JPH11349462A

JPH11349462A - 口腔用組成物

Info

Publication number: JPH11349462A
Application number: JP17539098A
Authority: JP
Inventors: Toshiaki Kobayashi; 利彰小林; Eiji Nishinaga; 英司西永; Ichiro Fukuda; 一朗福田; Mikio Miyake; 幹雄三宅
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 1998-06-08
Filing date: 1998-06-08
Publication date: 1999-12-21

Abstract

(57)【要約】【解決手段】パールパウダーとデキストラナーゼとを
含有することを特徴とする口腔用組成物。【効果】本発明の口腔用組成物は、歯垢の付着抑制効
果が高いものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、歯垢付着抑制効果
の高い口腔用組成物に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
歯磨剤にデキストラナーゼを配合することは、特開昭４
８−５６８３４号、特開昭４８−５６８３６号公報にお
いて提案されている。しかしながら、歯垢抑制効果につ
いてはなお検討の余地があり、更に歯垢抑制効果を高め
た口腔用組成物の開発が望まれている。

【０００３】一方、歯磨剤に真珠粉末を使用すること
は、特開昭４７−２８９９号及び特開平１−１９９９０
７号公報に提案されている。前者は歯磨に真珠光沢を付
与させ、後者は真珠粉末を加熱処理することによるＣａ
の徐放を提案しているが、歯牙への歯垢付着抑制効果に
対する記載はない。

【０００４】

【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記要望に応えるため、歯垢抑制効果を高め
た口腔用組成物について鋭意検討を行った結果、意外に
もパールパウダーとデキストラナーゼとを組み合わせる
ことにより、ストレプトコッカス・ミュータンスの口腔
内定着を効果的に抑制し、高い歯垢抑制効果を与えるこ
とを知見し、本発明をなすに至ったものである。

【０００５】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明の口腔用組成物は、パールパウダーとデキス
トラナーゼとを含有する。

【０００６】ここで、パールパウダーは、天然物のアコ
ヤガイ、カワシンジュガイ、クロチョウガイ、シナカラ
スガイの真珠層又は真珠を粉砕したものを使用すること
ができ、例えば市販品として丸善製薬の真珠末等として
入手できる。このパールパウダーの平均粒径は、特に制
限されるものではないが、平均粒径が０．０１〜５００
μｍのものが好ましく、更に好ましくは０．０１〜２０
μｍである。

【０００７】上記パールパウダーは１種又は２種以上を
組み合わせて使用できるが、その配合量は組成物全体の
０．０１〜５０％（重量％、以下同じ）、より好ましく
は０．１〜２０％、更に好ましくは０．１〜１０％であ
ることがよい。

【０００８】一方、デキストラナーゼとしては、ケトミ
ウム属、ペニシリウム属、アスペルギルス属、スピカリ
ア属、ラクトバチルス属、セルビブリオ属等に属する公
知のデキストラナーゼ生成菌より公知の方法により得ら
れるデキストラナーゼは勿論、他の微生物により生産さ
れるデキストラナーゼも使用することができる。デキス
トラナーゼの配合量は、組成物全体の０．０１〜１０
％、特に０．０５〜５％とすることが好ましい。

【０００９】本発明の口腔用組成物は、練歯磨等の歯磨
剤、歯肉マッサージクリーム、局所塗布剤、洗口剤、ト
ローチ剤、チューインガム等の様々な剤型とすることが
可能である。この場合、本発明の口腔用組成物には、上
述した成分以外にも通常の口腔用組成物に使用される各
種基剤成分を配合することができる。例えば歯磨剤の場
合には、研磨剤、粘結剤、粘稠剤、甘味剤、香料などを
常用量で配合し得る。

【００１０】例えば、研磨剤としては、リン酸水素カル
シウム・２水和物、第３リン酸カルシウム、炭酸カルシ
ウム、ピロリン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、無
水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、不溶性メタリン酸ナト
リウム、第３リン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、
硫酸カルシウム、ベントナイト、ケイ酸ジルコニウム、
ポリメタクリル酸メチル、その他の合成樹脂等の１種又
は２種以上を本発明の効果を損なわない範囲で配合し得
る。

【００１１】また、粘結剤としては、カラギーナン、カ
ルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導
体、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリ
コール等のアルギン酸誘導体、キサンタンガム、ジュエ
ランガム、トラガントガム、カラヤガム等のガム類、ポ
リビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カル
ボキシビニルポリマー等の合成粘結剤、シリカゲル、ビ
ーガム、ラポナイト等の無機粘結剤等の１種又は２種以
上を配合し得る。

【００１２】また、保湿剤としては、グリセリン、ソル
ビット、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、キシリトール、マルチトール、ラクチトール等の多
価アルコールの１種又は２種以上を配合し得る。

【００１３】界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリ
ウム等のアニオン性界面活性剤、ラウリン酸デカグリセ
リル、ミリスチン酸ジエタノールアミド等の非イオン性
界面活性剤、ベタイン系等の両性界面活性剤を配合し得
る。

【００１４】香料成分としては、メントール、アネトー
ル、カルボン、オイゲノール、リモネン、ｎ−デシルア
ルコール、シトロネロール、α−テルピネオール、シネ
オール、リナロール、エチルリナロール、ワニリン、チ
モール、ペパーミント油、スペアミント油、ウインター
グリーン油、丁字油、ユーカリ油等の香料を単独で又は
組み合わせて配合し得るほか、サッカリンナトリウム、
ステビオサイド、グリチルリチン、ペリラルチン、ソー
マチン等の甘味剤を配合し得る。

【００１５】また、本発明においては、クロルヘキシジ
ン、ベンゼトニウムクロライド、ベンザルコニウムクロ
ライド、セチルピリジニウムクロライド、デカニウムク
ロライドなどの陽イオン性殺菌剤、トリクロサン、ヒノ
キチオール、ビオゾールなどのフェノール性化合物、ム
タナーゼ、リゾチーム、アミラーゼ、プロテアーゼ、溶
菌酵素、スーパーオキサイドディスムターゼなどの酵
素、ビタミンＥ、ビタミンＢ₆などのビタミン類、モノ
フルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸カリウ
ムなどのアルカリ金属モノフルオロリン酸塩、フッ化ナ
トリウム、フッ化第１錫などのフッ化物、トラネキサム
酸、イプシロンアミノカプロン酸、アルミニウムクロル
ヒドロキシルアラントイン、ジヒドロコレスタノール、
グリチルリチン酸類、グリチルレチン酸、ビサボロー
ル、グリセロフォスフェート、クロロフィル、塩化ナト
リウム、水溶性無機リン酸化合物などの公知の有効成分
を１種又は２種以上配合し得る。

【００１６】

【発明の効果】本発明の口腔用組成物は、歯垢の付着抑
制効果が高いものである。

【００１７】

【実施例】以下、実験例及び実施例を示して本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。

【００１８】〔実験例〕ハイドロキシアパタイトビー
ズを用いた歯垢付着試験ストレプトコッカス・ミュータンス（Ｓ．ｍｕｔａｎ
ｓ）１０４４９株を培養し、遠心分離後、菌体をＰＢＳ
（ｐＨ６．５、１ｍＭリン酸緩衝液（５０ｍＭＫＣ
ｌ，１ｍＭＣａＣｌ₂，０．１ｍＭＭｇＣｌ₂含有）
で２度洗浄し、ＯＤ値が約０．６になるように菌体液を
調整した。

【００１９】ＨＡＰビーズ（ＰＥＮＴＡＸ社製，緻密質
充填剤（ＮＲ００１Ｃ）１００〜１５０μｍ）３００ｍ
ｇを１０ｍＬスピッツに採取し、蒸留水で３回洗浄後、
微粒子を吸引にて除去した。サンプル液（表１に示す試
験歯磨１ｇを３ｍＬの水に希釈したもの）３ｍＬにてＨ
ＡＰビーズを１時間振盪処置した後、蒸留水で３回洗浄
した。

【００２０】菌体液５ｍＬを加えて１時間振盪して菌体
を付着させた後、３０分間静置し、上澄液のＯＤ値（５
５０ｎｍ）を測定した。結果を表２に示す。

【００２１】

【表１】

【００２２】

【表２】

【００２３】上記の結果より、パールパウダーとデキス
トラナーゼの組み合わせにより、優れた歯垢付着抑制効
果を与えることが明らかになった。

【００２４】〔実施例２〕歯磨シリカ１８．０重量％増粘性シリカ５．０ポリエチレングリコール４００３．０８５％グリセリン８．０カルボキシメチルセルロースナトリウム１．２ラウリル硫酸ナトリウム１．２フッ化ナトリウム０．２３デキストラナーゼ（２００００単位／ｇ）０．１パールパウダー（アコヤガイ，平均粒径０．６μｍ）０．１香料１．２水残計１００．０重量％

【００２５】〔実施例３〕歯磨リン酸カルシウム２水和物３５．０重量％増粘性シリカ３．０プロピレングリコール３．０アルギン酸ナトリウム０．８キサンタンガム０．４ラウリル硫酸ナトリウム１．０モノフルオロリン酸ナトリウム０．７６デキストラナーゼ（２００００単位／ｇ）０．３パールパウダー（アコヤガイ，平均粒径１．８μｍ）３香料１．０水残計１００．０重量％

【００２６】〔実施例４〕歯磨シリカ１０．０重量％増粘性シリカ３．０ポリエチレングリコール４００５．０７０％ソルビット５．０カラギーナン０．５キサンタンガム０．５ラウリル硫酸ナトリウム１．３ミリスチン酸ジエタノールアミド１．０フッ化ナトリウム０．２１デキストラナーゼ（２００００単位／ｇ）０．２パールパウダー（アコヤガイ，平均粒径５．１μｍ）１８香料１．０水残計１００．０重量％

【００２７】〔実施例５〕歯磨水酸化アルミニウム４２．０重量％増粘性シリカ２．０プロピレングリコール５．０アルギン酸ナトリウム１．０ラウリル硫酸ナトリウム１．２モノフルオロリン酸ナトリウム０．７３デキストラナーゼ（２００００単位／ｇ）０．５パールパウダー（アコヤガイ，平均粒径０．０２μｍ）５香料１．０水残計１００．０重量％

【００２８】〔実施例６〕歯磨リン酸カルシウム２水和物４０．０重量％増粘性シリカ２．０プロピレングリコール３．０８５％グリセリン２０．０カラギーナン０．４キサンタンガム０．８ラウリル硫酸ナトリウム１．２モノフルオロリン酸ナトリウム０．７６デキストラナーゼ（２００００単位／ｇ）０．１パールパウダー（アコヤガイ，平均粒径５．２μｍ）２香料１．２水残計１００．０重量％

【００２９】〔実施例７〕歯磨シリカ１５．０重量％増粘性シリカ３．０プロピレングリコール３．０カルボキシメチルセルロースナトリウム１．２ラウリル硫酸ナトリウム１．０フッ化ナトリウム０．２１デキストラナーゼ（２００００単位／ｇ）０．３パールパウダー（アコヤガイ，平均粒径５．２μｍ）５香料１．０水残計１００．０重量％

【００３０】〔実施例８〕歯磨水酸化アルミニウム４０．０重量％増粘性シリカ３．０プロピレングリコール５．０アルギン酸ナトリウム０．３カラギーナン０．３ラウリル硫酸ナトリウム０．５ミリスチン酸ジエタノールアミド１．２モノフルオロリン酸ナトリウム０．７３デキストラナーゼ（２００００単位／ｇ）０．４パールパウダー（クロチョウガイ，平均粒径１３μｍ）０．０５香料１．２水残計１００．０重量％

【００３１】〔実施例９〕歯磨シリカ２０．０重量％増粘性シリカ３．０ポリエチレングリコール４０００．３アルギン酸ナトリウム０．６キサンタンガム０．５ラウリル硫酸ナトリウム０．８フッ化ナトリウム０．２３デキストラナーゼ（２００００単位／ｇ）０．２パールパウダー（アコヤガイ，平均粒径０．０５μｍ）０．６香料１．０水残計１００．０重量％

【００３２】〔実施例１０〕洗口剤エタノール１０．０重量％グリセリン２０．０ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油０．０５香料０．８デキストラナーゼ（２００００単位／ｇ）０．１パールパウダー（アコヤガイ，平均粒径０．６μｍ）０．０１フッ化ナトリウム０．２３水残計１００．０重量％

【００３３】〔実施例１１〕ガムガムベース２０．０重量％シロップ５．０グリセリン１．５デキストラナーゼ（２００００単位／ｇ）０．２パールパウダー（アコヤガイ，平均粒径０．０５μｍ）０．１香料１．０ソルビット残計１００．０重量％

フロントページの続き (72)発明者三宅幹雄東京都墨田区本所１丁目３番７号ライオン株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】パールパウダーとデキストラナーゼとを
含有することを特徴とする口腔用組成物。