JP6639917B2 - コンクリート、およびコンクリートの製造方法 - Google Patents

コンクリート、およびコンクリートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、コンクリート、およびコンクリートの製造方法に関する。
モルタル、コンクリートなどの硬化体は、モルタルやコンクリートなどに含まれるセメントの水和反応により、モルタルやコンクリートなどが硬化することで得られる。硬化体は、硬化体中の水分が蒸発することなどに起因して乾燥収縮することなどがある。この乾燥収縮などにより応力が発生したり、周囲環境の温度または湿度の変化が生じたりすることにより、硬化体にひび割れが発生する場合がある。ひび割れが生じた硬化体は、強度低下、外観の悪化、漏水などの原因となる。
硬化体にひび割れが発生することを抑制することは、硬化体の耐久性などを向上させるために重要である。そこで、セメントなどに、収縮低減剤、または膨張材を組み合わせることにより、硬化体にひび割れが生じることを低減させたセメント組成物が提案されている。
このようなセメント組成物として、例えば、セメント、膨張材及び粉体状の乾燥収縮低減剤を特定の配合比で含有することにより、硬化体の収縮量が少なく、高い曲げひび割れ強度を有する硬化体を形成できるセメント組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、遊離生石灰(CaO)を含有する膨張材と収縮低減剤とを含むケミカルプレストレス導入材と、セメントとを組み合わせて形成することにより、高い引張強度を有する高強度コンクリートが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−68813号公報 特開2006−89299号公報
コンクリートに収縮低減剤を使用すると、コンクリートに乾燥収縮低減効果を発揮させられるが、フレッシュコンクリート(まだ固まっていないコンクリート)中に含まれる空気量がばらつき易い上、空気量調整剤によりコンクリート中の空気量を調整することも困難である場合が多い。また、収縮低減剤の使用量が増大すると、空気量調整剤の必要量も増大する傾向にある。さらに、コンクリートの乾燥収縮低減効果を発揮させるために、収縮低減剤の使用量が多くなると、コンクリートの製造コストが高くなるという課題もある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、収縮低減剤の必要量が少なくてもコンクリートの乾燥収縮低減効果を高めることができると共に、コンクリート中の空気量を所定の範囲内に容易に調整することができるコンクリートおよびコンクリートの製造方法を提供するものである。
上述した課題を解決するため、本発明者らは、コンクリートについて鋭意検討を行った。その結果、膨張材および特定の化合物を含む収縮低減剤を使用することで、収縮低減剤の必要量を少なくしても、コンクリートの乾燥収縮低減効果を向上させつつ、コンクリート中の空気量を所定の範囲内に調整することができることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明によるコンクリートは、セメント、骨材、膨張材、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを含む収縮低減剤、および空気量調整剤を含んでなることを特徴とする。
本発明においては、前記収縮低減剤の含有量が、単位量で1.5〜4.5kg/mであることが好ましい。
本発明においては、前記膨張材の含有量が、単位量で10〜25kg/mであることが好ましい。
本発明においては、前記膨張材が、石灰系膨張材であることが好ましい。
本発明によるコンクリートの製造方法は、セメント、骨材、膨張材、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを含む収縮低減剤、および空気量調整剤を含んでなるコンクリートの製造方法であって、前記セメント、前記膨張材、および前記骨材を混合して混合物を得る工程と、前記混合物に、前記収縮低減剤、前記空気量調整剤および水を練り混ぜる工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によるコンクリートの製造方法は、セメント、骨材、膨張材、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを含む収縮低減剤、および空気量調整剤を含んでなるコンクリートの製造方法であって、前記セメント、前記膨張材、および前記骨材を混合して混合物を得る工程と、前記混合物に、前記空気量調整剤および水を練り混ぜて、フレッシュコンクリートを得る工程と、前記フレッシュコンクリートに前記収縮低減剤を添加する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、特定の化合物を含む収縮低減剤と膨張材とを併用することにより、収縮低減剤の必要量が少なくても、コンクリートの乾燥収縮低減効果を向上させることができると共に、コンクリート中の空気量を所定の範囲内に調整することができる。そのため、ひび割れが少なく、耐久性が高いコンクリートをより低コストで製造することができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明を実施するための形態は、以下に限定されるものではない。また、本発明を実施するための形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。なお、本明細書において、コンクリートとは、フレッシュコンクリート(まだ固まっていないコンクリート)などのように、コンクリートを構成する各成分が混合されてコンクリートが硬化する前の流動性を有する状態のコンクリート、硬化後の流動性を有しない状態のコンクリートのいずれの場合も含む意味である。
<コンクリート>
本発明によるコンクリートは、セメント、骨材、膨張材、収縮低減剤、および空気量調整剤を有する。各構成要素について、以下にそれぞれ説明する。なお、本明細書において、「単位量(kg/m)」とは、1mのコンクリートを製造するときに用いる各原料の配合量を意味する。
[セメント]
本発明で使用するセメントは、水硬性のものであれば何れのセメントを使用することができ、例えば、ポルトランドセメント、混合セメント、特殊セメントなどを使用することができる。ポルトランドセメントとしては、例えば、普通、早強、超早強、低熱、中庸熱、及び耐硫酸塩などが挙げられる。混合セメントとしては、例えば、フライアッシュ、高炉スラグ、シリカフューム又は石灰石微粉末などが混合された各種の混合セメントが挙げられる。特殊セメントとしては、例えば、アルミナセメント、または速硬性を有しない普通セメントタイプのエコセメントなどが挙げられる。これらのセメントは、いずれか1種を選択して使用することもできるが、2種以上のセメントを組み合わせて使用してもよい。
なお、乾燥収縮低減効果は、例えば、JIS A 1129−2(コンタクトゲージ方法)に準拠して、硬化したコンクリートの長さ変化率から乾燥収縮低減率を求めることにより評価することができる。乾燥収縮低減率は、本発明によるコンクリートの長さ変化率と、膨張材および収縮低減剤を含まないコンクリートの長さ変化率とを用いて、下記式(I)より算出できる。乾燥収縮低減率の値が大きいほど、コンクリートの乾燥収縮を抑制できていることを意味し、例えば、乾燥収縮低減率は20%以上であることが好ましい。
乾燥収縮低減率(%)={1−(本発明によるコンクリートの長さ変化率)/(膨張材および収縮低減剤を含まないコンクリートの長さ変化率)} ・・・(I)
本発明によるコンクリート中のセメントの配合量は、使用するセメントの種類および単位水量によって適宜設定することができるが、単位量で250〜600kg/mであることが好ましい。
[骨材]
本発明で使用する骨材は、特に制限されるものではなく、通常のコンクリートの製造に使用される細骨材、または粗骨材を使用することができる。このような細骨材、または粗骨材として、例えば、川砂、海砂、山砂、砕砂、人工細骨材、スラグ細骨材、再生細骨材、珪砂、川砂利、海砂利、山砂利、陸砂利、砕石、人工粗骨材、スラグ粗骨材、または再生粗骨材などが挙げられ、これらの混合物を用いてもよい。
骨材の配合量は、単位量で、1,200〜2,000kg/mとするのが好ましい。
[膨張材]
本発明で使用する膨張材としては、遊離生石灰を主成分とする石灰系膨張材、カルシウムサルホアルミネート系膨張材などが挙げられる。特に、本発明における収縮低減剤との組合せにおいては、空気量の制御が容易であること、反応速度が良好であることなどの観点から、石灰系膨張材を使用することが好ましい。
膨張材の配合量は、単位量で10〜25kg/mであり、好ましくは15〜20kg/mである。膨張材の含有量が、10kg/m未満の場合には、コンクリートの膨張性の発現が不十分であり、コンクリートの収縮低減効果や、ひび割れ発生を抑制する効果が低下する可能性がある。膨張材の配合量が25kg/mを超えると、コンクリートが過膨脹を起こし、コンクリートの強度低下を生じる可能性がある。
[収縮低減剤]
本発明で使用する収縮低減剤は、本発明によるコンクリートに乾燥収縮低減効果を発揮させるものであり、本発明で使用する収縮低減剤は、成分として、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを含む。その一般的な構造としては、例えば下記式(1)で表される。
CH(CH11(OCHCHOH ・・・(1)
収縮低減剤の配合量は、単位量で1.5〜4.5kg/mであり、好ましくは2.0〜4.0kg/mである。収縮低減剤の含有量が、1.5kg/m未満の場合には、コンクリートの収縮低減効果の発現が不十分であり、また、収縮低減剤の配合量が4.5kg/mを超えても、添加量に見合った以上の効果は得られ難いため、製造コストの観点からも、好ましくない。
一般に、モルタル、コンクリートなどに含まれる水が蒸発する際、コンクリートは乾燥して収縮(乾燥収縮)するが、この乾燥収縮により、コンクリートにひび割れが発生する。収縮低減剤は、コンクリートの乾燥収縮を支配する毛細管空隙中の水に溶解して表面張力を低下させることにより、コンクリートの乾燥時に、毛細管空隙の水中に発生する引張応力(毛細管張力)を小さくして、コンクリート中の過剰な水分が蒸発する際に発生する応力を低下させることができる。これにより、コンクリートの乾燥収縮を低減させることができるため、コンクリートの乾燥収縮によりコンクリートにひび割れが生じることを抑制することができる。また、収縮低減剤は、上記のように所定量含むことで、コンクリートの収縮低減効果を向上させることができるが、少量の空気量調整剤の配合でも、コンクリートに所定量の空気を導入することができる。特に、収縮低減剤は、膨張材として、石灰系膨張材と組合せて使用することにより、コンクリートの収縮低減効果、および少量の空気量調整剤で効果的にコンクリートに空気を導入することができる。
[空気量調整剤]
本発明で使用する空気量調整剤は、一般的なコンクリート用として使用されるものであればいずれのものも使用できる。本発明において、空気量調整剤の配合量は、収縮低減剤を添加しないコンクリートの添加量とほぼ同等(例えば、2倍以下)の添加量でコンクリート中の空気量を所定量(例えば、3.0〜6.0%)に調整することができる。
本発明によるコンクリートは、水を用いて混練して製造される。本発明で使用する水は、特に限定されず、水道水などを用いることができる。水の配合量(単位水量)は、150〜250kg/mとすることが、材料分離抵抗性(コンクリートの粘性)を高めるために好ましい。混練には、コンクリートミキサなどを用いることができる。
水とセメントとの質量比(水セメント比)は、45〜60%であることが好ましい。
[セメント分散剤]
本発明によるコンクリートは、セメント分散剤を用いることができる。セメント分散剤は、コンクリートの製造に使用されるセメント用の分散剤であり、このようなセメント分散剤としては、例えば、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、または高性能AE減水剤などの減水剤、および流動化剤などが挙げられる。減水剤としては、例えば、リグニンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、ポリカルボン酸およびこれらの塩から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。また、前記の塩としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩や、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。
セメント分散剤の配合量は、下記式(III)に示す通り、セメントおよび膨張材などの粉体の合計質量(粉体量)に対して、0.2〜2.0質量%が好ましい。
セメント分散剤の配合量(%)={セメント分散剤/[粉体量(セメント+膨張材)]}×100 ・・・(III)
セメント分散剤の添加方法としては、例えば、コンクリートプラントにおいて他の配合材料と併せて添加して混練する方法、あるいはコンクリート施工現場において最後に添加し混練する方法があるが、特にこれらに制限されるものではない。
[他の成分]
本発明によるコンクリートは、上記各成分以外にも、必要に応じて、本発明の効果が実質的に失われない範囲で、コンクリートに使用できる他の成分を含有していてもよい。このような成分として、例えば、促進剤、増粘剤、再乳化粉末樹脂、発泡剤、防水剤、防錆剤、消泡剤、起泡剤、防水材、保水剤、撥水剤、白華防止剤、凝結調整剤、顔料、繊維、シリカフューム、スラグおよびフライアッシュなどが挙げられる。
本発明によるコンクリートの製造方法は、特に限定されず、従来より公知の方法で製造することができる。例えば、セメント、膨張材、および骨材を、所定の配合割合で、コンクリートミキサに一括で混合して空練りし、混合物を得る。次いで、収縮低減剤、空気量調整剤、および水をコンクリートミキサに投入して、混合物と練り混ぜることにより、フレッシュコンクリートが得られる。得られたフレッシュコンクリートを型枠の充填部内に流し込んで、20℃の恒温室内で24時間養生した後、型枠を外して、コンクリートが得られる。コンクリートミキサとして、例えば、オムニミキサ、パン型ミキサ、二軸練りミキサ、傾胴ミキサなどを用いることができる。また、セメント、膨張材、および骨材を、所定の配合割合で混合した混合物に、空気量調整剤、および水を練り混ぜることによりフレッシュコンクリートを得た後、この得られたフレッシュコンクリートに収縮低減剤を添加することもできる。
このように、本発明によるコンクリートは、膨張材と特定の化合物を含む収縮低減剤とを併用することにより、膨張材の使用量を維持しつつ、収縮低減剤の必要量が少なくても、コンクリートの乾燥収縮低減効果を向上させることができると共に、フレッシュコンクリート中の空気量を簡便に所定の範囲内(例えば、3.0〜6.0%)に調整することができる。また、コンクリートの膨張を所定の範囲内(例えば、拘束膨張ひずみで、150〜250)に調整することができる。そのため、本発明によるコンクリートは、収縮低減剤の使用量を抑えて製造しても、ひび割れが生じ難く、耐久性および強度が高いコンクリート構造物を製造することができる。本発明によるコンクリートによれば、収縮低減剤、または膨張材が使用されないコンクリートと同程度の空気量調整剤の添加量で、コンクリート中の空気量を所定の範囲内に維持することができる。そのため、本発明によるコンクリートは、空気量調整剤の必要量が多くならずに、所定の空気量を有するコンクリートを低コストで製造することができる。さらに、本発明によるコンクリートは、空気量調整剤の添加量に概ね比例して、コンクリート中の空気量が増加する特性を有することから、所定の空気量に調整しやすく、管理施工上も優れている。よって、本発明によるコンクリートを用いれば、ひび割れが少なく、優れた耐久性および強度を有するコンクリートをより低コストで簡易に製造することができる。
本発明によるコンクリートは、ひび割れが生じ難く、高い耐久性および強度を有し、より低コストで製造することができるため、例えば、オフィスビルまたはマンションなどのスラブ・壁、高架橋の上部工・床版底面および橋脚・橋台、トンネルの覆工コンクリート、農業用水路、トンネル用セグメント、ボックスカルバート、L型擁壁などの擁壁製品、U字構、ヒューム管、重圧管、電柱、コンクリートブロック、コンクリートパネルなどのコンクリート構造物に好適に使用することができる。
以下に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明が実施例により限定されるものではない。
<実施例1〜5、比較例1〜7>
[コンクリートの製造]
セメント、膨張材、および骨材(細骨材、粗骨材)を、表1に示す配合割合でコンクリートミキサに投入して空練した。次いで、収縮低減剤、空気量調整剤、セメント分散剤、および水を表1に示す配合割合となるようにコンクリートミキサに投入して、セメント、膨張材、細骨材、および粗骨材と練り混ぜ、コンクリートを製造した。各々の実施例、比較例のそれぞれのコンクリートにおける各成分の配合割合は、表1に示す通りである。なお、水セメント比(W/C)は、水とセメントとの質量比であり、細骨材率は、細骨材(S)と粗骨材(G)との和に対する細骨材(S)の容積比率(単位:%)であり、混和剤、空気量調整剤の配合量は、粉体量(P:セメント(C)+膨張材(EX))の質量に対するセメント分散剤、または空気量調整剤の質量の比(単位:%)であり、以下の式で求めた値である。
セメント分散剤の配合量(%)={セメント分散剤/[粉体量P]}×100
空気量調整剤の配合量(%)={空気量調整剤/[粉体量P]}×100
上記表1に示される各成分は、以下のとおりである。
・セメント(C):普通ポルトランドセメント(太平洋セメント株式会社製、密度:3.16g/cm
・膨張材(EX):石灰系膨張材(「ハイパーエクスパン」、太平洋マテリアル株式会社製)
・収縮低減剤(SR1):主成分ポリオキシエチレンアルキルエーテル(「シュリンテクト」、太平洋マテリアル株式会社製)
・収縮低減剤(SR2):主成分ポリエーテル誘導体(「ヒビタンB」、竹本油脂株式会社製)
・収縮低減剤(SR3):主成分特殊ポリオキシアルキレングリコール(「アクアガード」、日本触媒株式会社製)
・細骨材(S):静岡県菊川市産山砂(密度:2.61g/cm、粗粒率:6.63)
・粗骨材(G):茨城県桜川市産砕石2005(表乾密度:2.64g/cm、粗粒率:2.80)
・セメント分散剤:AE減水剤(リグニンスルホン酸系とポリカルボン酸エーテル系の複合体)、「マスターポリヒード15S」、BASFジャパン株式会社製
・空気量調整剤:「マスターエアー101」、BASFジャパン株式会社製
・水:水道水
[評価]
上記表1に記載のコンクリートについて、以下に示す方法で、空気量、拘束膨張ひずみ、および乾燥収縮低減率を以下の通り評価した。各々の測定結果を表1に示す。
(空気量)
得られたコンクリート中の空気量は、JIS A 1128:2005「フレッシュコンクリートの空気量の圧力による試験方法−空気室圧力方法」に準拠して測定した。なお、目標空気量は、3.0〜6.0%とした。
(拘束膨張ひずみ)
JIS A 6202「コンクリート用膨張材」付属書2に示される拘束膨張及び収縮試験方法(A法)に準拠して拘束膨張試験を実施し、材齢7日の膨張率(拘束膨張ひずみ)を求めた。
(乾燥収縮低減率)
JIS A 1129−2(コンタクトゲージ方法)に準拠し、コンパレータ法によりコンクリートの寸法を測定した後、20℃×60%RHの条件下で6か月間保存し、材齢6か月のコンクリートの寸法を再度測定し、長さ変化率を算出した。乾燥収縮低減率は、コンクリートの長さ変化率と、膨張材および収縮低減剤を使用していないコンクリートの長さ変化率とを用いて、下記式より算出した。この乾燥収縮低減率の値が大きいコンクリートほど、乾燥収縮を抑制できていることを意味し、本実施例では、乾燥収縮低減率が20%以上であることが好ましい。
乾燥収縮低減率(%)={1−(実施例1〜5、または比較例2〜7のコンクリートの長さ変化率)/(比較例1のコンクリートの長さ変化率)}
Figure 0006639917
表1の結果からも明らかなように、膨張材、収縮低減剤を含まないコンクリートを用いると、得られたコンクリートの材齢7日での拘束膨張ひずみは、小さかった(比較例1参照)。また、コンクリートは、膨張材を含んでいても、収縮低減剤を含まない場合、コンクリートの材齢7日での拘束膨張ひずみは高められたが、乾燥収縮低減率は低かった(比較例2参照)。同様に、コンクリートが、膨張材と、ポリオキシエチレンアルキルエーテル以外の収縮低減剤とを含んでも、コンクリートの材齢7日での拘束膨張ひずみは高められたが、乾燥収縮低減率は低かった(比較例3〜6参照)。特に、収縮低減剤に、ポリオキシエチレンアルキルエーテル以外の収縮低減剤を用いた場合、少ない空気量調整剤では、コンクリートの空気量は、目標空気量である3.0〜6.0%にできず(比較例3、5参照)、目標空気量にするためには、多量の空気量調整剤を添加する必要があった(比較例4、6参照)。また、コンクリートが収縮低減剤を多量に含むと、コンクリートの拘束膨張ひずみは大きくなり、膨張しすぎて、強度が低下する傾向がみられた(比較例7参照)。これに対し、膨張材と、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを含む収縮低減剤とを所定量含めると、少ない空気量調整剤でも目標空気量にすることができ、拘束膨張ひずみを所定の範囲内にすることができると共に、乾燥収縮低減率を向上させることができた(実施例1〜5参照)。
よって、本発明によれば、膨張材と、特定の収縮低減剤とを所定量含むことにより、収縮低減剤の使用量を抑えても、本発明によるコンクリートは、空気量、および拘束膨張ひずみを所定の範囲内にすることができると共に、乾燥収縮低減率を向上させることができる。そのため、本発明によれば、ひび割れが少なく、高い耐久性および強度を有するコンクリートを、より低コストで製造することができるため、例えば、オフィスビルまたはマンションなどのコンクリート構造物に有効に使用することができる。

Claims (6)

  1. セメント、骨材、膨張材、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを含む収縮低減剤、セメント分散剤および空気連行剤を含んでなり、前記収縮低減剤の含有量が、単位量で1.5〜4.5kg/m であることを特徴とする、コンクリート。
  2. 前記セメントおよび前記膨張剤の合計質量に対する前記空気連行剤の配合量が0.0008〜0.0015%である、請求項1に記載のコンクリート。
  3. 前記膨張材の含有量が、単位量で10〜25kg/mである、請求項1または2に記載のコンクリート。
  4. 前記膨張材が、石灰系膨張材である、請求項1〜3の何れか一項に記載のコンクリート。
  5. セメント、骨材、膨張材、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを含む収縮低減剤、セメント分散剤、および空気連行剤を含んでなり、前記収縮低減剤の含有量が、単位量で1.5〜4.5kg/m であるコンクリートの製造方法であって、
    前記セメント、前記膨張材、および前記骨材を混合して混合物を得る工程と、
    前記混合物に、前記収縮低減剤、前記セメント分散剤、前記空気連行剤および水を練り混ぜる工程と、
    を含むことを特徴とする、コンクリートの製造方法。
  6. セメント、骨材、膨張材、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを含む収縮低減剤、セメント分散剤および空気連行剤を含んでなり、前記収縮低減剤の含有量が、単位量で1.5〜4.5kg/m であるコンクリートの製造方法であって、
    前記セメント、前記膨張材、および前記骨材を混合して混合物を得る工程と、
    前記混合物に、前記セメント分散剤、前記空気連行剤および水を練り混ぜて、フレッシュコンクリートを得る工程と、
    前記フレッシュコンクリートに前記収縮低減剤を添加する工程と、
    を含むことを特徴とする、コンクリートの製造方法。
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