JP2004199080A - 銀イオン封鎖/放出剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 銀イオン封鎖/放出剤の銀イオン封鎖性を改良する。
【解決手段】 下式の銀イオン交換可能材料を含んでなる銀イオン封鎖/放出剤。
M(H(1-x-y)AgxM'yPO42・nH2
上式中、Mはジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、スズ(Sn)、ゲルマニウム(Ge)もしくはハフニウム(Hf)又はそれらの任意の組合せであり、M’はアルカリ金属又はアルカリ土類金属であり、xは0.10〜0.80の範囲内の数値であり、yは0.15〜0.85の範囲内の数値であり、(x+y)は0.25〜0.95の範囲内の数値であり、そしてnは0〜10の範囲内の有理数である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、銀イオン封鎖/放出剤組成物、その製造方法、及び写真処理液に暴露したときに放出されることができる封鎖された銀イオンを含む写真要素に関する。
最も基本的な形態において、写真系は、ハロゲン化銀(光を検出でき、それを潜像として保存できる)と、現像主薬分子(潜像を可視像に変換できる)とを含む。しかしながら、未露光ハロゲン化銀は、現像主薬分子の存在下での還元について熱力学的に不安定であるので、これらの2つの化学的性質は、適合しない。この結果、現代の写真方式では、典型的に露光と処理の多工程を必要とする。
写真系に対するAgイオンの影響は、長年の研究課題であった(例えば、T.H.James編、「The Theory of the Photographic Process(写真プロセスの理論)」、第4版、第13章、1977年参照)。Agイオン濃度の制御がハロゲン化銀乳剤の製造及びハロゲン化銀画像形成要素の製造及び処理において重要であることは、知られている。特に、Agイオンをハロゲン化銀画像形成要素に導入すると、「溶液物理現像」として知られている現象が生じ、溶液中の銀イオンが現像ハロゲン化銀粒子上に吸着される。次に、銀イオンが現像主薬により還元されて銀金属を形成し、それにより画像の総濃度が有利に高まる。しかしながら、このプロセスは、ほとんど無差別におこなわれ、画像形成効率の正味利得がない状態で、系においてカブリが高まる。その結果、溶液物理現像法は、ある種の反転プロセスを除いて、ほとんどの写真方式において一般的に避けられている。写真処理の前に、銀イオンを効果的に封鎖してカブリ濃度を最小限とし、一般的な写真処理溶液の導入に放出され、写真画像の増加に有効である、写真材料を提供することが望ましいであろう。
活性な化学的物質を直接フィルム配合物に含有させて露光後の処理を簡略化又は改善することは、写真業界において長年の目的であった。しかしながら、いくつかの写真に有用な化合物は、感光性材料に安定に含有させることは困難であるか、又は含有させたときに写真性能の重大な劣化を生じる。これらの化合物を写真要素に直接含有させるとき、写真処理前に、典型的に化学変性により安定化するか、無害化する必要がある。現像及び他の活性な化学物質を写真要素配合物に含有させる方法は、多数の特許及び刊行物に記載されてきた。Schleigh及びFaulは、Research Disclosure129(1975)において、「ブロッキング」化学的性質を有する発色現像主薬を添加して早期の反応を防止する方法を記載している。Irving等による米国特許第6,261,757号は、現像主薬及び他の写真化学物質をイオン交換樹脂の表面にイオン結合させる写真品を記載している。
米国特許第4,942,119号は、銀イオン交換プロセスにより合成方ソーダ石から調製した微細孔の方ソーダ石格子のケージに捕捉又はカプセル化された感放射線性銀組成物を含む材料を開示している。しかしながら、このような材料を、ハロゲン化銀乳剤を含む写真要素の処理中に銀イオン源として使用することは、開示していない。
EP0909981は、写真に有用な基を含有させたゼオライトを含むハロゲン化銀写真材料を開示している。反応容器におけるより粗いハロゲン化銀粒子についての熟成用の超微細結晶性ハロゲン化銀のインサイチュ調製用の水溶性銀塩及びハロゲン化物塩を添加したゼオライトを使用することも開示されているが、このような材料を使用して写真要素の処理中に放出される封鎖した銀イオンを含有させることは、開示されていない。
Clearfield及びCheng(J.Inorg.Nucl.Chem.,42,1341(1980))は、以下の材料の組成物及び以下の材料の製造方法を記載している:Zr(AgPO42・H2O、ZrAg0.221.78(PO42及びZrAg0.751.25(PO42。しかしながら、このような材料を、ハロゲン化銀乳剤を含む写真要素の処理中に銀イオン源として使用することは開示されていない。
同時継続の本発明の譲受人に譲渡されたBringley等による欧州特許出願第2080289.8号(出願日:2002年12月13日)は、写真処理前に銀イオンを封鎖し(写真カブリの発生を最小限とする)、写真処理溶液に暴露すると銀イオンを放出する(写真感度又は現像性が増加することが観察される)銀イオン含有材料の形態の少なくとも1層の親水性コロイド層に封鎖された銀イオンを含有した写真材料を記載している。一実施態様によれば、銀イオン含有材料は、ホスト材料の層間にゲストイオンとして挿入された銀イオンを有する層状ホスト材料を含む銀イオン交換したインターカレーション組成物を含むことができる。特定の記載した実施態様によれば、銀イオン含有組成物ホスト材料は、層状リン酸水素金属組成物を含み、得られた銀イオン含有材料は、式:
M(H1-xAgxPO42・yH2
(式中、Mは、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、スズ(Sn)、ゲルマニウム(Ge)若しくはハフニウム(Hf)又はそれらのいずれかの組み合わせであり;xは、0〜1の数であり;yは、0〜10の有理数である)
で表される銀イオン交換可能性材料を含む。
米国特許第4942119号明細書 米国特許第6261757号明細書 欧州特許出願公開第909981号明細書 米国特許出願第10/033517号明細書 Abraham Clearfield及びSoofin Cheng、「On The Mechanism Of Ion Exchange In Zirconium Phospates-XXX」、J. Inorg. Nucl. Chem. 第42巻、第1341-1345頁、1980年 William R. Schleigh及びWilliam H. Faul、Research Disclosure 12924、1975年1月、「Incorporated Dye-Forming Blocked Developers」、第27-30頁
欧州特許出願第2080289.8号明細書に記載されているホスト材料が写真要素における銀イオンを封鎖する能力は、とりわけ要素を長期保存したときのカブリレベルの増加に直接関係している。また、銀イオン交換可能材料とともに非封鎖銀イオンが添加されるのを最小限とするために、このような材料は、非封鎖残留銀イオンが実質的にない形態で調製される必要がある。上記した同時継続出願は、ホスト材料と銀イオンとを銀イオンがホスト材料にイオン交換できるように組み合わせ、続いてこの組み合わせを洗浄及び/又はろ過して非封鎖残留銀イオンを除去することにより、このような材料を調製することを記載している。改善された銀イオン封鎖性を示す銀イオン含有材料を提供することが、望ましい。また、残留銀イオン除去工程を必要としない、より効率的なプロセスに同様に使用するために調製できる銀イオン含有材料を提供することも、望ましい。
本発明の一態様によれば、下式で表される銀イオン交換可能材料を含んでなる銀イオン封鎖/放出剤が提供される。
M(H(1-x-y)AgxM'yPO42・nH2
上式中、Mはジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、スズ(Sn)、ゲルマニウム(Ge)もしくはハフニウム(Hf)又はそれらの任意の組合せであり、M’はアルカリ金属又はアルカリ土類金属であり、xは0.10〜0.80の範囲内の数値であり、yは0.15〜0.85の範囲内の数値であり、(x+y)は0.25〜0.95の範囲内の数値であり、そしてnは0〜10の範囲内の有理数である。また、本発明によれば、上記の銀イオン封鎖/放出剤の製造方法であって、水性媒体中で、式M(HPO42・nH2Oで表される結晶性又は非晶質のリン酸水素金属系イオン交換ホスト材料と、該イオン交換ホスト材料の量に対して2モル当量未満の銀イオンとを混ぜ合わせることにより、該ホスト材料に含まれるプロトンを銀イオンに交換する工程と、該水性媒体に塩基化合物を添加することによりpHを4.4以上にし、かつ、該混ぜ合わせた銀イオンの少なくとも95%を該ホスト材料内に封鎖する工程とを含むことを特徴とする方法も提供される。さらに本発明は、該銀イオン封鎖/放出剤の粒子を、pHが4.4以上である水性媒体に含む組成物を提供する。
また、本発明によれば、支持体上に少なくとも1層の写真ハロゲン化銀乳剤層を含む1層以上の親水性コロイド層を有する写真要素であって、1以上の層に、写真処理前は銀イオンを封鎖しているが、写真処理液に晒された際には銀イオンを放出する上記の銀イオン封鎖/放出剤を含有する写真要素が提供される。また、本発明によれば、上記の写真材料に、該銀イオン封鎖/放出剤よりも高い濃度の、銀イオン以外のカチオンを有する写真処理液を接触させてカチオン濃度勾配を確立し、該銀イオン封鎖/放出剤とのイオン交換により該銀イオン封鎖/放出剤から銀イオンを放出させることを特徴とする、露光後の写真材料の処理方法が提供される。
本発明によれば、イオン交換化合物の銀イオン封鎖性が改善される、独特の銀イオン封鎖/放出剤、それらの製造法及び組成物が提供される。改善された封鎖性は、写真用途だけでなく、銀イオン封鎖/放出剤の抗菌用途にも利用できる可能性がある。この場合、食品接触材料及び人間の組織におけるバクテリア、ウイルス及び真菌類の成長を防止するために、銀イオンが制御されて放出される。写真の面から、本発明は、従来開示されている材料と比較して、感度と最小濃度特性が改善され、且つ保存性が改善される。さらに、本発明によれば、その後に精製を必要としない封鎖/放出剤の改善された製造方法が提供される。この方法によれば、銀イオン交換化合物の製造が大幅に簡略化し、かつ、ろ過や水洗等のコストと時間がかかる製造工程をなくすことができる。
本発明の銀イオン封鎖/放出剤材料は、規定された割合の銀イオン及びそこにイオン交換された少なくとも1種の追加の金属を有するリン酸水素金属組成物を含む。
このような材料は、具体的に式
M(H(1-x-y)AgxM'yPO42・nH2
(式中、Mは、Zr、Ti、Sn、Ge若しくはHf又はそれらのいずれかの組み合わせであり;M’は、アルカリ又はアルカリ土類金属であり;xは、0.10〜0.80の数であり;yは、0.15〜0.85の数であり;(x+y)は0.25〜0.95の数であり;nは、0〜10の有理数である)
で表される。本発明の好ましい実施態様によれば、xが0.15〜0.70であり、yが0.15〜0.50であり、(x+y)は0.30〜0.95である。より好ましい実施態様によれば、xが0.20〜0.60であり、yが0.20〜0.50であり、(x+y)は0.40〜0.95である。しかしながら、必要ではないが、銀イオン交換可能材料は、水不溶性であり、且つ平均粒度が、0.01〜10.0マイクロメートル、より好ましくは0.05〜1.0マイクロメートルであることが、好ましい。
銀イオンは、種々の手順により層状ホスト材料に封鎖されることができる。典型的な製造法によれば、粒度が50マイクロメートル未満、好ましくは10マイクロメートル未満、より好ましくは1マイクロメートル未満である固体ホスト化合物を、蒸留水に添加し、懸濁液は、高速攪拌により形成される。水性媒体は、淡水又は親水性コロイド組成物を含むことができる。次に、インターカレート又はイオン交換される銀イオンを、懸濁液に添加する。混合物を、長時間攪拌するか、インターカレーション又はイオン交換プロセスが完全となるまで攪拌する。必要に応じて、混合物を穏やかに加熱してプロセスを加速してもよい。非水性溶媒又はそれらの混合物を用いて、反応を実施してもよい。反応の進行は、粉末X線回折及び他の分析法を用いて監視できる。粉末X線回折により、一般的に層間距離と呼ばれている層状ホスト化合物の2つの隣接する層の間の平均距離に関する直接の情報が得られる。インターカレーションにより、層間にゲストイオンが入り、したがって、層間間隔は、典型的にはゲストイオンを捕獲する程度まで増加する。層間距離は、典型的にはゲストのサイズに正比例する。元素分析等の他の分析法を使用して、反応の程度を確認できる。
本発明の特定の実施態様によれば、銀イオン封鎖/放出剤材料は、水性媒体中で、式M(HPO42・nH2Oで表される結晶性又は非晶質リン酸水素金属イオン交換ホスト材料と、イオン交換ホスト材料の量に対して2モル当量未満の銀イオンとを混ぜて、銀イオンを前記ホスト材料におけるプロトンと交換する工程と、塩基化合物を前記水性媒体に添加してpHを4.4以上とし、前記混合した銀イオンの少なくとも95%を前記ホスト材料に封鎖する工程により調製される。塩基化合物は、M’アルカリ又はアルカリ土類金属を本発明の封鎖/放出剤材料に含有させるだけでなく、pHを所望のレベルに制御するように適宜選択できる。具体例をあげると、塩基化合物は、NaOHである。使用できる他の塩基化合物として、KOH、LiOH、RbOH、CsOH、Mg(OH)2、Ca(OH)2、又は金属酢酸塩類、例えば、酢酸ナトリウム若しくは酢酸カリウム、又は有機塩基類、例えば、水酸化アンモニウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ヒドロキシルアミン及びピリジンなどがあげられる。銀は、硝酸銀若しくは酢酸銀、過塩素酸銀又は他の水溶性銀塩等のいずれかの塩の形態で適宜添加できる。このようなホスト材料による銀イオンの捕捉率は、懸濁液のpHの増加とともに増加し、ホスト材料は、pHが高いほどより効率的に銀イオンを封鎖する。これらの結果は、水性媒体中のリン酸水素ジルコニウムと銀イオンとの組み合わせについての下式(1)及び(2)により表されるイオン交換プロセスを考慮すると、理解できる。式(1)において、塩基化合物は添加されず、一方、式(2)において、NaOHを添加する:
Figure 2004199080
各式において、イオン交換ホスト内で、銀イオンと交換プロトンとの間の平衡が確立する。式(1)において、銀イオン濃度が増加するにつれ、続いてプロトン濃度が増加し(pHが低下し)、これが平衡を逆方向に押し戻すため、交換される銀イオンは一部に限られる。さらに、Zr(HPO42・H2Oは酸性固体であるため、単に追加のホスト交換材料を添加するだけでは当該平衡を順方向に有効に移行させることはできない。式2においては、銀イオンと、交換プロトンと、塩基化合物で導入されたナトリウムイオンとの間で平衡が確立する。塩基化合物(NaOH)を添加すると、添加された水酸化物イオンが交換プロトンと反応して水を形成するため、当該平衡が順方向に推進される。このことは、ホスト交換体の銀イオン封鎖性が改善され、また、銀イオンの実質的に全部を封鎖することができ、コストのかかる操作となり得る未吸収銀イオンのない生成物を水洗する必要がなくなり、重要である。本発明の好ましい実施態様によれば、銀イオン封鎖/放出剤の調製中に十分な塩基化合物を水性媒体に添加してpHを4.4以上(より好ましくは5.0以上、最も好ましくは5.2以上)とし、混合された銀イオンの少なくとも95%(より好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは少なくとも99%)が、ホスト材料内に封鎖される。pHの上限値は重要ではないが、ホスト材料内への取り込みについて銀イオンと競合し得る塩基カチオンが過剰に存在しないように、pHを10未満、より好ましくは8未満とすることが好ましい。
本発明により調製された銀イオン含有材料組成物を、写真要素親水性コロイド層コーティング組成物に含有させることができる。この組成物は、遊離固体として添加してもよいし、固形物を水若しくは非水性媒体又は水性親水性コロイド媒体、例えば、ゼラチンに分散するか、疎水性若しくは親水性ポリマー媒体に分散させることにより調製できる。典型的な写真感光性材料は、ハロゲン化銀乳剤組成物を含む親水性コロイド層に基づいているが、種々の他の種類の感光性成分を用いた他の種類の材料が、公知である。銀イオン含有組成物を、感光性乳剤層に含有させてもよいし、感光性乳剤層に関連していてよい他の親水性コロイド層に含有させてもよい。写真感度、上方スケール濃度及び/又はコントラストの増加が、広い被覆率範囲の含有銀イオンで得られるが、カブリ濃度の増加についての悪影響を最小限とするために、銀イオン含有材料を、要素のハロゲン化銀乳剤の銀質量に対して、好ましくは含有封鎖銀イオン5質量%以下、より好ましくは4質量%以下、最も好ましくは3質量%以下とするレベルで利用することが、好ましい。含有封鎖銀イオンの好ましいレベルは、銀イオン含有材料が関連する乳剤層のハロゲン化銀乳剤の銀の質量に対して、0.01〜5質量%、より好ましくは0.05〜4質量%、最も好ましくは0.1〜3質量%である。
本発明により調製された銀イオン含有組成物は、単色要素(白黒を含む)又は多色写真要素に有用であろう。ハロゲン化銀多色要素は、典型的には支持体及びスペクトルの三原色領域の各々に感受性のある画像染料形成単位を含む。各単位は、スペクトルの一定領域に感受性のある単一乳剤層又は複数の乳剤層を含むことができる。画像形成単位の層を含む要素の層を、当該技術分野において公知の種々の順序で配置できる。別のフォーマットでは、スペクトルの三原色領域の各々に感受性のある乳剤を、単一のセグメント層として配置できる。ハロゲン化銀カラー写真材料の種々の配置及び構成を、例えば、拡散転写カラー写真及び銀染料漂白カラー写真を含む種々の種類の画像形成プロセスに用いることができる。混粒写真品及び多層品も、公知である。
典型的な多色写真要素は、支持体と、その上に設けられた少なくとも1種のシアン染料形成性カプラーを関連して有する少なくとも1層の赤感性ハロゲン化銀乳剤層を含むシアン染料画像形成単位と、少なくとも1種のマゼンタ染料形成性カプラーを関連して有する少なくとも1層の緑感性ハロゲン化銀乳剤層を含むマゼンタ染料画像形成単位と、少なくとも1種のイエロー染料形成性カプラーを関連して有する少なくとも1層の青感性ハロゲン化銀乳剤層を含むイエロー染料画像形成単位とを含む。要素は、フィルター層、中間層、オーバーコート層、下塗り層等の追加の層を含むことができる。必要に応じて、本発明による分散した写真に有用な化合物を含有する写真要素を、英国PO10 7DQハンプシャー州エムスワースノースストリート12ダドレイハウス(Dudley House,12 North Street,Emsworth,Hampshire PO10 7DQ,ENGLAND)にあるKenneth Mason Publications社により発行されている、リサーチディスクロージャー(Research Disclosure)、1992年11月、アイテム34390に記載されている適用した磁気層とともに使用できる。
本発明により調製される銀イオン含有組成物とともに使用できる写真乳剤及び要素に使用するのに好適な材料は、さらに上記したように入手できるリサーチディスクロージャー、1994年9月、アイテム36544(以下、リサーチディスクロージャーIと称し、以下で言及するセクションはリサーチディスクロージャーアイテム36544である)に記載されている。写真要素で使用できるハロゲン化銀乳剤は、ネガ形でもよいし、ポジ形でもよい。好適な乳剤及びそれらの調製法だけでなく、化学増感法及び分光増感法が、セクションI及びIII〜IVに記載されている。ビヒクル及びビヒクル関連添加剤が、セクションIIに記載されている。染料画像形成剤及び変性剤が、セクションXに記載されている。種々の添加剤、例えば、UV染料、光沢剤、発光染料、カブリ防止剤、安定化剤、光吸収剤及び散乱剤、コーティング助剤、可塑剤、滑剤、静電防止剤及び艶消し剤が、例えば、セクションVI〜IXに記載されている。層、層配置、カラ−ネガ機能及びカラ−ポジ機能、スキャン容易化機能、支持体、露光及び処理が、セクションXI〜XXに記載されている。また、具体的に「Typical and Preferred Color Paper, Color Negative, and Color Reversal Photographic Elements and Processing(典型的且つ好ましいカラ−印画紙、カラ−ネガ及びカラー反転写真要素及び処理)」、リサーチディスクロージャー、1995年2月、第370巻に記載の材料及びプロセスも、本発明により調製される要素とともに有利に使用できる。さらに、具体的に、本発明の要素が、Irving等による米国特許第6,261,757号に記載されているような種々の写真化合物及び系と組み合わせて使用できる。
ハロゲン化銀乳剤層において使用されるハロゲン化銀乳剤粒子は、平板状又は非平板状でよく、例えば、リサーチディスクロージャーI及びJames、「The Theory of the Photographic Process」に記載されているような、当該技術分野において公知の方法により調製できる。これらにはアンモニア性乳剤の調製、中性又は酸性乳剤の調製及び他の当該技術分野において公知のもの等の方法が含まれる。これらの方法は、一般的に保護コロイドの存在下で水溶性銀塩と水溶性ハロゲン化物塩とを混合する工程と、温度、pAg、pH値等を、沈殿によるハロゲン化銀の形成中に好適な値に制御する工程とを含む。塩化物イオン、臭化物イオン及びヨウ化物イオンのいずれかの通常の組み合わせを、本発明の要素に使用するためのハロゲン化銀乳剤粒子の形成に用いることができるが、好ましい実施態様によれば、要素はカラ−印画紙プリント要素を含み、ハロゲン化銀乳剤層は高塩化物(すなわち、総銀基準で塩化物50モル%超、好ましくは塩化物70モル%超、より好ましくは塩化物90モル%超)ハロゲン化銀乳剤を含む。ここで説明する銀イオン含有組成物を使用すると、写真感度、現像性及び上方スケール濃度を、通常のカラ−印画紙処理液で処理される高塩化物乳剤を含むカラ−プリント要素用の系においてカブリを増加させることなく増加するのに特に有効であることが、分かった。
写真要素では、典型的にはハロゲン化銀が乳剤の形態で提供される。親水性コロイド層における親水性コロイドは、通常のハロゲン化銀写真感光性材料用のバインダー又は保護コロイドである。また、このような親水性コロイドは、写真要素の層として乳剤をコーティングする際のビヒクルとしての役割も果たす。有用な親水性コロイドビヒクルとして、天然物質、例えば、タンパク質、タンパク質誘導体、セルロース誘導体(例えば、セルロースエステル)、ゼラチン(例えば、牛骨ゼラチン及び牛皮膚ゼラチン等のアルカリ処理ゼラチン、又は豚皮ゼラチン等の酸処理ゼラチン)、ゼラチン誘導体(例えば、アセチル化ゼラチン、フタル化ゼラチン等)並びにリサーチディスクロージャーIに記載されているような他のものの両方とも挙げられる。親水性水浸透性コロイドも、ビヒクル又はビヒクル増量剤として有用である。これらには、リサーチディスクロージャーIに記載されているような、合成高分子ペプタイザー、キャリア及び/又はバインダー、例えば、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルラクタム)、アクリルアミドポリマー、ポリビニルアセタール、アルキルアクリレートポリマー、アルキルメタクリレートポリマー、スルホアルキルアクリレートポリマー、スルホアルキルメタクリレートポリマー、加水分解ポリビニルアセテート、ポリアミド、ポリビニルピリジン、メタクリルアミドコポリマー等がある。ビヒクルは、写真乳剤に有用な量で乳剤に存在することができる。また、乳剤は、写真乳剤に有用であることが知られている添加物のいずれを含有していてもよい。ハロゲン化銀は、貴金属(例えば、金)増感剤、中間カルコゲン(例えば、イオウ)増感剤、還元増感剤及び当該技術分野において公知の他の増感剤により有利に化学増感できる。これらの化学増感剤には、活性ゼラチン、イオウ、セレン、テルル、金、白金、パラジウム、イリジウム、オスミウム、レニウム、リン又はそれらの組み合わせなどがある。ハロゲン化銀の化学増感に有用な化合物及び手法が、当該技術分野において公知であり、リサーチディスクロージャーI及びそこに引用されている文献に記載されている。化学増感は、リサーチディスクロージャー、1975年6月、アイテム13452及び米国特許第3,772,031号に説明されているように、一般的にpAgレベル5〜10、pHレベル5〜8及び温度レベル30〜80℃で実施される。
ハロゲン化銀は、リサーチディスクロージャーIに記載されているような当該技術分野において公知の方法により、染料を増感することにより分光増感できる。染料を、写真要素上に乳剤をコーティングする前(例えば、化学増感中又は化学増感後)のいずれかの時点か、コーティングと同時に、ハロゲン化銀粒子と親水性コロイドの乳剤に添加できる。染料/ハロゲン化銀乳剤を、コーティング直前又はコーティングに先立って(例えば、2時間前)、カラ−画像形成カプラーの分散液と混合できる。
写真要素は、好ましくはリサーチディスクロージャーI、セクションXVIに記載されているような公知の手法のいずれかを用いて像様露光する。これには、典型的にスペクトルの可視領域における光に対する露光する工程が含まれる。このような露光は、典型的にはレンズを介したライブ画像である。但し、発光装置(発光ダイオード、CRT等)による保存画像(コンピュータ保存画像等)に対する露光であってもよい。
本発明の特定の実施態様によれば、本明細書に記載の銀イオン含有材料に封鎖されている銀イオンは、カチオン濃度勾配がカチオン交換及び封鎖された銀イオンの放出を推進するように確立されるように、カチオン(銀イオン以外)の局部濃度が銀イオン交換可能材料よりも高い処理液に晒すことにより、ホスト材料から有利に放出されることができる。別法として、銀イオンを、pHの変化又は処理中加熱又は電流の導入等の他の手段により、銀イオン含有材料から放出できる。現像処理液は塩基性であって、かつ、高濃度のカチオン及びアニオンを含有していることから、銀イオンの放出は促進される。
写真要素を、例えば、上記したリサーチディスクロージャー又はT.H.James編、「The Theory of the Photographic Process(写真プロセスの理論)」、第4版、マクミラン(Macmillan)、NewYork、1977年に記載されている多数の周知の処理組成物のいずれかを用いて、多数の周知の写真プロセスのいずれかで処理できる。ネガ形要素を処理する場合には、要素を、カラ−現像主薬(すなわち、カラーカプラーによりカラ−画像染料を形成するもの)で処理した後、酸化剤及び溶媒で処理して銀及びハロゲン化銀を除去する。反転カラー要素を処理する場合、要素を、まず白黒現像主薬(すなわち、カプラー化合物で着色染料を形成しない現像主薬)で処理した後、未露光ハロゲン化銀(通常化学又は光カブリ)をカブらせる処理をし、その後発色現像主薬で処理する。好ましい発色現像主薬は、p−フェニレンジアミンである。とりわけ好ましい発色現像主薬には、4−アミノ−N,N−ジエチルアニリン塩酸塩、4−アミノ−3−メチル−N,N−ジエチルアニリン塩酸塩、4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(b−(メタンスルホンアミド)エチルアニリンセスキスルフェート水和物、4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(b−ヒドロキシエチル)アニリンスルフェート、4−アミノ−3−b−(メタンスルホンアミド)エチル−N,N−ジエチルアニリン塩酸塩及び4−アミノ−N−エチル−N−(2−メトキシエチル)−m−トルイジン ジ−p−トルエンスルホン酸がある。
現像後、典型的には漂白定着をおこなって銀又はハロゲン化銀を除去し、洗浄し、乾燥する。漂白及び定着は、その目的に使用される公知の材料のいずれかを用いて実施できる。漂白浴は、一般的に酸化剤、例えば、水溶性塩及び鉄(III)の錯体(例えば、フェリシアン化カリウム、塩化第二鉄、フェリエチレンジアミン四酢酸のアンモニウム塩若しくはカリウム塩)、水溶性過硫酸塩(例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム又は過硫酸アンモニウム)、水溶性二クロム酸塩(例えば、二クロム酸カリウム、二クロム酸ナトリウム及び二クロム酸リチウム)等の水溶液を含む。定着浴は、一般的に銀イオンとともに可溶性塩を形成する化合物、例えば、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸ナトリウム、チオ尿素等の水溶液を含む。
また、写真要素は、例えば、米国特許第5,324,624号に記載の現像/増幅液を使用する増幅プロセスで処理してもよい。このように処理するとき、米国特許第5,436,118号に記載の低容積希薄槽処理システム及び装置を使用するのが、好ましい。
例1〜15:比較例1〜5の銀イオン封鎖/放出剤材料及び本発明例6〜15の銀イオン封鎖/放出剤材料を、以下のようにして調製した:
比較例C1:50.0mlの三角フラスコに、水20.6mlとα−Zr(HPO42・H2O0.5gを加えた。得られた懸濁液を攪拌しながら、1.5M AgNO3 2.2mlと1.5M酢酸ナトリウム2.2mlとを、添加した。この懸濁液を24時間攪拌し、アリコット10.0mlを遠心分離した。上澄み液を、ICP−AESにより、残留(非封鎖)銀イオン及びナトリウムイオンについて分析した。結果を、表Iに示す。公称銀イオン濃度及びナトリウムイオン濃度は、それぞれ14239マイクログラム/g及び3036マイクログラム/gであった。
比較例C2:α−Zr(HPO42・H2O 1.0gを反応混合物に添加した以外は、比較例1と同様の方法を実施した。
比較例C3:α−Zr(HPO42・H2O 2.0gを反応混合物に添加した以外は、比較例1と同様の方法を実施した。
比較例C4:α−Zr(HPO42・H2O 4.0gを反応混合物に添加した以外は、比較例1と同様の方法を実施した。
比較例C5:50.0mlの三角フラスコに、蒸留水25.0mlと、α−Zr(HPO42・H2O 1.0gと、2.5N NaOH 1.35mlとを加えた。得られた懸濁液を攪拌しながら、1.5M AgNO3 2.2mlを加え、内容物を1.5時間攪拌した。次に、pHを0.25N NaOHを注意深く添加することにより4.3に調整した。この懸濁液を24時間攪拌し、アリコット10.0mlを遠心分離した。上澄み液を、ICP−AESにより、銀イオン及びナトリウムイオンについて分析した。結果を、表Iに示す。公称銀イオン濃度及びナトリウムイオン濃度は、それぞれ11870マイクログラム/g及び2870マイクログラム/gであった。
発明例E6:pHを4.8に調整した以外は、例5と同様の方法を実施した。公称銀イオン濃度及びナトリウムイオン濃度は、それぞれ11,120マイクログラム/g及び3030マイクログラム/gであった。
発明例E7:pHを5.2に調整した以外は、例5と同様の方法を実施した。公称銀イオン濃度及びナトリウムイオン濃度は、それぞれ11,090マイクログラム/g及び3040マイクログラム/gであった。
発明例E8:pHを6.0に調整した以外は、例5と同様の方法を実施した。公称銀イオン濃度及びナトリウムイオン濃度は、それぞれ10,660マイクログラム/g及び3150マイクログラム/gであった。
発明例E9:50.0mlの三角フラスコに、蒸留水25.0mlと、α−Zr(HPO42・H2O 1.33gと、2.5N NaOH 1.77mlとを加えた。得られた懸濁液を攪拌しながら、1.5M AgNO3 2.2mlを加え、内容物を1.5時間攪拌した。次に、pHを0.25N NaOHを注意深く添加することにより4.4に調整した。この懸濁液を24時間攪拌し、アリコット10.0mlを遠心分離した。上澄み液を、ICP−AESにより、銀イオン及びナトリウムイオンについて分析した。結果を、表Iに示す。公称銀イオン濃度及びナトリウムイオン濃度は、それぞれ12,190マイクログラム/g及び3530マイクログラム/gであった。
発明例E10:pHを4.9に調整した以外は、例9と同様の方法を実施した。公称銀イオン濃度及びナトリウムイオン濃度は、それぞれ11,670マイクログラム/g及び3620マイクログラム/gであった。
発明例E11:pHを5.3に調整した以外は、例9と同様の方法を実施した。公称銀イオン濃度及びナトリウムイオン濃度は、それぞれ11,340マイクログラム/g及び3680マイクログラム/gであった。
発明例E12:pHを5.7に調整した以外は、例9と同様の方法を実施した。公称銀イオン濃度及びナトリウムイオン濃度は、それぞれ10,790マイクログラム/g及び3780マイクログラム/gであった。
発明例E13:50.0mlの三角フラスコに、蒸留水25.0mlと、α−Zr(HPO42・H2O 2.00gと、2.5N NaOH 2.7mlとを加えた。得られた懸濁液を攪拌しながら、1.5M AgNO3 2.2mlを加え、内容物を1.5時間攪拌した。次に、pHを0.25N NaOHを注意深く添加することにより5.2に調整した。この懸濁液を24時間攪拌し、アリコット10.0mlを遠心分離した。上澄み液を、ICP−AESにより、銀イオン及びナトリウムイオンについて分析した。結果を、表1に示す。公称銀イオン濃度及びナトリウムイオン濃度は、それぞれ11,910マイクログラム/g及び5190マイクログラム/gであった。
発明例E14:pHを5.4に調整した以外は、例13と同様の方法を実施した。公称銀イオン濃度及びナトリウムイオン濃度は、それぞれ11,410マイクログラム/g及び5220マイクログラム/gであった。
発明例E15:pHを5.9に調整した以外は、例13と同様の方法を実施した。公称銀イオン濃度及びナトリウムイオン濃度は、それぞれ10,850マイクログラム/g及び5240マイクログラム/gであった。
各例1〜15について得られた交換試薬の最終化学組成Zr(H1-x-yAgxNayPO42・H2Oは、添加した銀イオン及びナトリウムイオンの捕捉率を求め、差によりプロトン組成を算出することにより求めることができる。各例についてのこのような式におけるx及びyの計算値も、表Iに示す。
Figure 2004199080
*ローディング率は、α−Zr(HPO42・H2Oの交換容量を6.64meq/gとしたときの、ホスト1当量あたりのAg+当量をさす。
表Iのデータから、Zr(HPO42・H2Oによる銀イオンの捕捉率が、懸濁液のpHの増加とともに増加し、且つZr(HPO42・H2Oが、pHが高いほど銀イオンをより効果的に封鎖することを示している。pH4.4以上で、添加した銀イオンの95%超が、Zr(HPO42・H2Oにより吸収される。pH約5.0以上で、添加した銀の98%超、さらには99%が、典型的に吸収される。これらの結果は、上記式(1)及び(2)で表されるイオン交換プロセスを考慮すると理解できる。また、表Iのデータから、x及びyが本発明の範囲内であると、最大銀イオン捕捉率%(ホストの最大捕捉率)が得られることが分かる。
写真要素例16〜19:
対照例16C(銀イオン交換化合物を含まず):以下に示すコーティング構造を有する写真要素を作製した。感光層2は、赤色増感高塩化物(>90%塩化物)ハロゲン化銀乳剤を含むものであった。シアンカプラーCC−2を、通常の手段により調製した水中油型分散液を介して送出した。
コーティング構造
層3 ゲルスーパーコート
ゼラチン 1.077g・m-2
硬膜剤* 0.112g・m-2
アルカノールXC(登録商標) 0.026g・m-2
FT−248 0.010g・m-2
層2 感光性層
ゼラチン 1.399g・m-2
カプラーCC−2 0.245g・m-2
Tinuvin328(登録商標) 0.337g・m-2
CS−2 0.138g・m-2
CS−3 0.414g・m-2
カブリ−1 0.00229g・m-2
カブリ−2 0.000229g・m-2
赤感性乳剤 0.173g・m-2(Agとして)
層1 ゲルパッド
ゼラチン 3.230g・m-2
支持体 樹脂コーテッド紙
*硬膜剤=ビス(ビニルスルホニルメタン)
カブリ1=p−トルエンチオスルホネートカリウム塩
カブリ2=p−トルエンスルフィネートナトリウム塩
Figure 2004199080
発明例17E:以下のようにして調製した銀イオン封鎖/放出剤分散液を感光層に含めて追加の0.0043g/m2銀イオンを得た以外は、対照例16Cと同様にして写真要素を作製した。
銀イオン封鎖/放出分散液の調製:1.0L容器バーシェーカーに、蒸留水200.0gに非晶質Zr(HPO42・H2O(MEI社製)100.00gを添加したものを入れた。この懸濁液に、2.5M NaOH 133ml(146.3g)をゆっくり(5’超かけて)添加した。pHは、34℃で7.7であった。ゼラチン50.0gを、添加し、寒冷浸透し、40℃で溶融させた。次に、攪拌しながら、1.5M AgNO3 166ml(208.3g)を8.3ml/分で20分かけ、0.25M NaOH 330.0ml(336.3g)を16.5ml/分で20分かけて同時に添加した。pHを、添加の間中、約5.5〜6.0に維持した。次に、内容物を、40℃で一晩攪拌した。最終pHは、5.20であった。反応混合物を、攪拌しながらチルセットし、冷蔵した。銀分析をおこなったところ、最終分散液の銀が2.71質量%であることが分かった。最終銀イオン封鎖/放出剤材料組成を算出したところ、Zr(H0.41Ag0.37Na0.22PO42・H2Oであった。
比較例18C:市販のリン酸銀ジルコニウム化合物ALPHASAN RC2000(登録商標)(Milliken Chemical社製)を感光層に含有させて追加の0.0043g/m2銀イオンとした以外は、対照例16Cと同様にして写真要素を作製した。市販の化合物をAg及びNaについて分析したところ、銀9.4%及びNa0.9%であった。
比較例19C:式:Ag84Na2[(AlO286(SiO2106]・xH2Oで表される銀イオン交換ゼオライト(Aldrich Chemical社製)を感光層に含有させて追加の0.0043g/m2銀イオンとした以外は、対照例16Cと同様にして写真要素を作製した。
例16〜19の各写真要素の試料を、中性露光し、以下のスキームに準じて処理した:現像は、カラー印画紙現像液処方現像液−1により、35℃で種々の時間処理した;漂白/定着を、KODAK EKTACOLOR第一漂白/定着により、35℃で45秒間実施した;水により、35℃で90秒間水洗した。
Figure 2004199080
各例のコーティングについて、Dmin(0超の最小濃度)、感度(DlogE曲線の濃度点0.8で測定)及び保存による感度変化(コーティング試料を48.9℃/120°Fで4週間保存し、−17.8℃/0°Fで保存したコーティング試料と比較する)を測定した。結果を、表IIに示す。
Figure 2004199080
表IIから明らかなように、発明例は、比較例と比較して、新鮮なDminが低く、感度がよい(感度が増加する)。さらに、発明例は、比較例と比較して、写真感度の経時的維持性に関する保存性が向上している。

Claims (9)

  1. 下式で表される銀イオン交換可能材料を含んでなる銀イオン封鎖/放出剤。
    M(H(1-x-y)AgxM'yPO42・nH2
    上式中、Mはジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、スズ(Sn)、ゲルマニウム(Ge)もしくはハフニウム(Hf)又はそれらの任意の組合せであり、M’はアルカリ金属又はアルカリ土類金属であり、xは0.10〜0.80の範囲内の数値であり、yは0.15〜0.85の範囲内の数値であり、(x+y)は0.25〜0.95の範囲内の数値であり、そしてnは0〜10の範囲内の有理数である。
  2. xが0.15〜0.70の範囲内であり、yが0.15〜0.50の範囲内であり、かつ、(x+y)が0.30〜0.95の範囲内である、請求項1に記載の銀イオン封鎖/放出剤。
  3. xが0.20〜0.60の範囲内であり、yが0.20〜0.50の範囲内であり、かつ、(x+y)が0.40〜0.95の範囲内である、請求項1に記載の銀イオン封鎖/放出剤。
  4. MがZrである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の銀イオン封鎖/放出剤。
  5. M’がナトリウム(Na)である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の銀イオン封鎖/放出剤。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の銀イオン封鎖/放出剤の製造方法であって、水性媒体中で、式M(HPO42・nH2O(式中、M及びnは、請求項1で定義したとおりである)で表される結晶性又は非晶質のリン酸水素金属系イオン交換ホスト材料と、該イオン交換ホスト材料の量に対して2モル当量未満の銀イオンとを混ぜ合わせることにより、該ホスト材料に含まれるプロトンを銀イオンに交換する工程と、該水性媒体に塩基化合物を添加することによりpHを4.4以上にし、かつ、該混ぜ合わせた銀イオンの少なくとも95%を該ホスト材料内に封鎖する工程とを含むことを特徴とする方法。
  7. 支持体上に少なくとも1層の写真ハロゲン化銀乳剤層を含む1層以上の親水性コロイド層を有する写真要素であって、1以上の層に、写真処理前は銀イオンを封鎖しているが、写真処理液に晒された際には銀イオンを放出する請求項1〜5のいずれか1項に記載の銀イオン封鎖/放出剤を含有することを特徴とする写真要素。
  8. 該要素がカラー印画紙プリント要素を含み、かつ、該ハロゲン化銀乳剤層が、総銀量を基準として50モル%を超える塩化物を含むハロゲン化銀乳剤を含む、請求項7に記載の写真要素。
  9. 請求項7又は8に記載の写真材料に、該銀イオン封鎖/放出剤よりも高い濃度の、銀イオン以外のカチオンを有する写真処理液を接触させてカチオン濃度勾配を確立し、該銀イオン封鎖/放出剤とのイオン交換により該銀イオン封鎖/放出剤から銀イオンを放出させることを特徴とする、露光後の写真材料の処理方法。
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