JP5145918B2 - 水中不分離性セメント系充填組成物及び水中不分離性セメントモルタル - Google Patents

水中不分離性セメント系充填組成物及び水中不分離性セメントモルタル Download PDF

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Description

本発明は水中環境下で使用する水中不分離性セメント系充填組成物及び水中不分離性セメントモルタルに関し、特に、水中環境下での不分離性や長期の高流動性を保有するため、河川や海中等に存在する建築構造物への注入若しくは充填材として利用することができる、水中不分離性セメント系充填組成物及び当該セメント系充填組成物を用いた水中不分離性セメントモルタルに関する。
従来より、水中環境下での土木・建築構造物、例えば永久型枠等の間隙へモルタルあるいはグラウトを充填する方法として、まず当該間隙内の水を水中ポンプ等を用いて除去し、次いで、気中で使用するモルタルあるいはグラウト材を打設する方法が一般的に実施されている。
しかし、このような気中で使用するモルタルあるいはグラウト材を水中環境下の間隙部へ適用する場合は、間隙部の水をくみ出すことが必要であるため、工程数が多くなり、施工効率が低下するという問題がある。
また、水中環境下のコンクリート構造物等の土木・建築構造物の間隙内に存在する水を除去することなく、該間隙に打設可能なグラウト材も開発されているが、水中不分離性を持たせるために水材料比を低くして減水剤および増粘剤を添加する材料や、更には、モルタルやグラウト材に急結剤を添加して、水中環境現場での急結性により水中不分離性能を保持させる材料が提案されている。
しかし、上記水材料比を低くして減水剤および増粘剤を多く添加する材料は、水中不分離性を確保するため混合水量を少なくし、増粘剤を多く添加しているため、流動性に欠けることとなり、該流動性保持を目的として、更に減水剤が多く添加されているものであるが、通常の気中で使用される充填材料(グラウト材)の流動性と比較すると流動性は劣ってしまうという問題がある。
従って、水中環境下での土木・建築構造物の間隙部へ充填する充填材として、前記材料を用いるためには、水中での注入孔を多く設ける必要がある。
また、一方、かかる材料の流動性を確保するために、現場で混合水量を増加したり、減水剤を多く添加したりすると、水中不分離性能が低下し、水中での材料分離を招くこととなる。
更に、上記急結剤を添加する材料は、現場での各種混和材料の計量の必要性が多くなり、また注入ホース先での急結剤の添加などの手間と作業員による人為的ミスが生じることが懸念され、施工性が劣るという問題がある。
特許第3638308号公報には、早期強度や寸法安定性を良好とすることを目的としたセメント組成物が開示されており、具体的には、セメント、アルミノケイ酸カルシウムガラス、セッコウ類、並びに、各篩寸法の通過量として5mmが0〜10質量%、2.5mmが5〜30質量%、1.2mmが15〜40質量%、0.6mmが5〜30質量%、0.3mmが10〜30質量%、及び0.15mm以下が0〜25質量%の重量骨材を主成分とするセメント組成物が記載されている。
しかし、上記特許のセメント組成物は重量骨材を用いているもので、重量骨材を使用した場合には材料分離抵抗性が低下し、初期の材料分離が懸念され、従って上記特許では、早期強度の発生を早めるために、急硬成分であるアルミノケイ酸カルシウムガラスや石膏を、セメントと混合する必須成分としなければならない。
また、上記特許のセメント組成物は、水中での不分離性を保持させることは困難であるという問題がある。
特許第3638308号
本発明の目的は、上記問題を解決し、現場での混合水量の増加や減水剤の多量の添加を行うことなく、極めて高い流動性と自己充填性を有し、初期及び長期に渡って流動性を維持することができ、水中環境下で使用しても、水中不分離性と高流動性が確保できる、セメント系充填組成物及び、当該セメント系充填組成物を用いたセメントモルタルを提供することである。
本発明者らは、上記課題を達成するために、セメント、特に普通セメントに、増粘剤及び減水剤を添加し、更には粒度を調整した細骨材を含有することにより、極めて高い流動性と自己充填性を兼ね備えたセメント系充填組成物及びセメントモルタルを得られることを見出し、本発明を達成した。
すなわち、本発明のセメント系充填組成物は、固体換算で、セメント60〜98質量%、減水剤0.01〜5.00質量%、増粘剤0.05〜5.00質量%を含む細骨材以外のセメント材料と細骨材とからなるセメント系充填組成物であって、前記細骨材は、セメント充填組成物中30〜60質量%の割合で含まれ、かつその粒度分布は、106<粒径(x)≦150μmが0.5質量%、150<粒径(x)≦212μmが2.0質量%、212<粒径(x)≦300μmが4.0質量%、300<粒径(x)≦429μmが8.0質量%、429<粒径(x)≦600μmが10.0質量%、600<粒径(x)≦850μmが10.0質量%、850<粒径(x)≦1180μmが20.0質量%、1180<粒径(x)≦1700μmが40.0質量%、1700<粒径(x)≦2360μmが5.0質量%であることを特徴とする、水中不分離性セメント系充填組成物である。
好ましくは、上記本発明のセメント系充填組成物において、更に、該細骨材以外のセメント材料中に膨張剤(固体換算)を1〜4質量部含むことを特徴とすることが望ましく、更には、前記本発明のセメント系充填組成物において、セメントは普通セメント、減水剤はポリカルボン酸系減水剤、細骨材は珪砂を用いることが、より望ましい。
本発明の水中不分離セメントモルタルは、上記本発明のセメント系充填組成物に、施工現場で、水/セメント比(質量比)が30〜70%となるように水を混合してなるものであり調整が極めて簡便である。
なお、本発明において、細骨材の粒度は、JIS A 1102「骨材のふるい分け試験方法」に準じて測定した値を示す。
本発明の水中不分離性と長期に渡る高流動性を併せ持つセメント系充填組成物及び当該セメント系充填組成物を用いたセメントモルタルは、従来のセメント系充填組成物と比較して、初期の流動性が大きいとともに、練上がりから一定の時間(60〜120分程度)が経過した場合においても、良好な流動性を有することができ、水中環境下での不分離性、高流動性および自己充填性を備えているため、河川、海中など水中環境下に存在する永久型枠内あるいは鋼板巻き立て鋼板と構造部材との間隙部に存在する水を除去することなく、注入もしくは充填することが可能である。
更に、現場で本発明のセメント系充填組成物に水を、施工現場で混合することのみで、水中不分離性能を保持する充填セメントモルタルを製造することが可能であるため、施工工程が複雑ではなく極めて簡便に実施でき、施工効率を向上させることができる。
本発明を次の好適例により詳細に説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明の水中不分離性セメント系充填組成物は、固体換算で、セメント60〜98質量%、減水剤0.01〜5.00質量%、増粘剤0.05〜5.00質量%を含む細骨材以外のセメント材料と、特定の粒度分布に調整した細骨材とからなるセメント系充填組成物である。
このように、セメントと減水剤と増粘剤と細骨材とを必須主成分として特定の配合割合で配合させ、かつ細骨材の粒度分布を、以下に規定する特定の粒度分布とすることで、水中不分離性に優れ、初期及び長期にわたり高流動性を保持することが可能となり、水中環境下での適用に優れた性能を有することとなる。
なお、下記セメント、減水剤及び増粘剤、必要に応じて添加される膨張剤や下記各種添加剤を配合した材料(細骨材は含まず)を、本発明において、「セメント材料」と称している。
本発明の水中不分離性セメント系充填組成物に配合されるセメントとしては、現場の施工条件等を考慮して選定することができ、例えば普通、早強、白色、耐硫酸、中庸熱、低熱及び超早強硬等の各種ポルトランドセメント、これらの各種ポルトランドセメントにフライアッシュや高炉スラグなどを混合した、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメント、エコセメント、アルミナセメント、ジェットセメント、セメント系固化材などの各種混合セメントが例示でき、これらは、単独でも2種以上を混合して用いても良い。
特に経済的かつ汎用性の面、更には特に、後述する特定の粒度分布を有する細骨材と組み合わせて水中での優れた材料分離抵抗性を持たせる点から、普通セメントを用いることが好適である。
また、該セメントには、高炉スラグ粉末、フライアッシュ、シリカヒューム、石灰石粉末、石英粉末、二水石膏、半水石膏、無水石膏等の公知の混和材を添加することができ、その配合割合は、特に限定されず、適宜設計することができる。
細骨材以外の材料を混合したセメント材料中、固体換算で、上記セメントは、60〜98質量%含まれ、好ましくは80〜90質量%含まれる。
かかる範囲でセメントを含むと、セメント自身が保有する粘性を有効利用することができるとともに、目標とする強度発現性を十分満足するからである。
即ち、セメントが60質量%未満では、強度発現性が乏しくなり、また98質量%を越えると水中不分離性を有するに至らない材料となり、好ましくないからである。
また、本発明のセメント系充填組成物に配合される減水剤としては、ポリカルボン酸系、リグニンスルフォン酸系、オキシ有機酸系、ナフタレン系、メラミン系等の公知のものが使用することができるが、収縮を低減させる観点から、減水効果の大きいポリカルボン酸系減水剤の使用が望ましい。
本発明のセメント系充填組成物においては、上記細骨材以外の材料を混合したセメント材料中、固体換算で、前記減水剤は0.01〜5.00質量%含まれ、好ましくは0.5〜1.5質量%含まれる。
かかる範囲であると、後述する特定の粒度分布を有する細骨材との配合とともに、極めて高い流動性と自己充填性を備えることとなる点から望ましい。
即ち減水剤が、0.01質量%未満では、流動性および自己充填性が得られず、また、5.00質量%超えて混合されると、粘性が低下し、水中不分離性能が低下するとともに、材料分離を引き起こす恐れがある。
更に、本発明のセメント系充填組成物に配合される増粘剤としては、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのメチルセルロース誘導体、ポリビニルアルコール等が例示でき、特にヒドロキシメチルセルロース系増粘剤が少量添加での増粘性の向上、及び、水中不分離性の向上の点から好ましい。
本発明のセメント系充填組成物においては、上記細骨材以外の材料を混合したセメント材料中、固体換算で、前記増粘剤は0.05〜5.00質量%含まれ、好ましくは0.1〜1.0質量%含まれる。
かかる範囲であると、大気中での不分離性のみならず、水中環境下での使用でも、良好な水中不分離性を保有することができることとなる。
即ち増粘剤が、0.05質量%未満では、増粘性が低下するため水中不分離性が得られず、また、5.00質量%を超えて混合すると、増粘性が著しく高くなり、流動性を阻害するとともに、強度遅延を引き起こす恐れがある。
また、本発明のセメント系充填組成物には、好ましくは、膨張剤が配合される。
膨張剤としては、酸化カルシウム系、カルシウムサルファアルミネート系の公知の膨張剤を例示することができる。
該膨張剤は、上記細骨材以外の材料を混合したセメント材料中、固体換算で、1〜4質量%含まれ、好ましくは1.0〜2.0質量%含まれる。
かかる範囲であると、材料の収縮低減効果を十分に発揮することとなり、より好ましい。
必要に応じて、本発明のセメント系充填組成物を構成するセメント材料中には、硬化促進剤、消泡剤、発泡剤、防錆剤、着色剤等の各種添加剤を、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で含有することができる。
本発明のセメント系充填組成物は、上記セメント材料と細骨材とが配合される。
該細骨材としては、川砂、海砂、山砂、砕砂、3〜8号珪砂、石灰石、及びスラグ細骨材等を使用することができ、下記粒度調整した珪砂や石灰石等の細骨材を用いることが好ましい。
その配合割合は、本発明のセメント充填組成物中、固形換算で、30〜60質量%であり、好ましくは40〜50質量%である。
これは、かかる配合比で細骨材を混合することより、前記した配合の減水剤とともに、極めて高い流動性と自己充填性を備えることとなる点から望ましい。
細骨材が、30質量%未満では、セメント成分が多くなるため収縮性が増大するおそれがあり、また、60質量%を超えると、強度発現性が低下するおそれがあるからである。
また、前記細骨材は、次の特定の粒度分布を有するもの
即ち、細骨材の粒径をxとすると、106<粒径(x)≦150μmが0〜5質量%、150<粒径(x)≦212μmが0〜5質量%、212<粒径(x)≦300μmが1〜6質量%、300<粒径(x)≦429μmが5〜10質量%、429<粒径(x)≦600μmが10〜17質量%、600<粒径(x)≦850μmが10〜17質量%、850<粒径(x)≦1180μmが15〜20質量%、1180<粒径(x)≦1700μmが30〜45質量%、1700<粒径(x)≦2360μmが2〜8質量%の粒度分布を有するものが好ましいが、本発明においては、前記細骨材の粒度分布は、106<粒径(x)≦150μmが0.5質量%、150<粒径(x)≦212μmが2.0質量%、212<粒径(x)≦300μmが4.0質量%、300<粒径(x)≦429μmが8.0質量%、429<粒径(x)≦600μmが10.0質量%、600<粒径(x)≦850μmが10.0質量%、850<粒径(x)≦1180μmが20.0質量%、1180<粒径(x)≦1700μmが40.0質量%、1700<粒径(x)≦2360μmが5.0質量%である。
通常使用されている、従来の細骨材である珪砂の粒度分布の一例は、106<粒径(x)≦150μmが0〜1質量%、150<粒径(x)≦212μmが3〜4質量%、212<粒径(x)≦300μmが5〜8質量%、300<粒径(x)≦429μmが20〜30質量%、429<粒径(x)≦600μmが30〜40質量%、600<粒径(x)≦850μmが20〜30質量%、850<粒径(x)≦1180μmが0〜5質量%、1180<粒径(x)≦1700μmが0質量%、1700<粒径(x)≦2360μmが0質量%である。
従って、本発明において使用する細骨材の粒度分布は、その粒度分布に2つのピークを有しており、粒度が大きいほうのピークはゆるやかなピークであり、粒度が小さいほうのピークより低くなっている。
このようにして得られた本発明のセメント系充填組成物は、水中環境下の土木・建築構造物に施工される現場で、水と混練することにより、水中不分離性セメントモルタルとすることができる。
水中不分離性セメント系充填組成物は、適量な水を添加して混練されるが、水は、セメント等の硬化に悪影響を及ぼす成分を含有していなければ、水道水や地下水、河川水等の水を用いることができ、例えば、「JIS A 5308 付属書9 レディーミクストコンクリートの練混ぜに用いる水」に適合するものが好ましいが、減水剤等の混和剤や添加剤等に含まれる水を用いることも可能である。
当該水の量は、セメント系充填組成物に配合されるセメントに対して、水/セメント比(質量比)が30〜70%となるように添加され、好ましくは、40〜50%であることが上記効果をより有効に発現させるために好ましい。
本発明のセメント系充填材やセメントモルタルは、それぞれの材料を施工時に混合しても、予め一部を混合してもかまわないが、予め粉末成分を混合した材料と水とを混合することが、施工現場での計量手間や計量ミスをなくす点で好ましい。
このようにして得られたセメント系充填組成物及びセメントモルタルは、練り上がり直後の流動性が、気中で使用される一般的な充填材料(グラウト材)以上の流動性を有するとともに、練上がりから60〜120分程度時間が経過した時点においても、十分な流動性を有する。
具体的には、後述する試験例に記載の流動性試験(JIS R 5201)の方法で測定したフロー値が、練上がり直後が300±30mm、90分経過後が250mm以上、120分経過後でも230mm以上のフロー値を有するものである。
また、本発明のセメント系充填組成物は、水中不分離性能が良好で、後述する試験例に記載の水中不分離性試験(懸濁物質測定試験)(JSCE−D 104)の方法で測定して、その値が50mg/l以下の値を有するものである。
このような水中不分離性に優れ、かつ高流動性を有する本発明のセメント系充填組成物は、水中環境下での建築・土木分野での施工に有用であり、その施工方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、ポンプ圧送等を利用して施工することができる。
本発明を次の実施例、比較例及び試験例により説明する。
但し、実施例及び比較例中、以下の原料を用いた。
・普通セメント:普通ポルトランドセメント、住友大阪セメント株式会社製
・ポリカルボン酸系減水剤:メルメントPP100F、デグサコンストラクションシステムズ
・増粘剤:アスカクリーンD、信越化学株式会社製
・膨張材:サクス、住友大阪セメント株式会社製
・石灰石粉末:石灰石粉、吉沢石灰株式会社製
・水:水道水
(実施例1〜3、比較例1〜3)
上記材料を用いて、次の表3に示す配合割合で各材料を配合して均一に撹拌混合して、セメント材料系充填組成物を得た。次いで、各セメント系充填組成物に、水/普通セメント比(質量比)が42%となるように、水道水を添加して、更に撹拌混合し、セメントモルタルをそれぞれ調製した。
但し、使用した珪砂については、その粒度分布を本発明の範囲内に調整した珪砂(実施例1〜3)と、調整しない珪砂(比較例1〜3)の2種類を準備した。
実施例1〜3で用いた珪砂1(粒度分布調整珪砂)の粒度分布を以下の表1及び図1に、また、比較例1〜3で用いた珪砂2(粒度分布無調整珪砂)の粒度分布を以下の表2及び図2に示す。
Figure 0005145918
Figure 0005145918
Figure 0005145918
(試験例1)
上記実施例1〜3及び比較例1〜3で得られたセメントモルタルを、次の試験例に課した。その結果を表4に示す。
試験例1−1 流動性試験
得られた各セメントモルタルの練上直後、練上90分経過後及び120分経過後の流動性の評価を、JIS R 5201に規定するフローコーンを用いた引き抜き流動性試験に準じて測定した。
フローテーブルにフローコーンを設置し、フローコーンに各セメント系充填材を充填した後、フローコーンを取り去って、該セメント系充填材が広がった後の径を、最大を認める方向とこれに直角な方向を測定し、その平均値(mm)で評価した。
試験例1−2 水中不分離性試験
得られた各セメントモルタルの水中不分離性能を、練上がり直後に、JSCE−D 104に規定する懸濁物質試験に準じて懸濁物質量を測定して、水中部分離性の評価を実施した。
Figure 0005145918
(比較例4〜6)
上記材料を用いて、次の表5に示す配合割合で各材料を配合して均一に撹拌混合して、セメント材料系充填組成物を得た。次いで、各セメント系充填組成物に、水/普通セメント比(質量比)が42%となるように、水道水を添加して、更に撹拌混合し、セメントモルタルをそれぞれ調製した。なお、本発明の実施例1についても表5中に記載する。
但し、比較例4〜6で使用した各珪砂についての粒度分布は、それぞれ図2〜4に示すものを用いた(表5)。
Figure 0005145918
(試験例2)
上記実施例1及び比較例4〜6で得られたセメントモルタルを、上記試験例1と同様にして、流動性試験及び水中不分離性試験に課した。その結果を表6に示す。
Figure 0005145918
本発明のセメント系充填組成物及びセメントモルタルは、特に河川、海中等の水中環境下で使用に適しており、例えば、水中環境下に存在する建築構造物、永久型枠または鋼板と構造部材との間隙部への注入材としてまたは充填材として有効に適用することができる。
本発明のセメント系充填組成物に用いる、粒度を調整した細骨材の粒度分布の一例を示す線図。 従来のセメント系組成物に用いられている、粒度を調整しない細骨材の粒度分布の一例を示す線図。 従来のセメント系組成物に用いられている、粒度を調整しない細骨材の粒度分布の他の一例を示す線図。 従来のセメント系組成物に用いられている、粒度を調整しない細骨材の粒度分布の他の一例を示す線図。

Claims (4)

  1. 固体換算で、セメント60〜98質量%、減水剤0.01〜5.00質量%、増粘剤0.05〜5.00質量%を含む細骨材以外のセメント材料と細骨材とからなるセメント系充填組成物であって、前記細骨材は、セメント充填組成物中30〜60質量%の割合で含まれ、かつその粒度分布は、106<粒径(x)≦150μmが0.5質量%、150<粒径(x)≦212μmが2.0質量%、212<粒径(x)≦300μmが4.0質量%、300<粒径(x)≦429μmが8.0質量%、429<粒径(x)≦600μmが10.0質量%、600<粒径(x)≦850μmが10.0質量%、850<粒径(x)≦1180μmが20.0質量%、1180<粒径(x)≦1700μmが40.0質量%、1700<粒径(x)≦2360μmが5.0質量%であることを特徴とする、水中不分離性セメント系充填組成物。
  2. 請求項1記載のセメント系充填組成物において、更に、該細骨材以外のセメント材料中に膨張剤(固体換算)を1〜4質量部含むことを特徴とする、水中不分離性セメント系充填組成物。
  3. 請求項1又は2記載のセメント系充填組成物において、セメントは普通セメント、減水剤はポリカルボン酸系減水剤、細骨材は珪砂であることを特徴とする、セメント系充填組成物。
  4. 請求項1〜3いずれかの項記載のセメント系充填組成物に、水/セメント比(質量比)が30〜70となるように水を混合してなる、水中不分離性セメントモルタル。
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