JP6420043B2 - モルタル組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、モルタル組成物に関する。詳しくは、硬化前の流動性に優れるとともに施工性にも優れ、無収縮グラウト材として好適に使用することができ、且つ調製の容易なモルタル組成物に関する。
既存建築物に対して行う耐震補強工事には、例えばRC(Reinforced−Concrete)造耐震壁による補強、鉄骨ブレースによる補強、柱を鋼鉄巻きにすることによる補強などの、種々の補強方法が提案され、実施されている。これらの耐震補強工事においては、既存コンクリート部材と補強部材とを無収縮グラウト材によって接合することが行われている。また、既存コンクリート建築物の空隙、ひび割れ、目地などに無収縮グラウト材を注入して補修する工法が知られている。
無収縮グラウト材は、硬化前後の寸法変化が少ないことのほか;適度の流動性を有すること;例えば型枠外、周辺隙間などへ漏れ出さないこと;温度変化に強く熱履歴によってひび割れしないこと、などの諸特性が要求される。
無収縮グラウト材としてモルタル組成物を使用する場合、該組成物に種々の添加剤を加えて上記の諸特性を調整することが行われている。例えば減水剤、増粘剤などが添加される。モルタル組成物に、減水剤として汎用のポリカルボン酸を添加すると、流動性は向上するが硬化部の形状が横に広がる(いわゆる「横ダレ」する)傾向を生ずる。これを是正するために組成物にさらに増粘剤が加えると、今度は流動性が損なわれる。
この点、特許文献1は、ポリカルボン酸系減水剤を用いて練り混ぜを行って未硬化セメント組成物を調製する第1混錬工程と、該未硬化セメント組成物にナフタレン系増粘剤またはメラミン系増粘剤を添加して練り混ぜを行う第2混錬工程とを経由して調製された未硬化セメント組成物が、無収縮グラウト材として好適であると説明されている。しかしながら、特許文献1の技術による材料は、2段階の混練を必須とするから調製コストが高価であることのほか、必ずしも無収縮グラウト材として最適の特性を発現するものではない。
このように、従来技術の範疇でモルタル組成物に添加剤を加えることにより、最適の無収縮グラウト材を得ようとすることには一定の限界がある。従って既存のモルタル系無収縮グラウト材は、具備すべき特性の少なくとも一部で譲歩した妥協の産物に過ぎないのである。
特開2011−201126号公報
本発明は、上記の現状を打開しようとしてなされたものである。従って本発明の目的は、硬化前の流動性に優れるとともに施工性にも優れ、且つ調製の容易なモルタル系の無収縮グラウト材料および該材料を用いて行うモルタルグラウト工法を提供することである。
本発明によると、本発明の上記目的および利点は、第1に、
セメント、細骨材減水剤および増粘剤を含有する無収縮グラウト材であって、
前記減水剤が、ポリカルボン酸系減水剤およびナフタレン系減水剤を含有し、そして
前記ポリカルボン酸系減水剤100重量部に対する前記ナフタレン系減水剤の使用割合が15〜800重量部であることを特徴とする、前記無収縮グラウト材(ただし、再乳化型粉末樹脂を含むものを除く)によって達成される。
本発明の上記目的および利点は、第2に、
上記の無収縮グラウト材を使用することを特徴とする、モルタルグラウト工法によって達成される。
本発明によると、硬化前の流動性および施工性の双方に優れ、調製の容易なモルタル組成物が提供される。このモルタル組成物は、無収縮グラウト材料が具備すべき諸特性に優れるから、モルタルグラウト工法に好適に適用することができる。
本発明のモルタル組成物は、少なくともセメント、細骨材および減水剤を含有する。
以下、本発明のモルタル組成物に含有される各成分について、順に説明する。
<セメント>
本発明のモルタル組成物に含有されるセメントとしては、例えば普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、低硫酸塩ポルトランドセメント、エコセメント、超速硬セメント、アルミナセメントなどを挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上を使用することができる。
本発明のモルタル組成物を無収縮グラウト材として用いる場合、流動性の保持、硬化時の発熱(反応熱)、硬化後の強度発現性などの特性が重要となるため、セメントとして普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱セメントおよび超速硬セメントよりなる群から選択される1種以上を使用することが好ましく、
普通ポルトランドセメントおよび早強ポルトランドセメントよりなる群から選択される1種以上を含むセメントを使用することがより好ましい。後者の場合、普通ポルトランドセメントおよび早強ポルトランドセメントの使用割合は、両者の合計に対する早強ポルトランドセメントの重量割合として、5〜95重量%とすることが好ましく、10〜70重量%とすることがより好ましい。普通ポルトランドセメントおよび早強ポルトランドセメントの合計の使用量は、使用するセメント全部の合計に対する普通ポルトランドセメントおよび早強ポルトランドセメントの合計の重量割合として、70重量%以上とすることが好ましく、85重量%以上とすることがより好ましい。
本発明のモルタル組成物に含有されるセメントとしては、普通ポルトランドセメントおよび早強ポルトランドセメントよりなる群から選択される1種のみを使用することが、最も好ましい。
<細骨材>
本発明のコンクリート組成物に含有される細骨材としては、例えば砂利、砕石、再生細骨材などを挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上を使用することができる。
細骨材の平均粒径(D50)としては、0.03〜5.0mmであることが好ましく、0.09〜3.0mmであることがより好ましく;
密度は、絶乾比重として、2.3〜3.2であることが好ましく、2.5〜2.9であることがより好ましい。
本発明のモルタル組成物における細骨材の好ましい含有割合については後述する。
<減水剤>
本発明のモルタル組成物は、減水剤を含有する。
本発明のモルタル組成物における減水剤は、ポリカルボン酸系減水剤およびナフタレン系減水剤を含有する。本発明におけるポリカルボン酸系減水剤およびナフタレン系減水剤としては、それぞれ、JIS A 6204に記載された化学混和剤の区分において、性能による区分のうちの「高性能減水剤」、「高性能AE減水剤」または「減水剤」に分類され、且つ塩化物イオン量による区分のうちの「I種(塩化物イオン量=0.02kg/m)」に区分される減水剤の中から選択して使用することが好ましい。
[ポリカルボン酸系減水剤]
本発明のモルタル組成物に含有されるポリカルボン酸系減水剤としては、例えばポリカルボン酸エーテル系化合物、ポリカルボン酸エーテル系化合物の複合物、ポリカルボン酸エーテル系化合物と変性ポリマーとの複合物、ポリカルボン酸エーテル系化合物と架橋ポリマーとの複合物、ポリカルボン酸エーテル系化合物と配向ポリマーとの複合物、ポリカルボン酸エーテル系化合物とポリ誘導体との複合物、ポリエーテルカルボン酸系化合物、カルボキシル基含有ポリエーテル系化合物、マレイン酸共重合物、マレイン酸エステル共重合物、マレイン酸誘導体共重合物などを基剤とする減水剤を例示することができ、これらのうちから選択される1種以上を使用することができる。
本発明におけるポリカルボン酸系減水剤としては、ポリカルボン酸エーテル系化合物、ポリカルボン酸エーテル系化合物と架橋ポリマーとの複合物、ポリカルボン酸エーテル系化合物と配向ポリマーとの複合物およびポリカルボン酸エーテル系化合物とポリ誘導体との複合物よりなる群から選択される少なくとも1種を使用することが好ましい。
[ナフタレン系減水剤]
本発明のモルタル組成物に含有されるナフタレン系減水剤としては、例えばナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物およびその塩、ポリナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物およびその塩、ナフタレンスルホネートおよびその塩などを挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上を使用することができる。ナフタレン系減水剤が塩である場合のカウンターカチオンとしては、例えばナトリウムイオンなどを挙げることができる。これらのナフタレン系減水剤は、変性リグニン、活性持続ポリマー、反応性高分子などが添加されたものであってもよい。
本発明におけるナフタレン系減水剤としては、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物およびその塩、ならびにポリナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物およびその塩よりなる群から選択される少なくとも1種を使用することが好ましい。
[ポリカルボン酸系減水剤およびナフタレン系減水剤の使用割合]
本発明のモルタル組成物において、ポリカルボン酸系減水剤100重量部に対する前記ナフタレン系減水剤の使用割合は15〜900重量部である。この範囲の使用割合とすることにより、良好な流動性を示しながら、横ダレ傾向のないモルタル組成物を得ることができることとなる。この値は、好ましくは20〜800重量部であり、より好ましくは25〜500重量部である。
ナフタレン系減水剤が変性リグニン、活性持続ポリマー、反応性高分子などが添加されたものである場合、上記の重量割合は、ナフタレン系減水剤の重量計算の際にこれらの添加剤を含めた重量を基準として得られた割合である。
[その他の減水剤]
本発明のモルタル組成物は、必要に応じて、上記ポリカルボン酸系減水剤およびナフタレン系減水剤以外に、その他の減水剤を含有していてもよい。
ここで使用することのできるその他の減水剤としては、例えばメラミン系減水剤、リグニン系減水剤などを挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上を使用することができる。
本発明のモルタル組成物におけるその他の減水剤の使用量は、減水剤全部の重量に対して、5.0重量%以下とすることが好ましく、2.0重量%以下とすることがより好ましく、その他の減水剤を使用しないことが最も好ましい。
<その他の成分>
本発明のモルタル組成物は、上記のセメント、細骨材および減水剤を必須の成分として含有するが、本発明の効果を減殺しない範囲で、これらの必須の成分以外にその他の成分を含有していてもよい。
本発明のモルタル組成物が含有することのできるその他の成分としては、例えば増粘剤、膨張剤、消泡剤、無水石膏、シリカヒューム、石灰石微粉末、消石灰、凝結遅延剤、繊維などを挙げることができる。
[増粘剤]
本発明のモルタル組成物は増粘剤を含有することができる。
上記増粘剤としては、例えばセルロース系増粘剤、蛋白質系増粘剤、ラテックス系増粘剤、水溶性ポリマー系増粘剤などが挙げられ、これらのうちから選択される1種以上を使用することができる。これらのうち、セルロース系増粘剤および水溶性ポリマー系増粘剤よりなる群から選択される1種以上を使用することが好ましい。
上記セルロース系増粘剤の具体例としては、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース(例えばヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなど)、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース(例えばヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)などを;
上記水溶性ポリマー系増粘剤の具体例としては、例えばコーンスターチ、ポテトスターチ、グアーガム、アルギン酸ナトリウムなどを、それぞれ挙げることができる。
本発明における増粘剤として特に好ましくは、メチルセルロースおよびヒドロキシアルキルアルキルセルロースよりなる群から選択される1種以上である。
[膨張剤]
本発明のモルタル組成物は、膨張剤を含有していてもよい。
本発明における膨張剤としては、生石灰、カルシウムサルホアルミネート、無水石膏、マグネシア、石灰系膨張剤、エトリンガイト系膨張剤などを挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上を好ましく使用することができる。
本発明における膨張剤としては、エトリンガイト系膨張剤を使用することが最も好ましい。
[消泡剤]
本発明のモルタル組成物は、さらに消泡剤を含有していてもよい。
本発明における消泡剤としては、例えばエステル系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、鉱物油系消泡剤、シリコーン系消泡剤などを挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上を好ましく使用することができる。
本発明における消泡剤としては、鉱物油系膨張剤を使用することが最も好ましい。
<モルタル組成物(各成分の使用量)>
本発明のモルタル組成物は、無収縮グラウト材として使用したときに型枠外、周辺隙間などへの漏出を可及的に防止するとの観点からは、細骨材の粒径を比較的大きいものとすることが好ましい。この場合における細骨材は、その累積体積90%における粒径(D90)の値が、1.6mm以上であることが好ましく、1.6〜5.0mmであることがより好ましく、1.7〜3.0mmであることがさらに好ましい。この場合の細骨材の平均粒径(D50)は、0.6〜1.2mmであることが好ましい。細骨材は、上記のD90値およびD50値の双方が上記の範囲内にあることが好ましい。細骨材の使用量は、セメント100重量部に対して、80〜250重量部とすることが好ましく、100〜200重量部とすることがより好ましい。
一方で、硬化後にひび割れが発生することを低減する観点からは、本発明のモルタル組成物におけるセメントの含有量を少ないものとすることが好ましい。この場合、細骨材の使用量は、セメント100重量部に対して、100〜300重量部とすることが好ましく、125〜250重量部とすることがより好ましい。この場合における細骨材は、その累積体積90%における粒径(D90)の値が、2.5mm以下であることが好ましく、1.7mm以下であることがより好ましい。この場合の細骨材の平均粒径(D50)は、0.21〜0.6mmであることが好ましい。細骨材は、上記のD90値およびD50値の双方が上記の範囲内にあることが好ましい。
本発明のモルタル組成物における上記以外の成分の使用量は、セメント100重量部に対する使用量として、それぞれ、以下のとおりである。
減水剤:減水剤全部の重量として、好ましくは0.2〜2.0重量部、より好ましくは0.2〜1.5重量部
増粘剤:好ましくは1.0重量部以下、より好ましくは0.6重量部以下、さらに好ましくは0.4重量部以下
膨張剤:好ましくは10.0重量部以下、より好ましくは5.0重量部以下
消泡剤:好ましくは1.0重量部以下、より好ましくは0.3重量部以下
<モルタル組成物の製造方法>
本発明のモルタル組成物は、上記のようなセメント、細骨材および減水剤(ポリカルボン酸系減水剤およびナフタレン系減水剤)、ならびに必要に応じて上記その他の成分、ならびに水を適宜に混合することにより、調製することができる。
本発明のモルタル組成物は、水を除く全成分を乾式のプレミックス工程によって混合して紛体混合物とした後、該紛体混合物と水とを混合することにより、容易に調製することができる。本発明のモルタル組成物は、成分を段階的に配合する必要がないから、調製、貯蔵および運搬に要するコストが低廉である。
上記乾式プレミックス工程は、例えば二軸強制練ミキサー、傾胴ミキサー、V型ミキサー、プロシェアミキサー、スーパーミキサー、ナウタミキサーなどの適宜の混合機を用いて行うことができる。乾式プレミックス工程によって得られた紛体混合物と水との混合は、例えば一般的なグラウトミキサー、ハンドミキサーなどを用いて行うことができる。
本発明において、水は、上記セメント100重量部に対し、好ましくは25〜80重量部、より好ましくは30〜55重量部使用される。
本発明のモルタル組成物における各成分の好ましい使用量を、硬化物1mあたりの配合量(m配合)として表すと、細骨材の粒径を比較的大きいものとする態様およびセメントの含有量を低減する態様の別に応じて、それぞれ以下のとおりである。
−細骨材の粒径を比較的大きいものとする場合−
セメント:好ましくは500〜1,000kg、より好ましくは600〜900kg
細骨材:好ましくは600〜1,500kg、より好ましくは800〜1,300kg
ポリカルボン酸系減水剤:好ましくは0.8〜5.0kg、より好ましくは1.5〜3.0kg
ナフタレン系減水剤:好ましくは0.3〜20.0kg、より好ましくは0.4〜10.0kg
増粘剤:好ましくは3.0kg以下、より好ましくは2.0kg以下、さらに好ましくは1.0kg以下
膨張剤:好ましくは100kg以下、より好ましくは80kg以下
消泡剤:好ましくは3.0kg以下、より好ましくは1.5kg以下
−セメントの含有量を低減する場合−
セメント:好ましくは300〜800kg、より好ましくは400〜600kg
細骨材:好ましくは800〜1,600kg、より好ましくは900〜1,400kg
ポリカルボン酸系減水剤:好ましくは0.8〜5.0kg、より好ましくは1.5〜3.0kg
ナフタレン系減水剤:好ましくは0.3〜20.0kg、より好ましくは0.4〜10.0kg
増粘剤:好ましくは3.0kg以下、より好ましくは2.0kg以下、さらに好ましくは1.0kg以下
膨張剤:好ましくは100kg以下、より好ましくは80kg以下
消泡剤:好ましくは3.0kg以下、より好ましくは1.5kg以下
<モルタルグラウト工法>
本発明のモルタル組成物を無収縮グラウト材として、モルタルグラウト工法を施工することができる。
上記モルタルグラウト工法は、無収縮グラウト材として本発明のモルタル組成物を使用する以外は、公知の方法を採用して行うことができる。具体的には、例えばグラウト材を充填すべき箇所に型枠を設置して、注入孔から該型枠内に本発明のモルタル組成物を注入して硬化を待てばよい。型枠の隅部に空気が残らないように、型枠の適当な部位に排気口を設けることも好ましい。注入は、例えばスクイズポンプ、スネークポンプなどを用いて行うことができる。
本発明のモルタル組成物を用いるモルタルグラウト工法によって施工された硬化物は、材料分離に対する抵抗性が高いとの利点を有するものである。
以下の実施例および比較例で使用した成分の詳細は以下のとおりである。なお、実施例1、3、4、6〜9は参考例である。
セメント;
普通セメント:普通ポルトランドセメント、(株)トクヤマ製
早強セメント:早強ポルトランドセメント、太平洋セメント(株)製
細骨材:珪砂(3号(35重量%)、4号(35重量%)および6号(40重量%)の混合砂)
ポリカルボン酸系減水剤:マイテイ21P(商品名、メタクリル酸ナトリウム−メトキシポリオキシエチレンメタクリレート共重合物、花王(株)製のポリカルボン酸エーテル系化合物である。)
ナフタレン系減水剤:マイテイ100(商品名、ナフタレンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物ナトリウム(主成分)、花王(株)製)、表1における使用量は、水添加後のモルタル組成物1mあたりの重量を基準とした。
増粘剤:メトローズSCH−300L(商品名、メチルセルロース、信越化学工業(株)製)
膨張剤:太平洋ジプカル(商品名、エトリンガイト系膨張剤、太平洋セメント(株)製)
消泡剤:SNデフォーマー14HP(商品名、鉱物油系消泡剤、サンノプコ(株)製)

実施例1〜9および比較例1〜3
(1)モルタル組成物の調製
各成分を表1に記載した割合となるように計量し、オムニミキサーで混合して粉体混合物を調製した。
ペール缶に所定量の水を秤りとり、これをハンドミキサーで撹拌しながら上記の粉体混合物を加えた。粉体混合物の全量を加え終わった後、2分間撹拌を継続することにより、各モルタル組成物を製造した。
表1に示した各成分の割合は水添加後のモルタル組成物1mあたりの配合量(単位:kg)である。
(2)評価方法
(2−1)流動性の試験(J14ロート試験)
上記で調製した各モルタル組成物の流動性を、PCグラウトの流動性試験方法(JSCE−F531、(公社)土木学会)に準拠してJ14ロートを用いて測定した。
流下時間を表2に示した。この値が6〜10秒であるとき、該組成物の流動性は無収縮グラウト材として好適であると評価することができる。
(2−2)広がり易さの試験(フロー試験)
上記で調製した各モルタル組成物の広がり易さを、テーブルフロー試験方法(JASS 15M−103)に準拠して内直径5cm×長さ10cmのアクリル樹脂製チューブを用いて測定した。
フロー値を表2に示した。この値が160〜230mmであるとき、該組成物の広がり易さは無収縮グラウト材として好適であると評価することができる。
Figure 0006420043
Figure 0006420043

Claims (4)

  1. セメント、細骨材減水剤および増粘剤を含有する無収縮グラウト材であって、
    前記減水剤が、ポリカルボン酸系減水剤およびナフタレン系減水剤のみからなり、そして
    前記ポリカルボン酸系減水剤100重量部に対する前記ナフタレン系減水剤の使用割合が15〜900重量部であることを特徴とする、前記無収縮グラウト材(ただし、再乳化型粉末樹脂を含むものを除く)。
  2. 上記細骨材の、累積体積90%における粒径(D90)が1.6mm以上である、請求項1に記載の無収縮グラウト材
  3. 水添加後のモルタル組成物硬化物1mあたりのセメントの配合割合が300〜800kgである、請求項1または2に記載の無収縮グラウト材
  4. グラウト材として請求項1〜のいずれか一項に記載の無収縮グラウト材を使用することを特徴とする、モルタルグラウト工法。
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