JPH1144915A - 透過型スクリーン - Google Patents

透過型スクリーン

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JPH1144915A
JPH1144915A JP9218099A JP21809997A JPH1144915A JP H1144915 A JPH1144915 A JP H1144915A JP 9218099 A JP9218099 A JP 9218099A JP 21809997 A JP21809997 A JP 21809997A JP H1144915 A JPH1144915 A JP H1144915A
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JP
Japan
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screen
light
mica
synthetic mica
image
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JP9218099A
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Takeshi Miyamoto
宮本  剛
Asa Kimura
朝 木村
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Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、フレネルレンズ、レンチキ
ュラレンズを使うことなく明るく鮮明な画像を観測でき
る、あるいはそれらのレンズを使用しても画面にレンズ
の凹凸によるすじの見えない、さらに投影光を吸収しな
い、そして投影光の色を変化させない、色彩の再現性に
優れた、明るく、色鮮やかな映像を映し出すことのでき
る、広い範囲で視認識性を持った透過型スクリーンを提
供することにある。 【解決手段】 基材26上に形成された光拡散層30を
含む透過型スクリーン12において、前記透過型スクリ
ーン12には酸化チタン被覆雲母が含まれ、該雲母は合
成雲母であることを特徴とする透過型スクリーン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透過型スクリーン、
特にパール剤に含まれる雲母粉体の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、プロジェクター型の映像表示装
置等は、投影表示装置とスクリーンの間の距離が短くて
も、投影表示装置から映写する投影光を鏡等を使用して
曲げることで、十分な投影距離を確保することができる
ため、比較的容易に装置全体のコンパクト化が可能で、
しかも明るい映像が鑑賞できるなどの利点を有してお
り、今後、機器の需要が期待される。このような表示装
置は、スクリーン上に映像を投影しており、該スクリー
ンとしては、スクリーンの観察側より映像を投影し、反
射映像を観察する反射型スクリーンと、スクリーンの背
面側より映像を投影し、透過画像を観察する透過型スク
リーンがある。この中で、背面投写型の透過型スクリー
ンは、特開昭62−178227、特開平5−8826
4に開示されているように、フレネルレンズ、レンチキ
ュラレンズの二枚のレンズにより構成され、フレネルレ
ンズは背面より投影された投影光を集光する役目を果た
し、レンチキュラレンズは水平方向に広く配光する役目
を果たす。この二枚のレンズの働きにより正面位置にお
いて明るい画像が観測できるというものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしフレネルレン
ズ、レンチキュラレンズは共にその表面に凹凸があり、
その凹凸によって有用な効果を得ることができる反面、
映像をスクリーン上に映し出す際、レンズの凹凸により
すじが幾重にも見えてしまい、画像を大変見にくいもの
にしてしまうという問題点があった。
【0004】本発明は以上のような前記従来技術の課題
に鑑みなされたものであり、その目的は、フレネルレン
ズ、レンチキュラレンズを使うことなく明るく鮮明な画
像を観測できる、あるいはそれらのレンズを使用しても
画面にレンズの凹凸によるすじの見えない、さらに投影
光を吸収しない、そして投影光の色を変化させない、色
彩の再現性に優れた、明るく、色鮮やかな映像を映し出
すことのできる、広い範囲で視認識性を持った透過型ス
クリーンを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明者が検証を進めたところ、このようなフレネ
ルレンズ、レンチキュラレンズを使うことなく明るく鮮
明な画像を観察できるもの、あるいはそれらのレンズを
使用しても画面にレンズの凹凸によるすじを見えなくす
るものとして酸化チタン被覆雲母を用いたパール剤を含
む薄膜をスクリーン中に構成することを見出した。
【0006】酸化チタン被覆雲母を用いたパール剤によ
り背面からの投影光を屈折透過、拡散させるスクリーン
によればスクリーン中に板状の酸化チタン被覆雲母がラ
ンダムに、任意の方向を向いてスクリーン中に存在する
ため、酸化チタン表面、あるいは雲母表面で反射するこ
とで、または酸化チタン被覆雲母中を透過する際の投影
光の屈折によって、フレネルレンズ、レンチキュラレン
ズを使うことなく鮮明な広い視認識性を持つスクリーン
が得られた。更にフレネルレンズ、レンチキュラレンズ
を使用しても表面に本発明のスクリーンが来るように構
成すれば、前述した酸化チタン被覆雲母の反射、拡散に
より、画面にレンズの凹凸によるすじが見えなくなって
しまい、非常に鮮明で見やすい映像を映し出すことがで
きた。
【0007】ところが、天然雲母による酸化チタン被覆
雲母を使用しても画像が期待したほど明るいものとなら
無いことがわかった。前述したように酸化チタン被覆天
然雲母を使用しても期待したほど明るい映像が得られな
いのは酸化チタン被覆天然雲母の限界かとも思われた
が、原因を追求すると酸化チタン被覆雲母の性質による
ものでなく、天然雲母そのものに原因があることを突き
止めた。
【0008】天然雲母は、微量ながら金属を含有してい
る。そのためその金属の影響で若干着色されてしまって
いる。しかしその若干の着色のために投影光が酸化チタ
ン被覆雲母を透過する際に、吸収されてしまったり、あ
るいは色彩に影響が出てしまい、色が暗くなってしまっ
たり、投影光に対する色の再現性を著しく悪化させてし
まうというと言った芳しくない影響を及ぼしていた。
【0009】すなわち、本発明にかかる透過型スクリー
ンは、投影光を透過屈折、拡散によってスクリーンに映
し出される映像の輝度、視野角の向上をはかることので
きる酸化チタン被覆雲母を用いたパール剤を使用し、該
雲母は前述の微量金属の含有による着色の問題を解決す
るために、着色性金属の混入の極めて少ない彩度の良好
な合成雲母を用いることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の好適
な実施形態について説明する。図1には本発明の一実施
形態にかかる透過型スクリーンおよびリアプロジェクト
型表示装置の概念図が、図2には本発明の一実施形態に
かかる透過型スクリーンの構成の概念図が示されてい
る。
【0011】図1のリアプロジェクト型表示装置10よ
り投影された光は、透過型スクリーン12上に大きく映
し出すためにある程度の角度を持って投影される。この
図1においてスクリーン上端部に投影される光を投影光
14、スクリーン下端部に投影される光を投影光16と
呼ぶことにする。投影光14はスクリーン上に至りスク
リーンを透過する。この透過光はスクリーンが投影光を
透過させるのみならば、本来の透過光18のように入射
したままの方向に透過して行き、観察者20に届くこと
がない、つまり観察者は視認できない。こうなるとリア
プロジェクト型表示装置より投影された投影光が観察者
に映像として観察可能に映るためには、観察者の方向に
投影光を拡散させる必要がある。また観察者が多人数の
場合に、多くの人に映像が視認できるようにするために
は、投影光を広い方向に拡散しなければならない。この
ため投影光14はスクリーン上に至り、点線の矢印で示
されるように、広い角度で拡散され、その拡散光の一部
が拡散光22にように観察者に視認される。下端の場合
も同様である。投影光16は、スクリーン上に至り、点
線の矢印で示されるように広い角度で拡散され、その拡
散光の一部が拡散光24のように観察者に視認される。
このようにリアプロジェクト型表示装置より投影される
投影光は、投影光が投影されたスクリーン上の全ての部
分で同様な透過、拡散の作用によって観察者に映像を映
し出すことができる。
【0012】図1に示す透過型スクリーン12は、図2
にあるように平板状の基材26と、その上に形成された
合成雲母を用いたパール剤を含む薄膜28と光拡散層3
0とを備え、投影された光はスクリーン基材を透過して
行き、パール剤を含む薄膜中において一部はパール剤の
酸化チタン表面、あるいは合成雲母表面において反射、
拡散されながら透過して行き、酸化チタン被覆合成雲母
によって多方向に拡散された光を、エンボス加工等を施
された光拡散層によって更に多方向に拡散される。この
ようにしてスクリーンは投影された光を広い角度で明る
い映像を映し出すことが可能となる。
【0013】ところで、映像の輝度が高く、広い明視野
角を有するスクリーンを作ることは、相反する二つの行
程によらなければならない。つまりは、透過型スクリー
ンおよびリアプロジェクト型表示装置において高い輝度
を持たせるためには、投影された光の拡散を抑え、光を
一定の範囲に絞り込むようにする方がよい。しかしスク
リーンに映し出される映像は、大勢の人が見ることがで
きるように広い角度において明るい映像を映し出せるも
のが必要であり、広い視野角を持つようにするためには
投影された光を可能な限り拡散しなければならない。
【0014】このように相反する二つの性質を同時に持
ち得るスクリーンが優れたスクリーンであるといえる。
このため、この相反する二つの性質を備えるためには、
如何に投影された光を効率よく拡散でき、且つその過程
で光の損失を如何に少なく抑えるかが問題となる。
【0015】本発明において特徴的なことは、スクリー
ンの映像の輝度が高く、鮮やかな映像を映写すること、
つまり、色鮮やかな、明るい投影画像を視覚できるもの
とすることであり、このために本実施形態では使用する
パール剤において、着色性金属の混入の極めて少ない彩
度の良好な合成雲母を用いている。すなわち、光の反
射、拡散における過程での光の損失を抑え得る合成雲母
粉体を用いたパール剤である。
【0016】図3に示すようにパール剤を含む薄膜28
中で、酸化チタン被覆合成雲母32は任意の方向を向い
ており、これにより投影光34は酸化チタン、あるいは
合成雲母粉体表面において反射し、または酸化チタン、
合成雲母粉体内を透過する過程で屈折する。そして、反
射した投影光36はまた別の酸化チタン被覆合成雲母に
おいてあるいは反射され、あるいは透過にする際に屈折
することによりスクリーン正面に対して広い角度で映像
を視覚することができる。そしてこの場合、酸化チタン
被覆合成雲母は、その表面で光を一部は反射させるもの
の、光の透過性が高く光の拡散はその殆どが酸化チタ
ン、合成雲母粉体内を透過する過程で屈折することによ
るものである。
【0017】ここで天然雲母による酸化チタン被覆雲母
を使用している場合、天然雲母が微量の金属を含有して
いることによる着色があるために、投影された光が酸化
チタン被覆天然雲母を透過する際に、光が弱められてし
まったり、着色の影響で投影された光の色彩を変えてし
まうなどの悪い影響を及ぼす結果となる。また投影され
た光が天然雲母中を透過するのは、前述した通り一度だ
けであるとは限らず、一度透過した酸化チタン被覆天然
雲母とは別の酸化チタン被覆天然雲母を透過することも
考えれば、二度、三度と天然雲母を透過することとな
り、天然雲母の光に及ぼす悪影響は、僅かな着色である
にも関わらず大きな意味を持ってくる。
【0018】またこのパール剤のような主に屈折による
拡散によるものではなく、代わりに反射によるもの、例
えばアルミニウム粉体を反射、拡散に使用した場合を考
えてみる。図4に示すようにアルミニウム粉体40も薄
膜中で任意の位置に存在している。アルミニウム粉体は
光を透過させることはないので投影光42はアルミニウ
ム粉体表面で反射し、また別のアルミニウム粉体表面に
て反射するというようにアルミニウム粉体表面での反射
を繰り返し、スクリーン表面より光が抜け出すまで乱反
射を繰り返す。
【0019】しかしこのように乱反射を繰り返している
と、パール剤のような屈折による拡散より光路長が遥か
に長くなり、投影光の強さを減退する原因となってしま
い、結局、透過効率が悪くなってしまう。またアルミニ
ウム粉体のように反射によって拡散を行うと、投影光が
スクリーンの表面側でなく基材側の方に反射されてしま
うことが多くなり、結局はスクリーン表面側の映像を暗
くしてしまう。
【0020】ところが本発明によれば、金属の混入のな
い彩度の良好な合成雲母を使用するので、光が透過する
際に、光を吸収したり、弱めたり、着色してしまう可能
性が全くない。また酸化チタン被覆合成雲母も、酸化チ
タン表面、合成雲母表面で投影光を反射させるものの、
酸化チタン被覆合成雲母の光の透過性は高く、その反射
量は僅かであり、酸化チタン被覆合成雲母の投影光の拡
散過程は、その殆どが屈折による拡散であるから、光の
損失を最小限に抑えることが可能である。そしてまた、
酸化チタン表面、合成雲母表面で投影光を反射させるこ
とで、拡散方向をさらに広くする効果もある。
【0021】このように本発明において特徴的なこと
は、着色性金属の混入の極めて少ない彩度の良好な合成
雲母を使用することで、光の損失を最小限に抑えること
により、スクリーンの映像の輝度を上げ、広い角度で鮮
やかな映像を映写することのできる透過型スクリーンお
よびリアプロジェクト型表示装置の実現が可能となるこ
とである。
【0022】ここで、本発明において使用される合成雲
母の一例が以下の一般式で示される。 X1/3123(Z410)F2 (式中XはNa+,K+,Li+,Ca2+,Rb2+,Sr
2+からなる群より選ばれる一種以上のイオンを表し、Y
はMg2+,Fe2+,Ni2+,Mn2+,Al3+,Fe3+
Li+からなる群より選ばれる一種以上のイオンを表
し、ZはAl3+,Si4 +,Ge4+,Fe3+,B3+からな
る群より選ばれる一種以上のイオンを表す。) 合成雲母粉体の一般的製造方法は、例えば合成フッ素金
雲母の場合、無水ケイ酸約40部、酸化マグネシウム約
30部、酸化アルミニウム約13部及びケイフッ化カリ
ウム約17部を混合した後、1400〜1500℃で溶
融し、さらに1300〜1400℃で晶出して合成フッ
素金雲母(KMg(AlSi310)F2)を得る。得ら
れた合成フッ素金雲母の鉱塊を粉砕し、分級して合成フ
ッ素金雲母粉体を得る。このようにして得られた合成フ
ッ素金雲母粉体の形状は不定形板状であり、その粒径は
用途にもよるが、一般的には厚さ方向が0.05〜10
μmであり、面方向が2〜200μmである。
【0023】本発明の一実施形態にかかる透過型スクリ
ーンおよびリアプロジェクト型表示装置は、基材の上に
本発明による合成雲母を用いたパール剤、光拡散層の順
に積層して構成される。
【0024】基材は、透明プラスティック、ガラス、ポ
リ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポ
リオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリ
エステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル
樹脂、ポリウレタン樹脂などの材料を用いることができ
る。樹脂に必要に応じて可塑剤を20〜100重量%加
えてもよい。基材の厚さとしては10〜1000μmが
好適である。基材の上には本発明による合成雲母を用い
たパール剤で薄膜を形成し、その上に光拡散層を形成す
る。光拡散層は、プラスティックフィルムやポリプロピ
レン、塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、トリ
アセチルセルロースフィルムなどを用いることができ、
表面をエンボス加工、マット加工したフィルムを用いる
のが好適である。パール剤による薄膜、光拡散層は、ス
クリーン印刷法、ロールコート法、オフセット印刷など
により印刷される方法と、ナイフコーター、コンマコー
ターなどによりコーティングされる方法が例示できる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を説明する。 [実施例1]無水ケイ酸40部、酸化マグネシウム30
部、酸化アルミニウム13部及びケイフッ化カリウム1
7部を混合した後、1500℃で溶融し1350℃で晶
出した合成フッ素金雲母を粗粉砕、微粉砕し、粒径20
〜100μm(マイクロメリティック社製セディグラフ
5000−01型により測定した球状換算値、以下粒径
の測定方法は同じ)の合成フッ素金合成雲母粉体100
部を得た。さらに得られた合成雲母50部をイオン交換
水500部に添加して十分に撹拌し均一に分散させた。
得られた分散液に濃度40重量パーセントの硫酸チタニ
ル水溶液208.5部を加えて、撹拌しながら加熱し6
時間沸騰させた。放冷後、濾過水洗し900℃で焼成し
て、二酸化チタンで被覆された合成雲母90部を得た。
この合成雲母粉体を用いたパール剤をアクリル樹脂ラッ
カー中に添加し、ホモジナイザーにて分散混合してパー
ル剤インキとした。厚さ200μmの透明プラスティッ
クを基材とし、その上に本発明による合成雲母を用いた
パール剤インキを厚さ100μmとなるようにシルク印
刷した後、更にその上に厚さ100μmになるようにシ
リコン樹脂をシルク印刷して、透過型スクリーン(以
下、実施例1という)を得た。なお、パール剤の単位面
積当たりの塗布量は約20mg/cm2である。
【0026】[実施例2]フレネルレンズ、レンチキュ
ラレンズの二枚のレンズにより構成された従来の透過型
スクリーンと、実施例1と同様の手順で製造した本発明
品を本発明品が一番表面に来るよう組み合わせ、一つの
透過型スクリーン(以下、実施例2という)を製造し、
本発明による透過型スクリーンの性能を実験した。
【0027】[比較例1の製造]本発明の実施例1と同
様の手順により作成したスクリーンにおいて、本発明に
よるパール剤の代わりに、天然雲母を用いたパール剤を
使用したスクリーン(以下、比較例1という)を製造
し、本発明による透過型スクリーンの性能と比較実験を
した。
【0028】[比較例2の製造]本発明の実施例1と同
様の手順により作成したスクリーンにおいて、本発明に
よるパール剤の代わりに、アルミニウム粉末を用いたス
クリーン(以下、比較例2という)を製造し、本発明に
よる透過型スクリーンの性能と比較実験をした。
【0029】[比較例3の製造]フレネルレンズ、レン
チキュラレンズの二枚のレンズにより構成された従来の
透過型スクリーン(以下、比較例3という)を使用し
て、本発明による透過型スクリーンの性能と比較実験を
した。
【0030】スクリーンの性能の比較実験は、スクリー
ンへの同じ入射照度に対するスクリーン正面における映
像の輝度(以下、輝度という)と、スクリーン正面にお
ける映像の輝度が半分の値になる角度の値(以下、半値
角度という)と、投影された映像の色彩に対する再現性
(以下、再現性という)、さらに映像の見やすさ(以
下、見やすさという)の4つの値について調べ、判定し
た。
【0031】スクリーン性能の評価に際しては、輝度、
半値角度については実際の測定により、数値により表さ
れ、その数値の大きいものほど優れた性能を持っている
ことを示しており、再現性については、スクリーン上に
映し出された映像の色彩と実際のフィルムにおける色彩
を比較することで、大変良い◎、良い○、普通△、悪い
×、大変悪い××、の五段階で評価した。また、映像の
見やすさにおいては、主観的観点からの評価を避けるた
め、無作為に選んだ10人の人に名前を伏せてそれぞれ
のスクリーンによる映像を観察してもらい、大変良い
5、良い4、普通3、悪い2、大変悪い1、の五段階で
評価してもらい、その平均を取って、4.5〜5を大変
良い◎、3.5〜4.4を良い○、2.5〜3.4を普
通△、1.5〜2.4を悪い×、1〜1.4を大変悪い
××、の五段階で表した。 [実験結果]
【表1】 ──────────────────────────────────── 比較項目 輝度 半値角度 再現性 見やすさ ──────────────────────────────────── 実施例1 100 ±35° ◎ ◎ ──────────────────────────────────── 実施例2 90 ±35° ◎ ◎ ──────────────────────────────────── 比較例1 80 ±30° × ○ ──────────────────────────────────── 比較例2 30 ±15° ○ × ──────────────────────────────────── 比較例3 90 ±30° ○ ○ ────────────────────────────────────
【0032】以上の結果から、表1にある通り、比較例
1は、輝度、半値角度、見やすさとも、ある程度良好な
結果を示したものの、再現性に問題があった。比較例2
は、再現性はある程度良好であったものの、その他の項
目においては芳しい結果が得られず、スクリーンとして
使えるものではなかった。比較例3は、全ての項目にお
いてある程度良好な結果を示したものの、やはりレンズ
によるすじが見えてしいまい、見やすさにおいて多少の
難があった。しかし本発明による合成雲母粉体を用いた
パール剤を使用した透過型スクリーンの実施例1の性能
は、実験した全ての項目において良好な結果を示した。
実施例2も同様に、全てに良好であった。
【0033】次に一定の層厚の二酸化チタンを被覆し
た、粒径の違う合成雲母粉体を用いたパール剤を使用し
て、輝度、半値角度、再現性の3つのスクリーンの性能
への影響の実験を行った。この実験において二酸化チタ
ンの層厚は40nmで一律にそろえられている。この結
果、次の表2のような結果を得た。評価の表し方は表1
における輝度、半値角度、再現性と同じ方法を用いた。
【表2】 ──────────────────────────────────── 粒径 2 5 20 60 80 100 200 ──────────────────────────────────── 輝度 70 70 80 100 110 100 100 ──────────────────────────────────── 半値角度 ±20°±20°±25°±35°±35°±35°±35° ──────────────────────────────────── 再現性 △ △ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ──────────────────────────────────── 尚、表2の粒径の単位はμmである。表2にある結果よ
り、本発明において用いられる合成雲母粉体の粒径は6
0μm〜200μm程度が好適であることがわかる。
【0034】さらに合成雲母粉体表面に被覆させる二酸
化チタンの層厚によって、二酸化チタン被覆合成雲母の
示す干渉色について次のようなデーターがある。 (干渉色) (二酸化チタンの幾何学的厚さ[nm]) ─────────────────────────────────── 銀 20〜40 うすい金 40〜90 金 40〜90 赤 90〜110 菫 110〜120 青 120〜135 緑 135〜155 第2オーダーの金 155〜175 第2オーダーの菫 175〜200
【0035】そこで、二酸化チタンの異なる層厚ごと
の、二酸化チタン被覆合成雲母粉体を用いたスクリーン
の性能について実験を行ったところ次の表3、及び表4
のような結果を得た。この実験において、合成雲母の粒
径は60μmに一律にそろえられている。評価の方法、
表し方は表2と同じである。
【表3】 ──────────────────────────────────── 層厚 5 10 20 30 40 ──────────────────────────────────── 輝度 80 90 100 100 100 ──────────────────────────────────── 半値角度 ±20° ±20° ±35° ±35° ±35° ──────────────────────────────────── 再現性 ○ ○ ◎ ◎ ◎ ────────────────────────────────────
【表4】 ──────────────────────────────────── 層厚 50 80 100 150 200 ──────────────────────────────────── 輝度 100 90 85 85 85 ──────────────────────────────────── 半値角度 ±30° ±30° ±30° ±30° ±30° ──────────────────────────────────── 再現性 ○ △ × × × ──────────────────────────────────── 尚、表3、表4の層厚の単位はnmである。表3、表4
の結果より、本発明における合成雲母表面に被覆させる
二酸化チタンの層厚としては、20nm〜40nm程度
であることが好適である。
【0036】以上のように、本発明にかかる着色性金属
の混入の極めて少ない彩度の良好な合成雲母を使用する
ことによって、スクリーンの性能はさらに向上する。特
に粒径60μm〜200μm、層厚が、20nm〜40
nmにおいて最も効果を発揮する。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明にかかる透過
型スクリーンおよびリアプロジェクト型表示装置によれ
ば、パール剤に用いられる雲母、及び酸化チタン被覆雲
母を着色性金属の混入の極めて少ない彩度の良好な合成
雲母を使用することにより、スクリーンの映像の輝度を
上げ広い角度で鮮やかな映像を観察することのできる透
過型スクリーンおよびリアプロジェクト型表示装置を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる透過型スクリーン
およびリアプロジェクト型表示装置の概念図
【図2】本発明の一実施形態にかかる透過型スクリーン
の構成の概念図
【図3】パール剤により形成された薄膜中での入射光の
挙動の説明図である。
【図4】パール剤の代わりにアルミニウム粉体を使用し
た場合の入射光の挙動の説明図である。
【符号の説明】
10 リアプロジェクト型表示装置 12 透過型スクリーン 14 投影光 16 投影光 18 本来の透過光 20 観察者 22 拡散光 24 拡散光 26 基材 28 パール剤を含む薄膜 30 光拡散層 32 酸化チタン被覆合成雲母 34 投影光 36 反射した投影光 38 透過光 40 アルミニウム粉体 42 投影光 44 透過光

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に形成された光拡散層を含む透過
    型スクリーンにおいて、前記透過型スクリーンには酸化
    チタン被覆雲母が含まれ、該雲母は合成雲母であること
    を特徴とする透過型スクリーン。
JP9218099A 1997-07-28 1997-07-28 透過型スクリーン Withdrawn JPH1144915A (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
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