JPH11178444A - 種子の発芽促進方法 - Google Patents

種子の発芽促進方法

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JPH11178444A
JPH11178444A JP35574197A JP35574197A JPH11178444A JP H11178444 A JPH11178444 A JP H11178444A JP 35574197 A JP35574197 A JP 35574197A JP 35574197 A JP35574197 A JP 35574197A JP H11178444 A JPH11178444 A JP H11178444A
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germination
resin
light
photon flux
coating material
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JP35574197A
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Osamu Kougo
修 高後
Tatsu Oi
龍 大井
Yoriaki Matsuzaki
▲頼▼明 松▲崎▼
Kazuhiro Kiyono
和浩 清野
Naoya Arai
直哉 新井
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 700〜800nmに吸収を有する近赤
外線吸収剤を含有し、PPF透過率が50%以上で、か
つ、下記式で表されるA値が1.3以上である被覆材料
で植物の種子を被覆する植物の種子の発芽促進方法。 A=R/FR 〔式中、Rは標準光源D65を基準とする600〜70
0nmの赤色光の光量子束透過量であり、FRは標準光
源D65を基準とする700〜800nmの遠赤色光の
光量子束透過量である〕 【効果】 自然光(太陽光)を利用でき、安価かつ取り
扱いが容易で、実用的な植物の種子の発芽促進方法を提
供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人工光源等を用い
ることなく、簡便に植物の種子の発芽を促進する方法に
関するものであり、施設園芸、あるいは家庭園芸におい
て極めて価値の高いものである。
【0002】
【従来の技術】施設園芸や家庭園芸に用いられる被覆材
の第一目的は、外気と温室の間の対流伝熱による熱損失
を抑える(換気率を小さくする)ことにより、温度環境
の適切な調節、栽培時期の調節、栽培必要日数の短縮、
栽培回数の増大などを図ることである。その他、降雨を
遮断して、農薬、肥料などが温室外へ移動するのを抑制
する等の効果もあり、またCO2 施肥などをも可能とす
るものである。一次被覆材は、外気や太陽光に直接晒さ
れるため、耐用年数が長いことが望ましく、また、光線
透過率が高いことが必要である。この目的には、ガラ
ス、プラスチック板またはフィルムが用いられている。
特にフィルムの場合、安価で、取り付け、取り外しが簡
便という利点を持つ。また、二次被覆材は、保温目的、
遮光用を主たる用途とし、分光透過率、透過光全量中の
拡散光の割合を増加させる目的もあり、ポリエチレン、
アルミ蒸着フィルムが多く用いられる。
【0003】このように、現在実用化されている被覆材
の機能は、温度環境の保持調節を主体とするものであ
る。その他の被覆材料の機能についての検討は、195
0年代に光形態形成に関する研究が急速に発展したのに
対応して、わが国でも農林水産省が主体となり、光形態
形成制御を含む光質利用研究が1983年までの20年
以上にわたり、活発に行われてきた。しかしなお、実用
的な成果を得るには到っていない(農業および園芸、第
69巻第9号、986頁、1994年)。
【0004】ところで、今日、種苗生産施設では、植物
の種子の発芽促進手法の確立による発芽率の向上への期
待が大きい。また、発芽時期の調節法も求められてい
る。従来、人工光源を用いた実験より、赤色光(660
nm付近)が多い光環境では発芽が促進されることが知
られている。この理由は、赤色光の増加により、r/f
r(rは660nmの光量子束、frは730nmの光
量子束)比が増大し、その比がフィトクロム光平衡を変
化させ、その結果が植物に信号として作用し、発芽を促
進するためと推測される。逆に遠赤色光(730nm付
近)が多い光環境では発芽が抑制されることが知られて
いる。この事実に基づき、人工光源によって光質をコン
トロールし、発芽を促進することが行われている。しか
し、この方法は多大の設備費及び電力費等の運転費用が
必要であるためにコスト高につながる。一方、被覆材料
によって植物に当たる光のR/FR値を変化させ、植物
の生育をコントロールする方法は、特開平7−7964
9で知られているが、植物の種子の発芽を促進する方法
に関する記載は全く見られない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、自然
光(太陽光)を利用でき、安価かつ取り扱いが容易で、
実用的な、植物種子の発芽促進方法を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成する
に到った。すなわち、本発明は、700〜800nm
に吸収を有する近赤外線吸収剤収を含有し、光を透過さ
せたときの光合成有効光量子束(PPF)透過率が50
%以上で、かつ、下記式で表されるA値が1.3以上で
ある被覆材料で、植物の種子を被覆することを特徴とす
る植物の種子の発芽促進方法、 A=R/FR 〔式中、Rは標準光源D65を基準とする600〜70
0nmの赤色光の光量子束透過量であり、FRは標準光
源D65を基準とする700〜800nmの遠赤色光の
光量子束透過量である〕 近赤外線吸収剤が、700〜1000nmの間に極大
吸収波長(λmax )を持つフタロシアニン系化合物、或
いはナフタロシアニン系化合物である前記記載の種子
の発芽促進方法、に関するものである。
【0007】
〔式中、Rは標準光源D65を基準とする600〜700nmの赤色光の光量子束透過量であり、FRは標準光源D65を基準とする700〜800nmの遠赤色光の光量子束透過量である〕
本願発明の方法で用いる被覆材料は、A値が1.3以上
てあれば種子の発芽促進効果を示すが、5.0を越える
と効果はほぼ一定になる傾向があるので、好ましくは、
A値は1.3以上、5.0以下である。
【0008】本願発明の方法で用いる700〜800n
mに吸収を有する近赤外線吸収剤としては、無機材料で
あれ、有機材料であれ、特に制限は受けないが、特にA
値を大きくするためには、700〜1000nmに極大
吸収波長を有する近赤外線吸収色素が望ましい。これら
の近赤外線吸収色素としては、例えば、下記の色素等
(化1、化2)が例として挙げられるが、これらに限定
されるものではない。好ましくは、フタロシアニン系化
合物、或いはナフタロシアニン系化合物である。
【0009】
【化1】
【0010】
【化2】
【0011】本願発明の発芽促進方法を適用できる植物
としては、例えば、ハクサイ、ホウレンソウ、スイカ、
シソ、ナス、レタス、トマト、キュウリ等の野菜類、ペ
チュニア、グロキシニア、ベコニア・センパフローレン
ス、プリムラ・オプコニカ、プリムラ・マラコイデス、
カンパニュラ、ストケシア、ジキタリス、トルコギキョ
ウ、キンギョソウ、サラセニア等の観賞植物類、トウヒ
属、マツ属、モミ属、カンバ属、キササゲ属、キリ属、
トネリコ属、ハンノキ属等の林木類が挙げられるが、こ
れらに限定されるわけではない。
【0012】本願発明の被覆材料は、樹脂板、フィル
ム、ガラス等の形で作製され、必要に応じて加工され
る。近赤外線吸収剤を用いて発芽促進用被覆材料を作る
方法は、特に限定されるものではないが、例えば、以下
の3つの方法が利用できる。即ち、(1) 樹脂に近赤外線
吸収剤を混練し、加熱成形して樹脂板或いはフィルムを
作製する方法、(2) 近赤外線吸収剤を含有する塗料を作
製し、透明樹脂板、透明フィルム、或いは透明ガラス板
上にコーティングする方法、(3) 近赤外線吸収剤を接着
剤に含有させて、合わせ樹脂板、合わせ樹脂フィルム、
合わせガラス等を作製する方法、等である。
【0013】樹脂に近赤外線吸収剤を混練し、加熱成形
する(1) の方法において、樹脂材料としては、樹脂板ま
たは樹脂フィルムにした場合にできるだけ透明性の高い
ものが好ましい。具体例として、ポリエチレン、ポリス
チレン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポ
リ酢酸ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニ
ル、ポリフッ化ビニル等のビニル化合物及びビニル化合
物の付加重合体、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸
エステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリシアン化ビニリデン、フッ化ビニリデン/トリ
フルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン/テトラ
フルオロエチレン共重合体、酢酸ビニル/エチレンの共
重合体(EVA)、シアン化ビニリデン/酢酸ビニル共
重合体等のビニル化合物又はフッ素系化合物の共重合
体、ポリトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエ
チレン、ポリヘキサフルオロプロピレン等のフッ素を含
む化合物、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、
ポリイミド、ポリウレタン、ポリペプチド、ポリエチレ
ンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリオキシメチレン、ポリエチレンオキシド、ポリ
プロピレンオキシド等のポリエーテル、エポキシ樹脂、
ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等を挙げ
ることが出来るが、これらの樹脂に限定されるものでは
ない。これらのうち、特に好ましい樹脂としては、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチ
ルメタクリレート等の汎用の硬質樹脂、あるいは、ポリ
塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、酢酸ビニ
ル/エチレンの共重合体(EVA)等の農業用軟質樹脂
である。
【0014】作製方法としては、用いるベース樹脂によ
って、加工温度、フィルム化条件等が多少異なるが、通
常、近赤外線吸収剤を、ベース樹脂の粉体或いはペレッ
トに添加し、150〜350℃に加熱、溶解させた後、
成形して樹脂板を作製するか、或いは、押し出し機によ
りフィルム化するか、或いは押し出し機により原反を作
製し、30〜120℃で2〜5倍に、1軸乃至は2軸に
延伸して10〜200μm厚のフィルムにする方法であ
る。また、溶融キャスト法、カレンダー法等を用いるこ
ともできる。なお、混練する際に紫外線吸収剤、可塑剤
等の通常の樹脂成型に用いる添加剤を加えてもよい。近
赤外線吸収剤の添加量は、作製する樹脂の厚み、目的の
吸収強度、用いる近赤外線吸収剤等によって異なるが、
通常、1ppm〜1%である。
【0015】塗料化し、コーティングする(2) の方法と
しては、本願発明の近赤外線吸収剤をバインダー樹脂及
び有機系溶媒に溶解させて塗料化して行う方法と、近赤
外線吸収剤を数μm以下に微粒化し、アクリルエマルジ
ョン中に分散して水系塗料として行う方法がある。前者
の方法では、通常、脂肪族エステル系樹脂、アクリル系
樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、芳香族エステル系
樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリオレフィン樹
脂、芳香族ポリオレフィン樹脂、ポリビニル系樹脂、ポ
リビニルアルコール樹脂、ポリビニル系変成樹脂(PV
B、EVA等)或いはそれらの共重合樹脂をバインダー
として用いる。溶媒としては、ハロゲン系、アルコール
系、ケトン系、エステル系、脂肪族炭化水素系、芳香族
炭化水素系、エーテル系溶媒、あるいはそれらの混合物
系等を用いる。
【0016】近赤外線吸収剤の濃度は、コーティングの
厚み、目的の吸収強度、用いる近赤外線吸収剤等によっ
て異なるが、バインダー樹脂の重量に対して、通常、
0.1〜30%である。また、バインダー樹脂濃度は、
塗料全体に対して、通常、1〜50%である。アクリル
エマルジョン系水系塗料の場合も同様に、未着色のアク
リルエマルジョン塗料に近赤外線吸収剤を微粉砕(50
〜500nm)したものを分散させて得られる。塗料中
には、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の通常塗料に用いる
ような添加物を加えてもよい。上記の方法で作製した塗
料は、透明樹脂フィルム、透明樹脂、透明ガラス等の上
に、バーコーダー、ブレードコーター、スピンコータ
ー、リバースコーター、ダイコーター、或いはスプレー
等でコーティングされ、発芽促進用被覆材料を形成す
る。コーティング面を保護するために、保護層を設けた
り、透明樹脂板、透明樹脂フィルム等をコーティング面
に貼り合わせることもできる。またキャストフィルムも
本方法に含まれる。
【0017】近赤外線吸収剤を接着剤に含有させて、合
わせ樹脂板、合わせ樹脂フィルム、合わせガラス等を作
製する(3) の方法においては、接着剤として、一般的な
シリコン系、ウレタン系、アクリル系等の樹脂用、或い
は合わせガラス用のポリビニルブチラール接着剤(PV
B)、エチレン−酢酸ビニル系接着剤(EVA)等の合
わせガラス用の公知の透明接着剤が使用できる。近赤外
線吸収剤を0.1〜30%添加した接着剤を用いて、樹
脂板同士、樹脂板と樹脂フィルム、樹脂板とガラス、樹
脂フィルム同士、樹脂フィルムとガラス、ガラス同士を
接着して発芽促進用被覆材料を作製する。また、熱圧着
する方法もある。
【0018】本願発明の方法では、前記の被覆材料で、
植物の種子を被覆することでその種子の発芽を促進する
ことができる。ここで、被覆とは、種子の周囲全面、ま
たは、光が入射してくる少なくとも一面以上で光を遮断
することを指す。光とは、自然光あるいは人工光源をさ
す。即ち、自然光を用いる点で、本願方法はコスト的に
有利であるが、当然人工光源を用いる場合にも応用でき
る。また、一日中被覆しておくことも好ましいが、場合
によっては一日の内の一定時間だけを被覆し、それ以外
の時間は被覆しない方法もとることができる。その場
合、近赤外線光の多くなる日没前には被覆しておくこと
が好ましい。
【0019】該被覆材料を園芸施設に用いる方法として
は、近赤外線吸収材料を含有或いはコーティングした樹
脂フィルムを、ガラス室のガラスに貼付する方法、パイ
プハウス、ビニルハウスの外張りに用いる方法、ガラス
室、パイプハウス、ビニルハウスの内張りに用いる方
法、園芸用ベッドの上に被せる方法、トンネルハウスに
用いる方法等、適宜用いることが出来る。
【0020】本願発明の方法において、被覆材料で被覆
する時期としては、植え付け前から始めて、発芽するま
で行うことが好ましいが、一定時間被覆することにより
一旦赤色光の多い光環境下に晒した後、暗所に植え付け
発芽させる方法でもよい。
【0021】
【実施例】以下に、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例中の「部」は重量部を示す。 実施例1 下記式(化3)で示されるフタロシアニン色素4.2部
およびポリメタクリル酸メチル100000部を、28
0℃で溶融混練して、押し出し成形機を用いて、厚み
2.5mm、幅1mの着色樹脂板を得た。本樹脂板を島
津製作所製分光光度計(UV−3100)にて、標準光
源D65を基準とした光合成有効光量子束(PPF)透
過率(400〜700nm)およびA値を測定したとこ
ろ、PPF透過率は76.3%であり、A値は2.19
であった。
【0022】
【化3】 本樹脂板を用いて、高さ650mm、幅1750mm、
奥行き850mmのグロースキャビネットを作製した。
なお、以下の栽培においてはグロースキャビネットは屋
外に置き、換気扇を用い15.2m3 /分で通気を行な
い、外気温と同じになるようにした。
【0023】次に、直径9cmのシャーレ上に濾紙を2
枚重ねて入れ、水4mlを加え、その上にレタスの種子
100サンプルを触れ合わないように並べた後、シャー
レに蓋をした。これを本グロースキャビネット中に4枚
(計400サンプル)入れ、平面に並べ、7日間栽培し
た。その結果、395サンプルが発芽した。比較のため
に、同時に、色素を含まない樹脂板に寒冷紗をかけて、
光合成有効光量子束(PPF)透過率を76.0%(A
値は1.04)にしたものを用いた以外は、全く同じ条
件で栽培したところ、268サンプルが発芽した。この
ことより、A値が2.19である上記の被覆材料を用い
た場合の発芽促進効果は、PPF透過率がほぼ同等の比
較樹脂板の場合に比べ、約1.47倍であることを確認
した。
【0024】実施例2 ポリ塩化ビニル(日本ビニル製4000M3)100重
量部、ジオクチルフタレート45部、トリクレジルフォ
スフェート5部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂2
部、ステアリン酸亜鉛0.5部、ステアリン酸バリウム
0.5部、界面活性剤(ソルビタンエステル、丸菱油化
製MTN−A−403)2部、及び下記式(化4)で表
されるフタロシアニン0.1部を添加し、高速ミキサー
で110℃にて5分間攪拌混合した後、180℃に加熱
したロール上で5分間混練し、カレンダー成型機によっ
て、厚さ0.10mmの軟質フィルムを製膜した。
【0025】
【化4】 本樹脂フィルムの光合成有効光量子束(PPF)透過率
は76.0%であり、A値は1.49であった。本樹脂
フィルムを用いて、高さ650mm、幅1750mm、
奥行き850mmのグロースキャビネットを作製した。
このグロースキャビネットを用いて、実施例1と同様に
して、レタスの栽培を行ったところ、312サンプルが
発芽した。このことより、A値が1.49である上記の
被覆材料を用いた発芽促進効果は、実施例1の比較樹脂
板の場合に比べ、1.16倍であることが確認された。
【0026】実施例3 下記式(化5)で示されるナフタロシアニン色素4.0
部およびポリエチレンテレフタレート1000部を、3
00℃で溶融させ、押し出し成形機を用いて、厚さ10
0μmのフィルムを得た。このフィルムを2軸延伸し
て、厚み25μmの着色樹脂フィルムを得た。本樹脂フ
ィルムの光合成有効光量子束(PPF)透過率は77.
3%であり、A値は2.00であった。実施例1と同様
にして、レタスの栽培を行ったところ、356サンプル
が発芽した。このことより、A値が2.00である上記
の被覆材料を用いた発芽促進効果は、実施例1の比較樹
脂板の場合に比べ、1.33倍であることが確認され
た。
【0027】
【化5】
【0028】実施例4 実施例1の色素の代わりに、下記式(化6)で示される
色素4.5部を用いて、実施例1と同様にして着色樹脂
板を得た。光合成有効光量子束(PPF)透過率は7
0.2%であり、A値は1.72であった。また、本樹
脂板を用いて実施例1と全く同様にしてレタスの栽培を
行ったところ、330サンプルが発芽した。このことよ
り、A値が1.72の被覆材料を用いた場合の発芽促進
効果は、実施例1の比較樹脂板の場合に比べ、約1.2
3倍であることが確認された。
【0029】
【化6】
【0030】実施例5 直径9cmのシャーレ上に濾紙を2枚重ねて入れ、水4
mlを加え、その上にクロマツの種子100サンプルを
触れ合わないように並べた後、シャーレに蓋をした。こ
れを4枚、実施例1で用いた着色樹脂板製グロースキャ
ビネット中に、いれ、平面に並べ、14日間栽培した。
その結果、390サンプルが発芽した。比較のために、
同時に、色素を含まない樹脂板を用いて、他は全く同じ
条件で栽培したところ、293サンプルが発芽した。こ
のことより、A値が2.19の被覆材料を用いた場合の
クロマツ種子の発芽促進効果は、色素を含まない樹脂板
の場合に比べ、約1.33倍であることが確認された。
【0031】実施例6 実施例5と同様にして、着色樹脂板製グロースキャビネ
ット中で、ペチュニア種子を14日間栽培したした。そ
の結果、315サンプルが発芽した。比較のために、同
時に、色素を含まない樹脂板を用いて、他は全く同じ条
件で栽培したところ、223サンプルが発芽した。この
ことより、A値が2.19の被覆材料を用いた場合のペ
チュニア種子の発芽促進効果は、色素を含まない樹脂板
の場合に比べ、約1.41倍であることが確認された。
【0032】実施例7 その他の植物について、実施例1と同様の発芽促進テス
トを行った。得られた結果を第1表(表1)に示した。
【0033】
【表1】 ○:促進効果1.3倍以上、 △:促進効果1.1倍以上、1.3倍以下
【0034】
【発明の効果】本発明の方法は、植物の種子の発芽を促
進し、発芽率を高める上で極めて重要で、かつ価値のあ
る方法である。日本では、ハウス(一般には、ビニール
ハウス)が多く、種子の発芽を促進する目的のために
は、本発明の方法は、安価で手間のかからない優れた方
法である。特に、従来のビニールハウスに、本発明に用
いる被覆材料を可動式に重ね合わせてセットできるよう
にすれば、必要な時期だけ被覆することができ、発芽の
促進、省力化の観点から、非常に価値の高い方法であ
る。
フロントページの続き (72)発明者 清野 和浩 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 新井 直哉 千葉県印旛郡栄町竜角寺台3丁目6番10号

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 700〜800nmに吸収を有する近赤
    外線吸収剤収を含有し、光を透過させたときの光合成有
    効光量子束(PPF)透過率が50%以上で、かつ、下
    記式で表されるA値が1.3以上である被覆材料で、植
    物の種子を被覆することを特徴とする植物の種子の発芽
    促進方法。 A=R/FR 〔式中、Rは標準光源D65を基準とする600〜70
    0nmの赤色光の光量子束透過量であり、FRは標準光
    源D65を基準とする700〜800nmの遠赤色光の
    光量子束透過量である〕
  2. 【請求項2】 近赤外線吸収剤が、700〜1000n
    mの間に極大吸収波長(λmax )を持つフタロシアニン
    系化合物、或いはナフタロシアニン系化合物である請求
    項1記載の種子の発芽促進方法。
JP35574197A 1997-12-24 1997-12-24 種子の発芽促進方法 Pending JPH11178444A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107172911A (zh) * 2017-05-27 2017-09-19 镇江鑫源达园艺科技有限公司 一种蔬菜种植种子预处理方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107172911A (zh) * 2017-05-27 2017-09-19 镇江鑫源达园艺科技有限公司 一种蔬菜种植种子预处理方法

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