JPH11349367A - 高耐久性セメント配合物の製造方法 - Google Patents
高耐久性セメント配合物の製造方法Info
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Abstract
る場合でも、セメント配合物の凍結融解抵抗性を損うこ
となく収縮低減性を改善することができる高耐久性セメ
ント配合物の製造方法を得る。 【解決手段】 水、セメント、および骨材等を含む配合
物に、AE剤、AE減水剤、高性能AE剤等の空気連行
性混和剤を添加、混合して練り上げた後、有機系収縮低
減剤を添加して二次混合し、モルタル、コンクリート等
のセメント配合物を製造する。
Description
ルタル等の高耐久性のセメント配合物の製造方法、特
に、凍結融解抵抗性および収縮低減性を向上させた高耐
久性セメント配合物の製造方法に関する。
メント配合物は、土木・建築構造物を構築するために使
用されているが、その硬化体は気温の低下と上昇の繰り
返しによる自由水の凍結融解作用により、ひび割れ、ス
ケーリング等のいわゆる凍害が起こる。
抑制するために、AE剤、AE減水剤、高性能AE減水
剤等の空気連行性混和剤をセメント配合物に添加し、そ
の硬化体の中に直径数200μm程度以下の微細な独立
気泡を3〜6容量%連行する方法が行われている。
後、温度・湿度等の環境条件によって未反応水分である
自由水が逸散し、乾燥収縮を生じる。乾燥収縮の進行に
伴いコンクリート等の硬化体にひび割れが発生し、構造
物の強度低下や水密性の低下、さらに鉄筋の腐食等が生
じる。これが構造物の耐久性低下の一因になっている。
の乾燥収縮によるひび割れ等の抑制には、セメント配合
物に有機系の収縮低減剤を添加する方法が行われてい
る。例えば、特公昭59−3430号公報、特公平1−
53214号公報、特開昭59−152253号公報な
どにはこのような収縮低減剤について示されており、こ
れらは前記空気連行性混和剤と同時に添加されている。
セメント配合物の硬化体は、耐ひび割れ性は改善される
ものの、収縮低減剤を用いないものと比較して凍結融解
抵抗性が大幅に劣る。すなわちAE剤等の空気連行性混
和剤を適正に使用したコンクリート等のセメント配合物
の硬化体は、一般に良好な凍結融解抵抗性を有するが、
それに収縮低減剤を併用した場合、凍結融解抵抗性は極
端に悪くなるという問題点があった。
連行性混和剤および収縮低減剤を併用する場合でも、セ
メント配合物の凍結融解抵抗性を損うことなく、収縮低
減性を改善することができる高耐久性セメント配合物の
製造方法を得ることである。
剤の投入時期を分けること、すなわち収縮低減剤を後添
加することにより、凍結融解抵抗性を損なうことなく収
縮低減性の改善がなされるのではないかと、鋭意研究を
重ねた結果、空気連行性混和剤を混入したモルタル、コ
ンクリートをまず練り上げ、その後に有機系収縮低減剤
を添加して二次混合する製造方法を見いだし、本発明を
完成するに至った。
セメント配合物の製造方法である。 (1) 水、セメントおよび骨材を含む配合物に、空気
連行性混和剤を添加、混合して練り上げた後、有機系収
縮低減剤を添加して二次混合することを特徴とする高耐
久性セメント配合物の製造方法。 (2) 有機系収縮低減剤が下記の一般式(I)または
(II)で示されるポリオキシアルキレン化合物から選ば
れる1種または2種以上からなるものである上記(1)
記載の方法。 E−{(A1O)x−R1}n (I) (式中、Eはn個の活性水素原子を持つ化合物の残基、
A1Oは炭素数2〜4の1種または2種以上のオキシア
ルキレン基、R1は水素原子または炭素数1〜4のアル
キル基で、xは1〜10の数、nは1〜8の整数であ
る。)
アルキル基、A2Oは炭素数2〜4の1種または2種以
上のオキシアルキレン基、yは1〜10の数である。)
は、水、セメントおよび骨材その他の添加剤を含む配合
物であり、水とセメントに砂のような細骨材を配合した
モルタル、これにさらに砂利や砕石のような粗骨材を配
合したコンクリートなどがこれに含まれる。
ントとしては、一般にセメント配合物に使用されている
セメントが使用でき、例えば普通ポルトランドセメン
ト、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセ
メント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトラン
ドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント等のポルト
ランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、フラ
イアッシュセメント等の混合セメント、またはこれらの
セメントと、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフュ
ーム、石灰石粉等の混和材を組み合わせたセメント、さ
らには高ビーライト系セメント、油井セメント、高硫酸
塩スラグセメント、アルミナセメント、マグネシヤセメ
ント、耐酸セメント、超速硬セメント等の特殊セメント
などをあげることができる。これらのセメントは必要に
応じて1種または2種以上組み合わせて用いることもで
きる。
石、人工骨材など任意のものが使用できる。セメント配
合物における水/セメント比、セメント/骨材比は任意
であり、一般のセメント配合物と同様とすることができ
るが、一般的には水/セメント比が20〜90重量%、
好ましくは30〜70重量%、セメント/骨材比は一般
的には10〜200重量%、好ましくは15〜100重
量%とするのが好適である。
は、セメント配合物に微細な独立気泡を連行できる混和
剤であり、直径300μm以下、好ましくは20〜20
0μmの独立気泡を3〜6容量%連行できるものがよ
い。このような空気連行性混和剤としては、JIS A
6204のAE剤、AE減水剤および高性能AE減水
剤およびそれらと同等の性能を有する化合物があげら
れ、市販品を使用することもできる。これらは1種単独
で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
樹脂酸塩等の石鹸系AE剤、高級アルコール硫酸エステ
ル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステ
ル塩等の硫酸エステル系AE剤、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル等のエーテル系AE剤(ただし、アルキルは炭
素数8以上)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エ
ステル系AE剤、ベタイン系AE剤、イミダゾリンベタ
イン系AE剤等を使用することができる。
ンスルホン酸塩もしくはその誘導体、オキシ有機酸塩、
アルキルアリールスルホン酸塩、ポリオキシエチレンア
ルキルアリールエーテル類、ポリオール複合体、高級ア
ルコールのスルホン酸塩等を含む化合物を使用すること
ができ、前述したAE剤を一部に含有することもでき
る。
ポリカルボン酸エーテル類、変性リグニンスルホン酸
塩、アルキルアリールスルホン酸塩、芳香族アミノスル
ホン酸塩、変性ナフタレンスルホン酸塩、変性メチロー
ルメラミン縮合物、メラミンスルホン酸塩等を使用する
ことができ、前述したAE剤を一部に含有することもで
きる。
ント配合物の乾燥収縮を低減させる添加剤であり、主と
して界面活性剤が使用できる。このような有機系収縮低
減剤としては、従来より収縮低減剤として使用されてい
るものも使用できるが、前記一般式(I)または(II)
で示されるポリオキシアルキレン化合物が好ましく、一
般式(I)で示されるポリオキシアルキレン化合物がよ
り好ましい。有機系収縮低減剤も1種単独で用いてもよ
く、また2種以上を併用してもよい。
物は、1〜8個の活性水素原子を持つ化合物に炭素数2
〜4のアルキレンオキシドを付加反応させることにより
得ることができる。1〜8個の活性水素原子を持つ化合
物としては、メタノール、エタノール、プロパノール、
イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、
tert−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、
ヘプタノール等の一価のアルコール類、シクロペンタノ
ール、シクロヘキサノール等のシクロアルコール類、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ト
リメチロールプロパン、1,3,5−ペンタントリオー
ル、ソルビトール、ソルビタン、マンノース、キシロー
ス、グルコース、フラクトース、シュークロース、トレ
ハロース等の多価アルコール類、アンモニア、エチレン
ジアミン、メチルアミン、エチルアミン等のアミン類な
どを挙げることができるが、炭素数1〜4の一価、二価
あるいは三価のアルコールが好ましい。
オキシド、プロピレンオキシド(オキセタンを含む)ま
たはブチレンオキシド(1,2−ブチレンオキシド、テ
トラヒドロフラン、イソブチレンオキシドを含む)が挙
げられ、これらが付加したものがA1Oで表される。こ
のときA1Oの種類は1種または2種以上でもよく、付
加形態はホモ重合、ランダム重合、ブロック重合または
これらの組合せであってもよい。一般式(I)におい
て、nは平均付加モル数であって、1〜10の数であ
る。
または炭素数1〜4のアルキル基であるが、R1がすべ
て水素原子であるときは上述の方法で製造することがで
き、1個以上がアルキル基の場合は、上述の方法で得ら
れた化合物にさらに、例えばR1を有する塩化アルキル
を水酸化カリウム等の触媒の存在下で反応させることに
より得ることができる。R1がアルキル基である場合の
例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert
−ブチル基などを挙げることができる。R1の炭素数が
5以上となる場合は水への溶解性が低下したり、収縮低
減効果が低下するので好ましくない。
は、フェノールまたは炭素数1〜4のアルキル基で置換
されたフェノール化合物にA2Oで表されるオキシアル
キレン基のベースとなるアルキレンオキシドを付加する
ことによって得ることができる。A2Oの内容は上述の
A1Oと同じである。yは平均付加モル数であって、1
〜10の数である。
原子または炭素数1〜4のアルキル基であるが、R2ま
たはR3の例としては、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル
基、tert−ブチル基を挙げることができる。R2お
よびR3はそれぞれ同一でも異種であってもよい。R2ま
たはR3の炭素数が5以上になる場合はA2Oの種類およ
び付加量にもよるが、セメント組成物と混ぜたときに泡
立ち作用が強くなったりすることがあるので好ましくな
い。
外の有機系収縮低減剤としては、例えば特公平5−69
053号公報に示された低分子量のアルカンジオール
類、特公平6−6500号公報に示された低分子量アル
コール類、特開平7−144947号公報に示されたグ
リセリンブチルエーテル類などの有機化合物が使用でき
る。
で、必要に応じて他のセメント用添加剤を併用すること
もできる。このようなセメント用添加剤としては、天然
多糖類、セルロース類、ポリアクリル酸塩、ポリビニル
アルコール等の水溶性高分子、凝結促進剤、凝結遅延
剤、膨張材等が挙げられる。
よび他の添加剤を含む配合物に、空気連行性混和剤を添
加、混合して練り上げた後、有機系収縮低減剤を添加し
て二次混合する。空気連行性混和剤の添加量はその種
類、使用した骨材の種類、練り混ぜ温度等によって異な
るが、一般的にはセメントに対して0.0001〜1重
量%とすることができ、配合物に連行される空気量が3
〜6容量%となるように調整して添加することができ
る。
解、分散させたり、あるいは注水と同時に添加すること
ができる。混合、練り混ぜは従来と同様に行うことがで
き、一般に使用されているミキサを使用して行うことが
できる。
対して0.1〜5重量%、好ましくは0.3〜3重量%
とすることができる。その添加方法も練りまぜ水の一部
に予め溶解または分散させた状態で添加してもよく、あ
るいはそのまま添加して混合を行ってもよい。
剤を均一に混合できる程度でよく、空気連行性混和剤の
添加の時と同様に行うことができる。このときの攪拌強
度は従来の練り上げの攪拌強度同様とすることができ
る。この場合、攪拌強度を低下させてもよい。
を添加、混合して練り上げることにより、気泡が3〜6
容量%連行され、均一に分散する。その後有機系収縮低
減剤を添加して混合することにより、上記微細気泡が分
散した状態で、有機系収縮低減剤が均一に分散する。こ
の状態でセメント配合物を硬化させると、凍結融解抵抗
性および収縮低減性に優れた硬化体が得られる。
縮低減剤を同時に添加、混合して練り上げると、上記の
微細な気泡の数が少なく、凍結融解抵抗性が極端に悪く
なる。これは有機系収縮低減剤の使用により連行空気
量、気泡径および分布、空気保持性等の連行空気特性が
変化し、気泡径が大きく、消失しやすい空気が連行され
るためと考えられる。
混和剤を添加、混合して練り上げ、さらに有機系収縮低
減剤を二次混合して硬化させると、空気連行性混和剤に
より導入された良質の微細気泡が多くかつ収縮低減剤が
均一に分散した状態で硬化するため、自由水の凍結融解
に対する抵抗性が高まり、これによりひび割れやスケー
リング等の凍害が防止される。また有機系収縮低減剤が
均一に分散しているので、乾燥収縮低減効果には何ら影
響がないものと考えられる。
が相違しており、両者を同時に添加して練り上げると、
微細な気泡が少なく凍結融解抵抗性が低下するが、空気
連行性混和剤のみを添加して練り上げると微細気泡が多
量に生成して分散し、凍結融解抵抗性が大きくなる。こ
の状態で有機系収縮低減剤を添加して気泡の特性を変化
させないように攪拌混合することにより、凍結融解抵抗
性を損うことなく収縮低減性を改善することができる。
説明する。
住友大阪セメント社製) 細骨材:陸砂(最大寸法5mm、比重2.56) 粗骨材:砕石(最大寸法20mm、比重2.66) AE減水剤:(ポゾリスNo.70、リグニンスルホン
酸塩およびポリオール複合体、エヌエムビー社製) AE剤:(マイクロエアNo.101、アルキルエーテ
ル型陰イオン界面活性剤、エヌエムビー社製) 水:水道水 収縮低減剤:表1に示す。
る。
IS A 1138に準拠してコンクリートを練り混ぜ
た。同時添加は、セメント、細骨材および粗骨材にAE
減水剤、AE剤および表1に示す収縮低減剤を予め溶解
した水を投入して90秒間練り混ぜた。二次混合すなわ
ち後添加は、セメント、細骨材および粗骨材にAE減水
剤およびAE剤を予め溶解した水を投入して90秒間練
り混ぜ、一旦ミキサを停止し表1で示した収縮低減剤を
投入後、さらに30秒間練り混ぜた。なお、練り混ぜに
は100 literパン型強制練りミキサを使用し、1バッ
チあたりのコンクリート量は55 literとした。得られ
たコンクリートを以下の試験項目および試験方法で試験
した。
リートの空気量の圧力による試験方法(空気室圧力
法)」に準拠し、練り混ぜ直後および練り置き30分後
に測定した。 乾燥収縮:JIS A 1129「モルタルおよびコン
クリートの長さ変化試験方法(コンタクトゲージ法)」
に準拠した。材齢24時間で脱型し、材齢7日まで20
℃水中養生を行った後、基長を測定した。その後、所定
の材齢まで温度20℃、湿度60%の気中養生した。 凍結融解抵抗性:ASTM C 666−75「急速凍
結融解に対するコンクリートの耐久性試験」に準拠し
た。材齢24時間で脱型し、材齢14日まで20℃水中
養生を行った後、試験を開始した。試験は水中で、−1
8±2℃で凍結、5±2℃で融解した。 気泡数および気泡径分布:セメント技術年報(昭和63
年、p.p212〜214)に示されたシアノアクリレ
ート発光画像処理法により、気泡数および気泡径分布を
求めた。
表3の結果より、収縮低減剤同時添加を行った比較例1
〜6のものは凍結融解抵抗性が低下しているが後添加の
実施例1〜6は凍結融解作用300サイクル後でも建築
学会規準(性能区分A60%以上)を満足している。
ートの気泡分布測定結果を示しており、同時添加(比較
例1)と後添加(実施例1)で比較した場合、後者の方
が凍結融解抵抗性に有効とされている気泡径範囲のピー
クが高いことが認められた。このため収縮低減剤を後添
加する方が凍結融解抵抗性を改善するのに効果があるこ
とが認められる。
や配合上の変更をすることなく、空気連行性混和剤と収
縮低減剤を別々に投入するという混練上の方法を変える
だけで、従来の投入方法で得られる強度発現性および凍
結融解抵抗性を損なうことなく、収縮低減性に優れるセ
メント配合物を製造することができる。
フである。
Claims (2)
- 【請求項1】 水、セメントおよび骨材を含む配合物
に、空気連行性混和剤を添加、混合して練り上げた後、
有機系収縮低減剤を添加して二次混合することを特徴と
する高耐久性セメント配合物の製造方法。 - 【請求項2】 有機系収縮低減剤が下記の一般式(I)
または(II)で示されるポリオキシアルキレン化合物か
ら選ばれる1種または2種以上からなるものである請求
項1記載の方法。 E−{(A1O)x−R1}n (I) (式中、Eはn個の活性水素原子を持つ化合物の残基、
A1Oは炭素数2〜4の1種または2種以上のオキシア
ルキレン基、R1は水素原子または炭素数1〜4のアル
キル基で、xは1〜10の数、nは1〜8の整数であ
る。) 【化1】 (式中、R2およびR3は水素原子または炭素数1〜4の
アルキル基、A2Oは炭素数2〜4の1種または2種以
上のオキシアルキレン基、yは1〜10の数である。)
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---|---|---|---|
JP15796598A JP4126752B2 (ja) | 1998-06-05 | 1998-06-05 | 高耐久性セメント配合物の製造方法 |
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JP4126752B2 JP4126752B2 (ja) | 2008-07-30 |
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