JP5605282B2 - 表面改質無水石膏、該無水石膏を用いたセメント組成物及び該セメント組成物の製造方法 - Google Patents

表面改質無水石膏、該無水石膏を用いたセメント組成物及び該セメント組成物の製造方法 Download PDF

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本発明は、表面改質無水石膏、該無水石膏を用いたセメント組成物及び該セメント組成物の製造方法に関し、特に可使時間を保持するとともに、施工後の強度発現性に優れる、表面改質無水石膏、該無水石膏を用いたセメント組成物及び該セメント組成物の製造方法
に関する。
従来より、速硬セメントや超速硬コンクリートは、短時間で強度を発現させることができるため、道路工事等の補修等、種々の用途で使用されている。
具体的には、例えば、速硬セメントや超速硬セメントの多くは、外気温が5℃程度でも3時間後に所要の強度を発現するように設計されており、夏季期間等の高温雰囲気下では、その強度発現性はもっと短時間で発現される。
このように、従来の速硬セメントおよび超速硬セメントは、硬化時間が短いため、通常、種々の凝結遅延剤を適量添加しており、速硬セメントや超速硬セメントの凝結時間を調節して使用されている。
また、止水工事や緊急工事においても、モルタルやコンクリートの可使時間を確保するとともに、即時に硬化させる必要がある。
超速硬セメントはカルシウムアルミネートと無水石膏を水とともに反応させることによりエトリンガイトを生成し、短時間で強度を発現させることができるものである。
無水石膏として天然品、フッ酸無水石膏などが使用されているが、その品質により可使時間、強度発現性に影響を与える。その原因として無水石膏からの硫酸イオンの溶出速度に差があるものと考えられ、硫酸イオンの溶出が早いものは可使時間が短くなり、早期強度発現性が低下する。
特開2002−284555号公報(特許文献1)には、可使時間を確保することを目的としたセメント凝結促進剤が提案されており、具体的には、セメント水和反応を促進するアルミン酸、カルシウムアルミネート等の凝結促進剤の表面を、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸の脂肪酸や高級アルコール、パラフィン等の水に不溶なコーティング剤で被覆してなるセメント凝結促進剤が記載されている。
また、特開2007−176744号公報(特許文献2)には、二水石膏で表面が被覆されてなる無水石膏からなる石膏とカルシウムアルミネートを有効成分とする速硬混和材が記載されており、好ましくは、更に、凝結遅延剤を含有する速硬混和材が提案されている。
しかし、これらの速硬性混和材をセメント組成物に用いても、可使時間は十分ではなく、また早期強度を含めた強度発現性の速硬性が十分ではなく、所望する性能を満足するものではない。
従って、可使時間が十分に確保できるとともに、早期強度発現性に優れる、セメント組成物が所望されている。
特開2002−284555号公報 特開2007−176744号公報
本発明の目的は、上記問題を解決し、可使時間を十分に確保することができ、実質的には速硬性に影響を及ぼさず、施工後は早期強度発現性に優れる、セメント混和材である表面改質無水石膏、該無水石膏を用いたセメント組成物及び該セメント組成物の製造方法を提供することである。
本発明は、速硬系セメントに用いる無水石膏にあらかじめ特定の表面改質を施すことで、可使時間を確保するとともに、施工後には強度発現性に優れることを見出したものである。
すなわち、本発明の表面改質無水石膏材は、無水石膏の表面を、次の一般式;
O(AO)・・・(1)
(式中、R及びRは、水素、アルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基であり、R及びRは同一のものであっても異なったものであってもよく、Aはエチル基、プロピル基又はイソプロピル基であり、nは2〜10の整数を示す)で表され且つ融点が0℃以下のグリコールエーテル類で被覆してなることを特徴とする、表面改質無水石膏材である。
好適には、上記グリコールエーテル類はジエチレングリコールである。
また、本発明のセメント組成物は、無水石膏の表面を、次の一般式;
O(AO)・・・(1)
(式中、R及びRは、水素、アルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基であり、R及びRは同一のものであっても異なったものであってもよく、Aはエチル基、プロピル基又はイソプロピル基であり、nは2〜10の整数を示す)で表され且つ融点が0℃以下のグリコールエーテル類で被覆してなる表面改質無水石膏材と、速硬性クリンカー粉砕物とを含有することを特徴とする、セメント組成物である。
好適には、表面改質無水石膏材は、速硬性クリンカー粉砕物100質量部に対して、5〜30質量部の割合で含有される。
発明のセメント組成物の製造方法は、 無水石膏にのみ、次の一般式;
O(AO)・・・(1)
(式中、R及びRは、水素、アルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基であり、R及びRは同一のものであっても異なったものであってもよく、Aはエチル基、プロピル基又はイソプロピル基であり、nは2〜10の整数を示す)で表され且つ融点が0℃以下のグリコールエーテル類を混合して、該無水石膏の表面該グリコールエーテル類被覆された表面改質無水石膏材を得、該表面改質無水石膏材を速硬性クリンカー粉砕物と混合してセメント組成物を調製することを特徴とする、セメント組成物の製造方法である。
好適には、表面改質無水石膏材は、速硬性クリンカー粉砕物100質量部に対して、5〜30質量部の割合で添加される。
本発明の表面改質無水石膏材によれば、速硬性セメント組成物の施工に十分な可使時間を確保することができ、施工性を向上させることができるとともに、施工後には、急速な強度発現性を有することができる。具体的には、下記する試験方法で測定したフロー値が200mm、ハンドリングタイムは20分以上で、且つ、3時間圧縮強度が20N/mm以上であることを実現することができる。
また、可使時間も比較的容易に調節できることとなる。
従って、道路や鉄道等の緊急工事や止水工事に有効に用いることができる。
本発明を以下の一例の形態により説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明の表面改質無水石膏材は、無水石膏の表面を、次の一般式;
O(AO)・・・(1)
(式中、R及びRは、水素、アルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基であり、R及びRは同一のものであっても異なったものであってもよく、Aはエチル基、プロピル基又はイソプロピル基であり、nは2〜10の整数を示す)で表され且つ融点が0℃以下のグリコールエーテル類で被覆してなる、表面改質無水石膏材である。
表面無水石膏材に用いることができる無水石膏としては、任意の無水石膏を用いることができ、例えば天然品の無水石膏、フッ酸を製造する際に算出されるフッ酸無水石膏等が例示できる。
また、無水石膏の粒子の大きさは、特に制限されず、通常用いられる無水石膏であれば問題は特に生じない。
好ましくは、ブレーン比表面積4000〜8000cm/gのものが強度発現性の点から望ましい。
表面改質無水石膏は、無水石膏の表面を、次の一般式;
O(AO)・・・(1)
(式中、R及びRは、水素、アルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基であり、R及びRは同一のものであっても異なったものであってもよく、Aはエチル基、プロピル基又はイソプロピル基であり、nは2〜10の整数を示す)で表され且つ融点が0℃以下のグリコールエーテル類で被覆されているものである。
可使時間や早期強度発現性は、無水石膏からの硫酸イオンの溶出が関係しているので、被覆面積や被覆厚みにより調整することも可能である。即ち、被覆面積が多くなればなるほど、また被覆厚みが厚くなればなるほど、可使時間は長くなり、また早期強度発現性も大きくなる。
無水石膏の表面は、全面が前記グリコールエーテル類で被覆されていることが、硫酸イオン溶出の抑制の点から望ましいが、無水石膏の表面の一部が該エーテルで被覆され、使用する表面改質無水石膏全体の表面が90%以上、該エーテルで被覆されていれば、十分な可使時間の確保と早期強度発現性を発現することができる。
具体的には、無水石膏100質量部に対して、上記グリコールエーテル類を0.1〜2.0質量部配合して、被覆する。
該グリコールエーテル類が0.1質量部未満であると、無水石膏の表面を十分に被覆することができず、十分な可使時間の確保が難しくなる場合があり、好ましくない。
一方、該グリコールエーテル類が2.0質量部より多くなると早期強度発現性に支障が生じる場合があり好ましくない。
エーテルとしては、次の一般式;
O(AO)・・・(1)
(式中、R及びRは、水素、アルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基であり、R及びRは同一のものであっても異なったものであってもよく、Aはエチル基、プロピル基又はイソプロピル基であり、nは2〜10の整数を示す)で表され且つ融点が0℃以下のグリコールエーテル類で被覆されているものを用いる。
具体的には、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、
ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル等が例示できる。
上記式中のアルキル基、シクロアルキル基は特に限定されないが、得られるグリコールエーテル類の融点が0℃以下である必要がある。
融点が0℃以下でないと、グリコールエーテル類の常温における粘度が大きくなりすぎ、散布等による被覆が困難となるからである。
なお、該グリコールエーテル類は、水溶液の形態では用いられない。
無水石膏に該グリコールエーテル類を被覆する方法は、特に限定されず、例えば、無水石膏に該グリコールエーテル類を添加して混合する方法が例示できる。混合は、ヘンシェルミキサ、オムニミキサ、V型ミキサやナウターミキサ等の通常混合に使用している装置を用いて、該エーテルを少しずつ添加しながら、例えば噴霧添加しながら混合することができる。
これにより、無水石膏の表面を、該グリコールエーテル類が均一に被覆することが可能となる。
本発明のセメント組成物は、上記本発明の表面改質無水石膏材と、速硬性クリンカー粉砕物とを含有する。
速硬性クリンカー粉砕物としては、12CaO・7Al11CaO・7Al・CaX系(XはF等のハロゲン元素)、3CaO・3Al ・CaSO系等の任意の速硬性クリンカー粉砕物が挙げられ、アルミナセメントも含まれる。
該速硬性クリンカー粉砕物は、例えばブレーン比表面積が4000 〜6000cm/gの粉砕物を好適に使用できる。
これらの速硬性クリンカー粉砕物を単独または2種以上で用いることができる。
該表面改質無水石膏材と、速硬性クリンカー粉砕物との配合は、速硬性クリンカー粉砕物100質量部に対して、表面改質無水石膏材を5〜30質量部配合することが、強度発現性の点から好ましい。表面改質無水石膏材が5質量部未満であると、強度発現性が低下となり好ましくなく、一方30質量部を越えると、異常膨張の原因となり好ましくない。
更に、本発明のセメント組成物には、表面改質無水石膏、速硬性クリンカー粉砕物に加えて、更に凝結遅延剤や減水剤を含むことが可能である。
凝結遅延剤としては、例えば、クエン酸、酒石酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸及びその塩や、リン酸やホウ酸及びその塩等を例示できる、
該凝結遅延剤を含有することで、更に可使時間を長くして十分に確保することができる。
また減水剤としては、例えばポリオール複合体、リグニンスルホン酸塩、オキシカルボン酸塩、ナフタレン系、メラミン系、アミノスルホン酸系、ポリカルボン酸系等を例示できる。
減水剤を含むことで、モルタル、コンクリートのワーカビリティが向上し、所要のコンシシテンシーおよび強度を得るのに必要な単位水量および単位セメント量を減少させ、材料の分離傾向も減少することができる。
さらにこれ以外の成分として、高炉水砕スラグ微粉末、石灰石微粉末、フライアッシュ、シリカフューム、ニ水石膏、半水石膏等の一般的なセメント用混和材を組み合わせても良い。
また、セメント組成物には骨材を含んでいてもよく、骨材としては、細骨材及び粗骨材が挙げられる。ここで、セメントに、骨材として細骨材のみを加えたものは通常モルタルと呼ばれ、骨材として粗骨材と細骨材との両方を加えたものは通常コンクリートと呼ばれる。
ここでセメント組成物には、セメント、モルタル、コンクリートが含まれる。
細骨材としては、陸砂(山砂)、海砂、川砂、砕砂、珪砂、高炉スラグ細骨材、フェロニッケルスラグ細骨材、電気炉酸化スラグ細骨材、銅スラグ細骨材、フェロクロム細骨材、人工軽量細骨材、再生細骨材、溶融スラグ細骨材等が挙げられる。粗骨材としては、陸砂利(山砂利)、海砂利、川砂利、砕石、高炉スラグ粗骨材、人工軽量粗骨材、再生粗骨材、溶融スラグ粗骨材等が挙げられる。
また繊維、増粘剤、起泡剤、着色剤、防錆材、防凍剤等の添加材を、本発明の上記効果を実質的に阻害しない範囲で含むことも可能である。
本発明のセメント組成物は、無水石膏と、次の一般式;
O(AO)
(式中、R及びRは、水素、アルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基であり、R及びRは同一のものであっても異なったものであってもよく、Aはエチル基、プロピル基又はイソプロピル基であり、nは2〜10の整数を示す)で表され且つ融点が0℃以下のグリコールエーテル類とを混合して、該無水石膏の表面に該グリコールエーテル類を被覆して表面改質無水石膏材を得た後に、該表面改質無水石膏材を速硬性クリンカー粉砕物と混合して製造する。
この方法により、有効に容易に本発明のセメント組成物を製造することができる。
表面改質無水石膏材と速硬性クリンカー粉砕物とを混合する際に、上記骨材や添加材や水を施工時に混合してもよいが、好ましくは表面改質無水石膏材と速硬性クリンカー粉砕物とを混合する際には、上記骨材や添加材を予め混合して粉末成分を混合した材料と水とを混合することが、施工現場での計量手間や計量ミスをなくす点で望ましい。
粉末成分を予め混合する装置としては、均一に混合できるものであれば特に限定されず、既存の任意の装置を使用でき、例えば、ヘンシェルミキサ、オムニミキサ、V型ミキサやナウターミキサ等が挙げられる。
該表面改質無水石膏材と、速硬性クリンカー粉砕物との配合は、上記の割合で配合することが好ましい。
また、セメント組成物を施工する際には、適量な水と混合するが、水は、セメント等の硬化に悪影響を及ぼす成分を含有していなければ、水道水や地下水、河川水等の水を用いることができ、例えば、「JIS A 5308 付属書9 レディーミクストコンクリートの練混ぜに用いる水」に適合するものが好ましい。
当該水の量は、特に限定されないが、通常、水/セメント質量比が、0.3〜0.6、好ましくは0.35〜0.55となるように添加調整される。これにより、上記効果をより有効に発現させることができる。
即ち、本発明により、下記試験方法で測定したフロー値が200mm、ハンドリングタイムは20分以上で、且つ、3時間圧縮強度が20N/mm以上であることを実現することができる。
また、十分な可使時間を確保して、施工を容易にするとともに、施工後には、早期に強度を発現することを可能にすることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
使用材料
・無水石膏(フッ酸無水石膏):ブレーン比表面積5500cm/g
・ジエチレングリコール:関東化学株式会社製特級試薬 純度99.5%以上
融点 −6.5℃
・DSR−350:ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル
ADEKA製 純度99%以上
・ジェットセメントクリンカー粉砕物:ブレーン比表面積4400cm/g、
住友大阪セメント株式会社製
・珪砂6号
・マイティ150:ナフタレンスルホン酸塩減水剤、花王株式会社製
・クエン酸:関東化学株式会社製特級試薬
・水:水道水
(実施例1〜2)
無水石膏(フッ酸無水石膏)100質量部に、ジエチレングリコール又はDSR−350を0.5質量部噴霧添加しながら、それぞれロッキングミキサにて6時間混合して、該無水石膏に、改質材としてのジエチレングリコール又はDSR−350を被覆させて、表面改質無水石膏を得た。
得られた改質無水石膏16.5質量部と、ジェットセメントクリンカー粉砕物を83.5質量部混合して、超速硬セメント(ジェットセメント)を製造し、更に該超速硬セメント100質量部に対して、珪砂6号を120質量部混合して、モルタルプレミクス製品を製造した。
温度20℃で、該各モルタルプレミクス製品2.2kgに対して、水を360g、マイティ150を20g、クエン酸3gを、ホバートミキサを用いて1分間混練を行い、それぞれモルタルを調製した。
(比較例1)
無水石膏に表面改質を施さないで、無水石膏をそのまま用いてモルタルプレミクス製品を製造した以外は、実施例1と同様にして、モルタルを調製した。
(比較例2)
0.5質量部のジエチレングリコール又はDSR−350の代わりに、1.0質量部の水を用いて、無水石膏を改質した以外は、実施例1と同様にして、モルタルを調製した。
(比較例3〜4)
無水石膏16.5質量部と、ジェットセメントクリンカー粉砕物を83.5質量部混合して、超速硬セメント(ジェットセメント)を製造し、更に該超速硬セメント100質量部に対して、珪砂6号を120質量部混合して、モルタルプレミクス製品を製造した。
次いで、温度20℃で、該モルタルプレミクス製品2.2kgに対して、ジエチレングリコール又はDSR350をそれぞれ0.83g、水を360g、マイティ150を20g、クエン酸3gを、ホバートミキサを用いて1分間混練を行い、それぞれモルタルを調製した。
(試験例)
上記実施例1〜2及び比較例1〜4で得られた各モルタルを用いて、フロー値、ハンドリングタイム、3時間圧縮強度試験を測定した。
その結果を下記表1に示す。
但し、各試験は以下に示す方法で実施した。
(1)フロー値:アクリル板上に置いたJIS R 5201に規定するフローコーンに、各モルタルを流し込み、該フローコーンを引き上げた後の各モルタルの広がりをフロー値として測定した。
(2)ハンドリングタイム:JIS R 5201に規定するセメントペースト容器に、各モルタルを流し込み、ビガー針装置の先端に径1インチ、高さ2インチの円錐コーンを取り付けたもので、コーンの針入深さが1.5mmとなる時間をハンドリングタイムとして測定した。
(3)3時間圧縮強度:JIS R 5201に規定する強さ試験に準じて、材齢3時間でのモルタルの圧縮強度を測定した。
Figure 0005605282
上記表1の結果から、本発明の実施例においては、フロー値が比較例1と比べて大きく、またハンドリングタイムも増加し、更には3時間圧縮強度も増進していることが明確であり、施工時の適切なモルタルの軟度、可使時間の確保が可能となり、施工後もより高い強度を発現することができることが可能となる。具合的には、本発明によれば、フロー値が200mm、ハンドリングタイムは20分以上で、且つ、3時間圧縮強度が20N/mm以上であることを実現することができる。
また、水で無水石膏を改質した比較例では、実施例と比較して、ハンドリングタイム及び3時間圧縮強度に劣ることがわかる。
更に、無水石膏を予めジエチレングリコールやDSR−350で改質せず、モルタルを調製する際にジエチレングルコールやDSR−350を添加(後添加)しても、実施例と比較して、ハンドリングタイム及び3時間圧縮強度に劣ることがわかる。
本発明は、橋梁、ビル、道路、トンネル等の建築・土木分野におけるコンクリート構造物の緊急工事等の補修工事に有効に用いることができる。

Claims (4)

  1. 無水石膏にのみ、次の一般式;
    O(AO)・・・(1)
    (式中、R及びRは、水素、アルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基であり、R及びRは同一のものであっても異なったものであってもよく、Aはエチル基、プロピル基又はイソプロピル基であり、nは2〜10の整数を示す)で表され且つ融点が0℃以下のグリコールエーテル類を混合して、該無水石膏の表面該グリコールエーテル類被覆された表面改質無水石膏材を得、該表面改質無水石膏材を速硬性クリンカー粉砕物と混合してセメント組成物を調製することを特徴とする、セメント組成物の製造方法。
  2. 請求項記載のセメント組成物の製造方法において、該表面改質無水石膏材は、速硬性クリンカー粉砕物100質量部に対して、5〜30質量部の割合で添加されることを特徴とする、セメント組成物の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載のセメント組成物の製造方法において、無水石膏100質量部に対してグリコールエーテル類を0.1〜2.0質量部混合して、該無水石膏の表面が該グリコールエーテル類で被覆された表面改質無水石膏材を得ることを特徴とする、セメント組成物の製造方法。
  4. 請求項1〜3いずれかの項記載のセメント組成物の製造方法により得られたセメント組成物。
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