JPH1137601A - 複数エンジン起動制御方法 - Google Patents

複数エンジン起動制御方法

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JPH1137601A
JPH1137601A JP18998797A JP18998797A JPH1137601A JP H1137601 A JPH1137601 A JP H1137601A JP 18998797 A JP18998797 A JP 18998797A JP 18998797 A JP18998797 A JP 18998797A JP H1137601 A JPH1137601 A JP H1137601A
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哉 中村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、同一の交流電源によって起動されるエ
ンジンが複数設置されている場合には、全てのエンジン
を同時起動できる大電力設備を設けており、多くの設備
投資や広大なスペースが必要で、多大な負担がかかって
いた。また、タイマー設定により複数のエンジンを順次
起動させると、無駄な時間が発生して、最初のエンジン
の起動開始から、最後のエンジンの起動終了までのタイ
ムラグが大きくなってしまっていた。 【解決手段】 各々のエンジンEから、該エンジンEの
起動に関する情報を発進する手段と、各エンジンEとの
通信、及び演算処理を行なうインターフェイス1とを設
けて、該インターフェイス1により、一括して各々のエ
ンジンEからの起動に関する情報を受信し、該起動に関
する情報を演算処理して、複数のエンジンEを、少ない
タイムラグにて一台ずつ順次起動した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のエンジンを
起動する、複数エンジン起動制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、同一の交流電源によって起動され
るエンジンが複数設置されている場合においては、全て
のエンジンを同時に起動させることができるだけの電力
設備が設けられていたが、該エンジンはセルモータを駆
動して起動させるために多くの電力を要していたので、
これらの電力を賄うために電力設備は非常に大きなもの
となっていた。また、特開平1−249962号公報な
どに記載の如く、タイマー設定により、複数のエンジン
を一定時間間隔毎に一台ずつ起動させて、電力設備であ
る交直変換器の小型化を図っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、全てのエンジ
ンを同時起動できるような大電力設備を設けると、多く
の初期設備投資が必要となり、また、広大なスペースを
必要とするので、使用者に多大な負担がかかることとな
っていた。また、前述のようにタイマー設定を行なっ
て、複数のエンジンを順次起動させることで、電力設備
の小型化を図ることができるが、エンジンの起動は電動
機の場合と比べると、起動時間にムラがあるため、起動
間隔は余裕を持った、十分に長い時間に設定する必要が
ある。これにより、あるエンジンの起動から次のエンジ
ンの起動までの間に無駄な時間が発生して、二台目以降
のエンジンの起動が遅くなってしまう。そして、起動さ
せるエンジンの台数が多くなると、最初のエンジンが起
動を開始してから最後のエンジンの起動完了までのタイ
ムラグが大きくなってしまっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するため
の手段を説明する。即ち、同一の交流電源によって複数
のエンジンを起動する場合において、各々のエンジンか
ら、該エンジンの起動に関する情報を発信する手段と、
起動に関する情報を演算処理する手段とを設けて、複数
のエンジンを、少ないタイムラグにて一台ずつ順次起動
するものである。
【0005】また、同一の交流電源によって複数のエン
ジンを起動する場合において、各々のエンジンから、該
エンジンの起動に関する情報を発信する手段と、各エン
ジンとの通信、及び演算処理を行なうインターフェイス
とを設けて、該インターフェイスにより、一括して各々
のエンジンからの起動に関する情報を受信し、該起動に
関する情報を演算処理して、複数のエンジンを、少ない
タイムラグにて一台ずつ順次起動するものである。
【0006】また、同一の交流電源によって複数のエン
ジンを起動する場合において、各々のエンジンから、該
エンジンの起動に関する情報を発信する手段と、各エン
ジンとの通信、及び演算処理を行なうインターフェイス
とを設けて、該インターフェイスと各々のエンジンとが
順次通信を行い、該インターフェイスが、各々のエンジ
ンから該エンジンの起動に関する情報である起動中情
報、又は起動許可要求情報、且つ起動優先順位情報を収
集し、全てのエンジンから起動に関する情報を収集した
後に、該インターフェイスが収集した情報に起動中情報
がある場合は、該インターフェイスから各々のエンジン
に発信する起動許可信号をクリアして、各々のエンジン
との通信を再開し、起動中情報が無く、起動許可要求情
報がある場合は、起動優先順位が最も高いエンジンにの
み起動許可を与えて、各エンジンとの通信を再開し、起
動中情報及び起動許可要求情報の両方が無い場合は、各
エンジンとの通信を再開し、各々のエンジンが、インタ
ーフェイスからの起動許可を受信した場合は、各エンジ
ンが受信した起動許可を、自局に対する起動許可である
と判断したエンジンのみが起動するように演算処理を行
なって、複数のエンジンを、少ないタイムラグにて一台
ずつ順次起動するものである。
【0007】また、請求項3記載の複数エンジン起動制
御方法において、前記インターフェイスと各々のエンジ
ンとを、1本の配線で接続する渡り配線によって接続
し、順次通信可能に構成したことである。
【0008】また、請求項3記載の複数エンジン起動制
御方法において、前記インターフェイスとの通信を一定
時間行なうことができない状態にあるエンジンが存在し
た場合には、警報を発信するように構成したことであ
る。
【0009】また、同一の交流電源によって複数のエン
ジンを起動する場合において、各々のエンジンから、該
エンジンの起動に関する情報を発信する手段と、該起動
に関する情報を演算処理する手段とを設けて、各々のエ
ンジン同士が相互通信を行なうように構成し、複数のエ
ンジンを、少ないタイムラグにて一台ずつ順次起動する
ものである。
【0010】また、同一の交流電源によって複数のエン
ジンを起動する場合において、各々のエンジンを一本の
伝送路で接続し、各々のエンジンから、該エンジンの起
動に関する情報である起動開始情報、又は起動中情報
を、各エンジン固有に設定されたパルス幅にて該伝送路
に発信する手段と、起動開始情報を発信する際には、伝
送路に起動中情報が一定時間存在していないことを確認
した後に該起動開始情報を発信するように演算を行なう
演算手段と、あるエンジンから発信した起動開始パルス
により伝送路が変化したことを確認した後に、該エンジ
ンを始動させ、エンジン始動中には伝送路に起動中情報
を発信し続けるようにする演算手段とを設けて、複数の
エンジンを、少ないタイムラグにて一台ずつ順次起動す
るものである。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を説明
する。図1は本発明の複数エンジン起動制御方法により
ガスエンジンヒートポンプを起動させるに当たって、イ
ンターフェイスを用いた場合のインターフェイスと室外
機と制御系を示すブロック図、図2は同じくインターフ
ェイスと各室外機との接続状態を示すブロック図、図3
はインターフェイスと各室外機との順次通信のタイミン
グチャートを示す図、図4は各室外機の起動優先順位の
設定方法を示す図、図5は室外機の制御フローチャート
を示す図、図6はインターフェイスの制御フローチャー
トを示す図、図7はインターフェイスと各室外機との接
続方法の別実施例を示す図、図8は本発明の複数エンジ
ン起動制御方法によりガスエンジンヒートポンプを起動
させるに当たって、相互通信方式を用いた場合の室外機
の制御系を示すブロック図、図9は同じく各室外機の接
続状態を示すブロック図、図10は室外機から発信され
る起動パルスを示す図、図11は複数の室外機から同時
に発信された起動パルスを示す図、図12は相互通信方
式を用いた場合の室外機の制御フローチャートを示す
図、図13はアドレス設定方法の別実施例を示す図、図
14はガスエンジンヒートポンプの構成を示す図であ
る。
【0012】まず、本発明の複数エンジン起動制御方法
をガスエンジンヒートポンプの室外機に用いた場合の構
成について説明する。図14に示すように、ガスエンジ
ンヒートポンプの室外機2a・2b・2c・・・内に
は、エンジンEが配設されている。図1、図2におい
て、ガスエンジンヒートポンプの室外機2a・2b・2
c・・・が複数台(本実施例においては、室外機接続台
数設定スイッチ11により8台)設けられており、各々
の室外機2a・2b・2c・・・は、それぞれインター
フェイス1と通信線4により接続されている。また、各
々の室外機2a・2b・2c・・・には、それぞれ単
数、又は複数の室内機3a・3b・3c・・・が接続さ
れている。そして、インターフェイス1には通信回路1
5を、室外機2a・2b・2c・・・には通信回路16
を設けて、これらの通信回路15と通信回路16・16
・・・とを通信線4にて接続することにより、該インタ
ーフェイス1と各々の室外機2a・2b・2c・・・と
がお互いに通信できるように構成している。
【0013】インターフェイス1は、中央演算処理装置
(以降CPUと記載する)13、及び室外機接続台数設
定スイッチ11を備え、室外機2aはCPU14、及び
アドレス設定スイッチ12を備えている。そして、室外
機2aのCPU14による演算結果により、エンジンE
に付設したエンジン制御部材17を制御するのである。
また、その他の室外機2b・2c・・・も同様にCPU
14・14・・・、及びアドレス設定スイッチ12・1
2・・・、エンジン制御部材17・17・・・を備えて
いる。
【0014】インターフェイス1の室外機接続台数設定
スイッチ11により、該インターフェイス1に接続して
いる室外機2a・2b・2c・・・の台数を設定し、各
室外機2a・2b・2c・・・のアドレス設定スイッチ
12・12・・・により、各室外機2a・2b・2c・
・・のアドレスを、お互いが重複しない数値に設定す
る。この場合、室外機接続台数設定スイッチ11の設定
値と、各アドレス設定スイッチ12・12・・・の設定
値とが対応するようにしておく。即ち、室外機接続台数
設定スイッチ11が8台に設定されていれば、アドレス
設定スイッチ12・12・・・はそれぞれ1番から8番
までの数値に設定するのである。
【0015】室外機接続台数設定スイッチ11、及びア
ドレス設定スイッチ12・12・・・を、前述のように
設定することで、各室外機2a・2b・2c・・・は各
々のアドレスを認識することができ、インターフェイス
1と各々の室外機2a・2b・2c・・・とが、お互い
に順次通信を行なうことができる。即ち、図3に示すよ
うに、先ずインターフェイス1から室外機2aへ送信さ
れ、室外機2aからインターフェイス1へ返送がなされ
る。その後、インターフェイス1から室外機2bへ送信
されて、室外機2bからインターフェイス1へ返送がな
され、以降8台目の室外機まで同様に通信が行なわれ
る。
【0016】このように、インターフェイス1と室外機
2a・2b・2c・・・との通信は、1台の室外機毎に
順次行なわれるので、該インターフェイス1と各室外機
2a・2b・2c・・・との間の接続は、図2に示す如
く、1本の通信線4により接続した、所謂渡り配線によ
って行なうことができる。また、インターフェイス1に
設ける通信回路15は、1セットあればよいこととな
る。これにより、前記通信線4を簡素化することがで
き、無駄な通信回路15を省くことができる。
【0017】本発明の複数エンジン起動制御方法におい
ては、室外機2a・2b・2c・・・を順次起動させる
場合に、各室外機2a・2b・2c・・・に起動優先順
位を与えて、該起動優先順位が高い室外機から起動させ
るように構成しているが、図4では、各室外機2a・2
b・2c・・・の起動優先順位の設定方法を示してい
る。各室外機2a・2b・2c・・・の起動優先順位
は、空調負荷が大きい室外機2a・2b・2c・・・で
あるほど、高くなるように構成している。各室外機2a
・2b・2c・・・の空調負荷は、該室外機2a・2b
・2c・・・に接続した室内機室内機3a・3b・3c
・・・からの要求負荷によって決定され、例えば、室外
機2aの空調負荷は、該室外機2aに接続した複数の室
内機3a・3a・・・からの要求負荷の総和となる。
【0018】このようにして起動優先順位を決定し、複
数の室外機2a・2b・2c・・・から起動許可要求が
あった場合には、該起動優先順位が最も高い室外機2a
・2b・2c・・・のみに起動許可を与えるのである。
ここで、起動許可要求とは、停止中のある室外機が、該
室外機に接続された室内機から運転を要求されている場
合をいう。
【0019】以上のように構成したガスエンジンヒート
ポンプの室外機の制御フローチャートを説明する。図5
において、先ず、各室外機2a・2b・2c・・・の電
源がONされると、該室外機2a・2b・2c・・・
は、各々のアドレス設定スイッチ12・12・・・によ
り入力されたアドレスを読み込んで認識する。次に、各
室外機2a・2b・2c・・・は、各々に接続された室
内機3a・3b・3c・・・と通信して、該室内機3a
・3b・3c・・・からのデータを収集し、運転条件が
成立しているかを判定する。
【0020】その後、各室外機2a・2b・2c・・・
が、前記インターフェイス1からデータを受信すると、
受信したデータが自局へのデータか否かを判定する。該
データが自局へのデータであれば、システム運転中であ
るか否かの判定を行い、運転中であれば、その旨をイン
ターフェイス1へ送信する。続いて、システム起動中が
否かを判定し、起動中であればその旨をインターフェイ
ス1へ送信する。次に、運転条件が成立しているか否か
の判定を行なって、成立していなければ、起動許可要求
無しのデータをインターフェイス1へ送信する。
【0021】そして、システムが運転中でも起動中でも
なく、且つ、運転条件が成立している場合に、インター
フェイス1から自局に対する起動許可データを受信する
と、システムの起動を開始し、インターフェイス1に起
動中であることを示すデータを送信する。この場合に、
インターフェイス1からの起動許可データを受信するこ
とができなかったときは、インターフェイス1へ自局の
空調負荷データを送信して、再度該インターフェイス1
へ起動許可要求を行なう。また、運転条件が成立してい
なくて、システムが運転中でも起動中でもない場合は、
待機状態となる。
【0022】次に、インターフェイス1の制御フローチ
ャートを説明する。図6において、先ず、接続台数設定
スイッチ11により入力された、インターフェイス1へ
の室外機2a・2b・2c・・・の接続台数を読み込ん
で認識する。この接続台数が、インターフェイス1が室
外機2a・2b・2c・・・と順次通信を行なう際の周
期となる。その後、インターフェイス1はアドレス番号
の小さな室外機2a・2b・2c・・・から順番に通信
を行い、各室外機2a・2b・2c・・・が起動中か否
か、起動許可要求があるか否かのデータを収集する。イ
ンターフェイス1が全ての室外機2a・2b・2c・・
・と通信を行うと、収集したデータを該インターフェイ
ス1のCPU13によって演算処理する。この結果、起
動中の室外機が存在すれば、起動許可データをクリア
し、起動中の室外機が存在していなくて、起動許可要求
を行なっている室外機が存在していれば、空調負荷が最
も大きい1台の室外機のみに対して起動許可を与える。
【0023】この場合に、インターフェイス1との通信
が、一定時間行なえない室外機2a・2b・2c・・・
が存在すれば、警報を発してその旨を知らせる。そし
て、前述のインターフェイス1のCPU13による収集
データの処理が終了すれば、インターフェイス1は、再
度、アドレス番号の小さな室外機2a・2b・2c・・
・から順番に通信を行う。
【0024】ここで、本実施例においては、インターフ
ェイス1と室外機2a・2b・2c・・・とを1本の通
信線4で接続する、所謂渡り配線で接続し、インターフ
ェイス1が1台ずつの室外機2a・2b・2c・・・と
順次通信を行なうように構成しているが、インターフェ
イス1と室外機2a・2b・2c・・・との通信方式と
して、同時通信方式を採用することもできる。この同時
通信方式に構成する場合は、図7に示すように、インタ
ーフェイス1と1台の室外機とが、接続台数分の通信線
4’によって接続され、該インターフェイス1と各室外
機2a・2b・2c・・・とは、放射状に配線されるこ
ととなる。また、この場合、インターフェイス1に設け
る通信回路15の入出力部は、少なくとも接続台数分必
要となる。
【0025】次に、複数エンジン起動制御方法をガスエ
ンジンヒートポンプの室外機に用いた場合の別実施例に
ついて説明する。図7、図8においては、各室外機同士
がお互いに通信をし合って起動制御を行なう、相互通信
方式に係る例を示している。ガスエンジンヒートポンプ
システムには、複数の室外機21a・21b・21c・
・・(本実施例においては5台)が設けられており、該
室外機21a・21b・21c・・・には、自局のアド
レスを設定するアドレス設定スイッチ22、データを他
の室外機へ送信するための送信ドライバ25、他の室外
機からのデータを受信する受信ドライバ26、及びデー
タの演算処理を行なうCPU23が備えられている。ま
た、各室外機21a・21b・21c・・・は、通信線
24によりお互いにバス結線され、複数の室外機21a
・21b・21c・・・から、複数の室外機21a・2
1b・21c・・・へデータを伝達できるように構成し
ている。
【0026】そして、各室外機21a・21b・21c
・・・は、自局に設けた送信ドライバ25、及び受信ド
ライバ26を介して、お互いに通信を行なうのである。
さらに、各室外機21a・21b・21c・・・のアド
レス設定スイッチ22・22・・・により、各室外機2
1a・21b・21c・・・のアドレスを、お互いが重
複しない数値に設定し、複数の室外機21a・21b・
21c・・・から起動許可要求があった場合には、該ア
ドレスの設定値が最も大きい室外機21a・21b・2
1c・・・に起動許可を与えるように構成している。
【0027】また、各室外機21a・21b・21c・
・・は起動中に、それぞれに設定したアドレスに応じた
パルス幅の起動パルスを発信するようにしており、例え
ば、図10に示す室外機21aの起動パルス32や、室
外機21bの起動パルス34のように、各々異なったパ
ルス幅の起動パルスを発信する。図10において、室外
機21aが起動する場合には、先ず、信号線24で構成
された伝送路に、起動パルスが発生している状態か否か
を確認して、起動パルスが発生していない状態31であ
れば、起動パルス32を発信する。また、室外機21b
が起動するときに、伝送路に、例えば、他の室外機21
aの起動パルス32が発生していた場合は、該起動パル
ス32が無くなるまで待って、一定時間起動パルスが発
生していない状態33を確認した後に、起動パルス34
を出力するように構成している。
【0028】次に、起動パルスが複数の室外機21a・
21bから発信された場合の起動制御について説明す
る。図11に示すように、複数の室外機21a・21b
から起動パルス32・34が発信された状態aにおい
て、1パルス発信時bに、アドレスが小さい室外機21
aの起動パルス32は伝送路レベルを変化させようとす
るが、アドレスの大きい室外機21bの起動パルス34
によって、伝送路レベルは変化しない。
【0029】そして、1パルス発信後の状態cにおい
て、室外機21aは伝送路レベルが変化していないこと
を検知して、自局よりも起動優先度が高い室外機21
b、即ちアドレスの大きい室外機21bがあることを認
識し、起動パルス32の発信を停止して、起動優先度が
高い室外機21bの起動が完了して該起動パルス34の
発信が無くなるまで、起動待ち状態となる。一方、室外
機21aより起動優先度が高い室外機21bは、自局の
起動パルス34によって伝送路レベルが変化した状態d
を認識して、システムの起動を開始する。その後、該起
動が完了するまで、起動パルス34を発信し続ける。
【0030】以上のように構成した相互通信方式による
複数エンジン起動制御のフローチャートを説明する。図
12において、先ず、各室外機21a・21b・21c
・・・の電源がONされると、該室外機21a・21b
・21c・・・は、各々のアドレス設定スイッチ22・
22・・・により入力されたアドレスを読み込んで認識
する。その後、各々の室外機21a・21b・21c・
・・は、それぞれ自局に接続された室内機と通信を行
い、運転条件が成立しているか否かを確認して記憶す
る。
【0031】そして、システムが運転中で無く、起動中
でも無く、また、運転条件が成立していて、伝送路に一
定時間起動パルスが発生していない場合は、各々の室外
機21a・21b・21c・・・のアドレスに応じたパ
ルス幅にて、起動パルスを1パルス発信し、起動開始を
他の室外機へ打診する。そして、自局の起動パルスによ
り伝送路レベルが変化したことを確認すると、システム
の起動を開始して、起動が完了するまで、起動パルスを
発信し続けるのである。
【0032】尚、各室外機21a・21b・21c・・
・のアドレス設定方法として、図13に示すようにも構
成できる。即ち、アドレスとして、各室外機21a・2
1b・21c・・・のエンジン番号や製造番号などの、
各々の機体に固有でお互いに重複のない番号を使用し、
この番号を、各室外機21a・21b・21c・・・に
設けたメモリ装置27・27・・・に、予め(例えば室
外機の製造時)記憶させておくのである。このようにア
ドレス設定を行なうことで、使用開始時にわざわざアド
レス設定を行なう必要がなくなり、設定ミスを防止する
ことができる。尚、本実施例におけるアドレス設定方法
は、前述のインターフェイスを用いた場合の複数エンジ
ン起動制御方法においても適用することができる。
【0033】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次の
ような効果を奏するのである。即ち、請求項1記載の如
く、各々のエンジンから、該エンジンの起動に関する情
報を発信する手段と、起動に関する情報を演算処理する
手段とを設けて、複数のエンジンを、少ないタイムラグ
にて一台ずつ順次起動したので、同一の交流電源にて複
数のエンジンを起動する場合に、起動指令から起動完了
までのタイムラグを少なくしながら、1台ずつ順次起動
することができ、大電力設備が不要となって、コスト
的、スペース的な負担を軽減することができた。また、
最初の室外機の起動開始から、最後の室外機の起動完了
までのタイムラグを短縮することができた。
【0034】さらに、請求項2記載の如く、各々のエン
ジンから、該エンジンの起動に関する情報を発信する手
段と、各エンジンとの通信、及び演算処理を行なうイン
ターフェイスとを設けて、該インターフェイスにより、
一括して各々のエンジンからの起動に関する情報を受信
し、該起動に関する情報を演算処理したので、同一の交
流電源にて複数のエンジンを起動する場合に、起動指令
から起動完了までのタイムラグを少なくしながら、1台
ずつ順次起動することができ、大電力設備が不要となっ
て、コスト的、スペース的な負担を軽減することができ
た。また、最初の室外機の起動開始から、最後の室外機
の起動完了までのタイムラグを短縮することができた。
【0035】さらに、請求項3記載の如く、各々のエン
ジンから、該エンジンの起動に関する情報を発信する手
段と、各エンジンとの通信、及び演算処理を行なうイン
ターフェイスとを設けて、該インターフェイスと各々の
エンジンとが順次通信を行い、該インターフェイスが、
各々のエンジンから該エンジンの起動に関する情報であ
る起動中情報、又は起動許可要求情報、且つ起動優先順
位情報を収集し、全てのエンジンから起動に関する情報
を収集した後に、該インターフェイスが収集した情報に
起動中情報がある場合は、該インターフェイスから各々
のエンジンに発信する起動許可信号をクリアして、各々
のエンジンとの通信を再開し、起動中情報が無く、起動
許可要求情報がある場合は、起動優先順位が最も高いエ
ンジンにのみ起動許可を与えて、各エンジンとの通信を
再開し、起動中情報及び起動許可要求情報の両方が無い
場合は、各エンジンとの通信を再開し、各々のエンジン
が、インターフェイスからの起動許可を受信した場合
は、各エンジンが受信した起動許可を、自局に対する起
動許可であると判断したエンジンのみが起動するように
演算処理を行なって、複数のエンジンを、少ないタイム
ラグにて一台ずつ順次起動したので、同一の交流電源に
て複数のエンジンを起動する場合に、簡単な装置を室外
機に付加するだけで、起動指令から起動完了までのタイ
ムラグを少なくしながら、起動優先順位の高いものから
1台ずつ順次起動することができ、大電力設備が不要と
なって、コスト的、スペース的な負担を軽減することが
できた。さらに、最初の室外機の起動開始から、最後の
室外機の起動完了までのタイムラグを短縮することがで
きた。
【0036】さらに、請求項4記載の如く、前記インタ
ーフェイスと各々のエンジンとを、1本の配線で接続す
る渡り配線によって接続し、順次通信可能に構成したの
で、インターフェイスと各々のエンジンとの間の配線の
簡素化を図ることができた。
【0037】さらに、請求項5記載の如く、前記インタ
ーフェイスとの通信を一定時間行なうことができない状
態にあるエンジンが存在した場合には、警報を発信する
ように構成したので、複数の室外機の内、故障したり、
電源がOFFされた室外機が発生した場合に、システム
の作業者や管理者に直ぐさま知らせることが可能とな
り、早期に不具合の解消を図ることができた。
【0038】さらに、請求項6記載の如く、各々のエン
ジンから、該エンジンの起動に関する情報を発信する手
段と、該起動に関する情報を演算処理する手段とを設け
て、各々のエンジン同士が相互通信を行なうように構成
し、複数のエンジンを、少ないタイムラグにて一台ずつ
順次起動したので、同一の交流電源にて複数のエンジン
を起動する場合に、起動指令から起動完了までのタイム
ラグを少なくしながら、1台ずつ順次起動することがで
き、大電力設備が不要となって、コスト的、スペース的
な負担を軽減することができた。また、最初の室外機の
起動開始から、最後の室外機の起動完了までのタイムラ
グを短縮することができた。そして、インターフェイス
を不要とすることができた。
【0039】さらに、請求項7記載の如く、各々のエン
ジンを一本の伝送路で接続し、各々のエンジンから、該
エンジンの起動に関する情報である起動開始情報、又は
起動中情報を、各エンジン固有に設定されたパルス幅に
て該伝送路に発信する手段と、起動開始情報を発信する
際には、伝送路に起動中情報が一定時間存在していない
ことを確認した後に該起動開始情報を発信するように演
算を行なう演算手段と、あるエンジンから発信した起動
開始パルスにより伝送路が変化したことを確認した後
に、該エンジンを始動させ、エンジン始動中には伝送路
に起動中情報を発信し続けるようにする演算手段とを設
けて、複数のエンジンを、少ないタイムラグにて一台ず
つ順次起動したので、同一の交流電源にて複数のエンジ
ンを起動する場合に、簡単な装置を室外機に付加するだ
けで、起動指令から起動完了までのタイムラグを少なく
しながら、起動優先順位の高いものから1台ずつ順次起
動することができ、大電力設備が不要となって、コスト
的、スペース的な負担を軽減することができた。さら
に、最初の室外機の起動開始から、最後の室外機の起動
完了までのタイムラグを短縮することができた。また、
この場合、インターフェイスも不要となり、その上、一
本の伝送路にて各エンジンを接続するので、配線の簡素
化が図れた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複数エンジン起動制御方法によりガス
エンジンヒートポンプを起動させるに当たって、インタ
ーフェイスを用いた場合のインターフェイスと室外機と
制御系を示すブロック図である。
【図2】同じくインターフェイスと各室外機との接続状
態を示すブロック図である。
【図3】インターフェイスと各室外機との順次通信のタ
イミングチャートを示す図である。
【図4】各室外機の起動優先順位の設定方法を示す図で
ある。
【図5】室外機の制御フローチャートを示す図である。
【図6】インターフェイスの制御フローチャートを示す
図である。
【図7】インターフェイスと各室外機との接続方法の別
実施例を示す図である。
【図8】本発明の複数エンジン起動制御方法によりガス
エンジンヒートポンプを起動させるに当たって、相互通
信方式を用いた場合の室外機の制御系を示すブロック図
である。
【図9】同じく各室外機の接続状態を示すブロック図で
ある。
【図10】室外機から発信される起動パルスを示す図で
ある。
【図11】複数の室外機から同時に発信された起動パル
スを示す図である。
【図12】相互通信方式を用いた場合の室外機の制御フ
ローチャートを示す図である。
【図13】アドレス設定方法の別実施例を示す図であ
る。
【図14】ガスエンジンヒートポンプの構成を示す図で
ある。
【符号の説明】
E エンジン 1 インターフェイス 2a・2b・2c 室外機 3a・3b・3c 室内機 4 通信線 11 接続台数設定スイッチ 12 アドレス設定スイッチ 13・14 中央演算処理装置(CPU) 15・16 通信回路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一の交流電源によって複数のエンジン
    を起動する場合において、各々のエンジンから、該エン
    ジンの起動に関する情報を発信する手段と、起動に関す
    る情報を演算処理する手段とを設けて、複数のエンジン
    を、少ないタイムラグにて一台ずつ順次起動することを
    特徴とする複数エンジン起動制御方法。
  2. 【請求項2】 同一の交流電源によって複数のエンジン
    を起動する場合において、各々のエンジンから、該エン
    ジンの起動に関する情報を発信する手段と、各エンジン
    との通信、及び演算処理を行なうインターフェイスとを
    設けて、該インターフェイスにより、一括して各々のエ
    ンジンからの起動に関する情報を受信し、該起動に関す
    る情報を演算処理して、複数のエンジンを、少ないタイ
    ムラグにて一台ずつ順次起動することを特徴とする複数
    エンジン起動制御方法。
  3. 【請求項3】 同一の交流電源によって複数のエンジン
    を起動する場合において、各々のエンジンから、該エン
    ジンの起動に関する情報を発信する手段と、各エンジン
    との通信、及び演算処理を行なうインターフェイスとを
    設けて、該インターフェイスと各々のエンジンとが順次
    通信を行い、該インターフェイスが、各々のエンジンか
    ら該エンジンの起動に関する情報である起動中情報、又
    は起動許可要求情報、且つ起動優先順位情報を収集し、
    全てのエンジンから起動に関する情報を収集した後に、
    該インターフェイスが収集した情報に起動中情報がある
    場合は、該インターフェイスから各々のエンジンに発信
    する起動許可信号をクリアして、各々のエンジンとの通
    信を再開し、起動中情報が無く、起動許可要求情報があ
    る場合は、起動優先順位が最も高いエンジンにのみ起動
    許可を与えて、各エンジンとの通信を再開し、起動中情
    報及び起動許可要求情報の両方が無い場合は、各エンジ
    ンとの通信を再開し、各々のエンジンが、インターフェ
    イスからの起動許可を受信した場合は、各エンジンが受
    信した起動許可を、自局に対する起動許可であると判断
    したエンジンのみが起動するように演算処理を行なっ
    て、複数のエンジンを、少ないタイムラグにて一台ずつ
    順次起動することを特徴とする複数エンジン起動制御方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の複数エンジン起動制御方
    法において、前記インターフェイスと各々のエンジンと
    を、1本の配線で接続する渡り配線によって接続し、順
    次通信可能に構成したことを特徴とする複数エンジン起
    動制御方法。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の複数エンジン起動制御方
    法において、前記インターフェイスとの通信を一定時間
    行なうことができない状態にあるエンジンが存在した場
    合には、警報を発信するように構成したことを特徴とす
    る複数エンジン起動制御方法。
  6. 【請求項6】 同一の交流電源によって複数のエンジン
    を起動する場合において、各々のエンジンから、該エン
    ジンの起動に関する情報を発信する手段と、該起動に関
    する情報を演算処理する手段とを設けて、各々のエンジ
    ン同士が相互通信を行なうように構成し、複数のエンジ
    ンを、少ないタイムラグにて一台ずつ順次起動すること
    を特徴とする複数エンジン起動制御方法。
  7. 【請求項7】 同一の交流電源によって複数のエンジン
    を起動する場合において、各々のエンジンを一本の伝送
    路で接続し、各々のエンジンから、該エンジンの起動に
    関する情報である起動開始情報、又は起動中情報を、各
    エンジン固有に設定されたパルス幅にて該伝送路に発信
    する手段と、起動開始情報を発信する際には、伝送路に
    起動中情報が一定時間存在していないことを確認した後
    に該起動開始情報を発信するように演算を行なう演算手
    段と、あるエンジンから発信した起動開始パルスにより
    伝送路が変化したことを確認した後に、該エンジンを始
    動させ、エンジン始動中には伝送路に起動中情報を発信
    し続けるようにする演算手段とを設けて、複数のエンジ
    ンを、少ないタイムラグにて一台ずつ順次起動すること
    を特徴とする複数エンジン起動制御方法。
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