JP4126752B2 - 高耐久性セメント配合物の製造方法 - Google Patents

高耐久性セメント配合物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート、モルタル等の高耐久性のセメント配合物の製造方法、特に、凍結融解抵抗性および収縮低減性を向上させた高耐久性セメント配合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、コンクリート、モルタル等のセメント配合物は、土木・建築構造物を構築するために使用されているが、その硬化体は気温の低下と上昇の繰り返しによる自由水の凍結融解作用により、ひび割れ、スケーリング等のいわゆる凍害が起こる。
【0003】
従来、このようなセメント硬化体の凍害を抑制するために、AE剤、AE減水剤、高性能AE減水剤等の空気連行性混和剤をセメント配合物に添加し、その硬化体の中に直径数200μm程度以下の微細な独立気泡を3〜6容量%連行する方法が行われている。
【0004】
一方、打設されたセメント配合物は硬化後、温度・湿度等の環境条件によって未反応水分である自由水が逸散し、乾燥収縮を生じる。乾燥収縮の進行に伴いコンクリート等の硬化体にひび割れが発生し、構造物の強度低下や水密性の低下、さらに鉄筋の腐食等が生じる。これが構造物の耐久性低下の一因になっている。
【0005】
従来、このようなセメント配合物の硬化体の乾燥収縮によるひび割れ等の抑制には、セメント配合物に有機系の収縮低減剤を添加する方法が行われている。例えば、特公昭59−3430号公報、特公平1−53214号公報、特開昭59−152253号公報などにはこのような収縮低減剤について示されており、これらは前記空気連行性混和剤と同時に添加されている。
【0006】
しかしながらこれらの収縮低減剤を用いたセメント配合物の硬化体は、耐ひび割れ性は改善されるものの、収縮低減剤を用いないものと比較して凍結融解抵抗性が大幅に劣る。すなわちAE剤等の空気連行性混和剤を適正に使用したコンクリート等のセメント配合物の硬化体は、一般に良好な凍結融解抵抗性を有するが、それに収縮低減剤を併用した場合、凍結融解抵抗性は極端に悪くなるという問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、空気連行性混和剤および収縮低減剤を併用する場合でも、セメント配合物の凍結融解抵抗性を損うことなく、収縮低減性を改善することができる高耐久性セメント配合物の製造方法を得ることである。
【0008】
本発明者らは空気連行性混和剤と収縮低減剤の投入時期を分けること、すなわち収縮低減剤を後添加することにより、凍結融解抵抗性を損なうことなく収縮低減性の改善がなされるのではないかと、鋭意研究を重ねた結果、空気連行性混和剤を混入したモルタル、コンクリートをまず練り上げ、その後に有機系収縮低減剤を添加して二次混合する製造方法を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次の高耐久性セメント配合物の製造方法である。
(1) 水、セメントおよび骨材を含む配合物に、空気連行性混和剤を添加、混合して練り上げた後、有機系収縮低減剤を添加して二次混合することを特徴とする高耐久性セメント配合物の製造方法。
(2) 有機系収縮低減剤が下記の一般式(I)または(II)で示されるポリオキシアルキレン化合物から選ばれる1種または2種以上からなるものである上記(1)記載の方法。
E−{(A1O)x−R1}n (I)
(式中、Eはn個の活性水素原子を持つ化合物の残基、A1Oは炭素数2〜4の1種または2種以上のオキシアルキレン基、R1は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基で、xは1〜10の数、nは1〜8の整数である。)
【化2】
Figure 0004126752
(式中、R2およびR3は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、A2Oは炭素数2〜4の1種または2種以上のオキシアルキレン基、yは1〜10の数である。)
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明においてセメント配合物は、水、セメントおよび骨材その他の添加剤を含む配合物であり、水とセメントに砂のような細骨材を配合したモルタル、これにさらに砂利や砕石のような粗骨材を配合したコンクリートなどがこれに含まれる。
【0011】
本発明において使用することができるセメントとしては、一般にセメント配合物に使用されているセメントが使用でき、例えば普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント等のポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント等の混合セメント、またはこれらのセメントと、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフューム、石灰石粉等の混和材を組み合わせたセメント、さらには高ビーライト系セメント、油井セメント、高硫酸塩スラグセメント、アルミナセメント、マグネシヤセメント、耐酸セメント、超速硬セメント等の特殊セメントなどをあげることができる。これらのセメントは必要に応じて1種または2種以上組み合わせて用いることもできる。
【0012】
骨材としては、目的に応じて砂、砂利、砕石、人工骨材など任意のものが使用できる。
セメント配合物における水/セメント比、セメント/骨材比は任意であり、一般のセメント配合物と同様とすることができるが、一般的には水/セメント比が20〜90重量%、好ましくは30〜70重量%、セメント/骨材比は一般的には10〜200重量%、好ましくは15〜100重量%とするのが好適である。
【0013】
本発明において使用する空気連行性混和剤は、セメント配合物に微細な独立気泡を連行できる混和剤であり、直径300μm以下、好ましくは20〜200μmの独立気泡を3〜6容量%連行できるものがよい。このような空気連行性混和剤としては、JIS A 6204のAE剤、AE減水剤および高性能AE減水剤およびそれらと同等の性能を有する化合物があげられ、市販品を使用することもできる。これらは1種単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
【0014】
AE剤としては、具体的には、脂肪酸塩、樹脂酸塩等の石鹸系AE剤、高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩等の硫酸エステル系AE剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のエーテル系AE剤(ただし、アルキルは炭素数8以上)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系AE剤、ベタイン系AE剤、イミダゾリンベタイン系AE剤等を使用することができる。
【0015】
AE減水剤としては、主成分としてリグニンスルホン酸塩もしくはその誘導体、オキシ有機酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオール複合体、高級アルコールのスルホン酸塩等を含む化合物を使用することができ、前述したAE剤を一部に含有することもできる。
【0016】
高性能AE減水剤としては、主成分としてポリカルボン酸エーテル類、変性リグニンスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、芳香族アミノスルホン酸塩、変性ナフタレンスルホン酸塩、変性メチロールメラミン縮合物、メラミンスルホン酸塩等を使用することができ、前述したAE剤を一部に含有することもできる。
【0017】
本発明で使用する有機系収縮低減剤はセメント配合物の乾燥収縮を低減させる添加剤であり、主として界面活性剤が使用できる。このような有機系収縮低減剤としては、従来より収縮低減剤として使用されているものも使用できるが、前記一般式(I)または(II)で示されるポリオキシアルキレン化合物が好ましく、一般式(I)で示されるポリオキシアルキレン化合物がより好ましい。有機系収縮低減剤も1種単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
【0018】
本発明で前記一般式(I)で示される化合物は、1〜8個の活性水素原子を持つ化合物に炭素数2〜4のアルキレンオキシドを付加反応させることにより得ることができる。1〜8個の活性水素原子を持つ化合物としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール等の一価のアルコール類、シクロペンタノール、シクロヘキサノール等のシクロアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,3,5−ペンタントリオール、ソルビトール、ソルビタン、マンノース、キシロース、グルコース、フラクトース、シュークロース、トレハロース等の多価アルコール類、アンモニア、エチレンジアミン、メチルアミン、エチルアミン等のアミン類などを挙げることができるが、炭素数1〜4の一価、二価あるいは三価のアルコールが好ましい。
【0019】
アルキレンオキシドの例としてはエチレンオキシド、プロピレンオキシド(オキセタンを含む)またはブチレンオキシド(1,2−ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン、イソブチレンオキシドを含む)が挙げられ、これらが付加したものがA1Oで表される。このときA1Oの種類は1種または2種以上でもよく、付加形態はホモ重合、ランダム重合、ブロック重合またはこれらの組合せであってもよい。一般式(I)において、nは平均付加モル数であって、1〜10の数である。
【0020】
また一般式(I)においてR1は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であるが、R1がすべて水素原子であるときは上述の方法で製造することができ、1個以上がアルキル基の場合は、上述の方法で得られた化合物にさらに、例えばR1を有する塩化アルキルを水酸化カリウム等の触媒の存在下で反応させることにより得ることができる。
1がアルキル基である場合の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などを挙げることができる。R1の炭素数が5以上となる場合は水への溶解性が低下したり、収縮低減効果が低下するので好ましくない。
【0021】
本発明で一般式(II)で示される化合物は、フェノールまたは炭素数1〜4のアルキル基で置換されたフェノール化合物にA2Oで表されるオキシアルキレン基のベースとなるアルキレンオキシドを付加することによって得ることができる。A2Oの内容は上述のA1Oと同じである。yは平均付加モル数であって、1〜10の数である。
【0022】
一般式(II)においてR2またはR3は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であるが、R2またはR3の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基を挙げることができる。R2およびR3はそれぞれ同一でも異種であってもよい。R2またはR3の炭素数が5以上になる場合はA2Oの種類および付加量にもよるが、セメント組成物と混ぜたときに泡立ち作用が強くなったりすることがあるので好ましくない。
【0023】
前記一般式(I)および(II)の化合物以外の有機系収縮低減剤としては、例えば特公平5−69053号公報に示された低分子量のアルカンジオール類、特公平6−6500号公報に示された低分子量アルコール類、特開平7−144947号公報に示されたグリセリンブチルエーテル類などの有機化合物が使用できる。
【0024】
本発明では、その目的を損なわない限度で、必要に応じて他のセメント用添加剤を併用することもできる。このようなセメント用添加剤としては、天然多糖類、セルロース類、ポリアクリル酸塩、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子、凝結促進剤、凝結遅延剤、膨張材等が挙げられる。
【0025】
本発明では、水、セメントならびに骨材および他の添加剤を含む配合物に、空気連行性混和剤を添加、混合して練り上げた後、有機系収縮低減剤を添加して二次混合する。空気連行性混和剤の添加量はその種類、使用した骨材の種類、練り混ぜ温度等によって異なるが、一般的にはセメントに対して0.0001〜1重量%とすることができ、配合物に連行される空気量が3〜6容量%となるように調整して添加することができる。
【0026】
空気連行性混和剤は練り混ぜ水に予め溶解、分散させたり、あるいは注水と同時に添加することができる。混合、練り混ぜは従来と同様に行うことができ、一般に使用されているミキサを使用して行うことができる。
【0027】
有機系収縮低減剤の添加量は、セメントに対して0.1〜5重量%、好ましくは0.3〜3重量%とすることができる。その添加方法も練りまぜ水の一部に予め溶解または分散させた状態で添加してもよく、あるいはそのまま添加して混合を行ってもよい。
【0028】
二次混合の混合攪拌条件は有機系収縮低減剤を均一に混合できる程度でよく、空気連行性混和剤の添加の時と同様に行うことができる。このときの攪拌強度は従来の練り上げの攪拌強度同様とすることができる。この場合、攪拌強度を低下させてもよい。
【0029】
セメント配合物に上記の空気連行性混和剤を添加、混合して練り上げることにより、気泡が3〜6容量%連行され、均一に分散する。その後有機系収縮低減剤を添加して混合することにより、上記微細気泡が分散した状態で、有機系収縮低減剤が均一に分散する。この状態でセメント配合物を硬化させると、凍結融解抵抗性および収縮低減性に優れた硬化体が得られる。
【0030】
従来のように空気連行性混和剤と有機系収縮低減剤を同時に添加、混合して練り上げると、上記の微細な気泡の数が少なく、凍結融解抵抗性が極端に悪くなる。これは有機系収縮低減剤の使用により連行空気量、気泡径および分布、空気保持性等の連行空気特性が変化し、気泡径が大きく、消失しやすい空気が連行されるためと考えられる。
【0031】
これに対してセメント配合物に空気連行性混和剤を添加、混合して練り上げ、さらに有機系収縮低減剤を二次混合して硬化させると、空気連行性混和剤により導入された良質の微細気泡が多くかつ収縮低減剤が均一に分散した状態で硬化するため、自由水の凍結融解に対する抵抗性が高まり、これによりひび割れやスケーリング等の凍害が防止される。また有機系収縮低減剤が均一に分散しているので、乾燥収縮低減効果には何ら影響がないものと考えられる。
【0032】
空気連行性混和剤と収縮低減剤はその特性が相違しており、両者を同時に添加して練り上げると、微細な気泡が少なく凍結融解抵抗性が低下するが、空気連行性混和剤のみを添加して練り上げると微細気泡が多量に生成して分散し、凍結融解抵抗性が大きくなる。この状態で有機系収縮低減剤を添加して気泡の特性を変化させないように攪拌混合することにより、凍結融解抵抗性を損うことなく収縮低減性を改善することができる。
【0033】
【実施例】
以下、本発明の実施例および比較例について説明する。
【0034】
実施例1〜6、比較例1〜7
(1)使用材料は次の通りである。
セメント:普通ポルトランドセメント(比重3.15、住友大阪セメント社製)
細骨材:陸砂(最大寸法5mm、比重2.56)
粗骨材:砕石(最大寸法20mm、比重2.66)
AE減水剤:(ポゾリスNo.70、リグニンスルホン酸塩およびポリオール複合体、エヌエムビー社製)
AE剤:(マイクロエアNo.101、アルキルエーテル型陰イオン界面活性剤、エヌエムビー社製)
水:水道水
収縮低減剤:表1に示す。
【0035】
【表1】
Figure 0004126752
【0036】
(2)材料の配合は表2に示す通りである。
【表2】
Figure 0004126752
注)C:セメント、W:水、S:細骨材、G:粗骨材
*1 細骨材率
*2 表1に示す。
*3 AE剤はコンクリートの空気量が4.5±0.5容量%になるように適宜調整した。
【0037】
(3)練り混ぜは以下のように行った。
JIS A 1138に準拠してコンクリートを練り混ぜた。同時添加は、セメント、細骨材および粗骨材にAE減水剤、AE剤および表1に示す収縮低減剤を予め溶解した水を投入して90秒間練り混ぜた。二次混合すなわち後添加は、セメント、細骨材および粗骨材にAE減水剤およびAE剤を予め溶解した水を投入して90秒間練り混ぜ、一旦ミキサを停止し表1で示した収縮低減剤を投入後、さらに30秒間練り混ぜた。なお、練り混ぜには100 literパン型強制練りミキサを使用し、1バッチあたりのコンクリート量は55 literとした。得られたコンクリートを以下の試験項目および試験方法で試験した。
【0038】
(4)試験項目および試験方法
空気量:JIS A 1128「まだ固まらないコンクリートの空気量の圧力による試験方法(空気室圧力法)」に準拠し、練り混ぜ直後および練り置き30分後に測定した。
乾燥収縮:JIS A 1129「モルタルおよびコンクリートの長さ変化試験方法(コンタクトゲージ法)」に準拠した。材齢24時間で脱型し、材齢7日まで20℃水中養生を行った後、基長を測定した。その後、所定の材齢まで温度20℃、湿度60%の気中養生した。
凍結融解抵抗性:ASTM C 666−75「急速凍結融解に対するコンクリートの耐久性試験」に準拠した。材齢24時間で脱型し、材齢14日まで20℃水中養生を行った後、試験を開始した。試験は水中で、−18±2℃で凍結、5±2℃で融解した。
気泡数および気泡径分布:セメント技術年報(昭和63年、p.p212〜214)に示されたシアノアクリレート発光画像処理法により、気泡数および気泡径分布を求めた。
【0039】
(5)試験結果を表3および図1に示す。
表3の結果より、収縮低減剤同時添加を行った比較例1〜6のものは凍結融解抵抗性が低下しているが後添加の実施例1〜6は凍結融解作用300サイクル後でも建築学会規準(性能区分A60%以上)を満足している。
【0040】
【表3】
Figure 0004126752
【0041】
図1は実施例1および比較例1のコンクリートの気泡分布測定結果を示しており、同時添加(比較例1)と後添加(実施例1)で比較した場合、後者の方が凍結融解抵抗性に有効とされている気泡径範囲のピークが高いことが認められた。このため収縮低減剤を後添加する方が凍結融解抵抗性を改善するのに効果があることが認められる。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、新たな混和剤等の使用や配合上の変更をすることなく、空気連行性混和剤と収縮低減剤を別々に投入するという混練上の方法を変えるだけで、従来の投入方法で得られる強度発現性および凍結融解抵抗性を損なうことなく、収縮低減性に優れるセメント配合物を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1および比較例1の気泡分布を示すグラフである。

Claims (2)

  1. 水、セメントおよび骨材を含む配合物に、空気連行性混和剤を添加、混合して練り上げた後、有機系収縮低減剤を添加して二次混合することを特徴とする高耐久性セメント配合物の製造方法。
  2. 有機系収縮低減剤が下記の一般式(I)または(II)で示されるポリオキシアルキレン化合物から選ばれる1種または2種以上からなるものである請求項1記載の方法。
    E−{(A1O)x−R1}n (I)
    (式中、Eはn個の活性水素原子を持つ化合物の残基、A1Oは炭素数2〜4の1種または2種以上のオキシアルキレン基、R1は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基で、xは1〜10の数、nは1〜8の整数である。)
    Figure 0004126752
    (式中、R2およびR3は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、A2Oは炭素数2〜4の1種または2種以上のオキシアルキレン基、yは1〜10の数である。)
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