JP6076638B2 - 舗装コンクリート及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は収縮によるひび割れの少ない舗装コンクリート及びその製造方法に関する。
高速道路、幹線道路、生活道路等の舗装用材料として、アスファルト及びコンクリートが知られている。
アスファルトは、初期建設コストが安く、早期交通開放が可能であり、施工性に優れ、補修が容易である等の優れた点を多く有する。そのため、わが国の道路舗装の多くにはアスファルトが用いられており、舗装コンクリートの舗設率は全体の5%程度にすぎない。
しかし、近年の原油高に伴って、アスファルトの価格が高騰しており、安定供給可能な舗装コンクリートの重要性が増してきている。
舗装コンクリートは、耐久性及び耐摩耗性に優れている。一方、舗装コンクリートは、コンクリート内の温度差により発生する応力、通行車両の輪荷重により発生する応力等によって、ひび割れ等が発生する等の問題がある。
舗装コンクリートとして、例えば、特許文献1には、少なくとも、セメント、ポゾラン質微粉末、粒径2mm以下の細骨材、減水剤、及び水を含む配合物の硬化体からなるコンクリート舗装が記載されている。
特開2001−207402号公報
今後、舗装コンクリートの需要を増やし、わが国の道路舗装における舗装コンクリートの舗設率を高めるためには、舗装コンクリートの品質のさらなる向上が求められている。
そこで、本発明の目的は、収縮が小さく、かつ、ひび割れの発生が少ない舗装コンクリートを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、セメントと、水と、細骨材と、粗骨材と、減水剤と、特定の収縮低減剤を、特定の配合量で含み、かつ、特定の繊維ネットを含む舗装コンクリートであって、さらに、コンクリート表面に塗膜養生剤及び収縮低減剤からなる被覆体を有する舗装コンクリートによれば、前記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[]を提供するものである。
[1] セメントと、水と、細骨材と、粗骨材と、減水剤と、収縮低減剤と、幅1.5〜10mm、厚み0.1〜1mmのガラス繊維からなる糸が、少なくとも二つの方向に存し、かつ、10cm四方辺りの交点の数が20〜500個である繊維ネットを含む舗装コンクリートであって、
前記コンクリートの単位セメント量が300〜420kg/m、単位水量が130〜160kg/m、単位細骨材量が700〜850kg/m、単位粗骨材量が1000〜1350kg/m、単位減水剤量が1〜10kg/m、単位収縮低減剤量が2〜9kg/m、水セメント比が36〜50%、及び、細骨材率が33〜43%であり、
前記収縮低減剤が、下記化学式で表される化合物を含む収縮低減剤であり、
さらに、コンクリート表面に塗膜養生剤及び収縮低減剤からなる被覆体を有することを特徴とする舗装コンクリート。
RO−[(EO)m1/(PO)m2]−H
(式中、Rは水素原子、炭素数1〜6又は8〜14のアルキル基を表し、EOはオキシエチレン基を表し、POはオキシプロピレン基を表し、[(EO)m1/(PO)m2]はエチレンオキシド又はプロピレンオキシドの単独重合体、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのランダム共重合体、又は、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロック共重合体を表わす。ただし、(EO)m1と(PO)m2の順序は問わない。また、m1はエチレンオキシドの付加モル数(0〜10)を表し、m2はプロピレンオキシドの付加モル数(0〜10)を表し、m1とm2の合計は1〜10である。)
]前記[]に記載の舗装コンクリートを製造するための方法であって、前記被覆体の材料である塗膜養生剤及び収縮低減剤以外の舗装コンクリートの材料を混練して打設し、コンクリート本体を得る工程と、該コンクリート本体のブリーディングの終了時から材齢7日までの間に、前記被覆体の材料である塗膜養生剤及び収縮低減剤を用いて、前記コンクリート本体の表面を被覆し、舗装コンクリートを得る工程とを含む舗装コンクリートの製造方法。
本発明の舗装コンクリートは、収縮によるひび割れの発生が少ない。
ひび割れ試験に用いた型枠の平面図である。 ひび割れ試験に用いた型枠の断面図である。 繊維ネットの一例の平面図である。
本発明の舗装コンクリートは、前記のとおり、セメントと、水と、細骨材と、粗骨材と、減水剤と、特定の収縮低減剤を含む。
以下、本発明について詳細に説明する。
[セメント]
本発明に用いるセメントは、特に限定されず、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、エコセメント、及びシリカフュームプレミックスセメント等から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。
また、単位セメント量は300〜420kg/m、好ましくは310〜380kg/m、より好ましくは320〜350kg/mである。該量が300kg/m未満の場合、舗装コンクリートのワーカビリティが低下する。該量が420kg/mを超えると、舗装コンクリートの自己収縮が大きくなる傾向がある。
[細骨材]
本発明に用いる細骨材は、特に限定されず、川砂、山砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂、スラグ細骨材等から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。
また、単位細骨材量は700〜850kg/m、好ましくは725〜825kg/m、より好ましくは750〜800kg/mである。該量が700kg/m未満の場合、収縮低減効果が低下する場合がある。該量が850kg/mを超えると、舗装コンクリートの流動性やコンシステンシ―が低下し、作業性が悪くなる場合がある。
また、細骨材率は33〜48%、好ましくは35〜45%、特に好ましくは38〜43%である。細骨材率が33%未満の場合、舗装コンクリートのワーカビリティが低下する場合がある。細骨材率が48%を超えると、舗装コンクリートの流動性やコンシステンシ―が低下し、作業性が悪くなる場合がある。
[粗骨材]
本発明で用いられる粗骨材は、特に限定されず、川砂利、砕石、スラグ粗骨材等から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。
また、単位粗骨材量は1000〜1350kg/m、好ましくは1050〜1200kg/m、より好ましくは1100〜1150kg/mである。該量が1000kg/m未満の場合、舗装コンクリートの耐久性や耐摩耗性が低下する場合がある。該量が1350kg/mを超えると、舗装コンクリートのワーカビリティが低下する場合がある。
粗骨材の最大粒径は、好ましくは20〜45mm、より好ましくは25〜40mmである。該径が20mm未満であると、舗装コンクリートの耐摩耗性が低下する場合がある。該径が45mmを超えると、入手が困難になるうえ、舗装コンクリートのワーカビリティが低下する。
なお、前記細骨材および前記粗骨材は、天然骨材のほか再生骨材も用いることができる。
[減水剤]
本発明で用いる減水剤は、リグニンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、ポリカルボン酸およびこれらの塩から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。また、前記の塩は、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩や、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。また、これらの減水剤は、減水性能や空気連行性能等により、AE減水剤、高性能減水剤、又は高性能AE減水剤等に分類される。これらの中でも、本発明において用いる減水剤は、好ましくはAE減水剤であり、より好ましくはリグニンスルホン酸塩を有効成分とするAE減水剤である。
また、単位減水剤量は1〜10kg/m、より好ましくは3〜8kg/m、特に好ましくは4〜6kg/mである。該量が1kg/m未満の場合、減水性能が低くなる。該量が10kg/mを超える場合、セメントの凝結が遅延する場合があるほかコストが高くなる。
[水]
本発明に用いる水は、特に限定されず、水道水、スラッジ水、下水処理水等を用いることができる。
また、単位水量は130〜160kg/m、好ましくは132〜150kg/m、特に好ましくは135〜140kg/mである。該量が130kg/m未満の場合、舗装コンクリートの流動性が低く成形が困難となる場合がある。該量が160kg/mを超えると舗装コンクリートの強度が低下する場合がある。
本発明において、水セメント比は、36〜50%、好ましくは38〜48%、より好ましくは40〜46%である。
水セメント比が36%未満では、舗装コンクリートの流動性が低く成形が困難となる場合がある。水セメント比が50%を超えると、舗装コンクリートの強度等が低下する場合がある。
[収縮低減剤]
本発明で用いる収縮低減剤は、下記化学式で表される化合物を有効成分として含むものである。
RO−[(EO)m1/(PO)m2]−H
ただし、式中、Rは水素原子、又は炭素数1〜6若しくは8〜14のアルキル基を表わす。
乾燥収縮の低減効果の点で好ましいRは、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、iso−ヘキシル基、及びtert−ヘキシル基であり、より好ましくは、メチル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、及びtert−ブチル基である。
また、自己収縮の低減効果の点で好ましいRは、iso−オクチル基、2−オクチル基、4−メチル−4−ヘプチル基、2−エチル−1−ヘキシル基、iso−ノニル基、2−ノニル基、3,5,5−トリメチル−1−ヘキシル基、iso−デシル基、2−デシル基、iso−ウンデシル基、2−ウンデシル基、2−ラウリル基、iso−ラウリル基、2−トリデシル基、iso−トリデシル基、2−テトラデシル基、iso−テトラデシル基、及びノルマルパラフィンを原料とする炭素数12〜14の第2級アルコールに由来する分岐アルキル基であり、より好ましくは、iso−オクチル基、2−オクチル基、4−メチル−4−ヘプチル基、2−エチル−1−ヘキシル基、iso−ノニル基、2−ノニル基、3,5,5−トリメチル−1−ヘキシル基、iso−デシル基、2−デシル基、及びノルマルパラフィンを原料とする炭素数12〜14の第2級アルコールに由来する分岐アルキル基であり、さらに好ましくは、2−エチル−1−ヘキシル基、及びiso−デシル基である。
また、EOはオキシエチレン基を表し、POはオキシプロピレン基を表し、[(EO)m1/(PO)m2]はエチレンオキシド又はプロピレンオキシドの単独重合体、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのランダム共重合体、又は、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロック共重合体を表わす。ただし、(EO)m1と(PO)m2の順序は問わない。また、[(EO)m1/(PO)m2]は、自己収縮の低減の観点から、好ましくはエチレンオキシド及びプロピレンオキシドのランダム共重合体、又は、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロック共重合体であり、より好ましくはエチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロック共重合体である。
また、m1はエチレンオキシドの付加モル数を表し、m2はプロピレンオキシドの付加モル数を表し、いずれも好ましくは0〜10であり、より好ましくは2〜5である。また、m1とm2の合計は1〜10である。m1及びm2が0〜10の範囲にあれば、収縮低減効果が高く、モルタル及びコンクリート中の空気量の調整が容易である。
さらに、自己収縮の低減効果の点で、オキシエチレン基(EO)の含有率を表すm1/(m1+m2)は、好ましくは0.5〜1.0、より好ましくは0.6〜1.0、さらに好ましくは0.7〜1.0、特に好ましくは0.9〜1.0である。
また、Rの炭素数が8〜14であって、分子量分布の指標である重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が下記数式を満たす前記化合物は、舗装コンクリートの流動性に与える影響が少ないため、収縮低減剤を含まない舗装コンクリートとほぼ同等の作業性を維持することができる。
Mw/Mn≦1.520×e(−0.030×N)
ここで、Mw及びMnはゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定した平均分子量(ポリスチレン換算値)を表わし、Nは前記Rの炭素数を表わす。
また、単位収縮低減剤量は、好ましくは2〜9kg/m、より好ましくは3〜8kg/mである。該量が2kg/m未満では、収縮低減効果やひび割れ発生を抑制する効果が低い。該量が9kg/mを超えると、舗装コンクリート中の空気量が増加し、また硬化不良が生じるおそれがある。
本発明において、収縮低減剤は、セメント、水等とともに混練して用いるものに加えて、セメント、水等からなるコンクリート本体(成形体)の表面に被覆するためのものとしても用いることができる。
このように被覆のために用いられる収縮低減剤としては、コンクリート本体を構成する材料として用いられる収縮低減剤の前記成分を含むものを用いることができる。なお、被覆のために用いられる収縮低減剤と、コンクリート本体を構成する材料として用いられる収縮低減剤は、同じ種類のものでもよいし、異なる種類のものでもよい。
収縮低減剤をコンクリート本体の表面に被覆する場合の使用量は、コンクリート本体1mあたり、好ましくは50〜150g、より好ましくは70〜130gである。前記収縮低減剤を複数回塗布等すると、収縮低減効果はさらに向上する。
なお、本発明において被覆とは、収縮低減剤や後記の塗膜養生剤をコンクリート本体の表面に塗布、散布、又は吹き付ける行為、及び該薬剤がコンクリート本体の表面を覆った状態をいう。
本発明の舗装コンクリートは、繊維ネットを含んでもよい。これにより、舗装コンクリートの収縮低減効果やひび割れ発生の抑制効果が向上する。
前記繊維ネットとは、例えば、図3に示すように、少なくとも二つの方向に存する糸が交差した網状のものである。該糸は、繊維そのもの、該繊維が複数本撚られた撚糸、該撚糸がさらに撚られたもの、又は紐や幅の狭いシート状のものが挙げられる。
二つの方向に存する糸が交差する点(交点)によって囲まれる形状(開口部形状)は、例えば、矩形(正方形、長方形)、菱形等の四角形、又はその他の多角形が挙げられるが、経済性の観点から、好ましくは四角形、より好ましくは矩形(正方形、長方形)である。繊維ネット中の前記形状が矩形(正方形、長方形)である場合は、縦10mm以上で横10mm以上が好ましい。
繊維ネットの全面積に対する、繊維ネット中の縦10mm以上で横10mm以上の開口部(例えば、図3に示す略正方形の格子の空間部分)の全面積の比は、好ましくは0.2〜0.9、より好ましくは0.4〜0.8である。
また、前記開口部の全面積は、好ましくは100〜10000mmである。また、前記開口部が矩形(正方形、長方形)である場合、長辺(長方形)または一辺(正方形)の寸法は、好ましくは10〜400mm、より好ましくは15〜300mm、さらに好ましくは20〜200mmである。
また、前記繊維ネットにおいて、10cm四方辺りの第1の糸と第2の糸との交点の数は、舗装コンクリートの充填性に悪影響を及ぼさないためには、好ましくは4個以上、より好ましくは20〜500個、さらに好ましくは40〜300個である。
また、前記繊維ネットの糸の幅は、好ましくは0.1〜30mm、より好ましくは1〜10mmである。該幅が0.1mm未満では、糸の強度が低く、舗装コンクリートとの一体性が低下し、30mmを超えると、同様に繊維ネットと舗装コンクリートとの一体性が低下する。
また、前記繊維ネットにおいて、舗装コンクリートに生じうる応力の大きさ及び方向を考慮すると、糸の断面は扁平が好ましい。この場合、糸の幅は、好ましくは1.5〜10mm、より好ましくは2〜10mmであり、糸の厚みは、好ましくは0.1〜1mm、より好ましくは0.2〜0.8mmである。1本の糸は、例えば、20〜100本の繊維から構成されたものが好ましい。
繊維ネットにおいて二つの方向に存する糸の第1の方向に存する糸(以下「第1の糸」という。例えば、図3に符号6〜8で示す糸)と第2の方向に存する糸(以下「第2の糸」という。例えば、図3に符号9で示す糸)の引張剛性の比(第1の糸の引張剛性/第2の糸の引張剛性)は、好ましくは1.5〜30、より好ましくは1.8〜25、さらに好ましくは5〜20である。引張剛性比が前記範囲にある繊維ネットは、少ない糸の量で舗装コンクリートのひび割れを抑制でき、経済的である。また、糸の引張剛性は、糸の弾性係数と糸の断面積の積により求めることができる。該糸が撚糸の場合、繊維間に空隙があるが、糸の引張剛性を求めるときは、該空隙を無視できる。なお、繊維ネットの第1の糸は、通常、引張剛性の観点から、第2の糸よりも長いものを用いるのが好ましい。
繊維ネットの引張剛性比を前記の範囲にするためには、糸の種類、糸の幅及び本数を適切に選択すればよい。例えば、図3に示すように第1の糸として同種の糸を複数本用いると、繊維ネットの引張剛性比が前記範囲を満たすことができる。また、この場合、材料の調達や保管が容易で経済的であるため好ましい。
繊維ネットを構成する糸としては、例えば、アラミド繊維などの合成繊維、炭素繊維、及びガラス繊維等が挙げられる。また、弾性係数が高い繊維が好ましい。
これらの中でも、セメントとの親和性及び経済性の観点から、好ましくはガラス繊維、より好ましくは耐アルカリ性のガラス繊維である。耐アルカリ性のガラス繊維としては、例えば、酸化ジルコニウム(ZrO)を14質量%以上含有するガラス繊維が挙げられる。
また、舗装コンクリートに繊維ネットを設ける方法としては、鉄筋や型枠に繊維ネットを結束させた後、舗装コンクリートを打設する方法や、コンクリートの打設後に表面からコテ等で埋設する方法が挙げられる。
[塗膜養生剤]
前記塗膜養生剤としては、パラフィン、低級アルコールアルキレンオキシド付加物、セルロース類、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル類、アクリル共重合体、シラン系化合物、及びアルケニル系エステル化合物等からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。かかる化合物はエマルジョン又は溶液の形態で、コンクリート面に塗布、散布又は吹き付け等して用いることができる。
また、塗膜養生剤の使用量は、好ましくはコンクリート1mあたりで50〜150g、より好ましくは70〜130gである。該値が50〜150gの範囲であれば、収縮低減効果やひび割れ抑制効果が高く、費用対効果に優れている。また、前記塗膜養生剤を複数回、塗布等すると収縮低減効果はさらに向上する。
なお、塗膜養生剤は、上述の材料(セメント、収縮低減剤等)を含む舗装コンクリートの表面の被覆用に用いると、収縮低減効果はさらに向上する。
[舗装コンクリートの製造方法]
コンクリート表面に収縮低減剤及び/又は塗膜養生剤を被覆してなる舗装コンクリートの製造方法は、被覆のための塗膜養生剤及び/又は収縮低減剤以外の舗装コンクリートの材料を混練して打設し、コンクリート本体を得る工程と、該コンクリート本体のブリーディングの終了時から材齢7日までの間に、前記被覆のための塗膜養生剤及び/又は収縮低減剤を用いて、前記コンクリート本体の表面を被覆し、舗装コンクリートを得る工程を含むものである。
コンクリート本体の表面の被覆の方法としては、塗布、散布、吹き付け等が挙げられる。前記期間に塗布等を行えば、収縮低減剤等は舗装コンクリートへ浸透し易い。
前記混練は、オムニミキサ、パン型ミキサ、二軸練りミキサ、及び傾胴ミキサ等を用いることができる。また、前記塗布等は、刷毛、スプレー、及び吹き付け装置等を用いて行うことができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[使用材料]
以下に示す材料を使用した。
(1)セメント:高炉セメントB種(太平洋セメント社製)
(2)細骨材:山砂(静岡県掛川市産)
(3)粗骨材A:砕石4005(茨城県桜川市富谷産)、実施例と比較例1に使用した。
(4)粗骨材B:砕石2005(茨城県桜川市富谷産)、比較例2〜4に使用した。
(5)AE減水剤:ポゾリスNo.70(登録商標、BASFポゾリス社製)
(6)収縮低減剤A:テトラガードAS21(登録商標、太平洋マテリアル社製)
(7)収縮低減剤B:2−エチル−1−ヘキサノ−ルのエチレンオキサイド3.5モル付加物
(8)繊維ネット:ハイパーネット60(太平洋マテリアル社製)、図3に示す耐アルカリ性ガラス繊維の糸からなるネットである。図3に示すように、この繊維ネット5は縦方向に3本(図3中の符号6〜8)、横方向に1本の糸(図3中の符号9)が交差し、縦方向の中央の糸と横方向の糸は3×3cmの格子を形成している。また、この糸は30本の繊維の束であり、糸の幅は3mm、厚さは0.5mm、及び幅/厚さの比は6である。
(9)塗膜養生剤:キュアキーパー(登録商標、平洋マテリアル社製)、パラフィンエマルジョンである。
(10)水:水道水
参考例1〜8、実施例1、比較例1〜5]
表1に示す配合の舗装コンクリートの曲げ強度、乾燥収縮による長さ変化率、及びひび割れ面積を下記の方法で測定した。
なお、コンクリートの混練は二軸ミキサーを用いて行い、繊維ネットは舗装コンクリートの打設直後に、コテでコンクリート表面からコンクリート中に埋設した。
また、塗膜養生剤は、ブリーディング水がなくなった後に、供試体の表面に、刷毛を用いて100g/mの量で塗布した。収縮低減剤は、脱型直前の供試体の表面に、刷毛を用いて100g/mの量で塗布した。
(1)曲げ強度
舗装コンクリートの曲げ強度をJIS A 1106「舗装コンクリートの曲げ強度試験」に準じて、10×10×40cmの供試体を用い、材齢7日および28日の曲げ強度を測定した。なお、成形は20℃の恒温室で行い、20℃で24時間気中養生後脱型した。
その後、材齢7日および28日までは20℃で水中養生した。
(2)長さ変化率
舗装コンクリートの乾燥期間26週間における長さ変化率をJIS A 1129「モルタル及びコンクリートの長さ試験方法」に準じて、10×10×40cmの供試体を用いて、ダイヤルゲージ法(ホイットモア)で測定した。なお、成形は20℃の恒温室で行い、20℃で24時間気中養生後脱型した。
(3)コンクリート表面のひび割れ発生割合
下記の(i)〜(iv)に従い、コンクリート表面のひび割れ発生割合を求めた。
(i)図1及び図2に示すように、直径8mmの棒鋼3を30mm間隔で内部に溶接した型枠1を、温度50±5℃、相対湿度30±10%の室内に恒温になるまで置いた後、型枠1内に前記コンクリートを打設して、コンクリート供試体の表面のコテ仕上げを行った。なお、図1及び図2に示す型枠は、コンクリートの硬化が始まるまでの収縮を拘束する機能を有する。また、図1及び図2中、符号2は側板、符号4は底板を示す。
(ii)次に、ブリーディング水がなくなった後にコンクリート供試体の表面に対し、扇風機を用いて風速5〜6m/秒で24時間送風し水分の蒸発を促進した。送風後24時間後に脱型した。
(iii)さらに前記供試体を20℃、相対湿度60%の室内に材齢28日まで静置した後、引き続き20℃、相対湿度40%の室内に材齢56日まで静置した。
(iv)材齢56日において、供試体の表面に発生したひび割れの長さと該ひび割れの最大幅との積を合計した値を、ひび割れ面積として求めた。
以上の結果を表1及び2に示す。
なお、表2に示す参考例1〜8、実施例及び比較例2〜5のひび割れの発生割合は、比較例1のひび割れ面積を100とした場合の各実施例、比較例のひび割れ面積の比(%)である。
なお、図1及び2に示すように、前記型枠1としてはコンクリートの硬化が始まるまでの収縮を拘束する目的で、型枠内部底面4に8mm径の鋼棒3を30mmピッチ間隔で溶接した10×100×3.5cmの型枠1を使用した。
Figure 0006076638
Figure 0006076638
表1及び表2から、実施例と比較例のひび割れ発生率について以下のことがいえる。
(1)収縮低減剤の有無について
収縮低減剤を含まず、かつ水セメント比が50%以下で単位セメント量が300kg/m以上の比較例1のひび割れ発生率は100%であるのに対し、収縮低減剤を含み、かつ水セメント比と単位セメント量が前記と同様の参考例1のひび割れ発生率は77%と低い。したがって、収縮低減剤を含む本発明の舗装コンクリートは、収縮によるひび割れの発生が少ない。
(2)水セメント比と単位セメント量について
収縮低減剤を含むが、水セメント比が50%を超え、単位セメント量が300kg/m未満の比較例3のひび割れ発生率は103%であるのに対し、収縮低減剤を含み、かつ水セメント比が50%以下で単位セメント量が300kg/m以上の参考例1では77%と低い。したがって、本発明が規定する水セメント比と単位セメント量を有する舗装コンクリートは、収縮によるひび割れの発生が少ない。
(3)繊維ネット
さらに、繊維ネットを含む参考例3のひび割れ発生率は41%であり、繊維ネットを含まない前記参考例1と比べ、ひび割れの発生抑制効果が向上している。
特に、繊維ネット及び収縮低減剤を含み、塗膜養生剤及び収縮低減剤を用い被覆した実施例1は、ひび割れがまったく発生しなかった。
したがって、本発明の舗装コンクリートは、ひび割れが少ないため舗装の耐久性が高く、長期間にわたり補修頻度、騒音及び振動等を減らすことができるものと期待される。
1 型枠
2 側板
3 棒鋼
4 底面
5 繊維ネット
6、7、8 第1の糸
9 第2の糸

Claims (2)

  1. セメントと、水と、細骨材と、粗骨材と、減水剤と、収縮低減剤と、幅1.5〜10mm、厚み0.1〜1mmのガラス繊維からなる糸が、少なくとも二つの方向に存し、かつ、10cm四方辺りの交点の数が20〜500個である繊維ネットを含む舗装コンクリートであって、
    前記コンクリートの単位セメント量が300〜420kg/m、単位水量が130〜160kg/m、単位細骨材量が700〜850kg/m、単位粗骨材量が1000〜1350kg/m、単位減水剤量が1〜10kg/m、単位収縮低減剤量が2〜9kg/m、水セメント比が36〜50%、及び、細骨材率が33〜43%であり、
    前記収縮低減剤が、下記化学式で表される化合物を含む収縮低減剤であり、
    さらに、コンクリート表面に塗膜養生剤及び収縮低減剤からなる被覆体を有することを特徴とする舗装コンクリート。
    RO−[(EO)m1/(PO)m2]−H
    (式中、Rは水素原子、炭素数1〜6又は8〜14のアルキル基を表し、EOはオキシエチレン基を表し、POはオキシプロピレン基を表し、[(EO)m1/(PO)m2]はエチレンオキシド又はプロピレンオキシドの単独重合体、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのランダム共重合体、又は、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロック共重合体を表わす。ただし、(EO)m1と(PO)m2の順序は問わない。また、m1はエチレンオキシドの付加モル数(0〜10)を表し、m2はプロピレンオキシドの付加モル数(0〜10)を表し、m1とm2の合計は1〜10である。)
  2. 請求項に記載の舗装コンクリートを製造するための方法であって、
    前記被覆体の材料である塗膜養生剤及び収縮低減剤以外の舗装コンクリートの材料を混練して打設し、コンクリート本体を得る工程と、
    該コンクリート本体のブリーディングの終了時から材齢7日までの間に、前記被覆体の材料である塗膜養生剤及び収縮低減剤を用いて、前記コンクリート本体の表面を被覆し、舗装コンクリートを得る工程と
    を含む舗装コンクリートの製造方法。
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