JP5850742B2 - 水硬性組成物、モルタルおよびコンクリート - Google Patents

水硬性組成物、モルタルおよびコンクリート Download PDF

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Description

本発明は、圧縮強度、曲げ強度、および曲げ靱性が高いモルタルおよびコンクリートと、これらに用いる水硬性組成物に関する。
橋梁等に設置されたコンクリート床版は、橋の上を通る車両の荷重を繰り返し受けてひび割れが生じやすいため、定期的な補修が必要である。この補修方法の一つに上面増厚工法がある。該工法は、既設の床板の上面を10mm程度切削した後、コンクリートを打ち足して抵抗断面を増やし、耐荷力の回復と向上を図るもので、その作業の主な流れは、アスファルト路面の切削工→コンクリート面の切削工→コンクリート工→防水工→舗装工である。
この工法に用いるコンクリートは、i)圧縮強度や曲げ強度等が高いこと、ii)交通の早期解放のため速硬性があること、iii)乾燥収縮ひずみが小さいこと、iv)新旧コンクリートを完全に一体化できること、などが要求される。したがって、該要求性能を満たすコンクリートとして、一般に、鋼繊維を混入した速硬コンクリートが用いられている。ちなみに、財団法人 高速道路調査会発行の「上面増圧工法設計施工マニュアル」では、該コンクリートは、混練後3時間の圧縮強度が24N/mm以上と規定されている。また、該コンクリートは、混練後3時間で曲げ強度が4.5N/mm以上になることが望まれている。
そして、該コンクリート組成物として、例えば、特許文献1には、3CaO・SiO固溶体と11CaO・7Al・CaFを含むクリンカー、無水セッコウ、アルミノケイ酸カルシウムガラス、高炉水砕スラグ微粉末、高性能減水剤、凝結調整剤、および特定の引張強度を有する鋼繊維などを含有する超速硬セメントのコンクリート組成物が提案されている。
しかし、鋼繊維はコンクリートの曲げ強度や曲げ靱性等を高めるもののコンクリートが重くなり、また、前記切削工によってコンクリート面から突出した鋼繊維は防水工の妨げになる。
特開2007−320833号公報
そこで、本発明は速硬性や防水工等の作業性に優れ、かつ鋼繊維を用いなくても曲げ強度等や曲げ靱性が高いモルタルおよびコンクリート(以下「コンクリート等」という。)と、これらに用いる水硬性組成物を提供することを目的とする
本発明者は、前記目的に適う水硬性組成物を鋭意検討した結果、下記の[1]の成分を含む水硬性組成物は前記目的を達成できることを見い出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[]を提供する。
[1]下記の(A)〜(F)に記載の成分と組成を有する水硬性組成物。
(A)カルシウムアルミネート類100質量部に対し、アルカリ金属硫酸塩を2〜10質量部、および/または、アルカリ土類金属硫酸塩を20〜150質量部含む速硬性混和材であって、
該速硬性混和材を、ポルトランドセメント100質量部に対し10〜100質量部含む。
(B)ポルトランドセメント
(C)凝結調整剤を、ポルトランドセメントと前記速硬性混和材の合計量100質量部に対し0.1〜3.0質量部含む。
(D)減水剤を、ポルトランドセメントと前記速硬性混和材の合計量100質量部に対し、固形分換算で0.1〜5質量部含む。
(E)直径が0.50〜0.75mmで、長さが30〜60mmのアラミド繊維集束体、および、直径が0.45〜0.90mmで、長さが30〜60mmのビニロン繊維の混合物を、前記水硬性組成物中に0.3〜2.0体積%含む。
(F)水を、水/(ポルトランドセメント+速硬性混和材)の質量比で0.15〜0.5含む。
[2]前記のアラミド繊維/ビニロン繊維が体積比で0.05〜1.2である、前記[1]に記載の水硬性組成物。
[3]前記[1]または[2]に記載の水硬性組成物と、細骨材を含むモルタル。
[4]前記[3]に記載のモルタルと、粗骨材を含むコンクリート。
本発明の水硬性組成物を用いたコンクリート等は、速硬性および防水工等の作業性に優れるとともに、圧縮強度、曲げ強度、および曲げ靱性に優れている。
なお、前記の速硬性とは、前記のマニュアルに規定する圧縮強度(24N/mm以上)を発現する性能をいう。
本発明の水硬性組成物は、前記のとおり、(A)速硬性混和材、(B)ポルトランドセメント、(C)凝結調整剤、(D)減水剤、(E)アラミド繊維およびビニロン繊維の混合物、および(F)水を含む。
以下に、本発明について詳細に説明する。
(A)速硬性混和材
該混和材は、前記のとおり、i)カルシウムアルミネート類と、ii)アルカリ金属炭酸塩、iii)アルカリ金属硫酸塩、vi)アルカリ土類金属炭酸塩、およびv)アルカリ土類金属硫酸塩から選ばれる少なくとも1種以上の無機塩とを含むものである。以下、これらの各成分について説明する。
i)カルシウムアルミネート類
カルシウムアルミネート類は、例えば、C127(12CaO・7Al23)、C3A(3CaO・Al23)、C117・CaF2(11CaO・7Al23・CaF2)、NC83(Na2O・8CaO・3Al23)、アーウィン(3CaO・3Al23・CaSO4)、CA(CaO・Al23)、CA2(CaO・2Al23)、およびアルミナセメント等から選ばれる少なくとも1種以上を挙げることができる。これらの中でも、CAとアルミナセメントは速硬性に特に優れるため好ましい。
また、該カルシウムアルミネート類の粉末度は、ブレーン比表面積で4000cm2/g以上が好ましく、5000cm2/g以上がより好ましく、6000cm2/g以上がさらに好ましい。該値が4000cm2/g未満では速硬性が低い場合がある。また、該粉末度の上限はコストの面から15000cm2/gである。
ii)アルカリ金属炭酸塩
該炭酸塩は、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、および炭酸水素カリウム等から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。これらの中でも、炭酸リチウムは短時間での強度発現性に優れるため好ましい。該炭酸塩はカルシウムアルミネート類の水和反応を促進し、さらに石膏を併用するとコンクリート等の強度を短時間で高めることができる。
該炭酸塩の粉末度は、ブレーン比表面積で3000cm2/g以上が好ましく、4000cm2/g以上がより好ましく、5000cm2/g以上がさらに好ましい。該値が3000cm2/g未満では、短時間での強度発現性が低い場合がある。また、該粉末度の上限はコストの面から15000cm2/gである。
該炭酸塩の配合割合は、カルシウムアルミネート類100質量部に対し1〜15質量部が好ましく、3〜10質量部がより好ましく、4〜8質量部がさらに好ましい。該値が1〜15質量部であればコンクリート等の短時間での強度発現性が高い。
iii)アルカリ金属硫酸塩
該硫酸塩は、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸水素リチウム、硫酸水素ナトリウム、および硫酸水素カリウム等から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。これらの中でも、水硬性組成物の防湿効果に優れ減水剤の効果を安定させるため、硫酸ナトリウムが好ましく、無水硫酸ナトリウムがより好ましい。
該硫酸塩の平均粒子径は、100μm以下が好ましく、5〜100μmがより好ましく、10〜80μm以下がさらに好ましい。該値が100μmを超えると、防湿効果等が低下する場合がある。なお、前記の平均粒子径とは、レーザー粒度分布測定装置を用いて測定した、全粒子の50質量%が通過する粒子径をいう。
該硫酸塩の配合割合は、カルシウムアルミネート類100質量部に対し2〜10質量部が好ましく、3〜8質量部がより好ましく、4〜7質量部がさらに好ましい。該値が2〜10質量部であれば防湿効果が高い。更に、前記硫酸塩の配合割合は、前記炭酸塩100質量部に対して50〜200質量部が好ましく、70〜200質量部がより好ましく、100〜180質量部がさらに好ましい。該値が50〜200質量部であれば、前記の炭酸塩によるコンクリート等の短時間での強度発現性が向上する。
vi)アルカリ土類金属炭酸塩
該炭酸塩は、炭酸カルシウムおよび炭酸マグネシウム等から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。
該炭酸塩の粉末度は、ブレーン比表面積で3000cm2/g以上が好ましく、4000cm2/g以上がより好ましく、5000cm2/g以上がさらに好ましい。該値が3000cm2/g未満では、長期の強度の伸びが低い場合がある。また、該粉末度の上限はコストの面から15000cm2/gである。
該炭酸塩の配合割合は、カルシウムアルミネート類100質量部に対し1〜10質量部が好ましく、2〜8質量部がより好ましく、3〜7質量部がさらに好ましい。該値が1〜10質量部であれば、コンクリート等の長期強度の伸びが大きい。
v)アルカリ土類金属硫酸塩
前記アルカリ土類金属硫酸塩は硫酸カルシウム、硫酸水素カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸水素マグネシウム、無水石膏、半水石膏、および二水石膏等から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。これらの中で石膏が好ましく、無水石膏がより好ましく、II型無水石膏がさらに好ましい。石膏とカルシウムアルミネート類が反応してエトリンガイトが生成する結果、短時間でコンクリート等の強度が高くなる。なお、石膏は天然物のほかに、排煙脱硫石膏、リン酸石膏、チタン石膏、フッ酸石膏、精錬石膏、石膏ボート廃材等の石膏廃棄物が使用できる。
該硫酸塩の粉末度は、ブレーン比表面積で4000cm2/g以上が好ましく、5000cm2/g以上がより好ましく、6000cm2/g以上がさらに好ましい。該値が4000cm2/g未満では、短時間での強度発現性が低い場合がある。また、該粉末度の上限はコストの面から15000cm2/gである。
該硫酸塩の配合割合は、カルシウムアルミネート類100質量部に対し20〜150質量部が好ましく、40〜120質量部がより好ましく、50〜100質量部がさらに好ましい。該値が20〜150質量部であればコンクリート等の短時間での強度発現性が高い。
速硬性混和材の配合割合は、後記のポルトランドセメント100質量部に対し10〜100質量部が好ましく、20〜80質量部がより好ましく、30〜60質量部がさらに好ましい。
なお、前記成分を含む市販の速硬性混和材としては、(1)太平洋マテリアル社製の「Facet」(登録商標)や(2)電気化学工業社製の「デンカコスミック」(登録商標)等が挙げられる。
(B)ポルトランドセメント
ポルトランドセメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント等を用いることができるが、本発明においては、短期の強度発現性等から、普通ポルトランドセメントまたは早強ポルトランドセメントを用いることが好ましい。
該セメントの粉末度は、ブレーン比表面積で3000〜5000cm2/gが好ましく、3100〜4600cm2/g以上がより好ましい。該値が3000cm2/g未満では、短期の強度発現性が低い場合がある。また、該粉末度の上限はコストの面から5000cm2/gである。なお、前記粉末度の調整は、ボールミルやロッドミル等の粉砕機を用いて行うことができる。
本発明においてコンクリートを製造する場合、ポルトランドセメントの配合量は、コンクリート1mあたり200〜450kgが好ましく、250〜400kgがより好ましい。
(C)凝結調整剤
該調節剤は、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、ヘプトン酸およびこれらの塩から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。これらの中でも、クエン酸、ヘプトン酸およびこれらの塩は、エトリンガイトの急激な生成を抑制することにより急結を防止できるため好ましい。また、前記の塩は、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩や、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。
該調整剤の配合割合は、ポルトランドセメントと速硬性混和材の合計量100質量部に対し0.1〜3.0質量部が好ましく、0.2〜2.7質量部がより好ましく、0.5〜2.5質量部がさらに好ましい。該値が0.1質量部未満ではコンクリート等が流動性を保つ時間が短く、3.0質量部を超えると強度が低下する場合がある。なお、前記凝結調整剤は、粉体の状態や水に溶かした状態のいずれも用いることができる。
(D)減水剤
該減水剤はポリカルボン酸、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、リグニンスルホン酸およびこれらの塩から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。また、前記の塩は、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩や、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。また、これらの減水剤は、減水性能や空気連行性能等によりAE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤等に分類されている。これらの減水剤の中でも、ポリカルボン酸塩を主成分とする高性能AE減水剤が、減水性能やスランプ保持性能に優れているため好ましい。
該減水剤の配合割合は、ポルトランドセメントと速硬性混和材の合計量100質量部に対し、固形分換算で0.1〜5質量部が好ましく、0.3〜4質量部がより好ましく、0.5〜2質量部がさらに好ましい。該値が0.1〜5質量部であればコンクリート等の凝結調整が容易で、かつ強度低下のおそれがない。
なお、前記減水剤は、粉体の状態や水に溶かした状態のいずれも用いることができる。
(E)アラミド繊維およびビニロン繊維の混合物
本発明で用いる繊維は、特定の範囲の長さと直径を有するアラミド繊維およびビニロン繊維の混合物である。該混合物を含むコンクリート等は、i)単位容積あたりの質量が小さい、ii)曲げ強度や曲げ靱性が高い、iii)乾燥収縮が小さい、iv)防水工等の作業が容易である、などの利点がある。
前記アラミド繊維は、その複数のモノフィラメントを繊維集束剤(合成樹脂)で集束してなる繊維集束体である。そして該モノフィラメントの直径は、0.012〜0.1mmが好ましく、0.012〜0.08mmがより好ましく、0.012〜0.06mmがさらに好ましい。また、前記集束体の直径は、0.15〜0.75mmが好ましく、0.45〜0.60がより好ましい。該集束体の直径が0.15mm未満では、コンクリート等の流動性が低下するほか、集束体の引張強度が低いため張力を受けると切断され易く、0.75mmを超えるとコンクリート等の単位容積あたりの集束体の数が少なくなり、強度や曲げ靱性が低下するおそれがある。
また、前記集束体の長さは、10〜60mmが好ましく、20〜40mmがより好ましい。該値が10mm未満ではコンクリート等の拘束が十分でない場合があり、60mmを超えるとコンクリート等の流動性や強度等が低下する場合がある。
前記繊維集束剤は、集束体の集束力の維持のため吸水率が低い非水溶性樹脂が好ましく、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル、ビニロン、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、およびポリプロピレン等から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。これらの中でも、ポリエステルとビニロンは安価なため好ましい。
アラミド繊維中の前記集束剤の含有率は、5〜30体積%が好ましく、5〜20体積%がより好ましい。該値が5体積%未満では、モノフィラメントの集束力が弱いため、コンクリート等の混練時に集束体が解砕してモノフィラメントが分散し流動性が低下する場合がある。また、該値が30体積%を超えると集束体の強度が低下してコンクリート等の曲げ強度などが低下する傾向がある。
また、アラミド繊維の含水率は、50質量%以下が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。該値が50質量%を超えると該繊維の引張強度や耐久性等が低下する場合がある。ここで、アラミド繊維の含水率とは、該繊維を105℃で24時間乾燥した場合の、乾燥前後での繊維の質量の減少率をいう。
本発明で用いるビニロン繊維の直径は、0.027〜0.90mmが好ましく、0.45〜0.90がより好ましい。該値が0.027mm未満では、繊維の引張強度が低いため張力を受けると切断され易く、0.90mmを超えるとコンクリート等の単位容積あたりの繊維の数が少なくなり、強度や曲げ靱性が低下するおそれがある。
また、前記ビニロン繊維の長さは、10〜60mmが好ましく、20〜40mmがより好ましい。該値が10mm未満ではコンクリート等の拘束が十分でない場合があり、60mmを超えるとコンクリート等の流動性が低下する場合がある。
前記アラミド繊維/ビニロン繊維の体積比は0.05〜1.2が好ましく、0.1〜1.0がより好ましい。該比が0.05〜1.2であれば、曲げ強度等が高く、また防水工等の作業性が良好になる。
また、水硬性組成物中におけるアラミド繊維とビニロン繊維の合計の含有率は、0.3〜2.0体積%が好ましく、0.5〜1.8体積%がより好ましく、0.8〜1.6体積%がさらに好ましい。該値が0.3体積%未満ではコンクリート等の曲げ靱性等が低下するおそれがあり、2,0体積%を超えるとコンクリート等のワーカビリティが低下するおそれがある。
(F)水
本発明で用いる水は、水硬性組成物の強度発現性や流動性等に影響を与えないものであれば用いることができる。かかる水として、水道水、下水処理水、生コンの上澄水などが挙げられる。
水/(ポルトランドセメント+速硬性混和材)の質量比は0.15〜0.5が好ましく、0.3〜0.45がより好ましい。該比が0.15〜0.5であれば、コンクリート等の強度が高く流動性や施工性が良好である。
(G)細骨材
本発明のモルタルやコンクリートに用いる細骨材は、川砂、山砂、海砂、珪砂等の天然砂、砕砂、高炉スラグ細骨材等の人工砂、再生細骨材、およびこれらの混合物等が挙げられる。前記細骨材の配合割合は、ポルトランドセメントと速硬性混和材の合計量100質量部に対し.50〜500質量部が好ましく、100〜400質量部がより好ましい。該値が50〜500質量部であれば、モルタル等のひび割れの発生が少なく、流動性は良好である。
(H)粗骨材
本発明のコンクリートに用いる粗骨材は、砂利、砕石、再生粗骨材、およびこれらの混合物等が挙げられる。前記粗骨材の粒径は5〜25mmが好ましく、5〜13mmがより好ましい。また、前記粗骨材の配合割合は、ポルトランドセメントと速硬性混和材の合計量100質量部に対し0〜500質量部が好ましく、100〜250質量部がより好ましい。該値が0〜500質量部であれば、コンクリートのワーカビリティ等が良好である。
(I)その他の成分
本発明の水硬性組成物は、さらに消泡剤、収縮低減剤、膨張材、および水和熱抑制剤等の混和剤(材)を含んでもよい。
消泡剤として、例えば、エステル系、ポリエーテル系、鉱物油系、シリコーン系等の液状または粉末状の消泡剤が挙げられる。該消泡剤の配合割合は、水硬性組成物100質量部に対し0.04質量部以下が好ましく、0.02質量部以下がより好ましい。該値が0.04質量部を超えると水硬性組成物の水和を阻害するおそれがある。
収縮低減剤として、例えば、低級アルコールのアルキレンオキシド付加物、グリコールエーテル・アミノアルコール誘導体、ポリエーテル、アルキレンオキシド共重合体、およびポリオキシアルキレン・アルコールエーテルと無機フィラーの混合物等から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。該収縮低減剤の配合割合は、水硬性組成物100質量部に対し2.0質量部以下が好ましく、0.5〜1.0質量部がより好ましい。該値が2.0質量部を超えると水硬性組成物の水和を阻害するおそれがある。
また、膨張材として、石灰系やカルシウムサルホアルミネート系を挙げることができる。該膨張材の配合割合は、コンクリート1mあたり10〜40kgが好ましく、20〜30kgがより好ましい。該値が10kg未満では膨張量が低く、40kgを超えると膨張量が過大になる場合がある。
水和熱抑制剤として、例えば、デキストリン、化工デンプン、ホウ酸等から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。該水和熱抑制剤は、水硬性組成物の水和熱を抑制して収縮ひび割れを低減する効果がある。該水和熱抑制剤の配合割合は、水硬性組成物100質量部に対し0.01〜0.3質量部が好ましく、0.05〜0.2質量部がより好ましく、0.1〜0.15が更に好ましい。該値が0.01〜0.3質量部であれば、凝結を遅延させることなく、水和熱を抑制することができる。
また、本発明の水硬性組成物は、速硬性等が阻害されない範囲で、さらにフライアッシュ、石炭灰、シリカフューム、石灰石等の混和材や混合材を含んでもよい。
本発明のコンクリート等の混練方法や混練機は特に限定されない。混練機として、例えば、オムニミキサ、パン型ミキサ、二軸練りミキサ、傾胴ミキサ等を用いることができる。そして、混練後3時間で、本発明のモルタルの圧縮強度は15N/mm以上となり、また本発明のコンクリートの圧縮強度と曲げ強度は、それぞれ24N/mm以上と4.5N/mm以上になる。
したがって、本発明の水硬性組成物は、鋼橋、RC橋、PC橋、およびRC・PC中空床版橋の床版の補修等のほか、工期の短縮や緊急工事などの(超)速硬性と高強度が要求される用途に好適である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
1.使用した材料
(A)速硬性混和材;商品名「Facet」(太平洋マテリアル社製)
該混和材は、本発明の速硬性混和材に相当するものである。
(B)ポルトランドセメント;
普通ポルトランドセメント(ブレーン比表面積3200cm/g)
(C)凝結調整剤:クエン酸(小野田ケミコ社製)
(D)減水剤;商品名「マイテイ150」(登録商標、花王社製)
(E)繊維
(E−1)アラミド繊維:φ0.50×30mm(帝人プロダクツ社製)
(E−2)ビニロン繊維:φ0.66×30mm(クラレ社製)
(E−3)鋼繊維:φ0.62×30mm(神鋼建材社製)
(F)水:水道水
(G)細骨材:川砂(茨城県結城産)
(H)粗骨材:砕石(栃木県佐野産)
2.試験方法
前記の材料を用い、後記の表1に示す配合に従ってコンクリートを調製した。なお、混練機は水平二軸ミキサーを用いた。
また、圧縮強度等の各物性の測定は、以下に示すJISに従って行った。その結果を表2に示す。
(1)スランプ
JIS A 1101「コンクリートのスランプ試験方法」に準じて測定した。
(2)圧縮強度
φ100×200mmのサミットモールドを用いて、JIS A 1108「コンクリートの圧縮強度試験方法」に準じ、材齢(混練後)3時間と7日の圧縮強度を測定した。
(3)曲げ強度
100×100×400mmの鋼製型枠を用いて、JIS A 1106「コンクリートの曲げ強度試験方法」に準じ、材齢3時間と7日の曲げ強度を測定した。
(4)曲げ靱性係数
100×100×400mmの鋼製型枠を用いて、JSCE−G552−2010「鋼繊維補強コンクリートの曲げ強度および曲げタフネス試験方法(案)」に準じて、材齢3時間と7日の曲げ靱性係数を測定した。
Figure 0005850742
Figure 0005850742
表2に示すように、本発明の水硬性組成物を用いた材齢3時間のコンクリート(実施例1〜5)において、
i)圧縮強度は26.6N/mm以上であり、前記マニュアルに規定された24N/mm以上を満たしている。
ii)曲げ強度は4.51N/mm以上であり、前記の望まれる曲げ強度4.5N/mm以上を満たしている。
ii)曲げ靱性係数も3.41N/mm以上と高い。
以上から、本発明の水硬性組成物は速硬性が優れている。
また、本発明のコンクリートの物性(スランプ、圧縮強度、曲げ強度、曲げ靱性係数)は、鋼繊維を用いた比較例3のコンクリートの物性と同等である。したがって、本発明のコンクリートは、従来の鋼繊維を混入したコンクリートと同様に、橋梁の床板等の速硬性や高強度が要求される用途に使用できるとともに、防水工を妨げないから作業性にも優れている。
なお、本発明のコンクリートと比べ、ビニロン繊維のみを含むコンクリート(比較例1)は、曲げ強度(材齢3時間で4.49N/mm、材齢7日で5.51N/mm)と材齢7日の曲げ靱性係数(4.30N/mm)が低く、また、アラミド繊維のみを含むコンクリート(比較例2)は、スランプ、圧縮強度、曲げ強度、および曲げ靱性係数のすべてにおいて低い。

Claims (4)

  1. 下記の(A)〜(F)に記載の成分と組成を有する水硬性組成物。
    (A)カルシウムアルミネート類100質量部に対し、アルカリ金属硫酸塩を2〜10質量部、および/または、アルカリ土類金属硫酸塩を20〜150質量部含む速硬性混和材であって、
    該速硬性混和材を、ポルトランドセメント100質量部に対し10〜100質量部含む。
    (B)ポルトランドセメント
    (C)凝結調整剤を、ポルトランドセメントと前記速硬性混和材の合計量100質量部に対し0.1〜3.0質量部含む。
    (D)減水剤を、ポルトランドセメントと前記速硬性混和材の合計量100質量部に対し、固形分換算で0.1〜5質量部含む。
    (E)直径が0.50〜0.75mmで、長さが30〜60mmのアラミド繊維集束体、および、直径が0.45〜0.90mmで、長さが30〜60mmのビニロン繊維の混合物を、前記水硬性組成物中に0.3〜2.0体積%含む。
    (F)水を、水/(ポルトランドセメント+速硬性混和材)の質量比で0.15〜0.5含む。
  2. 前記のアラミド繊維/ビニロン繊維が体積比で0.05〜1.2である、請求項1に記載の水硬性組成物。
  3. 請求項1または2に記載の水硬性組成物と、細骨材を含むモルタル。
  4. 請求項に記載のモルタルと、粗骨材を含むコンクリート。
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