JPH1137269A - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

自動変速機の油圧制御装置

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JPH1137269A
JPH1137269A JP9209752A JP20975297A JPH1137269A JP H1137269 A JPH1137269 A JP H1137269A JP 9209752 A JP9209752 A JP 9209752A JP 20975297 A JP20975297 A JP 20975297A JP H1137269 A JPH1137269 A JP H1137269A
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brake
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JP9209752A
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Nobuaki Takahashi
信明 高橋
Hiroya Nakamura
泰也 中村
Kagenori Fukumura
景範 福村
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動変速機で後進段を設定している状態から
他の変速状態に切り換えた場合のショックや車両の移動
などを確実に防止する。 【解決手段】 リバースレンジから他のレンジにシフト
した際に、後進段を設定していた摩擦係合装置からの排
圧を、条件に応じて制御する自動変速機の油圧制御装置
であって、リバースレンジから他のレンジに切り換えら
れたことを検出するレンジ変更検出手段(ステップ1)
と、制動状態を検出する制動検出手段(ステップ2)
と、前記レンジ変更検出手段(ステップ1)がリバース
レンジから他のレンジに切り換えられたことを検出した
場合に、後進段を設定していたいずれかの摩擦係合装置
から排圧の速度を、前記制動検出手段(ステップ2)の
検出結果に応じて変更する排圧制御手段(ステップ3,
6,7)とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両用の自動変
速機における油圧を制御するための装置に関し、特に後
進段を設定していた摩擦係合装置を解放する際の油圧を
制御するための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来一般の有段式の自動変速機は、クラ
ッチやブレーキなどの摩擦係合装置を油圧によって係合
させてトルクの伝達経路を設定し、また反力トルクを発
生させることにより、適宜の変速段を設定するように構
成されている。したがってこれらの摩擦係合装置を解放
すれば、出力軸にトルクが現れないので、出力トルクの
変化に起因するショックが発生することがある。特に特
開平7−332481号公報に記載されている自動変速
機は、後進段での変速比が大きく、したがって後進段を
設定するリバースレンジからニュートラルレンジなどの
他のシフトレンジに切り換えた場合、後進段を設定して
いた摩擦係合装置から排圧されてこれらが解放すること
によって出力軸トルクが急激に低下し、ショックが生じ
る可能性がある。
【0003】このような事態を防ぐために、オイルの粘
性に応じた排圧制御がおこなわれている。具体的には、
常温以上の温度域(例えば50〜60℃以上)では、オ
イルの粘性が低いので、オリフィスによって流路面積を
絞った経路を介して後進段用の摩擦係合装置から排圧
し、これよりその摩擦係合装置の解放速度を減じて出力
軸トルクの変化を緩和し、ショックを防止している。ま
た反対に油温が低い場合には、オイルの粘性が高いの
で、流路面積が大きい経路を介して排圧することによ
り、ドレーン速度が過剰に遅くなることによるシフトの
遅れ感を防止している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように排圧の
速度を変更するにしても、無段階に変更することは油圧
回路の構成上、無理があり、したがって実際にはドレー
ン速度を変更するにしても二段階もしくは三段階程度が
限度である。そのため、オイルの粘性によっては、ドレ
ーン速度が不適切になってショックが発生し、あるいは
変速の遅れが生じる可能性があった。例えば、油温に応
じて小ドレーンと大ドレーンとに変更するように構成し
た場合、常温以上の温度域と極低温域とでは、これら二
種類のドレーン速度の油路に切り換えることにより対応
することができるが、それらの中間の常温域では、ショ
ックあるいは変速の遅れ感のいずれかが生じる可能性が
ある。
【0005】すなわちいわゆる常温域で小ドレーンとし
た場合、後進段を設定していた摩擦係合装置からの排圧
が遅くなるために、ニュートラルレンジに切り替わった
時点で未だ後進段用の摩擦係合装置がトルク容量を持っ
たままとなり、その結果、後進段からの変速が遅れるう
えに、制動が不充分な場合には車両が動く可能性があ
る。これとは反対に、油温が常温域にある状態で、極低
油温の場合と同様に大ドレーンとして排圧速度を速くす
ると、後進段を設定していた摩擦係合装置の解放が速す
ぎて出力トルクが急激に低下し、その結果、ショックが
生じる可能性がある。
【0006】このような不都合は、ドレーン速度を多段
階に変更できるように油圧回路を構成することにより、
ある程度解消することができる。しかしながら、そのた
めには油圧回路のみならず制御が複雑になり、またいず
れのドレーン速度にも適合しないオイルの粘性が存在す
るから、このような場合には、上述したような不都合が
生じる可能性がある。
【0007】この発明は、上記の事情を背景としてなさ
れたものであり、後進段からのシフトの場合におけるシ
ョックや変速の遅れを防止することのできる自動変速機
の油圧制御装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、請求項1の発明は、後進段を設定
するリバースレンジから他のレンジにシフトした際に、
後進段を設定していた摩擦係合装置からの排圧を条件に
応じて制御する自動変速機の油圧制御装置において、リ
バースレンジから他のレンジに切り換えられたことを検
出するレンジ変更検出手段と、制動状態を検出する制動
検出手段と、前記レンジ変更検出手段がリバースレンジ
から他のレンジに切り換えられたことを検出した場合
に、後進段を設定していたいずれかの摩擦係合装置のか
らの排圧の速度を、前記制動検出手段の検出結果に応じ
て変更する排圧制御手段とを備えていることを特徴とす
るものである。
【0009】したがって請求項1の発明においては、後
進段を設定していた摩擦係合装置を解放する場合、制動
の状況に応じてその解放速度が変更されるので、例えば
制動が実行されていれば、解放速度を緩和し、出力トル
クの急変によるショックを防止できると同時に、制動が
おこなわれていることにより、その自動変速機を搭載し
ている車両の移動を防止することができる。また反対
に、制動がおこなわれていない場合には、その自動変速
機を搭載した車両の移動(走行)を許容する状態である
から、後進段を設定していた摩擦係合装置の解放を急速
におこない、その場合の出力トルクの変動は、車両の移
動によって吸収されてショックとならない。
【0010】また請求項2の発明は、上記の構成におい
て、油温検出手段を更に備え、前記排圧制御手段が、前
記制動検出手段が制動のおこなわれていることを検出し
た場合に、油温検出手段が検出した油温ごとに前記排圧
の流路を管路抵抗の異なる流路に変更する手段を備えて
いることを特徴とするものである。
【0011】したがって請求項2の発明によれば、制動
がおこなわれている状態では、油温が低いことによりオ
イルの粘性が高い場合であっても、その粘度に応じて管
路抵抗の低い流路を選択して排圧できるので、変速の遅
れを防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を図に示す具体例
に基づいて説明する。先ず、この具体例で対象とする自
動変速機10について説明すると、図2に示すように、
自動変速機10には、これに内蔵されているトルクコン
バータの制御と変速の制御とのための油圧制御装置20
が設けられ、オイルポンプで発生させた油圧の調圧や変
速段を達成するための摩擦係合装置の係合・解放ならび
にトルクコンバータにおけるロックアップクラッチの係
合・解放を制御するように構成されている。このような
制御は、基本的には電気的におこなうように構成され、
そのために油圧制御装置20には、主に変速を制御する
第1ないし第3のソレノイドバルブSL1,SL2,S
L3と、主にエンジンブレーキ状態を制御する第4のソ
レノイドバルブSL4と、主にロックアップクラッチと
第3ブレーキ圧とを制御するリニアソレノイドバルブS
LUと、主にライン圧を制御するリニアソレノイドバル
ブSLTと、主にアキュームレータ背圧を制御するリニ
アソレノイドバルブSLNとが設けられている。これら
のソレノイドバルブを制御するための自動変速制御コン
ピュータ30が設けられている。
【0013】この自動変速機10は、車載状態で動力源
であるエンジンEに連結されている。このエンジンEの
吸気管路13には、サーボモータなどのアクチュエータ
11によって駆動される電子スロットルバルブ12が配
置されており、アクセルペダル14の踏み込み量に応じ
てアクチュエータ11を駆動することによりスロットル
開度を適宜に制御するように構成されている。このアク
チュエータ11を含むエンジンEの全体の制御をおこな
うためのエンジン制御コンピュータ50が設けられてい
る。
【0014】これらのコンピュータ30,50は、共
に、中央演算処理装置(CPU)および記憶装置(RA
M,ROM)ならびに入出力インターフェースを主体に
して構成され、図2に符号40で示す各種のデータに基
づいて演算をおこない自動変速機10およびエンジンE
の制御をおこなうように構成されている。具体的には、
エンジン制御コンピュータ50には、前記アクセルペダ
ル14の開度(踏み込み量)の信号に加えて、エンジン
回転速度、吸入空気量、吸入空気温度、スロットル開
度、車速、エンジン水温、ブレーキスイッチからの信号
などが入力され、これらの信号に基づいて前記アクチュ
エータ11を駆動してスロットル開度を制御し、また燃
料噴射量および点火時期を制御するように構成されてい
る。
【0015】一方、自動変速制御コンピュータ30に
は、スロットル開度、車速(出力軸回転数)、ブレーキ
スイッチからの信号、シフトポジション、パターンセレ
クトスイッチからの信号、クルーズ信号、C0 センサS
N1 からの信号、C2 センサSN2 からの信号、トラン
スミッション油温、マニュアルシフトスイッチからの信
号などが入力され、予め記憶している変速線図(変速マ
ップ)などのマップ化したデータと合わせて演算し、変
速制御や油圧制御を実行するように構成されている。な
お、これらのコンピュータ30,50は、相互にデータ
を送信するように接続されている。
【0016】上記の自動変速機10における歯車変速機
構について図3を参照して説明すると、その歯車変速機
構は、前置式オーバードライブ構成の副変速機構Dと、
単純連結3プラネタリギヤトレーン構成の前進4速後進
1速の主変速機構Mとを組み合わせた5速構成とされ、
この機構部がロックアップクラッチL付のトルクコンバ
ータTに連結されている。
【0017】その副変速機構Dは、サンギヤS0 、キャ
リヤC0 、リングギヤR0 に関連してワンウェイクラッ
チ(OWC)F−0とこれに並列する多板クラッチC−
0およびこれと直列する多板ブレーキB−0を備えてい
る。一方、主変速機構Mは、サンギヤS1 〜S3 、キャ
リヤC1 〜C3 、リングギヤR1 〜R3 からなる各変速
要素を適宜直結した単純連結の3組のギヤユニットP1
〜P3 を備え、各ギヤユニットP1 〜P3 の変速要素に
関連して多板クラッチC−1,C−2、バンドブレーキ
B−1、多板ブレーキB−2〜B−4、ワンウェイクラ
ッチ(OWC)F−1,F−2が配設されている。な
お、図において、符号SN1 はクラッチC−0のドラム
回転を検出するC0 センサ、SN2 はクラッチC−2の
ドラム回転を検出するC2 センサを示す。また、図示し
ていないが、各クラッチおよびブレーキは、それらの摩
擦材を係合・解放操作するピストン・シリンダ機構から
なる油圧サーボを備えている。
【0018】この自動変速機10で設定される変速レン
ジおよび各変速段は、図4の係合作動表に示すとおりで
あり、以下、各変速段について簡単に説明する。なお、
図4において、〇印は係合すること、●印はエンジンブ
レーキ時に係合すること、◎印はトルクの伝達に関与し
ないで係合すること、空欄は解放状態にあることをそれ
ぞれ示す。
【0019】エンジンEの出力トルクは、トルクコンバ
ータTを経て副変速機構Dの入力軸Nに伝達される。そ
して入力軸Nのトルクは、上記の油圧制御装置20によ
る制御下で、クラッチC−0を係合させて副変速機構D
を直結とし、かつ主変速機構MのクラッチC−1を係合
し、他の摩擦係合装置を全て解放とした場合に、ギヤユ
ニットP3 に入力され、ワンウェイクラッチF−2によ
ってリングギヤR3 の逆回転が阻止され、キャリヤC3
から出力軸Uに第1速の回転として出力される。
【0020】また、第2速は、副変速機構Dが直結で、
クラッチC−1およびブレーキB−3を係合したときに
達成され、このとき、ギヤユニットP2 に入力されたト
ルクは、ギヤユニットP1 のキャリヤC1 を反力要素と
してギヤユニットP2 のキャリヤC2 およびそれに直結
するギヤユニットP1 のリングギヤR1 に出力され、出
力軸Uに第2速の回転として出力される。
【0021】第3速は、同様に、副変速機構Dが直結
で、クラッチC−1およびブレーキB−2を係合させ、
他の摩擦係合装置を解放させることにより達成される。
そのとき、ギヤユニットP2 のリングギヤR2 に入力さ
れたトルクは、サンギヤS2 を反力要素とし、キャリヤ
C2 を介して出力軸Uから第3速の回転として出力され
る。
【0022】さらに、第4速は、同様に、副変速機構D
が直結で、クラッチC−1およびクラッチC−2が共に
係合することにより達成される。このとき、リングギヤ
R2およびサンギヤS2 に入力されるために、ギヤユニ
ットP2 が直結状態となり、入力トルクがそのまま出力
される。そして第5速は、主変速機構Mが上記の第4速
と同様な状態になり、これに対して副変速機構Dのクラ
ッチC−0を解放するとともに、ブレーキB−0を係合
させてサンギヤS0 を固定し、これにより副変速機構D
を増速回転させることにより達成される。
【0023】そして後進段は、副変速機構Dを上記の状
態とし、主変速機構MのクラッチC−2とブレーキB−
4とを係合させることで達成される。このとき、ギヤユ
ニットP2 のサンギヤS2 に入力されたトルクは、リン
グギヤR3 を反力要素とするギヤユニットP2 ,P3 の
キャリヤC2 ,C3 の逆回転として出力される。
【0024】上述した油圧制御装置20には、後進段を
設定している摩擦係合装置からの排圧をおこなう流路と
して、管路抵抗の異なる複数の流路が設けられている。
図5はその一例を模式的に示しており、シフトレバー
(図示せず)を手動操作することにより切り換えられる
マニュアルバルブ60には、後進段を設定するリバース
レンジでライン圧PL を出力し、他のレンジでドレーン
に連通されるリバースポート61が形成されている。こ
のリバースポート61は、第2ソレノイドバルブSL2
の信号圧で切り換え動作させられるリバースコントロー
ルバルブ62の入力ポート63に接続されている。
【0025】このリバースコントロールバルブ62は、
ソレノイドバルブSL2の信号圧が供給される制御ポー
トとスプリングとをスプールを挟んで対向させて配置し
たバルブであって、第2ソレノイドバルブSL2がオン
制御されて信号圧を出力することにより、入力ポート6
3と出力ポート64とが連通するように構成されてい
る。その出力ポート64には、入力に応じて自動的に切
り替わるシャトルバルブ65の第1の入力ポート66が
接続されている。そしてこのシャトルバルブ65は、第
1の入力ポート66に油圧が供給されることにより、こ
の第1の入力ポート66が第1の出力ポート67に連通
し、ここから第2のクラッチC−2に油圧を出力するよ
うになっている。
【0026】シャトルバルブ65の出力ポート67から
第2のクラッチC−2に到る油路には、オリフィス68
と、このオリフィス68に対して並列でかつクラッチC
−2からの排圧方向に開くチェックボール付きオリフィ
ス69とが設けられている。またクラッチC−2には、
オリフィス70を介してアキュームレータ71が接続さ
れている。
【0027】また、リバースコントロールバルブ62の
出力ポート64はシャトルバルブ65の第2の入力ポー
ト72に接続されている。これらの出力ポート64と第
2入力ポート72とを接続する油路には、ダブルオリフ
ィス73と第2の入力ポート72に向けて油圧を供給す
る際に開くチェックボール付きオリフィス74とが相互
に並列に配置されている。さらに上記の第2の入力ポー
ト72はここから油圧が供給されることにより第2の出
力ポート75に連通するように構成されており、この第
2の出力ポート75が1−2シフトバルブ76の入力ポ
ート77に連通されている。
【0028】この1−2シフトバルブ76は第1速と第
2速との変速を実行するための切り換えバルブであり、
第2ソレノイドバルブSL2の信号圧とスプリング78
による弾性力とをスプール(図示せず)を挟んで対向さ
せて作用させ、さらにドライブレンジで出力されるドラ
イブレンジ圧PD をスプリング78の弾性力と同方向に
作用させるように構成されている。そしてスプリング7
8を圧縮する方向にスプールが移動した場合に、前記の
入力ポート77が出力ポート79に連通し、また反対に
スプリング78が延びる方向にスプールが移動した場合
に出力ポート79がドレーンポート80に連通するよう
に構成されている。そしてこの出力ポート79に後進段
で係合する第4のブレーキB−4が接続されている。
【0029】なお、第2のソレノイドバルブSL2は、
第2速および第3速以外の変速段でオフ制御されて信号
圧を出力し、また上記のドライブレンジ圧PD は、第3
速ないし第5速で作用する。したがって上記の出力ポー
ト79と入力ポート77およびドレーンポート80との
連通状態は、図5に付記してあるとおりである。
【0030】さらにリバースコントロールバルブ62の
出力ポート64は、2−3シフトバルブ81の入力ポー
ト82に接続されている。この2−3シフトバルブ81
は、第1のソレノイドバルブSL1の信号圧によって切
り換え動作して第2速と第3速との変速を実行するため
の切り換えバルブであり、スプリング83の弾性力と第
1のソレノイドバルブSL1の信号圧とをスプール(図
示せず)を挟んで対向して作用させ、第1ソレノイドバ
ルブSL1の信号圧が作用している状態では、入力ポー
ト82が出力ポート84に連通し、また反対に第1のソ
レノイドバルブSL1の信号圧が作用していないときに
は出力ポート84が閉じられるようになっている。そし
てその出力ポート84に前記第4のブレーキB−4が接
続されている。
【0031】なお、第1のソレノイドバルブSL1は、
第3速ないし第5速でオフ制御されて信号圧を出力する
バルブであり、したがって上記の出力ポート84と入力
ポート82との連通状態は、図5に付記してあるとおり
である。
【0032】したがって上記の油圧回路では、第4のブ
レーキB−4から排圧する経路が三つ設けられている。
すなわち1−2シフトバルブ76のドレーンポート80
から直接排圧する経路と、1−2シフトバルブ76およ
びシャトルバルブ65ならびにダブルオリフィス73と
リバースコントロールバルブ62とを介してマニュアル
バルブ60のドレーンポートから排圧経路と、2−3シ
フトバルブ81およびリバースコントロールバルブ62
を介してマニュアルバルブ60のドレーンポートから排
圧する経路の三つである。
【0033】この発明の制御装置では、これらの排圧経
路を、制動の状態および油温に基づいて選択するように
構成されている。その制御例を図1にフローチャートで
示してあり、先ず、後進段を設定していたリバースレン
ジ(R)から他のレンジであるニュートラルレンジ
(N)にシフトされたか否かが判断される(ステップ
1)。これは、この発明のレンジ変更手段に相当し、自
動変速制御コンピュータ30に入力されるシフトポジシ
ョン信号に基づいて判断することができる。このステッ
プ1で否定判断された場合には特に制御をおこなうこと
なくこのルーチンを抜け、また肯定判断された場合に
は、ブレーキがオンか否か、すなわち制動操作がおこな
われているか否かが判断される(ステップ2)。この制
動操作は、フットブレーキおよびサイドブレーキのいず
れを操作した状態でもよく、要は、自動変速制御コンピ
ュータ30に入力されるブレーキ信号に基づいて判断さ
れる。このステップ2がこの発明の制動検出手段に相当
する。
【0034】制動状態にないことによりステップ2で否
定判断された場合には、大ドレーンが選択される(ステ
ップ3)。これは、管路抵抗の最も小さい経路を介して
排圧する制御であり、具体的には、ニュートラル状態で
第2のソレノイドバルブSL2をオン制御し、あるいは
第2速信号を出力する。第2速信号を出力するなどのこ
とによって第2のソレノイドバルブSL2をオン制御す
ると、その信号圧が出力されない。そのため前述した1
−2シフトバルブ76では、スプールがスプリング78
の弾性力によって移動させられ、その出力ポート79が
ドレーンポート80に連通する。すなわち第4のブレー
キB−4が1−2シフトバルブ76を介してドレーンに
連通されるので、その排圧経路の管路抵抗が小さく、第
4のブレーキB−4から急速に排圧される。
【0035】その結果、後進段の状態からニュートラル
状態への切り換えが急速に生じ、それに伴って出力軸ト
ルクが急激に変化するが、この状態では、制動がおこな
われていないことから判断されるように、車両の移動を
許容もしくは意図している状態であり、したがって出力
軸トルクの変化に起因して車両の挙動に変化が生じて
も、これは車両の移動によって吸収され、ショックとし
て体感されることはない。また第4ブレーキB−4から
急速に排圧されるので、変速の遅れが生じることはな
い。
【0036】一方、制動がおこなわれていてステップ2
で肯定判断された場合には、油温が所定の基準温度αよ
り低いか否かが判断される(ステップ4)。この基準温
度αは、油温Toil がいわゆる極低温域にあることを判
断するための温度であり、例えば摂氏でのマイナスの温
度である。このステップ4で肯定判断されれば、油温T
oil が極低温状態であることになり、この場合は、オイ
ルの粘性が高いので、大ドレーンが選択される(ステッ
プ3)。すなわち第4のブレーキB−4から1−2シフ
トバルブ76のドレーンポート80を介して排圧され
る。この排圧経路はその全長が短く、またオリフィスが
介在しないが、オイルの粘性が高いのでゆっくり排圧さ
れ、出力軸トルクの急激な変化すなわちショックが防止
もしくは抑制される。
【0037】これに対して油温Toil が上記の基準温度
α以上であることによりステップ4で否定判断された場
合には、油温Toil が他の基準温度β(>α)より低い
か否かが判断される(ステップ5)。この第2の基準温
度βは、油温Toil が常温域あるいはそれより若干低い
温度範囲にあるか否かを判断するためのものであり、数
℃〜数十℃程度の温度である。このステップ5で肯定判
断された場合には、第4のブレーキB−4からの排圧と
して中ドレーンが選択される(ステップ6)。具体的に
は、第1および第2のソレノイドバルブSL1,SL2
をオフ制御し、もしくは第4速の変速信号を出力する。
【0038】したがって1−2シフトバルブ76では出
力ポート79が入力ポート77に連通する。これに対し
て2−3シフトバルブ81では、第1のソレノイドバル
ブSL1から信号圧が供給されることにより、第4のブ
レーキB−4に連通している出力ポート84が入力ポー
ト82に連通する。この2−3シフトバルブ81の入力
ポート82がリバースコントロールバルブ62に直接接
続されているのに対して、1−2シフトバルブ76の入
力ポート77はシャトルバルブ65およびダブルオリフ
ィス73を介してリバースコントロールバルブ62に連
通しているから、結局、前者の排圧経路すなわち2−3
シフトバルブ81を介した経路の管路抵抗が低くなり、
したがって第4のブレーキB−4の油圧は、2−3シフ
トバルブ81およびリバースコントロールバルブ62を
介してマニュアルバルブ60のドレーンポートに排圧さ
れる。
【0039】この場合の排圧経路は、前述した1−2シ
フトバルブ76から排圧する経路と比較して、途中に介
在するバルブの数が多く、またその全長も長くなるの
で、1−2シフトバルブ76を介して排圧する場合より
管路抵抗が大きくなる。しかしながら、油温Toil が前
記の場合より幾分高く、その粘性も低くなっているの
で、上記の低油温の場合と同様の速さで排圧され、その
結果、ショックが防止もしくは抑制される。
【0040】また油温Toil が高いことによりステップ
5で否定判断された場合には、小ドレーンが選択される
(ステップ7)。これは、管路抵抗の大きい経路を介し
て排圧をおこなう制御であり、具体的には、第1のソレ
ノイドバルブSL1をオフ、第2のソレノイドバルブS
L2をオンに制御する。第1のソレノイドバルブSL1
をオンに制御してその信号圧の出力を止めるから、2−
3シフトバルブ81では出力ポート84が閉じられる。
その結果、第4のブレーキB−4からの排圧は1−2シ
フトバルブ76を介しておこなわれる。この1−2シフ
トバルブ76では、第2のソレノイドバルブSL2がオ
フ制御されて信号圧を出力していることにより、出力ポ
ート79が入力ポート77に連通する。またリバースコ
ントロールバルブ62では、その出力ポート62と入力
ポート63とが連通する。したがって第4のブレーキB
−4は、1−2シフトバルブ76およびシャトルバルブ
65ならびにダブルオリフィス73を介してリバースコ
ントロールバルブ62に連通し、さらにここからマニュ
アルバルブ60のドレーンポートに連通する。このよう
に、油温Toil が高い場合には、ダブルオリフィス73
を介して排圧されるから、その管路抵抗が大きくなる
が、油温Toil が高いことによりその粘性が低くなって
いるので、上述した大ドレーンあるいは中ドレーンでの
排圧の場合と同程度の速度で排圧される。したがって上
記のステップ3,6,7がこの発明の排圧制御手段に相
当し、またステップ4,5がこの発明の油温検出手段に
相当する。
【0041】したがって上記の制御では、制動操作され
ていなければ、油温Toil の高低に拘わらず一律に大ド
レーンが選択され、したがってオイルの粘性が低い状態
では排圧速度が速くなる。そのため出力軸トルクが急激
に低下することがあるが、これがショックならないこと
は上述したとおりである。これに対して制動操作されて
いる場合、油温Toil に応じて大ドレーン、中ドレー
ン、小ドレーンに切り換えて排圧するとしても、それぞ
れの場合の排圧速度は、後進段からニュートラル状態に
シフトすることに伴う出力軸トルクの変化が急激になら
ない程度の速度であり、したがって後進段からのシフト
に伴うショックが防止もしくは抑制される。また粘性が
高い場合には、管路抵抗の低い経路を介して排圧するか
ら、変速が過剰に遅れることはない。
【0042】後進段から他のレンジにシフトした際のシ
ョックは、排圧速度を抑制することにより、より確実に
防止もしくは抑制することができ、その場合、ニュート
ラルにシフトした後にも第4のブレーキB−2や第2の
クラッチC−2が幾分かのトルク容量を保持していて出
力軸トルクが生じることがあるが、上記のステップ4な
いしステップ7の制御は、制動がおこなわれている状態
で実行されるので、たとえ後進段を設定する摩擦係合装
置のトルク容量が残っていて出力軸トルクが生じるとし
ても、車両が移動することはない。
【0043】また図1に示す制御例では、油温Toil を
三つの領域に分けているから、実際の油温Toil がそれ
ぞれの温度領域での低温側にある場合には、オイルの粘
性が相対的に高くなる。そのために管路抵抗を上記のよ
うに制御しても第4のブレーキB−4からの排圧に遅れ
が生じることがある。しかしながらそのような場合であ
っても、制動操作されている状態での排圧制御であるか
ら、排圧の遅れによって出力軸トルクが生じても車両が
移動することはない。
【0044】なお、上記の例では、リバースレンジから
ニュートラルレンジにシフトした場合を例に採って説明
したが、この発明は、要は、リバースレンジから他のレ
ンジにシフトした場合に上述した排圧制御をおこなうこ
とができるのであり、リバースレンジからシフトされる
レンジはニュートラルレンジに限定されない。また上記
の例では、油温の範囲を三つに分けて制御する例を示し
たが、この発明では、油温の判断を二つの領域に分け、
あるいは四つ以上の領域に分けておこなっても良く、さ
らには領域に分けておこなわずにその絶対値に基づいて
判断し、その判断結果に応じて排圧経路を設定するよう
にしてもよい。
【0045】さらにこの発明は、前述したギヤトレーン
や油圧回路以外のギヤトレーンあるいは油圧回路を備え
た自動変速機の制御装置に適用することができるのであ
り、したがってリバースレンジから他のレンジにシフト
した場合の排圧経路の切り換えの仕方は、オリフィスを
切り換えるオリフィスコントロールバルブによる方式で
あってもよい。そしてこの発明は、内燃機関を動力源と
した車両の自動変速機のみならず、モータをも動力源と
したハイブリッド車などの自動変速機を対象とした制御
装置に適用することができる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の制御装置
によれば、後進段を設定しているレンジから他のレンジ
にシフトする場合、制動がおこなわれているか否かによ
って排圧の経路を変更するように構成したので、例えば
制動がおこなわれていない状態で急速に排圧して出力ト
ルクが急激に変化しても、車両の移動が許容もしくは意
図されているので、出力トルクの変化がショックとして
体感されることが防止され、また当然、変速の遅れ感が
生じることが回避される。また反対に制動がおこなわれ
ている状態では、後進段を設定している摩擦係合装置か
らの排圧をゆっくりおこなうことができるので、出力ト
ルクの急激な変化によるショックが防止されると同時
に、変速の遅れにより後進段での出力トルクが現れて
も、制動がおこなわれていることによって車両の移動を
阻止することができる。
【0047】また請求項2の発明によれば、制動がおこ
なわれているために後進段を設定している摩擦係合装置
からゆっくり排圧するにあたり、油温に応じて排圧経路
を変更するように構成したから、低油温で粘性が高い場
合および高油温で粘性が低い場合であっても、排圧の速
度をほぼ等しくすることが可能になり、その結果、変速
の過剰な遅れが生じることを未然に防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の制御装置による排圧経路を変更する
制御の一例を説明するためのフローチャートである。
【図2】この発明で対象とする自動変速機の全体的な制
御系統を示すブロック図である。
【図3】その自動変速機のギヤトレーンの一例を示すス
ケルトン図である。
【図4】各変速段を設定するための摩擦係合装置の係合
・解放状態を示す図表である。
【図5】第4のブレーキからの複数の排圧経路を説明す
るための油圧回路の一部を模式的に示す図である。
【符号の説明】
E エンジン 10 自動変速機 20 油圧制御装置 30 自動変速制御コンピュータ 50 エンジン制御コンピュータ 60 マニュアルバルブ 62 リバースコントロールバルブ 65 シャトルバルブ 73 ダブルオリフィス 76 1−2シフトバルブ 80 ドレーンポート 81 2−3シフトバルブ B−4 ブレーキ C−2 クラッチ SL1,SL2 ソレノイドバルブ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 後進段を設定するリバースレンジから他
    のレンジにシフトした際に、後進段を設定していた摩擦
    係合装置からの排圧を条件に応じて制御する自動変速機
    の油圧制御装置において、 リバースレンジから他のレンジに切り換えられたことを
    検出するレンジ変更検出手段と、 制動状態を検出する制動検出手段と、 前記レンジ変更検出手段がリバースレンジから他のレン
    ジに切り換えられたことを検出した場合に、後進段を設
    定していたいずれかの摩擦係合装置から排圧の速度を、
    前記制動検出手段の検出結果に応じて変更する排圧制御
    手段とを備えていることを特徴とする自動変速機の油圧
    制御装置。
  2. 【請求項2】 油温検出手段を更に備え、 前記排圧制御手段は、前記制動検出手段が制動のおこな
    われていることを検出した場合に、油温検出手段が検出
    した油温ごとに前記排圧の流路を管路抵抗の異なる流路
    に変更する手段を備えていることを特徴とする請求項1
    に記載の自動変速機の油圧制御装置。
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