JP6654932B2 - 高強度グラウト組成物および高強度グラウト材 - Google Patents

高強度グラウト組成物および高強度グラウト材 Download PDF

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本発明は、高強度グラウト組成物および高強度グラウト材に関する。詳しくは土木および建築分野で使用される鉄筋継手用充填材等として用いられる高強度グラウト組成物および高強度グラウト材に関する。
土木・建築工事において、コンクリート構造物の細かい空隙、トンネルの履行背面と地山との間の空隙、逆打ち工法における空隙、構造物の補修及び補強、ロックアンカー及びアースアンカー、橋梁支承及び機械のベースプレート下、軌道庄板下などへモルタルやセメントペーストを充填するグラウト工事が行われており、各種のグラウト材が開発されている。
その中で、鉄筋コンクリートやプレキャストコンクリートなどの構造物において鉄筋を接続させる鉄筋継手の間隙へ充填する鉄筋継手用のグラウト材がある(例えば特許文献1参照)。近年建築構造物の超高層化や大規模化に伴い、構造物自体の高強度化、ひいては、鉄筋継手自体も高強度化のものが求められていることから、充填する鉄筋継手用のグラウト材も高強度のものが求められている。
特開平9−263438号公報
一般的にモルタルやコンクリートを高強度化するために、シリカフューム等の活性シリカを添加する方法が知られている。シリカフューム等の活性シリカを添加すると、そのボールベアリング効果による水結合材比の低減、マイクロフィラー効果による充填性の向上、並びにポゾラン反応による硬化体組織の緻密化等により、添加したモルタルやコンクリートの硬化体が高強度化する。しかし、シリカフューム等の活性シリカを使用して検討したが、材齢7日における圧縮強度は80〜95N/mm2程度であり、十分な強度は得られなかった。
一方でグラウト材の鉄筋継手への充填方法は、注入口からコーキングガンなどを用いて充填して、継手上部又は下部からグラウト材が流出した時点で充填終了とする場合が多く、また、縦打ち(鉄筋継手および鉄筋を立てた状態でのグラウト材の充填)をすることも多い。グラウト材としては、充填が行い易いことから流動性が高い材料が好まれるが、逆に流動性を高くし過ぎると流出時に垂れる量が多くなり、充填したグラウト材が流れ出ることで鉄筋継手内で隙間が大きく生じる虞がある。一般に垂れる量を抑制する為にセルロース系の増粘剤を用いる方法があるが、増粘剤の配合量を多くし過ぎると、粘性が高くなり、グラウト材の練混ぜおよび充填が困難となり、またグラウト材の強度が低下するという課題がある。
従って、本発明の課題は、練混ぜがしやすく、練混ぜ後の初期の流動性が高いにも関わらず充填後の垂れる量が少なく、かつ高い圧縮強度が得られる高強度グラウト組成物および高強度グラウト材を提供することにある。
そこで、本発明者は種々検討を重ねた結果、セメントと複数の特定の混和材料を組み合わせることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は次の〔1〕〜〔5〕を提供するものである。
〔1〕セメント、非晶質アルミノ珪酸鉱物粉末、石膏類、減水剤、消泡剤、水酸基が架橋されていない2質量%濃度の粘度が1000mPa・s未満の増粘剤(A)および一部の水酸基が架橋された20℃における2質量%濃度の粘度が1000〜5000mPa・sの増粘剤(B)を含有し、含有割合が、
セメント、非晶質アルミノ珪酸鉱物粉末および石膏類の合計100質量部に対し、セメント80〜96質量部、非晶質アルミノ珪酸鉱物粉末2〜10質量部、石膏類2〜10質量部であり、
セメント100質量部に対し、減水剤0.15〜0.45質量部、消泡剤0.05〜0.4質量部、増粘剤0.05〜0.15質量部であり、
増粘剤(A)と増粘剤(B)の質量比が、(A)/(B)=30/70〜70/30である、高強度グラウト組成物。
〔2〕前記増粘剤が水溶性セルロース系増粘剤である〔1〕の高強度グラウト組成物。
〔3〕前記減水剤がポリカルボン酸塩系減水剤である〔1〕または〔2〕の高強度グラウト組成物。
〔4〕更に、膨張材を、セメント100質量部に対し、1〜8質量部含有する〔1〕〜〔3〕の何れかに記載の高強度グラウト組成物。
〔5〕〔1〕〜〔4〕の何れかに記載の高強度グラウト組成物と水とを含有する高強度グラウト材。
本発明によれば、練混ぜがしやすく、練混ぜ後の初期の流動性が高いにも関わらず充填後の垂れる量が少ない、所謂、チクソ性に近い性能を有し、材齢7日の圧縮強度が100N/mm2以上である高強度グラウト組成物および高強度グラウト材が提供できる。
以下、本発明を実施例と共に具体的に説明する。
本発明の高強度グラウト組成物に用いるセメントは、水硬性セメントであればよく、例えば普通、早強、超早強、低熱及び中庸熱の各種ポルトランドセメント、エコセメント、並びにこれらのポルトランドセメント又はエコセメントに、フライアッシュ、高炉スラグ、シリカフューム又は石灰石微粉末等を混合した各種混合セメント、太平洋セメント社製「スーパージェットセメント」(商品名)や住友大阪セメント社製「ジェットセメント」(商品名)等の超速硬セメント、アルミナセメント等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を使用することができる。ワーカビリティを損ない難く可使時間が長く確保し易いことから、各種ポルトランドセメント、エコセメント及び各種混合セメントから選ばれる一種又は二種以上を使用することが好ましく、さらには強度保証の観点から少なくとも早強ポルトランドセメントを用いることがより好ましい。
本発明の高強度グラウト組成物においてセメントの含有割合は、セメント、非晶質アルミノ珪酸鉱物粉末および石膏類の合計100質量部に対し、80〜96質量部が好ましく、より好ましくは85〜91質量部である。
本発明の高強度グラウト組成物に用いる非晶質アルミノ珪酸鉱物粉末は、粘土鉱物に由来し、非晶質部分を含むアルミノ珪酸塩微粉末であれば特に限定されず、いずれも使用可能である。原料である粘土鉱物の例としては、(1)カオリン鉱物、(2)雲母粘土鉱物、(3)スメクタイト型鉱物、及びこれらが混合生成した混合層鉱物が挙げられる。本発明で用いる非晶質アルミノ珪酸鉱物粉末は、これらの結晶性アルミノ珪酸塩粘土鉱物を、例えば焼成・脱水して非晶質化することにより得られる。これらのうち、反応性及び経済性の観点から、カオリナイト、ハロサイト、ディッカイト等のカオリン鉱物由来のものが好ましく、特にカオリナイトを焼成して得られるメタカオリンが最も好適である。ここでいう非晶質とは、粉末X線回折装置による測定で、ピークが見られなくなることをいい、本発明に用いる非晶質アルミノ珪酸鉱物粉末は非晶質の割合が70質量%以上であればよく、好ましくは90質量%以上、より好ましくは100質量%、即ち粉末X線回折装置による測定でピークが全く見られないものが最も好ましい。ここで、非晶質の割合は、標準添加法により求めた値である。非晶質の割合が低いアルミノ珪酸鉱物粉末、即ち結晶質の割合が高いアルミノ珪酸鉱物粉末は、非晶質の割合が高いアルミノ珪酸鉱物粉末に比べて、同じ混和量における強度発現性が悪く、同じ強度を得るためにはより多くのアルミノ珪酸鉱物粉末を必要とする。アルミノ珪酸鉱物の非晶質化のための加熱としては、外熱キルン、内熱キルン、電気炉等による焼成、及び溶融炉を用いた溶融等が挙げられる。
本発明の高強度グラウト組成物において非晶質アルミノ珪酸鉱物粉末の含有割合は、セメント、非晶質アルミノ珪酸鉱物粉末および石膏類の合計100質量部に対し、2〜10質量部が好ましい。含有割合が少なすぎると、強度が不足するか、強度を得るために水量を少なくせざるを得ないために練混ぜ時の負荷が大きくなる。含有割合が多すぎると、練混ぜし難く、流動性が得られ難くなり、グラウト材としての流動性を確保するために水量又は減水剤量を増加させると強度が不足する。非晶質アルミノ珪酸鉱物粉末の含有割合をセメント、非晶質アルミノ珪酸鉱物粉末および石膏類の合計100質量部に対し、2〜8質量部とすることが、練混ぜのし易さ、流動性の確保および圧縮強度の観点からより好ましく、3〜7質量部とすることがさらに好ましい。
本発明で用いる石膏類としては、無水石膏、二水石膏又は半水石膏を主成分とする粉末であれば特に限定されないが、強度増進作用の観点からII型無水石膏を主成分とするものが好ましい。石膏類は、セメント中のアルミネート相及び非晶質アルミノ珪酸鉱物粉末と反応しエトリンガイト(3CaO・Al23・3CaSO4・32H2O)を生成させ、これにより速硬性が得られるとともに、グラウト硬化体の収縮を抑制することができる。使用する石膏類の粉末度はブレーン法による比表面積で3000cm2/g以上のものが、反応活性が得られるので好ましい。より好ましくは粉末度が6000cm2/g以上の石膏類が良い。粉末度の上限は特に制限されないが、粉末度を高めるコストが嵩む割にはその効果が鈍化することから概ね15000cm2/g程度が適当である。
本発明の高強度グラウト組成物中における石膏類の含有割合は、セメント、非晶質アルミノ珪酸鉱物粉末および石膏類の合計100質量部に対し、2〜10質量部が好ましい。含有割合が少なすぎると、強度が不足する可能性があり、多すぎると必要な流動性及び可使時間を確保するのが困難になる可能性がある。より好ましい含有割合は、2〜8質量部であり、さらに好ましくは3〜7質量部である。
本発明で用いる減水剤としては、ポリカルボン酸塩系減水剤を用いることが、所定の強度を得易いことから好ましい。本発明において、減水剤とは、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤、セメント分散剤を含む意味である。その他の減水剤としてナフタレンスルホン酸塩系減水剤、メラミンスルホン酸塩系減水剤及びリグニンスルホン酸塩系減水剤が挙げられるが、これらの減水剤のみで使用すると所定の強度を得るほどの水量を減じ難く、添加量を増やし過ぎると強度低下又は凝結遅延が生じる虞がある。本発明において、ポリカルボン酸塩系減水剤と他の減水剤を併用してもよく、また、ポリカルボン酸塩系減水剤を二種以上併用してもよい。少量の含有で初期の流動性を確保しやすく、且つ、減水効果が大きい為、所定の強度を確保し易いことから、ポリカルボン酸塩系高性能減水剤を用いることが好ましい。
本発明の高強度グラウト組成物における減水剤の含有割合は、所定の流動性を確保し、材料分離を防止する点から、セメント100質量部に対し、0.15〜0.45質量部が好ましく、より好ましくは0.2〜0.4質量部である。
本発明で用いる増粘剤としては、水酸基が架橋されていない20℃における2質量%濃度の粘度が1000mPa・s未満の増粘剤(増粘剤(A))と、一部の水酸基が架橋された20℃における2質量%濃度の粘度が1000〜5000mPa・sの増粘剤(増粘剤(B))を併用する。一部の水酸基が架橋された増粘剤とは、架橋剤を添加し増粘剤成分が持つ水酸基と架橋剤の官能基との置換反応等による結合によって一時的に増粘剤成分の表面を疎水性としたもので、水に投入されたときに、ママコと云われる状態にならずに水中に分散し、その後アルカリ性の水により速やかに架橋剤成分が外れることにより水溶性となるものである。
架橋剤としては、例えばホルムアルデヒド、ブチルアルデヒド、グリセリンアルデヒド等のモノアルデヒド、グリオキサール、アセトアルデヒド、テレフタルアルデヒド等のジアルデヒド、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン類、タンニン酸やジグリシジルエーテル等が挙げられ、ジアルデヒド特にグリオキサールが好ましい。
水酸基が架橋されていない増粘剤とは、上記の架橋剤による増粘剤成分表面の一時疎水化処理を行っていない増粘剤である。
本発明に用いる増粘剤としては、上記の増粘剤(A)及び増粘剤(B)の何れも、水溶性セルロースを主体とした水溶性セルロース系増粘剤が好ましく、水溶性セルロースとしては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロースの水酸基の一部をメチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシエチル基等でエーテル化した水溶性セルロースエーテルが好ましい例として挙げられる。
上記の増粘剤(A)と増粘剤(B)を併用することで、高強度グラウト組成物を練混ぜた後の初期流動性を高くすることができ、かつ、高強度グラウト材として鉄筋継手に充填した後の垂れを少なくすることができ、さらには増粘剤量を少なくすることができることから所定の強度を得られ易くなる。
増粘剤(A)は、20℃における2質量%濃度の粘度(以下、特に断らない場合、「粘度」としては20℃における2質量%濃度の粘度を意味する。)が1000mPa・s未満のものを用いるが、50〜800mPa・sのものが好ましく、100〜500mPa・sのものがより好ましい。粘度が1000mPa・s以上になると、混練時に流動化し難く流動化に時間が掛かる。
増粘剤(B)は、粘度が1000〜5000mPa・sのものを用いるが、1500〜5000mPa・sのものが好ましく、2000〜5000mPa・sのものがより好ましい。粘度が5000mPa・sを超えると混練時にやや流動化し難く又フロー値が不足する。また、粘度が1000mPa・s未満では、垂れが生じ易い。
本発明の高強度グラウト組成物における増粘剤の含有割合は、鉄筋継手へ充填した後のダレを抑制する点、および初期の流動性を確保し、所定のグラウト材の強度を得る点から、セメント100質量部に対し、0.05〜0.15質量部が好ましく、より好ましくは0.08〜0.12質量部である。
また、上記増粘剤(A)と増粘剤(B)の内訳としては良好な流動性を得る点、充填後のダレを抑制する点、所定の強度を得る点から質量比で(A)/(B)=30/70〜70/30の範囲での使用が好ましい。
本発明の高強度グラウト組成物には、上記成分に加えて、膨張材および消泡剤から選ばれる1種又は2種以上を含有させることができる。
本発明で用いる膨張材としては、水和により例えば水酸化カルシウムやエトリンガイト等の水和物の結晶が成長し、嵩体積が大きくなる物質を主要成分とするものであれば何れのものでも良く、具体的には、生石灰、カルシウムサルホアルミネート、無水石膏、マグネシア、石灰系膨張材、エトリンガイト系膨張材等が好適な例として挙げられ、これら又はこれらに類する物質の一種又は二種以上を使用することが可能である。なかでも、生石灰系膨張材は一般に水和活性反応が高く、特に、初期収縮を抑制する効果に優れるが知られているので好ましい。膨張材の含有量は、膨張材の添加効果を得、所定の強度を確保する点から、セメント100質量部に対し、1〜8質量部とすることが好ましい。より好ましい膨張材の含有量は、セメント100質量部に対し、2〜6質量部である。
本発明には消泡剤を含有させることが、混練時に連行した空気を消泡させ強度をより高くすることができることから好ましい。本発明で用いる消泡剤としては、種類は限定されず、例えば、市販のセメント用消泡剤、市販のセメントモルタル用消泡剤又は市販のコンクリート用消泡剤の他、他用途の鉱物油系、エーテル系、シリコーン系等の消泡剤、トリブチルフォスフェート、ポリジメチルシロキサン又はポリオキシアルキレンアルキルエーテル系非イオン界面活性剤が好適な例として挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。また、本発明に用いる消泡剤としては、液体のものでも粉末状のものでもよいが、粉末状の混和材はプレミックスモルタルのようにプレミックス、つまり、セメントおよび混和材料を乾式混合したときに材料が均質化し易いことから、粉末状のものを使用することが好ましい。消泡剤の含有量は、連行した空気を消泡させ強度を高めることができることから、セメント100質量部に対し、0.05〜0.4質量部とすることが好ましく、より好ましくは0.10〜0.3質量部である。
本発明の高強度グラウト組成物には、セメント、非晶質アルミノ珪酸鉱物粉末、石膏類、減水剤、増粘剤、膨張材、消泡剤以外に、上記以外の混和材料の一種又は二種以上を本発明の効果を実質損なわない範囲で併用することができる。この混和材料としては、例えばセメント用ポリマー、起泡剤、防水材、防錆剤、収縮低減剤、保水剤、顔料、繊維、撥水剤、白華防止剤、急結剤(材)、急硬剤(材)、高炉スラグ微粉末、石粉、火山灰、撥水剤、表面硬化剤、保水剤等が挙げられる。
本発明の高強度グラウト組成物には、水を混練に用いる。混練する方法は特に限定されず、例えば水に本発明の高強度グラウト組成物を全量加え混練する方法、水に本発明の高強度グラウト組成物を混練しながら加え更に混練する方法、本発明の高強度グラウト組成物に水を全量加え混練する方法、本発明の高強度グラウト組成物に水を混練しながら加え更に混練する方法、水及び本発明の高強度グラウト組成物のそれぞれ一部ずつを2つ以上に分けて混練し、混練したものを合わせて更に混練する方法等がある。また、混練に用いる器具や混練装置も特に限定されないが、鉄筋継手に充填するグラウト材の量はそれほど多いものではないので、少量且つ混練り性能を考慮し、ハンドミキサを用いることが好ましい。
使用する水は、特に限定されるものではない。混和材料に含まれる水を用いてもよい。このとき用いる水の量は、本発明の高強度グラウト組成物100質量部に対し、20〜35質量部とすることが、練混ぜがしやすく、練混ぜ後の初期の流動性、充填後の垂れ抑制性能、強度発現性の観点から好ましい。より好ましくは25〜30質量部である。
本発明の高強度グラウト材は、上記高強度グラウト組成物と水を混練したものであり、その水量は上記の量とする。
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。
表1に示す配合割合で各水準5kgの高強度グラウト組成物を作製した。このときの使用材料を以下に示す。高強度グラウト組成物の作製方法は、作製する高強度グラウト組成物の質量が5kgとなる量の表1に示す割合の各材料を、ポリ袋(縦650mm×横350mm×厚さ0.1mm)に投入し、密閉した後に60秒間手で振り、各材料を混合することで高強度グラウト組成物を作製した。表1における、セメント、非晶質アルミノ珪酸鉱物粉末および石膏類の値は、これらの合計を100質量部としたときの質量部で、増粘剤、減水剤、膨張材および消泡剤の値は、セメント100質量部に対する質量部である。
<使用材料>
セメントN:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)
セメントH:早強ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)
非晶質アルミノ珪酸鉱物粉末:市販品(BASFジャパン社製焼成カオリン、商品名「メタマックス」)
石膏類:II型無水石膏(ブレーン比表面積:7100cm2/g)
増粘剤1:水溶性セルロース系増粘剤 市販品(水溶性セルロースエーテル)、増粘剤(A)
(20℃における2質量%水溶液の粘度値:270mPa・s)
増粘剤2:水溶性セルロース系増粘剤 市販品(水溶性セルロースエーテル)
(20℃における2質量%水溶液の粘度値:30000mPa・s)
増粘剤3:グリオキサールによる表面一時疎水化処理した水溶性セルロース系増粘剤 市販品(水溶性セルロースエーテル)、増粘剤(B)
(20℃における2質量%水溶液の粘度値:4000mPa・s)
増粘剤4:グリオキサールによる表面一時疎水化処理した水溶性セルロース系増粘剤 市販品(水溶性セルロースエーテル)
(20℃における2質量%水溶液の粘度値:15000mPa・s)
減水剤:ポリカルボン酸塩系高性能減水剤 市販品
膨張材:石灰系膨張材 市販品
消泡剤:ポリエーテル系消泡剤 市販品
水:佐倉市上水
Figure 0006654932
金属製円筒容器内に水道水1300gを入れ、ハンドミキサ(1000r.p.m.,羽根直径100mmの円盤)の撹拌羽根が水に接する状態で該羽根を回転させながら、高強度グラウト組成物5000gを投入し、その後180秒間混練した。高強度グラウト材の作製は、何れも20±3℃、湿度80%以上の恒温室内で行った。
作製した高強度グラウト材の品質試験として、以下に示す通り、流動化時間、練混ぜ直後のフロー値、材齢7日の圧縮強度、ダレ防止性能により確認した。
<品質試験方法>
・流動化時間
高強度グラウト組成物と水道水を接してから撹拌を開始し、グラウト材が流動化するまでの時間を測定した。流動化するまでの時間とは目視で粉体部分(高強度グラウト組成物)が認められなくなるまでの時間とした。流動化時間が20秒以内のものを〇(練混ぜし易い、良好)、20〜30秒のものを△(やや練混ぜしやすい)、30秒以上のものを×(練混ぜし難い)と判断した。
・フロー値
JIS R 5201の「セメントの物理試験方法」の凝結試験時の使用する容器をフローコーンとして、フローテーブルの上に載せたアクリル板(50cm×50cm×1cm)の上にフローコーンを置き、引き上げた時のフローの拡がりを測定した。フロー値の指標としては、120mm未満では、カートリッジへの注入が困難な場合やコーキングガンを用いての継手充填時の負荷が大きく、200mm以上では継手充填後の垂れが大きくなる。
・圧縮強度
土木学会基準JSCE−G 505−1999「円柱供試体を用いたモルタルまたはセメントペーストの圧縮強度試験方法」に準じ、材齢7日の圧縮強度を測定した。このとき供試体は、材齢1日で脱型し、その後20℃の水中で試験直前まで養生した。
・ダレ防止性能(垂れ抑制性能)
高強度グラウト材をカートリッジに入れ、コーキングガンを用いて垂直に設置した鉄筋継手内に充填し、継手上部又は下部からグラウト材料が流出した時に充填終了とした。充填終了後、継手上部から流出したグラウト材が凹んだ場合は、注入したグラウト材が流れ出た、つまりは垂れが大きい為×(不良)と評価し、凹みが認められなかった場合は〇(良好)と評価した。
Figure 0006654932
実施例に相当するグラウト材は練混ぜし易さ、初期流動性、強度発現性、ダレ防止性能は良好であり、鉄筋継手用のグラウト材として適した性状である。
一方、比較例に相当するグラウト材のうち、No.8、9は練混ぜし難く、No.9、10はフロー値が120mm未満であることから、流動性が不良であり、カートリッジへの注入が困難な場合やコーキングガンを用いての継手充填時の負荷が大きくなる。No.8は材齢7日において圧縮強度が100N/mm2に満たない。

Claims (5)

  1. セメント、非晶質アルミノ珪酸鉱物粉末、石膏類、減水剤、消泡剤、水酸基が架橋されていない2質量%濃度の粘度が1000mPa・s未満の増粘剤(A)および一部の水酸基が架橋された20℃における2質量%濃度の粘度が1000〜5000mPa・sの増粘剤(B)を含有し、含有割合が、
    セメント、非晶質アルミノ珪酸鉱物粉末および石膏類の合計100質量部に対し、セメント80〜96質量部、非晶質アルミノ珪酸鉱物粉末2〜10質量部、石膏類2〜10質量部であり、
    セメント100質量部に対し、減水剤0.15〜0.45質量部、消泡剤0.05〜0.4質量部、増粘剤0.05〜0.15質量部であり、
    増粘剤(A)と増粘剤(B)の質量比が、(A)/(B)=30/70〜70/30である、高強度グラウト組成物。
  2. 前記増粘剤が水溶性セルロース系増粘剤である請求項1記載の高強度グラウト組成物。
  3. 前記減水剤がポリカルボン酸塩系減水剤である請求項1または2記載の高強度グラウト組成物。
  4. 更に、膨張材を、セメント100質量部に対し、1〜8質量部含有する請求項1〜3の何れか1項記載の高強度グラウト組成物。
  5. 請求項1〜4の何れか1項記載の高強度グラウト組成物と水とを含有する高強度グラウト材。
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