JP2014025323A - 舗装コンクリート及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明はひび割れを抑制した舗装コンクリート等を提供する。
【解決手段】本発明は、有機質繊維、セメント、水、細骨材、粗骨材、及び減水剤を含む舗装コンクリートであって、有機質繊維がコンクリートの体積に対し0.01〜3.0体積%、単位セメント量が300〜420kg/m、単位水量が130〜160kg/m、単位細骨材量が700〜850kg/m、単位粗骨材量が1000〜1350kg/m、単位減水剤量が1〜10kg/m、水セメント比が36〜50%、及び細骨材率が33〜48%である舗装コンクリートである。
【選択図】なし

Description

本発明はひび割れの少ない舗装コンクリート及びその製造方法に関する。
従来、舗装材料はコンクリートとアスファルトが使われてきた。これらのうち、コンクリートはアスファルトと比べ耐久性等に優れるものの舗設に時間がかかるため、早期交通開放が要求される舗装分野では、コンクリートの舗設率は5%程度に過ぎない。一方、アスファルトは輸入原油に100%依存しているため、近年の原油高によるアスファルト価格の上昇によりアスファルトの安定供給が難しくなりつつある。したがって、最近では舗装分野においても、国内で調達が容易なコンクリートが見直されている。しかし、コンクリート舗装はひび割れが発生すると、ひび割れ部分の角欠けにより段差が生じて騒音や振動が発生する等の課題がある。
かかる課題を解決する手段として、ひび割れが発生し難い舗装コンクリートがいくつか提案されている。
例えば、特許文献1には、2CaO・SiO含有量が30〜40質量%であるポルトランドセメント及びBET比表面積が5〜15m/gのポゾラン質微粉末を含む結合材を含有するコンクリート組成物を硬化させてなり、材齢1日における曲げ強度が3.5N/mm以上である舗装コンクリートが提案されている。
また、特許文献2には、セメント、BET比表面積が3〜25m/gの微粉末、細骨材、水、減水剤、及び直径0.02〜0.2mmで長さ1〜30mmのモノフィラメントタイプのアラミド繊維を含む配合物の硬化体からなるコンクリート舗装が提案されている。
しかし、いずれのコンクリートも、荷重応力によるひび割れを抑制する効果はあるが、収縮によるひび割れの抑制効果は不明である。
また、特許文献3には、収縮によるひび割れの抑制を目的として、セメント、収縮低減剤、膨張材、高性能AE減水剤、及びAE剤を含み、前記セメントが普通ポルトランドセメント及び/又は低熱ポルトランドセメントであるオーバーレイ工法用のコンクリート組成物が提案されている。しかし、該組成物のひび割れの抑制効果はまだ十分とはいえない。
特開2011−214231号公報 特開2011−043008号公報 特開平11−310448号公報
したがって、本発明は収縮によるひび割れの発生が少ない舗装コンクリート等を提供することを目的とする。
そこで、本発明者らは前記舗装コンクリートを鋭意検討したところ、有機質繊維を含み、かつ特定の配合を有する舗装コンクリートは、ひび割れの発生を抑制できることを見い出し本発明を完成させた。
すなわち、本発明は下記の構成を有する舗装コンクリート等である。
[1]有機質繊維、セメント、水、細骨材、粗骨材、及び減水剤を含む舗装コンクリートであって、有機質繊維の量がコンクリートの体積に対し0.01〜3.0体積%、単位セメント量が300〜420kg/m、単位水量が130〜160kg/m、単位細骨材量が700〜850kg/m、単位粗骨材量が1000〜1350kg/m、単位減水剤量が1〜10kg/m、水セメント比が36〜50%、及び細骨材率が33〜48%である舗装コンクリート。
[2]さらに膨張材を含む前記[1]に記載の舗装コンクリート。
[3]下記化学式で表される化合物を含む収縮低減剤を含有する、前記[1]又は[2]に記載の舗装コンクリート。
RO−[(EO)m1/(PO)m2]−H
(式中、Rは水素原子、又は炭素数1〜6若しくは8〜14のアルキル基を表し、EOはオキシエチレン基を表し、POはオキシプロピレン基を表し、[(EO)m1/(PO)m2]はエチレンオキシド又はプロピレンオキシドの単独重合体、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのランダム共重合体、又は、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロック共重合体を表わす。ただし、(EO)m1と(PO)m2の順序は問わない。また、m1はエチレンオキシドの付加モル数(0〜10)を表し、m2はプロピレンオキシドの付加モル数(0〜10)を表し、m1とm2の合計は1〜10である。)
[4]さらに塗膜養生剤及び/又は収縮低減剤を被覆してなる、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の舗装コンクリート。
[5]前記[4]に記載の舗装コンクリートを製造するための方法であって、
前記被覆のための塗膜養生剤及び/又は収縮低減剤以外の舗装コンクリートの材料を混練して打設し、コンクリート本体を得る工程と、該コンクリート本体のブリーディングの終了時から材齢7日までの間に、前記被覆のための塗膜養生剤及び/又は収縮低減剤を用いて、前記コンクリート本体の表面を被覆し、舗装コンクリートを得る工程と
を含む舗装コンクリートの製造方法。
本発明の舗装コンクリートは収縮によるひび割れの発生が少ない。
ひび割れ試験に用いた型枠の平面図である。 ひび割れ試験に用いた型枠の断面図である。
本発明の舗装コンクリートは、前記のとおり、有機質繊維を含み、かつ各構成材料について特定の配合を有するものである。以下、本発明について、必須の構成材料である有機質繊維、セメント、水、細骨材、粗骨材、及び減水剤と、任意の構成材料である膨張材、収縮低減剤、及び塗膜養生剤とに分けて説明する。
[有機質繊維]
本発明で用いる有機質繊維は、ポリプロピレン繊維、ビニロン繊維、ポリエチレン繊維、アラミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、及びセルロース繊維等から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。これらの中でも、本発明においてポリプロピレン繊維は、ひび割れ抑制効果が高く入手が容易なため好ましい。
前記有機質繊維の直径は、好ましくは0.005〜0.5mm、より好ましくは0.01〜0.3mmである。該値が0.005mm未満では繊維自体の強度が不足して張力を受けると切断し易くなり、0.5mmを超えると同じ繊維の配合量では舗装コンクリート中の繊維の本数が相対的に少なくなりひび割れの抑制効果が低下する。
また、前記有機質繊維の長さは、好ましくは5〜25mm、より好ましくは7〜20mmである。該値が5mm未満ではマトリックスとの付着力が低下してひび割れの抑制効果が低下し、25mmを超えると混練時にファイバーボールが生じ易くなる。
前記有機質繊維の配合量は、舗装コンクリートの体積に対し0.01〜3.0体積%、好ましくは0.05〜2.0体積%である。該値が0.01体積%未満では舗装コンクリートの収縮低減効果やひび割れ抑制効果が低く、3.0体積%を超えると舗装コンクリートのワーカビリティが低下するほかコスト高になる。
[セメント]
本発明に用いるセメントは、特に限定されず、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、エコセメント、及びシリカフュームプレミックスセメント等から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。
また、単位セメント量は300〜420kg/m、好ましくは310〜380kg/m、より好ましくは320〜350kg/mである。該値が300kg/m未満では舗装コンクリートのワーカビリティが低下し、420kg/mを超えると舗装コンクリートの自己収縮が大きくなる傾向がある。
[水]
本発明に用いる水は、特に限定されず、水道水、スラッジ水、下水処理水等を用いることができる。また、単位水量は130〜160kg/m、好ましくは132〜150kg/m、より好ましくは135〜140kg/mである。該値が130kg/m未満では舗装コンクリートの流動性が低く成形が困難になる場合があり、160kg/mを超えると舗装コンクリートの強度が低下する場合がある。
また、水セメント比は36〜50%、好ましくは38〜48%、より好ましくは40〜46%である。該値が36%未満では舗装コンクリートの流動性が低く成形が困難になる場合があり、50%を超えると舗装コンクリートの強度が低下する場合がある。
[細骨材]
本発明に用いる細骨材は、特に限定されず、川砂、山砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂、スラグ細骨材等から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。また、単位細骨材量は700〜850kg/m、好ましくは725〜825kg/m、より好ましくは750〜800kg/mである。該値が700kg/m未満では収縮低減効果が低下し、850kg/mを超えると舗装コンクリートの流動性やコンシステンシーが低下して作業性が悪くなる場合がある。
また、細骨材率は33〜48%、好ましくは35〜45%、さらに好ましくは38〜43%である。該値が33%未満では舗装コンクリートのワーカビリティが低下し、48%を超えると舗装コンクリートの流動性やコンシステンシ―が低下して作業性が悪くなる場合がある。
[粗骨材]
本発明に用いる粗骨材は、特に限定されず、川砂利、砕石、スラグ粗骨材等から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。また、単位粗骨材量は1000〜1350kg/m、好ましくは1050〜1200kg/m、より好ましくは1100〜1150kg/mである。該値が1000kg/m未満では舗装コンクリートの耐久性や耐摩耗性が低下し、1350kg/mを超えると舗装コンクリートのワーカビリティが低下する場合がある。
また、粗骨材の最大粒径は好ましくは20〜45mm、より好ましくは25〜40mmである。該値が20mm未満では舗装コンクリートの耐摩耗性が低下し、45mmを超えると入手が困難なほか舗装コンクリートのワーカビリティが低下する場合がある。
なお、前記細骨材および前記粗骨材は、天然骨材のほか再生骨材も用いることができる。
[減水剤]
本発明で用いる減水剤は、リグニンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、ポリカルボン酸およびこれらの塩から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。また、前記の塩は、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩や、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。また、これらの減水剤は、減水性能や空気連行性能等により、AE減水剤、高性能減水剤、又は高性能AE減水剤等に分類される。これらの中でも、本発明において用いる減水剤は、作業性(混練性、施工性)の確保や耐久性等の観点から、好ましくはAE減水剤であり、より好ましくはリグニンスルホン酸塩を有効成分とするAE減水剤である。
また、単位減水剤量は1〜10kg/m、好ましくは3〜8kg/m、より好ましくは4〜6kg/mである。該値が1kg/m未満では減水性能が低く、10kg/mを超えるとセメントの凝結が遅延する場合があるほかコスト高になる。
[膨張材]
本発明で用いる膨張材は、水和により水酸化カルシウムやエトリンガイト等の水和物の結晶が成長して嵩体積が大きくなる材料であればよく、例えば、生石灰、カルシウムサルホアルミネート、石膏、マグネシア、石灰系膨張材、及びエトリンガイト系膨張材等から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。これらの中でも、JIS A 6202「コンクリート用膨張材」に適合する石灰系膨張材、又はエトリンガイト系膨張材は、添加量に応じた膨張率が安定して得られるため、舗装コンクリートのひび割れ抑制に好適である。
単位膨張材量は、収縮低減効果、ひび割れ抑制効果、及び強度発現性の点から、好ましくは30kg/m以下であり、より好ましくは10〜20kg/mである。
[収縮低減剤]
本発明で用いる収縮低減剤は、下記化学式で表される化合物を有効成分として含むものである。
RO−[(EO)m1/(PO)m2]−H
ここで、Rは水素原子、又は炭素数1〜6若しくは8〜14のアルキル基を表わす。
乾燥収縮の低減効果の点で好ましいRは、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、iso−ヘキシル基、及びtert−ヘキシル基であり、より好ましくは、メチル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、及びtert−ブチル基である。
また、自己収縮の低減効果の点で好ましいRは、iso−オクチル基、2−オクチル基、4−メチル−4−ヘプチル基、2−エチル−1−ヘキシル基、iso−ノニル基、2−ノニル基、3,5,5−トリメチル−1−ヘキシル基、iso−デシル基、2−デシル基、iso−ウンデシル基、2−ウンデシル基、2−ラウリル基、iso−ラウリル基、2−トリデシル基、iso−トリデシル基、2−テトラデシル基、iso−テトラデシル基、及びノルマルパラフィンを原料とする炭素数12〜14の第2級アルコールに由来する分岐アルキル基であり、より好ましくは、iso−オクチル基、2−オクチル基、4−メチル−4−ヘプチル基、2−エチル−1−ヘキシル基、iso−ノニル基、2−ノニル基、3,5,5−トリメチル−1−ヘキシル基、iso−デシル基、2−デシル基、及びノルマルパラフィンを原料とする炭素数12〜14の第2級アルコールに由来する分岐アルキル基であり、さらに好ましくは、2−エチル−1−ヘキシル基、及びiso−デシル基である。
また、EOはオキシエチレン基を表し、POはオキシプロピレン基を表し、[(EO)m1/(PO)m2]はエチレンオキシド又はプロピレンオキシドの単独重合体、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのランダム共重合体、又は、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロック共重合体を表わす。ただし、(EO)m1と(PO)m2の順序は問わない。また、[(EO)m1/(PO)m2]は、自己収縮の低減の観点から、好ましくはエチレンオキシド及びプロピレンオキシドのランダム共重合体、又は、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロック共重合体であり、より好ましくはエチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロック共重合体である。
また、m1はエチレンオキシドの付加モル数を表し、m2はプロピレンオキシドの付加モル数を表し、いずれも好ましくは0〜10であり、より好ましくは2〜5である。また、m1とm2の合計は1〜10である。m1及びm2が0〜10の範囲にあれば、収縮低減効果が高く、モルタル及びコンクリート中の空気量の調整が容易である。
さらに、自己収縮の低減効果の点で、オキシエチレン基(EO)の含有率を表すm1/(m1+m2)は、好ましくは0.5〜1.0、より好ましくは0.6〜1.0、さらに好ましくは0.7〜1.0、特に好ましくは0.9〜1.0である。
また、Rの炭素数が8〜14であって、分子量分布の指標である重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が下記数式を満たす前記化合物は、舗装コンクリートの流動性に与える影響が少ないため、収縮低減剤を含まない舗装コンクリートとほぼ同等の作業性を維持することができる。
Mw/Mn≦1.520×e(−0.030×N)
ここで、Mw及びMnはゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定した平均分子量(ポリスチレン換算値)を表わし、Nは前記Rの炭素数を表わす。
単位収縮低減剤量は、好ましくは2〜9kg/m、より好ましくは3〜8kg/mである。該値が2kg/m未満では、収縮低減効果やひび割れ発生を抑制する効果が低く、9kg/mを超えると舗装コンクリート中の空気量が増加し、また硬化不良が生じるおそれがある。
本発明において、収縮低減剤は、有機質繊維、セメント、水等とともに混練して用いるものに加えて、有機質繊維、セメント、水等からなるコンクリート本体(成形体)の表面に被覆するためのものとしても用いることができる。
このように被覆のために用いられる収縮低減剤としては、コンクリート本体を構成する材料として用いられる収縮低減剤の前記成分を含むものを用いることができる。なお、被覆のために用いられる収縮低減剤と、コンクリート本体を構成する材料として用いられる収縮低減剤は、同じ種類のものでもよいし、異なる種類のものでもよい。
収縮低減剤をコンクリート本体の表面に被覆する場合の使用量は、コンクリート本体1mあたり、好ましくは50〜150g、より好ましくは70〜130gである。前記収縮低減剤を複数回塗布等すると、収縮低減効果はさらに向上する。
なお、本発明において被覆とは、収縮低減剤や後記の塗膜養生剤をコンクリート本体の表面に塗布、散布、又は吹き付ける行為、及び該薬剤がコンクリート本体の表面を覆った状態をいう。
[塗膜養生剤]
本発明で用いる塗膜養生剤は、パラフィン、低級アルコールアルキレンオキシド付加物、セルロース類、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル類、アクリル共重合体、シラン系化合物、及びアルケニル系エステル化合物から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。かかる化合物はエマルジョン又は溶液の形態で、舗装コンクリート面に塗布、散布又は吹き付け等して用いることができる。
また、塗膜養生剤の使用量は、好ましくは、舗装コンクリート1mあたりで50〜150gであり、より好ましくは、70〜130gである。該値が50〜150gの範囲であれば、収縮低減効果やひび割れ抑制効果が高く、費用対効果に優れている。また、前記塗膜養生剤を複数回、塗布等すると収縮低減効果はさらに向上する。
なお、塗膜養生剤は、前記収縮低減剤及び/又は膨張材を含む舗装コンクリートに用いると、さらに収縮低減効果が向上する。
[舗装コンクリートの製造方法]
コンクリート表面に収縮低減剤及び/又は塗膜養生剤を被覆してなる舗装コンクリートの製造方法は、被覆のための塗膜養生剤及び/又は収縮低減剤以外の舗装コンクリートの材料を混練して打設し、コンクリート本体を得る工程と、該コンクリート本体のブリーディングの終了時から材齢7日までの間に、前記被覆のための塗膜養生剤及び/又は収縮低減剤を用いて、前記コンクリート本体の表面を被覆し、舗装コンクリートを得る工程を含むものである。
コンクリート本体の表面の被覆の方法としては、塗布、散布、吹き付け等が挙げられる。前記期間に塗布等を行えば、収縮低減剤等は舗装コンクリートへ浸透し易い。
前記混練は、オムニミキサ、パン型ミキサ、二軸練りミキサ、及び傾胴ミキサ等を用いることができる。また、前記塗布等は、刷毛、スプレー、及び吹き付け装置等を用いて行うことができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
[使用材料]
(1)セメント:高炉セメントB種(太平洋セメント社製)
(2)膨張材:ハイパーエクスパン(登録商標、太平洋マテリアル社製)
(3)水:水道水
(4)細骨材:山砂(静岡県掛川市産)
(5)粗骨材
(i)砕石4005(茨城県桜川市都富谷産)、実施例と比較例1に使用した。
(ii)砕石2005(茨城県桜川市都富谷産)、比較例2〜5に使用した。
(6)AE減水剤:ポゾリスNo.70(登録商標、BASFポゾリス社製)
(7)ポリプロピレン繊維:バルリンク(登録商標、太平洋マテリアル社製)、繊維長12mm、直径0.043mm
(8)収縮低減剤
(a)クラックセイバー(登録商標、太平洋マテリアル社製;コンクリート本体の表面の被覆用の材料)
(b)テトラガードAS21(登録商標、太平洋マテリアル社製;コンクリート本体の材料)
(9)塗膜養生剤:キュアキーパー(登録商標、太平洋マテリアル社製)、パラフィンエマルジョンである。
[実施例1〜10、比較例1〜5]
表1に示す配合の舗装コンクリートの曲げ強度、乾燥収縮による長さ変化率、及びひび割れ面積を下記の方法で測定した。
なお、コンクリートの混練は二軸ミキサーを用いて行い、繊維と収縮低減剤(b)はコンクリート原料の調合の際に混合した。
また、塗膜養生剤は、ブリーディング水がなくなった後に、供試体の表面に、刷毛を用いて100g/mの量で塗布した。収縮低減剤は、脱型直前の供試体の表面に、刷毛を用いて100g/mの量で塗布した。
(1)曲げ強度
舗装コンクリートの曲げ強度をJIS A 1106「舗装コンクリートの曲げ強度試験」に準じて、10×10×40cmの供試体を用い、材齢7日および28日の曲げ強度を測定した。なお、成形は20℃の恒温室で行い、20℃で24時間気中養生後脱型した。
その後、材齢7日および28日までは20℃で水中養生した。
(2)長さ変化率
舗装コンクリートの乾燥期間26週間における長さ変化率をJIS A 1129「モルタル及びコンクリートの長さ試験方法」に準じて、10×10×40cmの供試体を用いて、ダイヤルゲージ法(ホイットモア)で測定した。なお、成形は20℃の恒温室で行い、20℃で24時間気中養生後脱型した。
(3)コンクリート表面のひび割れ発生割合
下記の(i)〜(iv)に従い、コンクリート表面のひび割れ発生割合を求めた。
(i)図1及び図2に示すように、直径8mmの棒鋼3を30mm間隔で内部に溶接した型枠1を、温度50±5℃、相対湿度30±10%の室内に恒温になるまで置いた後、型枠1内に前記コンクリートを打設して、コンクリート供試体の表面のコテ仕上げを行った。なお、図1及び図2に示す型枠は、コンクリートの硬化が始まるまでの収縮を拘束する機能を有する。また、図1及び図2中、符号2は側板、符号4は底板を示す。
(ii)次に、ブリーディング水がなくなった後にコンクリート供試体の表面に対し、扇風機を用いて風速5〜6m/秒で24時間送風し水分の蒸発を促進した。送風後24時間後に脱型した。
(iii)さらに前記供試体を20℃、相対湿度60%の室内に材齢28日まで静置した後、引き続き20℃、相対湿度40%の室内に材齢56日まで静置した。
(iv)材齢56日において、供試体の表面に発生したひび割れの長さと該ひび割れの最大幅との積を合計した値を、ひび割れ面積として求めた。
以上の結果を表1に示す。
なお、表1に示す実施例1〜10及び比較例2〜5のひび割れの発生割合は、比較例1のひび割れ面積を100とした場合の各実施例、比較例のひび割れ面積の比(%)である。
なお、図1及び2に示すように、前記型枠1としてはコンクリートの硬化が始まるまでの収縮を拘束する目的で、型枠内部底面4に8mm径の鋼棒3を30mmピッチ間隔で溶接した10×100×3.5cmの型枠1を使用した。
Figure 2014025323
表1に示すように、本発明の舗装コンクリート(実施例1〜10)のひび割れの発生割合は、比較例1と比べ59%以下と低い。これらの中でも、繊維、収縮低減剤(a)、及び膨張材を併用した実施例6及び7や、繊維、塗膜養生剤、収縮低減剤(b)、及び膨張材を併用した実施例10は、ひび割れの発生割合が20%以下とさらに低く、特に実施例10ではひび割れは発生しなかった。
これに対し、単位セメント量が300kg/m未満で水セメント比が50%を超える比較例3〜5(従来の舗装コンクリートに相当)は、同じ繊維、収縮低減剤(a)、及び収縮低減剤(b)を用いても、ひび割れの発生割合は67%以上と高い。なお、比較例4において長さ変化率は377×10−6と小さいが、同じ繊維と収縮低減剤(b)を用いた実施例3の長さ変化率の240×10−6よりも大きく、また、ひび割れ発生割合も71%と高い。
したがって、本発明の舗装コンクリートは、従来の舗装コンクリートと比べひび割れが少ないため舗装の耐久性が高く、長期間にわたり補修頻度、騒音及び振動等を減らすことができるものと期待される。
1 型枠
2 側板
3 棒鋼
4 底板

Claims (5)

  1. 有機質繊維、セメント、水、細骨材、粗骨材、及び減水剤を含む舗装コンクリートであって、有機質繊維の量が舗装コンクリートの体積に対し0.01〜3.0体積%、単位セメント量が300〜420kg/m、単位水量が130〜160kg/m、単位細骨材量が700〜850kg/m、単位粗骨材量が1000〜1350kg/m、単位減水剤量が1〜10kg/m、水セメント比が36〜50%、及び細骨材率が33〜48%である舗装コンクリート。
  2. さらに膨張材を含む請求項1に記載の舗装コンクリート。
  3. 下記化学式で表される化合物を含む収縮低減剤を含有する、請求項1又は2に記載の舗装コンクリート。
    RO−[(EO)m1/(PO)m2]−H
    (式中、Rは水素原子、又は炭素数1〜6若しくは8〜14のアルキル基を表し、EOはオキシエチレン基を表し、POはオキシプロピレン基を表し、[(EO)m1/(PO)m2]はエチレンオキシド又はプロピレンオキシドの単独重合体、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのランダム共重合体、又は、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロック共重合体を表わす。ただし、(EO)m1と(PO)m2の順序は問わない。また、m1はエチレンオキシドの付加モル数(0〜10)を表し、m2はプロピレンオキシドの付加モル数(0〜10)を表し、m1とm2の合計は1〜10である。)
  4. さらに塗膜養生剤及び/又は収縮低減剤を被覆してなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の舗装コンクリート。
  5. 請求項4に記載の舗装コンクリートを製造するための方法であって、
    前記被覆のための塗膜養生剤及び/又は収縮低減剤以外の舗装コンクリートの材料を混練して打設し、コンクリート本体を得る工程と、
    該コンクリート本体のブリーディングの終了時から材齢7日までの間に、前記被覆のための塗膜養生剤及び/又は収縮低減剤を用いて、前記コンクリート本体の表面を被覆し、舗装コンクリートを得る工程と
    を含む舗装コンクリートの製造方法。
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