JP2000072956A - 熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物

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JP2000072956A
JP2000072956A JP10242756A JP24275698A JP2000072956A JP 2000072956 A JP2000072956 A JP 2000072956A JP 10242756 A JP10242756 A JP 10242756A JP 24275698 A JP24275698 A JP 24275698A JP 2000072956 A JP2000072956 A JP 2000072956A
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一能 尾地
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い耐トラッキング性を維持した上、成形加
工性を改善する。 【解決手段】 PBT樹脂に、II型無水石膏、テトラブ
ロモビスフェノールA型エポキシ樹脂の末端エポキシ基
封鎖物、三酸化アンチモンを配合。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スイッチ、リレ
ー、プラグ類等の2ヶ以上の電極を有し高いトラッキン
グ性を必要とする電気部品用途に有用な、熱可塑性難燃
ポリエステル樹脂組成物及びこの組成物からなる電気部
品に関する。
【0002】
【従来技術】ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレートに代表される熱可塑性ポリエステル樹
脂は、機械的特性、電気的性質、物理的性質、耐薬品
性、寸法安定性に優れており、電気部品、機械部品、自
動車部品など多岐にわたり使用されている。しかし、熱
可塑性ポリエステル樹脂は可燃性であるが故、電気電子
分野、自動車部品分野など難燃化が必要な用途におい
て、各種の難燃剤を添加することが提案されている。
【0003】この様な熱可塑性ポリエステル樹脂の難然
化技術としては、いわゆるハロゲン化物とアンチモン化
合物とを併用する難燃化方法が、その難然効果に優れる
点から最もよく用いられている。ところが、特に電気部
品分野においては、この様な難然化法を用いた場合、電
気部品の表面がホコリ、塩類の付着又は吸着水分により
汚染されると、その表面抵抗が低下することに原因する
短絡焼損、所謂、トラッキングを起し易くなる。
【0004】そこで、従来より難燃性ポリエステルの耐
トラッキング性を改善する技術として、例えば特公平4
−3211号公報には熱可塑性ポリエステル樹脂に臭素
化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、アンチモン系化合
物に加え、硫酸金属塩を添加する技術が、また、特開平
8−59969号公報ではポリアルキレンテレフタレー
トに硫酸Caとハロゲン含有難燃剤、アンチモン化合
物、更に芳香族ポリカーボネート、ゴム状弾性体、ポリ
オレフィン等の添加する方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特公平4
−3211号公報記載の方法、及び特開平8−5996
9号公報の方法によれば、耐トラッキング性は改善され
るものの、組成物の流動性が著しく低下し、成形加工性
が悪くなるものであった。本発明が解決しようとする課
題は、高い耐トラッキング性を有すると共に、成形加工
性が良好である熱可塑性難燃ポリエステル樹脂組成物を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するため鋭意検討したところ、熱可塑性ポリエス
テル樹脂に、アルカリ土類金属の無機塩、末端封止した
構造のハロゲン化ハロゲン化ビスフェノール型エポキシ
樹脂、及びアンチモン化合物を配合することにより、流
動性を低下させることなく、耐トラッキング性を改善で
きることを見出し本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、熱可塑性ポリエステル樹
脂(A)、アルカリ土類金属の無機塩(B)、ハロゲン
化ハロゲン化ビスフェノール型エポキシ樹脂の末端エポ
キシ基を封鎖した構造を有する化合物(C)、及びアン
チモン化合物(D)を必須成分とする熱可塑性ポリエス
テル系樹脂組成物に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で使用される熱可塑性ポリ
エステル系樹脂(A)としては、特に限定されるもので
はないが、例えば、多価カルボン酸、そのエステル及び
/又は多価カルボン酸無水物と、グリコール類とを反応
させて得られるものである。
【0009】多価カルボン酸とは二価以上のカルボン酸
又はそのカルボン酸無水物であり、二価カルボン酸及び
その無水物としては、特に制限されないが、例えばテレ
フタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカル
ボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、これらの
アルキルエステル体、無水フタル酸等の芳香族ジカルボ
ン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−
シクロヘキサンジカルボン酸およびジシクロヘキシル−
4,4´−ジカルボン酸、これらのアルキルエステル
体、無水マレイン酸等の脂肪族ジカルボン酸が挙げられ
る。なかでも、機械的強度、及び、ハロゲン化ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂との相溶性の点から芳香族ジカ
ルボン酸、特にテレフタル酸が好ましい。
【0010】上記多価カルボン酸、そのエステル及び/
又は多価カルボン酸無水物と反応させるグリコール類と
しては、特に限定されるものではないが、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペン
タンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオ
ール、オクタンジオール、デカンジオール、シクロヘキ
サンジメタノール、ハイドロキノン、ビスフェノール
A、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)
プロパン、1,4−ジメチロールテトラブロモベンゼ
ン、テトラブロモビスフェノールAのエチレンオキサイ
ド付加物などのグリコール類とを反応させて得られる熱
可塑性ポリエステルが挙げられる。なかでもポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートが好ま
しい。
【0011】これらテレフタル酸系熱可塑性ポリエステ
ルとしては、溶融時の流動性と機械的強度のバランスが
良好で、ショートショト等の成形不良がなく、成形品の
表面光沢が良好となる点から、通常はフェノールと四塩
化エタンとの6対4なる重量比の混合溶媒中、30℃で
測定した固有粘度[η]が0.3〜1.5dl/gなる
範囲のものが好ましい。
【0012】また、本発明においては、熱可塑性ポリエ
ステル樹脂(A)は、そのポリマー構造内にポリオレフ
ィン構造部位、又はゴム質構造部位を含有させることに
より、耐トラッキング性を一層向上させることができ
る。
【0013】ポリマー構造内にポリオレフィン構造部
位、ゴム質構造部位、又はアクリル系重合体構造部位を
熱可塑性ポリエステル樹脂(A)構造中に導入するに
は、例えば、前記した多価カルボン酸、そのエステル及
び/又は多価カルボン酸無水物と、グリコール類とを反
応させて得られる熱可塑性ポリエステルに、(a)該ポ
リエステル(熱可塑性ポリエステル樹脂)と反応性を有
する官能基を有するオレフィン系ポリマー、又は(b)
該ポリエステル(熱可塑性ポリエステル樹脂)と反応性
を有する官能基を有するゴム質重合体を反応させる方法
が好ましい。
【0014】ここで、オレフィン系ポリマー(a)は、
熱可塑性ポリエステルと反応性を有する官能基を有する
α−オレフィン系樹脂であることが好ましく、これを形
成する原料α−オレフィンとしては、エチレン、プロピ
レン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン
−1、デセン−1、オクテン−1等が挙げられ、また、
上記α−オレフィン系樹脂としては、高、中、低密度ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ4
−メチルペンテン−1などの単独重合体、エチレン−プ
ロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エ
チレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−
1共重合体等を挙げられる。
【0015】この中では、特に高、中、低密度ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテン−1が
好ましい。また、ポリプロピレンとは、プロピレンの単
独重合体の他にプロピレンと、例えばエチレン、ブテン
−1などのα−オレフィンを共重合させたブロックまた
はランダム共重合体であってもよい。
【0016】また、オレフィン系ポリマー(a)中の、
熱可塑性ポリエステル樹脂と反応性を有する官能基は、
特に限定されるものではないが、カルボキシル基又はエ
ポキシ基が好ましく、前記原料単量体と共に、不飽和カ
ルボン酸若しくはその誘導体、又は不飽和グリシジル基
含有単量体を用いて反応させオレフィン系ポリマー
(a)を製造するか、α−オレフィンを重合させてオレ
フィン系ポリマーを製造した後、不飽和カルボン酸若し
くはその誘導体、又は不飽和グリシジル基含有単量体を
反応させることにより、ポリマー(a)中に導入させる
ことができる。
【0017】ここで、不飽和カルボン酸またはその誘導
体としては、具体的にはマレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸、ハロゲン化マレイン酸、シス−4−シクロヘキセ
ン−1,2−ジカルボン酸、エンド−シス−ビシクロ
[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸
などや、これらジカルボン酸の酸無水物、エステル、ア
ミド、イミドなど、あるいは、アクリル酸、メタアクリ
ル酸等のモノカルボン酸、これらモノカルボン酸類のエ
ステル化物、アミド化物等が挙げられる。これらの中で
も特に無水マレイン酸およびそのイミド化物が好まし
い。
【0018】また、不飽和グリシジル基含有単量体が好
ましく、具体的にはアクリル酸グルシジル、メタアクリ
ル酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステル、
ブテントリカルボン酸モノグリシジルエステル、ブテン
トリカルボン酸ジグリシジルエステル、ブテントリカル
ボン酸トリグリシジルエステル、及びα−クロロアリ
ル、マレイン酸、クロトン酸、フマル酸などのグルシジ
ルエステル類またはビニルグリシジルエ−テル、アリル
グルシジルエ−テル、グリシジルオキシビニルエ−テ
ル、スチレン−p−グリシジルエ−テル等のグリシジル
エ−テル類、p−グルシジルスチレン等が挙げられる。
これらのなかでも特にメタアクリル酸グリシジル、アリ
ルグリシジルエ−テルが好ましい。
【0019】オレフィン系ポリマー(a)中の、カルボ
キシル基又はエポキシ基に代表される官能基の含有量
は、ポリマー(a)を構成する全単量体重量に対する不
飽和カルボン酸若しくはその誘導体、又は不飽和グリシ
ジル基含有単量体等の単量体重量の割合で、0.05〜
20重量%、好ましくは0.1〜10重量%の範囲であ
ることが、ポリマー(a)中に均一に官能基を導入で
き、耐トラッキング性、機械的的特性も良好となる点か
ら好ましい。また、オレフィン系ポリマー(a)は、更
に、その幹ポリマーにビニル系重合体をグラフトしたグ
ラフト共重合体であってもよい。
【0020】かかるグラフト成分であるビニル系重合体
は、具体的にはスチレン、メチルスチレン、ジメチルス
チレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロ
ルスチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン
等のビニル芳香族系単量体:アクリル酸もしくはメタク
リル酸の炭素数1〜7のアルキルエステル、例えば(メ
タ)アクリル酸のメチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチルエステルなどの(メタ)アクリル酸エステ
ル単量体:(メタ)アクリルニトリル単量体:酢酸ビニ
ル、プロピル酸ビニルなどのビニルエステル単量体:
(メタ)アクリルアミド単量体:無水マレイン酸、マレ
イン酸のモノエステル、ジエステルなどの単量体の1種
または2種以上を重合して得られた(共)重合体が挙げ
られる。
【0021】中でもビニル芳香族単量体、(メタ)アク
リル酸エステル単量体、(メタ)アクリロニトリル単量
体、及びビニルエステル単量体等の(共)重合体が好ま
しい。特に(メタ)アクリル酸エステル単量体を50%
以上含むビニル系共重合体が耐トラッキング性の改良効
果が優れ、また得られた成形品の引張強度、引張伸び等
の機械的特性も良好となり好ましい。
【0022】詳述した熱可塑性ポリエステル樹脂と反応
性を有する官能基を有するオレフィン系ポリマー(a)
のなかでも特に、該官能基としては、カルボキシル基含
有ポリプロピレンが成形加工時の流動性が優れており特
に好ましい。
【0023】この熱可塑性ポリエステル樹脂と反応性を
有する官能基を有するオレフィン系ポリマー(a)を熱
可塑性ポリエステル樹脂に反応させる方法は、特に限定
されないが、組成物調整時において熱可塑性ポリエステ
ル樹脂と共に、他の配合成分と共に前記オレフィン系ポ
リマー(a)を溶融混合させればよい。
【0024】該オレフィン系ポリマー(a)を熱可塑性
ポリエステル樹脂に反応させる際の変性量は特に制限さ
れないが、該オレフィン系ポリマー(a)の使用重量
が、樹脂組成物に対して3〜30重量%、好ましくは3
〜20重量%、更に好ましくは3〜15%となる範囲
が、耐トラッキング性の向上効果、難燃性、機械的強度
の点から好ましい。
【0025】次に、前記した、熱可塑性ポリエステル樹
脂と反応性を有する官能基を有するゴム質重合体(b)
は、オレフィン系重合体と芳香族ビニル系重合体とのブ
ロック共重合体を主骨格とするものが好ましく、具体的
には、オレフィン化合物の単独重合体または1種以上の
オレフィン化合物からなる共重合体である部分(ブロッ
クA)とビニル芳香族化合物の単独重合体または1種以
上のビニル芳香族化合物からなる共重合体である部分
(ブロックB)とからなり、例えば、A−B、B−A−
B、B−A−B−A、B−A−B−A−B等の構造を有
するブロック共重合体が好ましい。
【0026】オレフィン化合物の単独重合体または1種
以上のオレフィン化合物からなる共重合体であるブロッ
クAとは、具体的にはエチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、イソブチレン等のモノオレフィン、あるいはブタジ
エン、イソプレン、1,3ーペンタジエン、2,3−ジ
メチル−1,3−ブタジエン等の共役ジオレフィン、
1,4−ヘキサジエン、ノルボルネン、ノルボルネン酸
誘導体等の非共役ジオレフィンのうちから選ばれた1種
またはそれ以上のオレフィン化合物が重合、あるいは共
重合した形態を有する重合体ブロックである。
【0027】ブロックAの好ましい形態としては、共役
ジエン化合物からなる重合体、共役ジエン化合物とモノ
オレフィンとの共重合体等が挙げられる。特に好ましく
は、共役ジエン化合物としてブタジエン、イソプレンを
用いたものである。
【0028】ここで、ブロックAが共役ジエン化合物か
らなる共重合ブロックの場合、該共役ジエン化合物の全
脂肪族二重結合の70%以上、好ましくは80%以上が
水素添加されていると耐候性、耐熱性に優れた効果が認
められて好ましい。
【0029】一方、ビニル芳香族化合物の単独重合体ま
たは1種以上のビニル芳香族化合物からなる共重合体で
あるブロックBに用いられる単量体としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3
−ジメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアント
ラセン等があるが、好ましくはスチレンが挙げられる。
これらは1種のみならず2種以上混合して使用しても差
し支えない。上記ブロック共重合体におけるブロックB
の含有率は、原料単量体重量比率で5〜60重量%、な
かでも10〜50重量%であることが、成形品に層剥離
も見られず、また成形品の耐衝撃性も良好となる点から
好ましい。
【0030】この様なブロック共重合体は、該ブロック
共重合体の脂肪族二重結合のうち70%以上が水素添加
されていることが好ましい。
【0031】また、ゴム質重合体(b)中の、熱可塑性
ポリエステル樹脂と反応性を有する官能基は、特に限定
されるものではないが、ポリマー(a)の場合と同様に
カルボキシル基又はエポキシ基が好ましく、前記ブロッ
ク共重合体に、不飽和カルボン酸若しくはその誘導体、
又は不飽和グリシジル基含有単量体を付加反応により結
合させることによりゴム質重合体(b)中に導入するこ
とができる。
【0032】ここで、不飽和カルボン酸またはその誘導
体としては、具体的にはマレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸、ハロゲン化マレイン酸、シス−4−シクロヘキセ
ン−1,2−ジカルボン酸、エンド−シス−ビシクロ
[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸
などや、これらジカルボン酸の酸無水物、エステル、ア
ミド、イミドなど、あるいは、アクリル酸、メタアクリ
ル酸等のモノカルボン酸、これらモノカルボン酸類のエ
ステル化物、アミド化物等が挙げられる。これらの中で
も特に無水マレイン酸およびそのイミド化物が好まし
い。
【0033】また、不飽和グリシジル基含有単量体とし
ては、具体的にはアクリル酸グルシジル、メタアクリル
酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステル、ブ
テントリカルボン酸モノグリシジルエステル、ブテント
リカルボン酸ジグリシジルエステル、ブテントリカルボ
ン酸トリグリシジルエステル、及びα−クロロアリル、
マレイン酸、クロトン酸、フマル酸などのグルシジルエ
ステル類またはビニルグリシジルエ−テル、アリルグル
シジルエ−テル、グリシジルオキシビニルエ−テル、ス
チレン−p−グリシジルエ−テル等のグリシジルエ−テ
ル類、p−グルシジルスチレン等が挙げられる。これら
のなかでも特にメタアクリル酸グリシジル、アリルグリ
シジルエ−テルが好ましい。
【0034】ゴム質重合体(b)中のカルボキシル基又
はエポキシ基に代表される官能基の含有量は、ゴム質重
合体(b)重量に対する不飽和カルボン酸若しくはその
誘導体又は不飽和グリシジル基含有単量体等の単量体重
量の割合で、0.05〜20重量%、好ましくは0.1
〜10重量%の範囲であることが、ゴム質重合体(b)
中に均一に官能基を導入でき、耐トラッキング性、ま
た、成形品の引張強度、引張伸び等の機械的特性が優れ
る点から好ましい。
【0035】このゴム質重合体(b)を熱可塑性ポリエ
ステル樹脂に反応させる方法は、特に限定されないが、
組成物調整時において熱可塑性ポリエステル樹脂と共
に、他の配合成分と共にゴム質重合体(b)を溶融混合
させればよい。
【0036】該ゴム質重合体(b)を熱可塑性ポリエス
テル樹脂に反応させる際の変性量は特に制限されない
が、該ゴム質重合体(b)の使用重量が、樹脂組成物に
対して3〜30重量%、好ましくは3〜20重量%、更
に好ましくは3〜15%となる範囲が、耐トラッキング
性の向上効果、難燃性、機械的強度の点から好ましい。
【0037】次に、アルカリ土類金属の無機塩(B)と
しては、特に限定されるものではないが、例えばアルカ
リ土類金属の硫酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩等が挙
げられる。これらの中でも、特に耐クラッキング性が著
しく良好である点からアルカリ土類金属の硫酸塩が好ま
しく、また、腐食性ガスの発生を良好に抑制でき、金型
の腐食を防止できる点からアルカリ土類金属の硫酸塩の
無水物が好ましい。
【0038】これらの中でも特に耐トラッキング性の改
善効果が高く成形時の流動性が良好であり、強度低下が
低い点から硫酸カルシウムが好ましい。
【0039】ここで、硫酸カルシウムとしては、2水石
膏、半水石膏、III型無水石膏、II型無水石膏等が挙げ
られるが、特に熱安定性に優れると共に、成形加工機及
び金型の腐食防止効果に優れ、しかも耐トラッキング性
も著しく良好となる点からII型無水石膏が好ましい。II
型無水石膏は、β・CaSO4で表される不溶性無水石
膏であり、天然II型無水石膏でもよいが、純度の点か
ら、通常、2水石膏または半水石膏を400℃以上の高
温下焼成する事によって得られるII型無水石膏が好まし
い。
【0040】アルカリ土類金属の無機塩(B)添加量
は、特に制限されるものではないが、樹脂組成物に対し
て3〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、更に好
ましくは5〜30%である。3%以下の添加量では耐ト
ラッキング性の向上効果が低く、また30重量%を越え
ると成形加工性が低下し好ましくない。
【0041】次に、本発明で用いるハロゲン化ハロゲン
化ビスフェノール型エポキシ樹脂の末端エポキシ基を封
鎖した構造を有する化合物(C)は、特に構造が限定さ
れるものではないが、ハロゲン化ハロゲン化ビスフェノ
ール型エポキシ樹脂の末端エポキシ基の30〜95%が
封鎖された構造であること、即ち、原料エポキシ樹脂の
総末端エポキシ基数に対する封鎖の割合(以下、「封鎖
率」と略記する)率が30〜95%であることが組成物
の流動性改善効果が飛躍的に向上すると共に、熱安定
性、即ち押出機内の溶融混練時や、射出成形機内での滞
留時等における熱履歴による成形品の強度低下を防止で
きる点から好ましい。
【0042】これらの性能バランスに優れる点から、中
でも50〜95%の範囲、特に70〜95%の範囲であ
ることが好ましい。尚、封鎖率は下記式により求めるこ
とができる。
【0043】
【式1】封鎖率(%)=(E0−E1)/E0×100 ( E0:封鎖前のエポキシ含有量(eq/kg) E1:封鎖後のエポキシ含有量(eq/kg) ここ
で、エポキシ含有量は過塩素酸−臭化テトラエチルアン
モニウム法によって得られるエポキシ等量の逆数であ
る。)
【0044】ここで、原料エポキシ樹脂としては、テト
ラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラブロ
モビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラブロモビス
フェノールS型エポキシ樹脂等が挙げられ、該原料エポ
キシ樹脂の末端エポキシ基を封鎖する化合物としては、
単官能のアルコール類、酸類等の単官能性活性水素含有
化合物であればよいが、具体的には、反応性、安定性の
面でフェノール、ターシャリブチルフェノール、トリブ
ロモフェノール、トリクロロフェノール等のフェノール
類が好ましい。特に好ましい封鎖剤としてはハロゲン%
が高くなるトリブロモフェノール、トリクロロフェノー
ル等のハロゲン化フェノールが挙げられる。
【0045】この様な化合物(C)は、更に具体的に
は、下記一般式1
【化4】 (一般式1中、Y1及びY2は、夫々独立的に、下記構
造a及び構造b
【化5】
【化6】 であり、構造aと構造bとの割合が、構造b/(構造a
+構造b)=0.30〜0.95となる範囲であり、X
(構造bにおけるXも同義)はハロゲン原子であり、か
つ、nは平均重合度で2〜30の整数である。)で表さ
れるものが好ましい。この一般式1における主骨格部分
は、例えばテトラハロゲン化ビスフェノールAとテトラ
ハロゲン化ビスフェノールAジグリジルエーテルとを反
応させることにより得られる。
【0046】尚、上記一般式1において、平均重合度2
以上においては熱変形温度等の耐熱性が優れたものとな
り、一方、nが30以下においては、該化合物の分散性
が良好となって、特に耐湿性に優れたものとなる。これ
らのバランスが良好となる点からなかでもnが2〜10
の範囲が好ましい。
【0047】ハロゲン化ハロゲン化ビスフェノール型エ
ポキシ樹脂の末端エポキシ基を封鎖した構造を有する化
合物(C)の添加量は、特に限定されないが、樹脂組成
物に対して5〜25重量%、なかでも7〜20重量%の
範囲が好ましい。
【0048】次に、本発明で使用されるアンチモン化合
物(D)としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモ
ンが挙げられる。好ましくは三酸化アンチモンである。
添加量は、特に制限されるものではないが樹脂組成物に
対して1〜10重量%、好ましくは1.5〜7重量%で
ある。
【0049】本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物
には目的に応じて各種の無機及び有機の充填材を1種又
は2種以上組合わせて加えることができる。具体的には
シリカ、ケイ藻土、ドロマイト、γ−アルミナ、γ以外
のアルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグ
ネシウム、アンチモン酸、酸化アンチモン、バリウムフ
ェライト、ストロンチウムフェライト、酸化ベリリウ
ム、軽石、軽石バルーン、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化
ジルコニウムなどの酸化物;水酸化亜鉛、水酸化アルミ
ニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム
などの水酸化物;炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、ドーソナイトなどの炭酸塩;硫酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸カルシ
ウムなどの硫酸又は亜硫酸塩;タルク、クレー、マイ
カ、アスベスト、ガラス繊維、ガラスバルーン、ガラス
ビーズ、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベント
ナイトなどのケイ酸塩、ハイドロタルサイト類;その他
カーボンブラック、グラファイト、硫化モリブデン、ボ
ロン繊維、炭化ケイ素繊維、チタン酸カリウム、チタン
酸、ジルコン酸鉛、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、
ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウムなどの無機充填材
の粒子状、繊維状、ウイスカー状、球状、中空状物、更
に芳香族ポリアミド繊維、ポリテトラフルオロエチレ
ン、シリコンゴムなどの有機充填材などが挙げられる。
該充填材の好ましい添加量は本発明組成物中、0.1〜
60重量%である。
【0050】更に本発明においては、本発明の目的を損
わぬ範囲において、他の樹脂を添加することができる。
該樹脂としては、例えばポリフェニレンエーテル、スチ
レングラフトなどの変性ポリフェニレンエーテル類、ポ
リアリレート、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチンテレフタレート、ポリ 1.4−シクロ
ヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリカーボネー
ト、各種液晶ポリマ−類、ポリサルホン、ポリエーテル
サルホン、ポリアリルスルフィッド、ポリアリルサルホ
ン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテ
ン、ポリスチレン、水添スチレンブタジエンゴム、エチ
レンプロピレンゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレ
ン、ポリブテン、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
イミド、ポリアミドイミド、ユリア樹脂、フェノール樹
脂、DAP樹脂、シリコン樹脂などの熱可塑性あるいは
熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0051】又、本発明組成物には他の公知の添加剤、
例えばシラン、チタネート、ジルコネート、ジルコアル
ミネート、アルミニウムキレート化合物系カップリング
剤などの表面処理剤、ハロゲン化物等の難燃剤、アンチ
モン化合物の難燃助剤、酸化防止剤、熱安定剤、アルカ
リ金属又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物又は炭
酸塩などの腐食防止剤、滑剤、着色剤、結晶核剤などを
本発明組成物に対して必要に応じて加えることができ
る。
【0052】なお、本発明の樹脂組成物は押出機、射出
成形機、各種ミキサ−などの公知方法で混練、混合する
ことにより作製することができる。更に射出成形により
電子部品を作製することができるが熱可塑性ポリエステ
ル樹脂及び親水性物質の熱安定性を考慮して熱履歴の少
ない成形条件を採ることが好ましい。従って成形温度条
件は熱可塑性ポリエステル樹脂組成物の場合、230℃
〜300℃の範囲が適切であるが特に230℃〜270
℃が好ましい。
【0053】
【実施例】本発明を実施例及び比較例により更に説明す
る。尚、本発明は実施例のみに限定されるものではな
い。
【0054】実施例1〜13、比較例1〜9 [η]が0.9dl/gなるポリブリレンテレフタレートを用
い、表−2、表−3に示した配合組成物(但し、配合は
重量部を単位とする)を予め均一に混合した後、250
℃に設定された40mm単軸ベント付押出機によって混
練した後、ストランドとして引き出し冷却し、カッター
にてカッティングしてペレットを得た。このペレットを
用いて、100mm×50mm×2mmのシート及び125mm
×12mm×3mmの角棒、125mm×12mm×0.8mmの
成形品を型締圧60tの射出成形機にて作製した。(樹
脂温度:260℃,金型温度:60℃)また、成形時の
安定性をみるため、同成形条件下、射出成形機内で溶融
常態で15分間滞留させた後射出成形し125mm×12
mm×3mmの角棒を作成した。成形時の腐食性をみるため
100mm×50mm×2mmのシートの金型内に30mm×2
0mm×1mmに切断した鉄板をセットし射出成形し、鉄板
のインサート成形された成形品を作成した。
【0055】<評価及び試験法> (1)CTI試験 50×100×2mmのテストピースを用い、IEC−P
ub11.2に準じ耐トラッキング性試験を行った。
(電解液:0.1%塩化アンモニゥム水溶液) (2)引張試験 125mm×12mm×3mmの角棒を用い、ASTM D−
790に準じ曲げ試験を行い、曲げ強度、曲げ弾性率、
曲げ伸度を測定した。 (3)MFR(メルトフローレート) 溶融混練したペレットを用いてMFRを測定し、成形時
の流動性を比較した。
【0056】測定条件 ・測定温度 :265℃ ・荷重 :2160g ・ホールト゛時間 :5分間
【0057】(4)成形時の安定性 成形機内で260℃/15分間滞留させた後125mm×
12mm×3mmの角棒を作成し、ASTM D−790に
準じ曲げ試験を行い、曲げ強度、曲げ弾性率、曲げ伸度
を測定した。
【0058】(5)成形品の層剥離 50×100×2のテストピースを用い層剥離の有無を
観察した。 (6)燃焼性 12.5×125×0.8mmの燃焼試験用テストピース
を用い、UL−94に準じ、V−0の燃焼試験を行っ
た。 (7)成形時の腐食性 鉄板のインサート成形した成形品から鉄板をはぎ取り、
その鉄板を60℃/95%に温調調湿された恒温恒湿層
に3時間放置した後、樹脂と接していた鉄板表面の表面
常態を観察した。腐食性の強いものは鉄板表面が腐食
し、錆が発生している。
【0059】<使用した配合物> (1)Br化ビスフェノールA型エポキシ樹脂 使用した難燃剤のBr化エポキシ樹脂はBr化ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂であり、封鎖タイプのものは末
端のエポキシ基をトリブロモフェノールで封鎖されてい
る。
【0060】
【表1】
【0061】(2)三酸化アンチモン:三国精錬製 (3)その他オレフィン系ポリマー ・酸変性PP(ポリプロピレン)三井化学製アドマーQ
F500 ・酸変性PE(ポリエチレン)三井化学製アドマーLF
300 ・酸変性EPR(エチレンプロピレンラバー)三井化学
製NタフマーP−0680 ・酸変性水添SEBS(スチレンエチレンブテンスチレ
ン)旭化成製タフテックM1913 ・EGMA−g−PMMA(エチレン−グリシジルメタ
アクリレートの共重合体とポリメチルメタアクリレート
とのグラフトマー)三菱油化製モディパーA4200 ・PP(ポリプロピレン)昭和電工製ショアロマーMA
210 ・水添SEBS旭化成製タフテックH1052
【0062】(4)石膏 ・II型無水石膏:睦化学製 ・半水石膏:睦化学製 ・III型無水石膏:日東石膏製
【0063】(5)硫酸バリウム:堺化学製沈降製硫酸B
a (6)ガラス繊維:旭硝子製CS03MA411
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】
【0066】
【表4】
【0067】
【表5】
【0068】
【表6】
【0069】
【表7】
【0070】表−2、表−3から明らかな様に本発明の
熱可塑性難燃ポリエステル樹脂組成物は高いトラッキン
グ性を有し、且つ難燃性で、良好な機械特性を有すると
ともに高流動性で成形じの安定性に優れ、成形時の腐食
性もなく、成形品外観が良好であることから、優れた成
形加工性を有していることがわかる。つまり、かかる組
成物は高いトラッキング性を必要とする電気部品用途に
実用的な性能を有している。
【発明の効果】本発明の熱可塑性難燃ポリエステル樹脂
組成物は、熱可塑性ポリエステル系樹脂の持つ本来の性
能を低下させることなく難燃性を有し、且つ高トラッキ
ング性であり、良成形加工性を有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08G 63/91 C08G 63/91 Fターム(参考) 4J002 BN171 CD122 CD202 CF031 CF041 CF051 CF061 CF071 CF081 CF101 CF131 CF161 DE127 DE236 DG056 FD010 FD016 FD130 FD137 FD150 GN00 GQ00 4J029 AA03 AB01 AC01 AD01 AE01 BA02 BA03 BA05 BA08 BA10 BB05A BB13A BD06A BG05X BG08X CB04A CB05A CB06A CC05A CC06A CD03 HA01 HB01 HB03A HB06 JA093 JA123 JA203 JE022 JE042 JE102 JE112 JE153 JF473 4J036 AD09 CA10 FA01 FA04 FB01 FB02 FB03 FB05 FB11 JA07 JA08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリエステル樹脂(A)、アル
    カリ土類金属の無機塩(B)、ハロゲン化ハロゲン化ビ
    スフェノール型エポキシ樹脂の末端エポキシ基を封鎖し
    た構造を有する化合物(C)、及びアンチモン化合物
    (D)を必須成分とする熱可塑性ポリエステル系樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】 アルカリ土類金属の無機塩(B)が、ア
    ルカリ土類金属の硫酸塩である請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 アルカリ土類金属の無機塩(B)が、ア
    ルカリ土類金属の硫酸塩の無水物である請求項2記載の
    組成物。
  4. 【請求項4】 ハロゲン化ハロゲン化ビスフェノール型
    エポキシ樹脂の末端エポキシ基を封鎖した構造を有する
    化合物(C)が、ハロゲン化ハロゲン化ビスフェノール
    型エポキシ樹脂の末端エポキシ基をハロゲン化フェノー
    ルで封鎖した構造を有するものである請求項1記載の組
    成物。
  5. 【請求項5】 ハロゲン化ハロゲン化ビスフェノール型
    エポキシ樹脂の末端エポキシ基を封鎖した構造を有する
    化合物(C)が、ハロゲン化ハロゲン化ビスフェノール
    型エポキシ樹脂の末端エポキシ基の30〜95%をハロ
    ゲン化フェノールで封鎖した構造を有するものである請
    求項4記載の組成物。
  6. 【請求項6】 ハロゲン化ハロゲン化ビスフェノール型
    エポキシ樹脂の末端エポキシ基を封鎖した構造を有する
    化合物(C)が、下記一般式1 【化1】 (一般式1中、Y1及びY2は、夫々独立的に、下記構
    造a及び構造b 【化2】 【化3】 であり、構造aと構造bとの割合が、構造b/(構造a
    +構造b)=0.30〜0.95となる範囲であり、X
    (構造bにおけるXも同義)はハロゲン原子であり、か
    つ、nは平均重合度で2〜30の整数である。)で表さ
    れるものである請求項5記載の組成物。
  7. 【請求項7】 熱可塑性ポリエステル樹脂(A)が、そ
    のポリマー構造内にポリオレフィン構造部位を有するも
    のである請求項1〜6の何れか1つに記載の組成物。
  8. 【請求項8】 熱可塑性ポリエステル樹脂(A)が、そ
    のポリマー構造内にゴム質構造部位を有するものである
    請求項1〜6の何れか1つに記載の組成物。
  9. 【請求項9】 熱可塑性ポリエステル樹脂(A)が、そ
    のポリマー構造内にアクリル系重合体構造部位を有する
    ものである請求項1〜6の何れか1つの記載の組成物。
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