JP6300365B2 - 水中不分離性速硬コンクリートおよびその製造方法 - Google Patents

水中不分離性速硬コンクリートおよびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6300365B2
JP6300365B2 JP2014156350A JP2014156350A JP6300365B2 JP 6300365 B2 JP6300365 B2 JP 6300365B2 JP 2014156350 A JP2014156350 A JP 2014156350A JP 2014156350 A JP2014156350 A JP 2014156350A JP 6300365 B2 JP6300365 B2 JP 6300365B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
admixture
fast
concrete
mass
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014156350A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016033097A (ja
Inventor
洋朗 高橋
洋朗 高橋
度連 郭
度連 郭
俊幸 山中
俊幸 山中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiheiyo Materials Corp
Original Assignee
Taiheiyo Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiheiyo Materials Corp filed Critical Taiheiyo Materials Corp
Priority to JP2014156350A priority Critical patent/JP6300365B2/ja
Publication of JP2016033097A publication Critical patent/JP2016033097A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6300365B2 publication Critical patent/JP6300365B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Preparation Of Clay, And Manufacture Of Mixtures Containing Clay Or Cement (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Description

本発明は速硬性を有する水中不分離性コンクリートおよびその製造方法に関する。
土木建築工事において水中にコンクリートを打設する場合は、セメント成分が水により洗い流されることで水質汚濁や強度低下を招くことがある。そのため施工には、メチルセルロース系、アクリル系、ガム系などの水中不分離性混和剤をコンクリートに混和した水中不分離性コンクリートが用いられる。
この水中不分離性コンクリートは凝結時間が通常のコンクリートと比較して5〜10時間程度遅延するため、工期が長期化する問題がある。硬化時間の問題を解決するために超速硬セメントを用いて、現場で移動式バッチミキサにて練混ぜる水中不分離性速硬コンクリートが提案されている(特許文献1)。
特開2003−12362号公報
しかしながら、上記の超速硬性セメントを用いた水中不分離性コンクリートは、可使時間が30〜40分程度しか確保することができないという課題がある。また、この水中不分離性コンクリートを製造するためには移動式バッチミキサ有する特殊な設備が必要であり、設備上の制約を受ける。このため普及の障害となっている。
本発明の目的は、前述の課題を解決するために、より簡便に製造できる水中不分離性速硬コンクリートおよびその製造方法を提供することである。
本発明者らは、水中不分離性を有する速硬コンクリートの製造方法について鋭意検討を行った結果、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下に係わる発明である。
〔1〕ポルトランドセメント、骨材、凝結遅延剤、速硬性混和材、水中不分離性混和剤及び流動化剤を少なくとも含有する水中不分離性速硬コンクリート。
〔2〕前記速硬性混和材は、カルシウムアルミネート類を主成分として含有する〔1〕に記載の水中不分離性速硬コンクリート。
〔3〕前記流動化剤は、ポリカルボン酸系流動化剤である〔1〕又は〔2〕に記載の水中不分離性速硬コンクリート。
〔4〕前記水中不分離性速硬コンクリートのスランプフローが40cm以上であり、かつ可使時間が40分以上であり、かつ材齢6時間で5N/mm以上の圧縮強度が発現する〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の水中不分離性速硬コンクリート。
〔5〕材齢6時間以降における気中作製供試体の圧縮強度(S)に対する水中作製供試体の圧縮強度(S)の強度比(S/S)が0.75以上であり、かつ、材齢1日以降における該強度比が0.80以上である〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の水中不分離性速硬コンクリート。
〔6〕ポルトランドセメント、骨材、凝結遅延剤、速硬性混和材、水中不分離性混和剤及び流動化剤を少なくとも含有する水中不分離性速硬コンクリートの製造方法であって、ポルトランドセメント、骨材、凝結遅延剤、速硬性混和材を少なくとも含むコンクリートに水中不分離性混和剤及び流動化剤を添加し、混練する水中不分離性速硬コンクリートの製造方法。
〔7〕ポルトランドセメント、骨材、凝結遅延剤、速硬性混和材、水中不分離性混和剤及び流動化剤を少なくとも含有する水中不分離性速硬コンクリートの製造方法であって、ポルトランドセメント、骨材を少なくとも含むベースコンクリートに凝結遅延剤、速硬性混和材、水中不分離性混和剤及び流動化剤を添加し、混練する水中不分離性速硬コンクリートの製造方法。
〔8〕凝結遅延剤、速硬性混和材、水中不分離性混和剤及び流動化剤を、アジテータ車のドラム内に投入し、混練する〔7〕に記載の水中不分離性速硬コンクリートの製造方法。
十分な可使時間が確保できる水中不分離性速硬コンクリートを特殊な設備を用いることなく簡便にかつ低廉なコストで得られる。
本発明になる製造方法の一例を示す工程図
本発明は水中不分離性速硬コンクリートである。前記コンクリートは、ポルトランドセメント、骨材、凝結遅延剤、速硬性混和材、水中不分離性混和剤及び流動化剤を少なくとも含有する。以下詳細に説明する。
本発明におけるポルトランドセメントとしては、例えば、普通、早強、超早強、低熱及び中庸熱等の各種ポルトランドセメントが挙げられる。これらに、フライアッシュ、高炉スラグ、シリカフューム又は石灰石微粉末等が混合された各種の混合セメントも含まれる。また、速硬性を有しない普通セメントタイプのエコセメントも含まれる。前記セメントの一種であっても、二種以上のものであっても良い。太平洋セメント(株)社製「スーパージェットセメント」(商品名)や住友大阪セメント社製「ジェットセメント」(商品名)等の超速硬セメントは含まれない。
本発明における骨材は、特に制限されるものではなく、通常のコンクリートの製造に使用される骨材を何れも使用することができる。例えば川砂、海砂、山砂、砕砂、人工細骨材、スラグ細骨材、再生細骨材、珪砂、川砂利、陸砂利、砕石、人工粗骨材、スラグ粗骨材、再生粗骨材などが挙げられる。
骨材の配合量は、好ましくは、1000kg/m〜2000kg/mである。細骨材と粗骨材の比率(s/a)は、好ましくは25%〜70%より好ましくは30〜50% である。
本発明における速硬性混和材は、混和から硬化までの時間が3時間以内となる急硬材である。好ましくは、混和から硬化までの時間が10分以上である。速硬性混和材としては、例えばカルシウムアルミネート類、アルミン酸ナトリウム、仮焼明礬を含む明礬、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム等の急硬性物質の群の中から選ばれる一種又は二種以上を主成分とするものが好ましい。中でもカルシウムアルミネート類を主成分とするものが特に好ましい。
カルシウムアルミネート類としては、CaOをC、AlをA、NaOをN、FeをFで表示した場合、CA,CA,C12,C,CA,C又はCA等と表示される鉱物組成を有するカルシウムアルミネート、CAF,CAF等と表示されるカルシウムアルミノフェライト、カルシウムアルミネートにハロゲンが固溶又は置換したC・CaFやC11・CaF等と表示されるカルシウムフロロアルミネートを含むカルシウムハロアルミネート、CNAやC等と表示されるカルシウムナトリウムアルミネート、カルシウムリチウムアルミネート、アウイン(3CaO・3Al・CaSO)等のカルシウムサルホアルミネート、アルミナセメント、並びにこれらにSiO,KO,Fe,TiO等が固溶又は化合したもの等が含まれる。また、結晶質、非晶質いずれのものも使用できる。
前記速硬性混和材には、上記の急硬性物質以外にも補助的な成分を含まれてもよい。例えば、硫酸カルシウム、硫酸アルカリ等の硫酸塩が用いられた場合は、強度が高まることから好ましい。さらに、本発明の特長が損なわれない範囲で一種又は二種以上の添加剤(材)が含まれてもよい。このような添加剤(材)としては、例えば減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤等のセメント分散剤、凝結遅延剤、膨張材、再乳化粉末樹脂、発泡剤、起泡剤、防水剤、防錆剤、収縮低減剤、増粘剤、保水剤、顔料、撥水剤、白華防止剤、消泡剤等が挙げられる。なお、速硬性混和材が粉体状で用いられる場合は、上記の添加剤も粉体状であることが要件となる。
速硬性混和材の配合量は、好ましくはポルトランドセメント100質量部に対して、10〜100質量部である。10質量部未満では速硬性を十分に付与することができない。100質量部を超えた場合は、速硬性混和材の投入に要する時間が長くなり、速硬コンクリート製造後から打設可能な時間が短くなることに加えて、長期強度発現性も低下することから好ましくない。また、コンクリートのコンテステンシーが低下するので好ましくない。速硬性混和材のより好ましい配合量は、20〜70質量部である。
本発明における水中不分離性混和剤としては、通常コンクリートに使用されているものであれば特に制限されるものではないが、コンクリートに増粘性を付与し、水中に投入された場合、材料の分離抵抗性に優れたものが望まれる。例えば、セルロース系、多糖類系、合成樹脂系等が挙げられる。特にセルロース系が好ましい。例えば、具体的な商品名としては、エルコン(太平洋マテリアル社製)等が挙げられる。
水中不分離性混和剤の配合量は、好ましくはコンクリート1m中、0.5〜10kgである。0.5kg未満ではコンクリートに水中不分離性を十分に付与することができない。10kgを超えた場合は、粘性により流動性が低下することから好ましくない。水中不分離性混和剤のより好ましい配合量は1.5〜5.0kgである。また、水中不分離性混和剤が水に溶解することを考慮すると水100質量部に対しては、0.7〜2.3質量部が好ましいともいえる。
本発明における流動化剤としては、例えばメラミンスルホン酸系、ポリカルボン酸系、ナフタリン系などが挙げられる。本発明における速硬性混和材との組合せにおいては、流動性の確保、コンクリートの可使時間の確保、中長期強度の発現性の観点から、特にポリカルボン酸系が好ましい。
流動化剤の配合量は、好ましくはポルトランドセメントと速硬性混和材(以下、ポルトランドセメントと速硬性混和材を合せたものを結合材(B)と呼ぶ)の総量100質量部に対して、0.2〜8質量部である。0.2質量部未満ではコンクリートに流動性を十分に付与することができない。8量部を超えた場合は、それ以上の流動性改善効果は少なく、経済的な観点から好ましくない。流動化剤のより好ましい配合量は、0.75〜5質量部である。
本発明における凝結遅延剤としては、セメントの凝結に遅延作用を及ぼすものであればよい。このような凝結遅延剤の具体例としては、例えばクエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、酒石酸などの有機酸、又はその塩、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、リン酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩等の無機塩、糖類などが挙げられる。これらの中から選ばれる一種又は二種以上であってもよい。中でも、クエン酸、クエン酸塩、酒石酸、酒石酸塩、アルカリ金属炭酸塩の群の中から選ばれる一種又は二種以上が好ましい。また、速やかに混練可能である点から、液状体(例えば、水溶液、エマルジョン、懸濁液の形態)であることが好ましい。
凝結遅延剤の添加量は、凝結遅延剤中の有効成分(固形成分)が、結合材の総量100質量部に対して、0.05〜5.0質量部であることが好ましい。凝結遅延剤の添加量は、コンクリート温度、コンクリートの打設終了時間などに応じて、可使時間が40分以上となるよう適宜調整される。本発明における可使時間とは、流動性が保持される時間である。具体的には、水中不分離性速硬コンクリートの練上がり直後のスランプフローの低下量が3.0cm以内に保持される時間を目安とする。
本発明にあっては、前記成分の他にも、必要に応じて、或いは本発明の特長が損なわれない程度において、各種の混和剤(材)の中から選ばれる一種又は二種以上の成分が含まれていても良い。この種の混和剤(材)としては、例えば減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤等のセメント減水剤、増粘剤、膨張材、収縮低減剤、セメント用ポリマー、防水材、防錆剤、凍結防止剤、保水剤、顔料、繊維、撥水剤、白華防止剤、発泡剤、消泡剤、シリカフューム等のポゾラン微粉末、高炉スラグ微粉末、石灰石微粉末等の石粉、撥水剤等が挙げられる。
本発明で使用される水は、特に制限されるものではなく、通常のコンクリートの製造に使用される水を何れも使用することができる。例えば上水等が挙げられる。水の配合量は、結合材の総量100質量部に対して、25〜100質量部が好ましい。25質量部未満ではコンクリートに流動性を十分に付与することができない。100質量部を超えた場合は、初期強度が低下することから好ましくない。より好ましくは30〜65質量部である。
本発明における水中不分離性速硬コンクリートは、良好な流動性、十分な可使時間、早期強度発現性を有する。具体的には、練上がり直後のスランプフローが40cm以上であり、可使時間は40分以上であり、かつ材齢6時間で5N/mm以上の圧縮強度が発現する水中不分離性速硬コンクリートが得られる。さらに、材齢6時間以降における気中作製供試体の圧縮強度(S)に対する水中作製供試体の圧縮強度(S)の強度比(S/S)が0.75以上であり、かつ、材齢1日以降における該強度比が0.80以上であり、水中コンクリートとして良好な性状を有する。
本発明における水中不分離性速硬コンクリートの製造方法は、各材料を一括して混練しても製造することができるが、好ましくは、ポルトランドセメント、骨材、凝結遅延剤、速硬性混和材を少なくとも含むコンクリートを製造し、これに水中不分離性混和剤及び流動化剤を添加し、混練する。なお、粉体状の凝結遅延剤及び速硬性混和材を用いる場合は、あらかじめ所定量を計量したポルトランドセメント、凝結遅延剤及び速硬性混和材からなる粉体混合物と、骨材を準備し、これらと水を混練したコンクリートを製造し、このコンクリートに水中不分離性混和剤及び流動化剤を添加し、混練することにより製造することもできる。
また、好ましくは、ポルトランドセメント、骨材及び水を少なくとも含むコンクリート(ベースコンクリート)を製造し、これに凝結遅延剤、速硬性混和材、水中不分離性混和剤及び流動化剤の各添加剤(材)を添加し、混練することにより水中不分離性速硬コンクリートを製造することができる。以下に、ベースコンクリートを製造したうえで、水中不分離性速硬コンクリートを製造する場合について、詳細に説明する。
<ベースコンクリートの製造>
ベースコンクリートは、セメント、骨材及び水を少なくとも含み、それぞれ所定の配合量を計量後、混練される。ベースコンクリートの混練方法は、特に限定されないが、製造量や均質な混練性の観点から、ミキサを用いる手法が好ましい。ミキサとしては、連続式ミキサやバッチ式ミキサが用いられる。例えば、パン型コンクリートミキサ、パグミル型コンクリートミキサ、重力式コンクリートミキサ等が挙げられる。
ベースコンクリートにおける水量は、用いられる凝結遅延剤水溶液の水分量、及び水中不分離性混和剤スラリーの水分量、流動化剤量が勘案される。すなわち、ベースコンクリート製造時における水量は、設計水量から凝結遅延剤水溶液及び水中不分離性混和剤スラリー中の水分量を予め差し引いた量である。
ベースコンクリートはコンクリート製造プラントで製造されることが好ましい。特に、JIS A 5308についてJIS認証を受けたレディーミクストコンクリート製造工場で製造されることが望ましい。ベースコンクリートがコンクリート製造プラントで製造された場合、アジテータ車のドラム内に投入され、コンクリート使用(打設)現場まで搬送される。搬送時間は90分以内であることが望ましい。用いられるアジテータ車は、ドラムの高速回転が可能なものが好ましい。ここで高速回転とは、5r.p.m.以上の回転をいう。
<各混和(剤)材の添加・混練>
ベースコンクリートには、まず凝結遅延剤を添加し、混練する。混練方法は特に限定されないが、製造量や均質な混練性の観点からミキサを用いる手法が好ましい。ミキサとしては、例えば、パン型コンクリートミキサ、パグミル型コンクリートミキサ、重力式コンクリートミキサ等が挙げられる。混練時間は30秒から5分が好ましいが好ましい。なお、凝結遅延剤は、予めベースコンクリートに添加することもできるが、コンクリート使用現場の状況に併せて、最適な凝結遅延剤の添加量を決定する上では、コンクリート使用現場において添加・混練されることが好ましい。
速硬性混和材は、凝結遅延剤の添加・混練の後に添加し、混練する。混練方法は凝結遅延剤の混練と同様である。混練時間は30秒から5分が好ましい。速硬性混和材の添加・混練はコンクリート使用現場で行うことが好ましい。これにより、コンクリート使用現場において十分な作業時間を確保することができる。
水中不分離性混和剤は、速硬性混和材の添加・混練の後に、添加し、混練されることが好ましい。混練方法は凝結遅延剤の混練と同様である。混練時間は30秒から5分が好ましい。
流動化剤は、水中不分離性混和剤と同時に添加するか、もしくは水中不分離性混和剤添加・混練の後に添加し、混練される。混練方法は凝結遅延剤の混練と同様である。混練時間は30秒から5分が好ましい。
ベースコンクリートがアジテータ車に投入され、搬送された場合は、アジテータ車のドラムに上記の凝結遅延剤、速硬性混和材、水中不分離性混和剤及び流動化剤の各混和剤(材)を投入し、混練を行うことができる。アジテータ車のドラム内で各混和剤(材)の混練を行う場合は、後から投入される混和剤(材)の量を考慮し、投入されるベースコンクリートの量は、ドラム容積の1/10〜3/8であることが好ましく、1/8〜1/3であることがより好ましい。
アジテータ車への各混和剤(材)の投入方法としては、混和剤(材)が液状の場合は、例えば、水中ポンプによる方法などが挙げられる。一方、混和剤(材)が粉体状である場合は、例えば、フレコン袋体をドラムの投入口上に吊り上げて直接投入する方法、少量の空気により粉体を輸送可能な粉体輸送装置を用いる方法などが挙げられる。アジテータ車のドラムによる混練の場合、混練時間は30秒から5分が好ましい。ドラムの回転速度は5〜20r.p.m.が好ましい。
<水中不分離性速硬コンクリートの施工、特性評価>
全ての混和剤が添加・混練され製造された水中不分離性速硬コンクリートは、流動性等の評価後、ポンプ等で水中に搬送され、所定の箇所に打設される。本発明の製造方法によれば、良好な流動性、施工作業に十分な可使時間、早期強度発現性を有する水中不分離性速硬コンクリートが得られる。
以下、更に具体的な実施例および比較例を挙げて説明する。但し、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
<使用材料>
・セメント1:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント(株)社製)
・セメント2:超速硬セメント、「スーパージェットセメント」(太平洋セメント(株)社製)
・砂:陸砂
・砂利:砕石;最大粒径20mm
・水:上水
・凝結遅延剤:クエン酸系遅延剤、水溶液として添加
・速硬性混和材:カルシウムアルミネート系急硬材(主成分:カルシウムアルミネート類及び硫酸塩)
・水中不分離性混和剤:水溶性セルロース類、「エルコン」(太平洋マテリアル(株)社製)
・流動化剤1:メラミンスルホン酸系、「シーカメントFF」(日本シーカ(株)社製)
・流動化剤2:ポリカルボン酸系、「マスターグレニウム930」(BASF(株)社製)
・AE減水剤:リグニンスルホン酸系、「ポゾリスNo.70」(BASF(株)社製)
<水中不分離性速硬コンクリートの製造>
上記に表す使用材料を用い、水中不分離性速硬コンクリートを製造した。以下に製造方法の詳細を示す。製造工程のフローを図1に示す。また、水中不分離性速硬コンクリートの配合を表1に示す。
(1)まず、ベースコンクリートを製造する。ベースコンクリートとは水中不分離性速硬コンクリートの配合から水中不分離性混和剤スラリー、凝結遅延剤水溶液に使用される水量および流動化剤、水中不分離混和剤、凝結遅延剤、速硬性混和材を差し引いたコンクリートを指す。
(2)上記ベースコンクリートに凝結遅延剤を溶解させた水溶液を添加し、30秒間混練する。
(3)次に、速硬性混和材を添加し、3分間混練する。
(4)さらに、スラリー状に調整した水中不分離性混和剤および流動化剤を投入し、3分間混練する。
Figure 0006300365
<試験方法>
試験方法を表2に示す。
Figure 0006300365
<試験結果>
スランプフロー、空気量および水中不分離度の試験結果を表3に示す。材齢6時間、材齢1日、材齢7日及び材齢28日における気中作製及び水中作製供試体の圧縮強度試験結果(S,S)、ならびに気中水中の強度比(S/S)の結果を表4に示す。
Figure 0006300365
表3より、実施例の配合においては、練混ぜ60分後のスランプフローが練上り直後のスランプフローの低下量が3.0cm以下であることから60分以上の可使時間が確保できるといえる。凝結遅延剤の量により可使時間をコントロールすることが可能であった。特に、ポリカルボン酸系流動化剤を使用した場合は90分までスランプフローの低下がみられず、長い可使時間を確保できることが分かる。なお、水中不分離性はいずれの配合でも満足する結果であった。
一方、超速硬セメントを使用した場合は、凝結遅延剤の添加量を増やしても、練混ぜ60分後のスランプフローが大きく低下した。スランプフローの低下量を3.0cm以下とするには40分程度が限界であった。
Figure 0006300365
表4より、速硬性混和材を添加することで、早期に強度を発現させることが可能であった。一方、速硬性混和材を添加していない配合は材齢2日まで脱型することが困難であった。また、水結合材比・速硬性混和材の添加量を変化させることで、圧縮強度をコントロールすることが可能である。材齢1日以降において気中水中の強度比が0.8以上であることから水中不分離性を満足しているといえる。
なお、メラミンスルホン酸系流動化剤を使用したもの(実施例7)は、材齢7日までの強度発現性は問題ないが、材齢28日における強度発現性がポリカルボン酸系流動化剤を使用したもの(実施例2)に比べて劣る傾向がみとめられた。


Claims (6)

  1. 普通ポルトランドセメント、骨材、凝結遅延剤、カルシウムアルミネート類を主成分として含有する速硬性混和材、セルロース系水中不分離性混和剤及びポリカルボン酸系流動化剤を少なくとも含有する水中不分離性速硬コンクリートであって、
    前記速硬性混和材の配合量は、普通ポルトランドセメント100質量部に対して、20〜70質量部であり、
    前記流動化剤の配合量は、普通ポルトランドセメントと速硬性混和材の総量100質量部に対して、0.75〜5質量部であり、
    前記凝結遅延剤の添加量は、普通ポルトランドセメントと速硬性混和材の総量100質量部に対して、0.55〜0.70質量部であり、
    前記水中不分離性混和剤の配合量は、コンクリート1m 中、1.5〜5.0kgであり、さらに、前記水中不分離性速硬コンクリートのスランプフローが40cm以上であり、かつ可使時間が60分以上であり、かつ材齢6時間で5N/mm以上の圧縮強度が発現することを特徴とする水中不分離性速硬コンクリート。
  2. 前記速硬性混和材の配合量は、普通ポルトランドセメント100質量部に対して、42.8〜65.3質量部であり、
    前記流動化剤の配合量は、普通ポルトランドセメントと速硬性混和材の総量100質量部に対して、1.0〜2.0質量部であり、
    前記凝結遅延剤の添加量は、普通ポルトランドセメントと速硬性混和材の総量100質量部に対して、0.55〜0.70質量部であり、
    前記水中不分離性混和剤の配合量は、コンクリート1m中、1.5〜5.0kgであることを特徴とする請求項1に記載の水中不分離性速硬コンクリート。
  3. 材齢6時間以降における気中作製供試体の圧縮強度(S)に対する水中作製供試体の圧縮強度(S)の強度比(S/S)が0.75以上であり、かつ、材齢1日以降における該強度比が0.80以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水中不分離性速硬コンクリート。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の水中不分離性速硬コンクリートの製造方法であって、
    普通ポルトランドセメント、骨材、凝結遅延剤、カルシウムアルミネート類を主成分として含有する速硬性混和材を少なくとも含むコンクリートにセルロース系水中不分離性混和剤及びポリカルボン酸系流動化剤を添加し、混練することを特徴とする水中不分離性速硬コンクリートの製造方法。
  5. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の水中不分離性速硬コンクリートの製造方法であって、
    普通ポルトランドセメント、骨材を少なくとも含むベースコンクリートに凝結遅延剤、カルシウムアルミネート類を主成分として含有する速硬性混和材、セルロース系水中不分離性混和剤及びポリカルボン酸系流動化剤を添加し、混練することを特徴とする水中不分離性速硬コンクリートの製造方法。
  6. 凝結遅延剤、カルシウムアルミネート類を主成分として含有する速硬性混和材、セルロース系水中不分離性混和剤及びポリカルボン酸系流動化剤を、アジテータ車のドラム内に投入し、混練することを特徴とする請求項5に記載の水中不分離性速硬コンクリートの製造方法。
JP2014156350A 2014-07-31 2014-07-31 水中不分離性速硬コンクリートおよびその製造方法 Active JP6300365B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014156350A JP6300365B2 (ja) 2014-07-31 2014-07-31 水中不分離性速硬コンクリートおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014156350A JP6300365B2 (ja) 2014-07-31 2014-07-31 水中不分離性速硬コンクリートおよびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016033097A JP2016033097A (ja) 2016-03-10
JP6300365B2 true JP6300365B2 (ja) 2018-03-28

Family

ID=55452184

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014156350A Active JP6300365B2 (ja) 2014-07-31 2014-07-31 水中不分離性速硬コンクリートおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6300365B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6694313B2 (ja) * 2016-03-31 2020-05-13 太平洋マテリアル株式会社 速硬コンクリートの製造方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0426537A (ja) * 1990-05-22 1992-01-29 Ohbayashi Corp アクアコンクリートの製造方法
JP2640322B2 (ja) * 1993-05-13 1997-08-13 鹿島建設株式会社 水中不分離性コンクリートの混練法
JP2006240250A (ja) * 2005-03-07 2006-09-14 Kumagai Gumi Co Ltd セメント系混合物の混練方法
JP2008247663A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Kumagai Gumi Co Ltd コンクリート組成物とその製造方法
JP2008246824A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Kumagai Gumi Co Ltd セメント系混合物の混練方法
JP2010241618A (ja) * 2009-04-02 2010-10-28 Denki Kagaku Kogyo Kk 超速硬水中不分離性セメント組成物、超速硬水中不分離性プレミックスモルタル組成物、及び水中不分離性グラウトモルタル
JP2011132040A (ja) * 2009-12-22 2011-07-07 Taiheiyo Materials Corp 水中不分離性水硬性組成物用増粘剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016033097A (ja) 2016-03-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2018202064B2 (en) Composition for use as a two component back filled grout comprising extracted silicate
CN107257778B (zh) 具有磷酸盐活化剂的富含碱土金属氧化物的固体无机化合物的粘结剂
JP6258697B2 (ja) 速硬性グラウト組成物
JP6891041B2 (ja) 早強性超高強度グラウト組成物
JP2017132667A (ja) 耐食性モルタル組成物
JP6404629B2 (ja) 高流動保持型水中不分離性グラウト組成物
WO2021165221A1 (en) Accelerator for mineral binder compositions
JP2006131488A (ja) 耐酸性グラウト組成物
KR101448837B1 (ko) 고유동 콘크리트용 무시멘트결합재 및 상기 결합재를 포함하는 친환경 고유동 콘크리트
JP6674301B2 (ja) セメント系低粘性速硬グラウト材
JP2011136863A (ja) 超高強度グラウト組成物
JP6258030B2 (ja) 粉体混和材のセメント混練物への添加器具及び添加方法、並びに粉体混和材を混和したセメント混練物の製造方法
JP2007177077A (ja) 地盤注入材
JP6509671B2 (ja) 水中不分離性コンクリート組成物およびその硬化体
JP6985177B2 (ja) 水硬性組成物及びコンクリート
KR101503841B1 (ko) 연약토양의 안정화 및 강도 증진을 위한 친환경 지오폴리머 조성물과 이를 이용한 시공 방법
JP5227161B2 (ja) セメント混和材及びセメント組成物
JP6300365B2 (ja) 水中不分離性速硬コンクリートおよびその製造方法
JP5721212B2 (ja) 初期膨張性セメント組成物
JP2008201605A (ja) 高流動水硬性組成物用速硬材及び高流動水硬性組成物
JP6133598B2 (ja) 速硬性グラウト組成物及び速硬性グラウト材
JP6654932B2 (ja) 高強度グラウト組成物および高強度グラウト材
JP6887272B2 (ja) 速硬性ポリマーセメント組成物及び速硬性ポリマーセメントモルタル
JP2016037407A (ja) 高流動保持型低発熱性グラウト組成物
JP6327706B2 (ja) ラテックス改質コンクリートの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180202

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180222

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180223

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6300365

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250