JP5064206B2 - 高温環境用水中不分離性モルタル組成物および高温環境用水中不分離性グラウトモルタル組成物 - Google Patents

高温環境用水中不分離性モルタル組成物および高温環境用水中不分離性グラウトモルタル組成物 Download PDF

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Description

本発明は、高温環境用水中不分離性モルタル組成物に関し、詳しくは、30℃の高温環境下においても、高い水中不分離性を備え、気中成形の圧縮強度に対する水中成形の圧縮強度の比率が高く、優れた練り混ぜ作業性及び優れた充填作業性を備える高温環境用水中不分離性モルタル組成物に関する。
土木工事又は建築工事において、海中を含む水中にモルタルを施工する場合、充填箇所の水をポンプ等で排水した後にモルタルを充填することが従来行われてきた。一般的なモルタルを充填箇所の水を排水することなく充填すると、当該モルタルが分離し、硬化不良や強度不足になり、且つ充填箇所の水がセメントや混和材料等で著しく濁るといった問題があった。近年、充填箇所の水をポンプ等で排水することなくモルタルを充填しても、著しい分離、硬化不良及び強度不足が起こらない、水中不分離性グラウト(モルタル)が知られるようになった(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。
この水中不分離性グラウトは、セメント、水、骨材、減水剤、不分離剤(増粘剤)からなる。一般に増粘剤は高温になるほど性能が低下する。そのため、夏場等の高温環境下で水中不分離グラウトを使用する場合は、増粘剤の添加量を増やす必要があるが、増粘剤の添加量を増やすと練り混ぜ時にミキサに大きな負荷がかかるため、ハンドミキサでは練り混ぜることが困難であった。また、練り混ぜ難いことから、減水剤の性能が充分発揮されるまでに、練り混ぜ時間を長くする必要があった。
また、増粘剤の添加量を増やすと、練り混ぜ時の摩擦で混練した水中不分離性グラウトの温度が上昇し、水中不分離性のために増量した増粘剤の効果が相殺されてしまうとともに、流動性の経過時間による低下(経時変化)が大きく起こるという問題があった。このため、高温環境下においても優れた水中不分離性を備え、短時間で練り上げることができ、且つ経時変化が小さい水中不分離性グラウト(モルタル)が求められていた。本願出願人は、JASS15M−103の条件にて、セメント、減水剤、増粘剤、骨材及び水からなるモルタルのフロー値を測定した場合に、練り混ぜ直後のフロー値よりも30分後のフロー値が増大する減水剤と、練り混ぜ後のフロー値が増大することのない減水剤、及び/又はセルロース誘導体と水溶性天然高分子とを含有するモルタルが、可使時間が長く、しかも材料分離が起こらず、施工性に優れたものであることを見出し、2001年に特許出願を行った(特許文献3参照)。しかし、この技術を高温環境下の水中不分離性グラウトに適用すると、練り混ぜ時間を長くする必要があった。
特開平6−92709号公報 特開平7−138055号公報 特開2002−356357号公報
本発明は、高温環境用水中不分離性モルタル組成物について、従来の上記問題を解決したものであり、高温環境下においても優れた水中不分離性を備え、短時間で練り上げることができ、且つ経時変化が小さい高温環境用水中不分離性モルタル組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、高温環境用水中不分離性グラウトモルタル組成物について、従来の上記問題を解決したものであり、高温環境下においても優れた水中不分離性を備え、短時間で練り上げることができ、且つ経時変化が小さい高温環境用水中不分離性グラウトモルタル組成物を提供することを目的とする。
本発明は、特定の減水剤を併用することによって上記問題を解決した。即ち、本発明は、以下の(1)〜(2)で表す高温環境用水中不分離性モルタル組成物、及び(3)で表す高温環境用水中不分離性グラウトモルタル組成物である。
(1)セメント、骨材、増粘剤、速効性ポリカルボン酸系減水剤及び遅効性メラミン系減水剤を含有し、速効性ポリカルボン酸系減水剤の含有率が0.2質量%〜3.0質量%、遅効性メラミン系減水剤の含有率が0.2質量%〜3.0質量%であり、
上記の速効性ポリカルボン酸系減水剤は、30℃の恒温室内において、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に規定される標準砂1350g、普通ポルトランドセメント1350g、水405gに、回転数1000r.p.m.,羽根直径100mmのハンドミキサにより内径180mm,深さ210mmの金属製容器内で全材料投入後90秒間練り混ぜた直後のJIS静置フロー値が250mm〜300mmとなる量の当該減水剤を配合し(当該減水剤が水溶液の場合は、当該減水剤の量を水量の内割りとする。)、練り混ぜから15分後のJIS静置フロー値が練り混ぜ直後のJIS静置フロー値よりも小さい値となるポリカルボン酸系減水剤であり、
上記の遅効性メラミン系減水剤は、同様に上記方法でハンドミキサにより練り混ぜ、練り混ぜから15分後のJIS静置フロー値が練り混ぜ直後のJIS静置フロー値と同じ値又は大きな値となるメラミン系減水剤である、
高温環境用水中不分離性モルタル組成物。
(2)上記の速効性ポリカルボン酸系減水剤が水溶性メタクリル系グラフトポリマーを主成分とする高性能減水剤であり、且つ上記の遅効性メラミン系減水剤がメラミンスルホン酸塩縮合重合体を主成分とする高性能減水剤である上記(1)に記載する高温環境用水中不分離性モルタル組成。
(3)上記(1)または(2)に記載する高温環境用水中不分離性モルタル組成物からなる高温環境用水中不分離性グラウトモルタル組成物。
本発明によれば、高温環境下においても優れた水中不分離性を備え、短時間で練り上げることができ、且つ経時変化が小さい高温環境用水中不分離性モルタル組成物が得られる。本発明によれば、高温環境下においても、気中成形供試体の圧縮強度に対する水中成形供試体の圧縮強度比が0.8以上と優れた水中不分離性を備え、ハンドミキサによる90秒間の練り混ぜで練り上げることができ、且つJIS R 5201「セメントの物理試験方法」11.フロー試験で規定されるフローコーンを用いフローコーン取り去り後5分間静置後のフロー値(落下運動無し)(以下、「5分間静置フロー値」という。)の経時変化が50mm以下と経時変化が小さい高温環境用水中不分離性モルタル組成物が得られる。
本発明によれば、高温環境下においても、気中成形供試体の圧縮強度に対する水中成形供試体の圧縮強度比が0.8以上と優れた水中不分離性を備え、ハンドミキサによる90秒間の練り混ぜで練り上げることができ、且つ5分間静置フロー値の経時変化が50mm以下と経時変化が小さい高温環境用水中不分離性グラウトモルタル組成物が得られるので、充填不良となり難く且つ充分な強度が得易い。
本発明の高温環境用水中不分離性モルタル組成物及び本発明の高温環境用水中不分離性グラウトモルタル組成物は、高温環境下においても優れた水中不分離性を備えているので、充填により排出される水の処理が軽度で済むので、排水処理に掛かる手間やコストを軽減することができる。また、発明の高温環境用水中不分離性モルタル組成物及び本発明の高温環境用水中不分離性グラウトモルタル組成物は、練り混ぜに使用するミキサを能力(消費電力)も小さなものでも短時間で練り上げることが可能である。また、このことにより、練り混ぜに使用する電力で発生するCO量も少なくできるので、環境の負荷を小さなものとすることができる。
以下、本発明を実施例と共に具体的に説明する。
本発明は、セメント、骨材、増粘剤、速効性ポリカルボン酸系減水剤及び遅効性メラミン系減水剤を含有する高温環境用水中不分離性モルタル組成物である。本発明において、速効性減水剤とは、30℃の恒温室内において、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に規定される標準砂1350g、普通ポルトランドセメント1350g、水405gに、回転数1000r.p.m.,羽根直径100mmのハンドミキサで内径180mm,深さ210mmの金属容器内で全材料投入後90秒間練り混ぜた直後のJIS R 5201「セメントの物理試験方法」11.フロー試験に準じて測定したフロー値(落下運動無し)(以下、「JIS静置フロー値」という。)が250mm〜300mmとなる量の当該減水剤を配合し(当該減水剤が水溶液の場合は、当該減水剤の量を水量の内割りとする。)、上記方法でハンドミキサにより練り混ぜ、練り混ぜから15分後のJIS静置フロー値が練り混ぜ直後のJIS静置フロー値よりも小さい値となる減水剤をいう。速効性ポリカルボン酸系減水剤とは、この速効性減水剤のうちポリカルボン酸系のものをいう。また、本発明において、遅効性減水剤とは、同様に上記方法でハンドミキサにより練り混ぜ、練り混ぜから15分後のJIS静置フロー値が練り混ぜ直後のJIS静置フロー値と同じ値又は大きな値となる減水剤をいう。遅効性メラミン系減水剤とは、遅効性減水剤のうちメラミン系のものをいう。なお、本発明において、減水剤とは、高性能減水剤,高性能AE減水剤、AE減水剤及び流動化剤を含む意味である。
速効性ポリカルボン酸系減水剤の含有率は、0.2質量%〜3.0質量%とすることが、ハンドミキサによる90秒間の練り混ぜで練り上げることができ、且つ高温環境下においても、気中成形供試体の圧縮強度に対する水中成形供試体の圧縮強度比が0.8以上と優れた水中不分離性を備えることから好ましい。本発明において、「練り上がる」とは、上記方法に準じハンドミキサである時間(y秒間)練り混ぜたときの5分間静置フロー値に対する、更に30秒間練り混ぜ後の5分間静置フロー値の増加が5mm以下となることを云い、このときの練り上がり時間はy秒間とする。
遅効性メラミン系減水剤の含有率は、0.2質量%〜3.0質量%とすることが、経時変化がより小さく、練り混ぜ直後の5分間静置フロー値に対する、練り混ぜから1時間後の5分間静置フロー値の減少(流動性の低下)が、10mm以内とすることができることから好ましい。
本発明で使用するセメントとしては、水硬性セメントであればよく、例えば、普通、早強、超早強、低熱及び中庸熱等の各種ポルトランドセメント、エコセメント、並びにこれらポルトランドセメント又はエコセメントに、フライアッシュ、高炉スラグ、シリカフューム又は石灰石微粉末等を混合した各種混合セメント、太平洋セメント社製「ジェットセメント」(商品名)や住友大阪セメント社製「ジェットセメント」(商品名)等の超速硬セメント、アルミナセメント等が挙げられ、これらを一種単独で又は二種以上併用して用いることができる。
セメントの含有率は、25質量%〜75質量%とすることが好ましい。25質量%未満では圧縮強度が低く、75質量%を超えると水中不分離性モルタルの粘性が高すぎて練り混ぜ作業、充填作業又は使用器具・機器の洗浄作業が行い難い。より好ましいセメントの含有率は、40質量%〜70質量%である。
本発明で使用する骨材としては、例えば、川砂、海砂、山砂、砕砂、人工細骨材、スラグ細骨材、再生細骨材、スラグ細骨材、珪砂、石粉、川砂利、陸砂利、砕石、人工粗骨材、スラグ粗骨材、再生粗骨材、スラグ粗骨材等が挙げられ、これらの一種又は二種以上の使用が可能であるが、モルタルが高い流動性を得ることから、公称呼び寸法10mmの篩に留まる粒子が1質量%未満であることが好ましく、公称呼び寸法5mmの篩に留まる粒子が1質量%未満であることがより好ましい。
骨材の含有率は、25質量%〜75質量%とすることが好ましい。25質量%未満では水中不分離性モルタルの粘性が高すぎて練り混ぜ作業、充填作業又は使用器具・機器の洗浄作業が行い難く、75質量%を超えるとい圧縮強度が低い。より好ましい骨材の含有率は、30質量%〜60質量%である。
本発明で使用する増粘剤としては、例えばヒドロキシメチルセルロースやヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性セルロース;アルギン酸、β-1,3グルカン、プルラン、ウェランガム等の多糖類;アクリル樹脂やポリビニルアルコール等のポリビニル等が挙げられ、これらの一種又は二種以上の使用が可能であるが、少量で水中不分離性が高いことから水溶性セルロースが好ましい。水溶性セルロースとしては、ヒドロキシアルキルセルロースおよび/またはヒドロキシアルキルアルキルセルロースからなる非イオン性の水溶性セルロースエーテルが用いられる。ヒドロキシアルキルセルロースとしては、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。ヒドロキシアルキルアルキルセルロースとしては、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース等が挙げられる。これらの水溶性セルロースは1種を用いてもよく、または2種以上を併用しても良い。これらの内では、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび/またはヒドロキシエチルセルロースがより好ましい。本発明に使用する水溶性セルロースは、その1%濃度水溶液の回転粘度計による20℃における粘度が、pH12〜13のアルカリ性で1000〜10000mPa・Sであるものが好ましい。この粘度範囲であるものは、モルタルの練り混ぜ水により早期に溶け易く、溶け残り難いので好ましい。
増粘剤の含有率は、好ましくは、0.1質量%〜1質量%である。0.1質量%未満では気中成形供試体の圧縮強度に対する水中成形供試体の圧縮強度比が0.8に達しない虞があり、1質量%を超えると水中不分離性モルタルの粘性が高すぎて練り混ぜ作業、充填作業又は使用器具・機器の洗浄作業が行い難い。高温環境下において、練り上げた水中不分離性モルタルが、200mm〜300mmの5分間静置フロー値が得られ、水中不分離性グラウトモルタルとして使用可能となることから、増粘剤のより好ましい含有率は、0.2質量%〜0.5質量%である。
本発明の高温環境用水中不分離性モルタル組成物には、セメント、増粘剤、骨材、速効性ポリカルボン酸系減水剤及び遅効性メラミン系減水剤以外に、上記以外の混和材料の一種又は二種以上を本発明の効果を損なわない範囲で併用することができる。この混和材料としては、例えばセメント用ポリマー、発泡剤、起泡剤、防水材、防錆剤、収縮低減剤、保水剤、顔料、繊維、撥水剤、白華防止剤、膨張材(剤)、急結剤(材)、急硬剤(材)、消泡剤、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、石粉、シリカフューム、火山灰、撥水剤、表面硬化剤、保水剤等が挙げられる。特に、無収縮の高温環境用水中不分離性モルタル組成物とするときは、膨張材、発泡剤および消泡剤を含有することが好ましい。
本発明の高温環境用水中不分離性モルタル組成物を製造する方法は、特に限定されず、例えば、重力式コンクリートミキサ、ヘンシェル式ミキサ、リボンミキサ等のミキサにより、所定量の本発明の高温環境用水中不分離性モルタル組成物の各材料を混合することで製造することができる。このとき用いるミキサは、連続式ミキサでもバッチ式ミキサでも良い。各材料のミキサ内への投入順序は特に限定されない。一種ずつ添加してもよく、一部又は全部を同時に添加してもよいまた、袋やポリエチレン製容器等の容器に各材料を計り取り投入する方法により、本発明の高温環境用水中不分離性モルタル組成物を製造することもできる。
本発明の高温環境用水中不分離性モルタル組成物は、水と混練して用いる。水と混練する方法は特に限定されず、例えば水に本発明の高温環境用水中不分離性モルタル組成物を全量加え混練する方法、水に本発明の高温環境用水中不分離性モルタル組成物を混練しながら加え更に混練する方法、本発明の高温環境用水中不分離性モルタル組成物に水を全量加え混練する方法、本発明の高温環境用水中不分離性モルタル組成物に水を混練しながら加え更に混練する方法、水及び本発明の高温環境用水中不分離性モルタル組成物のそれぞれ一部ずつを2以上に分けて混練し、混練したものを合わせて更に混練する方法等がある。また、混練に用いる器具や混練装置も特に限定されないが、ミキサを用いることが量を多く混練できるので好ましい。用いることのできるミキサとしては連続式ミキサでもバッチ式ミキサでも良く、例えばパン型コンクリートミキサ、パグミル型コンクリートミキサ、重力式コンクリートミキサ、グラウトミキサ、ハンドミキサ、左官ミキサ等が挙げられる。
本発明の高温環境用水中不分離性モルタル組成物と混練する水は、水道水が推奨されるが特に限定されるものではない。混和材料に含まれる水を用いてもよい。このとき用いる水の量は、本発明の高温環境用水中不分離性モルタル組成物100質量部に対し、10質量部〜50質量部が好ましく、15質量部〜40質量部が更に好ましい。
本発明の高温環境用水中不分離性モルタル組成物を混練することにより製造した高温環境用水中不分離性モルタルの使用方法は特に限定されない。製造した高温環境用水中不分離性モルタルをモルタルポンプやコンクリートポンプにより圧送し、トレミー管又は圧送ホースの先端を先に充填した該水中不分離性モルタルに挿入し、水中を落下させないように該水中不分離性モルタルを充填するすることが好ましい。
また、本発明の高温環境用水中不分離性グラウトモルタル組成物は、上記の高温環境用水中不分離性モルタル組成物からなる。水を混練した水中不分離性モルタルの5分間静置フロー値が200mm〜300mmとなる上記の高温環境用水中不分離性モルタル組成物が好ましい。
[実施例1]
表1に示す配合割合のモルタル組成物を各水準6kg作製した。作製したモルタル組成物の品質試験として経時変化の測定、練り上がり時間の確認及び圧縮強度試験を行った。その結果を表2及び表3に示す。このときの使用材料、モルタル組成物の作製方法、モルタルの作製方法、及び品質試験方法を以下に示す。なお、供試体作成、練り混ぜ及び養生は全て30℃で行い、モルタル組成物の温度も30℃とした上で試験を行った。
<使用材料>
セメント: 普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)
骨材: 珪砂(粗粒率;3.80,比重;2.70,公称呼び寸法5mmの篩に留まる粒子は0質量%)
水: 水道水
速効性ポリカルボン酸系減水剤:水溶性メタクリル系グラフトポリマーを主成分とする粉末型高性能減水剤市販品(練り混ぜから15分後のJIS静置フロー値が混ぜた直後のJIS静置フロー値よりも小さい値である。)
遅効性ポリカルボン酸系減水剤:水溶性ポリメタクリン酸系グラフトポリマーを主成分とする粉末型高性能減水剤市販品(練り混ぜから15分後のJIS静置フロー値が混ぜた直後のJIS静置フロー値よりも大きい値である。)
遅効性メラミン系減水剤:メラミンスルホン酸塩縮合重合体を主成分とする粉末型高性能減水剤市販品(練り混ぜから15分後のJIS静置フロー値が混ぜた直後のJIS静置フロー値よりも小さ大きい値である。)
増粘剤: ヒドロキシプロピルメチルセルロース〔1質量%濃度水溶液の回転粘度計(東機産業社製回転粘度計RB−80H、ローター;H1、回転数;5r.p.m.)による20℃における粘度が、pH12.5で1269mPa・S(pH7で完全に溶解させた後に、水酸化カルシウムを加えてpHを調整した後に測定した値)〕
<モルタル組成物の作製方法>
作製するモルタル組成物の質量が6kgとなる量の表1に示す割合の各材料を、ポリ袋(縦650mm×横350mm×厚さ0.1mm)に投入し、密閉した後に60秒間手で振り、各材料を混合することでモルタル組成物を製造した。
<モルタルの作製方法>
モルタル組成物100質量部に対し25質量部となる量の水(1.5kg)を、内経240mm,深さ245mmのステンレス製円筒容器に入れ、回転数1000r.p.m.,羽根直径100mmの東芝社製ハンドミキサ「スーパーベビーミックス SBM−150E1」(商品名)を羽根が水に接する状態で回転させながら10秒間かけてモルタル組成物を容器内に投入した。続けて投入完了後から90秒間ハンドミキサにより練り混ぜを行いモルタルを製造した。
<品質試験方法>
・経時変化の測定
投入完了後から90秒間練り混ぜて製造した各モルタルの練り混ぜ直後及び1時間後の5分間静置フロー値を測定した。また、合わせて練り混ぜ直後のモルタル温度を測定した。
・練り上がり時間の確認
練り混ぜ時間を、経時変化の測定時の90秒間の他に、120秒間、150秒間及び180秒間と変えて、同様に練り混ぜ直後の5分間静置フロー値を測定し、練り上がり時間を確認した。
・圧縮強度試験
土木学会規準JSCE−G 541「充填モルタルの圧縮強度試験方法」に準じ、気中成形供試体の材齢28日の圧縮強度及び水中成形供試体の材齢28日の圧縮強度を測定し、気中成形供試体の圧縮強度に対する水中成形供試体の圧縮強度比を算出した。このとき、水中成形供試体は、土木学会規準JSCE−F 504「水中不分離性コンクリートの圧縮強度試験用水中作製供試体の作り方」に準じ作製した。但し、脱型は材齢1日とし、水温は30℃とした。
Figure 0005064206
Figure 0005064206
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本発明の実施例に相当する配合No.1及びNo.2のモルタル組成物は、何れも練り混ぜ時間が90秒間と短時間で練り上がり、経時変化(5分間静置フロー値の経過時間による低下)が10mm以内と少なく、練り混ぜ直後のモルタル温度も40℃と比較的低く、且つ気中成形供試体の圧縮強度に対する水中成形供試体の圧縮強度比が0.8以上と優れた水中不分離性を備えていた。また、この配合No.1〜No.3のモルタル組成物は、何れも5分間静置フロー値が200mm以上で、グラウトモルタル組成としても充分な性能を有していた。
比較例に相当する配合No.3及びNo.5のモルタル組成物は、何れも練り混ぜ時間が180秒以上と練り上がるのに長時間を有し、練り混ぜ直後のモルタル温度も40℃を超え高く、且つ気中成形供試体の圧縮強度に対する水中成形供試体の圧縮強度比が0.7未満と、本発明の実施例に相当する配合に比べて劣っていた。また、配合No.4のモルタル組成物は、練り混ぜ時間が90秒間と短時間で練り上がったが、経時変化(5分間静置フロー値の経過時間による低下)が92mmと大きく、気中成形供試体の圧縮強度に対する水中成形供試体の圧縮強度比が0.7未満と、本発明の実施例に相当する配合に比べて劣っていた。
本発明の高温環境用水中不分離性モルタル組成物及び高温環境用水中不分離性グラウトモルタル組成物を使用することにより、高温環境下においても優れた水中不分離性を示し、短時間で練り上げることができ、且つ経時変化が小さい高温環境用水中不分離性モルタル及び高温環境用水中不分離性グラウトモルタルが得られ、これらは、止水工事、水路、水中構築物、プール及び護岸等の補修工事等に好適に使用することができる。また、工期を短縮する目的等で充填個所の水を排水することなく本発明の高温環境用水中不分離性モルタル組成物を用いた水中不分離性モルタルを、新築の土木工事や建築工事等で用いることもできる。

Claims (3)

  1. セメント、骨材、増粘剤、速効性ポリカルボン酸系減水剤及び遅効性メラミン系減水剤を含有し、速効性ポリカルボン酸系減水剤の含有率が0.2質量%〜3.0質量%、遅効性メラミン系減水剤の含有率が0.2質量%〜3.0質量%であり、
    上記の速効性ポリカルボン酸系減水剤は、30℃の恒温室内において、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に規定される標準砂1350g、普通ポルトランドセメント1350g、水405gに、回転数1000r.p.m.,羽根直径100mmのハンドミキサにより内径180mm,深さ210mmの金属製容器内で全材料投入後90秒間練り混ぜた直後のJIS静置フロー値が250mm〜300mmとなる量の当該減水剤を配合し(当該減水剤が水溶液の場合は、当該減水剤の量を水量の内割りとする。)、練り混ぜから15分後のJIS静置フロー値が練り混ぜ直後のJIS静置フロー値よりも小さい値となるポリカルボン酸系減水剤であり、
    上記の遅効性メラミン系減水剤は、同様に上記方法でハンドミキサにより練り混ぜ、練り混ぜから15分後のJIS静置フロー値が練り混ぜ直後のJIS静置フロー値と同じ値又は大きな値となるメラミン系減水剤である、
    高温環境用水中不分離性モルタル組成物。
  2. 上記の速効性ポリカルボン酸系減水剤が水溶性メタクリル系グラフトポリマーを主成分とする高性能減水剤であり、且つ上記の遅効性メラミン系減水剤がメラミンスルホン酸塩縮合重合体を主成分とする高性能減水剤である請求項1に記載する高温環境用水中不分離性モルタル組成物。
  3. 請求項1または請求項2に記載する高温環境用水中不分離性モルタル組成物からなる高温環境用水中不分離性グラウトモルタル組成物。
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