JP2017047640A - セメント組成物への凝結促進剤の添加方法 - Google Patents

セメント組成物への凝結促進剤の添加方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、凝結促進剤をセメント組成物に添加してセメント混練物を調製する際に、特に水への溶解度が低い凝結促進剤である炭酸リチウムを、均質にセメント混練物に含有させることができるとともに、良好な凝結性能である急硬性に優れるとともに、短時間で高強度を発現することができる、凝結促進剤である炭酸リチウムをセメント組成物に添加する方法を提供する。
【解決手段】 本発明のセメント組成物への凝結促進剤の添加方法は、ギ酸及び凝結促進剤である炭酸リチウムを水に添加して、ギ酸濃度が10〜30質量%で炭酸リチウム濃度が10〜30質量%の凝結促進剤含有混合水溶液を予め調製し、該凝結促進剤含有混合水溶液を、セメント混練物を調製するために添加する混練水の一部としてセメント組成物に配合することを特徴とする、セメント組成物への凝結促進剤の添加方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、セメント組成物への凝結促進剤の添加方法に関し、特に凝結性能に優れるとともに、強度発現性に優れるセメント混練物を得るためのセメント組成物への凝結促進剤である炭酸リチウムの添加方法に関する。
土木、建築分野における補修工事や緊急工事には、一定の可使時間を確保して作業性を向上させるとともに、速硬性及び強度発現性が要求される。
従来、コンクリートやモルタルの硬化を促進する方法としては、アルミン酸ナトリウム、炭酸リチウム、C12A7等のカルシウムアルミネート類等の凝結促進剤を添加する方法が用いられていた。
凝結促進剤をセメント組成物に添加する方法としては、例えば、特開2013−103847号公報(特許文献1)に、硬化促進剤として、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、アルミン酸リチウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、硝酸カルシウム、硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、亜硝酸リチウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸カルシウム、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アルミニウム、ギ酸リチウム、ギ酸カルシウム、無水マレイン酸等の水溶液が記載されており、かかる硬化促進剤水溶液は、ひび割れ自己治癒材を調製する際に、そのまま添加配合されていることが開示されている。
また、特開2006−298661号公報(特許文献2)には、水硬性組成物中に含まれる必須構成成分の凝結調整剤として、クエン酸塩及び重炭酸塩と、炭酸リチウム、塩化リチウム、硫酸リチウム、硝酸リチウム、水酸化リチウム、酢酸リチウム、酒石酸リチウム、リンゴ酸リチウム、クエン酸リチウムなどの無機リチウム塩や有機リチウム塩などのリチウム塩などの公知の凝結促進剤とを併用することが記載され、更に、付加的に例えば、塩化リチウム、硫酸アルミニウム、ミョウバン類、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム及び硫酸カリウムなどの無機硫酸塩類、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムなどの炭酸塩類、アルミン酸ナトリウム及びアルミン酸カリウムなどのアルカリアルミン酸塩類、硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム及び硝酸カルシウムなどの硝酸塩類、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム及び亜硝酸カルシウムなどの亜硝酸塩類、ギ酸、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム及びギ酸カルシウムなどのギ酸塩類、乳酸、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム及び乳酸カルシウムなどの乳酸塩類、酢酸、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム及び酢酸カルシウムなどの酢酸塩類、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム及びチオシアン酸カルシウムなどのチオシアン酸塩類、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム及びチオ硫酸カルシウムなどのチオ硫酸塩類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びトリイソプロパノールアミンなどのアルカノールアミン類、オキシカルボン酸及びその塩などの凝結調製剤を含むことができることが記載されており、かかる凝結調調整剤はセメント組成物を調製する際に、そのまま添加配合されている。
ところで、炭酸リチウムは粉末状であるため、現場での使用形態としては、予めセメント粉体と混合されたプレミクス製品であることが通常である。
かかる炭酸リチウムは、水への溶解性が低く、従って、プレミクス粉体製品を水と混練りする際に、均質に分散混合することが難しく、まだら混合となってしまい、従って、強度発現性に劣るという問題があった。
特開2013−103847号公報 特開2006−298661号公報
本発明は、上記課題を解決し、凝結促進剤をセメント組成物に添加してセメント混練物を調製する際に、特に水への溶解度が低い凝結促進剤である炭酸リチウムを、均質にセメント混練物に含有させることができるとともに、良好な凝結性能である急硬性に優れるとともに、短時間で高強度を発現することができる、凝結促進剤である炭酸リチウムをセメント組成物に添加する方法を提供することである。
なお、セメント組成物とは、セメント粉体、モルタル粉体、コンクリート粉体を含む概念であり、セメント混練物とは、セメント組成物に水を添加配合してなる、セメントペースト、セメントモルタル、コンクリートを含む概念である。
本発明は、凝結促進剤をセメント組成物へ均一に添加する方法に着目し、凝結促進剤である炭酸リチウムを、高濃度で水に溶解させた高濃度水溶液を予め調製し、該高濃度水溶液を水に希釈混合して混練水とする2段階ステップを経て、セメント組成物と該混練水とを混練する、凝結促進剤のセメント組成物への添加方法により、上記課題が達成できるものである。
即ち、請求項1記載のセメント組成物への凝結促進剤の添加方法は、ギ酸及び凝結促進剤である炭酸リチウムを水に添加して、ギ酸濃度が10〜30質量%で炭酸リチウム濃度が10〜30質量%の凝結促進剤含有混合水溶液を予め調製し、該凝結促進剤含有混合水溶液を、セメント混練物を調製するために添加する混練水の一部としてセメント組成物に配合することを特徴とする、セメント組成物への凝結促進剤の添加方法。
請求項2記載のセメント組成物への凝結促進剤の添加方法は、請求項1記載のセメント組成物への凝結促進剤の添加方法において、前記凝結促進剤含有混合水溶液を水と混合して予め混練水を調製し、該混練水をセメント組成物に配合することを特徴とする、セメント組成物への凝結促進剤の添加方法である。
請求項3記載のセメント組成物への凝結促進剤の添加方法は、請求項1又は2記載のセメント組成物への凝結促進剤の添加方法において、更に、セメント混練物に凝結遅延剤が配合されることを特徴とする、セメント組成物への凝結促進剤の添加方法である。
請求項4記載のセメント組成物への凝結促進剤の添加方法は、請求項3記載のセメント組成物への凝結促進剤の添加方法において、凝結遅延剤は、前記凝結促進剤混合水溶液又は混練水に添加配合されることを特徴とする、セメント組成物への凝結促進剤の添加方法である。
請求項5記載のセメント組成物への凝結促進剤の添加方法は、請求項1乃至4いずれかの項記載のセメント組成物への凝結促進剤の添加方法において、前記凝結促進剤含有混合液のpHは1〜8であることを特徴とする、セメント組成物への凝結促進剤の添加方法である。
本発明のセメント混練物への凝結促進剤の添加方法により、凝結促進剤である炭酸リチウムを均質にセメント組成物へ配合することができ、従って、得られるセメント混練物が、優れた凝結性能である急硬性に優れるとともに、短時間で高強度を発現することが可能となる。
これまでは、炭酸リチウム等の凝結促進剤は、一般的にプレミクス粉体として予め配合されていたところ、炭酸リチウムの凝結促進剤は水への溶解度が小さいため、セメント混練物を調製する際には、炭酸リチウムの凝結促進剤の配合がまだらになってしまい、均質に混練り配合することが困難であり、従って強度発現性に問題があった。本発明の添加方法によれば、セメント混練物中に炭酸リチウムが均質に分散配合されることができることが可能となり、凝結促進性能のみならず、早期強度発現性に優れることができる。
また、必要に応じて、凝結促進剤を添加配合することで、適度な可使時間を有することも可能となる。
本発明を以下の好適例により説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明は、ギ酸及び凝結促進剤である炭酸リチウムを水に添加して、ギ酸の濃度が10〜30質量%で、炭酸リチウムの濃度が10〜30質量%である凝結促進剤含有混合水溶液を予め調製し、該凝結促進剤含有混合水溶液を、セメント混練物を調製するために添加する混練水の一部としてセメント組成物に配合する、セメント組成物への凝結促進剤の添加方法である。
本発明においては、凝結促進剤として炭酸リチウムを使用し、ギ酸と組み合わせて用いることで、上記本発明の効果を有効に発現することが可能となる。
まず、当該炭酸リチウムとギ酸とを予め水に溶解させて、高濃度の凝結促進剤含有混合水溶液を調製する。
本発明における凝結促進剤含有混合水溶液の濃度は、ギ酸と炭酸リチウムが高濃度で溶解・存在することができれば、特に限定されないが、ギ酸と炭酸リチウムを組み合わせた溶解性の点から、ギ酸濃度が10〜30質量%で炭酸リチウム濃度が10〜30質量%の混合水溶液とする。
ギ酸と凝結促進剤である炭酸リチウムとを上記濃度で組み合わせて用いて凝結促進剤含有混合水溶液とすることで、凝結促進剤である炭酸リチウムを均質にセメント組成物へ配合することができ、従って、得られるセメント混練物が、優れた凝結性能である急硬性に優れるとともに、短時間で高強度を発現することが可能となる。
本発明における凝結促進剤含有混合水溶液は、含有されるギ酸の存在により、粉体の炭酸リチウムの水への溶解性が向上し、炭酸リチウムが混合水溶液中に均一に溶解するが可能となる。
従って、かかる凝結促進剤含有混合水溶液のpHは1〜8程度、好ましくは2〜7とすることが、炭酸リチウムの水への均一な溶解性を保持するため望ましい。
かかる凝結促進剤が高濃度で溶解している凝結促進剤含有混合水溶液を、セメント組成物への混練水の一部として用いる。
まず該凝結促進剤含有混合水溶液を水に希釈して凝結促進剤を含有する混練水を予め調製し、該混練水を、セメント組成物に配合して混練りすることにより、セメント混練物を調製する。
本発明においては、凝結促進剤含有混合水溶液をセメント組成物に直接配合するのではなく、上記したように、高濃度の凝結促進剤含有混合水溶液を予め水で希釈して混練水とし、該混練水を用いることで、セメント組成物へ凝結促進剤である炭酸リチウムが均質に分散混練されることが容易となり、上記本発明の効果を有効に発現することができる。
本発明の方法に用いるセメント組成物には、任意の公知のセメントを用いることができ、セメントの種類は特に限定されず、例えば、普通、早強、超早強、中庸熱、低熱などの各種ポルトランドセメントや、高炉セメント、シリカセメント及びフライアッシュセメントの各種混合セメントや、白色ポルトランドセメント及びアルミナセメント、超速硬セメント等、市場で入手できる種々のセメントを例示することができ、これらを単独で又は混合して用いることができる。
また、粉体中に占めるセメントの割合は、20質量%程度以上とすることが好ましい。
また、本発明で使用するセメントには、長期強度の向上、乾燥収縮の緩和のため、ポゾラン活性を有する材料である高炉スラグ粉末、フライアッシュ、シリカヒューム、石灰石粉末、石英粉末、硫酸塩等の混和材を、単独でもしくは併用して、適量配合することも可能である。
硫酸塩としては、例えば、芒硝(硫酸ナトリウム)、硫酸カリウムなどのアルカリ金属硫酸塩、硫酸マグネシウム、石こう(硫酸カルシウム)などのアルカリ土類金属硫酸塩、硫酸アルミニウムなどが挙げられ、強度発現性から、石膏の使用が、あるいは石こうと芒硝の併用が好ましい。
石膏としては、無水石膏、半水石膏、二水石膏、またはこれらの混合物が例示できる。
また、その他必要に応じて配合が可能な材料として消石灰が挙げられる。当該消石灰は更なる強度増進のために添加される。
これらの硫酸塩や消石灰等の細かさは、特に限定するものではないが、好ましくは3000cm/g以上である。強度発現性およびコストを考慮した場合、より好ましいのは4000〜10000cm/gの細かさのものである。
特に、セメント組成物には必要に応じて、カルシウムアルミネート系鉱物を含有することができる。
カルシウムアルミネート系鉱物としては、12CaO・7Al、CaO・Al、3CaO・Al、CaO・2Alなどの化学成分としてCaOとAlからなる結晶質又はガラス化が進んだ構造のものの他、他の化学成分も加わった4CaO・3Al・SO、11CaO・7Al・CaX(Xはハロゲン)、NaO・8CaO・3Alなどの広義のカルシウムアルミネートも含まれる。
かかるカルシウムアルミネート系鉱物は、セメント混練物を調製する際に、添加配合してもよい。カルシウムアルミネート系鉱物を含有すると、速硬性能を更に有効に発現することができる。
また、本発明の方法に用いるセメント組成物であるモルタルやコンクリートには、細骨材や粗骨材の骨材が含有されるが、これらの粗骨材や細骨材の種類は、特に限定されるものではない。
必要に応じて含有される細骨材としては、特に限定はなく、山砂、川砂、陸砂、砕砂、海砂、珪砂3〜7号等の比較的粒径の細かい細骨材、または珪石粉、石灰石粉等の微粉末等の公知の細骨材やこれらの混合物を使用できる。また、本発明では、細骨材としては、土木建築学会で規定される、5mmふるいを85重量%以上通過するものを用いることもできる。
また、粗骨材としては、特に限定はなく、一般的に用いられる任意の粗骨材を用いることができ、例えば、川砂利、陸砂利、砕石等を用いることができる。粗骨材は、通常、最大粒径5mm〜30mmの、例えば4号〜7号砕石を用いることができる。
その配合割合は特に限定されず、使用する用途に応じて決定することができる。
また、本発明の方法に用いるセメント組成物には、各種添加剤や混和剤を必要に応じて、配合されることができる。
各種添加剤や混和剤としては、コンクリートを調製する際に添加される公知の添加剤であれば、用途に応じて添加することができ、例えば、凝結遅延剤、消泡剤、防錆剤、防凍剤、着色剤、減水剤、高性能減水剤等の各種の混和剤や、耐久性を向上させるための炭素繊維や鋼繊維などの補強材を、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で使用することが可能である。
必要に応じて配合される凝結遅延剤としては、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸や酒石酸等のオキシカルボン酸等の公知の凝結遅延剤を、本発明の目的を損なわない範囲で添加配合することができる。必要に応じて添加する凝結遅延剤は、例えば、混練時に混練水の添加と同時あるいは混練水に添加して、又は凝結促進剤混合水溶液に予め添加して用いることにより、一定の可使時間を確保できるようにすることも可能である。
上記セメント組成物は、セメント、凝結促進剤含有混合水溶液を水で希釈した混練水、及び、必要に応じて添加配合される混和材や添加剤を混練りすることにより、セメント混練物を調製することができる。
セメント混練物の調製法は、特に限定するものではなく、慣用のミキサーで原料を混合すれば良い。
混練には、通常のコンクリートの混練に用いられるミキサー、例えば、オムニタイプミキサー、パンタイプミキサー、2軸ミキサー等を用いることができる。混練方法は、特に限定されないが、一般的には、材料を一括してミキサーに投入して、混練すればよい。また、モルタルを先練りし、これを粗骨材にまぶす方法によってコンクリート混練物としてもよい。
このようにして得られたセメント混練物は、良好な凝結性能の急硬性に優れ、短時間で高強度を発現することができる強度発現性に優れることができる。
本発明を具体的な実施例、比較例及び試験例により詳述するが、これらに限定されるものではない。
(使用材料)
以下の材料を用いて、下記実施例及び比較例を実施した。
・超速硬セメント粉体(JC):製品名 ジェットセメント、住友大阪セメント株式会社製
・細骨材:株式会社丸東 珪砂3号
・炭酸リチウム粉体:本庄ケミカル株式会社製
・ギ酸:株式会社朝日化学工業所製
・クエン酸: 扶桑化学工業株式会社製
・高性能減水剤:製品名 マイティ150、花王ケミカル株式会社製
・水:上水道
(実施例1)
ギ酸及び炭酸リチウム粉体を、ギ酸濃度が20質量%で炭酸リチウム濃度が20質量%となるように予め水に溶解させた凝結促進剤混合水溶液1を調製した。
水の総量が360gとなるように、10ccの凝結促進剤混合水溶液1と2gのクエン酸と水とを混合して、混練水1を調製した。
超速硬セメント粉体1000gに、砂1200gと、高性能減水剤20gと、該混練水1を添加して、均一に混練することによりセメント混練物1を得た。
得られたセメント混練物1中、超速硬セメント粉体100質量部に対して含有されるギ酸は2.00質量%(2g)、炭酸リチウムは2.00質量%(2.0g)であった。なお、配合を以下の表1に示す。
(実施例2)
ギ酸及び炭酸リチウム粉体を、ギ酸濃度が30質量%で炭酸リチウム濃度が30質量%となるように予め水に溶解させた凝結促進剤混合水溶液2を調製した。
水の総量が360gとなるように、約6.7ccの凝結促進剤混合水溶液2と2gのクエン酸と水とを混合して、混練水2を調製した。
超速硬セメント粉体1000gに、砂1200gと、高性能減水剤20gと、該混練水2を添加して、均一に混練することによりセメント混練物2を得た。
得られたセメント混練物2中、超速硬セメント粉体100質量部に対して含有されるギ酸は2.00質量%(2g)、炭酸リチウムは2.00質量%(2.0g)であった。なお、配合を以下の表1に示す。
(実施例3)
ギ酸及び炭酸リチウム粉体を、ギ酸濃度が10質量%で炭酸リチウム濃度が10質量%となるように予め水に溶解させた凝結促進剤混合水溶液3を調製した。
水の総量が360gとなるように、20ccの凝結促進剤混合水溶液3と2gのクエン酸と水とを混合して、混練水3を調製した。
超速硬セメント粉体1000gに、砂1200gと、高性能減水剤20gと、該混練水3を添加して、均一に混練することによりセメント混練物3を得た。
得られたセメント混練物3中、超速硬セメント粉体100質量部に対して含有されるギ酸は2.00質量%(2g)、炭酸リチウムは2.00質量%(2.0g)であった。なお、配合を以下の表1に示す。
なお、実施例1〜3の凝結促進剤混合水溶液のpHは2〜7の範囲内のpHを有していた。
(比較例1)
クエン酸2.0gを、360gの水に混合して、混練水溶液4を調製した。なお、炭酸リチウム及びギ酸は添加配合しない。
超速硬セメント粉末1000gに、砂1200gと、高性能減水剤20gと、該混練水4を添加して、均一に混練することによりセメント混練物4を得た。なお、配合を以下の表1に示す。
(比較例2)
ギ酸2gを360gの水と混合して、混練水溶液5を調製した。
炭酸リチウム粉体2.0gを超速硬セメント粉体1000gに予め混合して、混合粉体5を調製した。
得られた混合粉体5に、砂1200gと、高性能減水剤20gと、混練水溶液5を配合して、均一に混練することによりセメント混練物5を調製した。
得られたセメント混練物5中、含有されるギ酸は2.00質量%(2g)、炭酸リチウムは2.00質量%(2.0g)であった。なお、配合を以下の表1に示す。
(比較例3)
炭酸リチウム粉体2.0g、ギ酸2.0g及びクエン酸2.0gを、360gの水と混合して、混練水溶液6を調製した。
超速硬セメント粉末1000gに、砂1200gと、高性能減水剤20gと、混練水溶液6を配合して、均一に混練することによりセメント混練物6を調製した。
得られたセメント混練物6中、含有されるギ酸は2.00質量%(2g)、炭酸リチウムは2.00質量%(2.0g)であった。なお、配合を以下の表1に示す。
(比較例4)
炭酸リチウム2.0g及びクエン酸2.0gを、360gの水と混合して、混練水溶液7を調製した。なお、ギ酸は添加配合しなかった。
超速硬セメント粉体1000gに、砂1200gと、高性能減水剤20gと、該混練水溶液7を添加して、均一に混練することによりセメント混練物7を得た。
得られたセメント混練物7中、超速硬セメント粉体100質量部に対して含有される炭酸リチウムは2.00質量%(2.0g)であった。なお、配合を以下の表1に示す。
(比較例5)
クエン酸及び炭酸リチウム粉体を、クエン酸濃度が10質量%で炭酸リチウム濃度が5質量%となるように予め水に溶解させた凝結促進剤混合水溶液8を調製した。
水の総量が360gとなるように、20ccの凝結促進剤混合水溶液8と、高性能減水剤20gと、水とを混合して、混練水8を調製した。
超速硬セメント粉体1000gに、砂1200gと、該混練水8を添加して、均一に混練することによりセメント混練物8を得た。
得られたセメント混練物8中、超速硬セメント粉体100質量部に対して含有されるギ酸は0質量%(0g)、炭酸リチウムは2.00質量%(2.0g)であった。なお、配合を以下の表1に示す。
(比較例6)
ギ酸及び炭酸リチウム粉体を、ギ酸濃度が20質量%で炭酸リチウム濃度が20質量%となるように予め水に溶解させた凝結促進剤混合水溶液9を調製した。
水の総量が360gとなるように、10ccの凝結促進剤混合水溶液9と2gのクエン酸と水と砂1200gと高性能減水剤20gとを、超速硬セメント粉体1000gに、直接それぞれ添加して、混練することによりセメント混練物9を得た。
得られたセメント混練物9中、超速硬セメント粉体100質量部に対して含有されるギ酸は2.00質量%(2g)、炭酸リチウムは2.00質量%(2.0g)であった。なお、配合を以下の表1に示す。
(比較例7)
ギ酸及び炭酸リチウム粉体を、ギ酸濃度が30質量%で炭酸リチウム濃度が30質量%となるように予め水に溶解させた凝結促進剤混合水溶液10を調製した。
水の総量が360gとなるように、約6.7ccの凝結促進剤混合水溶液10と水と2gのクエン酸と砂1200gと高性能減水剤20gとを、超速硬セメント粉体1000gに、直接それぞれ添加して、混練することによりセメント混練物10を得た。
得られたセメント混練物10中、超速硬セメント粉体100質量部に対して含有されるギ酸は2.00質量%(2g)、炭酸リチウムは2.00質量%(2.0g)であった。なお、配合を以下の表1に示す。
(比較例8)
ギ酸及び炭酸リチウム粉体を、ギ酸濃度が10質量%で炭酸リチウム濃度が10質量%となるように予め水に溶解させた凝結促進剤混合水溶液11を調製した。
水の総量が360gとなるように、20ccの凝結促進剤混合水溶液11と水と2gのクエン酸と砂1200gと高性能減水剤20gとを、超速硬セメント粉体1000gに、直接それぞれ添加して、混練することによりセメント混練物11を得た。
得られたセメント混練物11中、超速硬セメント粉体100質量部に対して含有されるギ酸は2.00質量%(2g)、炭酸リチウムは2.00質量%(2.0g)であった。なお、配合を以下の表1に示す。
Figure 2017047640
(試験例)
実施例1〜3及び比較例1〜8で得られた各セメント混練物について、以下の試験を実施して、各性能を評価した。
(試験例1)凝結試験(硬化)
実施例1〜3及び比較例1〜8で得られた各セメント混練物について、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に規定された試験方法に基づき、凝結の始発時間及び終結時間を測定した。その結果を、下記表2に示す。
また、比較例1の凝結性能を基準として、各セメント混練物について、以下の基準で評価を行った。
+++・・比較例1の基準値と比較して、始発及び終結時間の両方が6分以上で促進された場合
++・・・比較例1の基準値と比較して、始発及び終結時間の両方が3分以上且つ6分未満で促進された場合
+・・・・比較例1の基準値よりも、始発又は終結時間が3分以上で促進された場合
0・・・・比較例1の基準値とほぼ同じ場合(始発及び終結時間の両方ともが基準値と2分以内の差の場合)
−・・・・比較例1の基準値よりも劣る場合
その結果を、下記表2に示す。
(試験例2)強度試験
実施例1〜3及び比較例1〜8で得られた各セメント混練物について、強度試験を実施した。
実施例1〜3及び比較例1〜8の各セメント混練物について、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に規定された試験方法に基づき、材齢3時間における圧縮強度を測定した。なお、各セメント混練物について2回測定し、各測定結果及び平均値を、下記表2に示す。
また、比較例1の圧縮強度性能値を基準として、各セメント混練物の平均値について、以下の基準で評価を行った。
+++・・比較例1の基準値と比較して、3時間強度が4.5N/mm以上向上している場合
++・・・比較例1の基準値と比較して、3時間強度が3.5N/mm以上且つ4.5N/mm未満で向上している場合
+・・・・比較例1の基準値と比較して、3時間強度が3.5N/mm未満内で向上している場合
0・・・比較例1の基準値と同じ場合
−・・・比較例1の基準値よりも劣る場合
Figure 2017047640
上記表2より、本発明の凝結促進剤のセメント組成物への添加方法により得られた実施例のセメント混練物は、凝結促進性能に優れるとともに、早期強度発現性に優れることがわかる。
比較例2のように、炭酸リチウム粉体をセメント組成物と混合し、またギ酸を配合する混練水と混合した場合、比較例3のようにギ酸と炭酸リチウムとを混練水全体に添加する場合、比較例4〜5のようにギ酸を用いないで場合は、強度発現性が基準値又は実施例のものと比較して劣ることがわかる。更に、比較例6〜8のように、凝結促進剤混合水溶液を直接セメント組成物に添加配合した場合では、凝結促進剤が均質に配合されないため、強度発現性に劣ることがわかる。これは凝結促進剤がセメントに対して局所的に作用し、部分的に促進又は遅延が発生し、高強度が発現しにくいものと推測される。
本発明のセメント組成物への凝結促進剤の添加方法を適用して得られたセメント混練物は、シールドトンネル等の裏込め、橋梁やダム、道路舗装体や河川の護岸等の土木構造体や建築構造体の種々の用途、特に緊急工事や補修工事等に適用することができる。

Claims (5)

  1. ギ酸及び凝結促進剤である炭酸リチウムを水に添加して、ギ酸濃度が10〜30質量%で炭酸リチウム濃度が10〜30質量%の凝結促進剤含有混合水溶液を予め調製し、該凝結促進剤含有混合水溶液を、セメント混練物を調製するために添加する混練水の一部としてセメント組成物に配合することを特徴とする、セメント組成物への凝結促進剤の添加方法。
  2. 請求項1記載のセメント組成物への凝結促進剤の添加方法において、前記凝結促進剤含有混合水溶液を水と混合して予め混練水を調製し、該混練水をセメント組成物に配合することを特徴とする、セメント組成物への凝結促進剤の添加方法。
  3. 請求項1又は2記載のセメント組成物への凝結促進剤の添加方法において、更に、セメント混練物に凝結遅延剤が配合されることを特徴とする、セメント組成物への凝結促進剤の添加方法。
  4. 請求項3記載のセメント組成物への凝結促進剤の添加方法において、凝結遅延剤は、前記凝結促進剤混合水溶液又は混練水に添加配合されることを特徴とする、セメント組成物への凝結促進剤の添加方法である。
  5. 請求項1乃至4いずれかの項記載のセメント組成物への凝結促進剤の添加方法において、前記凝結促進剤含有混合液のpHは1〜8であることを特徴とする、セメント組成物への凝結促進剤の添加方法。
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