JPH11352620A - 分光増感剤の固体微分散物 - Google Patents

分光増感剤の固体微分散物

Info

Publication number
JPH11352620A
JPH11352620A JP20377498A JP20377498A JPH11352620A JP H11352620 A JPH11352620 A JP H11352620A JP 20377498 A JP20377498 A JP 20377498A JP 20377498 A JP20377498 A JP 20377498A JP H11352620 A JPH11352620 A JP H11352620A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dispersion
spectral sensitizer
mpas
page
solid fine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20377498A
Other languages
English (en)
Inventor
Taisei Nishimi
大成 西見
Masatoshi Nakanishi
正壽 仲西
Keiji Obayashi
慶司 御林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP20377498A priority Critical patent/JPH11352620A/ja
Publication of JPH11352620A publication Critical patent/JPH11352620A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】ハロゲン化銀乳剤に対する分光増感剤の吸着量
のバラツキが少なくなるような粒径を有する分光増感剤
の固体微分散物を提供する。 【解決手段】分散粒子径の平均値が2.5 μm 以上100 μ
m 以下の範囲であることを特徴とする水媒体中で分散さ
れた分光増感剤の固体微分散物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化銀写真
用に用いる分光増感剤の固体微分散物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】通常の写真用添加剤の固体微分散物は、
そのままの分散粒子径で塗布膜中に存在する場合が多
い。そのため分散粒子径が1μm を越えるような写真用
添加物の固体微分散物を用いた場合、分散物粒子が塗布
膜の一つの層内に入りきれない、塗布膜のヘイズが上昇
する、等の問題が生じる。これらの問題を回避するため
に、写真用添加剤の固体微分散物については、その分散
粒子径を小さくすることが一般的に行われている。例え
ば有機染料の固体分散物に関しては、米国特許第4,988,
611 号には1μm 以下の範囲が、特開平2-308250号には
0.01〜0.5 μm 範囲が、特開平8-87091 号には0.05〜0.
3 μm の範囲が、分散粒子径の好ましい範囲であること
が開示されている。
【0003】分光増感剤の固体微分散物の分散粒子径に
ついても、同様に考えられている。米国特許第3,469,98
7 号には、分光増感剤を揮発性有機溶媒に溶解し親水性
コロイド中に分散した後、加熱により有機溶媒を除去
し、分光増感剤の固体微分散物を得る方法が開示されて
いるが、この場合の好ましい分散粒子径は1μm 以下の
範囲であることが開示されている。米国特許第4,006,02
5 号には、水と分光増感剤を混合後、界面活性剤を加え
固体微分散する手法が開示されているが、この場合の好
ましい分散粒子径は0.5 〜1μm の範囲であることが開
示されている。特公昭61-45217号には、有機溶媒および
/または界面活性剤が存在しない条件下で、水媒体中に
て分光増感剤の固体微分散物を得るための手法が開示さ
れているが、この場合の好ましい分散粒子径は1μm 以
下の範囲であることが開示されている。
【0004】分光増感剤の固体微分散物は、有機染料の
固体微分散物などとは異なり、そのままの形態で塗布さ
れるわけではなく、あらかじめタンク中でハロゲン化銀
乳剤表面に吸着させた後、塗布される。それゆえ分光増
感剤の固体微分散物の分散粒子径は、必ずしも塗布膜厚
以下である必要はなく、ハロゲン化銀乳剤への吸着挙動
に基づき、最適な分散粒子径を決めることが望ましい。
すなわち、ハロゲン化銀乳剤に対して分光増感剤の分散
物を添加した時、個々のハロゲン化銀粒子への分光増感
剤の吸着量のバラツキが最小になるような分散粒子径を
持つ、分光増感剤の分散物が最も好ましいと考えられ
る。しかし従来は、このような観点から分光増感剤の固
体微分散物の分散粒子径を最適化する、という考え方は
されていなかった。
【0005】特開平6-130545号には、平均分散粒子径2
μm 以下の分光増感剤の固体微分散物を用いることによ
り、硬調でかつ保存性に優れた熱現像感光材料が得られ
ることが開示されている。また特開平4-134444号には、
分光増感剤の固体微分散物の分散粒子径を一定にするこ
とが、ハロゲン化銀粒子に対する分光増感剤の供給速度
をコントロールする上で重要であることが開示されてい
る。しかしこれらの場合にも、個々のハロゲン化銀粒子
への分光増感剤の吸着量のバラツキと分光増感剤の粒径
の関係は述べられていない。米国特許第5,334,496 号に
は、個々のハロゲン化銀乳剤粒子に対する写真要素の吸
着量にバラツキを持たせるためのプロセスが開示されて
いる。この手法は、ハロゲン化銀乳剤に対する分光増感
剤吸着量のバラツキを大きくさせるためには有効である
と考えられるが、本発明の目的とは全く正反対のもので
あり、また分光増感剤分散物の分散粒子径の最適化に関
しては何の情報も与えていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の分光増感剤の固
体微分散物の分散粒子径は、個々のハロゲン化銀乳剤粒
子に対する吸着量のバラツキが少ない、すなわち粒子全
体に分光増感剤が均一に吸着したハロゲン化銀乳剤粒子
を調製するという課題に対しては、必ずしも有利である
とは言えなかった。従って本発明の目的は、ハロゲン化
銀乳剤に対する分光増感剤の吸着量のバラツキが少なく
なるような粒径を有する、分光増感剤の固体微分散物を
得るための手法を開発することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の課題は、以下の
(1)〜(7)により達成された。 (1)分散粒子径の平均値が2.5 μm 以上100 μm 以下
の範囲であることを特徴とする水媒体中で分散された分
光増感剤の固体微分散物。 (2)前記固体微分散物の60℃における粘度が、B型粘
度計で60rpm で測定した場合に20mPas以上400mPas 以下
であることを特徴とする(1)に記載の固体微分散物。 (3)前記固体微分散物の60℃における粘度が、剪断速
度384s-1で測定した場合に20mPas以上400mPas 以下であ
ることを特徴とする(1)に記載の固体微分散物。 (4)前記固体微分散物の60℃における粘度が、B型粘
度計で60rpm で測定した場合に60mPas以上400mPas 以下
であることを特徴とする(2)に記載の固体微分散物。 (5)前記固体微分散物の60℃における粘度が、B型粘
度計で60rpm で測定した場合に150mPas 以上350mPas 以
下であることを特徴とする(4)に記載の固体微分散
物。 (6)前記固体微分散物の60℃における粘度が、剪断速
度384s-1で測定した場合に20mPas以上200mPas 以下であ
ることを特徴とする(3)に記載の固体微分散物。 (7)前記固体微分散物の60℃における粘度が、剪断速
度384s-1で測定した場合に30mPas以上150mPas 以下であ
ることを特徴とする(6)に記載の固体微分散物。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明者は、種々の分散粒子径を
有する分光増感剤の固体微分散物を用いて、分光増感剤
のハロゲン化銀乳剤に対する吸着挙動を測定した。さら
に、個々のハロゲン化銀乳剤粒子に対する分光増感剤の
吸着量を、特開平7-219094号に記載の方法で測定し、個
々のハロゲン化銀乳剤に対する分光増感剤の吸着量のバ
ラツキに関して検討した。その結果、驚くべき事に、従
来良いと信じられてきた微細な(1μm 以下の)分散粒
子径を持つ分光増感剤の固体微分散物を用いた場合より
も、平均粒径が2.5 μm 以上100 μm 以下の範囲の分散
粒子径を持つ分光増感剤の固体微分散物を用いた場合の
方が、個々のハロゲン化銀乳剤粒子に対する分光増感剤
吸着量のバラツキが少ないハロゲン化銀乳剤を得られる
ことを発見した。さらに、このようにして調製されたハ
ロゲン化銀乳剤は、硬調かつ保存性に優れた写真性を有
することを発見した。これらの事実は、ハロゲン化銀乳
剤粒子への分光増感剤の吸着速度と、分光増感剤分散物
の反応タンク中での拡散速度との相対関係に基づくと推
定される。
【0009】ハロゲン化銀乳剤粒子に対する分光増感剤
の吸着速度が、分光増感剤のタンク中での拡散速度より
も速い場合、分光増感剤が添加された付近に存在するハ
ロゲン化銀乳剤粒子には多くの分光増感剤が吸着するの
に対し、分光増感剤が添加された場所から遠くに存在す
るハロゲン化銀粒子に吸着する分光増感剤は少なくなっ
てしまう。このことから、個々のハロゲン化銀乳剤粒子
に対する分光増感剤吸着量のバラツキが大きくなること
が推定される(図1.b)。ハロゲン化銀表面への分光
増感剤の吸着速度が速く、かつ分光増感剤のタンク中で
の拡散効率が低い条件下(ハロゲン化銀乳剤に分光増感
剤を添加する場合のタンクの容量が大きい、タンク内の
攪拌速度が小さい等)に於いて、この問題は特に重大な
影響を与える。
【0010】分光増感剤の分散粒子径が大きい場合、分
散粒子径が小さい場合と比較して、分光増感剤の系中へ
の溶解速度が相対的に低下するため、分光増感剤の固体
微分散物を系全体に拡散させた後にハロゲン化銀乳剤へ
の吸着を完了させることが可能となる。このことによ
り、個々のハロゲン化銀乳剤粒子に対する分光増感剤の
吸着量のバラツキが小さくなったものと推定される(図
1.a)。
【0011】ハロゲン化銀乳剤溶液は粘度が高く、泡立
ち抑制の観点から高速回転も好ましくない。このため、
分光増感剤粉末をハロゲン化銀乳剤溶液に直接添加する
と、ハロゲン化銀乳剤溶液の表面で分光増感剤粉末が
「ダマ」と呼ばれる大きな不定形のカタマリが生じ、タ
ンク中での分光増感剤の拡散速度および溶解速度が非常
に大きなものになってしまう。このような状態は実用的
な観点から問題が多く、個々のハロゲン化銀乳剤粒子に
対する分光増感剤の吸着量のバラツキという観点からも
望ましいものではない。
【0012】これらの観点から、本発明に於ける分光増
感剤の固体微分散物の分散粒子径は2.5 μm 以上100 μ
m 以下の範囲であり、好ましくは5μm 以上50μm 以下
の範囲である。
【0013】本発明に於ける分光増感剤の固体微分散物
の分散粒子径は、既知の方法により測定することが可能
である。すなわち、顕微鏡写真の投影面積から求める方
法、ミー散乱およびフラウンホーファー回折に基づく光
散乱回折から求める方法、コールター原理に基づく電気
抵抗から求める方法、等の手法を用いて、分光増感剤の
固体微分散物の分散粒子径を求めることが出来る。光散
乱回折法から求める方法は、分散粒子径の測定を簡便に
行うことが可能であるという点で、特に好ましい。本発
明においては、Malvern Instruments Ltd.社の MasterS
izer Xを用いて測定し、polydisperse modelによる統計
処理から求められた体積加重平均粒径の値を用いた。
【0014】本発明に於ける分光増感剤の固体微分散物
は、水媒体中で分光増感剤を機械的に破砕・分散するこ
とにより得ることができる。具体的には、高速攪拌機、
ボールミル、サンドミル、コロイドミル、アトライタ
ー、超音波分散機などの種々の分散機を用いることによ
り、分光増感剤の固体微分散物を得ることができる。本
発明に於いて分光増感剤を水媒体中に分散する場合の温
度は、0℃から100℃の範囲であり、好ましくは20℃か
ら80℃の範囲であり、より好ましくは50℃から70℃の範
囲である。
【0015】本発明で述べる分光増感剤とは、ハロゲン
化銀に吸着した時にハロゲン化銀に対して光誘起電子移
動を起こす化合物を意味し、有機染料は含まない。ハロ
ゲン化銀乳剤粒子への粒子間吸着量のバラツキを小さく
するためには、増感色素の粒子への吸着時間が、20秒
以上1000秒以内であることが好ましく、30秒以上
600秒以内であることが更に好ましい。本発明に用い
られる分光増感剤としては、シアニン色素、メロシアニ
ン色素、ヘミシアニン色素、ローダシアニン色素、オキ
ソノール色素、ヘミオキソノール色素等のメチン色素お
よびスチリル色素を挙げることができる。これらの分光
増感剤の中でも特に、シアニン色素が好ましい。より好
ましくは、親水性基(例えばスルホ基、スルホアルキル
基、カルボキシル基)を1個、または2個有したアニオ
ン性シアニン色素が有効である。本発明に用いられる分
光増感剤は、例えば、米国特許第2,688,545
号、同2,977,229号、同3,397,060
号、同3,522,052号、同3,527,641
号、同3,617,293号、同3,628,964
号、同3,666,480号、同3,672,898
号、同3,679,428号、同3,703,377
号、同3,769,301号、同3,814,609
号、同3,837,862号、同4,026,707
号、英国特許第1,344,281号、同1,507,
803号、特公昭43−4936号、同53−12,3
75号、特開昭52−110,618号、同52−10
9,925号に記載されている。
【0016】これらの分光増感剤の水中の濃度は0.1 重
量%以上であり、好ましくは0.3 重量%以上30重量%以
下の範囲であり、より好ましくは0.5 重量%以上20重量
%以下の範囲である。
【0017】分光増感剤の高濃度分散を行う場合、分散
物粘度が上昇する場合が多いことが知られており、例え
ば特開平5-297496号に記載されている。一方、無機塩を
含む水媒体中で分光増感剤の分散を行うことにより、作
業上問題となるほどの粘度上昇を起こすことなく分光増
感剤の高濃度分散が可能であることが、既に発明者らに
より見出されている。それゆえ本発明に於いては、0.1
%重量以上の水溶性無機塩を含む水媒体中で分光増感剤
の分散を行うことが好ましい。より好ましくは0.5 重量
%以上、さらに好ましくは1重量%以上50重量%以下の
範囲の水溶性無機塩を含む水媒体中で、分光増感剤の分
散を行うことが有効である。
【0018】分散物の沈降速度は分散物粒径の2乗に比
例し、分散物粘度に反比例することが知られている。こ
の関係はStokesの法則として一般的に理解されており、
例えば、B.ヤーゲンリンス,M.E.ストラウマニス著「コ
ロイド化学」(培風館発行(1967))9章に記載されてい
る。それゆえ分散粒子径が大きいことは、保存中の分散
物の沈降安定性にとっては不利な材料となる。それゆえ
本発明における分散物は、作業性に支障をきたさない程
度に高い粘度を有することが好ましい。このような観点
から、本発明に於ける分光増感剤の固体微分散物の粘度
は、60℃においてB型粘度計で60rpm で測定した場合、
20mPas以上400mPas 以下であり、好ましくは60mPas以上
400mPas 以下、さらに好ましくは150mPas 以上350mPas
以下の範囲である。剪断速度384s-1で測定した場合は、
20mPas以上400mPas 以下であり、好ましくは20mPas以上
200mPas 以下であり、より好ましくは30mPas以上150mPa
s 以下の範囲である。
【0019】B型粘度計としては例えば、東京計器社の
BL粘度計が挙げられる。また、非ニュートン流体は、
剪断速度を規制して測定することが好ましい。このよう
な測定が可能な粘度計として、東京計器社のE型粘度計
VISCONIC EHDが挙げられる。この粘度計では、100rpmで
剪断速度384s-1に規制できる。
【0020】本発明に於いては、分光増感剤の固体微分
散物をゼラチン水溶液と混合し冷却することにより、沈
降安定性に優れた分光増感剤の固体微分散物を含むゼラ
チンゲルとして保存することも可能である。本発明に於
ける、分光増感剤の固体微分散物を含むゼラチンゲル中
のゼラチン濃度は、0.5 重量%以上が好ましく、より好
ましくは1重量%以上50%重量以下の範囲であり、さら
に好ましくは2重量%以上10%重量以下の範囲である。
【0021】分光増感剤を分散する場合の水溶液のpHが
中性領域からはずれると、分光増感剤の化学的安定性が
損なわれることは一般に知られており、中性領域で分散
することが有効であることが、例えば特公昭61-45217に
開示されている。それゆえ本発明においては分散物のpH
が4〜10の範囲、好ましくはpHが5〜9の範囲、より好
ましくはpHが6〜8の範囲となるよう、pHの調製を行う
ことが望ましい。
【0022】水媒体が有機溶媒および/または界面活性
剤を含む分光増感剤分散物を用いて写真用乳剤に分光増
感を施した後、この写真用乳剤を塗布した場合、乳化物
破壊や乳剤の凝集、塗布面状の異常などの問題を引き起
こし易い事が知られている。それゆえ本発明に於いて
は、実質的に有機溶媒および/または界面活性剤を含ま
ない水媒体中で、分光増感剤の固体微分散を行うことが
好ましい。
【0023】本発明の分光増感剤の分散方法を用いて調
製された分散物を用いて分光増感された、あるいはされ
る前のハロゲン化銀乳剤には、目的に応じて種々の添加
剤を用いることができる。また、このようなハロゲン化
銀乳剤を使用して作製される感光材料にも種々の添加剤
を用いることができる。これらの添加剤は、より詳しく
はリサーチディスクロージャー(RD)Item176
43(1978年12月)、同Item18716(1
979年11月)、同Item308119(1989
年12月)、及び同Item40145(1997年9
月)に記載されており、その該当個所を下記にまとめて
示した。
【0024】 添加剤種類 RD17643 RD18716 RD308119 1.化学増感剤 23頁 648頁右欄 996頁 2.感度上昇剤 同 上 3.分光増感剤、 23〜24頁 648頁右欄〜 996右〜 998右 強色増感剤 649頁右欄 4.増 白 剤 24頁 998右 5.かぶり防止剤 24〜25頁 649頁右欄 998右〜1000右 および安定剤 6.光吸収剤、 25〜26頁 649頁右欄〜 1003左〜1003右 フィルター染料、 650頁左欄 紫外線吸収剤 7.ステイン防止剤 25頁右欄 650左〜右欄 1002右 8.色素画像安定剤 25頁 1002右 9.硬 膜 剤 26頁 651頁左欄 1004右〜1005左 10.バインダー 26頁 同 上 1003右〜1004右 11.可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 1006左〜1006右 12.塗布助剤、 26〜27頁 同 上 1005左〜1006左 表面活性剤 13.スタチック 27頁 同 上 1006右〜1007左 防止剤 14.マット剤 1008左〜1009左 本発明の分光増感剤の分散方法を用いて調製された分散
物を用いて分光増感された乳剤ならびにその乳剤を用い
た写真感光材料に使用することができる層配列等の技
術、ハロゲン化銀乳剤、色素形成カプラー、DIRカプ
ラー等の機能性カプラー、各種の添加剤等、及び現像処
理については、欧州特許第0565096A1号(19
93年10月13日公開)及びこれに引用された特許に
記載されている。以下に各項目とこれに対応する記載個
所を列記する。
【0025】1.層構成:61頁23−35行、61頁
41行−62頁14行、 2.中間層:61頁36−40行、 3.重層効果付与層:62頁15−18行、 4.ハロゲン化銀ハロゲン組成:62頁21−25行、 5.ハロゲン化銀粒子晶癖:62頁26−30行、 6.ハロゲン化銀粒子サイズ:62頁31−34行、 7.乳剤製造法:62頁35−40行、 8.ハロゲン化銀粒子サイズ分布:62頁41−42
行、 9.平板粒子:62頁43−46行、 10.粒子の内部構造:62頁47行−53行、 11.乳剤の潜像形成タイプ:62頁54行−63頁5
行、 12.乳剤の物理熟成・化学熟成:63頁6−9行、 13.乳剤の混合使用:63頁10−13行、 14.かぶらせ乳剤:63頁14−31行、 15.非感光性乳剤:63頁32−43行、 16.塗布銀量:63頁49−50行、 17.写真用添加剤:リサーチ・ディスクロージャ(R
D)Item17643(1978年12月)、同It
em18716(1979年11月)及び同Item3
07105(1989年11月)に記載されており、下
記に各項目およびこれに関連する記載個所を示す。
【0026】 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1.化学増感剤 23頁 648頁右欄 866頁 2.感度上昇剤 648頁右欄 3.分光増感剤、 23〜24頁 648頁右欄〜 866〜 868頁 強色増感剤 649頁右欄 4.増 白 剤 24頁 647頁右欄 868頁 5.かぶり防止剤、 24〜25頁 649頁右欄 868〜 870頁 安定剤 6.光吸収剤、 25〜26頁 649頁右欄〜 873頁 フィルター染料、 650頁左欄 紫外線吸収剤 7.ステイン防止剤 25頁右欄 650左欄〜右欄 872頁 8.色素画像安定剤 25頁 650頁左欄 872頁 9.硬 膜 剤 26頁 651頁左欄 874〜 875頁 10. バインダー 26頁 651頁左欄 873〜 874頁 11. 可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 876頁 12. 塗布助剤、 26〜27頁 650頁右欄 875〜 876頁 表面活性剤 13. スタチック 27頁 650頁右欄 876〜 877頁 防止剤 14. マット剤 878〜 879頁 18.ホルムアルデヒドスカベンジャー:64頁54−57行、 19.メルカプト系かぶり防止剤:65頁1−2行、 20.かぶらせ剤等放出剤:65頁3−7行、 21.色素:65頁7−10行、 22.カラーカプラー全般:65頁11−13行、 23.イエロー、マゼンタ及びシアンカプラー:65頁14−25行、 24.ポリマーカプラー:65頁26−28行、 25.拡散性色素形成カプラー:65頁29−31行、 26.カラードカプラー:65頁32−38行、 27.機能性カプラー全般:65頁39−44行、 28.漂白促進剤放出カプラー:65頁45−48行、 29.現像促進剤放出カプラー:65頁49−53行、 30.その他のDIRカプラー:65頁54行−66頁4行、 31.カプラー分散方法:66頁5−28行、 32.防腐剤・防かび剤:66頁29−33行、 33.感材の種類:66頁34−36行、 34.感光層膜厚と膨潤速度:66頁40行−67頁1行、 35.バック層:67頁3−8行、 36.現像処理全般:67頁9−11行、 37.現像液と現像薬:67頁12−30行、 38.現像液添加剤:67頁31−44行、 39.反転処理:67頁45−56行、 40.処理液開口率:67頁57行−68頁12行、 41.現像時間:68頁13−15行、 42.漂白定着、漂白、定着:68頁16行−69頁31行、 43.自動現像機:69頁32−40行、 44.水洗、リンス、安定化:69頁41行−70頁18行、 45.処理液補充、再使用:70頁19−23行、 46.現像薬感材内蔵:70頁24−33行、 47.現像処理温度:70頁34−38行、 48.レンズ付フィルムへの利用:70頁39−41行、
【0027】
【実施例】以下に具体例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明の趣旨を越えない限り、実施例に限定
されるものではない。 実施例1 本実施例は、種々の粒径を持つ分光増感剤の固体微分散
物を得るための手法に関する物である(表1参照)。
【0028】
【表1】
【0029】
【化1】
【0030】
【化2】
【0031】試料1は、1gの分光増感剤1を49g のイオ
ン交換水中で60℃の条件下で、デイゾルバー翼を用い20
00rpm で1時間分散した後、60℃に加熱した12% ゼラチ
ン水溶液(6gのゼラチンを44g のイオン交換水に溶解)
50g を加え、両者を混合することにより得られた。試料
2は、1gの分光増感剤1を49g のイオン交換水中で60℃
の条件下で、デイゾルバー翼を用い2000rpm で10分間分
散した後、60℃に加熱した12% ゼラチン水溶液50g を加
え、両者を混合することにより得られた。試料3は、1g
の硝酸ナトリウムと4gの硫酸ナトリウムを44g のイオン
交換水に溶解させた後、1gの分光増感剤1を加え、60℃
の条件下でデイゾルバー翼を用い2000rpm で1時間分散
した後、60℃に加熱した12% ゼラチン水溶液50g を加
え、両者を混合することにより得られた。試料4は、5g
の分光増感剤1を45g のイオン交換水中で60℃の条件下
で分散を試みた試料である。この試料は分光増感剤を水
に添加した時点でゲル化してしまい、分散自体が行えな
かった。試料5は、1gの硝酸ナトリウムと4gの硫酸ナト
リウムを40g のイオン交換水に溶解させた後、5gの分光
増感剤1を加え、60℃の条件下でデイゾルバー翼を用い
2000rpm で10分間分散した後、60℃に加熱した12% ゼラ
チン水溶液50g を加え、両者を混合することにより得ら
れた。試料6は、1gの硝酸ナトリウムと4gの硫酸ナトリ
ウムを40g のイオン交換水に溶解させた後、5gの分光増
感剤1を加え、60℃の条件下でデイゾルバー翼を用い20
00rpm で1時間分散した後、60℃に加熱した12% ゼラチ
ン水溶液50g を加え、両者を混合することにより得られ
た。試料7は、分光増感剤の粉末そのものである。これ
らの試料の分散粒子径は、光散乱回折法により求められ
た。具体的にはこれらの試料を適当な濃度に希釈した
後、Malvern Instruments Ltd.社の MasterSizer Xを用
いて測定し、polydisperse modelによる統計処理から求
められた体積加重平均粒径の値を用いた(表2参照)。
【0032】
【表2】
【0033】試料1と試料2は分散時間のみが異なる
(それぞれ10分と1時間)。これらの比較から、分散時
間の調整により分光増感剤の固体微分散物の分散粒子径
の制御が可能であることが結論される。試料2と試料3
は、分光増感剤を分散する場合の水媒体中の、無機塩の
存在の有無のみが異なる。これらの比較から、イオン交
換水中で分散を行った場合と比較して、無機塩存在下で
分散を行った場合は分光増感剤の分散粒子径が大きくな
ることが結論される。試料4はイオン交換水中での分光
増感剤の高濃度分散を試みた試料である。この試料の場
合、5gの分光増感剤と45g のイオン交換水を混合した時
点でゲル化してしまい分散が行えなかった。これに対し
試料5、試料6においては、1gの硝酸ナトリウムと4gの
硫酸ナトリウムをイオン交換水40g に溶解した後、5gの
分光増感剤1を加えた。この場合にはゲル化がおこら
ず、1時間分散した後も粘度上昇は観察されなかった。
試料4と試料5、試料6の比較から、高塩濃度条件下に
於ける分光増感剤の高濃度分散が、分散物の粘度増加抑
制に極めて有効であることが結論される。また、試料
5、試料6の場合も、試料3と同様、分散粒子径の大き
な増感色素の固体微分散物が得られ、その分散粒子径は
分散時間に依存した。
【0034】このように、分散時間や無機塩添加量を調
製することで分光増感剤の固体微分散物の分散粒子径を
調整可能なこと、無機塩添加により分光増感剤の高濃度
分散物が調製可能なこと、が明らかとなった。
【0035】実施例2 本実施例は、ハロゲン化銀乳剤への吸着速度に対する、
分光増感剤の固体微分散物の分散粒子径の影響を検討し
たものである。
【0036】実施例1で作成した、試料1〜3、5〜7
の分光増感剤の固体微分散物を吸着させるハロゲン化銀
乳剤としては、平均粒径2.4 μm 、厚み0.1 μm の単分
散臭化銀粒子を用いた。ハロゲン化銀乳剤の平均粒径
は、その投影像を同面積の円に換算したときの直径を示
しており、既知の方法で測定できる。ハロゲン化銀乳剤
に対する分光増感剤1の吸着挙動は、以下の方法にて測
定した。225 gのハロゲン化銀乳剤を60℃に加熱溶解さ
せた後、60rpm の攪拌下で、60℃に加熱溶解させた12g
の試料1を添加し(他の試料については、分光増感剤量
が等しくなる量の固体微分散物を添加し、さらに全体量
が等しくなるようイオン交換水を追添加)、分光増感剤
添加後の乳剤中の反射スペクトルの経時変化を、瞬間マ
ルチ測光システム(大塚電子製MMPASD-100)により、10
秒毎に測定した。ハロゲン化銀乳剤のプリントアウトを
防ぐ目的で、これらの実験は全て赤灯下で行った。試料
1〜3、5〜7の分散粒子径および、これらの分散物を
用いた場合の、ハロゲン化銀乳剤への吸着完了までに要
した時間を表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】試料8〜13は全て、472nm 付近に極大を
持ち同じピーク面積を有する反射スペクトルを示した。
分光増感剤1を水/メタノール = 1/1混合溶媒に均一溶
解させた場合の吸収スペクトルの極大は430nm ゆえ、い
ずれの試料に於いても、分光増感剤1がハロゲン化銀乳
剤表面で、同様のJ凝集体を形成していることが結論さ
れる。また、分光増感の分散物粒径とハロゲン化銀乳剤
に対する吸着時間の間には、負の相関関係があることが
結論される。
【0039】試料13は、分光増感剤を粉末のままハロ
ゲン化銀乳剤溶液に添加した試料である。この試料で
は、ハロゲン化銀乳剤溶液の表面で分光増感剤粉末が
「ダマ」となり、あたかも非常に大きな分光増感剤の結
晶のごとく振る舞い、反応系中での分光増感剤の拡散速
度および溶解速度が非常に大きなものになってしまう。
このため、他の試料と比較して桁違いに大きな吸着時間
となることが推定される。
【0040】分光増感剤分散物が系全体に拡散するため
には、本実験条件下では30秒程度、より大きなタンクで
はさらに多くの時間が必要となる。このことは、従来良
いと信じられていた1μm 以下の分散粒子径を持つ分光
増感剤の固体微分散物を用いた場合には、分光増感剤粒
子が系全体に拡散する前に、ハロゲン化銀乳剤の粒子表
面への吸着が完了してしまうことを意味している。
【0041】実施例3 本実施例は、粒径の異なる分光増感剤の固体微分散物を
用いて調製したハロゲン化銀乳剤について、個々のハロ
ゲン化銀乳剤粒子に対する分光増感剤の吸着量を測定
し、ハロゲン化銀乳剤に対する分光増感剤吸着量のバラ
ツキと固体微分散物の分散粒子径の対応関係を明確化し
たものである。
【0042】実施例2で調製した試料8〜13につい
て、各々の試料中の200 個の乳剤粒子表面に吸着してい
る分光増感剤1の濃度を、特開平7-219094号に記載の方
法で測定し、個々のハロゲン化銀乳剤粒子への分光増感
剤の吸着量の分布を求めた。これらのデータを統計処理
し、各試料について、増感色素の吸着量の変動係数(標
準偏差を平均値で割った値)を求めた。得られた結果を
表4に示す。
【0043】
【表4】
【0044】試料8は比較例であるが、分散粒子径が1
μm 未満であるため、吸着終了までの時間が20秒と短
い。このため、分光増感剤の分散物粒子が系内に拡散す
る前にハロゲン化銀乳剤表面への吸着が終了してしま
う。従って、分光増感剤が全く吸着していない乳剤粒子
が多数残存してしまい、吸着量の変動係数が49という大
きな値を示す。試料9は本発明であるが、分散粒子径が
2.5 μm 以上であり、分光増感剤分散物粒子が系全体に
拡散した後、吸着が完了する。このため、分光増感剤が
未被覆のハロゲン化銀粒子の数が試料7と比較して少な
くなり、吸着量の変動係数は小さな値となる。試料10
〜12は本発明であるが、いずれも分散粒子径が20μm
〜100 μm 程度であり、吸着が終了するまでに、分散物
が反応系全体に拡散するだけの十分な時間的余裕があ
る。それゆえこれらの系では、分光増感剤が未被覆のハ
ロゲン化銀粒子は存在せず、分光増感剤吸着量の変動係
数は非常に小さい値を示す。試料13は比較例であり、
分光増感剤を粉末のままハロゲン化銀乳剤溶液に添加し
た試料である。この試料では、ハロゲン化銀乳剤溶液の
表面で分光増感剤粉末が「ダマ」となり、あたかも非常
に大きな分光増感剤の結晶のごとく振る舞う。このため
「ダマ」の付近に存在するハロゲン化銀乳剤粒子のみに
分光増感剤が吸着してしまう。このため、分光増感剤吸
着量の変動係数が全ての試料の中で最大の値(68)を示
しており、このことは、分光増感剤の吸着量のバラツキ
が極めて大きなハロゲン化銀乳剤であることを意味して
いる。
【0045】このように、分光増感剤の粉末添加、ある
いは従来良いと信じられていた1μm 以下の分散粒子径
を持つ分光増感剤の固体微分散物を使用する場合と比較
して、本発明の分散物、すなわち2.5 μm 以上100 μm
以下の範囲の分散粒子径を持つ分光増感剤の固体微分散
物を用いた場合にのみ、分光増感剤の吸着量のバラツキ
の少ないハロゲン化銀乳剤を調製できることが明らかと
なった。
【0046】実施例4 本実施例は、本発明によって得られた分光増感剤の分散
物を用いて作成した乳剤が、良好な写真性能を有するこ
とを示すものである。
【0047】特開平9-203996号の実施例4に記載の乳剤
Jの作成法に従い、乳剤1、2を作成した。乳剤1は分
光増感剤1を添加する場合に試料1を用い、乳剤2は分
光増感剤1を添加する場合に試料5を用い、それぞれ作
成した。これらの乳剤を単層塗布し写真性を比較したと
ころ、乳剤2を用いた場合の方が乳剤1を用いた場合よ
りも、若干高感化および硬調化していた。これは、乳剤
2の方が、個々の乳剤に対する増感色素吸着量のバラツ
キが少ないことに起因すると推定される。同様にして、
特開平9-203996号の実施例4に記載の乳剤Kおよび乳剤
Lについても、試料5を用いて作成した。これらの乳剤
を用いて全重層のサンプルを作成したところ、満足の行
く写真性能が得られた。
【0048】このように、本発明によって得られた分光
増感剤の分散物を用いて製造された乳剤は、良好な写真
性能を示すことが認められた。
【0049】実施例5 本実施例は、本発明で得られた分光増感剤分散物を、ゼ
ラチンのゲル化温度以上で長時間静置した場合の、分散
物粘度と容器内での濃度勾配の有無の関係を示すもので
ある(表5参照)。
【0050】
【表5】
【0051】試料14は、1.0gの硝酸ナトリウムと4.0g
の硫酸ナトリウムを40g のイオン交換水に溶解させた
後、5gの分光増感剤1を加え、60℃の条件下でデイゾル
バー翼を用い2000rpm で20分間分散した後、60℃に加熱
した12% ゼラチン水溶液50g を加え、両者を混合するこ
とにより得られた。試料15は、1.0gの硝酸ナトリウム
と4.0gの硫酸ナトリウムを40g のイオン交換水に溶解さ
せた後、5gの分光増感剤1を加え、60℃の条件下でデイ
ゾルバー翼を用い2000rpm で40分間分散した後、60℃に
加熱した12% ゼラチン水溶液50g を加え、両者を混合す
ることにより得られた。試料16は、1.0gの硝酸ナトリ
ウムと4.0gの硫酸ナトリウムを40g のイオン交換水に溶
解させた後、5gの分光増感剤1を加え、60℃の条件下で
デイゾルバー翼を用い2000rpm で1時間分散した後、60
℃に加熱した12% ゼラチン水溶液50g を加え、両者を混
合することにより得られた。試料17は、0.8gの硝酸ナ
トリウムと3.2gの硫酸ナトリウムを41g のイオン交換水
に溶解させた後、5gの分光増感剤1を加え、60℃の条件
下でデイゾルバー翼を用い2000rpm で20分間分散した
後、60℃に加熱した12% ゼラチン水溶液50g を加え、両
者を混合することにより得られた。試料18は、0.8gの
硝酸ナトリウムと3.2gの硫酸ナトリウムを41g のイオン
交換水に溶解させた後、5gの分光増感剤1を加え、60℃
の条件下でデイゾルバー翼を用い2000rpm で40分間分散
した後、60℃に加熱した12% ゼラチン水溶液50g を加
え、両者を混合することにより得られた。試料19は、
0.8gの硝酸ナトリウムと3.2gの硫酸ナトリウムを41g の
イオン交換水に溶解させた後、5gの分光増感剤1を加
え、60℃の条件下でデイゾルバー翼を用い2000rpm で1
時間分散した後、60℃に加熱した12% ゼラチン水溶液50
g を加え、両者を混合することにより得られた。試料2
0は、0.6gの硝酸ナトリウムと2.4gの硫酸ナトリウムを
42g のイオン交換水に溶解させた後、5gの分光増感剤1
を加え、60℃の条件下でデイゾルバー翼を用い2000rpm
で20分間分散した後、60℃に加熱した12% ゼラチン水溶
液50g を加え、両者を混合することにより得られた。試
料21は、0.6gの硝酸ナトリウムと2.4gの硫酸ナトリウ
ムを42g のイオン交換水に溶解させた後、5gの分光増感
剤1を加え、60℃の条件下でデイゾルバー翼を用い2000
rpm で40分間分散した後、60℃に加熱した12% ゼラチン
水溶液50g を加え、両者を混合することにより得られ
た。試料22は、0.6gの硝酸ナトリウムと2.4gの硫酸ナ
トリウムを42g のイオン交換水に溶解させた後、5gの分
光増感剤1を加え、60℃の条件下でデイゾルバー翼を用
い2000rpm で1時間分散した後、60℃に加熱した12% ゼ
ラチン水溶液50g を加え、両者を混合することにより得
られた。
【0052】これらの試料の分散粒子径は、光散乱回折
法により求められた。具体的にはこれらの試料を適当な
濃度に希釈した後、Malvern Instruments Ltd.社の Mas
terSizer Xを用いて測定し、polydisperse modelによる
統計処理から求められた体積加重平均粒径の値を用い
た。60℃におけるこれらの分散物粘度は、東京計器社の
E型粘度計VISCONIC EHDを用い、100rpmの条件下で測定
された。
【0053】これらの試料75ccを100ml のメスシリンダ
ーに導入し密封後、60℃の条件下で1時間放置した。こ
れらの試料を室温に戻しゲル化させた後、メスシリンダ
ー外部を暖めることによりゲル状のまま試料を取り出し
た。これらの試料の上下から所定量の分散物を採取した
後、水/メタノール=1/1(重量比)の混合溶媒で10
000 倍に希釈し、紫外可視吸収スペクトルを測定した。
この時の吸収極大波長(430nm)における両者の吸光度を
比較し、吸光度の差が1%未満の場合を○、1%以上2%未満
の場合を△、2%以上の場合を×と評価した。また、これ
らの試料を60℃の状態で移液した場合の、器壁に対する
試料の付着状態(残存状態)を目視で評価し、作業性の
評価基準とした(表6参照)。
【0054】
【表6】
【0055】試料14〜22はすべて、分散粒子径は本
発明の範囲内であり、無機塩含有量と分散時間に基づ
き、分散物粘度が異なる試料である。試料14〜16を
比較すると、分散時間とともに分散物粘度が上昇し、沈
降安定性が付与されることが結論される。試料17〜試
料19についても同様の結論が引き出されるが、試料1
4〜16と比較して無機塩含有量が少ないため、相対的
に粘度が高く、より短時間の分散で沈降安定性の高い分
散物が得られている。試料20〜22については、さら
に無機塩含有量が少ないため、分散時間の増加に伴う粘
度増加が激しい。このため、分散時間が長くなるととも
に分散物粘度が上がりすぎてしまい、ゼラチン溶液を混
合後も、分光増感剤分散物とゼラチン溶液が完全には混
ざり合わず、移液後に分散物が器壁に付着してしまう。
このように、粘度が高すぎる分散物は、作業性にとって
好ましくない。
【0056】このように、粒子径の大きい分散物がゼラ
チンのゲル化温度以上で長時間静置される条件下に於い
て、容器内で分光増感剤の濃度勾配を生じさせず、か
つ、適度な作業性を有するためには、分散物粘度がある
範囲内であることが必要なことが明らかとなった。以上
の実施例1〜5で用いた増感色素1の代わりに、増感色
素2〜7を用いた場合においても同様の効果が得られ
た。
【0057】
【発明の効果】本発明の、分散粒子径の平均値が2.5 μ
m 〜100 μm の範囲である分光増感剤の固体微分散物を
用いることにより、個々の乳剤粒子に対する分光増感剤
の吸着量のバラツキの小さいハロゲン化銀乳剤を調製す
ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、分光増感剤の吸着速度と拡散速度の相
対関係と、個々の乳剤粒子に対する分光増感剤の吸着量
のバラツキとの関係を示す模式図である。(a)は、乳
剤粒子に対する分光増感剤の吸着速度が、分光増感剤の
系中に於ける拡散速度よりも遅い場合を表わし、(b)
は、乳剤粒子に対する分光増感剤の吸着速度が、分光増
感剤の系中に於ける拡散速度よりも速い場合を表わす。
ここで、●は分光増感剤分子を、□はハロゲン化銀乳剤
粒子を、それそれ模式的に表わす。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分散粒子径の平均値が2.5 μm 以上100
    μm 以下の範囲であることを特徴とする水媒体中で分散
    された分光増感剤の固体微分散物。
  2. 【請求項2】 前記固体微分散物の60℃における粘度
    が、B型粘度計で60rpm で測定した場合に20mPas以上40
    0mPas 以下であることを特徴とする請求項1に記載の固
    体微分散物。
  3. 【請求項3】 前記固体微分散物の60℃における粘度
    が、剪断速度384s-1で測定した場合に20mPas以上400mPa
    s 以下であることを特徴とする請求項1に記載の固体微
    分散物。
  4. 【請求項4】 前記固体微分散物の60℃における粘度
    が、B型粘度計で60rpm で測定した場合に60mPas以上40
    0mPas 以下であることを特徴とする請求項2に記載の固
    体微分散物。
  5. 【請求項5】 前記固体微分散物の60℃における粘度
    が、B型粘度計で60rpm で測定した場合に150mPas 以上
    350mPas 以下であることを特徴とする請求項4に記載の
    固体微分散物。
  6. 【請求項6】 前記固体微分散物の60℃における粘度
    が、剪断速度384s-1で測定した場合に20mPas以上200mPa
    s 以下であることを特徴とする請求項3に記載の固体微
    分散物。
  7. 【請求項7】 前記固体微分散物の60℃における粘度
    が、剪断速度384s-1で測定した場合に30mPas以上150mPa
    s 以下であることを特徴とする請求項6に記載の固体微
    分散物。
JP20377498A 1998-04-09 1998-07-17 分光増感剤の固体微分散物 Pending JPH11352620A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20377498A JPH11352620A (ja) 1998-04-09 1998-07-17 分光増感剤の固体微分散物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10-97984 1998-04-09
JP9798498 1998-04-09
JP20377498A JPH11352620A (ja) 1998-04-09 1998-07-17 分光増感剤の固体微分散物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11352620A true JPH11352620A (ja) 1999-12-24

Family

ID=26439104

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20377498A Pending JPH11352620A (ja) 1998-04-09 1998-07-17 分光増感剤の固体微分散物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11352620A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS59133540A (ja) ハロゲン化銀乳剤及びその製造方法
DE3241638A1 (de) Strahlungsempfindliche photographische silberhalogenidemulsion und verfahren zur herstellung derselben
JPS61285445A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
WO1983002173A1 (en) Silver halide emulsion and process for its preparation
JPH02293838A (ja) 感光性ハロゲン化銀乳剤の製造方法
JP3004717B2 (ja) 小さい双晶面間隔を有するハロゲン化銀粒子
US5639591A (en) Silver halide photographic light-sensitive material
JPH11352620A (ja) 分光増感剤の固体微分散物
EP0895119B1 (en) Dispersion method of spectral sensitizer and dispersion obtained thereby
JPS63271336A (ja) 写真要素および高コントラスト写真ハロゲン化銀乳剤の処理方法
JP2004199080A (ja) 銀イオン封鎖/放出剤
JP2000002960A (ja) 写真用有機化合物の固体微分散物
US5436122A (en) Silver halide color photographic light-sensitive material comprising a solid particle dispersion of a spectral sensitizing dye, and having a total coating wt of Ag less than 4 G/M2
JPS63115159A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料の製造方法
JPH07225449A (ja) ハロゲン化銀画像形成材料
JPH0254534B2 (ja)
JPH1157455A (ja) 無機塩含有ゼラチンゲル及びこれを用いる固体微分散方法
JP3012093B2 (ja) ハロゲン化銀写真乳剤及びそれを用いたハロゲン化銀写真感光材料
JP2883891B2 (ja) 感光性ハロゲン化銀写真材料
JPH07113738B2 (ja) 経時カブリ等の少ない改良されたハロゲン化銀写真感光材料
JP2772882B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料の現像処理方法
JP2909642B2 (ja) 写真性能及び経時保存性の優れたハロゲン化銀写真乳剤
JP3220837B2 (ja) ハロゲン化銀乳剤およびハロゲン化銀カラー写真感光材料
JPH02195342A (ja) 直接ポジハロゲン化銀写真感光材料
JPS58108525A (ja) 放射線感応性ハロゲン化銀写真乳剤及びその製法