JPH11113427A - 冷涼な気候を好む植物の栽培方法 - Google Patents

冷涼な気候を好む植物の栽培方法

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JPH11113427A
JPH11113427A JP9288659A JP28865997A JPH11113427A JP H11113427 A JPH11113427 A JP H11113427A JP 9288659 A JP9288659 A JP 9288659A JP 28865997 A JP28865997 A JP 28865997A JP H11113427 A JPH11113427 A JP H11113427A
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cabbage
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cool climate
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Kazuhiro Kiyono
和浩 清野
Tatsu Oi
龍 大井
Yoriaki Matsuzaki
▲頼▼明 松▲崎▼
Osamu Kougo
修 高後
Naoya Arai
直哉 新井
Shuhei Imon
修平 井門
Masataka Iwata
匡隆 岩田
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Mitsui Chemicals Inc
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
    • Y02A40/25Greenhouse technology, e.g. cooling systems therefor

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 700 〜1800nmの近赤外線領域に吸収を有
する近赤外線吸収剤を含有し、下記式で表されるA値が
1.2以上で、かつ、B値が3%以上である被覆材料で被
覆することを特徴とする冷涼な気候を好む植物の栽培方
法。 A=R/Fr B=PPF(%)−τe 〔式中、Rは標準光源 D65を基準とする 600〜 700 nm
の赤色光の光量子束透過量を表し、Frは700 〜800 nm
の遠赤色光の光量子束透過量を表し、PPF(%)は光
合成有効光量子束(PPF)透過率を表し、τe は日射
透過率を表す〕 【効果】 冷涼な気候を好む食用植物あるいは観賞用植
物の栽培において、光合成に必要な光線の確保とハウス
内昇温の防止、さらには徒長防止効果を同時に示し、夏
場でも安価に商品価値の高い良質な植物の栽培を可能と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷涼な気候を好む
植物類の健全な成長を促進する、被覆材料を用いた栽培
方法に関するもので、施設園芸において極めて価値のあ
る方法である。
【0002】
【従来の技術】ホウレンソウ、シュンギク、キャベツ、
メキャベツ、ハクサイ、パセリー、セルリー、レタス、
エンダイブ等の野菜類、パンジー、トルコギキョウ、コ
リウス、シネラリア、カルセオラリア、カンパニュラ、
デルフィニウム、カーネーション等の花卉類は、食用植
物あるいは観賞用植物として、色、形、葉数、重量(ボ
リューム)など、見た目の魅力がその商品価値に大きな
影響を及ぼす。これらの植物は、その製品需要が周年に
わたって旺盛なのに対して、冷涼な気候を好むため、日
射量の多い夏期の栽培においては、その品質を維持する
ため、昇温防止のために遮光が必要であったり、高冷地
で栽培する必要がある等の制約がある。
【0003】現在、これらの遮光材料として寒冷紗など
のネットが用いられているが、波長吸収特性を持たない
寒冷紗等で単純に太陽光を遮光するだけでは、これらの
植物の品質向上には不十分である。一方、特開平8−3
17737、特開平9−74928等には、選択的に7
00nm〜800nmの光を吸収する染料を用いてA値
を1.3以上とすることにより、植物の成長を抑制ある
いは栄養素量を増加させることが記載されているが、植
物の重量(ボリューム)、見た目の魅力度といった食用
植物や観賞用植物として重要な品質に関する記載はな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ホウ
レンソウ、シュンギク、キャベツ、メキャベツ、ハクサ
イ、パセリー、セルリー、レタス、エンダイブ等の野菜
類、パンジー、トルコギキョウ、コリウス、シネラリ
ア、カルセオラリア、カンパニュラ、デルフィニウム、
カーネーション等の花卉類など、冷涼な気候を好む食用
植物あるいは観賞用植物の栽培において、夏場でも安価
に商品価値の高い良質な植物の栽培を可能とする方法を
提供するものである。
【0005】
〔式中、Rは標準光源D65を基準とする600〜700nmの赤色光の光量子束透過量を表し、Frは標準光源D65を基準とする700〜800nmの遠赤色光の光量子束透過量を表し、PPF(%)は光合成有効光量子束(PPF)透過率を表し、τe は日射透過率を表す〕
【0006】
〔式中、Rは標準光源D65を基準とする600〜700nmの赤色光の光量子束透過量を表し、Frは標準光源D65を基準とする700〜800nmの遠赤色光の光量子束透過量を表し、PPF(%)は光合成有効光量子束(PPF)透過率を表し、τe は日射透過率を表す〕
【0007】本願発明で用いる被覆材料は、近赤外線吸
収材料の含有量を変えて、A値およびB値を簡便に変え
ることができる。すなわち、栽培時期やその地域の気候
に合わせて、A値およびB値を変えることができる。本
願発明で用いる被覆材料では、A値は1.2〜10程
度、B値は3〜30程度まで変化させることができる。
好ましくはA値は1.3〜4、B値は5%以上である。
【0008】本願発明で用いる近赤外線吸収剤は、70
0〜1800nmの近赤外線領域に吸収を有する近赤外
線吸収剤であれば、無機材料であれ、有機材料であれ制
限を受けないが、特に光合成に必要な光を確保するた
め、可視領域では比較的吸収の少ない近赤外線吸収色剤
が望ましい。また、ハウス内の昇温防止のため、あるい
は、A値を1.2以上として徒長を防止するため、70
0nm以上の近赤外線領域の光を効率的に吸収できるも
のが好ましく、例えば、下記の色素(化1)が例として
あげられるが、これらに限定されるものではない。
【0009】
【化1】
【0010】本願発明の被覆材料は、樹脂板、フィル
ム、ガラス板等の形で作製され、必要に応じて加工され
る。本願発明で用いる近赤外線吸収剤を含有する被覆材
料を作る方法は、特に限定されるものではないが、例え
ば、以下の3つの方法が利用できる。即ち、(1)樹脂
に近赤外線吸収剤を混練し、加熱成形して樹脂板あるい
はフィルムを作製する方法、(2)近赤外線吸収剤を含
有する塗料を作製し、透明樹脂板、透明フィルム、ある
いは透明ガラス上にコーティングする方法、(3)近赤
外線吸収剤を接着剤に含有させて、合わせ樹脂板、合わ
せ樹脂フィルム、合わせガラス等を作製する方法、であ
る。
【0011】樹脂に近赤外線吸収剤を混練し、加熱成形
する(1)の方法において、樹脂材料としては、樹脂板
または樹脂フィルムにした場合にできるだけ透明性の高
いものが好ましい。具体例として、ポリエチレン、ポリ
スチレン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、
ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニ
ル、ポリフッ化ビニル等ビニル化合物及びビニル化合物
の付加重合体、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸エ
ステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、
ポリシアン化ビニリデン、フッ化ビニリデン/トリフル
オロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン/テトラフル
オロエチレン共重合体、酢酸ビニル/エチレンの共重合
体(EVA)、シアン化ビニリデン/酢酸ビニル共重合
体等のビニル化合物又はフッ素系化合物の共重合体、ポ
リトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリヘキサフルオロプロピレン等のフッ素を含む化
合物、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、ポリ
イミド、ポリウレタン、ポリペプチド、ポリエチレンテ
レフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポ
リオキシメチレン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピ
レンオキシド等のポリエーテル、エポキシ樹脂、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルブチラール等を挙げること
が出来るが、これらの樹脂に限定されるものではない。
特に好ましい樹脂としては、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等の
汎用の硬質樹脂、あるいは、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸
ビニル、ポリエチレン、酢酸ビニル/エチレンの共重合
体(EVA)等の農業用軟質樹脂である。
【0012】作製方法としては、用いるベース樹脂によ
って、加工温度、フィルム化条件等が多少異なるが、通
常、近赤外線吸収剤をベース樹脂の粉体或いはペレット
に添加し、150〜350℃に加熱、溶解させた後、成
形して樹脂板を作製するか、或いは、押し出し機により
フィルム化するか、或いは押し出し機により原反を作製
し、30〜120℃で2〜5倍に、1軸乃至は2軸に延
伸して10〜200μm厚のフィルムにする方法であ
る。また、キャスト法、カレンダー法等を用いることも
できる。なお、混練する際に、紫外線吸収剤、可塑剤な
どの通常の樹脂に用いる添加剤を加えてもよい。近赤外
線吸収剤の添加量は、作製する樹脂板やフィルムの厚
み、目的の吸収強度、用いる近赤外線吸収剤等によって
異なるが、樹脂に対し、通常、1ppm〜1%である。
【0013】塗料化し、コーティングする(2)の方法
としては、近赤外線吸収剤をバインダー樹脂および有機
系溶媒に溶解させて塗料化して用いる方法と、近赤外線
吸収剤を数μm以下に微粒化し、アクリルエマルジョン
中に分散して水系塗料として用いる方法がある。前者の
方法では、通常、脂肪族エステル系樹脂、アクリル系樹
脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、芳香族エステル系樹
脂、ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリオレフィン樹
脂、芳香族ポリオレフィン樹脂、ポリビニル系樹脂、ポ
リビニルアルコール樹脂、ポリビニル系変成樹脂(PV
B、EVA等)或いはそれらの共重合樹脂をバインダー
として用いる。溶媒としては、ハロゲン系、アルコール
系、ケトン系、エステル系、脂肪族炭化水素系、芳香族
炭化水素系、エーテル系溶媒、或いはそれらの混合物系
等を用いる。
【0014】近赤外線吸収剤の濃度は、コーティングの
厚み、目的の吸収強度、用いる近赤外線吸収剤等によっ
て異なるが、バインダー樹脂の重量に対して、通常、
0.1〜30%である。また、バインダー樹脂濃度は、
塗料全体に対して、通常、1〜50%である。アクリル
エマルジョン系水系塗料の場合も同様に、未着色のアク
リルエマルジョン塗料に、近赤外線吸収剤を微粉砕(5
0〜500nm)したものを分散させて得られる。塗料
中には紫外線吸収剤、酸化防止剤などの通常塗料に用い
るような添加剤を加えてもよい。上記の方法で作製した
塗料は、透明樹脂フィルム、透明樹脂、透明ガラス等の
上に、バーコーター、ブレードコーター、スピンコータ
ー、リバースコーター、ダイコーター、或いはスプレー
等でコーティングされ、被覆材料を形成する。コーティ
ング面を保護するために、保護層を設けたり、透明樹脂
板、透明樹脂フィルム等をコーティング面に張り合わせ
ることもできる。また、キャストフィルムも本方法に含
まれる。
【0015】近赤外線吸収剤を接着剤に含有させて、合
わせ樹脂板、合わせ樹脂フィルム、合わせガラス等を作
製する(3)の方法においては、接着剤として、一般的
なシリコン系、ウレタン系、アクリル系などの樹脂用、
或いは合わせガラス用のポリビニルブチラール接着剤
(PVB)、エチレン−酢酸ビニル系接着剤(EVA)
等の合わせガラス用の公知の透明接着剤が使用できる。
近赤外線吸収剤を0.1〜30%添加した接着剤を用い
て、樹脂板同士、樹脂板と樹脂フィルム、樹脂板とガラ
ス、樹脂フィルム同士、樹脂フィルムとガラス、ガラス
同士を接着して被覆材料を作製する。また、熱圧着する
方法もある。
【0016】本願発明でいう冷涼な気候を好む植物と
は、例えば、ホウレンソウ、シュンギク、キャベツ、メ
キャベツ、ハクサイ、パセリー、セルリー、レタス、エ
ンダイブ等の野菜類、パンジー、トルコギキョウ、コリ
ウス、シネラリア、カルセオラリア、カンパニュラ、デ
ルフィニウム、カーネーション等の花卉類があげられる
が、これらに限定されるものではない。好ましくは、ホ
ウレンソウ、シュンギク、キャベツ、メキャベツ、ハク
サイ、パセリー、セルリー、レタス、パンジー、トルコ
ギキョウ、コリウス、カーネーションであり、さらに好
ましくは、ホウレンソウ、またはシュンギクである。
【0017】冷涼な気候を好む植物は、暑い時期には、
寒冷紗などで被覆することで日射透過率(τe )を下げ
て昇温を防止して栽培できる。しかし、寒冷紗等の波長
選択性を持たない遮光材料は、τe を下げると同時に、
植物の光合成に必要な可視領域の光も減少させてしま
う。その結果、これらの植物では徒長してしまうことが
多く、その商品価値の維持向上には不十分であった。7
00nm以上の近赤外線領域に吸収を持つ被覆材料を用
いる本願発明の栽培方法では、前記の被覆材料で、冷涼
な気候を好む植物を被覆することでその植物の徒長や、
葉焼けなどを防ぐことができる。本願発明の被覆材料
は、τe の減少に対して可視領域の減少は小さく、光量
不足が解消されるとともに、A値を1.2以上とするこ
とで徒長抑制効果との相乗効果により、従来の被覆材料
にはみられなかった葉色の向上、ボリュームアップ等の
見た目の魅力度、収量増加などの大幅な品質向上を可能
とするものである。
【0018】ここで、被覆とは、植物体の周囲全面、ま
たは光が入射してくる少なくとも一面以上で光を遮るこ
とを指す。光とは、自然光あるいは人工光源をさす。即
ち、自然光を用いる点で、本願方法はコスト的に優位で
あるが、当然人工光源を用いる場合にも応用できる。ま
た、一日中被覆しておいても、或いは一日の内の日射の
強い一定時間だけを被覆し、それ以外の時間は被覆しな
い方法もとることができる。該被覆材料を園芸施設に用
いる方法としては、近赤外線吸収材料を含有或いはコー
ティングしたフィルムを、ガラス室のガラスに貼付する
方法、トンネルハウスに用いる方法、パイプハウスやビ
ニルハウスの外張りあるいは内張りに用いる方法、ガラ
ス室、パイプハウス、ビニルハウス、トンネルハウスの
上に被せる方法等、適宜用いることができる。
【0019】本願発明の栽培方法の適応時期は、その年
の気候や栽培する地域によって一様ではないが、通常、
日中の外気最高気温が22℃を越える場合が効果的であ
り、より効果的なのは25℃を越える場合である。日本
の場合は4月〜10月が好ましく、さらに好ましくは5
月〜9月である。また、夏場ほどの劇的な効果はみられ
ないが、冬場に使用してもよい。本願発明の栽培方法で
は、光合成に必要な光量を確保したままハウス内の温度
上昇を防ぐことから、植物の健全な成長を促す効果を示
す。具体的には、徒長や葉焼け等の高温障害を防ぐこと
から、葉色がよく、ボリュームがあり、見た目に魅力が
あり、かつ、収量の増加等商品価値を高めることができ
る。
【0020】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例中の「部」は重量部を示す。実施例1
および比較例1〜3ポリ塩化ビニル(日本ビニル製40
00M3)(100重量部)、ジオクチルフタレート
(45部)、トリクレジルフォスフェート(5部)、ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂(2部)、ステアリン酸
亜鉛(0.5部)、ステアリン酸バリウム(0.5
部)、界面活性剤(ソルビタンエステル、丸菱油化製M
TN−A−403)(2部)、及び下記式(化2)で示
されるナフタロシアニン(0.2部)を添加し、高速ミ
キサーで110℃にて5分間攪拌混合した後、180℃
に加熱したロール上で5分間混練し、カレンダー成型機
によって、厚さ0.10mmの軟質フィルムを製膜し
た。このフィルムを用いて、高さ650mm、幅175
0mm、奥行き850mmのグロースボックスを作製し
た。
【0021】
【化2】
【0022】比較例1 下記式(化3)で示されるフタロシアニン色素4.2部
およびポリメタクリル酸メチル100000部を、28
0℃で溶融混練して、押し出し成形機を用いて、厚み
2.5mm、幅1mの着色樹脂板(比較例1)を得た。
この樹脂板を用いて、高さ650mm、幅1750m
m、奥行き850mmのグロースボックスを作製した。
【0023】
【化3】
【0024】比較例2〜3 一般の農ビフィルム(比較例2)、および、農ビフィル
ムに遮光のための寒冷紗をかけたフィルム(比較例3)
を用いて、それぞれ、高さ650mm、幅1750m
m、奥行き850mmのグロースボックスを作製した。
【0025】グロースボックスの作製に用いた実施例1
および比較例1〜3の各被覆材の分光特性を表−1(表
1)に示した。このボックスを用いて、7月の約1ケ月
間、ホウレンソウの栽培を行い、試験結果を表−2(表
2)に示した。なお、日射透過率(τe )、光合成有効
光量子束透過率〔PPF(%)〕、A値は、島津製作所
製分光光度計(UV3100)にて測定した。栽培試験
での結果は、10株の平均値であり、葉色の測定は葉緑
素計(MINOLTA SPAD−502)を用いて測
定した。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】 実施例1の樹脂フィルムで被覆したグローズボックスを
用いた栽培区では、見た目にも葉色が良く、ボリューム
がある植物体へと成長した。一方、比較例1〜3のグロ
ーズボックスを用いた栽培区では、重量、葉色とも、実
施例1の結果に比べて劣っており、比較例3では葉焼け
による高温障害が現れていた。
【0028】実施例2 実施例1の色素添加量を0.3部とした以外は同様にし
て、着色樹脂フィルムを作製した。該フィルムのτe
62.6%、PPF透過率は70.1%、B値は7.
5、A値は1.68であった。本樹脂フィルム、およ
び、比較として一般の農POフィルムに寒冷紗をかけて
遮光したフィルム(τe =70.2%、PPF透過率=
69.8%、B値=−0.4、A値=1.08)を用い
て、実施例1と同様に、夏場にホウレンソウの栽培を行
ったところ、通常の農POボックス内で栽培したものと
比較して、本願樹脂フィルムで作製したボックス内で栽
培したホウレンソウは見た目にも葉色が良く、かつボリ
ュームがある植物体へ成長した。
【0029】実施例3 実施例1の色素添加量を0.1部とした以外は同様にし
て、着色樹脂フィルムを作製した。該フィルムのτe
78.8%、PPF透過率は83.8%、B値は5.
0、A値は1.27であった。本樹脂フィルム、およ
び、比較としてPETフィルムにITO微粉末をコーテ
ィングした熱線カットフィルム(τe =80.2%、P
PF透過率=83.5%、B値=3.3、A値=1.1
0)を用いて、実施例2と同様にキャベツの栽培を行っ
たところ、熱線カットフィルムを用いたボックス内で栽
培したものと比較して、本願樹脂フィルムで作製したボ
ックス内で栽培したキャベツは見た目にも葉色が良く、
かつボリュームがある植物体へ成長した。
【0030】実施例4 下記式(化4)で示される色素0.27部をアクリル樹
脂100部と混練し、厚さ0.075mmの着色樹脂フ
ィルムを作製した。該フィルムのτe は71.4%、光
合成有効光量子束(PPF)透過率は80.4%、B値
は9.0、A値は1.72であった。本樹脂フィルム、
および比較として一般の農POフィルム(τe =91.
1%、PPF透過率=90.9%、B値=−0.2、A
値=1.08)を用いて、高さ650mm、幅1750
mm、奥行き850mのグローズボックスを作製した。
それぞれのグローズボックス内にて、夏場にシュンギク
の栽培を行ったところ、通常の農POボックス内で栽培
したものと比較して、本願樹脂フィルムで作製したボッ
クス内で栽培したシュンギクは見た目にも葉色が良く、
かつボリュームがある植物体へ成長した。
【0031】
【化4】
【0032】実施例5〜19 その他の植物について、実施例2の各グローズボックス
を用いて、実施例2と同様の栽培試験を行い、表−3
(表3)の結果を得た。なお、表中の効果の欄の評価
は、一般農POフィルムに寒冷紗をかけたフィルムに比
較した場合の評価である。 ○:葉色、ボリューム等の見た目の魅力度、収量など、
大幅に商品価値が向上 △:葉色、ボリューム等の見た目の魅力度、収量など、
やや商品価値が向上
【0033】
【表3】 表−3
【0034】
【発明の効果】近年、食生活の多様化と共に、食品作物
の周年栽培への需要が高まっている。これらの期待に応
え、農業の合理化の観点からも、本発明方法は周年栽培
へ向けて、きわめて重要かつ価値のあるものである。特
に、冷涼な気候を好む作物にとって、夏場の高温障害を
防ぎ、良質な農産物を生産する極めて価値の高いもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高後 修 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 新井 直哉 千葉県印旛郡栄町竜角寺台3丁目6番10号 (72)発明者 井門 修平 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井化学株式会社内 (72)発明者 岩田 匡隆 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 700〜1800nmの近赤外線領域に
    吸収を有する近赤外線吸収剤を含有し、下記式で表され
    るA値が1.2以上で、かつB値が3%以上である被覆
    材料で被覆することを特徴とする冷涼な気候を好む植物
    の栽培方法。 A=R/Fr B=PPF(%)−τe 〔式中、Rは標準光源D65を基準とする600〜70
    0nmの赤色光の光量子束透過量を表し、Frは標準光
    源D65を基準とする700〜800nmの遠赤色光の
    光量子束透過量を表し、PPF(%)は光合成有効光量
    子束(PPF)透過率を表し、τe は日射透過率を表
    す〕
  2. 【請求項2】 冷涼な気候を好む植物が、ホウレンソ
    ウ、シュンギク、キャベツ、メキャベツ、ハクサイ、パ
    セリー、セルリー、レタス、エンダイブ、パンジー、ト
    ルコギキョウ、コリウス、シネラリア、カルセオラリ
    ア、カンパニュラ、デルフィニウム、またはカーネーシ
    ョンである請求項1記載の栽培方法。
  3. 【請求項3】 冷涼な気候を好む植物が、ホウレンソ
    ウ、シュンギク、キャベツ、メキャベツ、ハクサイ、パ
    セリー、セルリー、レタス、パンジー、トルコギキョ
    ウ、コリウス、またはカーネーションである請求項1記
    載の栽培方法。
  4. 【請求項4】 日中の外気最高気温が22℃以上となる
    季節に、請求項1〜3のいずれかに記載の栽培方法で栽
    培することを特徴とする冷涼な気候を好む植物の栽培方
    法。
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KR20190112497A (ko) * 2018-03-26 2019-10-07 대한민국(농촌진흥청장) 건조용 배추 재배방법 및 건조 배추의 제조방법

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