パッド50は、芯材6の幅方向一端
部にギザギザ面に形成された係留部68が設けられ、同
他端部に、履板3の同側の端部と係合可能なフック部9
が設けられている。そして、芯材6の係留部68側の端
部には、抱き込み部材18が設けられている。
【0062】抱き込み部材18は、金属製板材をコ字状
に折曲したり、コ字状断面を有する引抜条材を所定寸法
に切り出したりする等して形成したもので、芯材6側へ
向けられる部分56の先端部には、上記係留部68と噛
合可能な爪69が設けられている。従って、この第8開
示技術の弾性パッド50では、履板3の幅方向一端部へ
芯材6のフック部9を係合させ、同他端部で、芯材6及
び履板3を挟持させるように抱き込み部材18を、工具
を用いた打込み等により嵌め込むことによって、履板3
に対する取り付けが可能になっている。
【0063】なお、抱き込み部材18は、バネ鋼や硬質
樹脂材等によって形成することも可能である。この抱き
込み部材18は、履板3から弾性パッド50を外す際に
は工具を用いて叩き出せばよく、使い捨てとしてもよ
い。図24に示すように抱き込み部材18の外面には、
傾斜面状又はアール面状の面取りを施しておくのが好適
である。また、必要に応じて爪69を複数設けるように
すれば、係留部68との噛合強度を高めることができ
る。
【0064】図25に示す第9開示技術の弾性パッド5
0は、芯材6の幅方向長さを履板3よりも若干短くして
ある点を除いて、上記第8開示技術(図23参照)と略
同一のものである。このような構造であれば、抱き込み
部材18として、芯材6を幅方向に引っ張る作用を強く
得ることができ、弾性パッド50の取付強度を高めるこ
とができる。また、芯材6として幅方向寸法をある程度
ラフに製作しても、芯材6によって抱き込み部材18が
奥付き状態とされることが防止され、係留部68に対す
る爪69の確実な噛合が行えることになる。
【0065】図26に示す第10開示技術の弾性パッド
50は、芯材6に設ける係留部68として角型の凹凸と
し、また抱き込み部材18に設ける爪69も、係留部6
8に対応する角型の凸状としている点を除いて、上記第
8開示技術(図23参照)と略同一のものである。な
お、爪69は、全ての係留部68と噛合可能な数だけ設
けられている。
【0066】このような構造にすることにより、爪69
と係留部68との噛合強度を更に高めることができる。
この他、係留部68としては、図示は省略するが比較的
凹凸度の大きい粗面(例えば芯材6を鋳造品又は鍛造品
として、その肌面をそのまま利用する等)として形成す
ることも可能である。
【0067】図27及び図28に示す第11開示技術の
弾性パッド50は、抱き込み部材18において、芯材6
側へ向けられる部分56よりも、履板3側へ向けられる
部分57が短く形成されており、また、この部分57に
取り外し時に用いる工具挿入部71が設けられている点
を除いて、上記第8開示技術(図23参照)と略同一の
ものである。
【0068】工具挿入部71は、履板3に近づく深さに
なるほど幅方向外方へ向かうような傾斜を有している。
そのため、この工具挿入部71へ例えば平タガネやマイ
ナスドライバー等の工具を差し込み、履板3へ突き当て
た状態にして、この工具を梃の要領で立て起こすように
することで、抱き込み部材18に対して、両部分56,
57間を開かせるような作用を生じさせることができ
る。
【0069】これにより、履板3及び弾性パッド50の
端部から抱き込み部材18を外すことが容易に行えるよ
うになる。なお、上記のように芯材6側の部分56より
履板3側の部分57を短くしているのは、このときの外
し易さを促すための措置である。このようにして外され
た抱き込み部材18は、恒久的な変形を伴うことが少な
いため、再使用できる可能性も高くなり、それだけ経済
的になるという利点もある。
【0070】なお、この工具挿入部71は、芯材6側の
部分56に設けてもよい。また、図29に示すように履
板3や芯材6の端縁に臨むような位置付けの開口とする
こともできる。更に、図30に示すようにこの工具挿入
部71を雌ネジ孔として、ここへボルト(即ち、このボ
ルトが工具に相当する)を螺合させることで、抱き込み
部材18に対して、両部分56,57間を開かせるよう
な作用を生じさせることもできる。
【0071】図31に示す第12開示技術の弾性パッド
50は、抱き込み部材18において芯材6側へ向けられ
る部分56に、芯材6へ向けて突出するストッパ61が
設けられ、芯材6にこのストッパ61の嵌まるストッパ
孔62が設けられている。そして、抱き込み部材18に
おいて履板3側へ向けられる部分57に複数の爪69が
設けられ、この爪69が履板3の内面に押し付けられる
ようになっている。
【0072】なお、抱き込み部材18における芯材6側
の部分56にストッパ孔62を設け、芯材6にストッパ
61を設けてもよい。図32に示す第13開示技術の弾
性パッド50は、芯材6の幅方向端部に対してギザギザ
面に形成された係留部68が設けられており、抱き込み
部材18において芯材6側へ向けられる部分56に、上
記係留部68と噛合可能な複数の爪69が設けられてい
る。そして、抱き込み部材18において履板3側へ向け
られる部分57には、履板3へ向けて突出するストッパ
61が設けられ、このストッパ61が、履板3に当初か
ら設けられている貫通孔65に対して係合可能になって
いる。
【0073】図33に示す第14開示技術の弾性パッド
50は、抱き込み部材18において芯材6側へ向けられ
る部分56に、芯材6へ向けて突出するストッパ61が
設けられ、芯材6にこのストッパ61の嵌まるストッパ
孔62が設けられている。また、抱き込み部材18にお
いて履板3側へ向けられる部分57にも、履板3へ向け
て突出するストッパ61が設けられ、このストッパ61
が、履板3に当初から設けられている貫通孔65に対し
て係合可能になっている。
【0074】図34及び図35は、更に別の開示技術を
示したもので、芯材6の幅方向一端部に、履板3へ向け
て突出する鉤片75,76が設けられている。これら鉤
片75,76は、履板3に当初から設けられている貫通
孔65に対して係合可能になっている。これらの開示技
術において、芯材6の他端部は、図36乃至図39に示
したようなボルト101,106とナット103,10
7,108との螺合結合により行えばよい。
【0075】このような構造であると、芯材6の幅方向
両端部を、パッド本体5で被覆することができるように
なるため、芯材6とパッド本体5との剥離を防止できる
という利点がある。
【0076】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
係る弾性パッドでは、芯材の少なくとも幅方向一端部に
設けたボルト保持部に対し、履板固定用の抱き込み部材
をボルトとナットとにより結合可能にし、このときボル
ト保持部よりも外側(芯材の幅方向外側)へ突出してい
るボルト又はナットを一方的に回転させるだけでよいも
のとしている。
【0077】このようなことから、履板に対する弾性パ
ッドの取り付けを可能にしているので、弾性パッドの厚
さ方向へ貫通させるボルトは不要化でき、弾性パッドの
踏面には、ボルト挿通用の孔を設ける必要がなくなる。
従って、この孔に泥や小石等が詰まって走行性能上の様
々な障害が生じたり、孔を始端とする亀裂や欠けが発生
したり、ボルトが変形等してその後の着脱が不能になっ
たりする等、種々の問題は解消・除去できるものであ
る。
【0078】また、芯材に対して雌ネジ部を一体的に設
けたものでも、ボルトやナットを溶接したものでもな
く、従ってボルトやナットの破損に対しては、それらの
交換だけで対処できることになる。そのため、パッド本
体における磨耗や破損等の許容限度いっぱいまで使用で
き、経済的となる。芯材に、ボルト又はナット用の収容
部を設けておくと、弾性パッドとしての厚さ寸法を抑え
られるため、材料使用量の抑制や軽量化等が図られる。
【0079】抱き込み部材に、ボルト又はナット用のガ
ード部を設けておくと、走行中にボルトやナット等が側
方の障害物と直接にぶつかって破損等するといったこと
が、極力、防止される。従って、弾性パッドの着脱が不
能になるということを防止できる。パッド本体のボルト
保持部側の端部にサイドカバーを当接させておけば、パ
ッド本体におけるサイドからのカットを防止できる利点
がある。
【0080】履板が複数の凸条を有するものであるとき
に、芯材に、凸条に係合可能な位置合わせ部材を設ける
ことで、弾性パッドの装着作業が容易になり、且つ走行
中における弾性パッドのガタツキ等を完全に防止できる
利点がある。芯材において、ボルト保持部とは反対側の
端部をフック止めとすることで、履板に対する弾性パッ
ドの装着を一層容易にできる。
【0081】一方、本発明に係る金属製クローラでは、
上記構成の弾性パッドを、そのボルト保持部側が履板の
幅方向外方へ向くように装着させたものであり、ボルト
保持部に対する抱き込み部材の着脱が簡単且つ迅速に行
えるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る弾性パッドの第1実施形態とこれ
を装着した金属製クローラの正面断面図である。
【図2】図1のA−A線に対応した位置で示す拡大断面
図である。
【図3】図1のB−B線に対応した位置で示す拡大矢視
図である。
【図4】図1中の要部(ボルトとナットとの結合部分)
の分解状態を示す拡大図である。
【図5】本発明に係る弾性パッドの第2実施形態とこれ
を装着した金属製クローラの正面断面図である。
【図6】本発明に係る弾性パッドの第3実施形態とこれ
を装着した金属製クローラの正面断面図である。
【図7】本発明に係る弾性パッドの第4実施形態の主要
部を示す正面断面図である。
【図8】本発明に係る弾性パッドの第5実施形態の主要
部を示す正面断面図である。
【図9】本発明に係る弾性パッドの第6実施形態の主要
部を示す正面断面図である。
【図10】本発明に係る弾性パッドの第7実施形態の主
要部を示す正面断面図である。
【図11】図10のC−C線に対応した位置で示す拡大
断面図である。
【図12】本発明に係る弾性パッドの第8実施形態の主
要部を拡大して示す正面断面図である。
【図13】本発明に係る弾性パッドの第9実施形態の主
要部を拡大して示す正面断面図である。
【図14】図13のD−D線に対応した位置で示す断面
図である。
【図15】本発明に係る弾性パッドの第10実施形態の
主要部を示す正面断面図である。
【図16】弾性パッドの第1開示技術とこれを装着した
金属製クローラの正面断面図である。
【図17】弾性パッドの第2開示技術とこれを装着した
金属製クローラの正面断面図である。
【図18】弾性パッドの第3開示技術とこれを装着した
金属製クローラの正面断面図である。
【図19】弾性パッドの第4開示技術とこれを装着した
金属製クローラの正面断面図である。
【図20】弾性パッドの第5開示技術の主要部を示す正
面断面図である。
【図21】弾性パッドの第6開示技術の主要部を示す正
面断面図である。
【図22】弾性パッドの第7開示技術とこれを装着した
金属製クローラの正面断面図である。
【図23】弾性パッドの第8開示技術とこれを装着した
金属製クローラの正面断面図である。
【図24】図23中における主要部の拡大図である。
【図25】弾性パッドの第9開示技術の主要部を示す正
面断面図である。
【図26】弾性パッドの第10開示技術の主要部を示す
正面断面図である。
【図27】弾性パッドの第11開示技術の主要部を示す
正面断面図である。
【図28】図27のE−E線に対応した位置で示す矢視
図である。
【図29】図28の構造に対して置換可能な構造を示し
た底面図である。
【図30】図28の構造に対して置換可能な更に別の構
造を示した底面図である。
【図31】弾性パッドの第12開示技術の主要部を示す
正面断面図である。
【図32】弾性パッドの第13開示技術の主要部を示す
正面断面図である。
【図33】弾性パッドの第14開示技術の主要部を示す
正面断面図である。
【図34】弾性パッドにおける更に別の開示技術の主要
部を示す正面断面図である。
【図35】図34に類似する更に別の開示技術の主要部
を示す正面断面図である。
【図36】弾性パッドを貫通するボルトで弾性パッドを
履板に取り付けていた従来例を示す正面断面図である。
【図37】弾性パッドの芯材に溶接した袋ナットを用い
て弾性パッドを履板に取り付けていた従来例を示す正面
断面図である。
【図38】弾性パッドの芯材に溶接したボルトを用いて
弾性パッドを履板に取り付けていた従来例を示す正面断
面図である。
【図39】弾性パッドの芯材に溶接したゴム止めカバー
付きのナットを用いて弾性パッドを履板に取り付けてい
た従来例を示す正面断面図である。
【符号の説明】
1 弾性パッド 2 クローラ 3 履板 5 パッド本体 6 芯材 8 ボルト保持部 9 フック部 10 凸条 11 凸条 12 凸条 14 ボルト挿通孔 15 ボルト 16 ナット 18 抱き込み部材 20 サイドカバー 23 当て止め片 36 収容部 37 ガード部 100 従来の弾性パッド

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の金属製履板(3)を連結して成る
    エンドレスの金属製クローラ(2)に対し各履板(3)
    の外面に装着される弾性パッドにおいて、 弾性材製のパッド本体(5)と、該パッド本体(5)の
    裏面側に設けられる芯材(6)とを有し、芯材(6)の
    少なくとも幅方向一端側には該幅方向に沿って貫通する
    ボルト挿通孔(14)を有したボルト保持部(8)が設
    けられており、 該ボルト保持部(8)のボルト挿通孔(14)へ挿通さ
    れるボルト(15)と該ボルト(15)に螺合されるナ
    ット(16)とにより、履板(3)を芯材(6)側へ引
    き寄せ固定可能な抱き込み部材(18)がボルト保持部
    (8)に対して結合可能になっており、 ボルト保持部(8)と抱き込み部材(18)との結合時
    に芯材(6)と履板(3)との間に挿入されているボル
    ト(15)又はナット(16)が回止め状態に保持され
    ていることを特徴とする金属製クローラ用弾性パッド。
  2. 【請求項2】 前記ボルト(15)又はナット(16)
    の回止めは、ボルト保持部(8)に対するボルト挿通孔
    (14)の位置付けを芯材(6)寄り又は履板(3)寄
    りにして、ボルト(15)又はナット(16)の外周面
    を芯材(6)又は履板(3)へ当接させることで行うこ
    とを特徴とする請求項1記載の金属製クローラ用弾性パ
    ッド。
  3. 【請求項3】 前記ボルト(15)又はナット(16)
    の回止めは、芯材(6)から履板(3)へ向けて突出し
    てボルト(15)又はナット(16)の外周面に当接可
    能にされた当て止め片(23)により行うことを特徴と
    する請求項1記載の金属製クローラ用弾性パッド。
  4. 【請求項4】 前記芯材(6)には、回止め状態とされ
    たボルト(15)又はナット(16)をパッド本体
    (5)の厚さ方向で可及的に吸収可能にする収容部(3
    6)が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請
    求項3のいずれかに記載の金属製クローラ用弾性パッ
    ド。
  5. 【請求項5】 前記抱き込み部材(18)には、芯材
    (6)の幅方向に沿って当該抱き込み部材(18)の外
    面へ突出するボルト(15)又はナット(16)まわり
    で、同方向へ突出するガード部(37)が設けられてい
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項4記載のいずれ
    かに記載の金属製クローラ用弾性パッド。
  6. 【請求項6】 前記パッド本体(5)において、抱き込
    み部材(18)が結合される側の端部に、サイドカバー
    (20)が当接されることを特徴とする請求項1乃至請
    求項5のいずれかに記載の金属製クローラ用弾性パッ
    ド。
  7. 【請求項7】 前記履板(3)において、クローラ周方
    向の複数箇所で幅方向に長い凸条(10,11,12)
    が設けられたものであるときに、前記芯材(6)には、
    履板(3)の各凸条(10,11,12)間に係止可能
    な位置合わせ部材が設けられていることを特徴とする請
    求項1乃至請求項6のいずれかに記載の金属製クローラ
    用弾性パッド。
  8. 【請求項8】 芯材(6)において、ボルト保持部
    (8)が設けられた側とは反対側の端部には、履板
    (3)の同側の端部に係合可能なフック部(9)が設け
    られていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のい
    ずれかに記載の金属製クローラ用弾性パッド。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載
    の弾性パッド(1)が、そのボルト保持部(8)側を履
    板(3)の幅方向外方へ向けて装着されていることを特
    徴とする金属製クローラ。
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