JPH1143273A - 椅子式昇降機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、椅子式昇降機を利用して、特に階
上部に移動したとき、乗降動作を安全に行うことができ
るものである。 【解決手段】 本発明の椅子式昇降機は、昇降機本体１
ａに水平回転可能な椅子１０を備え、本体１ａ側（又は
椅子の枠体１１ａ側）に昇降状態と収納状態に対応する
各々のロック孔１９ａ、１９ｂを設け、椅子の枠体１１
ａ側（本体１ａ側）に各ロック孔１９ａ、１９ｂに装脱
着可能で、常時、前記ロック孔１９ａ、１９ｂ側に付勢
状態のロック体２２を設け、ロック体２２に昇降張出体
２４を突設し、操作レバー２８に形成の傾斜片２５を昇
降張出体２４に当接可能とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、椅子式昇降機を利
用して、特に階上部に移動したとき、乗降動作を安全に
行うことができる椅子式昇降機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の椅子式昇降機の一例を図９に示す
と、椅子式昇降機１２０は、階段１２７の端部に支持具
１２８で固定されたレール１２２内に付設のチェーン１
２９に螺合する昇降機本体１２３に内蔵の回転駆動体
（図示略）で回転するスプロケットを介して昇降する。
１３０は昇降機本体１２３の上に固定された椅子であっ
て、椅子１３０は、昇降機本体１２３の上に装着の腰掛
体１３１、背もたれ体１３２及び背もたれ体１３２の両
側に付設の一対の肘掛体１３３で構成してある。又、１
２６ａは肘掛体１３３に付設の昇降開始の始動釦１２６
ａ、１２６ｂは緊急停止釦、１２５は回動可能な足踏台
である。

【０００３】この椅子式昇降機１２０は、階段１２７側
に向いた状態で、椅子１３０に腰掛け、始動釦１２６ａ
を押すと、椅子式昇降機１２０は前記チェーン１２９を
介して昇降し、図示略の検出器（リミットスイッチ形式
の検出器等）で検出すると、所定場所（階上または階
下）で停止するので、階段１２７側に向いて椅子１３０
から降りる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このとき、階段側に向
いたまま降りるので、階段に足を踏み出すこととなり、
特に、階上においては、ふらつくと、階段から転げ落ち
る危険がある。そこで、本発明は、かかる不都合を解消
する椅子式昇降機を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１の椅子式昇降機
は、昇降機本体に水平回転可能な椅子を備え、本体側
（又は椅子の枠体側）に昇降状態と収納状態に対応する
各々のロック孔を設け、椅子の枠体側（又は本体側）に
前記各ロック孔に装脱着可能で、常時、前記ロック孔側
に付勢状態のロック体を設け、ロック体に昇降張出体を
突設し、操作レバーに形成の傾斜片を前記昇降張出体に
当接可能とするものである。

【０００６】即ち、操作レバーを操作することによっ
て、傾斜片が昇降張出体を介してロック体を上昇するの
で、ロック体はロック孔から離脱して椅子の水平回転を
可能とするアンロック状態になり、操作レバーを離すと
弾性体によってロック体はロック孔に挿入してロック状
態（椅子の回転を禁止）になる。

【０００７】そこで、椅子から降りるときに、操作レバ
ーを操作して、アンロック状態にしてから椅子を水平回
転すると、階段側と直角方向に、即ち、階上の床に降り
ることができ、安全に降車することが可能となる。

【０００８】又、請求項２の椅子式昇降機は、椅子の腰
掛体と足踏台を昇降回動可能に形成すると共に、腰掛体
と足踏台を連結棒で連結してあるため、腰掛体を昇降回
動すると足踏台も共に昇降回動するので、簡便に足踏台
を収納することができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】図１は従来と昇降手段を異にする
椅子式昇降機の斜視図、図２は椅子式昇降機の側断面
図、図３は椅子の腰掛体部の正面断面図、図４はＡ〜Ａ
矢視図、図５は枠体１１ａの平面を示すＢ〜Ｂ矢視図、
図６はＤ〜Ｄ矢視図、図７はＣ〜Ｃ矢視図である。

【００１０】椅子式昇降機１は、昇降機本体１ａと、そ
の本体１ａの上に設置の椅子１０で構成してある。その
椅子１０は、昇降機本体１ａの上に載置し、先部が装脱
着可能に構成の腰掛体１１、背もたれ体１６及び背もた
れ体の両側に付設の一対の肘掛体１７で構成してある。
１２ａは昇降開始の始動釦であって、制御装置（図示
略）を介して昇降をなし、緊急停止釦１２ｂを押すと緊
急停止動作を行う。又、１３は足踏台であって回動可能
か否かは問わない。尚、椅子式昇降機１は、階段２の側
部に配設の上ガイド体４ａと下ガイド体４ｂに沿って昇
降を行い、本例の上ガイド体４ａ、下ガイド体４ｂはパ
イプで形成してある。

【００１１】この昇降機本体１ａ内には、図２に示すよ
うに、上ガイド体４ａを挟着の第１上ローラ５ａ及び第
１下ローラ５ｂと、下ガイド体４ｂを挟着の第２上ロー
ラ６ａ及び第２下ローラ６ｂが取り付けてあって、第１
下ローラ５ｂと第２下ローラ６ｂとは弾性体（ガスバ
ネ）７によって、互いに押圧状態となっている。そし
て、椅子式昇降機１は、図示略の回転駆動体を介して前
記第２上ローラ６ａを回転駆動することによって、図示
略のチェーンを介して他のローラを回転させて昇降す
る。

【００１２】又、本体１ａ上には、基台１ｂを介して水
平回転可能な椅子１０が取り付けてあり、その基台１ｂ
には、図４（取付け孔は省略）に示すように、後記で詳
述する昇降状態と収納状態に対応するロック体２２の端
部の挿入を可能とするロック孔１９ａ、１９ｂが、回転
軸２０を装着する嵌合孔２１を中心に９０゜の位置に穿
設してある。腰掛体１１の枠体１１ａには、回転軸２０
が固定してあり、本体１ａとはベアリング２１ａ、２１
ｂを介して装着してあり、水平回転可能になっている。

【００１３】又、枠体１１ａには筒体１８が形成してあ
り、その筒体１８内に前記ロック孔１９ａ、１９ｂに挿
入可能な凸状のロック体２２が、弾性体（コイルバネ
等）２３を介して嵌挿してあり、常時、前記ロック孔１
９ａ、１９ｂ側に付勢状態であると共に、そのロック体
２２には昇降張出体２４が突設してある。

【００１４】一方、昇降張出体２４に当接する傾斜片２
５が、溝３０内に左右動可能に設けてあり、操作レバー
２８に連結してある。尚、この操作レバー２８には、操
作レバー２８に固定の調節体２７と、枠体１１ａの補強
体２７ａとの間に弾性体２９を嵌挿して、常時、椅子の
外側に付勢されている。従って、常時、昇降張出体２４
は、図７（Ａ）に示すように、傾斜片２５の水平位置で
当接していて、ロック体２２の端部はロック孔１９ａ、
１９ｂの何れかに挿入状態である。

【００１５】又、本体１ａには安全装置の検出器（リミ
ットスイッチ）５０が取り付けてあり、その検出器５０
は、ロック体２２がロック孔１９ａに挿入状態で作動
（ＯＮ）するように、基台１ｂには傾斜台５０ａが取り
付けてある。即ち、椅子１０が回転可能になっているの
で、昇降可能位置であるロック体２２がロック孔１９ａ
に挿入したとき、検出器５０が作動し、その検出信号に
よって図示略の回転駆動体の起動を可能として安全を図
っている。

【００１６】次に、前記操作レバー２８の操作、即ち、
椅子の昇降可能（使用）状態と回転状態について説明す
る。昇降可能な椅子１０の姿態は、図７（Ａ）に示すよ
うに、図１に示す階段２側に向いており、ロック体２２
の端部がロック孔１９ａに挿入した状態であるため回転
不可であると共に、検出器５０が「ＯＮ」状態となっ
て、回転駆動体（図示略）の起動が可能であり、椅子に
腰掛けて安全に昇降できる。そこで、椅子に腰掛けた後
に、昇降開始の始動釦１２ａを押すと、制御装置（図示
略）を介して昇降をなし、図示略の検出器（リミットス
イッチ形式の検出器等）で検出すると、所定場所（階上
部または階下部）で停止する。

【００１７】一方、椅子１０から降りるときには、操作
レバーの摘み２８ａを掴んで押すと、弾性体２９、２３
の付勢力に抗して傾斜片２５が移動して、ロック体２２
は昇降張出体２４を介してロック孔１９ａから離脱する
ので、椅子１０は回転可能となる（図７（Ｂ））。そこ
で、ロック体２２がロック孔１９ｂの直上位置まで、椅
子１０を回転させて、操作レバー２８を離すと、弾性体
２９によって傾斜片２５が元の状態になるので、弾性体
２３によってロック体２２がロック孔１９ｂに装着され
て、椅子１０の回転を禁止する。この状態における椅子
１０の向きは、図１に示すのと９０゜回転した状態とな
り、降車すると、足は階上の床に踏み出すことができて
安全に降りることができる。

【００１８】以上のように、操作レバー２８を介して、
簡便に、アンロック状態として椅子１０を回転可能と
し、ロック状態で椅子１０の回転を禁止することができ
るので、特に、椅子１０から降りるとき安全である。
尚、前記操作レバー２８は押すことによってアンロック
状態にするが、傾斜片２５と弾性体２９を逆に構成する
ことによって、引っ張ることによってアンロック状態に
することができるし、前記ではロック孔１９ａ、１９ｂ
は基台１ｂに、ロック体２２は枠体１１ａに形成してあ
るが、それらを逆に形成してもよい。又、２箇所のロッ
ク孔１９ａ、１９ｂを設けているため、一方向（９０
゜）の回転であるが、ロック孔を更に設けて階下におい
ても同様に回転可能に形成することもできるし、ロック
孔の形成位置によって適宜の回転角度に形成できること
はいうまでもない。

【００１９】次に、図８（Ａ）（Ｂ）を参照して、足踏
台４０の収納機構について説明するが、図２と同じ部品
には同じ符号を付して説明を略す。本体１ａの下部には
足踏台４０が取り付けてあり、その足踏台４０は本体１
ａに固定の回転軸３３で回転可能なアーム３５を介して
取り付けてある。一方、腰掛体１１は回転軸１１ｂで昇
降回動可能に形成してある。又、前記足踏台４０の側部
と腰掛体１１の側部には、回転軸１１ｃ、４０ａを介し
て連結棒３６で連結してある。

【００２０】そのため、腰掛体１１を水平状態にすると
足踏台４０も水平状態となり、足踏台４０を収納状態
（上昇回転）にすると、連結棒３６を介して足踏台４０
も収納状態に変移する。このように、腰掛体１１と足踏
台４０が同時に昇降回転可能であるため、腰掛体１１だ
けの操作で足踏台４０を使用状態と収納状態にすること
ができる。尚、前記における椅子式昇降機は、上ガイド
体４ａ、下ガイド体４ｂによる形式の昇降手段である
が、図９に示すチェーン式の形式等を問わず有効である
ことは言うまでもない。

【００２１】

【発明の効果】本発明の請求項１の椅子式昇降機に付設
の椅子は、操作レバーを介して椅子を簡便に回転可能に
することができるため、特に、降車時に階段側と直角方
向である階上の床に直接降りることができるので安全を
図ることができる。又、請求項２の椅子式昇降機は、腰
掛体と足踏台を同時に回動可能としているため、腰掛体
の操作だけで足踏台を収納したり、使用状態にすること
ができて、屈むことなく足踏台の操作を行うことができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】椅子式昇降機の斜視図である。

【図２】椅子式昇降機の側断面図である。

【図３】椅子の腰掛体の正面断面図である。

【図４】図３のＡ〜Ａ矢視図である。

【図５】図３のＢ〜Ｂ矢視図である。

【図６】図５のＤ〜Ｄ矢視図である。

【図７】図５のＣ〜Ｃ矢視図である。

【図８】（Ａ）は腰掛体と足踏台を示す図、（Ｂ）はそ
の作用を示す図である。

【図９】従来の椅子式昇降機を示す図である。

【符号の説明】

１ａ 椅子式昇降機本体 １０ 椅子 １１ 腰掛体 １９ａ、１９ｂロック孔 ２２ ロック体 ２４ 昇降張出体 ２５ 傾斜片 ２８ 操作レバー ３６ 連結棒 ４０ 足踏台

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 昇降機本体に水平回転可能な椅子を備
   え、 本体側（又は椅子の枠体側）に昇降状態と収納状態に対
   応する各々のロック孔を設け、 椅子の枠体側（本体側）に前記各ロック孔に装脱着可能
   で、常時、前記ロック孔側に付勢状態のロック体を設
   け、 ロック体に昇降張出体を突設し、操作レバーに形成の傾
   斜片を前記昇降張出体に当接可能とすることを特徴とす
   る椅子式昇降機。
2. 【請求項２】 昇降機本体に椅子と足踏台を備え、前記
   椅子の腰掛体と足踏台を昇降回動可能に形成すると共
   に、腰掛体と足踏台を連結棒で連結することを特徴とす
   る椅子式昇降機。