JP6296600B2 - プレミックスグラウト組成物 - Google Patents

プレミックスグラウト組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP6296600B2
JP6296600B2 JP2013273635A JP2013273635A JP6296600B2 JP 6296600 B2 JP6296600 B2 JP 6296600B2 JP 2013273635 A JP2013273635 A JP 2013273635A JP 2013273635 A JP2013273635 A JP 2013273635A JP 6296600 B2 JP6296600 B2 JP 6296600B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
grout
cement
premix
aggregate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013273635A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015127285A (ja
Inventor
昌範 柴垣
昌範 柴垣
中原 和彦
和彦 中原
浩 丸田
浩 丸田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiheiyo Materials Corp
Original Assignee
Taiheiyo Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiheiyo Materials Corp filed Critical Taiheiyo Materials Corp
Priority to JP2013273635A priority Critical patent/JP6296600B2/ja
Publication of JP2015127285A publication Critical patent/JP2015127285A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6296600B2 publication Critical patent/JP6296600B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、プレミックスグラウト組成物に関する。詳しくは、細骨材の含有率が高いにも拘らず、流動性に優れ、材料分離が起こり難いグラウト材が得られるグラウト組成物に関する。
鉄筋コンクリート構造物を対象とした耐震補強工法としては、ブレース工法、増設壁工法、巻き立て工法など様々な耐震補強工法がある。これらの耐震補強工法に、グラウトモルタル(例えば、特許文献1〜3参照)が使用されている。また、グラウトモルタルは、補強工事だけではなく、新設の土木構造物や建築構造物等にも多く用いられている。これらのグラウトモルタルとして、セメント、細骨材及び混和材料を予め乾式混合したプレミックスモルタルのグラウトモルタル組成物、即ち、プレミックスグラウト組成物が用いられることも多い。このプレミックス化したプレミックスグラウト組成物は、所定量の水を加え、グラウトミキサやハンドミキサ等のミキサで混練することで、簡単に、流動性に優れ材料分離が起こり難い品質の安定したグラウトモルタルが得られるという点が優れている。
ところで、建築工事標準仕様書・同解説JASS5「鉄筋コンクリート工事」において、特記がない場合の計画供用期間の級が長期および超長期のコンクリートにおけるコンクリートの乾燥収縮率は8×10−4以下(800μ以下)と定められている。一般的なモルタルや市販のプレミックスされた無収縮モルタルの乾燥収縮率は、材齢6ヶ月において800〜1600μ程度である。このため、市販のプレミックスされた無収縮モルタルを、建築工事における一般的な鉄筋コンクリートのコンクリートとして用いるには、工事監理者の承認が必要であった。そこで、工事監理者の承認が不要なプレミックスされたグラウトモルタル組成物、即ち、長期における乾燥収縮率が800μ以下であるプレミックスされたグラウトモルタル組成物が望まれていた。更に、昨今では、コンクリートミキサー車が入ることができない狭小部や小規模なコンクリート打設箇所に、コンクリートの替わりとして打設することが出来るプレミックスグラウト組成物の要望もある。
特開2000−086320号公報 特開2000−044308号公報 特開2008−230890号公報
本発明は前記問題の解決、即ち、本発明は、長期における乾燥収縮率が800μ以下であり、流動性に優れ、材料分離が起こり難いプレミックスグラウト組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題解決のため鋭意検討した結果、セメント、膨張材、骨材、セメント分散剤及び増粘剤を含有し、骨材が特定粒度の骨材であることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明は、以下の(1)〜(2)で表すプレミックスグラウト組成物である。
(1)セメント、膨張材、骨材、セメント分散剤及び増粘剤を含有し、前記骨材が4mmを超え10mm以下の粒子の含有率が15〜45質量%,0.3mmを超え4mm以下の粒子が40〜65質量%,0.3mmを超え2.5mm以下の粒子が30〜55質量%,0.3mm以下の粒子が1〜45質量%且つ0.15mm以下の粒子が10質量%以下であり、結合材の質量に対する骨材の含有比率(a/)が質量比で1.8〜3.0であり、膨張材を1〜7質量%、セメント分散剤を0.03〜3質量%含有することを特徴とするプレミックスグラウト組成物。
(2)セメントを20〜35質量%増粘剤を0.0002〜0.02質量%含有することを特徴とする上記(1)のプレミックスグラウト組成物。
本発明によれば、長期における乾燥収縮率が800μ以下であり、流動性に優れ、材料分離が起こり難いプレミックスグラウト組成物が得られる。本発明によれば、長期における乾燥収縮率が800μ以下で工事監理者の承認が不要なプレミックスされたグラウトモルタル組成物が得られる。また、本発明によれば、コンクリートの替わりとして打設することが出来るプレミックスグラウト組成物が得られる。
温度上昇量の経時変化のグラフである。 長さ変化率の経時変化のグラフである。
本発明に用いるセメントは、水硬性セメントであればよく、例えば普通、早強、超早強、低熱及び中庸熱の各種ポルトランドセメント、エコセメント及びポルトランドセメントに含まれないビーライトセメント等のケイ酸カルシウム鉱物を主成分とするセメント(ケイ酸カルシウム鉱物を50質量%以上含むセメント)、並びに、これらのケイ酸カルシウム鉱物を主成分とするセメントに、フライアッシュ、高炉スラグ粉末、シリカフューム又は石灰石微粉末等を混合した各種混合セメント、太平洋セメント社製「スーパージェットセメント」(商品名)や住友大阪セメント社製「ジェットセメント」(商品名)等の超速硬セメント、アルミナセメント等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を使用することができる。ワービリティを損ない難く可使時間が長く確保し易いことから、各種ポルトランドセメント、エコセメント及び各種混合セメントから選ばれる一種又は二種以上を使用することが好ましい。また、本発明のプレミックスグラウト組成物には、セメントを20〜35質量%含有させることが、乾燥収縮が小さく、水和熱による温度上昇が小さく且つ強度発現性に優れる(圧縮強度が高い)ことから好ましい。20質量%未満では強度発現性が劣り(圧縮強度が小さく)、35質量%を超えると、乾燥収縮が大きく又は水和熱による温度上昇が大きい。より乾燥収縮が小さく、水和熱による温度上昇が小さく且つ強度発現性に優れる(圧縮強度が高い)ことから、より好ましいセメント含有率は、25〜30質量%とする。
本発明に用いる膨張材としては、水和により例えば水酸化カルシウムやエトリンガイト等の水和物の結晶が成長し、嵩体積が大きくなる物質を主要成分とするものであれば何れのものでも良く、具体的には、生石灰、カルシウムサルホアルミネート、無水石膏、マグネシア、石灰系膨張材、エトリンガイト系膨張材等が好適な例として挙げられ、これら又はこれらに類する物質の一種又は二種以上を使用することが可能である。用いる膨張材としては、JIS A 6202「コンクリート用膨張材 」に適合する膨張材が、混和量に対する膨張率が安定しているので特に好ましい。膨張材の含有率は、1〜7質量%とすることが好ましい。1質量%未満では膨張材の効果が得られ難く収縮が大きく、7質量%を超えると拘束されていない部分に強度低下が起こる虞がある。より好ましい膨張材の含有率は、収縮が小さく(長さ変化率が大きく)、高い圧縮強度が得られ易いことから、1.2〜3.5質量%とする。
本発明に用いる増粘剤としては、例えばヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)等のヒドロキシアルキルセルロース、或いは、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルエチルセルロース(HEEC)等のヒドロキシアルキルアルキルセルロース等の水溶性セルロース;アルギン酸、β−1,3グルカン、プルラン、ウェランガム等の多糖類;アクリル樹脂やポリビニルアルコール等のポリビニル化合物;メチルスターチ,エチルスターチ,プロピルスターチ又はメチルプロピルスターチ等のアルキルスターチ、ヒドロキシエチルスターチ又はヒドロキシプロピルスターチ等のヒドロキシアルキルスターチ、或いは、ヒドロキシプロピルメチルスターチ等のヒドロキシアルキルアルキルスターチ等スターチエーテル等が挙げられ、これらの一種又は二種以上の使用が可能である。また、本発明に用いる増粘剤としては、プレミックスし易いことから、粉末のもの(粉末増粘剤)が好ましい。増粘剤の含有率は0.0002〜0.02質量%とすることが流動性の確保及び材料分離抵抗性が得られることから好ましい。0.0002質量%未満では増粘剤を含有する効果が得られ難く材料分離抵抗性が低い。また、0.02質量%を超えると、流動性が悪く且つ低温環境下で大きく遅延する虞がある。
また、本発明に用いるセメント分散剤としては、特に限定されず、減水剤、高性能減水剤、AE減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤等を用いることができ、例えば、ポリカルボン酸塩系セメント分散剤、ナフタレンスルホン酸塩系セメント分散剤、メラミンスルホン酸塩系セメント分散剤及びリグニンスルホン酸塩系セメント分散剤が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。用いるセメント分散剤としては、粉末状高性能減水剤又は粉末状高性能AE減水剤を用いると、グラウトモルタルの材齢28日における圧縮強度を45N/mm以上とし易いことから好ましい。また、本発明に用いるセメント分散剤としては、プレミックスし易いことから、粉末のもの(粉末セメント分散剤)が好ましい。セメント分散剤の含有率は、0.03〜3質量%とすることが高い流動性が得られ且つ材慮分離し難いことから好ましい。より高い流動性が得られ易く且つブリーディングが発生し難く材料分離抵抗性に優れることから、セメント分散剤の含有率は、0.08〜1.8質量%とすることがより好ましい。
本発明に用いる膨張材としては、水和により例えば水酸化カルシウムやエトリンガイト等の水和物の結晶が成長し、嵩体積が大きくなる物質を主要成分とするものであれば何れのものでも良く、具体的には、生石灰、カルシウムサルホアルミネート、無水石膏、マグネシア、石灰系膨張材、エトリンガイト系膨張材等が好適な例として挙げられ、これら又はこれらに類する物質の一種又は二種以上を使用することが可能である。用いる膨張材としては、JIS A 6202「コンクリート用膨張材 」に適合する膨張材が、混和量に対する膨張率が安定しているので特に好ましい。膨張材の混和量は、無機質結合材100質量部に対し、3〜12質量部とすることが好ましい。3質量部未満では膨張材の効果が得られ難く、12質量部を超えると拘束されていない部分の強度が不足する虞がある。より好ましい膨張材の混和量は、無機質結合材100質量部に対し、5〜9質量部とする。
本発明に用いる発泡剤としては、粉末発泡剤であれば特に限定されず、具体的には水と混練後に気体を発生する粉末であればよい。この発泡作用によりグラウトモルタルの沈下現象を防止し、既設の壁や柱等の部材並びに新規に設置する部材とより一体化することができる。即ち、無収縮性が得られる。その具体例として、例えば、アルミニウムや亜鉛等の両性金属の粉末や粉末状過酸化物質等が挙げられる。なかでも、効果的に発泡することができるので、アルミニウム粉末が好ましい。発泡剤の含有率は、0.0002〜0.03質量%とすることが、効果的な発泡作用を発揮し且つ強度低下を起こし難いことから好ましい。0.0002質量%未満では発泡剤の効果が得られ難い。また、0.03質量%を超えると、特に高温環境下において膨張過多となり、圧縮強度の低下も懸念される。
本発明に用いる骨材としては、4mmを超え10mm以下の粒子の含有率が15〜45質量%の骨材とする。4mmを超え10mm以下の粒子の含有率が15質量%未満であると、乾燥収縮が大きく、水和熱による温度上昇が大きい。また、4mmを超え10mm以下の粒子の含有率が45質量%を超えると、材料分離抵抗性に劣り、ブリーディングが発生し易いので好ましくない。骨材中の4mmを超え10mm以下の粒子の含有率は、より好ましくは18〜40質量%とする。また、本発明に用いる骨材としては、0.3mmを超え4mm以下の粒子が40〜65質量%であると、高い流動性が得られ易く、材料分離抵抗性に優れることから好ましく、更には、当該粒径の粒子が42〜63質量%であるとより好ましい。また、本発明に用いる骨材としては、0.3mmを超え2.5mm以下の粒子が30〜55質量%であると、高い流動性が得られ易く、材料分離抵抗性に優れることから好ましく、更には、当該粒径の粒子が33〜54質量%であるとより好ましい。また、本発明に用いる骨材としては、0.3mm以下の粒子が1〜45質量%であると、高い流動性が得られ易く、材料分離抵抗性に優れることから好ましく、更には、当該粒径の粒子が5〜30質量%であるとより好ましい。また、本発明に用いる骨材としては、0.15mm以下の粒子が10質量%以下であると、高い流動性が得られ易く、材料分離抵抗性に優れることから好ましく、更には、当該粒径の粒子が1〜6質量%であるとより好ましい。
本発明で用いる骨材の材質としては、特に限定されず、例えば、川砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂、人工骨材、スラグ骨材などを用いることができる。本発明で用いる骨材の材質として、吸水率の大きい軽量骨材は、乾燥収縮が大きくなることからあまり好ましくない。また、本発明において含有する4mmを超える粒径の骨材は、高い流動性を得るために、豆砂利と呼ばれている丸みを帯びた形状のものが好ましい。本発明において10mmを超える粒子とは、公称呼び寸法10mm(公称目開き(以下「目開き」と云う。)9.5mm)の篩に留まる粒子を云う。また、4mmを超え10mm以下の粒子とは、目開き4mmの篩に留まり且つ目開き9.5mmの篩を通過する粒子を云い、また、0.3mmを超え4mm以下の粒子とは、目開き0.3mmの篩に留まり且つ目開き4mmの篩を通過する粒子を云い、また、0.3mmを超え2.5mm以下の粒子とは、目開き0.3mmの篩に留まり且つ目開き2.36mmの篩を通過する粒子を云い、また、0.3mm以下の粒子とは、目開き0.3mmの篩を通過する粒子を云い、また、0,15mm以下の粒子とは、目開き0.15mmの篩を通過する粒子を云う。
本発明のプレミックスグラウト組成物において、含まれる結合材の質量(B)に対する骨材質量(a)の含有比率(a/B)が質量比で1.8〜3.0であることが、乾燥収縮が小さく、材料分離し難く且つ水和熱による温度上昇が小さいことから好ましい。a/Bが1.8未満では、単位セメント量が増加するため、乾燥収縮低減効果及び水和発熱抑制の低減効果が乏しくなり、a/Bが3.0を超えると材料分離抵抗性に劣り、ブリーディングが発生する虞が高まる。乾燥収縮が小さく、材料分離し難く且つ水和熱による温度上昇が小さいことから、より好ましくは、a/Bを2.2〜2.6とする。ここで、結合材(B)には、セメント、石膏、シリカフュームやメタカオリン等のポゾラン、高炉スラグ粉末等の潜在水硬性物質及び膨張材が含まれる。
本発明のプレミックスグラウト組成物には、上記セメント、膨張材、骨材、セメント分散剤、増粘剤及び発泡剤以外に、他の混和材料から選ばれる一種又は二種以上を本発明の効果を実質損なわない範囲で併用することができる。この混和材料としては、例えばセメント用ポリマー、消泡剤、防水材、防錆剤、収縮低減剤、保水剤、顔料、繊維、撥水剤、白華防止剤、急結剤(材)、急硬剤(材)、凝結遅延剤、空気連行剤、表面硬化剤、高炉スラグ粉末等のスラグ粉末、シリカフュームやフライアッシュ等のポゾラン等が挙げられる。また、本発明で使用される混和材料は、粉末状でも液状でも使用可能であるが、液状の混和材料の場合には、他の粉体又は顆粒状の成分(担体)に吸着させ見かけ上粉体状又は顆粒状とした上で用いることが好ましい。ここで用いる担体としては、シリカ粉末等の他、セメント、骨材或いは粉末状又は顆粒状の混和材料を用いてもよい。
本発明のプレミックスグラウト組成物は、V型混合機や可傾式コンクリートミキサ等の重力式ミキサ、ヘンシェル式ミキサ、パドルミキサ、リボンミキサ等のミキサにより、所定量の上記各材料を予め混合する方が、添加後のグラウト組成物において材料の偏在が抑えられることから好ましい。このとき用いるミキサは、連続式ミキサでもバッチ式ミキサでも良い。各材料のミキサ内への投入順序は特に限定されない。一種ずつ添加してもよく、一部又は全部を同時に添加してもよい。また、袋やポリエチレン製容器等の容器に各材料を計り取り投入する方法により、本発明のプレミックスグラウト組成物を製造することもできる。本発明のプレミックスグラウト組成物の配合成分には、一般の無収縮モルタルのものとは異なり、4〜10mmと比較的大きな粒径の骨材が含有する。そのため、各材料の分散性の向上や骨材の偏在を抑制させるため、比較的せん断作用が小さく、パドルや羽根等による掻き落としによる分散作用や拡散作用を主として混合するリボンミキサやパドルミキサー等、或いは重力式ミキサで材料を混合することでプレミックス化させ、本発明のプレミックスグラウト組成物を製造することが好ましい。せん断作用の大きいヘンシェルミキサー又は材料を吹き上げ対流させる形式の噴射型ミキサー等は、材料の分散性の観点からあまり好ましくない。
本発明のプレミックスグラウト組成物は、プレミックスグラウト組成物(粉体:P)100質量部に対し8〜20質量部の水(W)と混練して用いる、即ち、水プレミックスグラウト組成物(粉体)比(W/P)8〜20%とすることが好ましい。このときの水量は、水性の液状混和材料(例えば液体減水剤やゴムラテックス。)を添加する場合は、グラウト組成物に添加する水性の液状混和材料に含まれる水の量も考慮する。8質量部未満では高い流動性が得られ難く、20質量部を超えると材料分離を起こす虞が高まり、乾燥収縮が大きい虞がある。より流動性が高く且つ材料分離し難難いことから、プレミックスグラウト組成物(粉体)100質量部に対する水量は、8〜18質量部とすること、即ちW/P8〜18%とすることがより好ましく、更には10〜12質量部とすること、即ちW/P10〜12%とすることが最も好ましい。
また、本発明のプレミックスグラウト組成物に水を加え混練することでグラウト材を製造する方法は、限定されず、例えば水に上記のプレミックスグラウト組成物を全量加え混練する方法、水に上記のプレミックスグラウト組成物を混練しながら加え更に混練する方法、上記のプレミックスグラウト組成物に水を全量加え混練する方法、上記のプレミックスグラウト組成物に水を混練しながら加え更に混練する方法、水及び上記のプレミックスグラウト組成物のそれぞれ一部ずつを2以上に分けて混練したものを合わせて更に混練する方法、水と水性の混和材料を合わせたものに上記のプレミックスグラウト組成物を全量加え混練する方法、水と水性の混和材料を合わせたものに上記のプレミックスグラウト組成物を混練しながら加え更に混練する方法、上記のプレミックスグラウト組成物に水と水性の混和材料を合わせたものを全量加え混練する方法、上記のプレミックスグラウト組成物に水と水性の混和材料を合わせたものを混練しながら加え更に混練する方法、水と水性の混和材料を合わせたものに及び上記のプレミックスグラウト組成物のそれぞれ一部ずつを2以上に分けて混練したものを合わせて更に混練する方法等がある。上記のプレミックスグラウト組成物と水以外に混和材料を混和させる場合は、上記のプレミックスグラウト組成物に添加しても、水に添加しても、両方に添加してもよく、上記のグラウト組成物と水を混練したものに添加してもよい。また、混練に用いる器具や混練装置も特に限定されないが、ミキサを用いることが量を多く混練できるので好ましい。用いることのできるミキサとしては連続式ミキサでもバッチ式ミキサでも良く、例えばパン型コンクリートミキサ、パグミル型コンクリートミキサ、重力式コンクリートミキサ、グラウトミキサ、ハンドミキサ、左官ミキサ等が挙げられる。
[実施例1]
珪砂(4mm以下(市販品))を公称目開き0.15mm、0.3mm、2.5mmの篩を用いて篩い分けた4種類の珪砂及び豆砂利(4mm超7mm以下)1種類を配合し、表1に示す粒度分布の骨材14種類(No.1〜No.16)を作製した。
Figure 0006296600
上記で作製した骨材、並びに、セメント、膨張材、セメント分散剤、増粘剤及び発泡剤を表2に示す配合割合でパドルミキサに投入後、乾式混合することでプレミックスグラウト組成物を14種類(本発明品1〜10、並びに参考品1〜4)作製した。このときの使用材料(骨材を除く。)を以下に示した。
<使用材料>
セメント:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)
膨張材:JIS A 6202「コンクリート用膨張材 」に適合する石灰系膨張材(太平洋マテリアル株式会社製)
セメント分散剤:ナフタレンスルホン酸塩系高性能減水剤(市販品、粉末)
増粘剤:水溶性セルロースエーテル系増粘剤(信越化学工業社製、粉末)
発泡剤:アルミニウム粉末(東洋アルミニウウム社製)
Figure 0006296600
作製したプレミックスグラウト組成物25kgに、表3に示した割合の水道水を加え、ハンドミキサ(回転数;1000r.p.m.、羽根直径;100mmブレード)及び金属性円筒容器(容量5L)を用いて20℃環境下で練り混ぜ、混練物(グラウトモルタル)を作製した。作製したグラウトモルタルの品質試験として以下に示す通り、流動性、ブリーディング率及び圧縮強度を測定した。これらの結果を表3に水量とともに示した。尚、圧縮強度試験以外の品質試験は、何れも20±3℃、湿度80%以上の恒温室内で行った。
<品質試験方法>
・流動性試験
土木学会基準 JSCE−F 541「充てんモルタルの流動性試験方法」に従って、グラウト材(グラウトモルタル)のJ14漏斗による流下時間を測定した。
・ブリーディング試験
ブリーディングは、JISA1123「コンクリートのブリーディングの試験方法」に従いブリーディング率を測定し、2時間後におけるブリーディング率を求めた。
・骨材沈降の有無確認試験(材料の不分離性の確認)
ブリーディング試験の2時間後の測定の後、グラウト材内にポリフィルム製の手袋を装着した上で手を入れ、触感により骨材沈下の有無を確認した。容器の底部分に骨材が沈降し溜まっているものを×(不良)、骨材が溜まっていないものを○(良好)と評価した。
・圧縮強度試験
土木学会基準JSCE−G 505「円柱供試体を用いたモルタルまたはセメントペーストの圧縮強度試験方法」に準じ、材齢28日の圧縮強度を測定した。このとき供試体は、材齢1日で脱型し、その後20℃の水中で試験直前まで養生した。
Figure 0006296600
本発明の実施例に当たるプレミックスグラウト組成物(本発明品1〜10)を用いたグラウト材(グラウトモルタル)は、何れもJ14漏斗による流下時間が6秒〜10秒の範囲内で高い流動性を示した。また、本発明の実施例に当たるプレミックスグラウト組成物(本発明品1〜10)を用いたグラウト材は、何れもブリーディング率が0%且つ骨材沈下も見られず、材料分離抵抗性に優れていた。また、これらのグラウト材は、何れも材齢28日における圧縮強度が60N/mm以上と高い強度を示した。一方、骨材中4mm超10mm以下の骨材の含有率が6質量%である参考品1のプレミックスグラウト組成物を用いたグラウト材は、J14漏斗を用いた流下時間が22.9秒と流動性に劣り、骨材中4mm超10mm以下の骨材の含有率が50質量%である参考品2は、顕著なブリーディングが発生し、材料分離が発生した。また、圧縮強度も42.3mmと本発明の実施例に当たるプレミックスグラウト組成物を用いた場合に比べて、低い強度発現性であった。また、試験に用いたプレミックスグラウト組成物(本発明品1〜10並びに参考品1〜4)を用いたグラウト材は、何れもJSCE−F 542−1999「充てんモルタルのブリーディング率および膨張率試験方法」を別途行った結果、何れも膨張率がプラスの値、即ち膨張していた。
[実施例2]
実施例1で作製したプレミックスグラウト組成物(本発明品4及び8)を用い、実施例1と同様にグラウト材(グラウトモルタル)を作製した。作製したグラウト材の品質評価試験として、以下に示す発熱性試験および長さ変化試験を実施した。これらの結果を表4並びに図1及び図2に示した。また、合わせて、以下に示した市販の無収縮モルタル2種類も同様にグラウト材を作製し、発熱性試験および長さ変化試験を行いその結果を本発明品4及び8を用いた結果と合わせて表4並びに図1及び図2に示した。このときの水量は、市販無収縮モルタル(その1)がW/P18.0%、市販無収縮モルタル(その2)がW/P15.0%となる量とした。
<使用した市販の無収縮モルタル>
・市販無収縮モルタル(その1):含まれる結合材の質量(B)に対する骨材質量(a)の含有比率(a/B)が1.0のもの。
・市販無収縮モルタル(その2):低発熱型無収縮モルタル。a/B>1.0のもの。
<品質試験方法>
・発熱性試験
部材厚が大きい充填箇所を想定し、内径300mmとした立方木製型枠の中心部位に熱伝対を設置し、製造したグラウトモルタルを擦りきり上面まで充填し、蓋をし、密封してデータロガーにより中心温度の経時変化を測定した。
充填したグラウトモルタルの中心部位の温度Tを充填直後から連続的に測定し、充填直後のグラウトモルタルの中心部の温度(T0)と、グラウトモルタルの中心部の経時温度(T1)から、下記式(1)により、温度上昇量(dT)を求めた。
dT=T1−T0 ・・・・・・ (1)
・長さ変化試験
JISA1129「モルタル及びコンクリートの長さ変化試験方法」に準拠し、試験体の寸法は100×100×400mmとし、乾燥期間6ヶ月までの長さ変化を測定した。
Figure 0006296600
本発明の実施例に当たる本発明品4及び8のプレミックスグラウト組成物より作製したグラウト材(グラウトモルタル)は、何れも温度上昇量の最大値が40℃未満で、低発熱性が確認された。また、市販の無収縮モルタル(その1)の温度上昇量は80℃近くまで到達し、低発熱型の市販の無収縮モルタル(その2)も温度上昇量の最大値が50℃以上に達し低発熱性が不充分であった。
また、本発明の実施例に当たる本発明品4及び8のプレミックスグラウト組成物より作製したグラウト材(グラウトモルタル)は、何れも乾燥期間6ヶ月において、収縮率が800μ未満(長さ変化率が−800μ(×10−6)より大きい値)と、低収縮性が確認された。一方、市販の無収縮モルタル(その1)の収縮率は約1200μ(長さ変化率は約−1200μ)、低発熱型である市販の無収縮モルタル(その2)の収縮率が約1000μ(長さ変化率は約−1000μ)と、何れも乾燥期間6ヶ月において800μ以上の大きな収縮が認められた。
本発明のプレミックスグラウト組成物は、土木構造物や建築構造物の構築又は補修、或いは機械の設置等に用いることができる。また、コンクリートミキサー車が入ることができない狭小部や小規模なコンクリート打設箇所に、コンクリートの替わりとして、低発熱で且つ低収縮性を求められる箇所の充填に用いることができる。また、発泡剤を0.0002〜0.03質量%含有させた本発明のプレミックスグラウト組成物は、何れも無収縮性を示したので、無収縮モルタルとして用いることができる。

Claims (2)

  1. セメント、膨張材、骨材、セメント分散剤及び増粘剤を含有し、前記骨材が4mmを超え10mm以下の粒子の含有率が15〜45質量%,0.3mmを超え4mm以下の粒子が40〜65質量%,0.3mmを超え2.5mm以下の粒子が30〜55質量%,0.3mm以下の粒子が1〜45質量%且つ0.15mm以下の粒子が10質量%以下であり、結合材の質量に対する骨材の含有比率(a/)が質量比で1.8〜3.0であり、膨張材を1〜7質量%、セメント分散剤を0.03〜3質量%含有することを特徴とするプレミックスグラウト組成物。
  2. セメントを20〜35質量%増粘剤を0.0002〜0.02質量%含有することを特徴とする請求項1記載のプレミックスグラウト組成物。
JP2013273635A 2013-12-28 2013-12-28 プレミックスグラウト組成物 Active JP6296600B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013273635A JP6296600B2 (ja) 2013-12-28 2013-12-28 プレミックスグラウト組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013273635A JP6296600B2 (ja) 2013-12-28 2013-12-28 プレミックスグラウト組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015127285A JP2015127285A (ja) 2015-07-09
JP6296600B2 true JP6296600B2 (ja) 2018-03-20

Family

ID=53837478

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013273635A Active JP6296600B2 (ja) 2013-12-28 2013-12-28 プレミックスグラウト組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6296600B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109516747A (zh) * 2018-12-27 2019-03-26 淮阴师范学院 一种混凝土修复材料及其制备方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101671438B1 (ko) * 2015-12-07 2016-11-02 주식회사 삼표산업 Pc 부재 접합부 충전용 무수축 그라우트 모르타르 조성물
JP7437203B2 (ja) 2020-03-25 2024-02-22 太平洋マテリアル株式会社 モルタルコンクリート

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1017342A (ja) * 1996-07-01 1998-01-20 Takenaka Komuten Co Ltd コンクリート構造物の補修・補強用無収縮モルタル
JP3641326B2 (ja) * 1996-09-17 2005-04-20 太平洋セメント株式会社 グラウト組成物
JPH10194815A (ja) * 1997-01-08 1998-07-28 Denki Kagaku Kogyo Kk 吹付材料及びそれを用いた吹付工法
JPH11130505A (ja) * 1997-10-31 1999-05-18 Railway Technical Res Inst 鉄道軌道用グラウト組成物
JP4279918B2 (ja) * 1998-07-21 2009-06-17 太平洋セメント株式会社 セメント系グラウト組成物
JP2008189526A (ja) * 2007-02-06 2008-08-21 Basf Pozzolith Ltd グラウト用混和材及びグラウト用のセメント組成物
JP2011195403A (ja) * 2010-03-23 2011-10-06 Ube Industries Ltd 水硬性組成物、グラウトモルタル及びその硬化体
JP6062689B2 (ja) * 2011-09-02 2017-01-18 株式会社宏和エンジニアリング コンクリート組成物及びコンクリート硬化体
JP5950099B2 (ja) * 2012-05-30 2016-07-13 三菱マテリアル株式会社 水中不分離型無収縮グラウト

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109516747A (zh) * 2018-12-27 2019-03-26 淮阴师范学院 一种混凝土修复材料及其制备方法
CN109516747B (zh) * 2018-12-27 2021-02-05 淮阴师范学院 一种混凝土修复材料及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015127285A (ja) 2015-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2015127283A (ja) ポリマーセメントグラウトモルタル
JP6404629B2 (ja) 高流動保持型水中不分離性グラウト組成物
JP6891041B2 (ja) 早強性超高強度グラウト組成物
JP6086585B2 (ja) グラウト組成物及びグラウト材
JP6271249B2 (ja) 吹付け用モルタル
JP5333430B2 (ja) ポリマーセメントグラウト材組成物及びグラウト材
JP6296600B2 (ja) プレミックスグラウト組成物
JP6674301B2 (ja) セメント系低粘性速硬グラウト材
JP6133597B2 (ja) 速硬性モルタル組成物
JP2011136863A (ja) 超高強度グラウト組成物
JP6372886B2 (ja) 低白華性のセルフレベリング組成物
JP2011132040A (ja) 水中不分離性水硬性組成物用増粘剤
JP5534932B2 (ja) プレミックスモルタル組成物及びプレミックス無収縮モルタル組成物
JP4718969B2 (ja) 発泡剤、無収縮グラウト組成物、及びそれを用いた無収縮グラウト材
JP2010155758A (ja) セメント混和材及びセメント組成物
JP6645820B2 (ja) 水中不分離性モルタル組成物
JP6482861B2 (ja) 水中不分離性モルタル組成物
JP6306973B2 (ja) 高流動保持型低発熱性グラウト組成物
JP7350425B2 (ja) 高耐久性グラウト組成物
JP2010155757A (ja) グラウト用混和剤およびグラウト組成物
JP6955938B2 (ja) 高流動コンクリート
JP6997579B2 (ja) モルタル組成物及びモルタル
JP2010100457A (ja) 高温用グラウト組成物
JP6570396B2 (ja) 左官用粉末状セメント組成物および左官用モルタル
JP2019064909A (ja) 湿式吹付工法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161027

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170802

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170818

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171005

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180215

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180216

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6296600

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250