JPH1140539A - フローティング部を有する半導体装置及びフローティング単結晶薄膜の形成方法 - Google Patents

フローティング部を有する半導体装置及びフローティング単結晶薄膜の形成方法

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JPH1140539A
JPH1140539A JP9209622A JP20962297A JPH1140539A JP H1140539 A JPH1140539 A JP H1140539A JP 9209622 A JP9209622 A JP 9209622A JP 20962297 A JP20962297 A JP 20962297A JP H1140539 A JPH1140539 A JP H1140539A
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Mitsuteru Kimura
光照 木村
Kenji Udagawa
賢司 宇田川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のフローティング部を有する半導体装置
の集積度を上げる。 【解決手段】 半導体装置は、各々が基板20により支
持部31a,31bを介して支持されて浮き2次元状に
配列された複数のフローティング部30を備える。各フ
ローティング部30における外周部分には、第2のエッ
チングストップ領域22が形成されている。各フローテ
ィング部30には、赤外線センサ等の所定の素子が形成
される。基板20には、複数の閉領域を区画するよう
に、第1のエッチングストップ領域25が形成される。
前記各閉領域内には、左右に隣り合う1対のフローティ
ング部30がそれぞれ配置される。左側フローティング
部30の領域22の右辺部分と右側フローティング部3
0の領域22の左辺部分)が、図1(b)に示すよう
に、空隙23を介して対向している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱型赤外線撮像装
置などの、複数のフローティング部を有する半導体装
置、及び、当該半導体装置等の製造に際して用いること
ができるフローティング単結晶薄膜の形成方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】熱に関するデバイスでは、発熱を目的と
する素子ではそこに投入するパワーをできるだけ最小に
し、あるいは赤外線センサの様にエネルギーを受けその
結果として温度が上昇する素子ではそこに入射するエネ
ルギーができるだけ最小で、高速に最大の温度上昇とな
ることを要求する場合が多い。このためには、温度上昇
部の熱コンダクタンスと熱容量とをできるだけ小さくす
ることが必要である。このためには、温度上昇部を中空
に浮いた薄膜構造、いわゆる、フローティング薄膜構造
にすることが最適である。
【0003】従来、フローティング薄膜構造には、酸化
シリコン膜や窒化シリコン膜の様なアモルファス状の絶
縁薄膜や金属薄膜などが多く用いられていた。しかし、
単結晶の薄膜ではその上に所定の素子を直接形成し易
く、また、例えばシリコン単結晶薄膜の上にPN接合
や、シリコンと金属(あるいはシリサイド)とのショッ
トキー接合を形成した場合、暗電流の少ない良好な特性
を安定して得られるという利点がある。すなわち、例え
ば、フローティング単結晶薄膜の上にモリブデンシリサ
イド、ニッケルシリサイドや白金シリサイドを形成する
ことにより非常に高感度の熱型赤外線センサを得ること
ができる。そして、この熱型赤外線センサをそれぞれ構
成する複数のフローティング部を1次元状又は2次元状
に配列することにより熱型赤外線撮像装置を得ることが
できる。
【0004】フローティング単結晶薄膜の形成方法とし
て、『Schottky Barrier Thermistor on the Micro-Air
-Bridge』(The 7th International Conference on Soli
d-State Sensors and Actuators. pp.746〜749)、『Fre
e standing single-crystalsilicon microstructures』
(J.Micromech.Microeng.5(1995) pp.1〜4)にその方法が
述べられている。
【0005】これらの方法では、(111)面の単結晶
シリコン基板を用いている。これは、単結晶シリコンの
(111)面は、KOH水溶液やヒドラジン水溶液など
の異方性エッチャントに対してエッチング速度が最も遅
い面方位であることによる。特にKOH水溶液では、他
の面方位、例えば(100)や(110)面方位に対し
て(111)面は150〜600分の1のエッチング速
度になることが知られている。あるいは、高濃度のホウ
素(ボロン)を拡散したシリコンもまた、KOH水溶液
やヒドラジン水溶液などの異方性エッチング液ではほと
んどエッチングされず、シリコン酸化物もまた、ヒドラ
ジン水溶液ではほとんどエッチングされないということ
が知られている。
【0006】図3に、前記『Schottky Barrier Thermis
tor on the Micro-Air-Bridge』の方法によって作成し
たフローティング単結晶薄膜1の断面構造を引用して示
す。なお、図3ではフローティング単結晶薄膜1の内部
に形成された半導体素子を省略して示しており、また、
図3に示す断面にはフローティング単結晶薄膜1を支持
する支持部は現れていない。この方法では、面方位(1
11)のN型シリコン単結晶基板2において、フローテ
ィング単結晶薄膜1の形成予定領域の外周に、高濃度の
ボロン拡散領域3,4(両者の接合深さは同一)を形成
し、シリコン酸化膜5をマスクとして、等方性ウエット
エッチング液あるいは異方性ドライエッチングにより、
フローティング単結晶薄膜1の厚さに相当するところま
で溝6を形成する。その後、KOH水溶液による異方性
エッチングにより溝6から基板1の一部をエッチング除
去して空隙7を形成し、フローティング単結晶薄膜1を
形成するものである。図3に示す例では、フローティン
グ単結晶薄膜1及びボロン拡散領域3並びにこれらの上
に形成されたシリコン酸化膜5が、フローティング部8
を構成している。なお、図面には示していないが、後述
する図4の場合と同様に、空隙7はフローティング単結
晶薄膜7下に延びるだけでなく、フローティング単結晶
薄膜を形成する方向と逆の方向にも異方性エッチングが
進み、周辺にも空隙が形成されてしまう。
【0007】図4は、前記『Free standing single-cry
stal silicon microstructures』に記載されたフローテ
ィング単結晶薄膜の形成方法の工程を示す断面図であ
る。この図4においてもフローティング単結晶薄膜を支
持する支持部等は省略して示しており、また、図4に示
す断面にはフローティング単結晶薄膜14を支持する支
持部は現れていない。図4(a)は、面方位(111)
のN型シリコン単結晶基板10にドライエッチングで溝
11を形成し、その表面を酸化膜12で覆い、溝11の
底部の領域13の酸化膜12を除去した段階を示してい
る。ここで形成された酸化膜12がこの後に行うKOH
水溶液による異方性エッチングの際にエッチングマスク
として働く。図4(b)は、フローティング単結晶薄膜
14の形成が完了した段階の断面図である。酸化膜12
が除去された溝11の底部の領域13から、異方性エッ
チング液であるKOH水溶液でエッチングして基板10
の一部を除去して空隙15を形成し、シリコンのフロー
ティング単結晶薄膜14を形成する。このとき、空隙1
5がフローティング単結晶薄膜14下に延びるだけでな
く、フローティング単結晶薄膜14を形成する方向と逆
の方向にも異方性エッチングが進み、周辺にも空隙16
が形成されてしまう。図4に示す例では、フローティン
グ単結晶薄膜14及びこれを覆う酸化膜12が、フロー
ティング部17を構成している。
【0008】そして、従来は、図3に示すようなフロー
ティング部8を1次元状又は2次元状に配列して基板2
に複数形成する場合には、フローティング部8の数と同
数の閉領域を区画するように、ボロン拡散領域(エッチ
ングストップ領域)4を形成し、当該各閉領域内にはフ
ローティング部8を1つだけ配置し、各フローティング
部8の外周のボロン拡散領域(エッチングストップ領
域)3の全周を空隙(溝6)を介してボロン拡散領域
(エッチングストップ領域)4と対向させるべきものと
考えられていた。これは、図4に示すようなフローティ
ング部17を1次元状又は2次元状に配列して基板2に
複数形成する場合についても同様であり、エッチングス
トップ領域を用いた異方性エッチングによりフローティ
ング部を形成する場合の技術常識となっていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、前記
各従来技術によりフローティング単結晶薄膜を形成する
と、フローティング単結晶薄膜下に空隙が延びるだけで
なく、フローティング単結晶薄膜を形成する方向と逆の
方向にもエッチングが進み、周辺にも空隙が形成されて
しまう。この様子を図4(b)を参照して詳細に説明す
ると、溝11の底部の領域13の右端からフローティン
グ単結晶薄膜14の中心までの距離L2と同じ距離L1
だけ領域13の左端から空隙16が形成される。このL
1に相当する空隙16が、不要の空隙に当たる。この空
隙16は、単結晶基板に作成するフローティング単結晶
薄膜が1個であったり、複数であっても集積度を上げよ
うとしなければ、問題でない。しかし、複数のフローテ
ィング単結晶薄膜構造を1素子(装置、デバイス)上に
集積しようとする場合、特にデザインルールを微細化し
その集積度を上げようとすると、前記空隙16が大きな
問題となり、フローティング単結晶薄膜を有する装置の
集積度を上げることができないことが判明した。
【0010】そこで、本発明者らは、各々が基板により
支持部を介して支持されて浮き2次元状に配列された複
数のフローティング部を備え、前記各フローティング部
に所定の素子が形成された半導体装置の一例として、図
5に示すような赤外線撮像装置を発明した。
【0011】図5は本発明と比較される比較例としての
赤外線撮像装置を示す図であり、図5(a)はその単位
画素を示す概略平面図、図5(b)は図5(a)中のV
−V’線に沿った概略断面図、図5(c)は図5(b)
中の一部拡大図である。
【0012】この赤外線撮像装置は、図5に示すよう
に、基板としての面方位(111)のN型シリコン単結
晶基板20と、該シリコン単結晶基板20に形成された
その一部からなるフローティング単結晶薄膜21と、フ
ローティング単結晶薄膜21の外周に形成された第2の
エッチングストップ領域としての例えばボロン拡散領域
のP型の高濃度不純物拡散領域22と、不純物拡散領域
22の外側に形成されたエッチング開始用溝23であっ
てフローティング単結晶薄膜21下に空隙24を形成す
るための異方性エッチングを開始するためのエッチング
開始用溝23と、エッチング開始用溝23の外側に形成
された第1のエッチングストップ領域としての例えばボ
ロン拡散領域のP型の高濃度不純物拡散領域25と、シ
リコン単結晶基板20に形成されたCCD等の信号転送
回路26とを備えている。不純物拡散領域25の深さは
不純物拡散領域22の深さより深く、また、不純物拡散
領域25はエッチング開始用溝23の底部分の一部に及
んでいる。なお、図5(b)(c)中、27はシリコン
酸化膜である。図5(a)では、該シリコン酸化膜27
及びこれの上に形成された金属配線等は省略されてい
る。前記フローティング単結晶薄膜21、不純物拡散領
域22及びフローティング単結晶薄膜21に形成された
後述する各要素が、フローティング部30を構成してい
る。
【0013】各フローティング単結晶薄膜21にショッ
トキーサーミスタが形成され、熱型赤外線センサが構成
されている。すなわち、各フローティング部30は、図
5(c)に示すように、フローティング単結晶薄膜21
上に白金からなる薄膜が成膜されて形成された白金シリ
サイド28と、P-拡散領域からなるガードリング29
とを有している。フローティング単結晶薄膜21のシリ
コンと白金シリサイド28とにより、ショットキー接合
が形成されている。各フローティング部30は、基板2
0により2つの支持脚31a,31bを介して浮いた状
態に支持されている。該支持脚31a,31bは、金属
等の良導電体で形成され、前記ショットキー接合の両側
をそれぞれ信号転送回路26と接続する配線を兼ねてい
る。すなわち、図面には示していないが、一方の支持脚
31aの一方側部分は、フローティング部30のシリコ
ン酸化膜27上に延在して、フローティング単結晶薄膜
21に形成されたN+拡散領域32にコンタクトホール
を介してオーミックコンタクトがとられ、支持脚31a
の他方側部分は、不純物拡散領域25上のシリコン酸化
膜27を経て信号転送回路26上のシリコン酸化膜27
に延在して、コンタクトホールを介して信号転送回路2
6の所定箇所に接続されている。また、他方の支持脚3
1bの一方側部分は、フローティング部30のシリコン
酸化膜27上に延在して、前記ショットキー接合の白金
シリサイド28側もしくはガードリング29にコンタク
トホールを介して接続され、支持脚31bの他方側部分
は、不純物拡散領域25上のシリコン酸化膜27を経て
信号転送回路26上のシリコン酸化膜27に延在して、
コンタクトホールを介して信号転送回路26の他の所定
箇所に接続されている。熱型赤外線センサは断熱性が高
いほど感度が高くなるため、支持脚31a,31bは、
できるだけ断面積が小さくて長さが長いものであること
が好ましい。このため、図5に示す赤外線撮像装置で
は、支持脚31a,31bの断面積が極力小さくされる
とともに、図5(a)に示すようにL字状に構成されて
いる。なお、図面には示していないが、白金シリサイド
28の上方には、赤外線吸収膜が成膜されている。この
熱型赤外線センサは、赤外線を前記赤外線吸収膜で熱に
変換し、前記ショットキー接合の逆方向電流又は順方向
電流の温度依存性により赤外線を検出する高感度の非冷
却赤外線センサである。
【0014】図5に示す赤外線撮像装置では、図5に示
す単位画素が互いに隙間をあけることなく2次元状に複
数配列されており、前述した従来の技術常識に従って、
フローティング部30の数と同数の閉領域を区画するよ
うに不純物拡散領域25が形成され、当該各閉領域内に
はフローティング部30がそれぞれ1つだけ配置され、
各フローティング部30の外周の不純物拡散領域22の
全周が空隙(溝)23を介して不純物拡散領域25と対
向している。
【0015】図5に示す赤外線撮像装置では、図3及び
図4に示す従来技術と異なり、不純物拡散領域25の深
さは不純物拡散領域22の深さより深い。このため、基
板20に不純物拡散領域22,25及びエッチング開始
用溝23を予め形成しておき、当該エッチング開始用溝
23から異方性エッチングを行えば、当該異方性エッチ
ングはフローティング単結晶薄膜21を形成する方向に
は進行するものの、それと逆の方向のその異方性エッチ
ングの進行が第2の領域により阻止され、フローティン
グ単結晶薄膜21の周辺には空隙が形成されない。この
ため、図5に示す赤外線撮像装置では、図3及び図4に
示す従来技術と比べて、装置の集積度を上げることがで
きる。
【0016】ここで、図5に示す赤外線撮像装置の各部
の寸法例について、説明する。1画素の面積が50μm
×50μmで与えられる場合、そのうち信号転送回路2
6に用いる面積が10μm×50μmであれば、残りの
面積は40μm×50μmとなる。この残りの面積のう
ち不純物拡散領域(エッチングストップ領域)25の幅
を3μm幅、支持脚31a,31bの幅をそれぞれ2μ
m、支持脚31a,31bとフローティング部30との
間隔及び支持脚31a,31bと不純物拡散領域25と
の間隔をそれぞれ1μmとした場合、図5から明らかな
ように、平面積36μm×26μm(=936μm2
のフローティング部30が得られる。
【0017】本発明は、図5に示すような装置の観点
(2つのエッチングストップ領域の深さを変えることに
より、異方性エッチングで形成する空隙がフローティン
グ単結晶薄膜の周辺に延びるのを阻止する点)とは別の
観点から図3及び図4に示す従来技術に比べて装置の集
積度を上げることができる、複数のフローティング部を
有する半導体装置を提供すること、及び、当該半導体装
置の製造に用いることができる、複数のフローティング
単結晶薄膜の形成方法を提供することを目的とする。
【0018】また、本発明は、図3及び図4に示す従来
技術のみならず図5に示すような装置と比べても、装置
の集積度を上げることができる、複数のフローティング
部を有する半導体装置を提供すること、及び、当該半導
体装置の製造に用いることができる、複数のフローティ
ング単結晶薄膜の形成方法を提供することを目的とす
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様によ
る半導体装置は、各々が基板により支持部を介して支持
されて浮いた複数のフローティング部であって、1次元
状又は2次元状に配列された複数のフローティング部を
備え、前記各フローティング部に所定の素子が形成され
た半導体装置であって、前記基板には、1つ以上の閉領
域を区画するように、第1のエッチングストップ領域が
形成され、前記各フローティング部における外周部分に
第2のエッチングストップ領域が形成され、前記1つ以
上の閉領域の各々内に、前記複数のフローティング部の
うちの2つ以上のフローティング部がそれぞれ配置さ
れ、前記1つ以上の閉領域の各々内に配置された前記2
つ以上のフローティング部のうちの隣り合う少なくとも
1対のフローティング部の前記第1のエッチングストッ
プ領域における互いに隣接した部分同士が、空隙を介し
て対向したものである。
【0020】この第1の態様では、第1のエッチングス
トップ領域が区画する1つ以上の閉領域の各々内に2つ
以上のフローティング部がそれぞれ配置され、前記1つ
以上の閉領域の各々内に配置された前記2つ以上のフロ
ーティング部のうちの隣り合う少なくとも1対のフロー
ティング部の前記第1のエッチングストップ領域におけ
る互いに隣接した部分同士が、空隙を介して対向してい
る。したがって、前述した従来の場合のように、フロー
ティング部の数と同数の閉領域を区画するように第1の
エッチングストップ領域を形成し、当該各閉領域内にそ
れぞれフローティング部を1つだけ配置し、各フローテ
ィング部の外周の第2のエッチングストップ領域の全周
を空隙を介して第1のエッチングストップ領域と対向さ
せる場合に比べて、前記第1の態様では、第1のエッチ
ングストップ領域の一部が省略されていることになる。
このため、前記第1の態様によれば、前述した図3及び
図4に示す従来技術に比べて、全体の面積に占める第1
のエッチングストップ領域の面積の割合を小さくするこ
とができ、ひいては、フローティング部が占める面積の
比を大きくすることができる。その結果、前記第1の態
様によれば、図3及び図4に示す従来技術に比べて、フ
ローティング部の面積が同一ならば集積度を上げること
ができるとともに、集積度が同一ならばフローティング
部の面積を大きくして例えば開口率等を向上させること
ができる。
【0021】本発明の第2の態様による半導体装置は、
前記第1の態様による半導体装置において、前記第1の
エッチングストップ領域の深さが前記第2のエッチング
ストップ領域の深さよりも深いものである。
【0022】この第2の態様によれば、第2のエッチン
グストップ領域の一部が省略されていることにより装置
の集積度が上がるのみならず、前述した図5に示す装置
と同様に、第1のエッチングストップ領域の深さが第2
のエッチングストップ領域の深さより深いので、異方性
エッチングで形成する空隙が第2のエッチングストップ
領域によって区画される閉領域の外側に延びるのを阻止
することができることから、更に装置の集積度を上げる
ことができる。したがって、この第2の態様によれば、
図3及び図4に示す従来技術のみならず図5に示すよう
な装置と比べても、装置の集積度を上げることができ
る。
【0023】なお、前記第1及び第2の態様において
は、基板がシリコン単結晶基板であり、前記第1及び第
2のエッチングストップ領域が、不純物拡散領域、ある
いはシリコン酸化物、あるいは不純物拡散領域とシリコ
ン酸化物との組み合わせからなるものであってもよい。
【0024】本発明の第3の態様による複数のフローテ
ィング単結晶薄膜の形成方法は、異方性エッチングに対
してエッチング速度が最も遅い結晶面を表面とする単結
晶基板を用い、該単結晶基板にその一部からなる複数の
フローティング単結晶薄膜であって1次元状又は2次元
状に配列された複数のフローティング単結晶薄膜を形成
する方法において、(a)1つ以上の閉領域を区画し前
記異方性エッチングではほとんどエッチングされない第
1のエッチングストップ領域、前記1つ以上の閉領域の
各々内の2つ以上のフローティング単結晶薄膜の形成予
定領域の外周に位置し前記異方性エッチングではほとん
どエッチングされない第2のエッチングストップ領域、
及び、前記異方性エッチングを開始するためのエッチン
グ開始用溝であって、前記1つ以上の閉領域の各々内で
かつ当該閉領域内の前記第2のエッチングストップ領域
の外側において、前記第1のエッチングストップ領域に
おける当該閉領域を区画する部分に沿った位置と、当該
閉領域内の前記2つ以上の形成予定領域のうちの隣り合
う少なくとも1対の形成予定領域に応じて形成された前
記第2のエッチングストップ領域における互いに隣接し
た部分同士の間の位置とに配置されたエッチング開始用
溝を、前記単結晶基板に形成する第1の工程と、(b)
前記異方性エッチングにより前記エッチング開始用溝か
ら前記単結晶基板の一部をエッチング除去して前記複数
のフローティング単結晶薄膜を形成する第2の工程とを
備えたものである。
【0025】本発明の第4の態様による複数のフローテ
ィング単結晶薄膜の形成方法は、前記第3の態様による
形成方法において、前記第1のエッチングストップ領域
の深さを前記第2のエッチングストップ領域の深さより
も深くしたものである。
【0026】前記第3及び第4の態様による複数のフロ
ーティング単結晶薄膜の形成方法はそれぞれ、前記第1
及び第2の態様による半導体装置の製造に用いることが
できるものである。
【0027】なお、前記第3及び第4の態様による形成
方法は、次の第5乃至第15の態様による形成方法を含
む。
【0028】本発明の第5の態様による複数のフローテ
ィング単結晶薄膜の形成方法は、前記第3又は第4の態
様による形成方法において、前記第1のエッチングスト
ップ領域が前記エッチング開始用溝の底部分の少なくと
も一部に及んでいるものである。
【0029】本発明の第6の態様による複数のフローテ
ィング単結晶薄膜の形成方法は、前記第3乃至第5のい
ずれかの態様による形成方法おいて、前記第1の工程
は、前記第2のエッチングストップ領域の形成予定領域
付近において前記単結晶基板に第1の溝を形成し、該第
1の溝を用いて前記第2のエッチングストップ領域を形
成する工程を含むものである。
【0030】本発明の第7の態様による複数のフローテ
ィング単結晶薄膜の形成方法は、前記第6の態様による
形成方法において、前記第2のエッチングストップ領域
を形成する前記工程は、前記第1の溝から前記第2のエ
ッチングストップ領域を形成するための不純物を熱拡散
する工程を含むものである。
【0031】本発明の第8の態様による複数のフローテ
ィング単結晶薄膜の形成方法は、前記第6の態様による
形成方法において、前記第2のエッチングストップ領域
を形成する前記工程は、前記第1の溝の内壁を酸化して
酸化膜を形成する工程を含むものである。
【0032】本発明の第9の態様による複数のフローテ
ィング単結晶薄膜の形成方法は、前記第3乃至第8のい
ずれかの態様による形成方法において、前記第1の工程
は、前記第1のエッチングストップ領域の形成予定領域
付近において前記単結晶基板に第2の溝を形成し、該第
2の溝を用いて前記第1のエッチングストップ領域を形
成する工程を含むものである。
【0033】本発明の第10の態様による複数のフロー
ティング単結晶薄膜の形成方法は、前記第9の態様によ
る形成方法において、前記第1のエッチングストップ領
域を形成する前記工程は、前記第2の溝から前記第1の
エッチングストップ領域を形成するための不純物を熱拡
散する工程を含むものである。
【0034】本発明の第11の態様による複数のフロー
ティング単結晶薄膜の形成方法は、前記第9の態様によ
る形成方法において、前記第1のエッチングストップ領
域を形成する前記工程は、前記第2の溝の内壁を酸化し
て酸化膜を形成する工程を含むものである。
【0035】本発明の第12の態様による複数のフロー
ティング単結晶薄膜の形成方法は、前記第6乃至11の
いずれかの態様による形成方法において、前記第1の工
程は、前記第1及び第2の溝を所定材料で略々埋め戻す
工程を更に含むものである。
【0036】本発明の第13の態様による複数のフロー
ティング単結晶薄膜の形成方法は、前記第3乃至第5の
いずれかの態様による形成方法において、前記第1の工
程は、前記第1のエッチングストップ領域の形成予定領
域を含む領域及び前記第2のエッチングストップ領域の
形成予定領域を含む領域のうちの一方又は両方に、イオ
ン注入法により、前記第1のエッチングストップ領域及
び前記第2のエッチングストップ領域のうちの対応する
領域を形成するための不純物を拡散する工程を含むもの
である。
【0037】本発明の第14の態様による複数のフロー
ティング単結晶薄膜の形成方法は、前記第3乃至第5の
いずれかの態様による形成方法において、前記第1の工
程は、前記第1の領域の形成予定領域を含む領域及び前
記第2の領域の形成予定領域を含む領域に前記異方性エ
ッチングではほとんどエッチングされない領域を形成す
る工程と、少なくとも当該ほとんどエッチングされない
領域の一部をエッチング除去することにより、前記エッ
チング開始用溝を形成する工程と、を含むものである。
【0038】本発明の第15の態様による複数のフロー
ティング単結晶薄膜の形成方法は、前記第3乃至第14
のいずれかの態様による形成方法において、前記単結晶
基板がシリコン単結晶基板であり、第1の領域及び第2
の領域が、不純物拡散領域、あるいはシリコン酸化物、
あるいは不純物拡散領域とシリコン酸化物との組み合わ
せからなるものである。
【0039】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施の形態に
よる半導体装置としての赤外線撮像装置について、図1
を参照して説明する。
【0040】図1(a)は本実施の形態による赤外線撮
像装置の4画素分を示す概略平面図、図1(b)は図1
(a)中のI−I’線に沿った概略断面図である。図1
において、図5中の要素と同一又は対応する要素には同
一符号を付している。
【0041】本実施の形態による赤外線撮像装置は、図
1に示すように、基板としての面方位(111)のN型
シリコン単結晶基板20と、各々がシリコン単結晶基板
20により支持脚(支持部)31a,31bを介して支
持されて浮き2次元状に配列された複数のフローティン
グ部30と、シリコン単結晶基板20に形成されたCC
D等の信号転送回路26とを備えている。
【0042】各フローティング部30は、シリコン単結
晶基板20に形成されたその一部からなるフローティン
グ単結晶薄膜21と、該フローティング単結晶薄膜21
の外周に形成された第2のエッチングストップ領域とし
ての例えばボロン拡散領域のP型の高濃度不純物拡散領
域22とを有している。
【0043】本実施の形態では、図1(a)に示すよう
に、シリコン単結晶基板20には、複数の閉領域を区画
するように、第1のエッチングストップ領域としての例
えばボロン拡散領域のP型の高濃度不純物拡散領域25
が形成されている。そして、本実施の形態では、図5に
示す赤外線撮像装置と異なり、不純物拡散領域25によ
り区画された各閉領域内にはそれぞれ2つのフローティ
ング部30(図1(a)では左右に隣り合う1対のフロ
ーティング部30)が配置されている。不純物拡散領域
25により区画された各閉領域内の左右に隣り合う1対
のフローティング部30の不純物拡散領域22における
互いに隣接した部分同士(すなわち、図1(a)中の左
側フローティング部30の不純物拡散領域22の右辺部
分と右側フローティング部30の不純物拡散領域22の
左辺部分)が、図1(b)に示すように、空隙(後述す
るエッチング開始用溝に相当)23を介して対向してい
る。すなわち、図5に示す赤外線撮像装置では、左側フ
ローティング部30の不純物拡散領域22の右辺部分と
右側フローティング部30の不純物拡散領域22の左辺
部分との間にも不純物拡散領域25が配置されるのに対
し、本実施の形態では、この部分の不純物拡散領域25
が省略されていることになる。
【0044】また、不純物拡散領域25により区画され
た各閉領域内でかつ当該閉領域内の隣り合う1対の不純
物拡散領域22の外側において、不純物拡散領域25に
おける当該閉領域を区画する部分に沿った位置と、当該
閉領域内の1対のフローティング部30における不純物
拡散領域における互いに隣接した部分同士の間の位置と
には、フローティング単結晶薄膜21下に空隙24を形
成するための異方性エッチングを開始するためのエッチ
ング開始用溝23が、シリコン単結晶基板20に形成さ
れている。
【0045】不純物拡散領域25の深さは不純物拡散領
域22の深さより深く、また、不純物拡散領域25はエ
ッチング開始用溝23の底部分の一部に及んでいる。も
っとも、本発明では、不純物拡散領22,25の深さは
同一であってもよいし、不純物拡散領域25はエッチン
グ開始用溝23の底部分に及んでいなくてもよい。な
お、図1(b)中、27はシリコン酸化膜である。図1
(a)では、該シリコン酸化膜27及びこれの上に形成
された金属配線等は省略されている。前記フローティン
グ単結晶薄膜21、不純物拡散領域22及びフローティ
ング単結晶薄膜21に形成された後述する各要素が、フ
ローティング部30を構成している。
【0046】図1には示していないが、本実施の形態に
おいても、前記各フローティング部30は図5に示す赤
外線撮像装置のフローティング部30と同様に構成され
ており、各フローティング単結晶薄膜21にショットキ
ーサーミスタが形成され、熱型赤外線センサが構成され
ている。すなわち、本実施の形態においても、各フロー
ティング部30は、図5(c)に示すように、フローテ
ィング単結晶薄膜21上に白金からなる薄膜が成膜され
て形成された白金シリサイド28と、P-拡散領域から
なるガードリング29とを有している。フローティング
単結晶薄膜21のシリコンと白金シリサイド28とによ
り、ショットキー接合が形成されている。各フローティ
ング部30は、基板20により2つの支持脚31a,3
1bを介して浮いた状態に支持されている。本実施の形
態においても、該支持脚31a,31bは、金属等の良
導電体で形成され、前記ショットキー接合の両側をそれ
ぞれ信号転送回路26と接続する配線を兼ねている。す
なわち、図面には示していないが、一方の支持脚31a
の一方側部分は、フローティング部30のシリコン酸化
膜27上に延在して、フローティング単結晶薄膜21に
形成されたP+拡散領域32にコンタクトホールを介し
てオーミックコンタクトがとられ、支持脚31aの他方
側部分は、不純物拡散領域25上のシリコン酸化膜27
を経て信号転送回路26上のシリコン酸化膜27に延在
して、コンタクトホールを介して信号転送回路26の所
定箇所に接続されている。また、他方の支持脚31bの
一方側部分は、フローティング部30のシリコン酸化膜
27上に延在して、前記ショットキー接合の白金シリサ
イド28側にコンタクトホールを介して接続され、支持
脚31bの他方側部分は、不純物拡散領域25上のシリ
コン酸化膜27を経て信号転送回路26上のシリコン酸
化膜27に延在して、コンタクトホールを介して信号転
送回路26の他の所定箇所に接続されている。熱型赤外
線センサは断熱性が高いほど感度が高くなるため、支持
脚31a,31bは、できるだけ断面積が小さくて長さ
が長いものであることが好ましい。このため、本実施の
形態においても、支持脚31a,31bの断面積が極力
小さくされるとともに、図1(a)に示すようにL字状
に構成されている。なお、図面には示していないが、白
金シリサイド28の上方には、赤外線吸収膜が成膜され
ている。この熱型赤外線センサは、赤外線を前記赤外線
吸収膜で熱に変換し、前記ショットキー接合の逆方向電
流又は順方向電流の温度依存性により赤外線を検出する
高感度の非冷却赤外線センサである。フローティング単
結晶薄膜21には、前記ショットキー接合に代えて、サ
ーミスタボロメータ、あるいはサーモカップル等の熱型
赤外線センサを形成してもよい。この熱型赤外線センサ
は、赤外線を吸収し熱に変換して温度変化を抵抗変化や
起電力変化に変換する原理によるところの高感度の非冷
却赤外線センサである。また、フローティング部21に
適宜所望の素子を形成すれば、赤外線撮像装置以外の他
の半導体装置を構成することもできる。
【0047】本実施の形態では、信号転送回路26とし
てCCD等が用いられているので、当該信号転送回路2
6は各フローティング部の近くに配置することが好まし
い。そこで、図1(a)中の左右に隣り合う2画素は左
右に対称に構成されている。そして、本実施の形態で
は、当該2画素を1単位としてこれが互いに隙間をあけ
ることなく2次元状に複数配列されている。なお、XY
アドレス方式等による信号転送回路を採用する場合に
は、当該信号転送回路は必ずしも各フローティング部の
近くに配置する必要はないので、例えば、不純物拡散領
域25が区画する各閉領域内に4つのフローティング部
を一列に配置し、隣り合うフローティング部間の不純物
拡散領域25を全て省略することもできる。
【0048】本実施の形態による赤外線撮像装置では、
前述したように、左側フローティング部30の不純物拡
散領域22の右辺部分と右側フローティング部30の不
純物拡散領域22の左辺部分との間には、不純物拡散領
域25が配置されずに省略されている。このため、本実
施の形態によれば、図5に示す赤外線撮像装置に比べ
て、画素に占める不純物拡散領域25の面積の割合を小
さくすることができ、ひいては、フローティング部30
が占める面積の比を大きくすることができる。その結
果、本実施の形態によれば、フローティング部の面積が
同一ならば画素面積を小さくして集積度を上げることが
できるとともに、図5に示す赤外線撮像装置に比べて、
集積度が同一ならばフローティング部30の面積を大き
くして開口率を向上させることができる。なお、高濃度
の不純物拡散領域22は受光部として有効に活用するこ
とができるものの、高濃度の不純物拡散領域25には転
送回路27を作ることはできず、不純物拡散領域25は
有効に活用し難い。
【0049】また、本実施の形態による赤外線撮像装置
では、図5に示す赤外線撮像装置と同様に、図3及び図
4に示す従来技術と異なり、不純物拡散領域25の深さ
は不純物拡散領域22の深さより深い。このため、基板
20に不純物拡散領域22,25及びエッチング開始用
溝23を予め形成しておき、当該エッチング開始用溝2
3から異方性エッチングを行えば、当該異方性エッチン
グはフローティング単結晶薄膜21を形成する方向には
進行するものの、それと逆の方向のその異方性エッチン
グの進行が第2の領域により阻止され、フローティング
単結晶薄膜21の周辺には空隙が形成されない。このた
め、図5に示す赤外線撮像装置では、図3及び図4に示
す従来技術と比べて、装置の集積度を上げることができ
る。
【0050】ここで、本実施の形態による赤外線撮像装
置の各部の寸法例について、説明する。1画素の面積が
50μm×50μmで与えられる場合、そのうち信号転
送回路26に用いる面積が10μm×50μmであれ
ば、残りの面積は40μm×50μmとなる。この残り
の面積のうち不純物拡散領域(第1のエッチングストッ
プ領域)25の幅を3μm幅、支持脚31a,31bの
幅をそれぞれ2μm、支持脚31a,31bとフローテ
ィング部30との間隔及び支持脚31a,31bと不純
物拡散領域25との間隔をそれぞれ1μmとした場合、
図1から明らかなように、平面積39μm×29μm
(=1131μm2のフローティング部30が得られ
る。この平面積は、前提となる各部の寸法を同一にした
場合に得られる図5に示す赤外線撮像装置のフローティ
ング部30の平面積36μm×26μm(=936μm
2)に比べて、20%以上増加している。
【0051】次に、前述した図1に示す赤外線撮像装置
の製造に際して用いることができる複数のフローティン
グ単結晶薄膜の形成方法の一例について、図2を参照し
て説明する。
【0052】図2は、本発明の一実施の形態による複数
のフローティング単結晶薄膜の形成方法の各工程を示す
概略断面図であり、図1(b)に対応している。図2で
は、特に、図1(b)中の左側部分及び中央部分に相当
する部分を拡大して示している。なお、図2において、
図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付
している。
【0053】この形成方法は、基板として面方位(11
1)のN型(不純物濃度約1×1016/cm3)シリコ
ン単結晶基板20を用い、1画素の面積が50μm×5
0μm、うち転送回路27に用いる面積が10μm×5
0μm、残りの面積40μm×50μmのうちエッチン
グストップ領域25を3μm幅、支持脚を2μm幅、エ
ッチング開始用開口の幅を1μmとした場合、平面積が
39μm×29μmで厚さが1μmのフローティング単
結晶薄膜21を形成する例である。
【0054】図2(a)は、シリコン単結晶基板20に
図1(a)中の第1のエッチングストップ領域として不
純物拡散領域25の予定領域を含む領域に、ボロンを拡
散したP型の高濃度不純物拡散領域25aを、第2のエ
ッチングストップ領域としての不純物拡散領域22の予
定領域を含む領域に、ボロン等の不純物を拡散したP型
の高濃度不純物拡散領域22aを形成した段階である。
その不純物濃度としては約2×1020/cm3で、その
接合深さはこの後に加えられる熱処理を含め最終的に領
域25aは3μm、領域22aは1μmとなるようにす
る。不純物の導入方法としては、気相拡散や固相拡散な
どの熱拡散あるいはイオン注入法のいずれでも可能であ
る。例えばイオン注入ならば、1500オングストロー
ムのシリコン酸化膜27を形成し更にその上にボロン拡
散したくない部分をレジストパターンで覆い、加速エネ
ルギー400KeVで1×1016個/cm2注入すれば
よい。その後、レジストを剥離して、アニールすること
により希望の接合深さを得る。本実施例の形態では、不
純物拡散領域25aから約2μm離してP型の高濃度不
純物拡散領域22aが形成される。また、図1(b)中
の中央部分に相当する箇所においては、互いに約6μm
(例えば5μmでもよく、この場合、後述する図2
(b)に示す隣り合う支持脚31bと支持脚31bとの
間隔は1μmとされる。)離して2つの高濃度不純物拡
散領域22aが形成される。不純物拡散領域22aは、
不純物濃度が約2×1020/cm3で、この接合深さが
フローティング単結晶薄膜21の厚みを決定する。その
様子を図2(a)に示す。
【0055】次に、シリコン酸化膜27をフォトリソ・
エッチングでパターニングし、ボロン拡散領域25aの
一部およびボロン拡散領域22aの一部とその間に囲ま
れた拡散されていない領域の合計約4μmの幅を露出さ
せる。同時に、図1(b)中の中央部分に相当する箇所
においては、ボロン拡散領域25aの一部およびボロン
拡散領域22aの一部とその間に囲まれた拡散されてい
ない領域の合計約8μmの幅を露出させる。この場合の
エッチングは、ドライエッチング、ウェットエッチング
のいずれでもよい。この露出した領域は、フローティン
グ単結晶薄膜21の下に空隙24を形成する異方性エッ
チングを開始するためのエッチング開始用溝23に対応
している。この露出した領域にフローティング単結晶薄
膜21を空中に保持する支持脚31a,31bを形成す
る。この支持脚31a,31bは、通常配線を兼ねてい
るのでTi等の金属薄膜をSiNなどの保護膜で覆った
ものとなっている。また、この支持脚31a,31bは
拡散領域25a、22aと重ならないように幅を2μm
以下として配置する。この様子を図2(b)に示す。
【0056】次に、支持脚31a,31bの部分を除い
たシリコン酸化膜27除去領域において、フォトリソ・
エッチングで2μmの深さまでシリコン基板20をエッ
チングして、エッチング開始用溝23を形成する。この
エッチングには異方性が高いドライエッチングを用いる
とより微細な加工ができる。例えば、酸素45scc
m、フッ化イオウ(SF6)135sccm、0.4t
orr、125Wでフォトレジストをマスクにしてプラ
ズマエッチングを行うことによりシリコンを選択的に除
去できる。このエッチング開始用溝23の形成により残
った不純物拡散領域25aの部分及び不純物拡散領域2
2aの部分が、それぞれ図1(b)中の不純物拡散領域
25(第1のエッチングストップ領域)及び不純物拡散
領域22(第2のエッチングストップ領域)となる。こ
の時、エッチング開始用溝23の深さは、拡散領域22
aの深さよりも深くされるととともに、拡散領域25a
の深さよりも浅くされている。エッチング開始用溝23
の深さと拡散領域22aの深さとの差は、この後行う異
方性エッチングが的確に進行する間隔で決まる。また、
この差が、フローティング単結晶薄膜21と単結晶基板
20との間の空隙24の間隔を決める。エッチング開始
用溝23の深さと拡散領域25aの深さとの差は、KO
H水溶液などによる異方性エッチングが外周部に(図2
(c)中では左側方向に)広がらないように決める。こ
れら2つの値は、当然のことながら、プロセスのバラツ
キを考慮して決める。この様子を図2(c)に示す。
【0057】最後に、KOH水溶液などにより異方性エ
ッチングを行い、エッチング開始用溝23から単結晶基
板20の一部をエッチング除去する。この様子を図2
(d)に示す。これにより、図1(b)に示すように、
空隙24が形成されるとともに支持脚31a,31bの
下方部分も除去され、フローティング単結晶薄膜21の
形成が完了する。フローティング単結晶薄膜21を形成
する方向と逆の方向のこの異方性エッチングの進行は、
不純物拡散領域(第1のエッチングストップ領域)25
により阻止され、図1に示すように、フローティング単
結晶薄膜21の周辺には空隙が形成されない。
【0058】なお、フローティング単結晶薄膜21に所
望の素子を作り込む段階は、エッチング開始用溝23を
形成する前に行うことが望ましいが、その説明について
は省略する。
【0059】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではな
い。
【0060】例えば、前述した実施の形態では、第1及
び第2のエッチングストップ領域が高濃度不純物拡散領
域であったが、第1及び第2のエッチングストップ領域
は、シリコン酸化物、あるいは不純物拡散領域とシリコ
ン酸化物との組み合わせからなるものであってもよい。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来技術に比べて、フローティング部の面積が同一なら
ば集積度を上げることができるとともに、集積度が同一
ならばフローティング部の面積を大きくして例えば開口
率等を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による赤外線撮像装置の
4画素分を示す概略であり、図1(a)はその概略平面
図、図1(b)は図1(a)中のI−I’線に沿った断
面図である。
【図2】本発明の一実施の形態によるフローティング単
結晶薄膜の形成方法の各工程を示す概略断面図である。
【図3】従来のフローティング単結晶薄膜の形成方法に
より形成されたフローティング単結晶薄膜の断面構造を
示す図である。
【図4】従来の他のフローティング単結晶薄膜の形成方
法の工程を示す断面図である。
【図5】従来のフローティング単本発明と比較される比
較例としての赤外線撮像装置を示す図であり、図5
(a)はその単位画素を示す概略平面図、図5(b)は
図5(a)中のV−V’線に沿った概略断面図、図5
(c)は図5(b)中の一部拡大図である。
【符号の説明】
20 シリコン単結晶基板 21 フローティング単結晶薄膜 22 高濃度不純物拡散領域(第2のエッチングストッ
プ領域) 23 エッチング開始用溝 24 空隙 25 高濃度不純物拡散領域(第1のエッチングストッ
プ領域) 26 信号転送回路 27 シリコン酸化膜 30 フローティング部 31a,31b 支持脚 27 転送回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各々が基板により支持部を介して支持さ
    れて浮いた複数のフローティング部であって、1次元状
    又は2次元状に配列された複数のフローティング部を備
    え、前記各フローティング部に所定の素子が形成された
    半導体装置であって、 前記基板には、1つ以上の閉領域を区画するように、第
    1のエッチングストップ領域が形成され、 前記各フローティング部における外周部分に第2のエッ
    チングストップ領域が形成され、 前記1つ以上の閉領域の各々内に、前記複数のフローテ
    ィング部のうちの2つ以上のフローティング部がそれぞ
    れ配置され、 前記1つ以上の閉領域の各々内に配置された前記2つ以
    上のフローティング部のうちの隣り合う少なくとも1対
    のフローティング部の前記第1のエッチングストップ領
    域における互いに隣接した部分同士が、空隙を介して対
    向したことを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記第1のエッチングストップ領域の深
    さが前記第2のエッチングストップ領域の深さよりも深
    いことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 異方性エッチングに対してエッチング速
    度が最も遅い結晶面を表面とする単結晶基板を用い、該
    単結晶基板にその一部からなる複数のフローティング単
    結晶薄膜であって1次元状又は2次元状に配列された複
    数のフローティング単結晶薄膜を形成する方法におい
    て、 1つ以上の閉領域を区画し前記異方性エッチングではほ
    とんどエッチングされない第1のエッチングストップ領
    域、前記1つ以上の閉領域の各々内の2つ以上のフロー
    ティング単結晶薄膜の形成予定領域の外周に位置し前記
    異方性エッチングではほとんどエッチングされない第2
    のエッチングストップ領域、及び、前記異方性エッチン
    グを開始するためのエッチング開始用溝であって、前記
    1つ以上の閉領域の各々内でかつ当該閉領域内の前記第
    2のエッチングストップ領域の外側において、前記第1
    のエッチングストップ領域における当該閉領域を区画す
    る部分に沿った位置と、当該閉領域内の前記2つ以上の
    形成予定領域のうちの隣り合う少なくとも1対の形成予
    定領域に応じて形成された前記第2のエッチングストッ
    プ領域における互いに隣接した部分同士の間の位置とに
    配置されたエッチング開始用溝を、前記単結晶基板に形
    成する第1の工程と、 前記異方性エッチングにより前記エッチング開始用溝か
    ら前記単結晶基板の一部をエッチング除去して前記複数
    のフローティング単結晶薄膜を形成する第2の工程とを
    備えたことを特徴とする複数のフローティング単結晶薄
    膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 前記第1のエッチングストップ領域の深
    さが前記第2のエッチングストップ領域の深さよりも深
    いことを特徴とする請求項3記載の複数のフローティン
    グ単結晶薄膜の形成方法。
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