JPH11349793A - 熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物

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JPH11349793A
JPH11349793A JP15649598A JP15649598A JPH11349793A JP H11349793 A JPH11349793 A JP H11349793A JP 15649598 A JP15649598 A JP 15649598A JP 15649598 A JP15649598 A JP 15649598A JP H11349793 A JPH11349793 A JP H11349793A
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JP
Japan
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polyester resin
epoxy resin
thermoplastic polyester
formula
resin
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JP15649598A
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English (en)
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Kazuyoshi Oji
一能 尾地
Takashi Kawamura
孝 川村
Yuji Sato
雄二 佐藤
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流動性、ゲル化発生防止効果に優れると共
に、機械的強度、難燃性に優れる熱可塑性難燃ポリエス
テル樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 熱可塑性ポリエステル樹脂(A)、末端
エポキシ基の30〜95%が封鎖され、かつ、重量平均
分子量が、1600〜12000のブロモ化ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(B)、及び、アンチモン化合物
(C)を必須成分とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は良好な成形加工性を
有し、高強度、高靱性である為、コネクター、フライバ
ックトランス、スイッチ、リレー、プラグ類等の複雑且
つ薄肉な形状を有する成形品用途、及び、高度な成形加
工性と高い機械的特性を必要とする電気電子部品用途に
有用な熱可塑性難燃ポリエステル樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来技術】ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレートに代表される熱可塑性ポリエステル樹
脂は、機械的特性、電気的性質、物理的性質、耐薬品
性、寸法安定性に優れており、電気電子部品、機械部
品、自動車部品など多岐にわたり使用されている。しか
し、熱可塑性ポリエステル樹脂は可燃性であるが故、電
気電子分野、自動車部品分野など難燃化が必要な用途に
おいて、各種の難燃剤を添加することが提案されてい
る。
【0003】この様な熱可塑性ポリエステル樹脂の難然
化技術としては、ハロゲン化ポリカーボネート樹脂、ハ
ロゲン化ポリフェニレンオキサイド、ハロゲン化アクリ
ル樹脂等のハロゲン化合物を難然剤として添加する技術
が知られているものの、これらの難然剤を配合した組成
物は、成形加工時の流動性を大幅に低下させて成形加工
性が悪化する他、押出機内の溶融混練時や、射出成形機
内での滞留時等における熱履歴によって成形品の強度低
下を引き起こしやすいものであった。
【0004】この成形加工時の流動性、及び、成形品強
度改善の為に、重合度の低い低分子量タイプのハロゲン
化エポキシ樹脂が使用されている。しかし、これを使用
した場合には溶融時の熱安定性が低く、押出機内の溶融
混練時に著しい粘度上昇を招き、最終的にはゲル化して
成形品に焼け異物を発生させるなど、全く成形加工に適
さなくなるという問題を有していた。
【0005】そこで、ゲル化を防止する技術として、例
えば、特開昭58−118849号公報には、BPA骨
格の平均繰り返し単位がn=11以上の高分子量タイプ
のハロゲン化ビスフェノールAエポキシ樹脂を難然剤と
して用い、難然剤中のエポキシ当量を高めることによ
り、ゲル化を防止し、溶融時の安定性を向上させる技術
が知られている。
【0006】また、特開昭53−42298号公報に
は、低分子量タイプのハロゲン化ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂の両末端エポキシ基をハロゲン化フェノール
で完全封鎖した構造のハロゲン化合物を用いる技術が開
示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記特開昭5
8−118849号公報記載のBPA骨格の平均繰り返
し単位がn=11以上の高分子量タイプのハロゲン化ビ
スフェノールAエポキシ樹脂を難然剤として用いる技術
においては、溶融混練時のゲル化は減少するものの、成
形加工時の流動性が低下し成形加工性が悪化してしまう
ものであった。
【0008】また、特開昭53−42298号公報に
は、低分子量タイプのハロゲン化ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂の末端の全てのエポキシ基をハロゲン化フェ
ノールで封鎖した構造のハロゲン化合物を用いる技術に
おいては、溶融混練時のゲル化は防止できるものの、こ
れらの熱履歴によって、難然剤の分解を引き起こし、つ
いには熱可塑性ポリエステル樹脂自体の分解を引き起
し、成形品の機械的強度を著しく低下させるものであっ
た。
【0009】従って、本発明が解決しようとする課題
は、成形加工時の流動性に優れ、溶融混練時のゲル化発
生防止できると共に、熱可塑性ポリエステル系樹脂の機
械的強度、難燃性に優れる熱可塑性難燃ポリエステル樹
脂組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するため鋭意検討したところ、熱可塑性ポリエス
テル樹脂にポリハロゲン化ビスフェノールA型エポキシ
樹脂の末端エポキシ基の30〜95%が封鎖され、且
つ、重量平均分子量1600〜12000の範囲、或
は、n(平均重合度)が1.5〜10であるポリハロゲ
ン化ビスフェノールA型エポキシ樹脂と、アンチモン化
合物とを配合した熱可塑性難燃ポリエステル樹脂組成物
が、成形加工性に優れ、かつ、高い機械的特性を有して
いる事を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0011】即ち、本発明は、熱可塑性ポリエステル樹
脂(A)、末端エポキシ基の30〜95%が封鎖された
構造を有し、かつ、重量平均分子量が、1600〜12
000の範囲であるハロゲン化ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂(B)、及び、アンチモン化合物(C)を必須
成分とすることを特徴とする熱可塑性難燃ポリエステル
樹脂組成物、及び、
【0012】熱可塑性ポリエステル樹脂(A)、下記一
般式1
【0013】
【化4】 (式中、Y1及びY2は、夫々独立的に、下記構造a及
び構造b
【0014】
【化5】
【0015】
【化6】 であり、構造aと構造bとの割合が、構造b/(構造a
+構造b)=0.30〜0.95となる範囲であり、X
(構造bにおけるXも同義)はハロゲン原子であり、か
つ、nは平均重合度で1.5〜10の整数である。)で
示されるポリハロゲン化ビスフェノールA型エポキシ樹
脂(B)、及び、アンチモン化合物(C)を必須成分と
することを特徴とする熱可塑性難燃ポリエステル樹脂組
成物に関する。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明で使用される熱可塑性ポリ
エステル系樹脂(A)としては、特に限定されるもので
はないが、例えば、多価カルボン酸、そのエステル及び
/又は多価カルボン酸無水物と、グリコール類とを反応
させて得られるものである。
【0017】多価カルボン酸とは二価以上のカルボン酸
又はそのカルボン酸無水物であり、二価カルボン酸及び
その無水物としては、特に制限されないが、例えばテレ
フタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカル
ボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、これらの
アルキルエステル体、無水フタル酸等の芳香族ジカルボ
ン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−
シクロヘキサンジカルボン酸およびジシクロヘキシル−
4,4´−ジカルボン酸、これらのアルキルエステル
体、無水マレイン酸等の脂肪族ジカルボン酸が挙げられ
る。なかでも、機械的強度、及び、ハロゲン化ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂との相溶性の点から芳香族ジカ
ルボン酸、特にテレフタル酸が好ましい。
【0018】上記多価カルボン酸、そのエステル及び/
又は多価カルボン酸無水物と反応させるグリコール類と
しては、特に限定されるものではないが、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペン
タンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオ
ール、オクタンジオール、デカンジオール、シクロヘキ
サンジメタノール、ハイドロキノン、ビスフェノール
A、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)
プロパン、1,4−ジメチロールテトラブロモベンゼ
ン、テトラブロモビスフェノールAのエチレンオキサイ
ド付加物などのグリコール類とを反応させて得られる熱
可塑性ポリエステルが挙げられる。なかでもポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートが好ま
しい。
【0019】これらテレフタル酸系熱可塑性ポリエステ
ルとしては、溶融時の流動性と機械的強度のバランスが
良好で、ショートショト等の成形不良がなく、成形品の
表面光沢が良好となる点から、通常はフェノールと四塩
化エタンとの6対4なる重量比の混合溶媒中、30℃で
測定した固有粘度[η]が0.3〜1.5dl/gなる
範囲のものが好ましい。
【0020】また、熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)
は、組成物調整の際の溶融混練時におけるゲル化防止の
効果が顕著となる点から、ベンジルアルコールに溶解し
0.1N.KOHの中和滴定により測定したカルボキシ
ル基価が40eq/T以下であるものが好ましく、中で
も30eq/T以下であるものが好ましい。
【0021】次に本発明で用いるハロゲン化ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(B)は、末端エポキシ基の30
〜95%が封鎖された構造を有し、かつ、重量平均分子
量が、1600〜12000の範囲のものである。ここ
で、重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマ
トグラフィー(GPC)の装置(東ソー製HLC−80
20)を用いて、移動相にテトラヒドロフラン(TH
F)1.0ml/min、オーブン温度40℃、カラム
にTSKgel G4000HXL、G3000HX
L、G2000HXL×2、RI検出器、PS換算の検
量線等により測定される値である。
【0022】ここで、重量平均分子量が1600未満の
場合には、エポキシ基数が増大することとなって、溶融
混練時におけるゲル化抑制効果が発現されなくなる。一
方、重量平均分子量が12000より大きい場合には、
成形加工時の流動性が低下する。これらの性能バランス
が良好となる点から、なかでも2000〜12000の
範囲が好ましい。
【0023】また、ハロゲン化ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂(B)は、前記した通り、末端エポキシ基の3
0〜95%が封鎖された構造を有している。即ち、原料
エポキシ樹脂の総末端エポキシ基数に対する封鎖の割合
(以下、「封鎖率」と略記する)率が30%未満の場
合、溶融時の熱安定性が低く、ゲル化発生により成形加
工時に粘度上昇を招き、95%を超える場合には、押出
機内の溶融混練時や、射出成形機内での滞留時等におけ
る熱履歴による成形品の強度低下を引き起こす。これら
の性能バランスに優れる点から、中でも50〜95%の
範囲、特に70〜95%の範囲であることが好ましい。
尚、封鎖率は下記式により求めることができる。
【0024】
【式1】 封鎖率(%)=(E0−E1)/E0×100 ( E0:封鎖前のエポキシ含有量(eq/kg) E1:封鎖後のエポキシ含有量(eq/kg) ここ
で、エポキシ含有量は過塩素酸−臭化テトラエチルアン
モニウム法によって得られるエポキシ等量の逆数であ
る。)
【0025】ここで、原料エポキシ樹脂の末端エポキシ
基を封鎖する化合物としては、特に限定されるものでは
なく、単官能のアルコール類、酸類等の単官能性活性水
素含有化合物であればよいが、具体的には、反応性、安
定性の面でフェノール、ターシャリブチルフェノール、
トリブロモフェノール、トリクロロフェノール等のフェ
ノール類が好ましい。特に好ましい封鎖剤としてはハロ
ゲン%が高くなるトリブロモフェノール、トリクロロフ
ェノール等のハロゲン化フェノールがあげられる。
【0026】この様なハロゲン化ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂(B)は、更に具体的には、下記一般式1で
示すことができる。
【0027】
【化7】 (式中、Y1及びY2は、夫々独立的に、下記構造a及び
構造b
【0028】
【化8】
【0029】
【化9】 であり、構造aと構造bとの割合が、構造b/(構造a
+構造b)=0.30〜0.95となる範囲であり、X
(構造bにおけるXも同義)はハロゲン原子であり、か
つ、nは平均重合度で1.5〜10の整数である。)
【0030】ここで、構造b/(構造a+構造b)が
0.30より低い場合は、前記封鎖率の場合と同様に、
溶融時の熱安定性が低く、ゲル化発生により成形加工時
に粘度上昇を招き、0.95を超える場合には、押出機
内の溶融混練時や、射出成形機内での滞留時等における
熱履歴による成形品の強度低下を引き起こす。これらの
性能バランスに優れる点から、中でも0.50〜0.9
5の範囲、特に0.70〜0.95の範囲であることが
好ましい。
【0031】また、一般式1中のnは、前記の通り平均
重合度を示し、nが1.5未満の場合には、エポキシ基
数が増大することとなって、溶融混練時におけるゲル化
抑制効果が発現されなくなる。一方、nが10を超える
場合は、成形加工時の流動性が低下する。これらの性能
バランスが良好となる点から、nが2.5〜10、特に
2.5〜7であることが好ましい。
【0032】以上詳述したハロゲン化ビスフェノールA
型エポキシ樹脂(B)は、特にその製造方法が特定され
るものではないが、例えば、ハロゲン化ビスフェノー
ルとエピクロルヒドリンとの反応させハロゲン化ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂を得た後、これと単官能性活
性水素含有化合物とを反応させる方法、ハロゲン化ビ
スフェノールとエピクロルヒドリンとを反応させてハロ
ゲン化ビスフェノールAジグリシジルエーテルを得、こ
れとハロゲン化ビスフェノール及び単官能性活性水素含
有化合物とを反応させる方法、ハロゲン化ビスフェノ
ールとエピクロルヒドリンとを反応させてハロゲン化ビ
スフェノールAジグリシジルエーテルを得、これとハロ
ゲン化ビスフェノールAとを反応させてハロゲン化ビス
フェノールA型エポキシ樹脂を得、次いで、これと単官
能性活性水素含有化合物とを反応させる方法が挙げられ
る。
【0033】上記方法〜の何れの反応においても反
応温度は100〜220℃、なかでも120〜200℃
であることが好ましく、反応溶媒は特に必要ではなく使
用しなくても良い。
【0034】上記〜において使用される触媒として
は、例えば水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化
物、ジメチルベンジルアミン等の第三級アミン、2−エ
チル−4メチルイミダゾール等のイミダゾール類、テト
ラメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウ
ム塩、エチルトリフェニルホスホニウムイオダイド等の
ホスホニウム塩、トリフェニルホスフィン等のホスフィ
ン類などが挙げられる。
【0035】上記〜の各方法において、原料各成分
の使用割合を調整することにより、ハロゲン化ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂(B)における封鎖率若しくは
構造b/(構造a+構造b)の比率、及び、重量平均分
子量若しくは一般式1におけるnの値を調整することが
できる。
【0036】ハロゲン化ビスフェノールA型エポキシ樹
脂(B)の添加量は、特に制限されるものではないが、
組成物総重量に対して5〜25重量%、中でも7〜20
重量%となる範囲が、難然効果、成形加工時の流動性、
溶融混練時のゲル化防止及び成形品強度の各性能が良好
となる点から好ましい。
【0037】次に、本発明で使用されるアンチモン化合
物(D)としては、特に制限されるものではないが、三
酸化アンチモン、五酸化アンチモンが挙げられ、特に難
然助剤として効果が顕著である点から三酸化アンチモン
が好ましい。添加量は、樹脂組成物に対して1〜10重
量%、中でも1.5〜7重量%の範囲が好ましい。
【0038】本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物
には目的に応じて各種の無機及び有機の充填材を1種又
は2種以上組合わせて加えることができる。具体的には
シリカ、ケイ藻土、ドロマイト、γ−アルミナ、γ以外
のアルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグ
ネシウム、アンチモン酸、酸化アンチモン、バリウムフ
ェライト、ストロンチウムフェライト、酸化ベリリウ
ム、軽石、軽石バルーン、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化
ジルコニウムなどの酸化物;水酸化亜鉛、水酸化アルミ
ニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム
などの水酸化物;炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、ドーソナイトなどの炭酸塩;硫酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸カルシ
ウムなどの硫酸又は亜硫酸塩;タルク、クレー、マイ
カ、アスベスト、ガラス繊維、ガラスバルーン、ガラス
ビーズ、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベント
ナイトなどのケイ酸塩、ハイドロタルサイト類;その他
カーボンブラック、グラファイト、硫化モリブデン、ボ
ロン繊維、炭化ケイ素繊維、チタン酸カリウム、チタン
酸、ジルコン酸鉛、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、
ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウムなどの無機充填材
の粒子状、繊維状、ウイスカー状、球状、中空状物、更
に芳香族ポリアミド繊維、ポリテトラフルオロエチレ
ン、シリコンゴムなどの有機充填材が挙げられる。
【0039】これらの充填材の添加量は、特に制限され
るものではないが、組成物中、0.1〜60重量%であ
る点が、成形性および成形品強度の点から好ましい。
【0040】更に本発明においては、本発明の目的を損
わぬ範囲において、他の樹脂を添加することができる。
該樹脂としては、例えばポリフェニレンエーテル、スチ
レングラフト変性ポリフェニレンエーテル等のポリフェ
ニレンエーテル類、ポリアリレート、ポリアミド、ポリ
カーボネート、各種液晶ポリマ−類、ポリサルホン、ポ
リエーテルサルホン、ポリアリルスルフィッド、ポリア
リルサルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエー
テルケトン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチ
ルペンテン、ポリスチレン、水添スチレンブタジエンゴ
ム、エチレンプロピレンゴム、ポリイソプレン、ポリイ
ソブチレン、ポリブテン、フェノキシ樹脂、エポキシ樹
脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ユリア樹脂、フェ
ノール樹脂、DAP樹脂、シリコン樹脂等の熱可塑性あ
るいは熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0041】これらの中でも、ポリフェニレンエーテル
類、ポリカーボネート、ポリスチレン、及び、エポキシ
樹脂が熱可塑性ポリエステル樹脂(A)との相溶性に優
れる点から好ましい。
【0042】また、本発明組成物には他の公知の添加
剤、例えばシラン、チタネート、ジルコネート、ジルコ
アルミネート、アルミニウムキレート化合物系カップリ
ング剤などの表面処理剤、酸化防止剤、熱安定剤、アル
カリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物又は
炭酸塩などの腐食防止剤、滑剤、着色剤、結晶核剤など
を本発明組成物に対して必要に応じて加えることができ
る。また、本発明の効果を損なわない範囲で、ハロゲン
化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(B)の他のハロゲ
ン化合物を併用してもよい。
【0043】本発明の組成物は、上記した各成分を、押
出機、射出成形機、各種ミキサ−などの公知方法で混
練、混合することにより作製することができる。好まし
くは、熱可塑性ポリエステル樹脂及び親水性物質の熱安
定性を考慮して熱履歴の少ない成形条件を採ることが好
ましい。従って、成形温度条件は熱可塑性ポリエステル
樹脂組成物の場合、230℃〜300℃の範囲、特に2
30℃〜270℃の範囲が特に好ましい。
【0044】
【実施例】本発明を実施例及び比較例により更に説明す
る。尚、本発明は実施例のみに限定されるものではな
い。
【0045】<Br化ビスフェノールA型エポキシ樹脂
の合成>テトラブロモビスフェノールAのジグリシジル
エーテル〔大日本インキ化学工業(株)製EPICLO
N153、エポキシ当量400g/eq、臭素含有率4
8%〕とテトラブロモビスフェノールA(以下TBAと
略す)と2,4,6−トリブロモフェノール(以下TB
Pと略す)とを表−1−1〜表−1−3の配合に従っ
て、温度計、攪拌機の付いた1リットルのステンレス製
セパラブルフラスコに入れ、内部を窒素ガスで置換した
後、内容物を加熱溶融し、100℃で水酸化ナトリウム
の10%水溶液の所定量を加えた後、表−1−1〜表−
1−3記載の条件反応させた。反応後、反応生成物をス
テンレスパンに流出し、冷却後、粉砕し、淡黄色の難燃
剤粉末を得た。得られた難然剤性状を表−1−1〜表−
1−3に示した。
【0046】尚、表−1−1〜表−1−3における重量
平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフ
ィー(GPC)の装置(東ソー製HLC−8020)を
用いて、移動相にテトラヒドロフラン(THF)1.0
ml/min、オーブン温度40℃、カラムにTSKg
el G4000HXL、G3000HXL、G200
0HXL×2、RI検出器、PS換算の検量線等により
測定された値である。
【0047】実施例1〜8、比較例1〜6 [η]が0.9dl/gでカルボキシル基価が30、50e
q/Tなポリブリレンテレフタレートを用い、表−2、
表−3に示した配合組成物(但し、配合は重量部を単位
とする)を予め均一に混合した後、250℃に設定され
た40mm単軸ベント付押出機によって混練した後、ス
トランドとして引き出し冷却し、カッターにてカッティ
ングしてペレットを得た。
【0048】このペレットを用い、以下の各評価試験を
行った。
【0049】<評価及び試験法> (1)溶融混練安定性試験 上記ペレットをボプラストミル試験機に導入し、260
℃、100rpmの条件下行った混練試験において最低
トルク値の2倍に到達した時間(ゲル化時間)を測定
し、溶融時安定性の評価を行った。ゲル化時間が長い
程、ポリブチレンテレフタレートとハロゲン化ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂との反応性が低いことを示し、
溶融時の熱安定性が高い。
【0050】(2)曲げ試験 上記ペレットを用い、型締圧60tの射出成形機(樹脂
温度:260℃,金型温度:60℃)にて125mm×1
2mm×3mmの角棒を成形した。
【0051】次いで、ASTM D−790に準じ曲げ
試験を行い、曲げ強度、曲げ弾性率、曲げ伸度を測定し
た。
【0052】(3)MFR(メルトフローレート) 溶融混練したペレットを用いてMFRを測定し、成形時
の流動性を比較した。
【0053】測定条件 ・測定温度 :265℃ ・荷重 :2160g ・ホールト゛時間 :5分間
【0054】(4)成形時の安定性試験(滞留試験) 上記ペレットを成形機内で260℃/15分間滞留させ
た後125mm×12mm×3mmの角棒を作成し、ASTM
D−790に準じ曲げ試験を行い、曲げ強度、曲げ弾
性率、曲げ伸度を測定した。
【0055】(5)燃焼性 上記ペレットを用い、型締圧60tの射出成形機(樹脂
温度:260℃,金型温度:60℃)にて12.5×1
25×0.8mmの燃焼試験用テストピースを作成し、U
L−94に準じ、V−0の燃焼試験を行った。
【0056】(6)成形品外観 上記ペレットを用い、型締圧60tの射出成形機(樹脂
温度:260℃,金型温度:60℃)にて125mm×1
2mm×3mmの角棒を作成し、成形品の外観を目視により
観察した。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】
【表5】
【0062】
【表6】
【0063】
【表7】
【0064】上記「表−2−1」〜「表−3−2」にお
いて、三酸化アンチモンは三国精錬製、ガラス繊維は旭硝子
製CS03MA411である。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、成形加工時の流動性に
優れ、溶融混練時のゲル化発生を防止できると共に、熱
可塑性ポリエステル系樹脂の機械的強度、難燃性を具備
した熱可塑性難燃ポリエステル樹脂組成物を提供でき
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリエステル樹脂(A)、末端
    エポキシ基の30〜95%が封鎖された構造を有し、か
    つ、重量平均分子量が、1600〜12000の範囲で
    あるハロゲン化ビスフェノールA型エポキシ樹脂
    (B)、及び、アンチモン化合物(C)を必須成分とす
    ることを特徴とする熱可塑性難燃ポリエステル樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 ハロゲン化ビスフェノールA型エポキシ
    樹脂(B)が、ハロゲン化ビスフェノールA型エポキシ
    樹脂の末端エポキシ樹脂をハロゲン化フェノールで封鎖
    した構造を有するものである請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 熱可塑性ポリエステル樹脂(A)、下記
    一般式1 【化1】 (式中、Y1及びY2は、夫々独立的に、下記構造a及
    び構造b 【化2】 【化3】 であり、構造aと構造bとの割合が、構造b/(構造a
    +構造b)=0.30〜0.95となる範囲であり、X
    (構造bにおけるXも同義)はハロゲン原子であり、か
    つ、nは平均重合度で1.5〜10の整数である。)で
    示されるポリハロゲン化ビスフェノールA型エポキシ樹
    脂(B)、及び、アンチモン化合物(C)を必須成分と
    することを特徴とする熱可塑性難燃ポリエステル樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】 熱可塑性ポリエステル樹脂(A)が、カ
    ルボキシル基価40eq/T以下のものである請求項
    1、2又は3記載の組成物。
  5. 【請求項5】 ラボプラストミル試験機による、260
    ℃、100rpmの条件下でのトルク値において、最低
    トルク値の2倍に到達した時間が10分間以上である請
    求項1、2、3又は4記載の組成物。
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