JPH11346576A - 植物成長抑制用被覆材料 - Google Patents

植物成長抑制用被覆材料

Info

Publication number
JPH11346576A
JPH11346576A JP10157765A JP15776598A JPH11346576A JP H11346576 A JPH11346576 A JP H11346576A JP 10157765 A JP10157765 A JP 10157765A JP 15776598 A JP15776598 A JP 15776598A JP H11346576 A JPH11346576 A JP H11346576A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mixture
formula
group
coating material
plant growth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10157765A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoriaki Matsuzaki
▲頼▼明 松▲崎▼
Tatsu Oi
龍 大井
Osamu Kougo
修 高後
Hirosuke Takuma
啓輔 詫摩
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP10157765A priority Critical patent/JPH11346576A/ja
Publication of JPH11346576A publication Critical patent/JPH11346576A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
    • Y02A40/25Greenhouse technology, e.g. cooling systems therefor

Landscapes

  • Protection Of Plants (AREA)
  • Greenhouses (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ポリハロゲン化フタロシアニン化合物か
ら製造されるフタロシアニン化合物、またはその混合物
を含有し、光を透過させたときの光合成有効光量子束
(PPF)透過率が50%以上で、かつ、下式で表され
るA値が1.3以上である植物成長抑制用被覆材料。 A=R/Fr 〔式中、Rは標準光源D65を基準とする600〜70
0nmの赤色光の光量子束透過量を表し、Frは標準光
源D65を基準とする700〜800nmの遠赤色光の
光量子束透過量を表す〕 【効果】 健全に植物の成長を抑制(わい化)すること
を可能にし、しかも、安価、かつ取り扱いが容易で、実
用的な高耐候性の植物成長抑制用被覆材料を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、安価なポリハロゲ
ン化フタロシアニン化合物から製造されるフタロシアニ
ン化合物、またはその混合物を含有する被覆材料であ
り、さらには植物の成長を抑制する被覆材料に関するも
のであり、施設園芸、あるいは家庭園芸において極めて
価値のあるものである。
【0002】
【従来の技術】被覆材料は、外気や太陽光に直接さらさ
れるため、耐用年数が長いことが望ましく、また、光線
透過率が高いことが必要であり、従来より、ガラス、プ
ラスチック板またはフィルムが用いられている。特にフ
ィルムの場合、安価で、取りつけ、取り外しが簡便とい
う利点を持つ。被覆材料は、保温や遮光等を目的とする
他、分光透過率、透過光全量中の拡散光の割合を増加さ
せる目的もあり、これらの目的にはポリエチレン、アル
ミ蒸着フィルムが多く用いられている。このように、今
日まで被覆材料の機能は、温度環境の保持調節を主体と
していた。今日、種苗生産施設で生産された苗は一般に
徒長ぎみであり、わい化した頑丈な苗が望まれている。
花卉栽培においては軸の長い花が切り花として珍重され
る反面、鉢ものの場合はわい化した大輪の花が望まれる
などの傾向もみられる。果樹栽培では植物体のわい化は
作業性の向上のための大きな課題である。また、接ぎ木
苗の場合、ロボットによる切断では節間の均一化が問題
となる。このように、植物の伸長成長は商品価値を左右
するが、現在、これらの調節は薬品のわい化剤による化
学的調節や、力学的抑制(整枝剪定)によって行われて
おり、より安全かつ簡便な方法が望まれている。
【0003】ところで、遠赤色光が多い光環境では、植
物の伸長成長を促進することは従来から知られている。
この原因は遠赤色光の増加によりR/Fr(Rは赤色光
の光量子束、Frは遠赤色光の光量子束)比が低下し、
その比がフィトクロム光平衡を変化させ、伸長を促進す
ると推測されている。村上らは、植物栽培用人工光源の
評価法、設計選択手法として、光合成有効光量(PPF
発光効率)とともに、R/Frが光形態形成の観点から
重要である事を明らかにし、PPF発光効率が高く、R
/Frを調節できる光源が植物によって望ましいとし
た。さらに、植物栽培人工光環境における形態制御指標
としてR/Frを用いる場合に、R/Frの波長帯
(幅)を600〜700/700〜800nmとするこ
とが最も適切であることも示した。さらに、PPF発光
効率が高く、R/Frを3段階もった4波長域発光形螢
光ランプを試作し、伸長成長の制御効果を実証した(村
上ら、生物環境調節,30巻4号,135〜141ペー
ジ,1992年)。
【0004】しかしながら、これらの人工光源を用いる
には、多大の設備費及び電力費等の運転費用が必要であ
るため、より安価な手法が要求されているのが現状であ
る。特開平7−79649号公報、特開平8−3177
35号公報、及び特開平8−317737号公報には、
フタロシアニン化合物を用いる植物成長制御用被覆材料
が開示されている。しかし、フタロシアニン化合物は、
比較的高価なものであり、より安価なフタロシアニン化
合物が必要とされていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、自然
光(太陽光)を利用でき、合成が容易で、より安価なフ
タロシアニン化合物を含有する実用的な高耐候性の植物
成長抑制用の被覆材料を提供しようとするものである。
【0006】
〔式中、Rは標準光源D65を基準とする600〜700nmの赤色光の光量子束透過量を表し、Frは標準光源D65を基準とする700〜800nmの遠赤色光の光量子束透過量を表す〕
【0007】
【化2】 (式中、Yは酸素原子またはイオウ原子を示し、Rは各
々独立に、置換されていてもよいアルキル基、置換され
ていてもよいアリール基を示し、さらに、隣合った二つ
のYRは、置換している2個の炭素原子とともに5員環
または6員環のヘテロ環を形成してもよく、Xは各々独
立に、フッ素原子、塩素原子、臭素原子を示し、Mは2
価の金属原子、3価または4価の置換金属、あるいは、
オキシ金属を示し、mは4〜16、nは0〜12の整数
を示し、m+n≦16である。)
【0008】また、本発明は、前記一般式(1)にお
いて、MがCu、Pd、またはVOである前記の植物
成長抑制用被覆材料、 一般式(1)において、MがCuで、16≧m≧8で
ある前記の植物成長抑制用被覆材料、 一般式(1)において、Rが置換されていてもよいア
リール基である前記〜のいずれかの植物成長抑制用
被覆材料、に関するものである。
【0009】
【発明の実施との形態】本発明の植物成長抑制用被覆材
料は、ポリハロゲン化フタロシアニン化合物から製造さ
れる前記一般式(1)で表されるフタロシアニン化合
物、または、その混合物を含有し、光を透過させたとき
の光合成有効光量子束(PPF)透過率が50%以上
で、かつ、前記のA値が1.3以上であることを特徴と
するものである。
【0010】本発明において、「植物成長抑制」とは、
植物の光合成を抑えて、ひ弱で栄養不足の植物を育てる
ことではなく、植物に当たる600〜800nmの光質
変化により、草丈、茎長、節間、側枝等の伸長の抑制に
よる植物体のわい化、抽苔防止等の植物の品質向上をさ
す。また、本発明の植物成長抑制用被覆材料を用いて得
られる植物体では、葉の単位面積当たりのクロロフィル
量の増加、アミノ酸、ビタミン等の増加が見られ、魅力
のある植物体となる。
【0011】植物の成長抑制を行うためには、植物にあ
たる自然光の中でも特定の波長の光を制御する必要があ
る。しかし、植物がその植物体内で充分な光合成を行
い、健康的に成長するためには、植物にあたる400〜
700nmに分布する光合成有効光量子束密度(PPF
D)ができるだけ多いほうが良い。従って、植物の成長
抑制を行うためには、光合成有効光量子束密度(PPF
D)を多くした上で、なおかつ植物にあたる特定の波長
の光をコントロールする必要がある。即ち、光を効率良
く利用して高い植物成長抑制効果を得るためには、植物
を被覆することによるPPFD低下量を極力抑え、かつ
A値ができるだけ大きくなる被覆材料を開発する必要が
ある。さらに、施設園芸用等、屋外で使用する場合に
は、該被覆材料には実用的な耐候性が要求される。
【0012】本発明で「光」とは、自然光あるいは低圧
ナトリウムランプ、高圧ナトリウムランプ、3波長域発
光蛍光ランプ、メタルハライドランプ、昼光色蛍光ラン
プ、水銀ランプ等の人工光源をさす。即ち、自然光を用
いる点で本発明はコスト的に有利であるが、当然人工光
源を用いる場合にも応用できる。
【0013】本発明において、植物成長抑制用被覆材料
として充分な効果を得るためには、該材料を通して光を
透過させた時のPPF透過率は少なくとも50%以上
(該被覆材を通して植物体にあたる光のPPFD低下率
が50%以下)で、かつ、A値が1.3以上であること
が必要である。PPF透過率が50%以下の場合は、植
物体の光合成が不十分であり、ひ弱で、栄養不足の植物
に育つ。また、A値が1.3未満の場合は、植物成長抑
制効果が見られない。更に高い効果を得るためには、P
PF透過率が65%以上で、かつ、A値が1.3以上で
ある。
【0014】本発明で使用されるフタロシアニン化合
物、またはその混合物について説明する。本発明のフタ
ロシアニン化合物、またはその混合物は、ポリハロゲン
化フタロシアニン化合物から製造されるものである。本
発明において、一般式(1)で表されるフタロシアニン
化合物の混合物とは、一般式(1)で表されるフタロシ
アニン化合物の異性体混合物、及び/又は、ポリハロゲ
ン化フタロシアニン化合物と化合物R−YH(R、Yは
前記と同じ)との反応により一般式(1)で表されるフ
タロシアニン化合物を製造する際に副生する異なった数
の置換基−YRを有する複数のフタロシアニン化合物を
含むことを意味している。したがって、本発明の一般式
(1)で表されるフタロシアニン化合物の混合物は、得
られた反応生成物の元素分析値の結果から算出したフタ
ロアニン1分子当たりの置換基−YRおよびハロゲン原
子の平均個数をもって表示する。
【0015】ポリハロゲン化フタロシアニン化合物とし
ては、10〜16個のフッ素原子、塩素原子、臭素原子
等で置換されたフタロシアニン化合物であり、公知の全
ての化合物が挙げられる。例えば、C.I. Pigment Green
7、C.I. Pigment Green 36、C.I. Pigment Green 37
、C.I. Pigment Green 38 等が挙げられ、これらは、
工業的に安価に、入手容易な点から好ましい。また、フ
ッ素化フタロシアニン化合物は、フッ素化フタロニトリ
ルを Dyes and Pigment 91頁(1992年)記載の方法で製
造できる。中でも、特にC.I. Pigment Green 7がより好
ましい。
【0016】さらに、詳細に説明する。一般式(1)で
表されるフタロシアニン化合物の置換基Rにおいて、置
換基を有していてもよいアルキル基としては、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、
n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル
基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、n−ヘキシ
ル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等の無置換のア
ルキル基;メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロ
ポキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル
基、プロポキシエチル基、ブトキシエチル基等のアルコ
キシアルキル基;ベンジル基、フェネチル基等のアラル
キル基等が例示される。
【0017】置換基を有していてもよいアリール基とし
ては、フェニル基、ナフチル基等の無置換のアリール
基;メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プ
ロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、n−ペン
チル基、iso−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘ
プチル基、n−オクチル基等のアルキル基で置換された
アリール基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、
ブトキシ基等のアルコキシ基で置換されたアリール基;
トリフルオルメチル基等のハロゲン化アルキル基で置換
されたアリール基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、
ヨウ素原子等のハロゲン原子で置換されたアリール基;
ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のアルキルアミ
ノ基で置換されたアリール基;水酸基、メルカプト基、
アミノ基で置換されたアリール基、等が例示される。ま
た、隣合った二つのYRが、置換している2個の炭素原
子とともに5員環または6員環のヘテロ環を形成しても
よい例としては、下記式等(化3)で表される置換基が
例示される。
【0018】
【化3】
【0019】一般式(1)で表されるフタロシアニン化
合物において、好ましい置換基−YRとしては、フェノ
キシ基、クレゾキシ基、トリフルオロメチルフェニルオ
キシ基、ナフトキシ基、ベンジルオキシ基、アミノフェ
ニルオキシ基、ヒドロキシフェニルオキシ基、ビスフェ
ノールA基、フェニルチオ基、ヒドロキシチオフェニル
チオ基等が挙げられる。
【0020】一般式(1)において、m、nは、置換基
−YR、ハロゲン原子の置換数を示す数字である。置換
基−YRの導入数mとしては、樹脂との相溶性、A値が
1.3以上となること、及び中心金属Mの種類によって
も異なるが、これらを考慮し、8〜16が好ましい。ま
た、nについては特に限定はしないが、環境に対するハ
ロゲンの影響を考慮すると、平均個数が0に近いほうが
望ましい。
【0021】一般式(1)で表されるフタロシアニン化
合物において、Mで表される2価の金属の例としては、
Cu(II)、Zn(II)、Fe(II)、Co(II)、N
i(II)、Ru(II)、Rh(II)、Pd(II)、Pt
(II)、Mn(II)、Mg(II)、Ti(II)、Be
(II)、Ca(II)、Ba(II)、Cd(II)、Hg
(II)、Pb(II)、Sn(II)などが挙げられる。
【0022】1置換の3価金属の例としては、Al−C
l、Al−Br、Al−F、Al−I、Ga−Cl、G
a−F、Ga−I、Ga−Br、In−Cl、In−B
r、In−I、In−F、Tl−Cl、Tl−Br、T
l−I、Tl−F、Al−C 6 5 、Al−C6
4 (CH3 )、In−C6 5 、In−C6 4 (CH
3)、In−C6 5 、Mn(OH)、Mn(OC6
5 )、Mn〔OSi(CH 3)3 〕、Fe−Cl、Ru−
Cl等が挙げられる。
【0023】2置換の4価金属の例としては、CrCl
2 、SiCl2 、SiBr2 、SiF2 、SiI2 、Z
rCl2 、GeCl2 、GeBr2 、GeI2 、GeF
2 、SnCl2 、SnBr2 、SnF2 、TiCl2
TiBr2 、TiF2 、Si(OH)2、Ge(OH)2
Zr(OH)2、Mn(OH)2、Sn(OH)2、Ti
R'2、CrR'2、SiR'2、SnR'2、GeR'2〔R'
はアルキル基、フェニル基、ナフチル基、およびその誘
導体を表す〕、Si(OR")2 、Sn(OR")2 、Ge
(OR")2 、Ti(OR")2 、Cr(OR")2 〔R" は
アルキル基、フェニル基、ナフチル基、トリアルキルシ
リル基、ジアルキルアルコキシシリル基およびその誘導
体を表す〕、Sn(SR''')2 、Ge(SR''')
2 〔R''' はアルキル基、フェニル基、ナフチル基、お
よびその誘導体を表す〕などが挙げられる。オキシ金属
の例としては、VO、MnO、TiOなどが挙げられ
る。
【0024】Mとしては、Cu、PdまたはVO等が好
ましい。中でも、Cuが特に好ましく、この場合、置換
基−YRは8個以上であることが好ましく、8個未満の
ときはA値が1.3未満となり、わい化効果が発現しな
い。また、その他の金属を中心金属とする場合、金属の
種類によって、例えば、Cuの場合の化合物に比べ波長
が長くなる化合物については、A値が1.3以上になる
ように、置換基−YRの数mを少なくすることでコント
ロール可能である。一方、Cuの場合の化合物に比べ波
長が短くなる化合物については、A値が1.3以上にな
るように置換基−YRの数mを多くすることでコントロ
ール可能である。前記のように、A値がコントロールで
きる他、置換基−YRの種類によってもコントロール可
能である。
【0025】一般式(1)で表されるフタロシアニン化
合物、またはその混合物の製造方法は、特に限定され
ず、公知の方法で製造可能である。例えば、ポリハロゲ
ン化フタロシアニン化合物(例えば、C.I. Pigment Gre
en 7、C.I. Pigment Green 36、C.I. Pigment Green 37
、C.I. Pigment Green 38 等)と、RY−H(式中、
R、Yは前記の定義に同じ)で表されるアルコール誘導
体、フェノール誘導体、チオール誘導体あるいはチオフ
ェノール誘導体とを、塩基(例えば、炭酸カリウム、炭
酸ナトリウム等)存在下、溶媒(例えば、N−メチルピ
ロリドン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン等)中、
100〜250℃、1〜30時間反応させることで製造
することができる。特に、中心金属がCuであるポリハ
ロゲン化フタロシアニン化合物を用いた場合、置換基−
YRを8個以上導入する場合においては、溶媒として、
N,N−ジメチルイミダゾリジノンを使用し、反応温度
160〜200℃で行うことが好ましい製造方法であ
る。また、一般式(1)で表されるフタロシアニン化合
物は、上記の反応生成物をカラム精製等の公知の精製方
法で単離して得られる。
【0026】本発明の被覆材料は、樹脂板、フィルム、
不織布、ガラス等の形で作製され、必要に応じて加工さ
れる。本発明において「被覆」とは、被覆材料により成
長を抑制させる植物体の周囲全面、或いは光が入射して
くる少なくとも一面を覆うことをいい、これにより、植
物にあたる光の波長をコントロールする。
【0027】上記のフタロシアニン化合物またはその混
合物(以下、フタロシアニン混合物と表記する)を用い
て植物成長抑制用被覆材料を作る方法は、特に限定され
るものではないが、例えば、以下の3つの方法が利用で
きる。すなわち、(1)樹脂に、フタロシアニン混合物
を混練し、加熱成形して樹脂板、フィルムあるいは不織
布を作製する方法、(2)フタロシアニン混合物を含有
する塗料を作製し、透明樹脂板、透明フィルム、或いは
透明ガラス板上にコーティングする方法、(3)フタロ
シアニン混合物を接着剤に含有させて、合わせ樹脂板、
合わせ樹脂フィルム、合わせガラス等を作製する方法、
である。
【0028】まず、樹脂に、フタロシアニン混合物を混
練し、加熱成形する(1)の方法において、樹脂材料と
しては、樹脂板、樹脂フィルムまたは不織布にした場合
にできるだけ透明性の高いものが好ましく、具体例とし
て、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアクリル酸、ポ
リアクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロ
ニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル等のビニ
ル化合物及びビニル化合物の付加重合体、ポリメタクリ
ル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリフッ化ビニリデン、ポリシアン化ビニリデン、
フッ化ビニリデン/トリフルオロエチレン共重合体、フ
ッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体、シ
アン化ビニリデン/酢酸ビニル共重合体等のビニル化合
物又はフッ素系化合物の共重合体、ポリトリフルオロエ
チレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフル
オロプロピレン等のフッ素を含む化合物、ナイロン6、
ナイロン66等のポリアミド、ポリイミド、ポリウレタ
ン、ポリペプチド、ポリエチレンテレフタレート等のポ
リエステル、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、
ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポ
リエーテル、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルブチラール等を挙げることが出来るが、これら
の樹脂に限定されるものではない。
【0029】作製方法としては、用いるベース樹脂によ
って、加工温度、フィルム化条件等が多少異なるが、通
常、フタロシアニン混合物を、ベース樹脂の粉体或いは
ペレットに添加し、150〜350℃に加熱、溶解させ
た後、成形して樹脂板を作製するか、或いは、押し出し
機によりフィルム化するか、或いは押し出し機により原
反を作製し、30〜120℃で2〜5倍に、1軸乃至は
2軸に延伸して10〜200μm厚のフィルムにする
か、或いはノズルの先端から押し出して樹脂繊維を形成
させ、これらの繊維を相互に絡ませて不織布を作製する
方法で得られる。なお、混練する際に、紫外線吸収剤、
可塑剤等の通常の樹脂成型に用いる添加剤を加えてもよ
い。フタロシアニン混合物の添加量は、作製する樹脂、
フィルムまたは不織布の厚み、目的の吸収強度、目的の
PPF透過率等によって異なるが、通常、1ppm〜1
0%である。
【0030】塗料化してコーティングする(2)の方法
としては、フタロシアニン混合物をバインダー樹脂及び
有機系溶媒に溶解させて塗料化する方法と、フタロシア
ニン混合物を数μm以下に微粒化し、アクリルエマルジ
ョン中に分散して水系塗料とする方法がある。前者の方
法では、通常、脂肪族エステル系樹脂、アクリル系樹
脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、芳香族エステル系樹
脂、ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリオレフィン樹
脂、芳香族ポリオレフィン樹脂、ポリビニル系樹脂、ポ
リビニルアルコール樹脂、ポリビニル系変成樹脂(PV
B、EVA等)或いはそれらの共重合樹脂をバインダー
として用いる。溶媒としては、ハロゲン系、アルコール
系、ケトン系、エステル系、脂肪族炭化水素系、芳香族
炭化水素系、エーテル系溶媒、あるいはそれらの混合物
系等を用いる。
【0031】フタロシアニン混合物の濃度は、コーティ
ングの厚み、目的の吸収強度、目的のPPF透過率等に
よって異なるが、バインダー樹脂の重量に対して、通
常、0.1〜30%である。また、バインダー樹脂濃度
は、塗料全体に対して、通常、1〜50%である。アク
リルエマルジョン系水系塗料の場合も同様に、未着色の
アクリルエマルジョン塗料に、フタロシアニン混合物を
微粉砕(50〜500nm)したものを分散させて得ら
れる。塗料中には、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の通常
塗料に用いるような添加物を加えてもよい。
【0032】上記の方法で作製した塗料は、透明樹脂フ
ィルム、透明樹脂、透明ガラス等の上にバーコーダー、
ブレードコーター、スピンコーター、リバースコータ
ー、ダイコーター、或いはスプレー等でコーティングし
て植物成長抑制用被覆材料を作製する。コーティング面
を保護するために保護層を設けたり、透明樹脂板、透明
樹脂フィルム等コーティング面に貼り合わせることもで
きる。また、キャストフィルムも本方法に含まれる。
【0033】フタロシアニン混合物を接着剤に含有させ
て、合わせ樹脂板、合わせ樹脂フィルム、合わせガラス
等を作製する(3)の方法においては、接着剤として、
一般的なシリコン系、ウレタン系、アクリル系等の樹脂
用、或いは合わせガラス用のポリビニルブチラール接着
剤(PVB)、エチレン−酢酸ビニル系接着剤(EV
A)等の合わせガラス用の公知の透明接着剤が使用でき
る。フタロシアニン混合物を0.1〜30%添加した接
着剤を用いて樹脂板同士、樹脂板と樹脂フィルム、樹脂
板とガラス、樹脂フィルム同士、樹脂フィルムとガラ
ス、ガラス同士を接着して植物成長抑制用被覆材料を作
製する。また、熱圧着する方法もある。
【0034】本発明の被覆材料で覆う植物としては、特
に限定されるものではないが、例えば、ウリ科、ナス
科、マメ科、バラ科、アブラナ科、キク科、セリ科、ア
カザ科、イネ科、アオイ科、ウコギ科、シソ科、ショウ
ガ科、スイレン科、サトイモ科の野菜;キク科、バラ
科、サトイモ科、ナデシコ科、アブラナ科、イソマツ
科、リンドウ科、ゴマノハグサ科、マメ科、ボタン科、
アヤメ科、ナス科、ヒガンバナ科、サトイモ科、ラン
科、リュウゼツラン科、ミズキ科、アカネ科、ヤナギ
科、ツツジ科、モクセイ科、モクレン科、サクラソウ
科、シュウカイドウ科、シソ科、フウロソウ科、ベンケ
イソウ科、キンポウゲ科、イワタバコ科、サボテン科、
シダ類、ウコギ科、クワ科、ツユクサ科、パイナップル
科、クズウコン科、トウダイクサ科、コショウ科、タカ
トウダイ科、ユキノシタ科、アカバナ科、アオイ科、フ
トモモ科、ツバキ科、オシロイバナ科の切り花類あるい
は鉢物類の花卉;バラ科、ブドウ科、クワ科、カキノキ
科、ツツジ科、アケビ科、マタタビ科、トケイソウ科、
ミカン科、ウルシ科、パイナップル科、フトモモ科の果
樹;藻類等である。
【0035】具体的には、キュウリ、メロン、カボチ
ャ、ニガウリ、ズッキーニ、スイカ、シロウリ、トウガ
ン、ヘチマ、キンシウリ、トマト、ピーマン、トウガラ
シ、ナス、ペピーノ、シシトウ、エンドウ、インゲンマ
メ、ササゲ、エダマメ、ソラマメ、シカクマメ、サヤエ
ンンドウ、サヤインゲン、フジマメ、イチゴ、トウモロ
コシ、オクラ、ブロッコリー、カイワレダイコン、クレ
ソン、コマツナ、ツケナ、レタス、フキ、シュンギク、
食用ギク、セルリー、パセリー、ミツバ、セリ、ネギ、
ワケギ、ニラ、アスパラガス、ホレンソウ、オカヒジ
キ、ウド、シソ、ショウガ、ダイコン、カブ、ワサビ、
ラディシュ、ルタバカ、コカブ、ニンニク、ラッキョ
ウ、レンコン、サトイモ等の野菜;
【0036】アスター、ローダンセ、アザミ、ナデシ
コ、ストック、ハナナ、スターチス、トルコキキョウ、
キンギョソウ、スィートピー、ハナショウブ、キク、リ
アトリス、ガーベラ、マーガレット、ミヤコワスレ、シ
ャスターデージー、カーネーション、シュツコンカスミ
ソウ、リンドウ、シャクヤク、ホウズキ、リオン、ダリ
ア、カラー、グラジオラス、アイリス、フリージア、チ
ューリップ、スイセン、アマリリス、シンビジューム、
ドラセナ、バラ、ボケ、サクラ、モモ、ウメ、コデマ
リ、キイチゴ、ナナカマド、ミズキ、サンシュ、サンダ
ンカ、ブルバディア、ヤナギ、ツツジ類、レンギョウ、
モクレン、シラネリア、ディモルホセカ、プリムラ、ペ
チュニア、ベゴニア、リンドウ、コリウス、ゼラニュウ
ム、ペラルゴニューム、ロケヤ、アンスリューム、クレ
マチス、スズラン、セントポーリア、シクラメン、ラナ
ンキュラス、グロキシニア、デンドロビューム、カトレ
ア、ファレノプシス、バンダ、エビデンドラム、オンシ
ジウム、シャコバサボテン、カニバサボテン、クジャク
サボテン、カランコエ、ネフロレピス、アジアンタム、
タニワタリ、ポトス、ディフェンバキヤ、スパティフラ
ム、シンゴニューム、オリヅルラン、シエフレラ、ヘデ
ラ、ゴムノキ、ドラセナ、コルジリネ、ブライダルベー
ル、アナナス類、カラテヤ、クロトン、ペペロミヤ、ポ
インセチア、ハイドランジア、フクシア、ハイビスカ
ス、ガーデニア、ギョリュウバイ、ツバキ、ブーゲンビ
レア、ボタン等の花卉;
【0037】ニホンナシ、モモ、オウトウ、スモモ、リ
ンゴ、プルーン、ネクタリン、アンズ、ラズベリー、ウ
メ、ブドウ、イチジク、カキ、ブルーベリー、アケビ、
キウィフルーツ、パッションフルーツ、ビワ、ウンシュ
ウミカン、マーコレット、レモン、ユズ、仏手柑、ハッ
サク、ブンタン、花ユズ、キンカン、セミノール、イヨ
カン、ネーブルオレンジ、アンコール、ノバ、日向夏、
ライム、スダチ、カボス、晩白柚、タンカン、マンゴ
ー、パインアップル、グアバ等の果樹である。
【0038】本発明の被覆材料を園芸施設に適用する方
法としては、該被覆材料で植物体の周囲全面、或いは光
が入射してくる少なくとも一面を覆うことができる方法
であれば特に限定されるものではないが、例えば、上記
の方法で作製した植物成長制御機能を有する樹脂板或い
はガラスを用いて、ガラス室、プラスチック室を作製す
る方法、樹脂フィルム或いは不織布をパイプハウス、ビ
ニルハウスの外張りおよび/または内張りに用いる方
法、トンネルハウスに用いる方法、マルチングフィルム
に用いる方法等がある。また、果樹の場合には果樹全体
を被覆する以外に枝の一本づつを被覆することも出来
る。
【0039】家庭園芸用には、園芸施設に用いる方法に
準ずる方法、樹脂板で小型のボックスを作って植木鉢に
かぶせる方法等、適宜用いることが出来る。本発明の被
覆材料を用いて各種苗の成長試験を行ったところ、自然
光の場合と比較して顕著にわい化した頑丈な苗が得られ
た。
【0040】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 1,3-ジメチル-2- イミダゾリジノン45.1部に、C.I.
Pigment Green 7を5.6部、フェノールを8.9部、
及び炭酸カリウムを13.1部加えて、180℃まで加
熱し、8時間攪拌した。50℃まで冷却し、メタノール
200部中に排出して、ろ過し、メタノール洗浄、水
洗、乾燥して、反応生成物(A)を7.7部得た。得ら
れた生成物(A)の元素分析値は下記のとおりであっ
た。 ・元素分析値 Cu Cl 実測値(%) 74.59 4.05 6.16 3.52 <0.3 この結果、生成物(A)は、フタロシアニン1分子につ
き、平均してフェノキシ基を14個有する下記式(a)
(化4)で表されるフタロシアニン混合物〔以下、式
(a)の混合物ともいう。他の場合も同じ〕で、塩素原
子は存在しないものであることが判明した。
【化4 】 式(a)で表されるフタロシアニン混合物4部およびポ
リメタクリル酸メチル100000部を、280℃で溶
融混練して、押し出し成形機を用いて、厚み2.5m
m、幅1mの着色樹脂板を得た。本樹脂板の光合成有効
光量子束(PPF)透過率は76.3%であり、A値は
1.48であった。
【0041】本樹脂板を用いて、高さ650mm、幅1
750mm、奥行き850mmのグロースキャビネット
を作製した。なお、以下の栽培においては、グロースキ
ャビネットは屋外に置き、換気扇を用い15.2m3
分で通気を行ない、外気温と同じになるようにした。本
グロースキャビネット中に、高さ約8cmのヒマワリの
苗7サンプルを入れ、10日間栽培した結果、植物高が
11.5±0.8cm、のわい化して頑丈な植物体が得
られた。比較のために、同時に、フタロシアニン混合物
を含まない樹脂板に、寒冷紗をかけて、光合成有効光量
子束(PPF)透過率を76.0%(A値は1.04)
にしたものを用いた以外、他は全く同じ条件で栽培した
ところ、植物高は18.5±0.7cmであった。この
ことより、A値が1.48である本発明の被覆材料を用
いた場合の成長抑制効果は約0.62倍であることを確
認した。また、本樹脂板について、63℃の条件で、カ
ーボンアーク灯で300時間照射して耐光試験を行った
ところ、PPF透過率は76.9%であり、A値は1.
46と耐光試験前に比較して劣化は少なかった。
【0042】実施例2 実施例1の製造法において、フェノールをm−クレゾー
ルに代え、実施例1と同様にして、反応生成物(B)を
製造した。得られた生成物(B)の元素分析値は下記の
とおりであった。 ・元素分析値 Cu Cl 実測値(%) 75.52 4.83 5.71 2.81 <0.3 この結果、生成物(B)は、フタロシアニン1分子につ
き、平均してクレゾキシ基14個を有する下記式(b)
(化5)で表されるフタロシアニン混合物で、塩素原子
は存在しないものであることが判明した。
【0043】
【化5】 実施例1の式(a)の混合物の代わりに、式(b)で表
されるフタロシアニン混合物4.0部を用いて、実施例
1と同様にして着色樹脂板を得た。光合成有効光量子束
(PPF)透過率は75.5%であり、A値は1.51
であった。
【0044】また、本樹脂板を用いて、実施例1と全く
同様にして、ヒマワリの栽培を行ったところ、植物高が
10.7±0.7cmのわい化して頑丈な植物体となっ
た。このことより、A値が1.51である被覆材料を用
いた場合の成長抑制効果は約0.58倍であることを確
認した。また、本樹脂板について、63℃の条件で、カ
ーボンアーク灯で300時間照射して耐光試験を行った
ところ、PPF透過率は74.9%であり、A値は1.
50と耐光試験前に比較して劣化は少なかった。
【0045】実施例3 実施例1の製造法において、フェノールのモル比を下げ
て、実施例1と同様にして反応生成物(C)を製造し
た。得られた生成物(C)の元素分析値は下記のとおり
であった。 ・元素分析値 Cu Cl 実測値(%) 73.89 3.61 7.31 4.30 <0.3 この結果、生成物(C)は、フタロシアニン1分子につ
き、平均してフェノキシ基10個を有する下記式(c)
(化6)で表されるフタロシアニン混合物で、塩素原子
は存在しないものであることが判明した。
【0046】
【化6】 実施例1の式(a)の混合物の代わりに、式(c)で表
されるフタロシアニン混合物4.0部を用いて、実施例
1と同様にして着色樹脂板を得た。光合成有効光量子束
(PPF)透過率は76.9%であり、A値は1.40
であった。
【0047】また、本樹脂板を用いて、実施例1と全く
同様にして、ヒマワリの栽培を行ったところ、植物高が
12.5±0.7cmのわい化して頑丈な植物体となっ
た。このことより、A値が1.40である上記の被覆材
料を用いた場合の成長抑制効果は約0.68倍であるこ
とを確認した。また、本樹脂板について、63℃の条件
で、カーボンアーク灯で300時間照射して耐光試験を
行ったところ、PPF透過率は77.3%であり、A値
は1.38と耐光試験前に比較して劣化は少なかった。
【0048】実施例4 式(a)の混合物3.0部を、ポリビニルブチラール樹
脂1000部に、180℃にて溶解して、フィルム作製
機にて、幅3m、厚み0.2mmの着色フィルムを作製
した。引き続き、該フィルムを3mm厚のフロートガラ
スで挟み込み、140℃、13気圧で20分間処理し、
合わせガラスを作製した。本合わせガラスの光合成有効
光量子束(PPF)透過率は74.9%であり、A値は
1.57であった。これを用いて、高さ650mm、幅
650mm、奥行き650mmのグロースキャビネット
を作製した。実施例1と同様にして、ヒマワリ(3サン
プル)の栽培を行ったところ、植物高が11.2±0.
4cmであった。比較のため、式(a)の混合物を含ま
ないフィルムに、寒冷紗をかけて、光合成有効光量子束
(PPF)透過率を75.8%(A値は1.05)にし
たものを用い、全く同じ条件で栽培したところ、植物高
が17.6±0.7cmである植物体となった。このこ
とより、A値が1.57である上記の被覆材料を用いた
成長抑制効果は0.64倍であることが確認できた。ま
た、本フィルムについて、63℃の条件で、カーボンア
ーク灯で300時間照射して耐光試験を行ったところ、
PPF透過率は75.9%であり、A値は1.52と耐
光試験前に比較して劣化は少なかった。
【0049】実施例5 式(a)の混合物1.5部、およびポリエチレン100
0部の混合物を、200℃で、二軸スクリュー押出機を
用いてペレット化し、さらに、200℃でTダイが装着
された一軸スクリュー押出機にて溶融押し出しし、厚み
0.1mmの成長抑制用着色フィルムを得た。作製した
本フィルムのPPF透過率は75.3%であり、A値は
1.49であった。本着色フィルムを用いて、高さ65
0mm、幅1750mm、奥行き850mmのグロース
キャビネットラックを作製した。実施例1と同様にし
て、ヒマワリ(3サンプル)の栽培を行ったところ、植
物高が12.2±0.5cmであった。比較のため、式
(a)の混合物を含まないフィルムに寒冷紗をかけて、
光合成有効光量子束(PPF)透過率を75.5%(A
値は1.05)にしたものを用い、全く同じ条件で栽培
したところ、植物高が17.1±0.7cmである植物
体となった。このことより、A値が1.49である上記
の被覆材料を用いた成長抑制効果は0.71倍であるこ
とが確認できた。また、本フィルムについて、63℃の
条件で、カーボンアーク灯で300時間照射して耐光試
験を行ったところ、PPF透過率は76.1%であり、
A値は1.46と耐光試験前に比較して劣化は少なかっ
た。
【0050】実施例6 式(a)の混合物1.0部および農業用塩化ビニル10
00部を、180℃でカレンダー成型して、厚み100
μmの着色樹脂フィルムを得た。本樹脂フィルムの光合
成有効光量子束(PPF)透過率は73.0%であり、
A値は1.60であった。本樹脂フィルムを用いて、高
さ650mm、幅1750mm、奥行き850mmのグ
ロースキャビネットを作製した。このグロースキャビネ
ットを用いて、実施例1と同様にして、ヒマワリの栽培
を行ったところ、植物高が13.1±0.5cmのわい
化して頑丈な植物体となった。比較のため、式(a)の
混合物を含まないフィルムに、寒冷紗をかけて、光合成
有効光量子束(PPF)透過率を74.5%(A値は
1.04)にしたものを用い、全く同じ条件で栽培した
ところ、植物高が18.1±0.7cmである植物体と
なった。このことより、A値が1.60である上記の被
覆材料を用いた成長抑制効果は0.73倍であることが
確認できた。また、本フィルムについて、63℃の条件
で、カーボンアーク灯で300時間照射して耐光試験を
行ったところ、PPF透過率は74.9%であり、A値
は1.53と耐光試験前に比較して劣化は少なかった。
【0051】実施例7 式(a)の混合物1.8部、およびポリプロピレン10
00部の混合物を、200℃で、二軸スクリュー押出機
を用いてペレット化し、さらに、200℃でノズルの先
端から押し出して自然降下させ絡ませて、厚み0.1m
mの成長抑制用着色不織布を得た。作製した本不織布の
PPF透過率は72.3%であり、A値は1.38であ
った。本着色不織布を用いて、高さ650mm、幅17
50mm、奥行き850mmのグロースキャビネットラ
ックを作製した。実施例1と同様にして、ヒマワリ(3
サンプル)の栽培を行ったところ、植物高が13.9±
0.5cmであった。比較のため、式(a)の混合物を
含まない不織布に寒冷紗をかけて、光合成有効光量子束
(PPF)透過率を73.5%(A値は1.05)にし
たものを用い、全く同じ条件で栽培したところ、植物高
が17.5±0.7cmである植物体となった。このこ
とより、A値が1.38である上記の被覆材料を用いた
成長抑制効果は0.79倍であることが確認できた。ま
た、本不織布について、63℃の条件で、カーボンアー
ク灯で300時間照射して耐光試験を行ったところ、P
PF透過率は74.1%であり、A値は1.34と耐光
試験前に比較して劣化は少なかった。
【0052】実施例8 三井東圧化学(株)社製ユーバンSE−60と、同社製
アルマテクス748−5Mを3:7で混合させた液体
と、式(a)の混合物を1%溶解させたトルエンを、
2:1の割合で混合させ、厚み75μmのポリエチレン
テレフタレートフィルムにコーティングし、130℃で
15分間乾燥させた。本フィルムの光合成有効光量子束
(PPF)透過率は74.2%であり、A値は1.52
であった。実施例1と同様にして、ヒマワリの栽培を行
ったところ、植物高が13.9±0.4cmのわい化し
て頑丈な植物体となった。比較のため、式(a)の混合
物を含まないフィルムに寒冷紗をかけて、光合成有効光
量子束(PPF)透過率を75.0%(A値は1.0
4)にしたものを用い、全く同じ条件で栽培したとこ
ろ、植物高が17.9±0.7cmである植物体となっ
た。このことより、A値が1.52である上記の被覆材
料を用いた成長抑制効果は0.78倍であることが確認
できた。また、本フィルムについて、63℃の条件で、
カーボンアーク灯で300時間照射して耐光試験を行っ
たところ、PPF透過率は75.5%であり、A値は
1.47と耐光試験前に比較して劣化は少なかった。
【0053】実施例9 式(a)の混合物4.0部およびポリエチレンテレフタ
レート1000部を、300℃で溶融させ、押し出し成
形機を用いて、厚さ100μmのフィルムを得た。この
フィルムを2軸延伸して、厚み25μmの着色樹脂フィ
ルムを得た。本樹脂フィルムの光合成有効光量子束(P
PF)透過率は76.3%であり、A値は1.40であ
った。実施例1と同様にして、ヒマワリの栽培を行った
ところ、植物高が11.9±0.6cmのわい化して頑
丈な植物体となった。比較のため、式(a)の混合物を
含まないフィルムに、寒冷紗をかけて、光合成有効光量
子束(PPF)透過率を75.8%(A値は1.05)
にしたものを用い、全く同じ条件で栽培したところ、植
物高が18.0±0.7cmである植物体となった。こ
のことより、A値が1.40である上記の被覆材料を用
いた成長抑制効果は0.66倍であることが確認でき
た。また、本フィルムについて、63℃の条件で、カー
ボンアーク灯で300時間照射して耐光試験を行ったと
ころ、PPF透過率は77.1%であり、A値は1.3
7と耐光試験前に比較して劣化は少なかった。
【0054】実施例10 実施例1で用いた着色樹脂板製グロースキャビネット中
に、高さ約6cmのキュウリの苗7サンプルを入れ、9
日間栽培した結果、植物高が13.6±1.0cmであ
った。比較のために同時に、フタロシアニン混合物を含
まない樹脂板を用いて、他は全く同じ条件で栽培したと
ころ、植物高が23.1±1.5cmであった。このこ
とより、A値が1.48の被覆材料を用いた場合のキュ
ウリの成長抑制効果は約0.59倍であることが確認さ
れた。
【0055】実施例11〜25 ポリハロゲン化フタロシアニン化合物を出発原料に用
い、それぞれ対応するフェノール類、あるいはチオフェ
ノール類と反応させて得られた表−1(表1〜4)に示
すフタロシアニン混合物を用い、前記実施例に示した方
法に従い、それぞれの被覆材料を作製した。該被覆材料
を用いて、植物の生育試験を行行った。被覆材料および
生育試験結果を表−2(表5)に示した。表−2〜明ら
かなように、全ての植物がわい化した。なお、植物の生
育は健全なものであった。表−2中、植物のわい化効果
があったものについては○で示した。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】
【表5】
【0061】比較例1 実施例1で用いた混合物に変えて、下記式(化7)で表
されるフェノキシ基が平均して7個置換したフタロシア
ニン混合物を用い、樹脂板の光合成有効光量子束(PP
F)透過率が同等となるように作製した。その結果、本
樹脂板はPPF透過率76.3%、A値1.21とな
り、実施例1で使用したフェノキシ基が8個以上置換し
たフタロシアニン混合物を用いて作製した樹脂板に比
べ、A値が小さくなった。
【0062】
【化7】 植物体の成長を比較するため、実施例1と同様にして、
本樹脂板を用いて、高さ650mm、幅1750mm、
奥行き850mmのグロースキャビネットを作製した。
なお、以下の栽培においてはグロースキャビネットは屋
外に置き、換気扇を用い15.2m3 /分で通気を行な
い、外気温と同じになるようにした。本グロースキャビ
ネット中に、高さ約8cmのヒマワリの苗7サンプルを
入れ、10日間栽培した結果、植物高が17.5±1.
0cmとなり、わい化効果は見られなかった。
【0063】
【発明の効果】ポリハロゲン化フタロシアニン化合物か
ら製造される前記一般式(1)で表されるフタロシアニ
ン化合物またはその混合物を含有させ、A値を1.3以
上とする本発明の被覆材料を用いることで、健全に植物
の成長を抑制(わい化)することができた。また、本発
明の被覆材料は、安価かつ取り扱いが容易で、実用的な
高耐候性の植物成長抑制用被覆材料であることが判っ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 詫摩 啓輔 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリハロゲン化フタロシアニン化合物か
    ら製造される下記一般式(1)(化1)で表されるフタ
    ロシアニン化合物、またはその混合物を含有し、光を透
    過させたときの光合成有効光量子束(PPF)透過率が
    50%以上で、かつ、下記式で表されるA値が1.3以
    上であることを特徴とする植物成長抑制用被覆材料。 A=R/Fr 〔式中、Rは標準光源D65を基準とする600〜70
    0nmの赤色光の光量子束透過量を表し、Frは標準光
    源D65を基準とする700〜800nmの遠赤色光の
    光量子束透過量を表す〕 【化1】 (式中、Yは酸素原子またはイオウ原子を示し、Rは各
    々独立に、置換されていてもよいアルキル基、置換され
    ていてもよいアリール基を示し、さらに、隣合った二つ
    のYRは、置換している2個の炭素原子とともに5員環
    または6員環のヘテロ環を形成してもよく、Xは各々独
    立に、フッ素原子、塩素原子、臭素原子を示し、Mは2
    価の金属原子、3価または4価の置換金属、あるいは、
    オキシ金属を示し、mは4〜16、nは0〜12の整数
    を示し、m+n≦16である。)
  2. 【請求項2】 一般式(1)において、MがCu、P
    d、またはVOであることを特徴とする請求項1記載の
    植物成長抑制用被覆材料。
  3. 【請求項3】 一般式(1)において、MがCuで、1
    6≧m≧8であることを特徴とする請求項1記載の植物
    成長抑制用被覆材料。
  4. 【請求項4】 一般式(1)において、Rが置換されて
    いてもよいアリール基であることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載の植物成長抑制用被覆材料。
JP10157765A 1998-06-05 1998-06-05 植物成長抑制用被覆材料 Pending JPH11346576A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10157765A JPH11346576A (ja) 1998-06-05 1998-06-05 植物成長抑制用被覆材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10157765A JPH11346576A (ja) 1998-06-05 1998-06-05 植物成長抑制用被覆材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11346576A true JPH11346576A (ja) 1999-12-21

Family

ID=15656832

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10157765A Pending JPH11346576A (ja) 1998-06-05 1998-06-05 植物成長抑制用被覆材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11346576A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005225878A (ja) 2004-02-13 2005-08-25 Bayer Cropscience Lp 芝草品質の改良方法
US8426343B2 (en) 2004-02-13 2013-04-23 Bayer Cropscience Lp Method of improving grass quality
US10138171B2 (en) 2015-01-18 2018-11-27 Stacie Z. Berg Method for altering photosynthetic growth

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005225878A (ja) 2004-02-13 2005-08-25 Bayer Cropscience Lp 芝草品質の改良方法
US8426343B2 (en) 2004-02-13 2013-04-23 Bayer Cropscience Lp Method of improving grass quality
US9259004B2 (en) 2004-02-13 2016-02-16 Bayer Intellectual Property Gmbh Method of improving grass quality
US10138171B2 (en) 2015-01-18 2018-11-27 Stacie Z. Berg Method for altering photosynthetic growth
US11306034B2 (en) 2015-01-18 2022-04-19 Stacie Z. Berg Method for altering photosynthetic growth

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100188444B1 (ko) 식물성장제어용 피복재료
JP3623008B2 (ja) 屋外構築物用フイルム
JP5638792B2 (ja) 農業用ポリオレフィン系フィルム及びそれを用いた植物栽培方法
JPH11346576A (ja) 植物成長抑制用被覆材料
JPH0638635A (ja) 波長変換資材
JPH08317737A (ja) 植物成長抑制用被覆材料
JP2006191862A (ja) 植物の開花又は結実制御用被覆材料および植物の開花又は結実制御方法
CN111944221B (zh) 一种低波段紫外吸收抗菌转光膜及其制备方法
JPH08317736A (ja) 植物成長促進用被覆材料
JP3916312B2 (ja) 種子の発芽時期の調節方法
JPH09131133A (ja) 植物成長制御用反射材料および植物の成長制御方法
JPH08317734A (ja) 植物成長促進用被覆材料
JP2005027677A (ja) 植物成長抑制用反射材および植物の成長抑制方法
JP3449648B2 (ja) 耐久性に優れた農業用被覆材
JP3664563B2 (ja) アリウム属植物の鱗茎形成を抑制する方法
JPH09149735A (ja) 分解性植物成長制御用被覆材料
JP2001258403A (ja) 通気性を有する光選択透過性被覆材料およびそれを用いる植物の栽培方法
JPH11178444A (ja) 種子の発芽促進方法
JP3256607B2 (ja) 植物伸長成長促進用被覆材料
JP2001258407A (ja) 植物伸長成長制御用被覆材料
JP2005168507A (ja) 植物成長制御用被覆材料
JP2003265051A (ja) 果実の栽培方法および果実の炭そ病の発生防止方法
JPS5876031A (ja) 農業用被覆材及びそれを使用するユリの切花用栽培方法
JPS61170322A (ja) 農業用合成樹脂フイルム
JPH11196685A (ja) 農業用資材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040406

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051214

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060616

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060814

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070312

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070510

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070821