JP6133598B2 - 速硬性グラウト組成物及び速硬性グラウト材 - Google Patents

速硬性グラウト組成物及び速硬性グラウト材 Download PDF

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Description

本発明は、速硬性グラウト組成物及び速硬性グラウト材に関する。詳しくは、高い流動性があり且つ短時間で高い静弾性係数が得られる速硬性グラウト組成物及び速硬性グラウト材に関する。
土木構造物や建築構造物の構築又は補修、或いは機械の設置等において、流動性の高いセメント系グラウト材が用いられている。道路や鉄道等の構造物の補修工事等のように工事できる時間が限られている場合のように、グラウト材の充填後速やかに強度発現する速硬性グラウト材が使用されることもあり、速硬性グラウト材が提案されている(例えば特許文献1〜3参照)。
しかし、補修工事における部材同士の接合部分の定着やボルトの固定等グラウト材の使用箇所によっては、速やかに高い強度が必要なだけではなく、速やかに硬くなる、即ち、速やかに静弾性係数が高くなるグラウト材が必要な場合がある。
特開平10−110167号公報 特開2007−191332号公報 特開平07−309658号公報
本発明は、混練後の流動性が高く且つ硬化後速やかに高い静弾性係数が得られる速硬性グラウト組成物及び速硬性グラウト材を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題解決のため鋭意検討した結果、特定のセメントと、特定の混和材料と、特定の細骨材を含有することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明は、以下の(1)〜(4)で表す速硬性グラウト組成物、及び(5)で表す速硬性グラウト材である。
(1)珪酸カルシウムを主成分とするセメントと、エトリンガイト系速硬材と、細骨材を含有し、前記細骨材中における重量骨材の含有率が50質量%以上であり、結合材100質量部に対し、230〜300質量部となる量の細骨材を含む速硬性グラウト組成物。
(2)結合材100質量部に対し、230〜250質量部となる量の細骨材を含む上記(1)の速硬性グラウト組成物。
(3)上記エトリンガイト系速硬材がカルシウムアルミネート類と石膏を主成分とする上記(1)又は(2)の速硬性グラウト組成物。
(4)上記重量骨材の硬度が6.0以上である上記(1)〜(3)何れかの速硬性グラウト組成物。
(5)上記(1)〜(4)何れかの速硬性グラウト組成物と、該速硬性グラウト組成物100質量部に対し10〜20質量部の水とを混練してなる速硬性グラウト材。
本発明によれば、混練後の流動性が高く且つ硬化後速やかに高い静弾性係数が得られる速硬グラウト組成物が得られる。また、本発明によれば、流動性が高く且つ硬化後速やかに高い静弾性係数が得られる速硬性グラウト材が得られる。本発明によれば、J14漏斗流下時間が8±4秒以内と流動性が高く、且つ材齢1時間における静弾性係数が15kN/mm 以上と高い速硬性グラウト組成物及び速硬性グラウト材が得られる。

本発明の速硬性グラウト組成物は、珪酸カルシウムを主成分とするセメントと、エトリンガイト系速硬材と、細骨材を含有し、前記細骨材中における重量骨材の含有率が25質量%以上である。なお、%は特に示す場合および単位固有の場合を除き質量%である。
珪酸カルシウムを主成分とするセメントとしては、各種ポルトランドセメント、フライアッシュ・高炉スラグ・シリカフュームなどが任意の割合で混和された混合セメント、エコセメントなどが使用可能である。ここで珪酸カルシウムを主成分とするとは、含まれるセメントクリンカ粉砕物中において珪酸カルシウム鉱物(CS、CS)を50質量%以上含むことをいい、好ましくは60質量%以上含むことをいい、より好ましくは70質量%以上含むことをいう。
本発明におけるエトリンガイト系速硬材とは、水和反応或いは水及びセメントとの反応によりエトリンガイト(3CaO・Al・3CaSO・32HO)を生成する急硬材を云い、カルシウムアルミネート類と石膏を含有する急硬材が好ましい。
本発明におけるカルシウムアルミネート類とは、CaOをC、AlをA、及びFeをF、NaOをNとして表したとき、CA、CA、C12、C、CA、C、又はCA等と表示される鉱物組成を有するカルシウムアルミネート、CAF及びCAF等と表示されるカルシウムアルミノフェライト、カルシウムアルミネートにハロゲンが固溶又は置換したC・CaFやC11・CaF等と表示される(但し、ここにおけるFはFeではなくフッ素元素を意味する。)カルシウムフロロアルミネートを含むカルシウムハロアルミネート、CNAやC等と表示されるカルシウムナトリウムアルミネート、カルシウムリチウムアルミネートや、一般的に市販されているアルミナセメントや超速硬セメント、並びにこれらにSiO、KO、Fe、TiO等が固溶又は化合したものを総称するものである。
カルシウムアルミネート類を得る方法としては、CaO原料とAl原料等をロータリーキルンや電気炉等によって熱処理して得る方法が挙げられる。カルシウムアルミネート類を製造する際のCaO原料としては、例えば、石灰石や貝殻等の炭酸カルシウム、消石灰等の水酸化カルシウム、あるいは、生石灰等の酸化カルシウムを挙げることができる。また、Al2O3原料としては、ボーキサイト、石油化学工業等より排出される廃アルミナ触媒等のアルミナ廃棄物、アルミ鉱滓(アルミドロス)やその精錬過程で発生するアルミ残灰、アルミニウム切削屑等の廃金属アルミニウム、アルミニウム粉末等が挙げられる。
カルシウムアルミネート類の粉末度は、ブレーン比表面積で3500cm/g以上とすると、添加量が少ない場合においても急硬性が得られやすいことから好ましい。より好ましい粉末度はブレーン比表面積で4000cm/g以上とする。また、カルシウムアルミネート類の粉末度はあまり高くすると経済的でなく流動性も低下することから、好ましくはブレーン比表面積で10000cm/g以下、更に好ましくは8000cm/g以下とする。
本発明における石膏とは、無水石膏、二水石膏又は半水石膏を主成分とする粉末であれば特に限定されないが、強度増 進作用の観点からII型無水石膏を主成分とするものが好ましい。石膏は、セメント中のアルミネート相やカルシウ ムアルミネート類等と反応しエトリンガイトを生成させ、これにより硬化体の収縮を抑制することができるとともに、初期強度を高める。使用する石膏の粉末度はブレーン比表面積で3000cm/g以上のものが、反応活性が得られるので好ましい。より好ましくは粉末度が4000cm/g以上のものがよい。粉末度の上限は特に限定されないが、粉末度を高めるとコストが嵩む割にはその効果が鈍化することから概ねブレーン比表面積で10000cm/g以下とすることが適当である。
石膏の含有量はカルシウムアルミネート類100質量部に対し25〜50質量部が好ましい。25質量部未満では強度が不足する虞がある。50質量部を超えると、流動性が低下し、必要な流動性を確保するために水量を増加させると強度が不足する。強度が高く且つ流動性が得易いことから、石膏の含有量をカルシウムアルミネート類100質量部に対し、30〜40質量部とすることがより好ましい。
エトリンガイト系速硬材の含有量は、珪酸カルシウムを主成分とするセメント100質量部に対し90〜150質量部が好ましく、110〜130質量部がより好ましい。90質量部未満では低温環境下において初期強度が不足する虞があり、150質量部を超えると充填可能な流動性が得られる時間、即ち可使時間が短くなる。
本発明に用いる細骨材は、重量骨材を25質量%以上含有する細骨材を用いる。細骨材全てが重量骨材でもよい。本発明に用いる重量骨材としては、密度3.0〜6.5g/cmのものが好ましい。密度3.0g/cm未満では、短時間で高い静弾性係数が得られ難く、密度6.5g/cmを超えると重量骨材が沈降し易くなる。また、用いる重量骨材が、モース硬度6以上のものが短時間に高い静弾性係数を得易いことから好ましく、モース硬度7以上のものがより好ましい。本発明で用いる重量骨材としては、例えば、橄欖岩、柘榴石、重晶石、針鉄鉱、褐鉄鉱、バリウム方解石、銅スラグ、フェロニッケルスラグ、フェロクロムスラグ、クロマイト、電気炉酸化スラグ骨材等が好ましい例として挙げられ、これらの一種又は二種以上を使用できる。本発明で用いる細骨材には、重量骨材以外の細骨材を75質量%まで含有することができる。重量骨材以外の細骨材(普通骨材からなる細骨材)の含有率が75質量%を超える、即ち重量骨材の含有率が25質量%未満では、短時間に高い静弾性係数が得られない。重量骨材以外の細骨材としては、モース硬度5以上のものが短時間に高い静弾性係数が得られ易いことから好ましく、モース硬度6以上のものがより好ましい。重量骨材以外の細骨材としては、例えば、川砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂、高炉スラグ細骨材等のうち密度3.0g/cm未満のものを用いることができる。好ましくは、モース硬度5以上のものが短時間に高い静弾性係数が得られ易いことから好ましく、モース硬度6以上のものがより好ましい。
本発明に用いる細骨材の含有量は、結合材100質量部に対し160〜300質量部とすることが好ましい。160質量部未満では短時間の静弾性係数が不足する虞があり、300質量部を超えると材料分離を起こし易い。より高い静弾性係数が得られ且つ材料分離を起こし難いことから、細骨材の含有量は、結合材100質量部に対し180〜280質量部とすることがより好ましく、200〜250質量部とすることが最も好ましい。ここで、結合材とは、セメント、エトリンガイト系速硬材、高炉スラグ粉末等の潜在水硬性物質及びシリカフューム等のポゾランをいう。
本発明の速硬性グラウト組成物には、珪酸カルシウムを主成分とするセメント、細骨材材及びエトリンガイト系速硬材以外に、他の混和材料及び粗骨材から選ばれる一種又は二種以上を本発明の効果を実質損なわない範囲で併用することができる。この混和材料としては、例えばセメント分散剤(減水剤、高性能減水剤、AE減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤等を含む。)、セメント用ポリマー、増粘剤、膨張材、防水材、防錆剤、収縮低減剤、保水剤、顔料、繊維、撥水剤、白華防止剤、急結剤(材)、上記以外の急硬剤(材)、凝結遅延剤、発泡剤、消泡剤、高炉スラグ微粉末、シリカフュームやフライアッシュ等のポゾラン、石粉、撥水剤、表面硬化剤等が挙げられる。また、粗骨材としては、例えば、川砂利、陸砂利、砕石、高炉スラグ細骨材、電気炉酸化スラグ粗骨材等のスラグ粗骨材及び人工軽量粗骨材等が挙げられる。また、本発明で使用される混和材料は、粉末状でも水溶液状でも使用可能であるが、施工現場で複雑な計量操作等を必要とせずに、所定量の水を計量し混練するだけですぐに使用できるように、本発明のセメント組成物が配合成分の全てが予め混合され粉末状である所謂「プレミックス製品」であるほうが施工現場での作業性が良い為、使用する混和材料自体も全て粉末状であることが好ましい。
本発明の速硬性グラウト組成物には、アルカリ金属炭酸塩を含有することが好ましい。上記成分とアルカリ金属炭酸塩を併用することで、流動性を確保し易くなり、可使時間を長くできる。アルカリ金属炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム及び重炭酸リチウム等が挙げられ、炭酸リチウムと炭酸リチウム以外のアルカリ金属炭酸塩を併用することが好ましく、炭酸リチウムと炭酸ナトリウムを併用することが最も好ましい。本発明においてアルカリ金属炭酸塩の含有量は、結合材100質量部に対し、流動性を得易く且つ可使時間を長くできることから、0.4〜1質量部とすることが好ましく、より好ましくは0.6〜0.8質量部とする。
また、本発明の速硬性グラウト組成物には、流動性を確保し易くなり且つ可使時間を長くできることから、遅延剤を含有することが好ましい。本発明に使用する遅延剤としては、珪酸カルシウム鉱物の水和を遅延するものであれば使用できるが、可使時間を長く確保した上で短時間の静弾性係数を高くすることができることから、オキシカルボン酸及びオキシカルボン酸塩から選ばれる一種又は二種以上を用いることが好ましく、オキシカルボン酸及びオキシカルボン酸塩としては、例えばクエン酸、グルコン酸、酒石酸、ヘプトン酸、並びにこれらの塩等が挙げられる。オキシカルボン酸塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等が好適な例として挙げられる。本発明において遅延剤の含有量は、結合材100質量部に対し、流動性を得易く、可使時間を長く且つ短時間の静弾性係数を高くすることができることから、0.05〜0.6質量部とすることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.4質量部とする。
また、本発明の速硬性グラウト組成物には、流動性を確保し易くなり且つ短時間の静弾性係数を高くすることができることから、セメント分散剤を含有することが好ましい。本発明に使用するセメント分散剤としては、流動性を確保した上で短時間の静弾性係数をより高くすることができることから、高性能減水剤及び高性能AE減水剤から選ばれる一種又は二種以上を用いることが好ましい。セメント分散剤としては、例えば、ポリカルボン酸塩系、ナフタレンスルホン酸塩系、メラミンスルホン酸塩系、リグニンスルホン酸塩系などのセメント分散剤を用いることができる。本発明においてセメント分散剤の含有量は、結合材100質量部に対し、流動性を得易く且つ短時間の静弾性係数を高くすることができることから、0.1〜1質量部とすることが好ましく、より好ましくは0.2〜08質量部とする。
本発明の速硬性グラウト組成物を製造する方法は、特に限定されず、例えば、重力式コンクリートミキサ、ヘンシェル式ミキサ、ナウターミキサ、レーディゲミキサ、V型混合器、リボンミキサ、パドルミキサ等のミキサを使用し、所定量の本発明の速硬性グラウト組成物の各材料を混合することで好適に製造することができる。このとき用いるミキサは、連続式ミキサでもバッチ式ミキサでも良い。各材料のミキサ内への投入順序は特に限定されない。一種ずつ添加してもよく、一部又は全部を同時添加してもよい。また、袋やポリエチレン製容器等の容器に各材料を計り取り投入する方法により、本発明の速硬性グラウト組成物を製造することもできる。
本発明の速硬性グラウト組成物は、水を混練に用いる。混練する方法は特に限定されず、例えば水に本発明の速硬性グラウト組成物を全量加え混練する方法、水に速硬性グラウト組成物を混練しながら加えさらに混練する方法、本発明の速硬性グラウト組成物に水を混練しながら加えさらに混練する方法、水及び本発明の速硬性グラウト組成物のそれぞれ一部ずつを2つ以上に分けて混練し、混練したものを合わせてさらに混練する方法等がある。また、混練に用いる器具や混練装置も特に限定されないが、ミキサを用いることが量を多く混練できるので好ましい。用いることのできるミキサとしては連続式ミキサでもバッチ式ミキサでも良く、例えばパン型コンクリートミキサ、パグミル型コンクリートミキサ、重力式コンクリートミキサ、グラウトミキサ、オムニミキサ、ハンドミキサ、左官ミキサ等が挙げられる。また、本発明の速硬性グラウト組成物の混練に用いる水量は、流動性を確保し易くなり且つ短時間の静弾性係数を高くすることができることから、速硬性グラウト組成物100質量部に対し10〜20質量部とすることが好ましく、流動性を得易く且つ短時間の静弾性係数を高くすることができることから、12〜15質量部とすることがより好ましい。
本発明の速硬性グラウト材は、上記速硬性グラウト組成物100質量部に対し10〜20質量部の水とを混練してなる速硬性グラウト材である。
[実施例1]
重量骨材からなる細骨材2種類と普通骨材からなる細骨材1種類を、表1に示す配合割合で混合することで、5種類の細骨材を作製した。珪酸カルシウムを主成分とするセメントとエトリンガイト系速硬材の合計(結合材)100質量部に対し、作製した細骨材230質量部、アルカリ金属炭酸塩0.75質量部、セメント分散剤0.40質量部、消泡剤0.03質量部及び遅延剤0.20質量部を乾式混合することで、速硬性グラウト組成物を5種類(配合No.1〜5)作製した。このときのエトリンガイト系速硬材の含有量は、珪酸カルシウムを主成分とするセメント100質量部に対し120質量部とした。また、エトリンガイト系速硬材は、カルシウムアルミネート類100質量部に対し35質量部とした。また、アルカリ金属炭酸塩は、炭酸リチウム100質量部に対し、炭酸ナトリウム100質量部とした。使用材料を以下に示した。
<使用材料>
・重量骨材a : 橄欖岩からなる細骨材(密度;3.25g/cm、モース硬度;7.0)
・重量骨材b : 電気炉酸化スラグ細骨材(密度;4.00g/cm、モース硬度;8.0)
・普通骨材 : 珪砂(密度;2.60g/cm、モース硬度;7.0)
・珪酸カルシウムを主成分とするセメント : 普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製、珪酸カルシウム鉱物を70質量%以上含有)
・カルシウムアルミネート類 : アルミナセメント(主成分;CaO・Al
・石膏 : II型無水石膏(ブレーン比表面積;7500cm/g)
・炭酸リチウム : 無水炭酸リチウム(試薬、関東化学社製)
・炭酸ナトリウム : 無水炭酸ナトリウム(試薬、関東化学社製)
・セメント分散剤 : ナフタレンスルホン酸系高性能減水剤(商品名「マイティ100」、粉末状、花王社製)
・消泡剤 : サンノプコ社製消泡剤(商品名「SNディフォーマーAHP」、粉末状)
・遅延剤 : クエン酸ナトリウム(試薬、関東化学社製)
Figure 0006133598
作製した速硬性グラウト組成物100質量部と水道水13質量部をハンドミキサで混練し、速硬性グラウト材を5種類作製した。まず、金属性円筒容器(直径:24cm、深さ:25cm)に、水道水780gを入れ、ハンドミキサ(回転数:1000r.p.m.、攪拌羽根:直径100mm円盤)の攪拌羽根が水に接する状態で該羽根を回転させながら、速硬性グラウト組成物6000gを投入し、その後90秒間混練した。混練前の各材料の温度は20℃に調整し、混練、供試体作製及び流動性試験は、20℃の恒温室内で行った。作製したグラウト材(グラウトモルタル)の品質試験として、以下に示す試験を行い、J14漏斗による流下時間、可使時間、短時間材齢(材齢1時間及び材齢3時間)の圧縮強度、静弾性係数を求めた。試験結果を、表2に示した。
<品質評価試験>
・流動性試験
土木学会基準JSCE−F 541−1999「充填モルタルの流動性試験方法」に従い、J14漏斗を用いて、混練直後の流下時間を測定した。
・凝結試験
JIS A 1147「コンクリートの凝結時間試験方法」に準じて、作製した速硬性グラウト材(モルタル)の始発時間を測定した。作製した速硬性グラウト材は速硬性のため、始発時間の直前まで充填作業が可能な流動性を有していることから、始発時間を可使時間として評価した。
・圧縮強度試験
土木学会基準JSCE−G 505−2010「円柱供試体を用いたモルタルまたはセメントペーストの圧縮強度試験方法」に準じ、材齢1時間及び材齢3時間における圧縮強度を測定した。供試体の寸法は、直径50mm、高さ100mmとした。また、養生は20℃の恒温槽内で、材齢の直前まで型枠のまま湿潤養生とした。
・静弾性係数試験
。JIS A 1149「コンクリートの静弾性係数試験方法」に準じて、作製した作製した速硬性グラウト材(モルタル)の材齢1時間と材齢3時間の静弾性係数を求めた。
本発明の実施例に当たる速硬性グラウト組成物(配合No.1〜4)は、流動性に優れ、可使時間も充分であり、材齢1時間及び3時間における圧縮強度、静弾性係数ともに高かった。特に、細骨材中の重量骨材の含有率が50〜100質量%である速硬性グラウト組成物(配合No.1,2及び4)は、材齢1時間及び3時間における静弾性係数が高く優れていた。それに比べ、普通骨材のみ用いた配合No.5の速硬性グラウト組成物は、材齢1時間及び3時間における静弾性係数が、実施例に当たるものに比べて低かった。
Figure 0006133598

[実施例2]
実施例1で用いた細骨材1を用いて、結合材に対する細骨材の配合割合を変えた以外は実施例1と同様に速硬性グラウト組成物を3種類(配合No.6〜8)作製し、その品質評価試験も実施例1と同様に行った。品質評価試験の結果を、結合材に対する細骨材の配合割合とともに表3に示した。実施例1の配合No.1の速硬性グラウト組成物についても、試験結果を表3に合わせて示した。
Figure 0006133598

4配合速硬性グラウト組成物とも、流動性に優れ、可使時間も充分であり、材齢1時間及び3時間における圧縮強度、静弾性係数ともに高かった。結合材100に対する細骨材の配合割合が180質量以上である速硬性グラウト組成物(配合No.1,7,8)は、材齢1時間及び3時間における静弾性係数が特に高く優れていた。
本発明は、土木構造物や建築構造物の構築又は補修、或いは機械の設置等に用いることができる。特に道路や鉄道等の構造物の補修工事等のように工事できる時間が限られ、且つグラウト材の充填後速やかな強度発現が必要とされている箇所に好適に用いることができる。とりわけ、速やかに高い静弾性係数が必要な箇所の充填工事に好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 珪酸カルシウムを主成分とするセメントと、エトリンガイト系速硬材と、細骨材を含有し、前記細骨材中における重量骨材の含有率が50質量%以上であり、結合材100質量部に対し、230〜300質量部となる量の細骨材を含む速硬性グラウト組成物。
  2. 結合材100質量部に対し、230〜250質量部となる量の細骨材を含む請求項1に記載の速硬性グラウト組成物。
  3. 上記エトリンガイト系速硬材がカルシウムアルミネート類と石膏を主成分とする請求項1又は請求項2に記載の速硬性グラウト組成物。
  4. 上記重量骨材の硬度が6.0以上である請求項1〜請求項3の何れかに記載の速硬性グラウト組成物。
  5. 請求項1〜請求項4の何れかに記載の速硬性グラウト組成物と、該速硬性グラウト組成物100質量部に対し10〜20質量部の水とを混練してなる速硬性グラウト材。
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