JP5871185B2 - コンクリート - Google Patents
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このように構成されている橋は、荷重や気温の変化等によって前記部材が伸縮しても前記フィンガージョイントがその伸縮によって生じる変形を吸収できるので、変形が拘束されることによって生じる応力が低減され,板状部材にひび割れが生じ難くなる。
このようなフィンガージョイントの交換作業中には、車両等が橋を通行することができないという問題がある。
また、間詰めコンクリートをコンクリートブレーカー等で破壊する際に、騒音や振動が生じることがあるが、騒音や振動が大きすぎる場合には近隣住民の健康を害する虞が考えられる。
従って、間詰めコンクリートは、それほど高強度である必要がないので、間詰めコンクリートをコンクリートブレーカー等で破壊するのに要する時間を短縮でき、且つ騒音や振動を抑制することができるようにすべく、該間詰めコンクリートは、打設して所望の強度を確保しつつ、材齢が長くなっても強度、特に引張強度が高くなりすぎないことが望ましい。
しかるに、本発明者らが検討したところ、従来のコンクリートは、比較的短い材齢で所望の強度以上に到達する一方で、その後も時間が経過するにつれて徐々に圧縮強度と引張強度とが共に高まり、その結果、必要以上に強度、特に引張強度が高いものとなってしまっていることがわかった。
50≦X≦100、且つ、−X+100≦Y≦100
また、本実施形態のコンクリートは、材齢1日における圧縮強度が24N/mm2 以上であり、材齢12時間における圧縮強度が24N/mm2 以上であることが好ましく、材齢6時間における圧縮強度が24N/mm2 以上であることがより好ましい。
また、本実施形態のコンクリートは、前記粗骨材のコンクリート中の体積割合が0.335〜0.425m3 /m3 、好ましくは0.350〜0.410m3 /m3 、より好ましくは0.370〜0.395m3 /m3 である。なお、前記粗骨材のコンクリート中の体積割合は、作製直後のコンクリートに占める表面乾燥状態の粗骨材の体積割合を意味する。前記粗骨材のコンクリート中の体積割合は、配合計算によって求める。
また、本実施形態のコンクリートは、前記粗骨材に占める人工軽量粗骨材(人工軽量骨材の粗骨材)の体積割合をX%、前記細骨材に占める人工軽量細骨材(人工軽量骨材の細骨材)の体積割合をY%としたときに、X及びYが下記式の関係を満足するコンクリートである。
50≦X≦100、且つ、−X+100≦Y≦100
また、本実施形態のコンクリートは、橋梁におけるフィンガージョイントの設置のための間詰めコンクリートとしてだけでなく、コンクリートやアスファルトなどで構成された一般構造物どうしの隙間を埋め且つ構造物よりも頻繁に交換が必要となる間詰めコンクリートとしても好適に用いられる。
実施例1−1のコンクリートの作製には、下記材料を用いた。
ポルトランドセメント(C):超早強コンクリート用セメント(住友大阪セメント社製、商品名:DAY 300)と、亜硝酸カルシウムとを混合した超早強ポルトランドセメント、具体的には、珪酸カルシウムを65質量%含有するポルトランドセメントと、該ポルトランドセメント100質量部に対して5重量部の無水石膏と、亜硝酸カルシウムとを備えており、前記ポルトランドセメントのブレーン比表面積が5910cm 2/gであり、前記無水石膏のブレーン比表面積が7110cm 2/gであり、亜硝酸カルシウムを2質量%含有する超早強ポルトランドセメント
細骨材(S):人工軽量細骨材(アサノライト、太平洋マテリアル(株)製)、表乾密度1.90g/cm3、絶乾密度1.68g/cm3
粗骨材(G):人工軽量粗骨材(アサノライト、太平洋マテリアル(株)製)、表乾密度1.65g/cm3、絶乾密度1.26g/cm3、最大寸法15mm
高性能AE減水剤(Ad):ポリカルボン酸エーテル系高性能AE減水剤(レオビルドSP8SV、BASFポゾリス(株)製)
まず、上記材料及び水(W)を表1に示す割合で混合して、表1の割合のコンクリートを得た。なお、表1では、「W/C」は、水セメント比を意味し、「s/a」は、細骨材率(全骨材に占める細骨材の体積割合)を意味する。
細骨材として、人工軽量細骨材の代わりに、川砂(栃木県鬼怒川産)(密度2.59g/cm3 、F.M.(粗粒率)2.20)を用いたこと、及び、配合割合を表1の割合にしたこと以外は、実施例1−1と同様にしてコンクリートを得た。
細骨材として、人工軽量細骨材、及び川砂(栃木県鬼怒川産)(密度2.59g/cm3 、F.M.(粗粒率)2.20)を用いたこと、並びに、配合割合を表1の割合にしたこと以外は、実施例1−1と同様にしてコンクリートを得た。
粗骨材として、人工軽量粗骨材、及びJIS A 5005:2009「コンクリート用砕石及び砕砂」に規定の砕石2005(栃木県佐野産)(密度2.74g/cm3 、F.M.(粗粒率)6.87)を用いたこと、並びに、配合割合を表1の割合にしたこと以外は、実施例1−1と同様にしてコンクリートを得た。
粗骨材として、人工軽量粗骨材、及びJIS A 5005:2009「コンクリート用砕石及び砕砂」に規定の砕石2005(栃木県佐野産)(密度2.74g/cm3 、F.M.(粗粒率)6.87)を用いたこと、細骨材として、人工軽量細骨材、及び川砂(栃木県鬼怒川産)(密度2.59g/cm3 、F.M.(粗粒率)2.20)を用いたこと、並びに、配合割合を表1の割合にしたこと以外は、実施例1−1と同様にしてコンクリートを得た。
補強繊維(バルチップPW・Jr、荻原工業(株)製、規格:30dt(g/10km)、繊維長:12mm、繊維径:0.065mm、引張強度:530MPa、引張弾性率:5000MPa)を0.05体積%含有すること以外は、実施例1−1と同様にしてコンクリートを得た。
細骨材として、人工軽量細骨材の代わりに、川砂(栃木県鬼怒川産)(密度2.59g/cm3 、F.M.(粗粒率)3.04)を用いたこと、粗骨材として、人工軽量粗骨材の代わりに、JIS A 5005:2009「コンクリート用砕石及び砕砂」に規定の砕石2005(栃木県佐野産)(密度2.74g/cm3 、F.M.(粗粒率)6.87)を用いたこと、並びに、配合割合を表1の割合にしたこと以外は、実施例1−1と同様にしてコンクリートを得た。
粗骨材として、人工軽量粗骨材の代わりに、JIS A 5005:2009「コンクリート用砕石及び砕砂」に規定の砕石2005(栃木県佐野産)(密度2.74g/cm3 、F.M.(粗粒率)6.87)を用いたこと、並びに、配合割合を表1の割合にしたこと以外は、実施例1−1と同様にしてコンクリートを得た。
また、JIS A 1132:1999「コンクリート強度試験用供試体の作り方」に従い、実施例1−1〜1−6及び比較例1−1〜1−2のコンクリートを用いて供試体を作製し、材齢12時間、1日、7日、28日及び91日の供試体の圧縮強度及び割裂引張強度を測定した。圧縮強度及び割裂引張強度は、それぞれJIS A 1108:1999「コンクリートの圧縮強度試験方法」及びJIS A 1113:1999「コンクリートの割裂引張強度試験方法」に従って測定した。結果を表2、3に示す。
ポルトランドセメントとして、下記のものを用いたこと、及び、配合割合を表4の割合にしたこと以外は、実施例1−1〜1−6、及び比較例1−1〜1−2と同様にしてコンクリートを得た。
ポルトランドセメント(C):住友大阪セメント社製、商品名:DAY 300(超早強コンクリート用セメント)、珪酸カルシウムを65質量%含有するポルトランドセメントと、該ポルトランドセメント100質量部に対して5重量部の無水石膏とを備えており、前記ポルトランドセメントのブレーン比表面積が5910cm 2/gであり、前記無水石膏のブレーン比表面積が7110cm 2/gである超早強ポルトランドセメント
また、JIS A 1132:1999「コンクリート強度試験用供試体の作り方」に従い、実施例2−1〜1−6及び比較例2−1〜2−2のコンクリートを用いて供試体を作製し、材齢1日、3日、7日、28日及び91日の供試体の圧縮強度及び割裂引張強度を測定した。結果を表5、6に示す。
また、本発明の範囲内である実施例1−1〜1−5のコンクリートは、材齢が12時間と短くても、圧縮強度が26N/mm2 以上となり、設計基準強度である24N/mm2 を超える値を示した。
また、本発明の範囲内である実施例1−1〜1−5のコンクリートは、比較例1−1、1−2に比して、材齢が12時間と短い場合には割裂引張強度がやや低い値であるが略同程度である一方で、材齢が28日以上と長い場合には割裂引張強度が低い値を示した。
また、表4、5に示すように、本発明の範囲内である実施例2−1〜2−5のコンクリートは、比較例2−1、2−2に比して、材齢が1日と短い場合には圧縮強度が同程度であったが、材齢が28日以上と長い場合には圧縮強度が低い値を示した。
また、本発明の範囲内である実施例2−1〜2−5のコンクリートは、材齢が1日と短くても、圧縮強度が31N/mm2 以上となり、設計基準強度である24N/mm2 を超える値を示した。
また、本発明の範囲内である実施例2−1〜2−5のコンクリートは、比較例2−1、2−2に比して、材齢が1日と短い場合には割裂引張強度がやや低い値であるが略同程度である一方で、材齢が28日以上と長い場合には割裂引張強度が低い値を示した。
すなわち、本発明のコンクリートをフィンガージョイントの設置のための間詰めコンクリートとして用いれば、劣化したフィンガージョイントを取り外すために、間詰めコンクリートをコンクリートブレーカー等で破壊するのに要する時間を短縮でき、且つ騒音や振動を抑制することができる。また、新たなフィンガージョイントを設置する際に、新たな間詰めコンクリートを打設してから12時間或いは1日で設計基準強度(圧縮強度24N/mm2 )に到達しうるため、新たな間詰めコンクリートを打設してから橋を解放するまでの時間を短縮できる。
Claims (5)
- ポルトランドセメント、細骨材、粗骨材、及び、水を備え、材齢12時間における圧縮強度が24N/mm2 以上であり、前記細骨材のコンクリート中の体積割合が0.225〜0.320m3 /m3 であり、前記粗骨材のコンクリート中の体積割合が0.335〜0.425m3 /m3 であり、前記粗骨材に占める人工軽量粗骨材の体積割合をX%、前記細骨材に占める人工軽量細骨材の体積割合をY%としたときに、X及びYが下記式の関係を満足し、
前記人工軽量細骨材の24時間吸水率が9〜11質量%であることを特徴とするコンクリート。
50≦X≦100、且つ、−X+100≦Y≦100 - 前記ポルトランドセメントとして超早強ポルトランドセメントを備えている請求項1記載のコンクリート。
- 前記人工軽量粗骨材の24時間吸水率が7〜11質量%である請求項1又は2記載のコンクリート。
- 前記細骨材のコンクリート中の体積割合が0.300m3 /m3 以下である請求項1〜3の何れか1項に記載のコンクリート。
- 前記粗骨材のコンクリート中の体積割合が0.350m3 /m3 以上である請求項1〜4の何れか1項に記載のコンクリート。
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